JP2010152834A - 無人移動体システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い移動速度であっても、無人移動体の移動を容易確実に指示できるようにする。
【解決手段】無人移動体Bと、表示部と、これに表示された画像に基づいて、無人移動体Bを遠隔操作する遠隔操作装置Cとを有しており、遠隔操作装置Cには、無人移動体Bを旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを、表示部の画像の指示位置に重畳設定することによる移動指示を行う走行指示手段を設け、遠隔操作装置Cには、走行指示手段によって指示された旋回位置と、この旋回位置における移動方向に基づき、自律移動のための移動経路を計画する経路計画手段と、移動経路に応じた無人移動体の移動速度を計画する速度計画手段と、計画した移動経路と移動速度に従って無人移動体Bを移動させる自律移動手段とを設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば無人車両等の無人移動体と、この無人移動体を遠隔操作するための遠隔操作装置とを有する無人移動体システムに関する。
従来、この種の従来技術として、「ユーザにロボットを遠隔操縦させることができる方法」とした名称で、特許文献1に開示されているものがある。
特許文献1に記載された方法は、ロボットの周辺の領域を表す画像情報を供給する段階と、前記画像情報を用いて、前記ロボットの周辺の領域を表すユーザ知覚画像を供給する段階と、ユーザに画像においてロボットが移動すべき方へ一つ以上の目標を指定させることができる段階と、ロボットを前記目標に向けて移動させることができる段階とを具備したことを内容としたものである。
特表2003−532218号公報
上記の構成により、ロボットを直感的に遠隔操作しようとしたものではあるが、画像においてロボットが移動すべき方へ目標を指定させることができる前記段階は、ポイント‐アンド‐クリック選択によるものである。
従って、例えば室内を移動する小型,低速のロボットであれば、数メートル先の方向を指示することによる移動は可能ではあるが、屋外を30km/hほどの高速度で移動する無人車両の場合、特に市街地のような場所において右左折を指示する場合では、特許文献1に記載のものでは走行の適切な指示を行うことが困難である。
そこで本発明は、高い移動速度であっても、無人移動体の移動を容易確実に指示できる無人移動体システムの提供を目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係る無人移動体システムは、移動領域内の測距データを取得するための測距部、及び移動のための駆動機構を搭載した無人移動体と、その測距部によって取得した測距データに基づく画像を表示する表示部、及びその表示部に表示された画像に基づいて、無人移動体を遠隔操作する遠隔操作装置とを有する構成のものであり、無人移動体を旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを、表示部の画像の指示位置に重畳設定することによる移動指示を行う移動指示手段を遠隔操作装置に設け、また、移動指示手段によって指示された旋回位置と、この旋回位置における移動方向に基づき、自律移動のための移動経路を計画する経路計画手段と、移動経路に応じた無人移動体の移動速度を計画する速度計画手段と、計画した移動経路と移動速度に従い、駆動機構によって無人移動体を移動させる自律移動手段とを無人移動体に設けたことを特徴としている。
本発明によれば、高い移動速度であっても、無人移動体の移動を容易確実に指示することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る無人移動体システムの全体構成を示す説明図、図2は、無人移動体の構成を概略的に示す説明図である。また、図3は、無人移動体に設けた制御回路のブロック図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る無人移動体システムAは、無人移動体の一例である無人車両Bと、遠隔操作装置Cとを有して構成されている。
無人車両Bは、一般の乗用車両のハンドル/アクセル/ブレーキを、下記の移動体制御用,自律移動用コンピュータ10,30によって操作できるように、各種のアクチュエータを付加した構成のものであり、その詳細は次のとおりである。
すなわち、無人車両Bは、CPU(Central Processing Unit)やインターフェース回路(いずれも図示しない)等からなる移動体制御用コンピュータ10と、同じく自律移動用コンピュータ30とによって制御されるようになっている(図2,3参照)。
なお、以下には、移動体制御用コンピュータ10を、本実施形態に対応して車両制御用コンピュータ10という。
