JP6565949B2 - 建設機械 - Google Patents

建設機械

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Description

本発明は、左右一対のサイドフレームを有する建設機械に関する。
従来、クローラクレーンのような移動式建設機械として、上部旋回体と、下部走行体と、を備えたものが知られている。下部走行体は、トラックフレームと、当該トラックフレームに連結された左右一対のサイドフレームと、を備える。上部旋回体は、作業装置を含み、下部走行体のトラックフレームに旋回可能に支持されている。
特許文献1には、建設機械の機体の安定性を高めるために、一対のサイドフレーム間にロワーウエイトが配置された技術が開示されている。当該技術では、トラックフレームが、ジャッキアップシリンダと、当該ジャッキアップシリンダを支持するジャッキビームと、を備えている。そして、ロワーウエイトは、ジャッキビームによって支持されている。
また、ロワーウエイトは、下部ウエイトと一対の上部ウエイトとを備えている。一対の上部ウエイトは、下部ウエイトの上面部に左右方向に間隔をおいて固定されている。上部ウエイトの左右方向の両端部は、それぞれ一対のサイドフレームに近接して配置される。作業者は、地上から下部ウエイトの上面部に移動した後、下部ウエイトの上面部から上部ウエイトの上面部に移動することができる。そして、ロワーウエイトの上面部を通じて一対のサイドフレーム間に移動用通路が形成される。
特開2006−219241号公報
特許文献1に記載された技術では、一対の上部ウエイトと下部ウエイトとの間にはそれぞれ段差があるため、作業者が一対のサイドフレーム間を移動する際に、当該段差に注意して移動する必要があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、トラックフレームに装着される走行体ウエイトを通じて作業者が一対のサイドフレーム間を容易に移動することが可能な建設機械を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る建設機械は、地上を移動可能な下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に支持される上部旋回体と、を備える建設機械であって、前記下部走行体は、前面部および後面部を備え、前記上部旋回体を支持するトラックフレームと、周回移動可能な履体をそれぞれ支持する一対のサイドフレームであって、前記トラックフレームよりも前後方向に延びるように前記トラックフレームの左右方向の両端部にそれぞれ連結される、左右一対のサイドフレームと、前記左右一対のサイドフレームの間において、前記トラックフレームの前側および後側にそれぞれ配置される、前後一対の走行体ウエイトと、上方を向く足場上面部を備え、前記前後一対の走行体ウエイトにそれぞれ装着される、少なくとも前後一対の足場部材と、を備え、前記前後一対の走行体ウエイトは、それぞれ、上方を向くウエイト上面部と、前記一対のサイドフレームにそれぞれ対向して配置される左右一対のウエイト側面と、を備え、前記足場部材が前記ウエイト側面よりも前記サイドフレーム側に突出するとともに前記足場上面部および前記ウエイト上面部が左右方向に沿って互いに連なるように、前記足場部材が前記走行体ウエイトに装着され、前記足場上面部および前記ウエイト上面部は、作業者による前記左右一対のサイドフレーム間の移動を許容する移動用通路を形成する。
本構成によれば、走行体ウエイトおよび足場部材によって一対のサイドフレーム間に移動用通路が形成される。そして、走行体ウエイトのウエイト上面部および足場部材の足場上面部が左右方向に沿って連なるように配置されているため、作業者の移動が安全かつ容易に実現される。
上記の構成において、前後一対の走行体ウエイトは、前記左右一対のサイドフレームの間において、前記トラックフレームの前記前面部および前記後面部にそれぞれ連結されることが望ましい。
本構成によれば、前後一対の走行体ウエイトを、トラックフレームによって安定して支持することができる。
上記の構成において、前記トラックフレームは、前記前面部および前記後面部にそれぞれ配置され、前記走行体ウエイトと連結されるフレーム側連結部を備え、前記前後一対の走行体ウエイトは、それぞれ、前記フレーム側連結部に連結されるウエイト側連結部を備え、前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面が前記サイドフレームに対して左右方向に間隔をおいて配置されており、前記少なくとも前後一対の足場部材は、それぞれ、下方を向く足場下面部を備え、前記足場部材の前記足場下面部および前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面は、作業者が前記走行体ウエイトの前方または後方から前記足場部材の下方を通って前記フレーム側連結部および前記ウエイト側連結部にアクセスすることを許容する連結用通路を前後方向に沿って画定していることが望ましい。
