JP6569459B2 - シリカガラスの製造方法及びシリカガラス - Google Patents

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Description

本発明は、シリカガラスの製造方法及びその製造方法により製造されたシリカガラスに関する。
特許文献1には、深紫外線領域および真空紫外線領域において機能する液浸リソグラフィデバイスにおいて用いられる光学用シリカガラスには、水酸基、金属不純物及び塩素等のハロゲンの除去が重要であることが記載されている。そして、この特許文献1には、シリカガラス中の水酸基を低減するために、シリカスートプリフォームを塩素等のハロゲン含有化合物で処理すること、該処理によりシリカスートプリフォームに取込まれたハロゲンの除去や、酸素欠乏シリカ種を除去または再酸化するために、酸素を固結雰囲気中で用いることが記載されている。
特表2008−526672号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、シリカガラスの製造工程中である程度の水酸基濃度の低減と、金属不純物及び塩素等のハロゲンの除去が可能となったが、最終的に得られたガラス製品における水酸基濃度は十分に低減することができなかった。
そこで、本発明は、次世代露光装置用として有用で、水酸基、金属不純物及び塩素等のハロゲンを含まないことにより、露光装置での使用中に非架橋酸素空孔(non−bridging oxygen hole center;NBOHC)や酸素欠乏性欠陥(oxygen deficient center;ODC)などの構造欠陥を生じることがなく、ガラス内での屈折率の差(Δn)が小さく、偏光誘起複屈折(PIB)が低減でき、ArFレーザー耐性に優れたシリカガラス、及び、シリカガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシリカガラスの製造方法は、
多孔質シリカ母材を塩素を含む雰囲気で熱処理する工程(a)と、
工程(b);前記工程(a)の後、酸素を含有する雰囲気で熱処理する工程(b)と、を含み、工程(b)において使用する酸素中の全炭化水素が3体積ppm以下で、露点が−75℃以下である。
また、本発明のシリカガラスは、水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下である。
また、本発明の他のシリカガラスは、水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下、溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmである。
本発明によれば、露光装置用として有用で、水酸基、金属不純物及び塩素等のハロゲンを含まないことにより、露光装置での使用中に非架橋酸素空孔や酸素欠乏性欠陥などの構造欠陥を生じることがなく、偏光誘起複屈折が低減でき、ArFレーザー耐性に優れたシリカガラスを提供することが可能となる。
酸素含有雰囲気中で熱処理する際の処理囲気中の全炭化水素(THC)濃度と、製造されたシリカガラス内の水酸基の濃度との関係を示すグラフである。 本実施形態の製造方法で製造したガラスと、酸素処理において全炭化水素を含む製造方法で製造したガラスにおける、水酸基濃度(A)と塩素濃度(B)の分布を示すグラフである。 本実施形態の製造方法で製造したガラスにおける、焼結処理時の雰囲気中の酸素濃度と溶存酸素分子濃度との関係を示すグラフである。 本実施形態の製造方法で製造したガラスにおける、焼結処理時の雰囲気中の酸素濃度と水素処理後のガラス中の水酸基濃度との関係を示すグラフである。 本実施形態のガラス中の塩素濃度と35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nmの光の誘起吸収係数(E´)との関係を示すグラフである。 本実施形態のガラスにおける、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に発生する、波長280nmの蛍光と波長650nmの蛍光の強度比と、溶存酸素分子濃度との関係を示すグラフである。 35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行って、本実施形態のガラスの諸特性を評価するための装置の概略図である。
[本願発明の実施形態の説明]
本願発明の一実施形態は、(1)多孔質シリカ母材を塩素を含む雰囲気で熱処理する工程(a);と、前記工程(a)の後、酸素を含有する雰囲気で熱処理する工程(b)と、を含み、工程(b)において使用する酸素中の全炭化水素が3体積ppm以下で、露点が−75℃以下である、シリカガラスの製造方法である。
本実施形態では、多孔質シリカ母材を、塩素を含む雰囲気で熱処理して、金属不純物と水酸基を取り除いた後に、全炭化水素が3体積ppm以下で露点が−75℃以下の酸素を含有する雰囲気下で熱処理(酸素処理)することで、工程(a)で多孔質シリカ母材中に取り込まれる塩素を除去することができる。
