JP2016024766A - 案内用ロボット - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、視認が必要な情報提示に依らずに、自律歩行が困難な歩行者を目的地まで案内することが可能な案内用ロボットを提供することを課題としている。
ここで、上記目的地は、1つの目的地が固定的に決まっている構成としてもよいし、複数の目的地候補のなかから歩行者が所望の目的地を指定する構成としてもよい。このとき、視覚障害者の利用を考慮して、複数の目的地候補を音声案内し、歩行者は、ボタン操作や音声入力等の選択動作によって、所望の目的地を指定できる構成とすることが望ましい。
このような構成であれば、歩行者は、操作入力部を把持した状態で操作入力部を自走体のY軸方向に向けて押すことによって、Y軸方向の力、又はY軸方向と直交するX軸回りのモーメントを検出することが可能である。
また、歩行者は操作入力部を把持しながら歩行するため、例えば、歩行者の歩行速度が自走体の走行速度よりも遅い場合に、歩行者が意図することなく自走体に引っ張られる形で後進方向に力が加わることによって、自走体の進行速度を減速することが可能となる。逆に、歩行者の歩行速度が自走体の走行速度よりも速い場合に、歩行者が意図することなく自走体を押すような形で前進方向に力が加わることによって、自走体の進行速度を加速することが可能となる。即ち、歩行者の歩行状態に合わせて自走体の進行速度を制御することが可能となる。
このような構成であれば、歩行者が操作入力部を把持していると検出しているときは自走体を走行させ、歩行者が操作入力部を把持していないと検出しているときは自走体を停止することが可能となる。
ここで、上記把持検出部は、例えば、歩行者が操作入力部を把持してかつ操作入力部を押し下げる等の力を加えることで、この力の入力を、スイッチのオン・オフや力センサ等によって検出することで把持していることを検出する第1の構成とすることが可能である。
また、上記把持検出部は、例えば、操作入力部の把持部分にタッチセンサ(例えば感圧式や静電容量式など)を設け、把持部分への接触をセンサによって検出することで把持していることを検出する第2の構成とすることが可能である。
これに対して上記第2の構成とした場合は、操作入力部を把持しただけで自走体を走行可能な状態とし、操作入力部から手を離すことで自走体を停止することが可能となる。そのため、手を離して停止させてから、再度走行可能な状態とするためには、再び操作入力部を把持する必要がある。
従って、上記第1の構成とした場合、上記第2の構成とした場合の操作入力部から手を離して自走体を停止させ、自走体を再度走行可能な状態とするために再び操作入力部を把持するといった、特に視覚障害者にとって煩わしい作業を不要にすることが可能となる。
このような構成であれば、自走体が有する車輪の回転情報と自走体が走行するエリアの地図情報とに基づいて、自走体の現在位置を推定することが可能となる。
なお、自走体の周囲の障害物を検出する障害物検出部を備える構成とした場合、車輪の回転情報と、地図情報格納部に格納した地図情報とに加えて、障害物検出部が検出した障害物の位置情報に基づいて、自走体の現在位置を推定することが可能である。これによって、走行経路上に例えば既知の障害物が存在する場合に、この障害物の位置情報に基づき現在位置を補正することで、現在位置の推定精度を向上することが可能となる。
このような構成であれば、自走体の走行する経路上の現在位置に対応する領域部分の場所情報及び環境情報を、音声によって案内することが可能となる。
これによって、現在、どのような場所を歩行しているのか、どのような環境の領域を歩行しているのかを、音声案内で歩行者に知らせることが可能となり、案内を受けている歩行者に安心感を与えることができるという効果が得られる。
これによって、例えば、交差点、スロープ等の歩行者の歩行負荷が比較的大きい場所、又は、滑りやすい、人通りが多い等の歩行者の歩行負荷が比較的大きい環境において、自走体の進行速度及び旋回速度を低減する補正を行うことが可能となる。その結果、場所や環境による歩行負荷に対して、適切な走行速度で案内を行うことができるという効果が得られる。
このような構成であれば、歩行者が障害物に接近していることを検出して、そのことを音声によって案内することが可能となる。
