JP6601001B2 - 走行装置、案内用ロボット及び走行装置の制御方法 - Google Patents
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Description
前述のように、ロボットが進路を選択して案内を行う誘導型ナビゲーションでは、例えばマップには記載されていない障害物や人込み等にロボットが遭遇した場合には、実際の環境状況に合わせてルートを再設定する必要があるがマップに現れない情報をもとにルートを再設定することは困難である。
ここでは、本発明の一実施形態における走行装置を案内用ロボットに適用した場合について説明する。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施形態が実施できることは明らかである。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
案内用ロボット1は、図1〜図4に示すように、任意の方向に走行する自走体2を有する。この自走体2は、底面から見て前端部が尖った流線形状に形成され、且つ例えば案内用ロボット1に案内される被案内者(利用者)の膝程度の高さを有する基台3を備えている。この基台3は、その後端面側の幅が被案内者の肩幅以上になるよう形成されている。
基台3の底面には、前端側にキャスター5が旋回自在に配置され、後方端側の左右位置に駆動輪(車輪)6L及び6Rが回転自在に支持されている。これら駆動輪6L及び6Rのそれぞれは、車軸7L及び7Rの内側にプーリ8L及び8Rが固定されている。
また、左側の駆動輪6L(又は右側の駆動輪6R)を停止させた状態で、右側の駆動輪6R(又は左側の駆動輪6L)を正回転駆動すると信地左(又は右)旋回状態となる。
このように、左右の駆動輪6L及び6Rの回転速度を制御することにより、基台3を任意の方向に走行させることができる。
基台3には、その上面における前端側から後方側に傾斜延長する支持腕15が固定されている。この支持腕15の上端部には、基台3と平行に後方に基台3の凹部4の近傍位置まで延長する水平腕16が形成されている。
なお、六軸力センサ19の第三の軸を、自走体2の上下方向に延びるZ軸とすることも可能である。
基台3の先端側の側面には、例えば300度の角度範囲に渡って帯状の開口部21が形成されている。そして、この開口部21の先端部に対応する内側には、障害物検出センサとしてのスキャナ式レンジセンサ22が設けられている。このスキャナ式レンジセンサ22は、水平方向に後方側の90度の角度範囲を除く270度の角度範囲でレーザ光を使用して、下方(床上)にある障害物(以下、下方障害物という)までの距離を計測するものである。
また、支持腕15の上端側における裏面側には、障害物センサとしてのスキャナ式レンジセンサ24が設けられている。このスキャナ式レンジセンサ24は、例えば上方側の120度の角度範囲を除く240度の角度範囲で斜め下側の障害物までの距離を計測するものである。
この走行制御装置30は、図5に示すように、自走体2に内蔵するバッテリによって駆動される、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置31を備えている。演算処理装置31は、センサ信号入力I/F61と、速度指令値出力I/F62と、回転角度位置入力I/F63と、音声出力I/F64と、を備える。また、この演算処理装置31は、走行制御部51と、音声案内部52とを備える。
そして、センサ信号入力I/F61は、六軸力センサ19から出力されるX、Y、Z′軸の3軸方向に付与される力Fx、Fy及びFz′と、X、Y、Z′軸の3軸周りのモーメントMx、My及びMz′と、を読み込む。
速度指令値出力I/F62は、走行制御部51で生成した速度指令値を、モータドライバ65L及び65Rに出力する。ここで、モータドライバ65L及び65Rは、自走体2に内蔵するバッテリから電力が供給され、電動モータ9L及び9Rを駆動するためのものである。
音声出力I/F64は、走行制御部51及び音声案内部52で生成した音声案内情報をスピーカ67へ出力する。ここで、音声案内情報とは、被案内者が進むべき方向(目標進行方向)や、交差点等の被案内者の現在位置の場所情報、被案内者の現在位置又はこれから進行する領域の路面状況等の環境情報、障害物の接近を知らせる情報、さらに、走行制御モードが切り替わったことを通知する情報等を含む。
