JP6569342B2 - 移動ロボット - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目し、他のフロアに移動したときに、移動ロボットのナビゲーションを継続可能な移動ロボットを提供することを目的とする。
本実施形態は、複数フロアを有する建造物内において、視覚障害者等の被案内者を、設定した目的地まで案内する移動ロボット(以下、「案内用ロボット」とも呼ぶ)1に適用したものである。本実施形態では、案内用ロボット1の上下方向に延びている軸をZ軸、前後方向に延びている軸をY軸、左右方向に延びている軸をX軸として説明する。
なお、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1〜図4に示すように、案内用ロボット1は、建造物内を移動可能な移動体2を備える。移動体2は、前側が細く、後側が被案内者の肩幅以上に広がったくさび形状に形成されている基台3を備える。基台3の後側には中央が凹んだ凹部4が設けられている。
基台3の底面には、前端側にキャスター5が旋回自在に配置され、後方端側の左右位置に駆動輪6L、6Rが回転自在に支持されている。駆動輪6L、6Rのそれぞれには、車軸7L、7Rを介してプーリ8L、8Rが固定されている。また、プーリ8L、8Rそれぞれには、電動モータ9L、9Rの回転軸に固定されたプーリ10L、10Rとの間に無端のタイミングベルト11L、11Rが巻回されている。そして、電動モータ9L、9Rそれぞれの回転軸の回転速度と同一回転速度で各駆動輪6L、6Rが回転駆動される。また、各電動モータ9L、9Rには、ギアヘッド12L、12Rが設けられている。
その際、左右の電動モータ9L、9Rの回転軸の回転速度を等しくすると、回転軸の回転方向に応じて基台3が前方向または後方向に移動する。また、左右の電動モータ9L、9Rの回転軸の回転速度を異ならせると、基台3が左方向または右方向に旋回する。
さらに、左側の電動モータ9Lを逆回転駆動し、右側の電動モータ9Rを正回転駆動すると、超信地左旋回状態となる。逆回転駆動とは、駆動輪6L、6Rを後進方向に移動させる電動モータ9L、9Rの駆動状態である。また、右側の電動モータ9Rを逆回転駆動し、左側の電動モータ9Lを正回転駆動すると、超信地右旋回状態となる。
なお、本実施形態では、移動体2の前端側にキャスター5を設け、後端側の左右位置に駆動輪6L、6Rを設ける例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、前端側の左右位置に駆動輪を設け、後端側にキャスターを設ける構成としてもよい。
なお、電動モータ9L、9Rには、モータドライバ67L、67Rと、エンコーダ68L、68Rとが更に設けられている(図5参照)。モータドライバ67L、67Rは、後述する走行制御装置30が出力した速度指令値に従って、電動モータ9L、9Rを駆動する。また、エンコーダ68L、68Rは、電動モータ9L、9Rの回転角度を検出し、検出結果(以下、「回転角度情報」とも呼ぶ)を走行制御装置30に出力する。
また、Z’軸を、後側に傾斜して伸びている軸とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、Z’軸を、Z軸と同一方向に延びている軸としてもよい。
さらに、水平腕16の上面の中央部には、被案内者を案内する目的地を選択する目的地選択部18が配置されている。目的地選択部18は、被案内者が一方の手指で押下することが可能な選択ボタン18aと、選択ボタン18aを連結支持して、選択ボタン18aの押下を検出する押しボタンスイッチ18bとを備える。そして、押しボタンスイッチ18bは、検出結果(以下、「選択情報」とも呼ぶ)を走行制御装置30に出力する。
なお、本記実施形態では、レーザ光を使用するスキャナ式レンジセンサ20、21、22を用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、超音波等を使用する他の測距センサを用いる構成としてもよい。また、スキャナ式レンジセンサに代えて、1方向にレーザ光を出射する測距センサをZ軸方向に回動させて走査する構成としてもよい。
情報格納部29は、建造物内の2以上のフロアの地図情報を1つにまとめて形成した複数フロア地図情報を格納している。本実施形態では、図7に示すように、複数フロア地図情報として、1階、2階の2つのフロアの地図情報を1つにまとめたものを採用する。これにより、情報格納部29から地図情報記憶部52dに複数フロア地図情報、つまり2以上のフロアの地図情報を読み込ませることができ、1階から2階または2階から1階へ移動したときに、地図情報の読み込みを行わなくて済み、地図情報の読み込みに伴う待ち時間の発生を抑制でき、案内用ロボット1のナビゲーションを継続することができる。
