JP5384931B2 - 紫外線リソグラフィー露光装置用シリカガラス部材の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線、特にArFエキシマレーザー光の照射に対して優れた光透過性、均質性、および安定性を有する紫外線光学用合成シリカガラス部材の評価方法に関するものである。具体的には、本発明は、紫外線照射によって発生する熱収差を低減した紫外線光学用シリカガラス部材の評価方法に関し、特に半導体チップ製造用のArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィー用の露光装置のレンズやその他の光学部品、また、その他ArFエキシマレーザー光に使用される光学部材、レンズ、ビームスプリッター、プリズム、などに好適に使用されるシリカガラス部材の評価方法に関するものである。
LSIの高集積度化は留まる事を知らず、シリコンウエハー上に集積回路パターンを描画する光リソグラフィー技術においても、近年は波長193nmのArFレーザーを用いた液浸リソグラフィー技術が最先端のシリコンチップの製造に用いられており、使用波長の1/6程度の非常に細かな回路パターンを描画することが求められている。
最初にArF露光装置が登場した時は使用波長の1/2程度の回路パターン形成に用いられていたが、各種超解像技術や液浸技術の導入で年々パターンの微細化が進められ、それに伴って露光装置も改良されてきた。
このような微細化要求に答える為に、露光装置の解像度を決定するレンズ材料の性能に対しても非常に厳しい特性が要求されるようになっている。具体的な特性は、更に高い透過性、更に高い均質性、更に高いエキシマレーザー光照射耐性、といった要求である。特に微細なパターンを正確に転写するためには、非常に均質性の高い材料をレンズとして用いることが必要で、また、この均質性が長期間にわたって安定していることが非常に重要であり、これまで高い均質性のシリカガラス材料を得るための研究・開発が多く行われてきた。
なお、均質性の向上とは、材料中の屈折率の分布をできるだけ一定にすることを意味している。屈折率に影響を及ぼす因子としては、含有する不純物(水酸基、水素分子等の溶存ガス成分など)や熱履歴に起因する密度揺らぎ、等が挙げられ、これらの物性をできるだけ均一にすることに着目して研究、開発が進められ、現在では632.8nmにおける屈折率変動幅が1ppm以下の露光装置用レンズ材料が極一般的に製造されている。
また、長期間の屈折率安定性(動的な屈折率の安定性)という点においても、ArFレーザー光照射による屈折率変動ダメージ(コンパクションやレアファクションというダメージ)を低減すべく、多くの研究・開発が進められ、一定の成果が挙げられている(特許文献1)。
このような長期間の動的な屈折率変動に対する改良も進められているが、近年、特に微細なパターンを描画するための高精度の露光装置において、シリカガラス材料の透過性が短期間の動的な屈折率変動に影響を与え、露光装置の結像性能に多大な影響を及ぼすことがわかってきた。
というのは、光の透過性が悪い理由として各種不純物や欠陥による吸収が想定されるが、これらの吸収によって透過光エネルギーは熱エネルギーに変換され、レンズ内で局部的な温度分布が生じ、屈折率の不均一が生じるため、露光中にレンズの焦点距離やその他の特性を狂わせる要因となり結像特性が悪化する、といった現象が顕在化している。このような現象を熱収差と呼んでおり、特に、近年の高精度な露光装置では深刻な問題として認識されるようになってきた。
もちろん、これまでも透過性向上を要求されてきた為、改善の為の多くの研究が行われてきた。従来、とりあえず内部透過率で99.70%程度以上、好ましくは99.75%以上の材料であれば使用可と判断される例が多かったが、より高い透過性を求める最近の露光装置用のシリカガラス材料においては、このような単純な透過率の規準だけでは、場合によっては使用の可否を誤る危険性があることがわかってきた。
というのも、最も重要なことは熱収差を生じさせる光の減衰量のみを極力低減することであり、この事が単純に透過率を向上させることと結びつかないことが判明したからである。というのは、従来の透過率測定法はこの熱エネルギーに変換される光の減衰量のみを正確に定量することが原理的にできない方法だからである。
特開平2005−098812号公報 特開平10−239213号公報 特開2000−128553号公報 特開2003−104746号公報 特開平10−279322号公報 特開平06−166522号公報 特開2002−316825号公報 特開2003−201125号公報 V. S. Khotimchenko, et al, J. Appl.Spectrosc.,46(6)632−635(1987) D. M. DODD and D. B. FRASER, Optical determination of OH in fused silica, Journal of Applied Physics, Vol. 37(1966) p.3911.