本構成によれば、作業者は、連結用通路を通じて、走行体ウエイトの前方または後方からフレーム側連結部およびウエイト側連結部にアクセスすることができる。このため、走行体ウエイトがトラックフレームの前面部または後面部に連結される構成において、両者の連結作業を容易に実現することができる。
上記の構成において、前記トラックフレームは、前記フレーム側連結部を左右方向の両側から挟む位置において、前記前側面および前記後側面からそれぞれ突出するように配置され、前記下部走行体を支持可能な前後二対のジャッキアップ装置を更に有し、前記走行体ウエイトは、前記前側面または前記後側面に配置された一対の前記ジャッキアップ装置によって左右方向の両側から挟まれる位置に配置されており、前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面が前記ジャッキアップ装置との間に左右方向に間隔をおいて配置されており、前記連結用通路が、前記足場部材の下方であって前記ウエイト側面と前記ジャッキアップ装置との間に前後方向に沿って形成されていることが望ましい。
本構成によれば、前後二対のジャッキアップ装置によって、下部走行体が支持されることが可能となる。また、ジャッキアップ装置と走行体ウエイトとの間に連結用通路が形成されているため、作業者は当該連結用通路を通じてフレーム側連結部およびウエイト側連結部に容易にアクセスすることができる。
上記の構成において、前記フレーム側連結部には、左右方向に沿って第1貫通孔が開口されており、前記ウエイト側連結部には、左右方向に沿って第2貫通孔が開口されており、前記下部走行体は、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に挿通され前記走行体ウエイトと前記トラックフレームとを互いに連結する連結ピンを更に備えることが望ましい。
本構成によれば、連結ピンによって、走行体ウエイトとトラックフレームとを容易に連結することができる。
上記の構成において、前記走行体ウエイトは、前記連結ピンを収納可能な収納部を備えることが望ましい。
本構成によれば、走行体ウエイトがトラックフレームに連結されていない状態において、連結ピンの紛失が防止される。
上記の構成において、前記収納部は、前記一対のウエイト側面および前後方向において前記トラックフレームとは反対側の前記走行体ウエイトの側面のうちの少なくとも何れか一の面に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、作業者は、収納部から連結ピンを取り出し、速やかにフレーム側連結部およびウエイト側連結部に至ることができる。
上記の構成において、前記走行体ウエイトは、上面部を備える下部ウエイトと、上面部を備え、前記下部ウエイトの前記上面部に対して着脱可能とされる上部ウエイトであって、前記上部ウエイトの左右方向の両端部が、前記下部ウエイトの左右方向の両端部と面一にまたは前記下部ウエイトの左右方向の両端部よりも左右方向の内側に配置される、上部ウエイトと、を有し、前記上部ウエイトの前記上面部および前記足場部材の前記足場上面部が、前記移動用通路を形成することが望ましい。
本構成によれば、走行体ウエイトが上下2つのウエイトに分離されることで、走行体ウエイトの輸送性が向上する。
上記の構成において、前記足場部材は、前記走行体ウエイトに対して着脱可能とされていることが望ましい。
本構成によれば、足場部材を走行体ウエイトから分離した状態で、走行体ウエイトおよび足場部材を輸送することが可能となる。
上記の構成において、前記下部走行体は、前記走行体ウエイトまたは前記足場部材に装着可能とされ、作業者による地上と前記ウエイト上面部または前記足場上面部との間の移動を可能とする梯子を更に有することが望ましい。
本構成によれば、作業者は、地上から走行体ウエイトまたは足場部材上に直接移動することが可能となる。換言すれば、作業者が地上から走行体ウエイトの一部に移動した後、走行体ウエイトの上面部に移動するような他のウエイト構造と比較して、地上から走行体ウエイトのウエイト上面部および一対のサイドフレームへのアクセス性が向上する。
上記の構成において、前記前後一対の走行体ウエイトは、前記前側面に装着される前側走行体ウエイトと、前記後側面に装着される後側走行体ウエイトと、を備え、前記少なくとも前後一対の足場部材は、少なくとも前記前側走行体ウエイトの左右方向の一端部に装着される、前側足場部材と、少なくとも左右方向において前記前側足場部材と同じ側の前記後側走行体ウエイトの端部に装着される、後側足場部材と、を備え、前記下部走行体は、前記トラックフレームおよび前記サイドフレームの少なくとも一方に支持され、作業者による前記前側足場部材と前記後側足場部材との間の移動を可能とするフレーム側足場部を更に有することが望ましい。
本構成によれば、作業者は、フレーム側足場部を通じて、トラックフレームの前後の移動用通路間を移動することができる。
本発明によれば、トラックフレームに装着される走行体ウエイトを通じて、作業者が一対のサイドフレーム間を容易に移動することが可能な建設機械が提供される。