(2)前記工程(b)において、温度が1000℃以上1300℃以下での熱処理を行うことが好ましい。上記温度で熱処理することにより、多孔質シリカ母材を透明化させることなく酸素欠乏性欠陥(ODC)の量を低減させることができる。
(3)前記工程(b)の後、酸素を含有しない雰囲気で熱処理することにより透明ガラス化することが好ましい。これにより、後述の水素処理後の水酸基濃度の増加量(ΔOH)を1ppm以下にすることができるようになる。
(4)前記工程(b)において、酸素濃度が0体積%を超え20体積%以下である雰囲気かつ温度が1300℃以上1600℃以下の範囲で透明ガラス化することが好ましい。酸素濃度が20体積%以下の雰囲気で透明ガラス化することにより、透明シリカガラス中の酸素欠乏性欠陥(ODC)の量をより確実に低減する事ができ、かつ後述の水素処理後の水酸基濃度の増加量(ΔOH)を1ppm以下にすることができる。
(5)前記工程(b)において、温度が1000℃以上1300℃以下での熱処理を行った後、酸素濃度が0体積%を超え20体積%以下である雰囲気かつ温度が1300℃以上1600℃以下の範囲で透明ガラス化することが好ましい。これにより、透明シリカガラス中の酸素欠乏性欠陥(ODC)の量をより確実に低減する事ができ、かつ後述の水素処理後の水酸基濃度の増加量(ΔOH)を1ppm以下にすることができる。
(6)前記工程(b)の後、透明化した前記シリカガラスを、水素を含有する雰囲気下で熱処理し、前記シリカガラス内の溶存酸素分子濃度を1×1014個/cm以下にし、溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以上1×1018個/cm以下にする工程(c)を含むことが好ましい。
工程(b)で熱処理したシリカガラスを透明化した後、工程(c)で水素を含有する雰囲気下で熱処理(水素処理)を行うことにより、前工程の酸素処理によりもたらされた溶存酸素を低減することができ、ArFレーザー耐性を向上させることができるとともに、ArFレーザー照射により生成する欠陥を修復することができ、ArFレーザー耐性を向上させることが可能となる。
溶存酸素分子を含むガラスは、波長200nm以下の領域における光透過特性が低下する。しかし、上記の水素処理を行うことにより、ガラス性能の低下の根源である溶存酸素を取り除くことができる。
(7)前記工程(c)において、水素含有雰囲気下での熱処理温度が200℃以上600℃以下であることが好ましい。200℃以上で熱処理することにより工程(c)の処理時間を短くすることができ、600℃以下で処理することで工程(c)による水酸基の生成を1ppm以下にすることができる。
(8)前記シリカガラスを、工程(c)の後、不活性ガスを含む雰囲気下で熱処理し、透明シリカガラス中の溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以下にする工程(d)含むことが好ましい。工程(b)で熱処理したシリカガラスを透明化した後、工程(c)で水素を含有する雰囲気下で熱処理を行ったのち、不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うこと(脱水素処理)により、前工程の水素処理でもたらされた溶存水素を低減することができ、ArFレーザー照射時の水酸基の生成を確実に抑制することができる。
(9)前記工程(d)において、不活性ガス含有雰囲気下での熱処理温度が200℃以上600℃以下であることが好ましい。200℃以上で熱処理することにより工程(d)の処理時間を短くすることができ、600℃以下で処理することで工程(d)による水酸基の生成を1ppm以下にすることができる。
本願発明の他の一実施形態は、(10)水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥(ODC)が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下のシリカガラスである。
水酸基が1重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、ODCが3×1013個/cmm以下であることにより、水酸基、金属不純物、ODCが実質的に存在しないようにすることができる。また、塩素が80重量ppm以下で溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下で存在することにより、ArFレーザー照射時のODCの生成を抑制でき、ガラスの透過率の低下を抑制できる。さらに溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下であることにより、工程(c)以降に生成する水酸基の量を実質的に存在しない1重量ppm以下まで低減する事ができ、ArFレーザー耐性が優れたものとなる。
(11)前記シリカガラスにおいては、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以上であることが好ましい。これによりODCの生成によるガラスの透過率の低下をより確実に抑制できる。