前述したように、熱収差に直接影響を及ぼす物性は透過率ではなく、熱に変換される紫外線の減衰量が問題であり、この量を正確に定量し低減することが重要である。従来から透過率の評価には紫外線分光光度計が一般的に用いられているが、原理的には、測定試料に入射される光の強度Iと透過された光の強度Iの強度比を計測することで、透過率を算出する方式である。透過率の測定原理を図3に簡単に示しており、
見掛け透過率(%)=(I/I)X100
と定義されている。
しかしながら、実際に熱収差を引き起こす光の減衰分は、図3の破線で示された試料中を透過する光線が吸収される部分である。破線部分の光線の損失分を更に詳しく見てみると、吸収によって熱に変換される損失(1)、主としてレーリー散乱による損失(2)、の2種類の損失成分がある。前者の損失(1)がシリカガラス内部で熱エネルギーに変換される光の減衰量に相当し、一方、後者の散乱損失(2)については熱に変換されない光の減衰量に相当しており、基本的に熱収差に影響を与えないものである。
ところで、上記損失、(1)及び(2)はシリカガラスの製法やその性状によって変動する値である。本来、材料の優劣を評価するためには吸収による損失分(1)のみを定量することが必要だが、従来の透過率測定方法では、上記損失(1)(2)に両面の反射による損失(3)を加えて、(1)〜(3)の全損失を含んだ測定値で優劣判断をせざるを得なかった。このような場合、もし散乱成分(2)が大きいと見かけ透過率も低下するため、実際は熱収差発生の少ない材料でありながら使用不可と判断されたり、逆に、吸収成分(1)が大きくても、散乱成分(2)が小さい場合では見かけ透過率値が高く、使用可と誤った判断されたり、といった不都合が生じていた。
本発明は、このような欠点を解決すべく、現状のArFリソグラフィー用露光装置に好適なレーザー光誘起による熱収差発生を抑えた高品質のシリカガラス部材の評価方法を提供することを目的とするものである。
そこで本発明者らは鋭意研究の結果、現在のArFリソグラフィー用露光装置に真に好適に用いることの出来るシリカガラス部材の評価方法を提供することが可能であることを見出した。
本発明のシリカガラス部材の評価方法は、紫外線照射によって発生する熱収差を低減した紫外線リソグラフィー露光装置用シリカガラス部材の評価方法であって、波長200nm以下の紫外光をシリカガラス部材中に透過させた時、シリカガラス内部で熱エネルギーに変換されて生じる光の減衰量を、波面変動量を測定することで純吸収量を算出する方法により直接測定し、光路長1cmあたり1/1000以下、好ましくは1/1500、さらに好ましくは1/2000である場合に紫外線リソグラフィー露光装置用光学部材に適格であると評価することを特徴とする。
本発明のシリカガラス部材の評価方法においては、前記シリカガラス部材が、Na含有量が2wppb以下、水酸基濃度が5〜50wppm、及び水素分子含有量が1.0E+16〜1.0E+18分子数/cmであって、かつ還元性欠陥及び酸化性欠陥を実質的に含有しないことが好ましい。
上記した構成の本シリカガラス部材は熱に変化する吸収量が十分に小さいため、熱収差発生が非常に小さなレベルに抑えられ、最新のArFリソグラフィー露光装置に好適に使用できるものである。
さて、ここで発明が解決しようとする問題点の項目で記載した3つの透過損失についてもう少し詳細な説明を追記し、更に、熱に変化する吸収量(1)の測定方法についても説明を記載しておく。
図4に試料を透過する光の損失について、もう少し具体的な説明を示した。一般的に透過率と呼ばれる量は、前述示したように、試料に入射される光の強度Iと試料から出射される光の強度Iの比率で定義されている。入射光は、試料本体の性情とは無関係の2面の反射による損失(3)と試料本体の性情に関係する散乱損失(2)と吸収損失(1)の全ての損失によって減衰し、透過率とは、これら(1)〜(3)の損失成分を全て含めて計測される出射光強度Iと入射光強度Iの比率から算出されるものである。前記の反射による損失(3)はシリカガラスの屈折率から算出することができるが、正確かつ安定的に測定するためには試料表面の研磨状態や面の清浄度を厳密に管理し、更に測定器の厳密な精度管理も必要なため、現実的にはかなり困難な計測である。なお、屈折率から算出される2面の反射損失は約9.14%であり、したがって、透過される光は90.86%程度と認識されている。
この反射損失(3)はシリカガラス本体の吸収とは関係なく、波長と屈折率から算出される固有の値を示すため、この反射損失を差し引いた値を100%として見なして試料の透過率を表したものを一般的に内部透過率と呼び、試料内部の透過性のみに着目した透過率と認識されている。一般的に内部透過率は分光光度計によって計測された反射損失を含む透過率値を反射損失値を差し引いた理論値(90.86%)で除することで算出されるが、前述したように、正確な透過率計測値を得るためには、試料の研磨や清浄度に十分配慮しなければいけない。
内部透過率に影響を及ぼす損失として、レーリー散乱による損失(2)と吸収による損失(1)の2種類の損失が存在する。前者のレーリー散乱による損失は概ね0.015%と言われているが、実際のところ、レーリー散乱損失はシリカガラスの構造安定度によって変化するため、ガラスの熱履歴によってその値は変化するため、一定値をとることはない。後者の吸収損失(1)は、シリカガラス中に構造欠陥や不純物が含有されている時に光が吸収される損失であり、その結果、光エネルギーが熱エネルギーに変換され、試料の温度が上昇することで屈折率を変化させてしまう(熱収差の発生)。したがって、この吸収損失(1)を限りなくゼロに低減することが重要な開発課題となっており、本発明はその方法を提供するものである。
一般的に吸収量や吸光度と呼ばれる値は、一般的な分光光度計による透過率測定値から両面の反射損失を差し引いた値(内部透過率)から算出されるため、上記散乱損失込みの値で定義されることが多い。上記、散乱損失(2)も吸収損失(1)も光の減衰量としては試料中を透過する光路長にしたがって変動し、一般的な分光光度計による測定では両者の損失の和が吸収量として計測されるからである。ここでは、従来の吸収量や吸光度という文言の定義との混同を避けるために、本明細書では、入射した光エネルギーが純粋に熱エネルギーのみに変換されて引き起こされる光の減衰分を純吸収量(1)と呼ぶことにする。