以下、図6に基づき、走行制御部51について具体的に説明する。
走行制御部51は、図6に示すように、誘導型モード用走行方向算出部51aと、障害物検出部51bと、走行方向補正部51cと、モータ駆動制御部51dとを備え、さらに、操作型モード用走行方向算出部51eを備える。
従って算出する。
V0=∫(Fy/M)dt …………(1)
さらに、誘導型モード用走行方向算出部51aは、自己位置情報と走行経路情報とに基づき、進行方向(旋回角度θ)を決定し、この旋回角度θと、実験等によって求めた旋回角度と旋回半径との関係とに基づき、旋回半径rを算出する。すなわち、実験によって、安全性や快適性等を考慮して決定した旋回角度と旋回半径との関係(例えば、マップデータ)から、旋回半径rを算出(決定)する。
ω0=r/V0 …………(2)
そして、誘導型モード用走行方向算出部51aは、算出した前後進速度V0及び旋回速度ω0をRAM等に記憶すると共に、これらを障害物検出部51b及び走行方向補正部51cに出力する。
一方、操作型モード用走行方向算出部51eは、操作入力部17の六軸力センサ19から出力される自走体2のX、Y、Z′軸方向の力Fx、Fy及びFz′と、X、Y、Z′軸回りのモーメントMx、My及びMz′を、操作入力情報として読込む。加えて、音声案内部52の自己位置補正部52cが出力する案内用ロボット1の現在位置の情報である自己位置情報及びモード切り替え検出部52gが出力するモード切り替え情報を入力する。
そして、操作型モード用走行方向算出部51eは、算出した前後進速度V0及び旋回速度ω0をRAM等に記憶すると共に、これらを障害物検出部51b及び走行方向補正部51cに出力する。なお、操作型モード用走行方向算出部51eでも同様に、前後進速度V0及び旋回速度ω0には、安全性を確保するためにそれぞれ上限速度Vmax及びωmaxが設定されており、算出後の前後進速度V0及び旋回速度ω0が上限速度Vmax及びωmaxを超えないように制限される。例えば、算出後の前後進速度V0及び旋回速度ω0が上限速度Vmax及びωmaxを超える場合、これら算出値を上限速度Vmax及びωmaxに変更する。
また、障害物検出部51bは、自走体2が障害物に接触する可能性があると判定すると、当該障害物への接触回避を目的として、被案内者に障害物が接近していることを知らせるための音声案内情報を生成し、その音声案内情報をもとにスピーカ67から音声を出力する。
また、走行方向補正部51cは、障害物に接触する可能性はないと判定すると、モード切り替え検出部52gが出力するモード切り替え情報によりモード切り替え指示が行われていないときには、誘導型モード用走行方向算出部51aから入力された場所情報及び環境情報に基づき、誘導型モード用走行方向算出部51aで演算した前後進速度及び旋回速度に基づく前後進速度V0及び旋回速度ω0を補正し、補正後の前後進速度V及び旋回速度ωをモータ駆動制御部51dに出力する。
モータ駆動制御部51dは、前後進速度V及び旋回速度ωに基づいて、次式(4)及び(5)に従って、駆動輪6L及び6Rの車輪周速度VL〔m/s〕及びVR〔m/s〕を算出する。
VL=V+Lw・ω/2 …………(4)
VR=V−Lw・ω/2 …………(5)
なお、ここでは、走行制御部51の障害物回避制御として、障害物との接触を回避する方向に自走体2の走行方向を修正する制御を行う場合について説明したが、障害物を検出したとき、自走体2の走行を停止することで障害物との接触を回避するようにしてもよくまた、障害物に接近していることを音声等により被案内者に知らせるのみでもよい。
次に、図7に基づき、音声案内部52について具体的に説明する。
音声案内部52は、図7に示すように、目的地決定部52aと、自己位置推定部52bと、自己位置補正部52cと、ルート生成部52dと、マップ格納部52eと、音声出力部52fとを備える。この音声案内部52は、主に、被案内者を目的地へ案内する際に被案内者の歩行経路上の場所情報、環境情報等の情報、また、走行制御モードの切り替わりを音声によってアナウンスする制御を実行するものである。