これによって、歩行者は障害物に接近していることを適切に認識することができるという効果が得られる。
これによって、障害物との接触を回避しながら自走体の走行を継続することができるという効果が得られる。
これによって、目の不自由な歩行者が被案内者の場合にも、当該歩行者は適切に目的地を指定することができるという効果が得られる。
(構成)
案内用ロボット1は、図1〜図4に示すように、任意の方向に走行する自走体2を有する。この自走体2は、底面から見て前端部が尖った流線形状に形成され、且つ例えば案内用ロボット1に案内される被案内者(歩行者)の膝程度の高さを有する基台3を備えている。この基台3は、その後端面側の幅が被案内者の肩幅以上になるよう形成されている。
なお、図2〜図4に示すように、自走体2の上下方向に延びる軸をZ軸とし、図3及び図4に示すように、自走体2の前後方向に延びる軸をY軸とし、図2及び図4に示すように、自走体2の左右方向に延びる軸をX軸とする。
そして、これらプーリ8L及び8Rと、各駆動輪6L及び6Rの前方側に配置した電動モータ9L及び9Rの回転軸に固定したプーリ10L及び10Rとの間に無端のタイミングベルト11L及び11Rが巻回されて、電動モータ9L及び9Rの回転軸の回転速度と同一回転速度で駆動輪6L及び6Rが回転駆動される。ここで、各電動モータ9L及び9Rには、ギアヘッド12L及び12Rが設けられている。
また、左側の駆動輪6L(又は右側の駆動輪6R)を停止させた状態で、右側の駆動輪6R(又は左側の駆動輪6L)を正回転駆動すると信地左(又は右)旋回状態となる。
さらに、左側の駆動輪6L(又は右側の駆動輪6R)を逆回転駆動し、右側の駆動輪6R(又は左側の駆動輪6L)を正回転駆動する超信地左(又は右)旋回状態となる。
このように、左右の駆動輪6L及び6Rの回転速度を制御することにより、基台3を任意の方向に走行させることができる。
この水平腕16の上面における後端側には、被案内者が把持すると共に前後進速度を入力する操作入力部17が配置されている。操作入力部17は、被案内者が一方の手指で把持することが可能なグリップ18と、このグリップ18を連結支持して、グリップ18に加えられた互いに交差する二軸方向の力をそれぞれ検出する力センサ19とを備える。本実施形態では、二軸の一方を、図3及び図4に示す自走体2の前後方向に延びるY軸とし、二軸の他方を、図3に示す支持腕15に沿った方向(グリップ18を力センサ19に向かって押し下げる方向)に延びる軸(以下、「Z’軸」と称す)とした場合について説明する。
なお、力センサ19は、Y軸及びZ’軸方向の力を検出する構成に限らず、図3に示す自走体2の左右方向に延びるX軸回りのモーメントMxと、Z’軸方向の力Fz’とを検出する構成としてもよい。
また、水平腕16の上面における中央部には、被案内者が目的地を選択するための目的地選択部20が配置されている。目的地選択部20は、被案内者が手指で押下することが可能な選択ボタン20aと、この選択ボタン20aを連結支持して、選択ボタン20aに加えられたZ軸方向の力を検出する圧力センサ等で構成される力検出手段20bとを備える。
また、支持腕15の上端側における裏面側には、障害物センサとしてのスキャナ式レンジセンサ24が設けられている。このスキャナ式レンジセンサ24は、例えば上方側の120度の角度範囲を除く240度の角度範囲で斜め下側の障害物までの距離を計測するものである。
この走行制御装置30は、図5に示すように、自走体2に内蔵するバッテリによって駆動される、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置31を備えている。演算処理装置31は、センサ信号入力I/F61と、速度指令値出力I/F62と、回転角度位置入力I/F63と、音声出力I/F64と、を備える。また、この演算処理装置31は、走行制御部51と、音声案内部52とを備える。
速度指令値出力I/F62は、走行制御部51で生成した速度指令値を、モータドライバ65L及び65Rに出力する。ここで、モータドライバ65L及び65Rは、自走体2に内蔵するバッテリから電力が供給され、電動モータ9L及び9Rを駆動するためのものである。
音声出力I/F64は、走行制御部51及び音声案内部52で生成した音声案内情報をスピーカ67へ出力する。ここで、音声案内情報とは、被案内者が進むべき方向(目標進行方向)や、交差点等の被案内者の現在位置の場所情報、被案内者の現在位置又はこれから進行する領域の路面状況等の環境情報、障害物の接近を知らせる情報などを含む。