車両制御用コンピュータ10と、自律移動用コンピュータ30とは、イーサネット(登録商標)11を介して互いに接続されている。
自律移動用コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)やインターフェース回路(いずれも図示しない)等からなるものであり、これの入力ポートには、移動領域内の測距データを取得するための測距部33が接続されている。
測距部33は、自律移動用カメラ14,31、レーザー光センサ(以下、「LRF」という。)32、及び指向駆動部34を有して構成されている(図2参照)。
LRF32は、レーザ光の投光から受光までの時間を計測するタイムオブフライト方式による測距を行うものであり、本実施形態において示すものは、1つのレーザ光源を用い、光軸を光学的又は機械的に掃引することにより、物体の3次元的な形状を取得するスキャンタイプのものである。
指向駆動部34は、LRF32を水平面(路面と略平行)において所要の角度範囲で回動させるものであり、後述する接近距離判定手段10gと、測距部指向手段10hの機能を発揮する車両制御用コンピュータ10によって回動制御されるようになっている。
自律移動用カメラ14,31は、自律移動(以下、「自律走行」という。)を行うときに必要な画像データを取得するためのものであり、走行方向に向け、かつ、車幅方向において左右対称に配列されている。
なお、自律移動用カメラ14,31についても、指向駆動部34と同様のものによリ水平面において所要の角度範囲で回動させるようにしてもよい。
車両制御用コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース回路及びメモリ(いずれも図示しない)等からなるものである。
この車両制御用コンピュータ10の入力ポートには、イーサネット(登録商標)12を介して無線LAN13が、また、GPS(Global Positioning System)15、バーチカルジャイロ16、車速パルス17、及びオドメトリ18がそれぞれシリアル回線を介して接続されている。なお、符号20は、無線LAN13に接続されているアンテナを示している。
また、出力ポートには、モータドライバ21を介して、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23がそれぞれ接続されている。
なお、図1に示す9…は走行輪であり、これらの走行輪9…とともに、モータドライバ21、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23により駆動機構Dを構成している。
バーチカルジャイロ16は、無人車両Bの鉛直面内における傾斜姿勢、従ってまた、後述する自律走行用カメラ14,31やLRF32の光軸姿勢(向き)情報を取得するものである。
オドメトリ18は、無人車両Bの走行輪9…の各回転量に基づいて、自己の位置情報を取得するためのセンサである。
GPS15は、無人車両Bの位置情報を取得するためのものである。
車速パルス17は、無人車両Bの移動速度をパルス情報として出力するものであり、例えばホール素子等である。
本実施形態においては、車速パルス17が、無人車両Bの移動速度を測定するための速度測定器である。
車両制御用コンピュータ10は、イーサネット(登録商標)11,無線LAN13及びアンテナ20を通じて、GPS15、バーチカルジャイロ16で取得した各種の情報を、後述する遠隔操作装置Cに向けて送信する機能の他、その遠隔操作装置Cから送信される各種の操作情報に基づき、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23をモータドライバ21を介して駆動制御する機能を有している。
すなわち、遠隔操作装置Cから送信される旋回位置、移動方向に基づき計画された走行経路(移動経路)、走行速度(移動速度)に従って、ステアリング用アクチュエータ22及びブレーキ/アクセル用アクチュエータ23を駆動する機能を有している。
車両制御用コンピュータ10は、図示しないメモリに記憶されている所要のプログラムの実行により、次の各機能を発揮する。図4は、車両制御用コンピュータが有する機能を示すブロック図、図5は、二つの自律走行用カメラにより画像データを取得する原理を示す説明図である。
(1)表示部41に表示されている操作用アイコンの画面座標点と移動方向を、世界座標系の座標点と移動方向に変換する機能。この機能を「座標変換手段10a」という。
すなわち、表示部41における2次元画像をローカル座標系の三次元画像を経て、実空間におけるワールド座標系(世界座標系)への変換を行っている。
表示部41に表示されている操作用アイコンの一例としては、後述する図8に符号42aとして示している。