なお、選択ボタン20aの近傍に決定ボタンを追加し、その決定ボタンが押されたときに被案内者による目的地選択動作が行われたと判断し、その時点で音声出力された目的地候補を案内すべき目的地として選択するようにしてもよい。ただし、目の不自由な被案内者を主な被案内者とする場合には、被案内者が操作するボタンは少ない方が望ましい。
自己位置補正部52cは、自己位置推定部52bで推定した自己位置情報と、スキャナ式レンジセンサ22及び23が出力する障害物位置情報とを読込み、公知のパーティクルフィルタを用いて、自己位置推定部52bで推定した自己位置を補正する。
自走体2の走行距離が長くなると、自己位置推定部52bで算出する積算値は誤差を含むようになるが、自己位置補正部52cにより自己位置を補正することで、上記誤差を解消することができる。
ルート生成部52dは、目的地決定部52aが出力する目的地情報と、自己位置補正部52cが出力する自己位置情報とを入力し、マップ格納部52eに格納したフロア形状図を用いて案内用ロボット1の走行経路を生成する。
ルート生成部52dは、生成した走行経路情報を、走行制御部51の誘導型モード用走行方向算出部51a及び操作型モード用走行方向算出部51eに出力する。
この走行経路情報には、各ブロックの場所情報、環境情報が含まれる。例えば、図8(b)に示すように、ブロックB16には環境情報として「滑りやすい」が含まれる。また、ブロックB11には場所情報として「エレベータホール」が含まれエリア情報として「モード切り替えエリア」が含まれる。
モード切り替え検出部52gは、自己位置補正部52cから入力される自走体2の現在位置に基づき、現在位置のブロック番号を判断し、現在のブロック番号と走行経路情報に含まれるエリア情報とに基づき、自走体2がモード切り替えエリアに存在しているとき、モード切り替えを指示するモード切り替え情報を、誘導型モード用走行方向算出部51a、走行方向補正部51c、及び操作型モード用走行方向算出部51eに出力する。
次に、図9から図11に基づき、演算処理装置31で実行される歩行支援処理の処理手順について説明する。
選択ボタン20aが押下され、演算処理装置31において、歩行支援処理が実行されると、図9に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、目的地決定部52aにおいて、目的地が確定したか否かを判定する。そして、確定したと判定した場合(Yes)は、目的地を示すブロック番号をルート生成部52dに出力してステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、目的地が入力されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS102に移行した場合は、ルート生成部52dにおいて、目的地決定部52aからの目的地情報と、自己位置補正部52cからの自己位置情報と、マップ格納部52eに格納されたフロア形状図とに基づき、走行経路を生成する。加えて、生成した走行経路情報と、この走行経路情報に対応する場所情報及び環境情報とに基づき、音声案内情報を生成する。そして、生成した走行経路情報を誘導型モード用走行方向算出部51a及び操作型モード用走行方向算出部51eに出力し、生成した音声案内情報を音声出力部52fに出力して、ステップS104に移行する。
図10に示すように、場所情報としては、フロアの方角や壁の方角、部屋との相対位置、交差点、通路などの情報が設定されている。また、場所情報としてエレベータホールが設定されている場合には、エリア情報としてモード切り替えエリアであることが設定されている。また、環境情報としては、階段等の段差、人通りの多さ、立て看板の設置、滑りやすいなどの情報が設定されている。
ステップS104では、誘導型モード用走行方向算出部51aにおいて、自己位置情報と走行経路情報とに基づき、案内用ロボット1が目的地に到達したか否かを判定する。そして、到達したと判定した場合(Yes)は、歩行支援処理を終了する。一方、到達していないと判定した場合(No)は、ステップS105aに移行する。
ステップS106に移行した場合は、誘導型モード用走行方向算出部51aにおいて、自己位置情報と、走行経路情報とに基づき、案内用ロボット1の進行方向(旋回角度θ)を決定して、ステップS108に移行する。なお、直進の場合は、旋回角度θが0度となる。