以下、図6に基づき、走行制御部51について具体的に説明する。
走行制御部51は、図6に示すように、走行方向算出部51aと、障害物検出部51bと、走行方向補正部51cと、モータ駆動制御部51dとを備える。
この走行制御部51は、被案内者による操作入力部17の操作入力に基づいて電動モータ9L及び9Rに対する速度指令値を生成し、これをモータドライバ65L及び65Rに出力することで自走体2を走行制御するものである。また、走行制御部51は、自走体2の移動過程において、常時、周囲の障害物の有無を検出し、障害物を検出すると被案内者に障害物が接近していることを音声や警報で知らせると共に、自走体2の移動方向を、障害物を回避する方向に修正する障害物回避機能を有する。
次に、走行方向算出部51aは、Z’軸方向の力Fz’と予め設定した閾値とを比較することで、被案内者がグリップ18を押下したか否かを検出する。このとき、被案内者がグリップ18を押下していない(Fz’≦閾値)場合にはそのまま待機し、被案内者がグリップ18を押下すると(Fz’>閾値)、Y軸方向の力Fyに基づいて、自走体2の前後進方向の進行速度である前後進速度V0[m/s]及び旋回速度ω0[rad/s]を算出する。
ここで、前後進速度V0は、自走体2の仮想質量をMとしたとき、例えば下式(1)に従って算出する。
V0=∫(Fy/M)dt …………(1)
そして、前後進速度V0と、旋回半径rとから、下式(2)に従って旋回速度ω0を算出する。
ω0=r/V0 …………(2)
なお、前後進速度V0及び旋回速度ω0には、安全性を確保するためにそれぞれ上限速度Vmax及びωmaxが設定されており、算出後の前後進速度V0及び旋回速度ω0が上限速度Vmax及びωmaxを超えないように制限される。例えば、算出後の前後進速度V0及び旋回速度ω0が上限速度Vmax及びωmaxを超える場合、これら算出値を上限速度Vmax及びωmaxに変更する。
障害物検出部51bは、障害物位置情報として、スキャナ式レンジセンサ22〜24で測定したスキャン角度及び距離検出値を読込み、下方障害物の位置及び下方障害物までの距離を算出する。また、障害物検出部51bは、障害物位置情報として、距離画像センサ25で撮影した画像データを読込み、上方障害物の位置及び上方障害物までの距離を算出する。ここで、障害物が複数存在する場合には、各障害物について位置及び障害物までの距離を算出する。
また、障害物検出部51bは、自走体2が障害物に接触する可能性があると判定すると、当該障害物への接触回避を目的として、被案内者に障害物が接近していることを知らせるための音声案内情報を生成し、その音声案内情報をもとにスピーカ67から音声を出力する。
また、走行方向補正部51cは、障害物に接触する可能性はないと判定すると、次に、走行方向算出部51aから入力された場所情報及び環境情報に基づき、前後進速度V0及び旋回速度ω0を補正し、補正後の前後進速度V及び旋回速度ωをモータ駆動制御部51dに出力する。
また、走行方向補正部51cは、障害物検出部51bで障害物に接触する可能性はないと判定し、かつ、場所情報及び環境情報に基づく補正が必要ないと判定した場合には、前後進速度V0及び旋回速度ω0をそのまま前後進速度V及び旋回速度ωとしてモータ駆動制御部51dに出力する。
VL=V+Lw・ω/2 …………(3)
VR=V−Lw・ω/2 …………(4)
なお、ここでは、走行制御部51の障害物回避制御として、障害物との接触を回避する方向に自走体2の走行方向を修正する制御を行う場合について説明したが、障害物を検出したとき、自走体2の走行を停止することで障害物との接触を回避するようにしてもよい。
次に、図7に基づき、音声案内部52について具体的に説明する。
音声案内部52は、図7に示すように、目的地決定部52aと、自己位置推定部52bと、自己位置補正部52cと、ルート生成部52dと、マップ格納部52eと、音声出力部52fとを備える。この音声案内部52は、主に、被案内者を目的地へ案内する際に被案内者の歩行経路上の場所情報、環境情報等の情報を音声によってアナウンスする制御を実行するものである。