(12)前記シリカガラスにおいては、塩素濃度が0.1重量ppm以上であることが好ましい。前述のシリカガラスの製造方法の工程(b)の段階で塩素が微量に存在していることが好ましい。これにより、作製されたシリカガラスへの金属不純物への混入を抑制することができ、ArFレーザー光学特性が向上する。作製後のシリカガラス中に塩素が微量に存在することで、工程(b)で塩素が微量に存在していることを担保できる。
(13)前記シリカガラスは、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に、発生する蛍光の280nm蛍光強度/650nm蛍光強度が0.1以下であることが好ましい。これにより前記シリカガラス中の溶存酸素分子が必要十分な濃度となり、ODCの生成を抑制でき、ガラスの透過率の低下を抑制できる。
(14)前記シリカガラスは、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の193nm誘起吸収が0.06cm−1未満であることが好ましい。これにより前記シリカガラス中に水酸基が実質的に存在せず、塩素が80重量ppm以下となり、ODC、NBOHCの構造欠陥を生成することが無く、ArFレーザー耐性が優れたものとなる。
本願発明の他の別の一実施形態は、(15)水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下、溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmであるシリカガラスである。
水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下であることにより、水酸基、金属不純物、ODCが実質的に存在しないようにすることができる。また、塩素が80重量ppm以下であることにより、ODCの生成を抑制でき、ガラスの透過率の低下を抑制できる。
さらに、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下、溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmであることにより、ArFレーザー照射によっても水酸基が生成されることがなく、その結果、ガラス性能の低下を抑制できる。
(16)前記シリカガラスは、塩素濃度が0.1重量ppm以上であることが好ましい。前記シリカガラスの製造方法においては、工程(b)の段階で塩素が微量に存在していることが好ましい。これにより、作製されたシリカガラスへの金属不純物への混入を抑制することができ、ArFレーザー光学特性が向上する。作製後のシリカガラス中に塩素が微量に存在することで、工程(b)で塩素が微量に存在していることを担保できる。
(17)前記シリカガラスは、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nm誘起吸収が0.05cm−1以下であることが好ましい。35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nm誘起吸収が0.05cm−1以下であることで、長期にわたって良好な光学特性を実現できることを担保できる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
(製造方法の概要)
本発明の一実施形態に係るシリカガラスの製造方法(実施形態1)は、多孔質シリカ母材を、塩素を含む雰囲気で熱処理〔工程(a)〕した後に、全炭化水素が3体積ppm以下で露点が−75℃以下の酸素を含有する雰囲気下で熱処理〔工程(b)〕するものである。
多孔質シリカ母材を、塩素を含む雰囲気で熱処理することにより、水酸基濃度の低減と金属不純物の除去を行い、その後、塩素の除去や、ODCの生成を抑制するために、酸素処理することは、特許文献1等にも記載されている通り周知の事項である。
しかしながら、前記酸素処理で塩素等のハロゲンを低減化した際に、ガラス中の水酸基濃度が増加することがあった。
本発明者らは、上記の水酸基濃度増加の要因について検討した結果、前記酸素処理における酸素含有雰囲気中に含まれるメタンやエタンなどの全炭化水素(Total Hydro Carbon:THC)が関与しているものと推測した。より詳細には、ガラスの焼結炉中の高温下でTHCが酸素と反応すると水が生成し、焼結炉中の露点を悪化させ、これによりシリカガラスの外周部の水酸基濃度が増加するものと推測した。
そして、本発明者はさらに検討を行ったところ、前記酸素処理における酸素含有雰囲気中のTHC量と、前記酸素処理後に得られたガラスの水酸基濃度とが、図1のグラフに示す関係を有することを見出した。
また、ArFレーザー露光装置用として適切な、偏光誘起複屈折が十分に低いシリカガラスとするためには、その水酸基濃度は1重量ppm以下とすることが必要である。
そして、本発明者らは、図1のグラフより、シリカガラスの水酸基濃度を1重量ppm以下とするためには、前記酸素処理における酸素含有雰囲気中のTHCを3体積ppm以下とする必要があることを見出した。