ステップS110では、誘導型モード用走行方向算出部51aにおいて、ステップS106で決定した旋回角度θと、ステップS108で算出した前後進速度V0と、予め設定した旋回半径rとに基づき、上式(2)に従って、案内用ロボット1の旋回速度ω0を算出する。その後、ステップS112に移行する。
ステップS114では、モータ駆動制御部51dにおいて、前後進速度V及び旋回速度ωに基づき、電動モータ9L及び9Rの速度指令値を算出する。そして、この速度指令値を、速度指令値出力I/Fを介してモータドライバ65L及び65Rに出力して、ステップS116に移行する。
一方、ステップS105aで案内用ロボット1がモード切り替えエリアに存在すると判定してステップS105bに移行した場合は、図11に示すように、まず、走行制御モードを操作型モードに切り替え、音声出力部52fにより走行制御モードが操作型モードに切り替わったことを通知する(ステップS152)。
ステップS158では、走行方向補正部51cにおいて、走行経路情報に含まれる場所情報及び環境情報に基づき、ステップS156で算出した前後進速度V0及び旋回速度ω0を補正する。その後、補正処理を経た前後進速度V及び旋回速度ωを、モータ駆動制御部51dに出力して、ステップS162に移行する。
ステップS162では、モータドライバ65L及び65Rにおいて、速度指令値に基づき、電動モータ9L及び9Rを駆動制御する。これにより、案内用ロボット1が、走行経路に沿って直進走行又は旋回走行を行う。
そして、図9に戻ってステップS105cに移行し、目的地に到達していなければステップS105aに移行し、目的地に到達していれば、歩行支援処理を終了する。
次に、図12及び図13に基づき、ルート生成部52dで実行される走行経路情報生成処理の処理手順について説明する。本実施形態では、ダイクストラ法を用いて走行経路を生成する。
図9のステップS102において、走行経路情報生成処理が開始されると、図12に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS204では、ルート生成部52dにおいて、配列Ak(A1)に目的地のブロック番号を代入して、ステップS206に移行する。
ステップS206では、ルート生成部52dにおいて、配列Akに含まれるブロック番号と隣り合うブロック番号を、配列Ak+1に代入して、ステップS208に移行する。
ステップS210に移行した場合は、ルート生成部52dにおいて、配列A1〜Ak+1に含まれるブロック番号に基づき、案内用ロボット1の走行経路を決定して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
例えば、図8(a)のフロア形状図において、現在位置がブロックB4で、目的地がブロックB17であるとすると、図13に示すように、まず、配列A1に「B17」が代入される。次に、配列A2に、ブロックB17と隣り合うブロックB16のブロック番号「B16」が代入され、続いて、配列A3に、ブロックB16と隣り合うブロックB11のブロック番号「B11」が代入される。
同様に、配列A6に「B2」、「B8」及び「B14」が代入され、配列A7に「B3」、「B9」及び「B15」が代入され、配列A8に「B4」及び「B10」が代入される。
すなわち、本実施形態の案内用ロボット1は、被案内者は前後進速度V0を指示するための操作を行うのみで、目的地までの進行方向(旋回角度θ)及び旋回速度ω0の決定は、案内用ロボット1が自律的に行うものである。
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
自律歩行が困難な歩行者が自走体2の後方に立ち、図示しない始動スイッチをオン状態とすると、自走体2に内蔵するバッテリの電力が走行制御装置30及びモータドライバ65L及び65Rに供給され、自走体2が走行可能状態となる。このとき、歩行者(被案内者)が操作入力部17のグリップ18を把持していない場合には、自走体2は停止状態を維持する。
ここでは、ブロックB11の場所情報及びエリア情報と、ブロックB16の環境情報と、ブロックB17の場所情報とが音声案内をすべき情報として設定されていることとする。