(2)測距部33により取得した測距データに基づいて、移動領域内における移動可能エリア41b(後述する図8に示す)を抽出する機能。この機能を「エリア抽出手段10b」という。
本実施形態においては、LRF32により取得したレーザー光データと、自律走行用カメラ14,31により取得した画像データの双方に基づき、移動領域内における移動可能エリアを抽出している。
なお、自律走行用カメラ14,31により取得した画像データのみに基づき、また、LRF32により取得したレーザー光データのみに基づいて移動領域内における移動可能エリアを抽出するようにしてもよい。
(3)測距部33により取得した測距データに基づき、移動可能エリア41b(図8参照)内の自律移動の妨げとなる障害物を検出する機能。この機能を「障害物検出手段10c」という。
本実施形態においては、自律移動用カメラ14,31で取得した画像データと、LRF32で取得したレーザー光データとに基づき、移動可能エリアG内の自律移動の妨げとなる障害物を検出している。
自律移動用カメラ14,31による測距データの取得は、次のとおりである。
すなわち、図5に示すように、自律移動用カメラ14,31における左画像座標系[xl,yl]、右画像座標系[xr,yr]、世界座標系[X,Y,Z]、基線b、焦点距離fとしたとき、
世界座標系における障害物Pの座標X,Y,Zは、次式により求めることができる。
X=b(xl+xr)/2d
Y=b(yl+yr)/2d
Z=b・f/d
なお、ただしdは視差であり、d=xl−xr。
また、右画像において撮像点prと左画像において撮像点plの対応をとる方法は、画像を小領域に分割し、その領域に対して他方の画像全面に対応のとれる位置を走査するパタンマッチング法がある。
すなわち、LRF32は、レーザ光の到達範囲が計測エリアとなるために、数十メートルと比較的近い領域の測距データを取得するときに用い、画像データは精度においてレーザ光データに劣るものの、遠距離の計測エリアの画像データを取得するときに用いている。
本実施形態においては、LRF32と自律走行用カメラ14,31により、移動可能エリア内の自律移動の妨げとなる障害物を検出しているが、LRF32のレーザースキャンの高さ方向のプロファイルデータに基づいて、一定の高さ以上(超える)領域を障害物と認識させるようにしてもよい。
この場合、取得した測距データ中に離散した測距データがあるか否かを判定する離散測距データ判定手段と、離散した測距データがあると判定したときには、その離散した測距データを除去する離散データ除去手段とを設けるとよい。なお、離散データ除去手段を、離散した測距データをノイズとしてフィルタリングするフィルタリング手段と言い換えることができる。
また、1スキャンラインデータのみでなく、走行方向への複数のスキャンラインデータから奥行き方向の三次元画像を求め、パターンマッチングにより障害物の認識をさせるようにしてもよい。
(4)世界座標系の座標点と移動方向に基づき、抽出した移動可能エリア41b内における自律移動のための移動経路を計画する機能。この機能を「経路計画手段10d」という。
「移動経路」は、移動可能エリア41b内における無人車両Bの移動ルートであり、本実施形態においてはポテンシャル法を用いて、クロソイド曲線やスプライン曲線にあてはめて算出している。
また、上記した障害物検出手段10cによって、移動可能エリア41b内の自律移動の妨げとなる障害物を検出したときには、その障害物を回避するための移動計画、従ってまた、移動経路を作成する。
(5)移動経路に応じた無人移動体Bの移動速度を計画する機能。この機能を「速度計画手段10e」という。
「移動経路に応じた無人移動体Bの移動速度」は、例えば移動経路のカーブの曲率の大小に応じて安全に走行できる速度という意味であり、小さなカーブでは大きなカーブよりも走行速度を低下させるようにしている。
(6)計画した移動経路と移動速度に従って、駆動機構Dによって無人移動体Bを移動させる機能。この機能を「自律移動手段10f」という。
(7)無人車両Bが、旋回位置に所要の距離だけ接近したか否かを判定する機能。この機能を「接近距離判定手段10g」という。
「所要の距離」は、走行経路上であって旋回位置から遠方にある到達点近傍の測距データを取得しやすくする程度に設定すればよい。
(8)接近距離判定手段10gにより、旋回位置に所定の距離だけ接近したと判定したときには、指向駆動部34を介して測距部33を上記の移動方向に指向駆動する機能。この機能を「測距部指向手段10h」という。
本実施形態においては、LRF32を指向駆動している。
次に、遠隔操作装置について、図6〜9を参照して説明する。図6は、遠隔操作装置の構成を示す説明図、図7は、遠隔操作装置に設けた制御回路のブロック図、図8は、表示部に表示される画像と操作用アイコンの表示例を示す説明図である。