なお、偏光誘起複屈折とは、特許文献1にも記載されている通り、シリカガラスに直線偏光の深紫外線レーザーを照射するときに、レーザーが照射された領域の中心付近に誘起される付加的な複屈折のことである。この偏光誘起複屈折は、深紫外線レーザーの偏光状態を変化させ、露光性能の低下を引き起こす。
本実施形態に係る(酸素処理においてTHCを含まない)製造方法で製造したガラスと、酸素処理においてTHCを含む製造方法で製造したガラスにおける、水酸基濃度と塩素濃度の分布を図2に示す。
図2は、工程(b)で熱処理したシリカガラスを透明ガラス化処理した後の円柱状のガラス体について、その中心から外周までの距離(半径)を1と規格化した場合、水酸基濃度(A)と塩素濃度(B)の半径方向の分布を、工程(b)にて使用した酸素中のTHCが3体積ppm以下のもの(THC無)とTHCが3体積ppmを超えるもの(THC有)とで比較したものである。
図2(A)より、工程(b)においてTHC無のものは、半径方向の全域に亘り水酸基濃度が低いことが分かった。また、工程(b)においてTHC有のものは、中心部分と最外周部分で水酸基が8ppmと最も低かったが中心部から規格化半径値0.8付近までは、水酸基濃度が勾配的に大きくなっていることが分かった。
また図2(B)より、工程(b)の酸素処理においてTHC無のものも有のものも、塩素濃度が中心部から外周部に向かって低くなる濃度勾配を示した。
このような知見に基づき、本実施形態では、次のようにシリカガラスを作製する。
(多孔質シリカ母材)
本実施形態で使用する多孔質シリカ母材は、ガラス原料であるSiClを酸水素火炎中で熱処理して作製される。
より詳細には、反応容器内に出発ロッドとガラス微粒子生成用のバーナーを設置し、前記バーナーにガラス原料を導入し、前記バーナーが形成する火炎内でガラス原料を火炎熱分解反応させてガラス微粒子を生成し、生成したガラス微粒子を前記出発ロッドに堆積させて多孔質シリカ母材を作製する。
そして本実施形態では、多孔質シリカ母材は、一例として嵩密度が0.3〜0.5g/cmであり、φ250mmの径のものを使用した。
なお、ガラス原料としては、SiClに代えて、ハロゲン化物を含有しないケイ素含有化合物であるオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)を用いてもよい。
(焼結炉)
本実施形態に係るシリカガラスの製造方法においては、前記工程(a)〜(b)を、酸素と反応しない石英炉等の炉内で行う必要がある。
前記工程(a)〜(b)は、前記炉内において処理雰囲気を高温にして行われるものである。その高温化のためには、ゾーン加熱、均熱加熱のいずれの加熱手法を採っても構わないが、本実施形態ではゾーン加熱を採った。また、(a)〜(b)のそれぞれの工程でゾーン加熱と均熱加熱を使い分けてもよい。
(工程(a))
工程(a)では、多孔質シリカ母材を、塩素を含む雰囲気で熱処理する。
この工程(a)は、多孔質シリカ母材に含まれる、水酸基のもととなる水と金属不純物を取り除くための処理であり、塩素脱水処理とも称される。
工程(a)の処理温度は、水と金属不純物の除去に支障がなければ特に限定されないが、900〜1250℃の範囲が好ましい。また、この処理雰囲気は、塩素(Cl)ガス、または塩素(Cl)ガスと不活性ガスとの混合雰囲気であることが好ましい。この処理雰囲気中の塩素濃度としては、水と金属不純物の除去に支障がなければ特に限定されないが、0.5〜10重量%の範囲が特に好ましい。
(工程(b))
工程(b)では、前記工程(a)の後、前記多孔質シリカ母材を全炭化水素が3体積ppm以下で露点が−75℃以下の酸素を含有する雰囲気下で熱処理する。なお、工程(b)にて多孔質シリカ母材を透明ガラス化(焼結処理)しても良く、工程(b)の後、酸素を含まない雰囲気で多孔質シリカ母材を透明ガラス化しても良い。また、工程(a)の後、工程(b)の前に酸素と塩素を含まず熱処理する工程を含んでも良い。
この工程(b)は、前記工程(a)がなされた前記多孔質シリカ母材に含まれる塩素の除去や、ODC等を除去または再酸化するための処理である。
前記酸素処理における酸素含有雰囲気中のTHCを3体積ppm以下とする手法としては特に限定されないが、処理雰囲気中に供給する酸素をガス精製機で精製することが、簡易で好ましい。
また、酸素処理における酸素含有雰囲気において、「露点が−75℃以下」とは、水が実質的に存在しないことを意味し、これによりシリカガラス外周部の水酸基濃度増加の抑制がより確実になる。
工程(b)における処理温度は、塩素の除去や、ODCの修復及び水酸基濃度増加の抑制に支障がなければ特に限定されないが、1000〜1300℃の範囲が好ましい。また、この処理雰囲気は、酸素(O)ガス、又は酸素(O)ガスと不活性ガスとの混合雰囲気であることが好ましい。この時の酸素濃度は0体積%を超え100体積%以下であることが好ましく、0.1体積%を超え100体積%以下であることがより好ましい。
また、前記多孔質シリカ母材を、酸素濃度が0体積%を超え20体積%以下である雰囲気かつ1300℃以上1600℃以下の範囲で透明ガラス化することがより好ましい。