従来の透過率測定方法、すなわち図3に示した透過光の強度を測定する方法では、原理的に上記(1)〜(3)の損失を含んだ値が透過率として測定されてしまうこと、また、近年の改良の進んだシリカガラスでは純吸収成分(1)の量がかなり低減されており従来法で正確に推定することがかなり難しいこと、といった2つの理由から、純吸収成分(1)のみを独立に、かつ、正確に測定することができなかった点がこれまでの大きな問題であった。
純吸収量(1)を独立に測定する方法として光カロリメトリー法と呼ばれる測定方法が検討されている。基本的な原理として、既知の照射線量の紫外線を試料に照射したときに、その試料の温度変化を直接、または、間接的に測定する方法である。つまり、紫外線の照射によって吸収されたエネルギーが熱エネルギーに変換されて試料の温度が上昇し、この温度変化による試料の物性変化を何らかの手法で測定する、といった原理である。
エキシマレーザーを用いた光カロリメトリー法について特許文献2に紹介されている。この方法は測定試料にエキシマレーザー光を照射し、その光照射部分の温度を赤外線放射温度計によって計測し、この温度変化量から光吸収量(1)を算出するものである。この方法は原理的には照射した光エネルギーが熱エネルギーに変換される純吸収量(1)のみを測定することは可能であるが、測定される温度は試料の表面温度であり、もし表面に汚染物質が吸着していると、光が表面で吸収されて表面温度の上昇をもたらすため、試料本体(内部)の純吸収量(1)を必ずしも正確に測定していない、といった不具合が生じる場合がある。
すなわち、正確な測定には表面の清浄度を厳密に管理しなければならない。また、赤外線放射温度計の測定精度も一般的には0.1℃の変動量を検出できる程度であり、最近の特に純吸収量(1)が低減された高透過性の材料では温度変化量が非常に微小なため精度良く測定できない、といった欠点があった。
本発明者らは、上記方法の欠点を鑑みて、最新の露光装置に用いられる高透過性を有する材料、すなわち微小な温度変化しか生じない材料の純吸収量(1)を正確に測定するために、微小温度変化でも鋭敏に変化する物性値を模索し、この物性値変動を測定する手法を適用することで、上記目的を達成する事が可能となった。すなわち、本発明は高精度波面センサーによる屈折率変化量を直接計測することにより、より微小な純吸収量を定量し、最新の露光装置に真に好適な材料を見分ける事ができるようになった。
もちろん本発明は上記高精度波面センサーによる計測方法のみに限定されるものではなく、微小な純吸収量(1)を間接的に精度良く測定できる手法であればどのような方法でもかまわない。例えば、LID法(Laser Induced Diflection)と呼ばれる方法も高い測定感度が得られる方法である。この方法は試料中にダイオードレーザー光をプローブビームとして通過させておき、ArFレーザー光照射で引き起こされる温度分布形成により上記プローブビームが湾曲することで、そのビームの位置変化を検出するものである。いずれにしても、本発明における純吸収量(1)測定は高精度波面センサーを用いて屈折率変動を測定する方法を採用している。
本発明は、紫外線照射によって吸収された光エネルギーが熱エネルギーに変換されて引き起こされる熱収差を低減した紫外線光学用シリカガラス部材の評価方法であり、特に、近年の最先端半導体チップのリソグラフィー工程に用いられるArFエキシマレーザー露光装置用のレンズ等の光学部材に好適に用いられるものである。
本発明による光学部材を用いることにより、レンズの熱収差発生による結像特性の悪化を引き起こすことなく、安定した露光が可能になる。また、レンズ材料の純吸収量低減により、更に高いエネルギーのArFレーザー光を使用することが可能となり、生産性が向上し、前記の良好な結像特性を長期間にわたって維持できる信頼性の高いリソグラフィー露光装置を構成することができ、ひいては、安価で、かつ、安定な半導体チップの製造が可能となる。
本発明の実施態様について、以下、例を挙げて説明するが、本発明は、以下の説明及び例示によって、何等制限されるものではない。
本発明で用いられる測定装置の概略を図1に示した。図1はArFエキシマレーザー光が熱エネルギーに変換されて生じる光の損失分を正確に測定する装置の概略図を示したもので、発生する熱エネルギーにより生じた温度変化による試料の屈折率変動量を、高精度波面センサーで透過波面の変動量として検出する装置である。図1において、10は測定装置で、赤色ダイオードレーザー12、第1テレスコープレンズ系14、第2テレスコープレンズ系16、高精度透過波面センサー18を有している。20はシリカガラスサンプル、22はArFエキシマレーザー光である。
また測定方法の手順については、後述する実施例におけるi)純吸収量(1)の測定の欄に詳しく記載する。
図1に示した測定装置を用いて、従来の透過率計による測定で内部透過率が99.7%を十分越える高透過性を示す幾つかの試料の純吸収量(1)を測定してみると、純吸収量(1)についてはかなりバラつきが大きい測定値が得られる、という驚くべき結果となった。大部分の試料の純吸収量(1)は光路長1cmあたりの吸光度で表すと4E−4(/cm)以下と低い値を示していたが、一部の試料では4E−4(/cm)を超える大きな吸収量を示すものが確認された。
これまでの一般的な透過率の評価では内部透過率が99.7%以上であればまずまず良好で使用可能と分類されていたが、実際には純吸収量(1)が4E−4(/cm)を越えるものについては、ArF露光装置への適用を考慮した場合、ArFレーザー光照射による熱収差によって結像性能を悪化させる可能性が高いものと判断されるものであった。
一方で、従来の透過率測定法で99.7%付近の使用の可否判断レベルぎりぎりの線の試料であったにもかかわらず、純吸収量(1)は2E−4(/cm)とかなり良好な結果を示す試料もあり、この場合は、ArF露光装置に使用してもまったく差し支えの無いレベルであることが確認できた。
このように、従来の透過率測定結果がそのままArF露光装置用途の可否判断に適用できない場合もあることが確認された。従来法との整合性が得られない大きな理由は、試料によってレーリー散乱損失(2)が異なっていることや、研磨・洗浄品質の固体差によって反射損失(3)の測定値に揺らぎが生じていたこと、などが原因と考えている。