本発明の一実施形態に係る建設機械の側面図である。 本発明の一実施形態に係る建設機械の下部走行体の平面図である。 本発明の一実施形態に係る建設機械の下部走行体の背面図である。 本発明の一実施形態に係る建設機械の下部走行体の側方断面図であって、図3のB−B位置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトおよび足場部材をトラックフレーム側から見た正面図である。 図5の走行体ウエイトを視点Yから見た拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトとトラックフレームとが互いに連結される連結部を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトおよび足場部材を示す側方断面図であって、図3のA−A位置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトおよび足場部材を示す断面図であって、図8のC−C位置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトの上部ウエイトと下部ウエイトとが互いに連結される連結部の拡大平面図である。 本発明の一実施形態に係る走行体ウエイトおよび足場部材を示す側方断面図であって、図8のD−D位置の断面図である。 本発明の変形実施形態に係る建設機械の下部走行体の斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン10(建設機械)の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係る建設機械の構造、組立方法や使用態様などを限定するものではない。
クレーン10は、クレーン本体に相当する上部旋回体11と、この上部旋回体11を旋回可能に支持するとともに、地上を移動可能な下部走行体12と、起伏部材として機能するブーム13と、ブーム起伏用部材であるラチスマスト14と、箱マスト15と、を備える。
ブーム13は、水平な軸心回りに起伏可能なように上部旋回体11に回動可能に支持される。ラチスマスト14は、ブーム13の後側の位置でブーム13の回動軸と平行な回動軸回りに上部旋回体11に回動可能に支持される。ラチスマスト14は、ブーム13の回動における支柱となる。箱マスト15は、基端及び回動端(先端)を有し、ラチスマスト14の後側で上部旋回体11に回動可能に連結される。箱マスト15の回動軸は、ブーム13の回動軸と平行でかつラチスマスト14の回動軸とほぼ同じ位置に配置されている。
更に、クレーン10は、下部スプレッダ18と、上部スプレッダ19と、ガイライン20と、ブーム起伏用ロープ21と、ブーム起伏用ウインチ22と、を備える。ガイライン20は、上部スプレッダ19およびブーム13の先端部に接続される。ブーム起伏用ロープ21は、ブーム起伏用ウインチ22から引き出され、ラチスマスト14の先端部の第1マストシーブ141、第2マストシーブ142に掛けられた後、下部スプレッダ18のシーブブロックと上部スプレッダ19のシーブブロックとの間で複数回掛け回される。ブーム起伏用ウインチ22は、ブーム起伏用ロープ21の巻き取りおよび繰り出しを行うことで下部スプレッダ18のシーブブロックと上部スプレッダ19のシーブブロックとの間の距離を変化させ、ブーム13をラチスマスト14に対して相対的に回動させながらブーム13を起伏させる。
更に、クレーン10は、ガイライン23と、マスト起伏用ロープ24と、マスト起伏用ウインチ25と、を備える。ガイライン23は、ラチスマスト14の先端部と箱マスト15の回動端部とを接続する。マスト起伏用ロープ24は、上部旋回体11に配置されたシーブブロック26と、箱マスト15の回動端部に配置されたシーブブロック27との間で複数回掛け回される。マスト起伏用ウインチ25は、マスト起伏用ロープ24の巻き取りおよび繰り出しを行い、シーブブロック26とシーブブロック27との間の距離を変化させる。この結果、上部旋回体11に対して箱マスト15およびラチスマスト14が一体的に回動しながら、ラチスマスト14が起伏する。
クレーン10には、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ30及び補巻用ウインチ31が搭載される。主巻用ウインチ30は、主巻ロープ32による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。ブーム13の先端部から垂下された主巻ロープ32には、吊り荷用の主フック34が連結されている。主巻用ウインチ30が主巻ロープ32の巻き取りや繰り出しを行うと、主フック34の巻上げ及び巻下げが行われる。同様にして、補巻用ウインチ31は、補巻ロープ33による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。
また、上部旋回体11の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト35が積載されており、上部旋回体11の後方には、パレットウエイト36が更に配置されている。
<下部走行体について>