図3に示すとおり、焼結処理時の酸素濃度が高いほど、溶存酸素分子濃度が高くなり、図4に示すとおり、その後に行う後述の水素処理により生じるガラス中の水酸基濃度も高くなる。また、後述の通り、ArFレーザー露光装置に使用するのに適当なシリカガラスは、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下であり、水酸基濃度が1重量ppm以下である。そして、図3及び4より、溶存酸素分子濃度を4×1016個/cm以下、水酸基濃度を1重量ppm以下とするには、焼結処理時の酸素濃度を20体積%以下とする必要があることが分かる。
また、上記の焼結処理時の酸素濃度が1.5体積%以下であることにより、後述の水素処理によるガラス中の水酸基濃度も0.1重量ppm以下となりより好ましい。
そしてこの処理雰囲気中に酸素を含む場合は、全炭化水素が3体積ppm以下で露点を−75℃以下とする。
(工程(c))
本実施形態に係るシリカガラスの製造方法においては、前記工程(b)の後、前記透明化したシリカガラスを、水素を含む雰囲気で熱処理し、前記シリカガラス内の溶存酸素分子濃度を1×1014個/cm以下にし、溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以上1×1018個/cm以下にする工程(c)を含んでいてもよい。
工程(c)中の水素含有雰囲気で熱処理する工程の温度は200℃以上600℃以下であることが好ましい。
この工程(c)は、前記工程(b)において酸素によってODCを完全に修復した後、残存する溶存酸素分子を検出限界以下である1×1014個/cm以下まで除去し、溶存水素分子を1×1016個/cm以上1×1018個/cm以下含むようにするものである(水素処理)。溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下であることで、波長200nm以下の光の透過特性が改善する。また、溶存水素分子を1×1016個/cm以上1×1018個/cm以下含むことにより、ArFレーザー照射時に生成する欠陥を修復することが可能となる。
溶存酸素分子濃度は1×1014個/cm以下で、検出限界となる。なお、この溶存酸素分子濃度は765nmの光励起による1272nmの蛍光を検出することによって測定するものである。(非特許文献参照(K. Kajihara et al., J. Non-Cryst. Solids, 354, p224 (2008). ))
(工程(d))
本実施形態に係るシリカガラスの製造方法においては、前記工程(c)の後、水素処理したシリカガラスを、不活性ガス雰囲気で熱処理し、前記シリカガラス内の溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以下にする工程(d)を含んでいてもよい。工程(d)の不活性ガス雰囲気で熱処理する工程は200〜600℃であることが好ましい。
この工程(d)は、前記工程(c)において溶存した水素分子を除去するものである(脱水素処理)。
溶存水素分子濃度は1×1016個/cm以下で、検出限界となる。なお、この溶存水素分子濃度はラマン分光法により測定することができる。水素分子の濃度Cは石英由来の800cm−1のラマンバンド(I800)に対する4135cm−1のラマンバンド(I4135)の強度比から、下記式を用いて算出した。
C(H2 molecule/cm3)=1.22×1021×I4135/I800
(非特許文献参照(V. S. Khotimchenko et al., J. Appl. Spectros., 46, pp632-635 (1987). )
(シリカガラスの概要)
本発明の他の一実施形態に係るシリカガラス(実施形態2)は、水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥(ODC)が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下である。このシリカガラスは、前述の実施形態1における、工程(b)の焼結処理まで行われたものであることを意味する。
金属不純物が10重量ppm以下とは、ガラス中において金属不純物が実質的に存在しないことを意味する。
ガラス中の金属不純物の検出方法としては、ICP−MS等の方法が採られる。
水酸基が1重量ppm以下とは、ガラス中の水酸基の検出限界を下回り、ガラス中において水酸基が実質的に存在しないことを意味する。そして、これにより、偏光誘起複屈折(PIB)の発生を抑制できる。
ガラス中の水酸基の検出方法としては、K. M. Davis et. al., J. Non-Cryst. Solids, 203(1996), p27-36(非特許文献)の記載に基づき、厚み10mmのサンプルを使用し、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用い、3670cm−1の吸収ピークから算出する方法が採られる。
塩素が80重量ppm以下であれば、ガラス内での屈折率の差(Δn)を8ppm以下とすることができる。更に、塩素が50重量ppm以下であれば、ガラス内での屈折率の差(Δn)を5ppm以下に、20重量ppm以下であれば、ガラス内での屈折率の差(Δn)を2ppm以下とすることができる。