なお、選択ボタン20aの近傍に決定ボタンを追加し、その決定ボタンが押されたときに被案内者による目的地選択動作が行われたと判断し、その時点で音声出力された目的地候補を案内すべき目的地として選択するようにしてもよい。但し、本実施形態は、目の不自由な被案内者を主な被案内者として想定しているため、被案内者が操作するボタンは少ない方が望ましい。
自己位置推定部52bは、算出した移動方向及び移動距離を、自己位置補正部52cに出力する。
この自己位置補正部52cは、案内用ロボット1の移動中、常時、スキャナ式レンジセンサ22及び23からスキャン角度及び距離検出値を読込み、案内用ロボット1の周囲に何らかの物体を検出したとき、その検出パターンを記憶する。同時に、案内用ロボット1の周囲にパーティクルをランダムに配置し、それぞれのパーティクルからその物体がどのように検出されるか、検出パターンを算出する。
そして、スキャナ式レンジセンサ22及び23の検出パターンに最も近い検出パターンが得られたパーティクルを選定し、選定したパーティクルの位置と自己位置推定部52bで推定した自己位置との差を位置誤差として、自己位置推定部52bで推定した自己位置を補正する。
自己位置補正部52cは、補正後の自己位置情報をルート生成部52dと、走行方向算出部51aとにそれぞれ出力する。
ルート生成部52dは、目的地決定部52aが出力する目的地情報と、自己位置補正部52cが出力する自己位置情報とを入力し、マップ格納部52eに格納したフロア形状図を用いて案内用ロボット1の走行経路を生成する。
ルート生成部52dは、生成した走行経路情報を、走行制御部51の走行方向算出部51aに出力する。
ここで、マップ格納部52eに格納されたマップ情報に含まれるフロア形状図は、例えば、図8(a)に示すように、複数のブロックに区分されており、これら各ブロックには通し番号が付されている。即ち、図8(a)の例では、フロア形状図が17個のブロックに区分され、各ブロックにはB1〜B17のうちいずれか1のブロック番号が順番に付されている。
図8(a)に示すフロア形状図に対して、被案内者が、目的地として例えばブロックB17を選択したとき、ルート生成部52dは、スタート地点として予め設定されたブロックB4からブロックB17に到達するまでの走行経路を生成する。例えば、図8(b)に示すように、B4→B9→B8→B7→B6→B11→B16→B17の順番で移動する走行経路を生成する。
ルート生成部52dは、更に、生成した走行経路に含まれる各ブロックの場所情報及び環境情報のうち、予め設定した被案内者に知らせるべき情報について音声案内情報を生成し、音声出力部52fに出力する。具体的に、ルート生成部52dは、自己位置補正部52cから入力される自走体2の現在位置に基づき、現在位置のブロック番号に対応する音声案内情報がある場合に、この音声案内情報を、音声出力部52fに出力する。
音声出力部52fは、ルート生成部52dから入力された音声案内情報に基づき、スピーカ67から音声を出力する。
次に、図9及び図10に基づき、演算処理装置31で実行される歩行支援処理の処理手順について説明する。
選択ボタン20aが押下され、演算処理装置31において、歩行支援処理が実行されると、図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、目的地決定部52aにおいて、目的地が確定したか否かを判定する。そして、確定したと判定した場合(Yes)は、目的地を示すブロック番号をルート生成部52dに出力して、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、目的地が入力されるまで判定処理を繰り返す。
なお、目的地決定部52aは、目的地が確定する前に選択ボタン20aが押下された場合は、そのことを音声出力部52fに通知する。これにより、音声出力部52fは、次の目的地候補の案内音声をスピーカ67から出力する。
ここで、ルート生成部52dは、生成した走行経路と、例えば、図10に示す、各ブロックの場所情報及び環境情報とに基づき、音声案内情報を生成する。
従って、ルート生成部52dは、例えば、ブロックB5であれば、「部屋Cの前に居ます」といった案内音声を含む音声案内情報を生成し、例えば、ブロックB11であれば、「交差点です注意して下さい」といった案内音声を含む音声案内情報を生成する。また、例えば、ブロックB16であれば、「滑りやすいので減速します」といった案内音声を含む音声案内情報を生成する。