本発明は、ArF露光装置に真に好適な材料として、光カロリメトリー法で測定される熱収差を引き起こす純吸収量(1)が光路長1cmあたりの吸光度で表すと約4E−4(/cm)以下、言い換えれば試料中を通過する光の減衰量が1cmあたり1/1000以下となるシリカガラスであり、このような真に吸収が低減されたシリカガラス部材の評価方法を提供するものである。
前述したように、従来法との整合性が得られない理由として、試料によって散乱損失(2)が大きく異なっている事が考えられる。散乱損失量(2)は、シリカガラスの構造が決定される温度、いわゆる仮想温度に強く依存している。相対的に高い温度で構造が凍結された場合、すなわち高い仮想温度を示すシリカガラスでは分子構造の揺らぎも大きく、一般的にレーリー散乱強度も高くなる。散乱損失(2)を抑えるためには熱処理条件を調整して低い仮想温度に設定すれば良いが、熱処理条件は屈折率分布や複屈折分布といった重要な光学特性にも強い影響を与えるため、単に低い仮想温度に設定する処理条件を適用すればよい、と一概に言えるわけではない。
もちろん散乱もフレアーとしてコントラスト低下を引き起こす要因となるため、理想的にはできるだけ低い仮想温度に設定して散乱を抑えることが好ましいが、現実的には屈折率分布と複屈折分布の特性を鑑みて最適な熱処理条件が選択されるため、極端に仮想温度を低く設定することはできないことが多い。これまで透過率の測定は散乱損失(2)まで含めた測定法によって定量していたため、散乱損失が大きいものは透過率が低くなり、使用不可と判断されがちであった。本発明の方法では、純吸収量(1)を直接測定するため、散乱損失の高い材料でも、吸収量が小さなものであれば十分に使用でき、使用可否の判断が的確にできるようになったことが大きなメリットである。
さて、前記、純吸収量(1)に影響を及ぼす物性として、含有する不純物と紫外線領域に吸収を有する構造欠陥が挙げられる。シリカガラス中の不純物といっても各種存在し、例えば水素や酸素分子等のガス状不純物、また金属不純物など、更にはSiOH等のSiO以外の構造体も不純物とみなすことができる。ここで、特に純吸収量(1)に影響を与える金属不純物はNaであり、この不純物濃度を一定値以下に制限することが、純吸収量(1)を低減させるためには効果的である。
従来から内部透過率を向上させるためにNa不純物濃度の低減が提案されてきたが、本件発明の要件である純吸収量4E−4(/cm)以下を達成するためには、Na濃度を2wppb以下とすることが必要である。もちろんNa濃度は低ければ低いほど好ましいが、実際にシリカガラスの光学材料を作成するためには、高均質性や低複屈折率といった光学特性も同時に高いレベルであることが必要であり、一般的には高温での熱処理を施すことによってこれらの特性を満足させている。Na不純物はこの熱処理段階で外表面から汚染されるため、工程のクリーン化や短縮化によって地道に汚染量を低減しなければならない。
具体的なNa含有量低減方法についてここで紹介することは枚挙にいとまが無いため割愛するが、幾つかのNa含有量低減方法について以下に紹介しておく。(1)シリカガラス合成時のNa汚染の低減−SiCl等の出発原料の高純度化、シリカガラス合成容器のクリーン化、熱処理炉のクリーン化(グラファイト等の各種炉材に金属不純物量の少ない高純度グレードのものを使用する)、(2)各種熱処理時の汚染低減−外表面汚染部分の研削・除去(特許文献3、特許文献4等)、炉材の高純度化、高純度容器内でのアニール熱処理(特許文献5)、等の方法が提案されている。
ArFエキシマレーザー光に対する純吸収量(1)の低減は不純物だけでなく、レーザー光照射による構造欠陥の生成についても注意しなければならない。すなわち、ArFレーザー光照射によって誘起される欠陥が紫外線域に吸収を持つような場合、これが実質的な吸収増加となって観測される。シリカガラスのArFレーザー光誘起欠陥の代表的なものは、波長215nmに吸収帯を有するE’センターと呼ばれる常磁性欠陥である。ArFレーザー光照射によるE’センターの生成をできるだけ抑えるべく、これまで多くの方法が提案されてきた。
例えば、シリカガラス中に水素分子を含有させることも有効な方法であり、現在市場に出回っているArFエキシマレーザー用途を謳った大部分のシリカガラスでは、一定濃度以上の水素分子を含有させている。水素分子を含有させることによってArFレーザー光照射時に生成する欠陥を修復し、吸収発生を効果的に抑えることができるからである。
なお、水素分子を含有させる方法はシリカガラスの製造方法によって幾つかの方法が提案されているが、現在、ArFレーザー光用シリカガラスにおける一般的な方法は、水素分子を含有する気体中で、一定温度以上で熱処理する方法で、シリカガラスの表面から水素分子を含浸させる方法である。水素分子含有気体の水素ガス分圧が高ければ高いほど高濃度の水素分子を含浸させることが可能であり、処理温度が高ければ高いほどより短時間に水素分子を含浸させることができる。
しかしながら、シリカガラス中に水素分子を含有させることで、含有部分の屈折率を上昇させるため、できるだけ均一に水素分子を含有させること必要となるが、高濃度になればなるほど均一に水素分子を含有させることが難しくなるため、一般的には均質性と要求されているレーザー光耐性の両者を満足させる水素分子濃度を考慮して、適宜、処理圧力や温度を調整する。
したがって、水素濃度も均質性に多大な影響を与えない、1.0E+16〜1.0E+18(分子数/cm)の範囲に設定するために、一般的には10気圧以下の水素ガス分圧で処理されることが多い。水素含浸処理で特に注意するべきことは、処理によってシリカガラスに還元性の欠陥を生成させないことである(特許文献6、特許文献7等)。
水素をより早くシリカガラス中に拡散させるためにはできるだけ高温度で処理することが望ましいが、あまり高温で処理するとシリカガラスが還元され構造欠陥が生じる。このような構造欠陥が生成したシリカガラスにArFレーザー光が照射されると、非常に簡単にE’センターが誘起され、吸収が生じてしまう。特許文献6にも、水素含浸処理は300〜600℃の温度範囲で行うことが良いと記載されており、これは上記還元性欠陥の生成を抑制するためのものである。