本実施形態において示す遠隔操作装置Cは、表示部40、入力装置50、及び制御装置60を有して構成されており、操作者Qが装着して使用できる形態になっている。
表示部40は、表示部(以下、「ディスプレイ」という。)41、ディスプレイコントローラや制御装置60との間における画像データの送受を行う送受信部(いずれも図示しない)を筐体42に配設したものであり、操作者Qの頭部に装着するためのベルト43に取り付けたものである。
ディスプレイ41には、上記した撮像部である自律移動用カメラ14,31によって取得した、図8に示すような画像等が表示されるようになっている。
入力装置50は、ジョイスティック51、走行速度指示レバー52、制御装置60との間における操作情報等の送受を行う送受信部(図示しない)を筐体53に配設したものである。
ジョイスティック51は、無人車両Bを旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向を入力指示するための操作用アイコン42a〜42lを表示部であるディスプレイ41上で操作するためのものである。
走行速度指示レバー52は、無人車両Bの現在位置から旋回位置に至るまでの走行速度を入力する移動速度指示部である。
例えば、旋回位置が現在位置から比較的遠方にあるときに入力指示することにより、周囲の環境を確認しながらの低速走行であるとか、できるだけ早く旋回位置に向かおうとするときの高速走行を指示できるようにしている。
なお、走行速度指示レバー52は必要に応じて設ければよいものであり、また、ディスプレイ41上に表示させた速度をタッチスライドする等の形態にすることができる。
制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)やインターフェース回路(いずれも図示しない)等からなる装置本体65と、これの入出力ポートに、無線LAN61、ディスプレイ62、キーボード63とを一体的に構成したものである。なお、符号64で示すものは、アンテナである。
装置本体65は、所要のプログラムの実行により次の各機能を発揮する。
(9)無人車両Bから送信される画像をディスプレイ41に表示する機能。この機能を「画像表示手段65a」という。
「無人車両Bから送信される画像」には、走行に伴って刻々と変化する移動領域の画像とともに、その刻々と変化する画像に対応重畳して操作用アイコンも含まれる。
このとき、ディスプレイ41に表示される操作用アイコンは、無人車両Bがその操作用アイコンに向けて走行接近するのに従って、換言すると、距離に従って次第に大きく表示される。これにより、操作者Qに遠近感を得えて、臨場感を高めることができる。
(10)無人移動体Bを旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを、ディスプレイ41の画像の指示位置に重畳設定することによる移動指示を行う機能。この機能を「移動指示手段65b」という。
図6は、ディスプレイ41に表示される画像の一例を示す説明図である。
ディスプレイ41には、撮像部33で取得した市街地等(移動領域)の画像41aと、上記した操作用アイコン42a〜42l等が表示されるようになっている。なお、41bは、移動領域内における走行可能エリアである。
操作用アイコン42a〜42lは、全方位を12分割するとともに、各方位に対応する移動方向を矢印で表したものである。
例えば操作用アイコン42aは、旋回位置で左方向という移動指示内容が対応している。
すなわち、図8においては、旋回位置が走行方向における最初の交差点であり、また、旋回位置における移動方向が「左方向」である。
(11)ディスプレイ41に表示されている画像41aに、上記した経路計画手段10dにより計画した走行経路(移動経路)44を重畳表示する機能。この機能を「重畳表示手段65c」という。
(12)無人車両Bと遠隔操作装置Cとの間における通信遅延時間を算出する機能。この機能を「遅延時間算出手段65d」という。
本実施形態においては、無人車両Bと遠隔操作装置Cの間において、pingの要領でデータの往復時間を推定している。
また、無人車両Bと遠隔操作装置C双方にGPSを搭載しておき、そのGPSを用いて双方のコンピュータによって精度の高い時刻同期を行い、受信したデータのタイムスタンプに基づいて遅延時間を推定するようにしてもよい。
(13)算出した通信遅延時間と無人車両Bの移動速度に基づいて、旋回位置における移動方向への移動の可否を判定する機能。この機能を「移動可否判定手段65e」という。
以下に、さらに具体的に説明する。図9は、無人車両の可能旋回半径を示す説明図である。
図9に示すように、無人車両Bは、これの重心位置等の拘束条件等によって、走行速度に応じた可能旋回半径が定まる。
Yd:通信遅延による実際の無人車両の位置の距離差
Rv1:移動速度v1での安全な旋回半径