次に、本実施形態に係るクレーン10の下部走行体12の構造について、更に詳述する。図2は、本実施形態に係るクレーン10の下部走行体12の平面図である。図3は、下部走行体12の背面図である。また、図4は、下部走行体12の側方断面図であって、図3のB−B位置の断面図である。なお、図4では、地面Gが図示されている。
下部走行体12は、トラックフレーム50(カーボディともいう)と、左クローラユニット51と、右クローラユニット52と、前側ウエイト53(走行体ウエイト)と、後側ウエイト54(走行体ウエイト)と、複数の連結部56と、前後二対の足場部材63と、一対の梯子57と、を備える。
トラックフレーム50は、下部走行体12の中央部に配置され、上部旋回体11を支持する機能を備えている。トラックフレーム50は、前面部501および後面部502を含む、略直方体形状を備えている。また、トラックフレーム50の上面部には、旋回体軸支部500が配置されている。旋回体軸支部500には、上部旋回体11が旋回可能に装着される。
左クローラユニット51および右クローラユニット52は、トラックフレーム50の左右に連結される。左クローラユニット51は、左サイドフレーム511(サイドフレーム)と、左駆動ローラ512と、左従動ローラ513と、左クローラシュー514(履体)と、左フレーム連結部515と、を備える。同様に、右クローラユニット52は、右サイドフレーム521(サイドフレーム)と、右駆動ローラ522と、右従動ローラ523と、右クローラシュー524(履体)と、右フレーム連結部525と、を備える。
左サイドフレーム511および右サイドフレーム521は、それぞれ、左クローラシュー514および右クローラシュー524を周回移動可能に支持する。左サイドフレーム511および右サイドフレーム521は、それぞれ、左フレーム連結部515および右フレーム連結部525を通じて、トラックフレーム50よりも前後方向に延びるようにトラックフレーム50の左右方向の両端部にそれぞれ連結される。左サイドフレーム511および右サイドフレーム521は、本発明の左右一対のサイドフレームを構成する。左駆動ローラ512および右駆動ローラ522は、それぞれ、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521の前端部に回転可能に支持され、不図示の駆動機構の駆動力を受けて左クローラシュー514および右クローラシュー524を周回駆動する。左従動ローラ513および右従動ローラ523は、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521の後端部に回転可能に支持されている。
前側ウエイト53および後側ウエイト54は、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521の間において、それぞれトラックフレーム50の前側および後側に配置される。詳しくは、前側ウエイト53および後側ウエイト54は、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521の間において、それぞれトラックフレーム50の前面部501および後面部502に連結される。これらのウエイトは、クレーン10のバランスを維持するために、トラックフレーム50に装着される。前側ウエイト53および後側ウエイト54は、本発明の前後一対の走行体ウエイトを構成する。前側ウエイト53および後側ウエイト54は、図2の複数の連結部56において、トラックフレーム50にそれぞれ連結される。連結部56は、それぞれ、上側連結部561および下側連結部562を備える(図5参照)。なお、他の実施形態において、前側ウエイト53および後側ウエイト54は、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521の間において、他の支持部材を介して、それぞれトラックフレーム50の前面部501および後面部502に連結されてもよい。
前後二対の足場部材63は、前側ウエイト53および後側ウエイト54にそれぞれ一対ずつ装着される。
トラックフレーム50は、更に、前面部501および後面部502にそれぞれ備えられた、前後二対のジャッキアップ装置55を備えている。
二対のジャッキアップ装置55は、下部走行体12を支持する機能を備えている。これらのジャッキアップ装置55は、図2に示すように、前面部501および後面部502の両端部から、それぞれ前後に突出するように配置されている。なお、トラックフレーム50の前側および後側の二対のジャッキアップ装置55は、それぞれ、後記の上側フレーム連結部503および下側フレーム連結部504を左右方向の両側から挟む位置に配置されている。ジャッキアップ装置55は、ジャッキアップシリンダ55Sと、ジャッキアップシリンダ55Sを支持するためのジャッキアップ支持部材55Tと、を備える(図3参照)。ジャッキアップシリンダ55Sは、油圧によって鉛直方向に沿って伸縮可能とされている。複数のジャッキアップ装置55の伸長動作によって、左クローラユニット51および右クローラユニット52が地上から浮き上がるような姿勢で、ジャッキアップ装置55が下部走行体12を支持することができる(図3)。なお、前述の前側ウエイト53及び後側ウエイト54は、それぞれ一対のジャッキアップ装置55によって左右方向の両側から挟まれる位置に配置されている。