残念ながら還元性欠陥の構造については同定されていないが、≡Si:またはSi−Hという構造体と予想されている。還元性欠陥の定量は直接的には困難だが、高強度のArFレーザー光を照射したときに生じるE’センターの吸収強度を測定することで間接的に定量することが可能であり、その評価装置と評価方法についても特許文献6中に記載されている。特許文献6に記載された方法で評価したときに、実質的に吸収が誘起されないシリカガラス、すなわち還元性欠陥が実質的に含有していないシリカガラスが好ましい。
前記、還元性欠陥の場合と同様に、Si−O−O−HやSi−O−O−Si等の酸化性の欠陥もできるだけ低減しておくことが好ましい。というのは、このような固有欠陥もArFレーザー光照射によって容易にE’センターを生じさせるため、吸収量が増加するためである。これまで酸化性欠陥の低減方法については多くの研究がされており、酸化性欠陥量はShelby法(1980)に基づいた方法で定量することができる。これは高温の水素ガス含有雰囲気でシリカガラスを熱処理した時の水酸基濃度の増加分から酸素濃度を定量するものであり、特許文献8にその定量方法が具体的に記載されている。本発明での実質的に酸化性欠陥を含有しない、というのは特許文献8で示されているOH変動量が1ppm以下という定義に基づいたものである。
本発明におけるシリカガラスの水酸基濃度は5〜50wppmに設定することが好ましい。近年、ArFレーザー光による光学ダメージで、屈折率が低下するレアファクションというダメージや、偏光ArFレーザー光を用いたときに誘起される複屈折が問題となっており、これらのダメージは水酸基が高くなると大きくなる傾向を示している。これまで最適な水酸基濃度についても多く議論されているが、概ね水酸基濃度を50wppm以下に設定することで、ArF露光装置で想定される照射条件でのダメージ発生は、実使用で問題ないレベルに抑えることができることがわかった。一方、水酸基が5wppmを下回るものを作成する場合、一般的には強烈な脱水処理時にSi−Si欠陥が生成しやすくなるため、この欠陥が純吸収量(1)を増加させる原因となりかねないため水酸基の下限値は概ね5wppm程度とすることが好ましい。
以上述べたように、本発明は、現在のArFリソグラフィー用露光装置の光学部材に真に好適に用いることの出来るシリカガラス材料の評価方法を提供するものである。
本シリカガラス部材は、紫外線照射によって発生する熱収差を低減した紫外線光学用シリカガラス部材であって、波長200nm以下の紫外光をシリカガラス部材中に透過させた時、シリカガラス部材内部で熱エネルギーに変換されて生じる光の減衰量が光路長1cmあたり1/1000以下、好ましくは1/1500、さらに好ましくは1/2000であり、更に具体的には、Na含有量が2wppb以下、水酸基濃度が5〜50wppm、及び水素分子含有量が1.0E+16〜1.0E+18分子数/cmであり、かつ還元性欠陥及び酸化性欠陥を実質的に含有しないことが好適である。
上記に示したシリカガラス部材は熱に変化する吸収量が十分に小さいため、熱収差発生が非常に小さなレベルに抑えられ、最新のArFリソグラフィー露光装置に好適に使用できるものである。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
実施例及び比較例で用いる測定値は以下の測定法による。
i)純吸収量(1)の測定
以下、純吸収量(1)の測定方法の一例を記載しておく。純吸収量(1)の測定は図1に示した測定装置(発生する熱エネルギーにより生じた温度変化による試料の屈折率変動量を、高精度波面センサーで透過波面の変動量として検出する装置)を用いて行った。
この測定装置はわずかな温度変化にも敏感に反応するため、装置本体を恒温の窒素で満たしたボックス内に設置されている。なお、できるだけ完全な窒素ガスへの置換が望ましく、本測定ではボックス中の酸素濃度を100wppm以下まで窒素置換し測定を開始する。
本実施例で測定した試料の形状は、直径30mm、長さ30mmの円柱形で、両端を平行に光学研磨したものである。なお、特に形状については限定するものではないが、透過波面を測定するために両面並行光学研磨は必須である。
温度変化を引き起こすためのArFレーザー光が試料の平行研磨面の中心に入射され、ほぼ同じ軸上にテレスコープレンズで拡大した赤色ダイオードレーザー光(波長639nm)が入射され、その出射光の波面変化を高精度波面センサーで測定する。試料中を通過する赤色ダイオードレーザー光の波面は、試料温度が変化しない場合、すなわちArFレーザー光照射前は一定で変動しないが、ArFレーザー光(波長193.4nm)の照射を開始することで温度変化が生じた場合、その変化量に応じてダイオードレーザー光の波面も変動する。この波面変動量が測定試料の純吸収量(1)に対応しており、散乱損失の影響を受けることなく、純吸収量(1)を直接測定する事が可能となる。
測定された波面変動量から純吸収量(1)への変換は、あらかじめ両者の検量線を作成しておくことが必要である。検量線は純吸収量(1)があらかじめ既知であるリファレンスサンプルの波面変動量を測定することで作成する。この時、リファレンスサンプルとして十分大きな純吸収量(1)を持つシリカガラスを選択することで、純吸収量(1)以外の損失分が相対的にかなり小さくなるため、一般的な透過率計による測定値から算出される吸収損失量≒純吸収量(1)と見積もってもほとんど誤差を生じない。というのは、純吸収量(1)以外の損失分(散乱)は、大きく見積もっても0.2%/cm程度であり、透過光の全損失量が5〜10%程度の試料を選択すれば、その損失のほとんど大部分が純吸収量(1)による損失とみなしても良いからである。
図2は純吸収量(1)と波面変動量の検量線の一例を示したものである。検量線はその時の照射条件、環境等で微妙に変化するため、少なくとも本試料を測定時に測定条件を変更する時はその都度作成する事が好ましい。図2の検量線は、十分に大きな既知の吸収量を持つ2つのリファレンスサンプル(A)及び(B)を準備し、図1の測定装置で波面変動量を測定してプロットしたものである。前述のように、十分に吸収量の大きなサンプルの場合、透過率計を用いて算出した吸収量≒純吸収量(1)と見なすことができる。本実施例で用いたリファレンスサンプルは、直径30mm、長さ30mmの円柱形状をしたもので、一般的な透過率計で測定した値は下記にまとめた。
リファレンスサンプル(A) 見かけ透過率85.38% 内部透過率93.97%