これにより、図14(b)中の(1)に示すように、案内用ロボット1は、走行制御部51が決定した進行方向(B4→B9)に向かって直進走行する。その後、案内用ロボット1がブロックB9へと移動すると、走行制御部51は、ブロックB9からブロックB8へと移動すべく、新たな進行方向を決定する。すなわち、図14(b)中の(2)に示すように、右旋回方向に90度旋回する旋回角度θを決定する。引き続き、走行制御部51は、歩行者によるグリップ18の操作入力情報に基づいて前後進速度V0を算出し、この前後進速度V0と旋回半径rとから旋回速度ω0を算出する。そして、算出した前後進速度V0と旋回速度ω0とから前後進速度Vと旋回速度ωが決定され、これらに基づいて電動モータ9L及び9Rを駆動するための速度指令値をモータドライバ65L及び65Rに出力する。
以降は、ブロックB6に移動するまで、直進走行が継続して行われる。
そして、案内用ロボット1がブロックB6に到達すると、走行制御部51は、ブロックB6からブロックB11へと移動すべく、新たな進行方向を決定する。すなわち、図14(b)中の(4)に示すように、進行方向として、左旋回方向に90度旋回する旋回角度θを決定する。引き続き、走行制御部51は、歩行者によるグリップ18の操作入力情報に基づいて前後進速度V0を算出し、この前後進速度V0と旋回半径rとから旋回速度ω0を算出する。そして、算出した前後進速度V0と旋回速度ω0とから前後進速度Vと旋回速度ωとが決定され、これらに基づいて電動モータ9L及び9Rを駆動するための速度指令値をモータドライバ65L及び65Rに出力する。
そして、案内用ロボット1がブロックB11へと到達すると、ブロックB11は、音声案内すべき場所情報及びエリア情報を有しているため、音声案内部52によって、現在、歩行中のブロックB11の場所情報(エレベータホール)を音声で案内する。また、ブロック11はモード切り替えエリアであるため、走行制御モードが操作型モードに切り替わったことを音声で案内する。また、走行制御部51での走行制御モードを操作型モードに切り替え、エレベータホールから目的地へ移動するための走行経路情報を音声で案内する。このモード切り替えエリアで案内する走行経路情報は、モード切り替えエリアからエリア外に移動するまでの範囲程度について案内を行えばよい。例えば、他の階に移動するためにエレベータに乗る場合には、「上りエレベータに乗って3階まで移動してください。」等の音声案内を行い、エレベータに乗らない場合には「エレベータに乗らずに直進してください。」等の音声案内を行う。
ここで、エレベータホールは、混雑している場合、エレベータに乗る人達がエレベータの前に列をなすことから、案内用ロボット1が誘導型モードで走行制御されている場合、案内用ロボット1は各種センサ情報に基づき人のいない場所を探しながら移動することになり動作が遅くなる。
そして、案内用ロボット1が、ブロックB16からブロックB17へと移動すると、案内用ロボット1が停止すると共に、音声案内部52によって、目的地に到達したことを知らせる音声案内が行われる。
また、走行制御部51は、操作入力情報に基づいて算出した前後進速度V0及び旋回速度ω0を、障害物を回避する方向に補正し、それを最終的な前後進速度V及び旋回速度ωとして算出する。そして、算出した前後進速度V及び旋回速度ωに基づいて電動モータ9L及び9Rを駆動するための速度指令値を算出し、これをモータドライバ65L及び65Rに出力する。これにより、自走体2は、現在の走行方向を、障害物を回避する方向に変更して走行する。
このように、本実施形態では、自走体2が走行するエリアの地図情報であるフロア形状図を予め記憶しておき、フロア内の自己位置の特定と目的地までの進行方向及び旋回速度の決定とを案内用ロボット1が自律的に行うことが可能である。
また、案内の際に、被案内者(歩行者)は、モード切り替えエリア外に存在する場合には、前後進速度V0を算出するための操作入力(力の入力)のみを行えばよく、目的地までの自走体2の走行における被案内者への依存度を低減することが可能となる。