ガラス中の塩素の大部分は、ガラスの主な構成成分元であるケイ素に結合した状態で存在するものであるが、露光装置での使用によるArFレーザーの照射により、ケイ素との結合から遊離し、塩素が遊離したケイ素同士が互いに結合してODCが生成される。このODCが光を吸収することによりガラスの光透過度が低下する。
以上の事項より、ガラス中の塩素は可能な限り少ないことが好ましい。但し、ガラス中に塩素が全く存在しない場合は、そのガラス中に金属不純物を含む可能性がある。このため、本実施形態に係るシリカガラスは、80重量ppmを上限として塩素を含むものである。
ガラス中に塩素が全く存在しない場合、そのガラスが金属不純物を含む可能性があることの理由としては、以下の通りである。
前述の通り、シリカガラスの製造の際には、多孔質シリカ母材に含まれる水と金属不純物を取り除くために塩素脱水処理が行われる。この塩素脱水処理により多孔質シリカ母材に塩素が取り込まれる。その後、工程(b)にてガラス中の塩素が除去される。この時、同時に多孔質シリカ母材中に金属不純物が混入してしまうことがある。多孔質シリカ母材中に塩素が微量に存在すると、混入した金属不純物を除去することが可能だが、全く存在しないと金属不純物を除去することができず多孔質シリカ母材中に金属不純物が取り込まれてしまう。そして、そのまま透明ガラス化すると、作製したシリカガラスは金属不純物を含むガラスになってしまう。作製したシリカガラス中に塩素が存在することで、金属不純物が無いことを担保できる。
ガラス中の塩素濃度の検出方法としては、電子線マイクロアナライザ(Electron Probe MicroAnalyse;EPMA)で測定する方法が採られる。
また、塩素濃度が80重量ppm以下であれば、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nmの光の誘起吸収係数(E´)は0.10cm−1以下であり、これは、塩素が十分に少ないことを意味する。
なお、ガラス中の塩素濃度と35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nmの光の誘起吸収係数(E´)との関係を図5のグラフに示す。この図5より、ガラス中の塩素濃度が低くなるほど、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nmの光の誘起吸収係数も比例して小さくなることが分かる。
なお、本実施形態に係るシリカガラスにおいては、塩素濃度が50重量ppm以下であることがより好ましく、20重量ppm以下であることが更に好ましく、10重量ppm以下であることが特に好ましい。
酸素欠乏性欠陥(ODC)が3×1013個/cm以下とは、ガラス中においてODCが実質的に存在しないことを意味する。
ガラス中にODCが存在すると波長163nmの光の吸収が生じる(L. Skuja, Journal of Non-Crystalline Solids 239 (1998) p16-48(非特許文献))。この現象を利用して、ガラス中のODCの検出には、波長163nmの光吸収を観る方法が採られる。具体的には、測定サンプルと、ODCを実質的に含まない基準サンプルの163nm透過率を分光光度計を用いて測定し、ランベルト・ベールの式からODC量を算出する。吸収断面積については上記非特許文献を参照する。
波長163nmの光吸収が0.2%以下であれば、ODCも3×1013個/cm以下となり、実質的に存在しないレベルであることを意味する。
本実施形態に係るシリカガラスは、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下であることにより、工程(c)において水酸基が生成されることがなく、ArFレーザー耐性が優れたものとなる。
また、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以上であれば、工程(b)でのODCの生成を抑制することができる。
なお、溶存酸素分子濃度の検出限界は1×1014個/cmである。
ガラス中にODCが生成されると、ArFレーザー照射を35mJ×10パルスの条件で行った場合に、波長280nmの蛍光が発生する。また、ガラス中にNBOHCが生成されると、ArFレーザー照射を35mJ×10パルスの条件で行った場合に、波長650nmの蛍光が発生する。
上記のことから、ガラス中の溶存酸素分子濃度の過不足状態を示す指標として、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に発生する、波長280nmの蛍光と波長650nmの蛍光の強度比を用いることができる。
この波長280nmの蛍光と波長650nmの蛍光との強度比と、溶存酸素分子濃度との関係を図6のグラフに示す。この図6より、ガラス中の溶存酸素分子濃度が高い方(過剰な状態)が、蛍光強度比(280nm/650nm)が小さくなることがわかる。