リファレンスサンプル(B) 見かけ透過率74.88% 内部透過率82.41%
なお、絶対屈折率測定値から算出した両面反射損失は9.14%であり、この反射損失分を差し引いた値を100%とした時の透過率は内部透過率と呼ばれ、リファレンスサンプル(A)及び(B)の内部透過率は、それぞれ93.97%及び82.41%であった。すなわち、試料中を透過する光がリファレンスサンプル(A)では6.03%、リファレンスサンプル(B)では17.59%も減衰していることを示している。この試料の内部で減衰する光のうち、散乱による損失を仮に0.15%/cmと仮定して残りの部分を吸収損失として算出すると、リファレンスサンプル(A)の吸収量は光路長1cmあたりの吸光度で表すと0.00835/cm、リファレンスサンプル(B)では0.02735/cmと算出される。
一方、それぞれのリファレンスサンプルにおいて、ArFレーザー光を照射したときの波面変動量の測定を図1の装置で行ったところ、リファレンスサンプル(A)は0.0079(rms/mW)、リファレンスサンプル(B)は0.02449(rms/mW)であった。図2では透過波面の3Dグラフも合わせて示しているが、中心部に凹みが見られる部分がもっとも波面変動の大きな部位であり、この部分にArFレーザー光が照射されており、試料中で最も大きな温度変化が生じている部位であることがわかる。
また、リファレンスサンプル(A)よりも透過率の悪い(B)の方がより大きな波面変動が生じていることが確認できる。これらの測定値から検量線を作成したものが図2に示したチャートであり、波面変動量と透過率計による測定値から算出された吸収量とが良い比例関係であることが確認できる。
図2に示した検量線においては、下記関係式(1)が成立する。
y=1.1112x・・・・・・(1)
上式(1)において、yは熱エネルギーに変換された吸収量=純吸収量(1)であり、xは波面変動量である。
なお、本検量線を作成するために照射したArFレーザー光の照射条件は、サンプル入射部位のエネルギー密度は9mJ/cm、繰り返し周波数500Hz、ビームスポット径はφ5mmであった。また、赤色ダイオードレーザー光による波面変動量の測定は、ArFレーザー光照射部位を中心として約9mmスクエアの領域を測定し、波面変動量はArFレーザー光1mWあたりのRMS値に換算して示した。本検量線を用いて、同様の照射条件で測定した実試料の波面変動量から純吸収量(1)を算出すればよい。
ii)水素分子濃度の測定:
レーザーラマン散乱分光法による測定(非特許文献1)。この方法は、シリカガラスに関する波数800cm−1のラマンバンドの強度とシリカガラス中に含有される水素分子に関する4135cm−1の強度との比により、シリカガラス中の水素分子濃度を求めるものであり、水素分子濃度Cは、次の式(1)により算出される。
C=k × I(4135)/I(800) (1)
(式(1)中、I(4135)は、4135cm−1のラマンバンドの面積強度である。I(800)は、800cm−1のラマンバンドの面積強度である。両者の面積強度比に係数を乗ずることで水素分子濃度が算出される。シリカガラス中の水素分子濃度は別途、昇温脱離法によるマススペクトル分析により、その絶対値を定量し、ラマンバンド面積強度比との相関を導出しておく。この結果から、本発明で用いたk値は1.22×1021であった。
iii)193.4nmでの内部透過率:
Varian Cary4E可視・紫外分光光度計による測定。厚さ10mmで両面研磨した試料で測定。193.4nmにおけるシリカガラスの理論透過率90.86%(表面の多重反射によるロスを100%から差し引いた値)を用い、厚さ10mmにおける見掛け透過率T%に対し、(T/90.86)×100より求める。この内部透過率は両面の反射損失のみを差し引いた値を100%とした時の透過率を表している。
iv)水酸基濃度の測定:
赤外線吸収スペクトル分光光度計(日本分光製IR−700型)にて2.7ミクロンのO−H伸縮振動バンドの強度から算出した。下記の算出式を使用。
水酸基濃度 C(wppm)=(100 × I)/t(cm)
ここで、Iは2.7ミクロン吸収バンドの吸光度であり、tはサンプル厚さを示している。定量方法は非特許文献2記載の方法に基づいている。
v)Na含有量の測定:
高分解能ICP−MSによる分析
vi)仮想温度の測定
レーザーラマン散乱分光法にて測定。シリカガラスのD1及びD2ラマン散乱バンドの強度から定量。クエンチングにより強制的に仮想温度を設定したシリカガラスサンプルからラマンバンド強度に対する検量線を作成し、実試料のラマン測定結果から仮想温度を算出する。
(実施例1)
四塩化珪素を蒸留処理して不純物を除去した後、これを原料として、CVD法で外径250mm,長さ1000mmの円柱状の多孔質シリカガラス母材を作製した(工程1・多孔質母材作成)。該多孔質シリカガラス母材を、グラファイトヒーター仕様の真空炉に入れ、真空雰囲気中1200℃で30時間保持した後、1450℃まで加熱し、透明シリカガラスインゴットを得た(工程2・透明ガラス化)。得られた透明ガラス体は、外径140mm、長さ700mmの円柱状の透明ガラス体であった。得られた棒状シリカガラスインゴットを、高純度グラファイト製の直径400mmの円筒形坩堝内に設置し、真空雰囲気中1800℃まで加熱し変形、グラファイト坩堝の中で成型し、円盤状のシリカガラス体を得た(工程3・成型)。得られたシリカガラス体の寸法は、直径400mm、厚さ85mmであった。
高温で熱処理を施したため、外部からの汚染された部分を取り去ることを目的に、上記成型体の上下からそれぞれ15mm、外周部を25mmの深さで研削加工を行い、成型体の表面近傍部分を取り去った(工程4・研削)。その結果、直径350mm、厚さ55mmの円盤状シリカガラス体を得ることができた。
得られた円盤状シリカガラスを非常にクリーンな雰囲気の大気中でアニール熱処理を施した。特に炉や雰囲気からの金属不純物汚染を避けるために、試料を高純度シリカガラスのボックスで囲い、熱処理を施した。この時の温度条件は、1200℃で45hr保持し、1050℃まで−2℃/hrの降温速度でゆっくりと徐冷、その後は1050℃で炉の電源をオフにして放冷した(工程5・アニール)。
次いで、該アニール済みの円盤状シリカガラス体を、100%水素ガス雰囲気中で、圧力1気圧、400℃の温度で2000時間熱処理を行い、水素分子を含浸させた(工程6・水素分子含浸)。