Rv2:移動速度v2での安全な旋回半径
Rv3:移動速度v3での安全な旋回半径
Rv4:移動速度v4での安全な旋回半径
上記の旋回半径を判定基準として、旋回位置における移動方向への移動の可否を判定している。
(14)この移動可否判定手段65eにより、当該移動方向への移動ができないと判定したときには、操作用アイコンの操作を無効化する機能。この機能を「操作無効化手段65f」という。
具体的には、上記した操作用アイコン42aの操作に基づく無人車両Bの走行指示ができないようにするとともに、その旨のメッセージをディスプレイ41に表示しているが、その他、操作できない操作用アイコンをディスプレイ41に選択できないように表示すること等が考えられる。
(15)移動可否判定手段65eにより、当該移動方向への移動ができないと判定したときには、旋回位置における移動方向への移動ができるように移動速度(走行速度)を低下させる機能。この機能を「移動速度低減手段65g」という。
(16)遅延時間算出手段65dにより算出した遅延時間に基づいて、操作用アイコンの表示位置を補正する機能。これを「表示位置補正手段65h」という。
次に、図10〜13を参照して、制御フローチャートについて説明する。図10は、車両制御装置の制御フローチャート、図11は、遠隔操作装置による遠隔操作のフローチャート、図12(A)〜(C)は、無人車両の走行に伴って変化する表示部に表示される画像の一例を示す説明図、図13は、無人車両の旋回位置における旋回状態を示す説明図である。
<車両制御装置の制御フローチャート>
ステップ1(図中、「S1」と略記する。以下、同様。):各部の初期化処理を行ってステップ2に進む。
ステップ2:遠隔操作装置Cから送信された操作者Qにより指示された旋回位置及び移動方向を受信して、ステップ3に進む。
このとき、無人車両Bが旋回位置に至るまでの走行速度を指示している場合には、その走行速度も合わせて受信される。
ステップ3:終了コマンドを受信したか否かを判定し、終了コマンドを受信すればステップ17に進み、そうでなければステップ4に進む。
ステップ4:受信した旋回位置及び移動方向を、世界座標系の座標点、移動方向に座標変換してステップ5に進む。
ステップ5:自律走行用カメラ14,31とLRF32によって移動領域を認識し、移動可能エリアを抽出してステップ6に進む。
ステップ6:レーザー光データと画像データとが入力されることにより、障害物認識処理を行い、また、障害物の認識結果に基づいて環境マップ(地図)を作成する。
そして、走行経路(移動経路)を計画するが、移動可能エリア内に障害物が存在する場合には、その障害物を回避するルートを含む移動経路を計画する。
ステップ7:計画した走行経路に応じて、無人車両Bの動特性と安全性を考慮した走行速度を計画する。このとき、旋回位置に至るまでの走行速度を指示されているときには、その走行速度を上限としている。
ステップ8:図12(A)に示すように、表示部41の画像上に走行経路44を例えばラインで表示するとともに、旋回位置に操作用アイコン41aを重畳表示して、ステップ9に進む。
ステップ9:計画した走行経路と走行速度により、モータドライバ21を介して、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23等を駆動する。
ステップ10:無人車両Bが走行することによって、その無人車両Bは図12(B)に示すように旋回位置に接近する。
無人車両Bの走行とともに、旋回位置に所定の距離だけ接近したか否かを判定し、ここで当該距離だけ接近していればステップ11に進み、そうでなければステップ12に進む。
ステップ11:図12(C),図13に示すように、操作用アイコン41aに対応する移動方向に応じて、その移動方向に向けてレーザー光センサ32を指向させて、ステップ12に進む。なお、図13において符号32aで示すものは、レーザー光センサ32の走査エリアである。
ステップ12:旋回位置に到達したか否かを判定し、その旋回位置に到達していると判定すればステップ13に進み、到達していなければステップ16に進む。
ステップ13:次の旋回位置,走行方向、また、それらと走行速度を受信しているか否かを判定し、受信していると判定されればステップ15に進み、また、受信していないと判定されればステップ14に進む。
ステップ14:走行経路44上で走行速度を低下して、ステップ16に進む。また、次の旋回位置、走行方向、また、それらと走行速度の受信がなければ停止する。
ステップ15:受信した次の旋回位置、走行方向、また、それらと走行速度に基づいて、走行経路と走行速度とを計画し、この計画した走行経路と走行速度を、現に計画している走行経路と走行速度に連続させた走行経路と走行速度を計画する。
ステップ16:走行速度等の車両関連情報、走行可能エリア、計画した走行経路、及び操作用アイコン41aを重畳表示した画像を、遠隔操作装置Cに向けて送信する。