また、ルート生成部52dは、自己位置補正部52cからの自己位置情報に基づき、案内用ロボット1が、走行経路上の音声案内が用意されているブロックに移動したときに、その都度、移動したブロックに対応する音声案内情報を音声出力部52fに出力するようになっている。
ステップS106に移行した場合は、走行方向算出部51aにおいて、自己位置情報と、走行経路情報とに基づき、案内用ロボット1の進行方向(旋回角度θ)を決定して、ステップS108に移行する。なお、直進の場合は、旋回角度θが0度となる。
ステップS108では、走行方向算出部51aにおいて、操作入力部17を介した操作入力情報(力Fx、力Fz’)に基づき、上式(1)に従って、案内用ロボット1の前後進速度V0を算出して、ステップS110に移行する。
ステップS112では、走行方向補正部51cにおいて、走行経路情報に含まれる場所情報及び環境情報に基づき、ステップS108で算出した前後進速度V0及びステップS110で算出した旋回速度ω0を補正する。その後、補正処理を経た前後進速度V及び旋回速度ωを、モータ駆動制御部51dに出力して、ステップS114に移行する。
ステップS116では、モータドライバ65L及び65Rにおいて、速度指令値に基づき、電動モータ9L及び9Rを駆動制御する。これにより、案内用ロボット1が、走行経路に沿って直進走行又は旋回走行を行う。その後、ステップS104に移行する。
次に、図11及び図12に基づき、ルート生成部52dで実行される走行経路情報生成処理の処理手順について説明する。本実施形態では、ダイクストラ法を用いて走行経路を生成する。
ステップS102において、走行経路情報生成処理が開始されると、図11に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ルート生成部52dにおいて、目的地決定部52aから入力された目的地情報及び自己位置補正部52cから入力された自己位置情報に基づき、現在位置が目的地か否かを判定する。そして、現在位置が目的地であると判定した場合(Yes)は、走行経路情報生成処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。
ステップS204では、ルート生成部52dにおいて、配列Ak(A1)に目的地のブロック番号を代入して、ステップS206に移行する。
ステップS206では、ルート生成部52dにおいて、配列Akに含まれるブロック番号と隣り合うブロック番号を、配列Ak+1に代入して、ステップS208に移行する。
ステップS210に移行した場合は、ルート生成部52dにおいて、配列A1〜Ak+1に含まれるブロック番号に基づき、案内用ロボット1の走行経路を決定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
例えば、図8(a)のフロア波形図において、現在位置がブロックB4で、目的地がブロックB17であるとすると、図12に示すように、まず、配列A1に「B17」が代入される。次に、配列A2に、ブロックB17と隣り合うブロックB16のブロック番号「B16」が代入され、続いて、配列A3に、ブロックB16と隣り合うブロックB11のブロック番号「B11」が代入される。
同様に、配列A6に「B2」、「B8」及び「B14」が代入され、配列A7に「B3」、「B9」及び「B15」が代入され、配列A8に「B4」及び「B10」が代入される。
即ち、本実施形態の案内用ロボット1は、被案内者は前後進速度V0を指示するための操作を行うのみで、目的地までの進行方向(旋回角度θ)及び旋回速度ω0の決定は、案内用ロボット1が自律的に行うものである。
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
自律歩行が困難な歩行者が自走体2の後方に立ち、図示しない始動スイッチをオン状態とすると、自走体2に内蔵するバッテリの電力が走行制御装置30及びモータドライバ65L及び65Rに供給され、自走体2が走行可能状態となる。このとき、歩行者(被案内者)が操作入力部17のグリップ18を把持していない場合には、自走体2は停止状態を維持する。
ここでは、ブロックB11の場所情報と、ブロックB16の環境情報とが音声案内をすべき情報として設定されていることとする。
そして、算出した前後進速度V0と旋回速度ω0とから前後進速度Vと旋回速度ωとが決定され、これらに基づいて電動モータ9L及び9Rを駆動するための速度指令値をモータドライバ65L及び65Rに出力する。