そして、エレベータホールやエレベータ内等の、地図上に現れない混雑や障害物等が存在する場所として予め設定したモード切り替えエリアに被案内者つまり案内用ロボット1が存在する場合には、走行制御部51による走行制御モードを操作型モードに切り替え、被案内者のグリップ18への操作入力に応じた進行方向にしたがって自走体2を走行制御している。そのため、例えば、エレベータ待ちの人達で混雑している状態であっても、各種センサの情報に基づき周囲を確認しつつ走行する誘導型モードに比較してより速やかに走行することができる。また、空いているエレベータや、到着したエレベータを選んで乗ることができ、他の階への移動を速やかに行うことができる。すなわち、状況に応じて被案内者が進行方向を決定して案内用ロボット1を走行させることができるため、より被案内者の意図に沿った的確な走行制御を行うことができ、案内用ロボット1の有するセンサ情報等に基づき走行制御を行う場合に比較して速やかな走行を実現することができる。
さらに、自走体2の周囲に障害物を検出した場合には、自走体2が障害物に接近していることを音声で案内するので、歩行者は障害物に接近していることを適切に認識することが可能となる。
このとき、1つの目的地候補を音声案内した後、被案内者が選択ボタン20aを押す毎に次の目的地候補を音声案内するようにする。そして、1つの目的地候補を音声案内した後、所定時間、選択ボタン20aが押されないとき、被案内者による目的地選択動作が行われたと判断して、そのとき音声案内した目的地候補を目的地に設定する。そのため、ボタン1つで次の目的地候補の案内開始の指示と目的地の確定とを行うことができる。すなわち、極力、被案内者が操作するボタンを少なくすることができ、目の不自由な歩行者が被案内者の場合に望ましい構造とすることが可能となる。
ここで、駆動輪6L、6Rが走行部に対応し、案内用ロボット1が走行装置に対応し、図6の誘導型モード用走行方向算出部51a、走行方向補正部51c、及びモータ駆動制御部51dが第一走行制御部に対応し、操作型モード用走行方向算出部51e、走行方向補正部51c、及びモータ駆動制御部51dが第二走行制御部に対応し、図7の音声出力部52fが通知部に対応している。また、六軸力センサ19が入力値検出部に対応し、走行方向算出部51aが進行速度決定部、目標進行方向決定部及び旋回速度決定部に対応し、マップ格納部52eが地図情報格納部に対応し、ルート生成部52dが経路生成部に対応している。
(1)上記実施形態においては、案内用ロボット1がモード切り替えエリアに存在するときに、走行制御モードを操作型モードに切り替える場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、グリップ18の近傍に、操作型モードへの切り替えを指示する選択スイッチを設け、図15に示すように、この選択スイッチ70の操作情報に基づき、モード切り替え検出部52gにおいて、選択スイッチ70が操作されたことを検出したときにも、操作型モードへの切り替え指示が行われたと判断するようにしてもよい。つまり、通常は誘導型モードでの走行制御を行い、混雑した場所等、誘導型モードでの走行制御が困難な場所で、選択スイッチ70を介して被案内者が操作型モードを選択することによって、走行制御モードを操作型モードに切り替え、被案内者のグリップ18による操作入力情報に基づき走行制御を行うことで、被案内者が入力する目標進行方向にしたがって走行させるようにすることも可能である。
また、モード切り替えエリアに天井マーカを設けておき、案内用ロボット1において、天井マーカを検出したときに操作型モードでの走行制御を行うように構成してもよく、この場合も選択スイッチ70と併用して操作型モードでの走行制御を行うようにすることも可能である。
(3)上記実施形態においては、音声により走行経路情報や、走行制御モードの切り替わりを被案内者に通知するようにした場合について説明したが、たとえば、目の不自由な被案内者向けの案内用ロボットではない場合には、走行経路情報や走行制御モードを表示するための表示装置等を設け、この表示装置に表示するようにしてもよく、音声案内と共に表示も行うようにしてもよい。
(5)上記実施形態においては、自走体2として、前側にキャスター5を設置し、後輪側に駆動輪6L及び6Rを設ける場合について説明したが、前側の左右位置に駆動輪を配置し、後輪側にキャスターを配置するようにしてもよい。