ステップ17:終了処理を行う。
<遠隔操縦のフローチャート>
ステップ1a(図中、「Sa1」と略記する。以下、同様。):各部の初期化処理を行ってステップ2aに進む。
ステップ2a:遠隔操作装置Cから送信された操作者Qにより指示された走行速度,移動方向等を含む操作情報及びコマンドを受信して、ステップ3aに進む。
ステップ3a:終了コマンドを受信したか否かを判定し、終了コマンドを受信すればステップ11aに進み、そうでなければステップ4aに進む。
ステップ4a:無人車両Bから送信された上記車両情報を受信して、ステップ5aに進む。
ステップ5a:自律移動用カメラ14,31で取得した画像に、受信した移動速度に応じた遠近位置、及び移動方向位置に操作用アイコンを重畳表示する。
ステップ6a:通信遅延時間を算出して、ステップ7aに進む。
ステップ7a:操作者Qが指示する操作用アイコンの表示位置を、算出した通信遅延時間に基づき、補正して表示する。
ステップ8a:通信遅延時間、現在の走行速度から、指示した旋回位置において、移動方向に急ブレーキ、急なハンドル操作をすることなく旋回できるかどうかを算出する。
ステップ9a:安全に旋回することができるか否かを判定し、安全に旋回できないと判定されればステップステップ2aに戻り、安全に旋回できると判定されればステップ10aに進む。
ステップ10a:旋回位置、移動方向及び移動速度を、無人車両Bに向けて送信してステップSa3に戻る。
ステップ11a:終了処理を行う。
上述した実施形態に係る無人移動体システムによれば、次の効果を得ることができる。
・無人移動体を旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを、表示部の画像の指示位置に重畳設定し、その旋回位置と、この旋回位置における移動方向に基づき、自律移動のための移動経路とともに、移動経路に応じた無人移動体の移動速度を計画し、この計画した移動経路と移動速度に従って、駆動機構を介して無人移動体を移動させているので、高い移動速度であっても、無人移動体の移動を容易確実に指示することができる。
・旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを表示部の画像の指示位置に重畳設定するだけでよいので、操作を直感的に行うことができる。
すなわち、市街地のような遮蔽が多く、必ずしも道なりにならない交差点等であっても、円滑な右左折を行うことができる。
交差点等を操作用アイコンによって指し示すだけで、その交差点等まで走行指示を与えることなく自律走行を行えるので、いわば手離し運転をすることができる。
・検出された障害物に対応する障害物データに基づいて、その障害物を回避する移動経路を計画することにより、障害物が存在する場合にも自律走行を円滑に行うことができる。
・算出した遅延時間に基づいて、操作用アイコンの表示位置を補正することにより、操作をより正確に行うことができる。
・移動方向への移動ができないと判定したときには、操作用アイコンの操作を無効化しているので、無人車両を安全に走行させることができる。
・表示部に表示されている画像に、経路計画手段により計画した移動経路を重畳表示させることにより、無人車両Bがどのように走行して行くのかを確認することができる。
・旋回位置に所定の距離だけ接近したと判定したときには、指向駆動部を介して測距部を上記の移動方向に指向駆動することにより、走行経路上であって旋回位置から遠方にある到達点近傍の測距データを取得しやすくすることができる。
すなわち、自律走行のための環境認識、遠隔操作とも効率よく行うことができ、また、交差点等の見通せないような場所であっても、走行速度を極端に低下させなくてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・本実施形態においては、無人移動体として無人車両を例として説明したが、無人偵察機等に準用することができる。
本発明の一実施形態に係る無人移動体システムの全体構成を示す説明図である。 同上の無人移動体の構成を概略的に示す説明図である。 無人移動体に設けた制御回路のブロック図である。 無人移動体に設けた車両制御用コンピュータが有する機能を示すブロック図である。 無人移動体に設けた二つの自律走行用カメラにより画像データを取得する原理を示す説明図である。 遠隔操作装置の構成を示す説明図である。 遠隔操作装置に設けた制御回路のブロック図である。 ディスプレイに表示される画像と操作用アイコンの表示例を示す説明図である。表示部に表示される画像の一例を示す説明図である。 (A)は、自律移動時の移動ルートを示す説明図、(B)は、表示位置を補正した表示例を示す説明図である。 車両制御装置の制御フローチャートである。 遠隔操作装置による遠隔操作のフローチャートである。 (A)〜(C)は、無人車両の走行に伴って変化する表示部に表示される画像の一例を示す説明図である。 無人車両の旋回位置における旋回状態を示す説明図である。