これにより、図13(b)中の(3)に示すように、案内用ロボット1は、走行制御部51が決定した進行方向(B9→B8)に向かって直進走行する。
以降は、ブロックB6に移動するまで、直進走行が継続して行われる。
これにより、図13(b)中の(5)に示すように、案内用ロボット1は、走行制御部51が決定した進行方向(B6→B11)に向かって直進走行する。
なお、1つ手前のブロックB11で既に減速補正をしているため、十分遅い速度になっている場合は、補正処理を省いてもよい。
なお、上記走行途中に、スキャナ式レンジセンサ22,23,24及び距離画像センサ25の何れかで何らかの物体を検出した場合、それがフロア形状図に存在しない物体であれば、音声案内部52は、検出した物体を障害物と見なして歩行者に障害物の接近を音声で知らせる。
このように、本実施形態では、自走体2が走行するエリアの地図情報であるフロア形状図を予め記憶しておき、フロア内の自己位置の特定と目的地までの進行方向及び旋回速度の決定とを案内用ロボット1が自律的に行うことが可能である。
これにより、被案内者の視認が必要な情報提示に依らずに、歩行者を走行経路に沿って目的地まで案内することが可能となる。
例えば、音声案内に従って被案内者が自走体2の進行方向の決定まで行う場合、走行経路に沿うように誘導するための音声案内は、例えば2秒に1回など頻繁に行う必要がある。その一方で、視覚障害者は、自分の生活環境を頭の中に仮想的な地図として暗記している人が多い。そのため、音声案内を行う際は、目的地までの節目となる地点に到達したことをアナウンスで知ることで自分が正しい経路に沿って移動している確認が取れ、安心感を得る効果がある。
また、自走体2が有する車輪の回転量と、自走体が走行するエリアの地図情報、及びスキャナ式レンジセンサ22,23,24及び距離画像センサ25の何れかで検出した障害物の位置情報とに基づいて、自走体2の現在位置を推定する。そのため、建屋内にビーコンを設置したりGPS信号を受信したりすることなく、屋内で適切に自己位置を推定することができる。したがって、低コストでのナビゲーションが可能となる。
さらに、自走体2の周囲に障害物を検出した場合には、自走体2が障害物に接近していることを音声で案内するので、歩行者は障害物に接近していることを適切に認識することが可能となる。
また、ナビゲーションの開始に先立って、複数の目的地候補を1つずつ順番に音声で案内するので、目の不自由な歩行者が被案内者の場合にも、当該被案内者は適切に目的地を指定することが可能となる。
なお、障害物を検出したとき、自走体2の走行を停止させる制御を行えば、障害物との接触を確実に回避することが可能となる。
また、走行方向算出部51aが進行速度決定部、目標進行方向決定部及び旋回速度決定部に対応し、障害物検出部51bが障害物接近案内部に対応し、走行方向補正部51cが速度補正部に対応し、モータ駆動制御部51dが走行制御部に対応している。
また、目的地決定部52aが目的地候補案内部、選択動作検出部及び目的地設定部に対応し、自己位置推定部52b及び自己位置補正部52cが自己位置推定部に対応し、ルート生成部52dが経路生成部に対応し、マップ格納部52eが地図情報格納部に対応し、音声出力部52fが経路情報案内部に対応している。
(1)上記実施形態においては、障害物センサとしてスキャナ式レンジセンサ22,23,24を適用した場合について説明したが、超音波式センサ等の他の測距センサを適用することもできる。また、スキャナ式レンジセンサに代えて、1方向にレーザ光を出射する測距センサをZ軸方向に回動させて走査するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、自走体2として、前側にキャスター5を設置し、後輪側に駆動輪6L及び6Rを設ける場合について説明したが、前側の左右位置に駆動輪を配置し、後輪側にキャスターを配置するようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、ダイクストラ法を用いて走行経路を探索する構成としたが、この構成に限らない。例えば、ポテンシャル法、深さ優先探索、幅優先探索などの他のアルゴリズムを用いて経路を探索してもよい。
Claims (9)
- 車輪によって任意の方向に走行可能な自走体と、