(7)上記実施形態においては、ダイクストラ法を用いて走行経路を探索する構成としたが、この構成に限らない。例えば、ポテンシャル法、深さ優先探索、幅優先探索などの他のアルゴリズムを用いて経路を探索してもよい。
2 自走体
3 基台
4 凹部
5 キャスター
6L、6R 駆動輪
9L、9R 電動モータ
17 操作入力部
18 グリップ
19 六軸力センサ
20b 操作検出部
22〜24 スキャナ式レンジセンサ
25 距離画像センサ
30 走行制御装置
51 走行制御部
51a 誘導型モード用走行方向算出部
51b 障害物検出部
51d モータ駆動制御部
51e 操作型モード用走行方向算出部
52a 目的地決定部
52b 自己位置推定部
52g モード切り替え検出部
52f 音声出力部
61 センサ信号入力I/F
62 速度指令値出力I/F
63 回転速度位置入力I/F
64 音声出力I/F
65L、65R モータドライバ
67 スピーカ
Claims (6)
- 走行部により任意の方向に走行可能な自走体と、
前記自走体に設けられ、利用者が把持して当該自走体の走行条件を入力する操作入力部と、
前記自走体を、予め設定され記憶領域に格納された走行経路に基づく目標進行方向にしたがって走行させる第一走行制御部と、
前記自走体が予め設定されたモード切り替えエリアに存在する間、前記自走体を、前記走行条件に基づく進行方向に走行させる第二走行制御部と、
前記第二走行制御部による走行制御が行われることを利用者に通知する通知部と、
前記第二走行制御部による走行制御を指示する選択スイッチと、
を備え、
前記自走体が前記モード切り替えエリア内からエリア外に移動したとき前記第一走行制御部での走行制御に切り替え、
前記選択スイッチが操作されたときには、前記モード切り替えエリア外であっても、前記第二走行制御部による走行制御に切り替えることを特徴とする走行装置。 - 前記利用者が前記操作入力部を操作して入力した入力値を検出する入力値検出部と、
前記入力値検出部で検出した入力値に基づき前記自走体の前後進方向の進行速度を決定する進行速度決定部と、
前記自走体が走行するエリアの地図情報が格納された地図情報格納部と、
前記自走体の現在位置を推定する自己位置推定部と、
前記地図情報に基づき、前記自己位置推定部で推定した現在位置から予め設定した目的地までの前記走行経路を生成する経路生成部と、
前記自己位置推定部で推定した現在位置と前記経路生成部で生成した走行経路とに基づき、前記目標進行方向を決定する目標進行方向決定部と、
前記目標進行方向決定部で決定した目標進行方向と、予め設定した旋回半径と、前記進行速度決定部で決定した進行速度とに基づき、前記自走体の旋回速度を決定する旋回速度決定部と、を備え、
前記第一走行制御部は、前記進行速度決定部で決定した進行速度と、前記旋回速度決定部で決定した旋回速度とに基づき、前記自走体の走行を制御することを特徴とする請求項1記載の走行装置。 - 前記通知部は、音声により通知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行装置。
- 前記モード切り替えエリアは、エレベータホール及びエレベータ内の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の走行装置。
- 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の走行装置を備えたことを特徴とする案内用ロボット。
- 走行部により任意の方向に走行可能な自走体と、
前記自走体に設けられ、利用者が把持して当該自走体の走行条件を入力する操作入力部と、を有する走行装置の制御方法であって、
通常は前記自走体を、予め設定され記憶領域に格納された走行経路に基づく目標進行方向にしたがって走行させ、
前記自走体が予め設定されたモード切り替えエリアに存在する間、前記自走体を、前記走行条件に基づく進行方向に走行させると共に、前記走行条件に基づく走行が行われていることを利用者に通知し、
選択スイッチが操作されたときには、前記モード切り替えエリア外であっても、前記自走体を前記走行条件に基づく進行方向に走行させることを特徴とする走行装置の制御方法。
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