符号の説明
10a 座標変換手段
10b エリア抽出手段
10c 障害物検出手段
10d 経路計画手段
10e 速度計画手段
10f 自律移動手段
10h 測距部指向手段
10j 接近距離判定手段
33 測距部
34 指向駆動部
41 表示部(ディスプレイ)
41b 移動可能エリア(走行可能エリア)
42a〜42l 操作用アイコン
44 移動経路
65b 移動指示手段
65c 重畳表示手段
65d 遅延時間算出手段
65e 移動可否判定手段
65f 操作無効化手段
65g 表示位置補正手段
A 無人移動体システム
B 無人移動体(無人車両)
C 遠隔操作装置
D 駆動機構

Claims (8)

  1. 移動領域内の測距データを取得するための測距部、及び移動のための駆動機構を搭載した無人移動体と、その測距部によって取得した測距データに基づく画像を表示する表示部、及びその表示部に表示された画像に基づいて、無人移動体を遠隔操作する遠隔操作装置とを有する無人移動体システムにおいて、
    無人移動体を旋回させようとする旋回位置と、この旋回位置における移動方向に対応付けた操作用アイコンを、表示部の画像の指示位置に重畳設定することによる移動指示を行う移動指示手段を遠隔操作装置に設けたこと、
    移動指示手段によって指示された旋回位置と、この旋回位置における移動方向に基づき、自律移動のための移動経路を計画する経路計画手段と、
    移動経路に応じた無人移動体の移動速度を計画する速度計画手段と、
    計画した移動経路と移動速度に従って、駆動機構によって無人移動体を移動させる自律移動手段とを無人移動体に設けたことを特徴とする無人移動体システム。
  2. 無人移動体には、表示部に表示されている操作用アイコンの画面座標点と移動方向を、世界座標系の座標点と移動方向に変換する座標変換手段が設けられており、
    経路計画手段は、世界座標系の座標点と移動方向に基づき、自律移動のための移動経路を計画することを特徴とする請求項1に記載の無人移動体システム。
  3. 測距部により取得した測距データに基づいて、移動領域内における移動可能エリアを抽出するエリア抽出手段が設けられており、
    経路計画手段は、世界座標系の座標点と移動方向に基づき、抽出した移動可能エリア内における自律移動のための移動経路を計画することを特徴とする請求項2に記載の無人移動体システム。
  4. 測距部により取得した測距データに基づき、移動可能エリア内の自律移動の妨げとなる障害物を検出する障害物検出手段を設けており、
    経路計画手段は、検出された障害物に対応する障害物データに基づいて、その障害物を回避する移動経路を計画することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無人移動体システム。
  5. 無人移動体と遠隔操作装置との間における通信遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
    算出した遅延時間に基づいて、操作用アイコンの表示位置を補正する表示位置補正手段とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無人移動体システム。
  6. 算出した通信遅延時間と無人移動体の移動速度に基づいて、旋回位置における移動方向への移動の可否を判定する移動可否判定手段と、
    移動可否判定手段により、当該移動方向への移動ができないと判定したときには、操作用アイコンの操作を無効化する操作無効化手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の無人移動体システム。
  7. 表示部に表示されている画像に、経路計画手段によって計画した移動経路を重畳表示する重畳表示手段を設けていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の無人移動体システム。
  8. 移動領域内の測距データを取得するための測距部を、移動方向に指向駆動する指向駆動部が設けられており、
    旋回位置に所定の距離だけ接近したか否かを判定する接近距離判定手段と、
    旋回位置に所定の距離だけ接近したと判定したときには、指向駆動部を介して測距部を上記の移動方向に指向駆動する測距部指向手段とを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の無人移動体システム。
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