前記自走体に取り付けられ、歩行者が案内を受けるときに把持する操作入力部と、
前記歩行者が前記操作入力部を操作して入力した入力値を検出する入力値検出部と、
前記入力値検出部で検出した入力値に基づき前記自走体の前後進方向の進行速度を決定する進行速度決定部と、
前記自走体が走行するエリアの地図情報が格納された地図情報格納部と、
前記自走体の現在位置を推定する自己位置推定部と、
前記地図情報に基づき、前記自己位置推定部で推定した現在位置から予め設定した目的地までの前記自走体の走行経路を生成する経路生成部と、
前記自己位置推定部で推定した現在位置と前記経路生成部で生成した走行経路とに基づき、前記自走体の目標進行方向を決定する目標進行方向決定部と、
前記目標進行方向決定部で決定した目標進行方向と、予め設定した旋回半径と、前記進行速度決定部で決定した進行速度とに基づき、前記自走体の旋回速度を決定する旋回速度決定部と、
前記進行速度決定部で決定した進行速度と、前記旋回速度決定部で決定した旋回速度とに基づき、前記自走体の走行を制御する走行制御部と、を備えることを特徴とする案内用ロボット。 - 前記入力値検出部は、前記歩行者の前記操作入力部の操作によって入力される、前記自走体の前後進方向の力、又は前記前後進方向と前記自走体の左右方向に直交する軸回りのモーメントを検出することを特徴とする請求項1に記載の案内用ロボット。
- 歩行者が前記操作入力部を把持しているか否かを検出する把持検出部を備え、
前記走行制御部は、前記把持検出部が前記操作入力部を把持していると検出しているときは、前記自走体の走行を許可し、前記把持検出部が前記操作入力部を把持していないと検出しているときは、前記自走体の走行を禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の案内用ロボット。 - 前記車輪の回転情報を検出する回転情報検出部を備え、
前記自己位置推定部は、前記回転情報検出部で検出した車輪の回転情報と、前記地図情報格納部に格納した地図情報とに基づいて、前記自走体の現在位置を推定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の案内用ロボット。 - 前記地図情報格納部は、前記地図情報の示すエリアを複数の領域に区分した各領域部分の場所情報及び環境情報を格納しており、
前記走行経路上の前記自己位置推定部で推定した現在位置に対応する前記領域部分の前記場所情報及び前記環境情報を音声で案内する経路情報案内部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の案内用ロボット。 - 前記地図情報格納部は、前記地図情報の示すエリアを複数の領域に区分した各領域部分の場所情報及び環境情報を格納しており、
前記走行経路上の前記自己位置推定部で推定した現在位置に対応する前記領域部分の前記場所情報及び前記環境情報に基づき、前記進行速度及び前記旋回速度を補正する速度補正部を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の案内用ロボット。 - 前記自走体の周囲の障害物を検出する障害物検出部と、
前記障害物検出部で障害物を検出したとき、前記自走体が前記障害物に接近していることを音声で案内する障害物接近案内部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の案内用ロボット。 - 前記走行制御部は、前記障害物検出部で障害物を検出したとき、前記障害物を回避する方向に、前記自走体の走行方向を補正する制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の案内用ロボット。
- 前記歩行者に複数の目的地候補を順番に音声で案内する目的地候補案内部と、
前記目的地候補の音声案内に対する前記歩行者の目的地選択動作を検出する選択動作検出部と、
前記選択動作検出部で検出した目的地選択動作によって選択された目的地候補を、前記走行経路を生成するときの目的地として設定する目的地設定部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の案内用ロボット。
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