センサ信号入力I/F61は、力センサ17bが出力した操作入力情報と、押しボタンスイッチ18bが出力した選択情報と、スキャナ式レンジセンサ20、21、22、及び距離画像センサ23が出力した障害物位置情報とを読み込む。そして、センサ信号入力I/F61は、読み込んだ各種の情報を移動制御部51と音声案内部52とに出力する。
次に、図10を参照し、移動制御部51について説明する。
図10に示すように、移動制御部51は、走行方向算出部51aと、障害物検出部51bと、走行方向補正部51cと、モータ駆動制御部51dとを備える。
走行方向算出部51aは、センサ信号入力I/F61が出力した操作入力情報(力Fy、Fz’)と、音声案内部52が出力した自己位置情報と、目標経路生成部52eが出力した目標経路情報とを取得する。自己位置情報とは、案内用ロボット1の現在位置を表す情報である。目標経路情報とは、目標経路と場所情報と環境情報とを含む情報である。
ここで、走行方向算出部51aは、Y軸方向の力Fyと移動体2の仮想質量Mとに基づき、下記(1)式に従って前後進速度V0を算出する。
V0=∫(Fy/M)dt …………(1)
続いて、走行方向算出部51aは、算出した前後進速度V0と、旋回半径rとに基づき、下式(2)に従って旋回速度ω0を算出する。
ω0=r/V0 …………(2)
障害物検出部51bは、センサ信号入力I/F61が出力した障害物位置情報を取得する。続いて、障害物検出部51bは、取得した障害物位置情報に基づき、障害物(下方障害物、上方障害物)の位置及び障害物までの距離を算出する。ここで、障害物が複数存在する場合には、各障害物について位置及び障害物までの距離を算出する。
モータ駆動制御部51dは、走行方向補正部51cが出力した前後進速度V及び旋回速度ωと左右の駆動輪6L、6Rの車輪間距離Lw[m]とに基づき、下式(3)に従って左右の駆動輪6L、6Rの車輪周速度VL、VR[m/s]の目標値を算出する。
VLの目標値=V+Lw・ω/2
VRの目標値=V−Lw・ω/2 …………(3)
続いて、モータ駆動制御部51dは、算出した車輪周速度VL、VRの目標値を実現させる速度指令値を算出する。そして、モータ駆動制御部51dは、算出した速度指令値を速度指令値出力I/F62を介してモータドライバ67L、67Rに出力する。これにより、案内用ロボット1を目的地まで導くナビゲーションが可能となっている。
次に、図11を参照し、音声案内部52について説明する。
図11に示すように、音声案内部52は、目的地設定部52aと、現在位置推定部52bと、現在位置補正部52cと、目標経路生成部52eと、地図情報記憶部52dと、音声出力部52fとを備える。
目的地設定部52aは、センサ信号入力I/F61が出力した選択情報を取得する。そして、目的地設定部52aは、取得した選択情報を基に選択ボタン18aが押下されたと判定すると、予め定められた目的地の候補のリストから直前に選択された候補の次の候補を選択する。なお、目的地設定部52aは、始動スイッチがオン状態となった後初めて選択ボタン18aが押下されたと判定した場合には、目的地の候補のリストから最初の候補を選択する。また、目的地設定部52aは、目的地の候補がリストの最後の候補に達した場合には、目的地の候補のリストの最初の候補に戻って候補を選択する。続いて、目的地設定部52aは、選択した目的地の候補を報知するための音声案内情報を生成する。続いて、目的地設定部52aは、生成した音声案内情報を音声出力部52fに出力する。
現在位置推定部52bは、カメラI/F66が出力した撮影画像に基づき、撮影画像内のマーカー100のマーカー位置情報を取得する。そして、現在位置推定部52bは、取得したマーカー位置情報に基づき、移動体2の現在位置(以下、「自己位置情報」とも呼ぶ)を推定する。具体的には、現在位置推定部52bは、マーカー位置情報(マーカー100の設置箇所の位置)を自己位置情報として現在位置補正部52cに出力する。
地図情報記憶部52dは、記憶装置I/F65が出力した複数フロア地図情報、つまり、建造物内の1階、2階のフロアの地図情報を1つにまとめたものを記憶する。地図情報記憶部52dとしては、例えば、揮発性メモリ(例えば、RAM)を採用できる。