<走行体ウエイトについて>
本実施形態では、前側ウエイト53および後側ウエイト54の構造、ならびに、これらのウエイトのトラックフレーム50に対する連結構造は同じであるため、以下では、後側ウエイト54の構造、および後側ウエイト54とトラックフレーム50との連結構造を例に説明する。図5は、本実施形態に係る後側ウエイト54(走行体ウエイト)および足場部材63をトラックフレーム50側から見た正面図である。図6は、図5の後側ウエイト54を視点Yから見た拡大平面図である。図7は、後側ウエイト54とトラックフレーム50とが互いに連結される連結部56を示す側面図である。図8は、後側ウエイト54および足場部材63を示す側方断面図であって、図3のA−A位置の断面図である。図9は、後側ウエイト54および足場部材63を示す断面図であって、図8のC−C位置の断面図である。図10は、後側ウエイト54の後記の上部ウエイト62と下部ウエイト61とが互いに連結される連結部の拡大平面図である。図11は、後側ウエイト54および足場部材63を示す側方断面図であって、図8のD−D位置の断面図である。
後側ウエイト54は、ウエイト本体60を備える(図2)。
ウエイト本体60は、略直方体形状からなる重量物である。ウエイト本体60は、上方を向くウエイト上面部60Tと、一対のウエイト側面(ウエイト右側面60L、ウエイト左側面60R)と、を備える(図3、図5)。ウエイト上面部60Tは、ウエイト本体60の上面部である。ウエイト右側面60Lおよびウエイト左側面60Rは、それぞれウエイト本体60の右および左側面であり、左右一対のサイドフレーム511、521に対向して配置される。
また、ウエイト本体60は、下部ウエイト61と、上部ウエイト62と、を含む。
下部ウエイト61は、略直方体形状からなる重量物であり、ウエイト本体60の下端側を構成する。下部ウエイト61は、上方を向く下部ウエイト上面部61T(図5)(上面部)と、一対の側面(下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61R:図5)と、対向面610(図5、図7)と、を備える。下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rは、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521にそれぞれ対向して配置される。対向面610は、下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rを左右方向において接続するとともに、トラックフレーム50の後面部502に対向して配置される(図7)。
上部ウエイト62(図3、図5)は、下部ウエイト61の下部ウエイト上面部61Tに着脱可能に装着され、ウエイト本体60の上端側を構成する板状の重量物である。上部ウエイト62は、上方を向く上部ウエイト上面部62T(上面部)(図5)を備える。なお、図2、図7に示すように、上部ウエイト62の後端側は、下部ウエイト61から後方に突出するように配置されている。また、上部ウエイト62の左右方向の両端部(側面)は、下部ウエイト61の左右方向の両端部(下部ウエイト左側面61L、下部ウエイト右側面61R)と上下方向に沿って面一に配置されている。なお、他の実施形態において、上部ウエイト62の左右方向の両端部(側面)は、下部ウエイト61の左右方向の両端部よりも左右方向の内側に配置されてもよい。一例として、本実施形態では、上部ウエイト62は、2.5トンの重量物である。このように、後側ウエイト54が上下2つのウエイトに分離可能とされることで、後側ウエイト54の輸送性が向上する。
<走行体ウエイトとトラックフレームとの連結について>
下部ウエイト61は、更に、左右一対の上側ウエイト連結部611(ウエイト側連結部)(図5)と、左右一対の下側ウエイト連結部613(ウエイト側連結部)(図5)と、左右一対の収納部615(図3)と、を備える。上側ウエイト連結部611および下側ウエイト連結部613は、本実施形態の連結部56(図2)を構成する。
一対の上側ウエイト連結部611(図5)は、それぞれ、対向面610の上端部からトラックフレーム50に向かって突出するように配置されている(図7)。一対の上側ウエイト連結部611は、左右方向に間隔をおいて配置されている。また、各上側ウエイト連結部611は、2枚の板状部と、当該2枚の板状部を接続するように配置された軸部612(図5、図7)と、を備える。上側ウエイト連結部611は、トラックフレーム50の上側フレーム連結部503に連結される。
一対の下側ウエイト連結部613(図5)は、それぞれ、対向面610の下端部からトラックフレーム50に向かって突出するように配置されている(図7)。一対の下側ウエイト連結部613は、左右方向に間隔をおいて配置されている。各下側ウエイト連結部613は、1枚の板状部からなる。また、下側ウエイト連結部613には、左右方向に沿って貫通孔613S(第2貫通孔)(図7)が開口されている。下側ウエイト連結部613は、トラックフレーム50の下側フレーム連結部504に連結される。