また、溶存酸素分子濃度が過剰な状態では、NBOHCの生成が促進されるが、NBOHCは、前述の水素処理により修復が可能であるため、ODCを抑制するために溶存酸素分子濃度が過剰な状態であることが好ましい場合がある。そして、その場合、シリカガラスは、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に、発生する蛍光の280nm蛍光強度/650nm蛍光強度が、0.1以下であることが好ましい。
なお、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に、発生する蛍光の280nm蛍光強度/650nm蛍光強度は図7に示す評価装置によって評価される。
図7は、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行って、本実施形態のシリカガラスの諸特性を評価するための装置の概略を示す。
ArFレーザー照射手段2から照射された193nmの光はスリット6を経て、シリカガラス照射サンプル1に照射される。シリカガラス照射サンプル1を透過したArFレーザー光(193nm)は、パワーメータ3により検知される。
ArFレーザー光(193nm)により励起されシリカガラス照射サンプル1から発せられる蛍光は、レンズ7を通してガイドファイバ5にて受光され、分光器4で検知される。
また本実施形態に係るシリカガラスにおいて、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の193nm誘起吸収が0.06cm−1以下であれば、ガラス中に水酸基、塩素が実質的に存在しないことを意味する。そして、これにより、ODC、NBOHCの構造欠陥を生成することが無く、ArFレーザー耐性が優れたものとすることができる。
また本実施形態に係るシリカガラスにおいて、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nm誘起吸収が0.05cm−1以下であれば、ガラス中に溶存酸素を含まないことを意味する。
前記実施形態1の工程(b)でODCが修復されたガラスは、その中に溶存酸素分子を多量に含む可能性がある。溶存酸素分子は波長200nm以下の光の透過特性を悪化させるため、ArFレーザー照射を行った場合の特性が悪化する。そのため、前記実施形態1の工程(b)でODCが修復されたガラスは、含有される溶存酸素分を取り除かれることが好ましい。
前記実施形態1の工程(b)でODCが修復されたガラスに対し、工程(c)を行うことで、溶存酸素分子を取り除くことが可能となる。
本発明の他の別の一実施形態に係るシリカガラス(実施形態3)は、水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下、溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmである。
水酸基、塩素、金属不純物、酸素欠乏性欠陥、溶存酸素分子濃度の規定については、前述の実施形態2のシリカガラスと同じである。
そして、本実施形態に係るシリカガラスは、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下で溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmであることにより、前述の実施形態1における、工程(c)の水素処理がなされたものであることを意味する。そして、これにより、工程(c)の水素処理以降において、水酸基が生成されることがない。
以下、本発明に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
工程(a)を行った多孔質シリカ母材に対し、下記表1に示す条件で工程(b)〜(d)を行いシリカガラスを製造した。
下記表1に示す条件で製造したシリカガラスの、金属不純物濃度、水酸基濃度、塩素濃度、ODC量、溶存酸素分子濃度、溶存水素分子濃度は下記表2に示す通りであった。
下記表1に示す条件で製造したシリカガラスについて、35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った際の各種光学特性は下記表3に示す通りであった。
なお、下記表1〜3中、No.1〜5が実施例で、No.6〜9が比較例である。
Figure 0006569459
Figure 0006569459
Figure 0006569459
上記表1〜3のNo.1〜5は、製造工程(a)における塩素処理を実施し、製造工程(b)の酸素処理におけるTHC量が3体積ppm以下で、露点が−75℃以下であったことにより、製造されたガラスは、金属不純物濃度が10重量ppm以下、水酸基濃度が1重量ppm以下、塩素濃度が80重量ppm以下、ODC量が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下、であった。
さらに、No.1、2は、製造工程(c)の水素処理を行うことにより、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cmm以下となり、溶存水素分子濃度は1×1018個/cm以下となった。