該水素処理済の円盤状シリカガラス体のほぼ中心部分からサンプルを採取し、各種物性を測定した。水酸基濃度は約25wppm、含有水素分子濃度は1.5E+17(分子数/cm)、仮想温度は1000℃、分光光度計による193.4nmの内部透過率は99.82%と良好な値であった。なお、不純物分析の結果はNa、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの金属不純物濃度は全て1wppb以下であり、特にNa含有量は0.8wppbであった。
波面変動量を図1の測定装置(発生する熱エネルギーにより生じた温度変化による試料の屈折率変動量を、高精度波面センサーで透過波面の変動量として検出する装置)で測定したところ、表1に示したように、波面変動量は8.99E−05(rms/mW)であった。ここで前記関係式(1)y=1.1112xに波面変動量xとして測定された値8.99E−05(rms/mW)を代入すると、y=(1.1112)×(8.99E−05)となり、y純吸収量(1)=1.00E−04(/cm)と算出された。つまり、ArFレーザー光に対する純吸収量(1)は、表1に示したように、光路長1cmあたりの吸光度で表すと1.00E−04(/cm)と非常に低い値であった。この値は入射光強度100に対して、99.977の光を透過する、すなわち0.023%の純吸収による損失と算出される。なお、純吸収量(1)と透過率(T)の関係は、純吸収量(1)=−log(T)で示される。したがって、入射光強度が1に対して損失量は0.00023となり、つまり、この値は、試料中で熱に変換されるArFレーザー光の減衰量としては1cmあたり1/4347に相当する。なお、散乱損失(2)は、純吸収量(1)測定値と分光光度計による内部透過率測定値から約6.8E−4(/cm)程度と見積もられた。
本実施例の試料は、内部透過率も99.82%と十分に高く、熱に変換される純吸収量(1)も光路長1cmあたりの吸光度で表すと1.0E−04(/cm)と非常に低い値を示しており、ArF露光装置にも好適に用いることができる、熱収差発生の少ない優れたシリカガラスである。
(実施例2)
実施例1における同様の工程1で同じサイズの多孔質シリカガラス母材を作成した。次いで工程2では、真空雰囲気中1200℃で60時間保持した後、1450℃まで加熱し、実施例1と同じサイズの棒状透明シリカガラスインゴットを得た。次いで、実施例1の工程3及び4を経た後、若干処理条件を変更して、工程5のアニール処理を施した。アニール処理条件は、1250℃で45hr保持し、1170℃まで−2℃/hrの降温速度でゆっくりと徐冷、その後は1170℃で炉の電源をオフにして放冷した。その後、実施例1と同様の条件で水素分子を含浸させた。
実施例1と同様に、水素処理済の円盤状シリカガラス体のほぼ中心部分からサンプルを採取し、各種物性を測定した。水酸基濃度は約15wppm、含有水素分子濃度は1.5E+17(分子数/cm)、仮想温度は1150℃、分光光度計による193.4nmの内部透過率は99.72%と低めの値となった。このように分光透過率の値はかなり低めの値であった。図1の装置で実施例1と同様に波面変動量を測定したところ、波面変動量は1.80E−4(rms/mW)であった。ここで前記関係式(1)y=1.1112xに波面変動量xとして測定された値1.80E−04(rms/mW)を代入すると、y=(1.1112)×(1.80E−04)となり、y純吸収量(1)=2.00E−04(/cm)と算出された。つまり、純吸収量(1)は、表1に示したように、光路長1cmあたりの吸光度で表すと2.00E−04(/cm)と十分に低いものであった。この値は入射光強度100に対して、99.954の光を透過する、すなわち0.046%の純吸収による損失と算出される。したがって、入射光強度が1に対して損失量は0.00046となり、つまり、この値は、試料中で熱に変換されるArFレーザー光の減衰量が1cmあたり1/2171に相当する。従来法の内部透過率測定において99.72%という測定値だと、特に高精度のArF露光装置用では使用不可と判断されるレベルであったが、純吸収測定の結果では使用可能という判断が下された。
なお、本試料のNa不純物濃度は2.0wppbであった。このように内部透過率が悪いにもかかわらず純吸収量(1)が小さくなる原因は、相対的に散乱損失が大きいためであり、分光光度計による内部透過率測定値から、散乱損失(2)を求めると約1.0E−3(/cm)程度と見積もられた。実際に散乱損失が大きいことを裏付けるように、仮想温度も1150℃と実施例1と比較してもかなり高めであった。
本実施例の試料は、内部透過率が99.72%と低めのものであっても、熱に変換される純吸収量(1)が十分に低いため、実施例1の場合と同様、ArF露光装置にも好適に用いることができる、熱収差発生の少ない優れたシリカガラスである。
(比較例1)
実施例1における同様の工程1で同じサイズの多孔質シリカガラス母材を作成した。次いで工程2では、真空雰囲気中1200℃で20時間保持した後、1450℃まで加熱し、実施例1と同じサイズの棒状透明シリカガラスインゴットを得た。次いで、実施例1の工程3と同様の条件でシリカガラスインゴットを円盤状に成型したが、本比較例では工程4の汚染部分の研削・除去をすることなく、工程5のアニールを施した。この時の熱処理条件は、1200℃で45hr保持し、800℃まで−2℃/hrの降温速度でゆっくりと徐冷、その後は800℃で炉の電源をオフにして放冷した。次いで、該アニール済みの円盤状シリカガラス体の上下面をそれぞれ15mm除去、外周部を25mmの深さで研削除去し、直径350mm、厚さ55mmの円盤状シリカガラス体を得た。該円盤状シリカガラス体に水素分子を含浸させるため、実施例1と同様の条件で熱処理を施した。
実施例1と同様に、水素処理済の円盤状シリカガラス体のほぼ中心部分からサンプルを採取し、各種物性を測定した。水酸基濃度は約30wppm、含有水素分子濃度は1.5E+17(分子数/cm)、仮想温度は900℃とかなり低めに設定されていた。分光光度計による193.4nmの内部透過率も99.78%と比較的良好な値を示し、従来の評価方法によれば、このレベルの内部透過率を示す材料はArF露光装置にも好適に使用できると判断されるものであった。