左右一対の収納部615(図3)は、下部ウエイト61の後面部の左右両端部にそれぞれ配置されている。収納部615は、筒形状を備えており、収納部615の上端部は開口され、収納部615の下端部は底部によって塞がれている。収納部615には、下部ウエイト61とトラックフレーム50とを連結する連結ピンP1(図5〜図7参照)が収納可能とされる。したがって、後側ウエイト54がトラックフレーム50に連結されていない状態において、連結ピンP1の紛失が防止される。
トラックフレーム50は、後面部502に備えられた、左右一対の上側フレーム連結部503(フレーム側連結部)(図7)と、左右一対の下側フレーム連結部504(フレーム側連結部)(図7)と、を備えている。なお、図5は、トラックフレーム50側から後側ウエイト54および一対の足場部材63を見た図であるが、トラックフレーム50に備えられた左右一対の上側フレーム連結部503および下側フレーム連結部504も現れている。
一対の上側フレーム連結部503は、トラックフレーム50の後面部502の上端部から下部ウエイト61に向かって突出された板状部である。一対の上側フレーム連結部503は、左右方向に間隔をおいて配置されている。上側フレーム連結部503は、1枚の板状部からなる。また、図7に示すように、上側フレーム連結部503は、溝部503Sを備える。前述の上側ウエイト連結部611の軸部612が、溝部503Sに嵌め込まれることで、上側ウエイト連結部611と上側フレーム連結部503とが互いに連結される。
同様に、一対の下側フレーム連結部504は、トラックフレーム50の後面部502の下端部から突出された板状部である。一対の下側フレーム連結部504は、左右方向に間隔をおいて配置されている。また、各下側フレーム連結部504は、2枚の板状部を備える。それぞれの板状部には、貫通孔504S(第1貫通孔)が開口されている(図7)。下側フレーム連結部504は、連結ピンP1によって下部ウエイト61の下側ウエイト連結部613に連結される(図6、図7)。また、トラックフレーム50の前面部501にも、後面部502側と同様の連結部56が備えられている(図2)。
<下部ウエイトと上部ウエイトとの連結について>
図8〜図10を参照して、下部ウエイト61は、複数の下部ウエイト接続板614を備える。また、上部ウエイト62は、複数の上部ウエイト接続板623を備える。
複数の下部ウエイト接続板614は、下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rの上端部から、それぞれ左右方向に沿って突出するように配置されている。下部ウエイト接続板614は、図9の背面視で略三角形状を備えている。なお、図9には現れていないが、図8の下部ウエイト右側面61R側に示すように、下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rのそれぞれにおいて、複数の下部ウエイト接続板614が前後方向に間隔をおいて配置されている。下部ウエイト接続板614は、下部ウエイト61と上部ウエイト62とを連結するために使用される。下部ウエイト接続板614には、前後方向に沿って貫通孔614S(図10)が開口されている。
複数の上部ウエイト接続板623は、上部ウエイト62の側面部(図10の上部ウエイト右側面62R参照)から下方に延びるように配置されている。詳しくは、上部ウエイト接続板623の基端部は、上部ウエイト62の側面から左右方向に沿って延びており、上部ウエイト接続板623の先端側は下方に向かって延びている。この結果、図9に示すように、背面視で下部ウエイト接続板614および上部ウエイト接続板623の先端部が互いに重なるように配置される。なお、図8に示すように、上部ウエイト62の右側および左側のそれぞれにおいて、複数の上部ウエイト接続板623が前後方向に間隔をおいて配置されている。また、図8、図10に示すように、各上部ウエイト接続板623は、下部ウエイト61の下部ウエイト接続板614を前後方向において挟む位置に2枚ずつ配置されている。上部ウエイト接続板623は、下部ウエイト61と上部ウエイト62とを連結するために使用される。上部ウエイト接続板623には、前後方向に沿って貫通孔623S(図10)が開口されている。
下部ウエイト61の下部ウエイト接続板614の貫通孔614Sおよび上部ウエイト62の上部ウエイト接続板623の貫通孔623Sに、連結ピンP2(図8〜図10)が順に挿入されることで、後側ウエイト54の左右両側において、下部ウエイト61と上部ウエイト62とが互いに連結される。なお、図5に示すように、左右の上部ウエイト接続板623が下部ウエイト61を挟むような位置に配置されていることで、上部ウエイト62を下部ウエイト61に対する装着位置に容易に配置することができる。このように、本実施形態では、下部ウエイト61と上部ウエイト62とを容易に連結および分離することが可能となる。