また、目標経路生成部52eは、移動体2の現在位置またはこれから進行する領域の場所情報や環境情報を報知するための音声案内情報を音声出力部52fに出力する。
音声出力部52fは、目標経路生成部52eが出力した音声案内情報をスピーカ69に出力させる。これにより、音声出力部52fは、場所情報と環境情報とを報知する。
次に、図12を参照し、目標経路生成部52eが実行する目標経路情報生成処理について説明する。
図12に示すように、まず、ステップS100に移行して、目標経路生成部52eは、目的地情報と補正後の自己位置情報とに基づき、移動体2が目的地に到達したか否かを判定する。具体的には、目標経路生成部52eは、移動体2の現在位置を含むブロックと、目的地を含むブロックとが同一であると判定した場合に、移動体2が目的地に到達したと判定する。そして、目標経路生成部52eは、現在位置が目的地にあると判定した場合には(Yes)、目標経路情報生成処理を終了する。一方、目標経路生成部52eは、現在位置が目的地にないと判定した場合には(No)、ステップS102に移行する。
続いてステップS104に移行して、目標経路生成部52eは、目的地があるブロックのブロック識別子を配列A1に代入する。
続いてステップS106に移行して、目標経路生成部52eは、ステップS102で設定した変数k(後述するステップS112で変数kを新しく設定した場合には、ステップS112で新しく設定した変数k)と、隣接ブロック情報とに基づき、配列Akが含むブロック識別子のブロックと隣り合うブロックのブロック識別子を配列Ak+1に代入する。
なお、本実施形態では、ダイクストラ法を用いて移動体2の目標経路を生成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、ポテンシャル法、深さ優先探索、幅優先探索等、他のアルゴリズムを用いて、目標経路を生成する構成としてもよい。
一方、ステップS112では、目標経路生成部52eは、変数kに1を加算した後、ステップS106に移行する。
次に、図13、図14を参照し、案内用ロボット1の動作について説明する。
まず、案内用ロボット1を始動させるために、始動スイッチをオン状態にしたとする。すると、記憶装置I/F65が、情報格納部29が記憶している複数フロア地図情報を取得する。続いて、記憶装置I/F65が、取得した複数フロア地図情報を地図情報記憶部52dに記憶させる。これにより、地図情報記憶部52dが、移動体2が移動する建造物内の1階、2階の地図情報を1つにまとめた情報(複数フロア地図情報)を記憶する。
ここで、歩行者が選択ボタン18aを押下すると、音声案内部52が、リストの最初の目的地の候補をスピーカ69に音声で出力させる。そして、歩行者が選択ボタン18aを押すごとに、音声案内部52が、リスト内の次の目的地の候補をスピーカ69に音声で出力させる。そして、音声出力の後、一定時間、選択ボタン18aが押下されていないと判定される状態が続いて場合、直前に音声で出力された候補を目的地として設定する。
続いて、移動制御部51は、生成した目標経路(目標経路情報)、補正後の自己位置情報に基づき、電動モータ9L、9Rを駆動するための速度指令値をモータドライバ67L、67Rに出力する。これにより、移動制御部51は、移動体2の移動を制御する。
本実施形態に係る発明は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態に係る案内用ロボット1では、地図情報記憶部52dが、移動体2が移動する建造物内の2以上のフロアの地図情報を1つにまとめて形成した複数フロア地図情報を記憶し、目標経路生成部52eが、地図情報記憶部52dが記憶している複数フロア地図情報に基づき、予め設定された目的地までの移動体2の目標経路を生成する。
このような構成によれば、他のフロアに移動しても、地図情報の読み込みを行わなくて済み、地図情報の読み込みに伴う待ち時間の発生を抑制できる。これにより、他のフロアに移動したときに、案内用ロボット1のナビゲーションを継続することができる。
このような構成によれば、複数のフロアにわたる目標経路を比較的容易に生成できる。
(3)本実施形態に係る案内用ロボット1では、同一のエレベータの籠が上下するブロックには、フロアによらず、同一のブロック識別子が付与されている。
このような構成によれば、複数のフロアにわたる目標経路をより容易に生成できる。
このような構成によれば、移動体2の現在位置を比較的容易に推定できる。
(5)本実施形態に係る案内用ロボット1では、複数フロア地図情報は、同一フロアの地図情報を2以上含む。