しかしながら、波面変動量を図1の装置で実施例1と同様に測定したところ、表1に示したように、波面変動量は4.50E−04(rms/mW)であった。この値を用いて実施例1と同様に算出すると、純吸収量(1)は、表1に示したように、光路長1cmあたりの吸光度で表すと5.00E−04(/cm)であった。この値は入射光強度100に対して、99.885の光を透過する、すなわち0.115%の純吸収による損失と算出される。したがって、入射光強度が1に対して損失量は0.00115となる。つまり、純吸収量(1)を算出すると光路長1cmあたりの吸光度で表すと5.00E−4(/cm)とかなり大きな値であった。この値は、試料中で熱に変換されるArFレーザー光の減衰量が1cmあたり1/869に相当し、本比較例の試料では、ArF露光装置のレンズ材などに使用する場合、熱収差の発生で結像特性が悪化することが強く懸念される結果となった。
このように、純吸収量(1)の測定値が大きかったにもかかわらず、従来測定法による内部透過率値が十分高く測定されてしまった原因は、相対的に散乱損失が小さくなっていたためであり、実際、内部透過率測定値から散乱損失(2)を求めると約4.6E−4(/cm)程度と小さな値と見積もられた。実際、散乱損失(2)が小さいことを裏付けるように、仮想温度も900℃とかなり低く設定されている。
一方、純吸収量(1)が大きかった理由として、工程4の成型後の汚染部分研削除去を行わないまま次の工程5のアニール処理を施したことが原因と考えられ、特にNa不純物によってアニール処理時に円盤状シリカガラス体の中心部まで汚染され、吸収が増加したもの推測される。なお、本サンプルのNa濃度は6.0wppbと比較的高い濃度を示していた。
以上のように、本比較例の試料は、高い内部透過率を示していたにもかかわらず、カロリメトリー法による純吸収量(1)が大きく、ArF露光装置用の光学材料として不適格なものであった。
(比較例2)
工程6(水素分子の含浸)の処理条件を変更した以外、実施例1と同じ方法で試料を作成した。なお、工程6の処理条件は、100%水素ガス雰囲気中で、圧力1気圧、700℃の温度で200時間熱処理を施した。
実施例1と同様に、水素処理済の円盤状シリカガラス体のほぼ中心部分からサンプルを採取し、各種物性を測定した。水酸基濃度は約25wppm、含有水素分子濃度は1.5E+17(分子数/cm)、仮想温度は1000℃、分光光度計による193.4nmの内部透過率は99.82%と良好な値であり、Na不純物濃度も1.0wppbと低い値であった。
ところが、波面変動量を図1の装置で実施例1と同様に測定したところ、表1に示したように、波面変動量は1.08E−03(rms/mW)であった。この値を用いて実施例1と同様に算出すると、純吸収量(1)は、表1に示したように、光路長1cmあたりの吸光度で表すと1.20E−03(/cm)であった。この値は入射光強度100に対して、99.724の光を透過する、すなわち0.276%の純吸収による損失と算出される。したがって、入射光強度が1に対して損失量は0.00276となる。つまり、純吸収量(1)を算出すると、光路長1cmあたりの吸光度で表すと1.20E−03(/cm)と非常に大きな値であった。この値は、試料中で熱に変換されるArFレーザー光の減衰量が1cmあたり1/362に相当する。これはNa濃度が1wppbとかなり低いレベルであることを考えると、構造欠陥によるArFレーザー光誘起吸収が発生したためと考えられる。実際、この純吸収量(1)の測定値は、図1の測定装置の励起用ArFエキシマレーザー光の照射条件を変えることで値が変化しており、ArFレーザー光誘起の吸収発生であると断定できた。この誘起吸収は工程6の水素分子の含浸工程で、処理温度を高く設定しすぎたために、シリカガラス中に還元性欠陥が生成したためと推測される。
還元性欠陥起因の誘起吸収発生も同様にArFレーザー光エネルギーを熱エネルギーに変換されるため、このような欠陥濃度を低減する必要があり、少なくとも本比較例で作成された試料は、ArF露光装置のレンズ材などへの使用を考えた場合、熱収差発生による結像特性の悪化が強く懸念されるものであった。
なお、上記実施例及び比較例における処理条件及び測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 0005384931
ArFエキシマレーザー光が熱エネルギーに変換されて生じる光の損失分を正確に測定するために本発明において用いられる測定装置の概略図である。 純吸収量(1)と波面変動量の検量線の一例及びリファレンスサンプル(A)(B)における透過波面の3Dグラフを共に示すグラフである。 従来の透過率測定原理を示す説明図である。 透過光の損失についての説明図である。
10:測定装置、12:赤色ダイオードレーザー、14:第1テレスコープレンズ系、16:第2テレスコープレンズ系、18:高精度透過波面センサー、20:シリカガラスサンプル、22:ArFエキシマレーザー光。

Claims (3)

  1. 紫外線照射によって発生する熱収差を低減した紫外線リソグラフィー露光装置用シリカガラス部材の評価方法であって、波長200nm以下の紫外光をシリカガラス部材中に透過させた時、シリカガラス部材内部で熱エネルギーに変換されて生じる光の減衰量を、波面変動量を測定することで純吸収量を算出する方法により直接測定し、
    前記減衰量が光路長1cmあたり1/1000以下である場合に紫外線リソグラフィー露光装置用光学部材に適格であると評価することを特徴とするシリカガラス部材の評価方法。
  2. 前記シリカガラス部材が、Na含有量が2wppb以下、水酸基濃度が5〜50wppm、及び水素分子含有量が1.0E+16〜1.0E+18分子数/cmであり、かつ還元性欠陥及び酸化性欠陥を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1記載のシリカガラス部材の評価方法。
  3. 前記紫外光がArFエキシマレーザー光であり、前記紫外線リソグラフィー露光装置用がArFリソグラフィー露光装置であることを特徴とする請求項1又は2記載のシリカガラス部材の評価方法。
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