更に、図10に示すように、下部ウエイト接続板614および上部ウエイト接続板623を囲むように足場部材63の一部が部分的に切り欠かれた形状を備える接続用切欠き部63Tが、足場部材63には形成されている(図2)。このため、下部ウエイト61と上部ウエイト62との接続部と足場部材63との干渉が防止される。
<足場部材について>
後側ウエイト54に装着される一対の足場部材63は、ウエイト本体60のウエイト右側面60Lおよびウエイト左側面60Rの上端部にそれぞれ支持されている(図5)。詳しくは、一対の足場部材63は、ウエイト本体60の上部ウエイト62の左右方向の両端部の側面に支持されている。足場部材63は、主に金属製の板材から構成されている。図9を参照して、一対の足場部材63は、それぞれ、上方を向く足場上面部63Pと、下方を向く足場下面部63Qと、を備える。なお、足場下面部63Qは、足場部材63の裏面部に相当する。足場部材63の上下方向の高さは、ウエイト本体63の上下方向の高さよりも小さい。更に、詳しくは、足場部材63の上下方向の高さは、下部ウエイト61の上下方向の高さよりも小さく、上部ウエイト62の上下方向の高さと略同じである。
足場部材63には複数の孔部が、足場上面部63Pと足場下面部63Qとを連通するように開口されている(図2)。当該孔部によって、足場部材63の軽量化が可能となるとともに、作業者の靴に付着した泥などが足場部材63の孔部から落下するため、作業者が足場部材63上を移動する際の滑りが抑止される。なお、一例として、本実施形態では、1つの足場部材63の重量は100kgであり、前述の上部ウエイト62と比較すると足場部材63は軽量の金属部材からなる。
更に、足場部材63は、複数のリブ63L(図8、図9、図11)と、複数のアングル63G(図9、図11)と、を備える。複数のリブ63Lは、足場下面部63Qに前後方向に間隔をおいて配置されている。リブ63Lは、左右方向に沿って延びており、図9、図11に示すように、左右方向の外側に向かって先細形状を備えている。複数のアングル63Gは、足場下面部63Qに左右方向に間隔をおいて配置されている。複数のアングル63Gは、それぞれL字形状を備えており、隣接するリブ63L同士を接続するように、前後方向に沿って延びている。複数のリブ63Lおよび複数のアングル63Gによって、足場部材63の剛性、強度が高く維持される。
図11を参照して、足場部材63の最も上部ウエイト62側の部分に配置されたアングル63Gには、不図示のボルト穴が開口されている。そして、図8、図11に示すように、各リブ63Lを前後から挟むように複数対の締結用ボルトTWによって、足場部材63と上部ウエイト62とが連結される。
更に、図11を参照して、各リブ64Lの下端部のうち下部ウエイト61に対向する領域には、ボルト装着部63Mが配置されている。ボルト装着部63Mには不図示の雌穴部が形成されている。図11に示すように、下部ウエイト61側から位置決め用ボルトTVがボルト装着部63Mの雌穴部に装着されることで、位置決め用ボルトTVのネジ頭が、下部ウエイト61側に露出する。一方、下部ウエイト61は、前後方向に間隔をおいて配置された直方体形状からなる複数の受け部61Mを備えている(図8、図11)。位置決め用ボルトTVのネジ頭が、受け部61Mに当接することで、足場部材63が位置決めされる。
一対の梯子57(図2)は、左右の足場部材63にそれぞれ装着可能とされ、作業者が地上と足場部材63の足場上面部63Pとの間を移動することを可能とする。
後側ウエイト54が下部走行体12のトラックフレーム50に連結されるにあたって、まず、トラックフレーム50から離れた位置において、上部ウエイト62が下部ウエイト61に装着される。不図示の補助クレーンによって3つのフック62F(図7)を介して吊り上げられた上部ウエイト62は、下部ウエイト61の下部ウエイト上面部61Tに載置される。そして、下部ウエイト61の左右両側において、下部ウエイト61および上部ウエイト62が、前述のように複数の連結ピンP2によって互いに固定されることで、後側ウエイト54が組み立てられる。更に、前述のように、複数の締結用ボルトTWによって、一対の足場部材63が上部ウエイト62に固定される(図11)。この結果、一対の足場部材63は、ウエイト本体60のウエイト本体左側面60Lおよびウエイト本体右側面60Rよりも左右方向の外側に突出するように配置される。
その後、補助クレーンによって、3つのフック62F(図7)を介して後側ウエイト54が吊り上げられ、トラックフレーム50の後面部502に近づくように移動される。このように、本実施形態では、下部ウエイト61と上部ウエイト62とを連結した後、上部ウエイト62が吊り上げられることで、上部ウエイト62よりも重い下部ウエイト61を一体的に吊り上げることができる。
後側ウエイト54が吊り上げられた後、やがて、下部ウエイト61の軸部612(図7)が、トラックフレーム50の上側フレーム連結部503の溝部503Sに嵌め込まれる。その後、下側ウエイト連結部613の貫通孔613Sおよび下側フレーム連結部504の貫通孔504Sに連結ピンP1が、挿入、締結されることで、後側ウエイト54がトラックフレーム50に連結されるとともに、後側ウエイト54がトラックフレーム50によって支持される。このように、本実施形態では、左右一対の連結ピンP1によって、後側ウエイト54とトラックフレーム50とを容易に連結することができる。