また、No.1、2は製造工程(d)の脱水素処理を行うことにより、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下のまま、溶存水素分子濃度は1×1016個/cm以下となった。
これに対して、上記表1〜3のNo.6は、製造工程(a)の塩素含有雰囲気での熱処理、(b)の酸素含有雰囲気での熱処理を実施しなかったため、水酸基濃度が40ppmとなってしまった。また、上記表1〜3のNo.7は、製造工程(b)の酸素含有雰囲気での熱処理を実施しなかったため、塩素濃度が1000ppmとなってしまった。
No.8〜9は、酸素ガスに含まれるTHC量が3体積ppm超であったことにより、水酸基濃度が1ppmより大きくなってしまった。
1 シリカガラス照射サンプル
2 ArFレーザー照射手段
3 パワーメータ
4 分光器
5 ガイドファイバ
6 スリット
7 レンズ

Claims (17)

  1. 多孔質シリカ母材を塩素を含む雰囲気で熱処理する工程(a)と、
    前記工程(a)の後、酸素を含有する雰囲気で熱処理する工程(b)と、を含み、工程(b)において使用する酸素中の全炭化水素が3体積ppm以下で、露点が−75℃以下であり、
    前記工程(b)を経て得られるシリカガラスに残留する酸素欠乏性欠陥が3×10 13 個/cm 以下である、シリカガラス製造方法。
  2. 前記工程(b)において、温度が1000℃以上1300℃以下での熱処理を行う、請求項1に記載のシリカガラス製造方法。
  3. 前記工程(b)の後、酸素を含有しない雰囲気で熱処理することにより透明ガラス化する、請求項1または請求項2に記載のシリカガラスの製造方法。
  4. 前記工程(b)において、酸素濃度が0体積%を超え20体積%以下である雰囲気かつ温度が1300℃以上1600℃以下の範囲で透明ガラス化する、請求項1に記載のシリカガラス製造方法。
  5. 前記工程(b)において、温度が1000℃以上1300℃以下での熱処理を行った後、酸素濃度が0体積%を超え20体積%以下である雰囲気かつ温度が1300℃以上1600℃以下の範囲で透明ガラス化する請求項1に記載のシリカガラス製造方法。
  6. 前記工程(b)の後、透明化した前記シリカガラスを、水素を含有する雰囲気下で熱処理し、前記シリカガラス内の溶存酸素分子濃度を1×1014個/cm以下にし、溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以上1×1018個/cm以下にする工程(c)を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のシリカガラス製造方法。
  7. 前記工程(c)において、水素含有雰囲気下での熱処理温度が200℃以上600℃以下である、請求項6に記載のシリカガラス製造方法。
  8. 前記シリカガラスを、工程(c)の後、不活性ガスを含む雰囲気下で熱処理し、透明シリカガラス中の溶存水素分子濃度を1×1016個/cm以下にする工程(d)含む、請求項6又は請求項7に記載のシリカガラス製造方法。
  9. 前記工程(d)において、不活性ガス含有雰囲気下での熱処理温度が200℃以上600℃以下である、請求項8に記載のシリカガラス製造方法。
  10. 水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が4×1016個/cm以下であるシリカガラス。
  11. 溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以上である請求項10に記載のシリカガラス。
  12. 塩素濃度が0.1重量ppm以上である請求項10又は請求項11に記載のシリカガラス。
  13. 35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合に、発生する蛍光の280nm蛍光強度/650nm蛍光強度が0.1以下である請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載のシリカガラス。
  14. 35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の193nm誘起吸収が0.06cm−1以下である請求項10〜請求項13のいずれか1項に記載のシリカガラス。
  15. 水酸基が1重量ppm以下、塩素が80重量ppm以下、金属不純物が10重量ppm以下、酸素欠乏性欠陥が3×1013個/cm以下、溶存酸素分子濃度が1×1014個/cm以下、溶存水素分子濃度が1×1016〜1×1018個/cmであるシリカガラス。
  16. 塩素濃度が0.1重量ppm以上である請求項15に記載のシリカガラス。
  17. 35mJ×10パルスの条件でArFレーザー照射を行った場合の215nm誘起吸収が0.05cm−1以下である請求項15又は請求項16に記載のシリカガラス。
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