このような構成によれば、1つのフロアに複数の地図情報が設定されている場合に、フロア内で移動しても、地図情報の読み込みを行わなくて済み、地図情報の読み込みに伴う待ち時間の発生を抑制でき、案内用ロボット1のナビゲーションを継続することができる。
(1)なお、本実施形態では、建造物内のフロア移動時に、エレベータを用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、エスカレータを用いる構成としてもよい。この場合、エスカレータの乗り口が設けられた領域(ブロック)とエスカレータの降り口が設けられたブロック(以下、「エスカレータブロック」とも呼ぶ)は、フロアによらず、固定の(同一の)ブロック識別子が設定される。例えば、図15の例では、エスカレータブロックに対しては、ブロック識別子として「16」が設定されている。
また、エスカレータブロックには、エスカレータの乗り口に面したブロックのブロック識別子と、降り口に面したブロックのブロック識別子とが、移動体2が行き来可能なブロックのブロック識別子として設定される。例えば、図15の例では、移動体2がブロック識別子「16」のエスカレータブロックに、移動体2が行き来可能なブロックのブロック識別子として「20」「23」が設定されている。これにより、エレベータを用いた上記実施形態と同様に、複数のフロアにわたる目標経路をより容易に生成できる。
また、例えば、エスカレータに代えて、階段やスロープを用いる構成としてもよい。
(4)さらに、本実施形態では、被案内者を、設定した目的地まで案内する案内用ロボット1に適用する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、地図情報を基に移動を制御する(ナビゲーションする)自動搬送車や車椅子等に適用してもよい。
2 移動体
9L、9R 電動モータ
20、21、22 スキャナ式レンジセンサ
23 距離画像センサ
24 カメラ
25 無線受信部
26 屋内位置情報受信部
29 情報格納部
30 走行制御装置
52 音声案内部
52a 目的地設定部
52b 現在位置推定部
52d 地図情報記憶部
52e 目標経路生成部
100 マーカー
Claims (6)
- 建造物内を移動可能な移動体と、
前記移動体が移動する建造物内の2以上のフロアの地図情報を1つにまとめて形成した複数フロア地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
前記地図情報記憶部が記憶している複数フロア地図情報に基づき、設定した目的地までの前記移動体の目標経路を生成する目標経路生成部と、
前記移動体の現在位置を推定する現在位置推定部と、
前記現在位置推定部で推定した現在位置、及び前記目標経路生成部で生成した目標経路に基づき、前記移動体の移動を制御する移動制御部とを備え、
前記2以上のフロアの地図情報のそれぞれは、複数のブロックに区分されており、
各ブロックには、ブロックを一意的に識別可能なブロック識別子と、前記移動体が行き来可能なブロックのブロック識別子を表す隣接ブロック情報とが付与されており、
同一のエレベータの籠が上下するブロックには、フロアによらず、同一のブロック識別子が付与されており、
前記目標経路生成部は、前記隣接ブロック情報に基づき、前記目的地までの前記移動体の目標経路を生成する移動ロボット。 - エスカレータの乗り口が設けられたブロックと降り口が設けられたブロックとには、同一のブロック識別子が付与されている請求項1に記載の移動ロボット。
- 建造物内の複数箇所に設置されその位置を表すマーカーを撮影するカメラを更に備え、
前記現在位置推定部は、前記カメラで撮影した撮影画像に基づき、前記移動体の現在位置を推定する請求項1又は2に記載の移動ロボット。 - 建造物内の複数箇所に設置された無線送信機から送信される無線ビーコンを受信する無線受信部を更に備え、
前記現在位置推定部は、前記無線受信部で受信した無線ビーコンの電波強度に基づき、前記移動体が存在するフロアを検出する請求項1又は2に記載の移動ロボット。 - 建造物内に設置された屋内GPS送信機から送信される屋内位置情報を受信する屋内位置情報受信部を更に備え、
前記現在位置推定部は、前記屋内位置情報受信部で受信した屋内位置情報に基づき、前記移動体の現在位置を推定する請求項1又は2に記載の移動ロボット。 - 前記複数フロア地図情報は、同一フロアの地図情報を2以上含む請求項1から5のいずれか1項に記載の移動ロボット。
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