後側ウエイト54がトラックフレーム50に連結されると、一対の足場部材63は、ウエイト本体60のウエイト本体左側面60Lおよびウエイト本体右側面60Rよりも、左サイドフレーム511側および右サイドフレーム521側に突出するように配置される。更に、足場部材63の足場上面部63Pおよびウエイト本体60のウエイト本体上面部60T(上部ウエイト上面部62T)は、左右方向に沿って互いに連なるように配置される。換言すれば、一対の足場部材63の左右方向の両端部は、左サイドフレーム511および右サイドフレーム521に対して所定の間隔をおいて近接して配置される。この結果、クレーン10の作業者が上部ウエイト62および一対の足場部材63を通じて一対のサイドフレーム間を移動することを許容する移動用通路TR(図2)が形成される。このため、作業者の移動が安全かつ容易に実現される。更に、本実施形態では、上部ウエイト62よりも軽い足場部材63がウエイト本体60に装着されることで、下部走行体12に移動用通路TRが形成される。このため、上部ウエイト62が下部ウエイト61よりも幅広とされ、上部ウエイト62が一対の足場部材63の代わりを担う他の構造と比較して、上部ウエイト62の大きさ、重量が小さく設定される。このため、後側ウエイト54を容易に組み立てることができる。
なお、前側ウエイト53についても、同様の効果が奏される。また、足場部材63の足場上面部63Pおよびウエイト本体60のウエイト本体上面部60T(上部ウエイト上面部62T)は、前後方向のすべての領域において、互いに連なるように配置される必要はない。足場上面部63Pの一部およびウエイト本体60Pの一部によって、作業者が通行可能な移動用通路TRが形成されるものでもよい。この場合、作業者の足の大きさよりも大きな段差が移動用通路TR内に存在しないことが更に望ましい。
また、図2および図3を参照して、本実施形態では、作業者が、後側ウエイト54の後方から足場部材63の下方を通って連結部56(図2)に容易にアクセスすることが可能なように、連結用通路AWが形成されている。連結用通路AWは、足場部材63の下方であって、ウエイト右側面60Lと左サイドフレーム511との間、およびウエイト左側面60Rと右サイドフレーム521との間に前後方向に沿ってそれぞれ形成されている。より詳しくは、連結用通路AWは、足場部材63の下方であって、ウエイト右側面60Lおよびウエイト左側面60Rと一対のジャッキアップ装置55との間に前後方向に沿ってそれぞれ形成されている。なお、足場部材63の足場下面部63Q、ウエイト右側面60Lおよびウエイト左側面60Rは、連結用通路AWを前後方向に沿って画定している。
そして、本実施形態では、この連結用通路AWが確保されるために、下部ウエイト61の左右一対の側面(下部ウエイト左側面61L、下部ウエイト右側面61R)は、それぞれ一対のサイドフレームに対して左右方向に間隔をおいて配置されている。換言すれば、図3および図5に示すように、後側ウエイト54および一対の足場部材63が、連結用通路AWを形成するようなT字形状を備えるように、ウエイト本体60および一対の足場部材63の左右方向の幅が設定されている。そして、下部ウエイト61の下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rが、上記の連結用通路AWの一方の側部をそれぞれ画定する機能を兼ね備えている。このため、作業者は、下部ウエイト61の側面に沿ってトラックフレーム50側に進行することで、連結部56に到達することができる。
なお、連結用通路AWを通じて、トラックフレーム50と後側ウエイト54との間に至った作業者は、連結ピンP1を持った状態で、自らの腕を左右方向に沿って伸ばすことで、連結ピンP1を貫通孔504Sおよび貫通孔613S(図7)に挿入することができる。このように、本実施形態では、作業者は、連結用通路AWを通じて、走行体ウエイトの前方または後方からフレーム側連結部およびウエイト側連結部にアクセスすることができる。このため、走行体ウエイトがトラックフレーム50の前面部501または後面部502に直接連結される構成において、両者の連結作業を連結P1ピンの装着によって容易に実現することができる。また、一対のジャッキアップ装置55によって作業者の連結用通路AWの通行が妨げられることがない。
また、本実施形態では、図2に示すように、足場部材63がジャッキアップ装置55に対向するように部分的に切り欠かれた形状のジャッキ用切欠き部63Sを備えている。このため、足場部材63がジャッキアップ装置55に干渉することが抑止されるとともに、作業者によるジャッキアップ装置55の操作性が向上する。
更に、本実施形態では、一対の収納部615が、下部ウエイト61の後面部(図3の紙面手前側の下部ウエイト61の側面)の左右両端部に備えられている。このため、作業者は、収納部615から連結ピンP1を取り出し、速やかに連結用通路AWに進入することができる。なお、収納部615は、下部ウエイト61の下部ウエイト左側面61Lおよび下部ウエイト右側面61Rに備えられてもよい。この場合も、作業者は、連結用通路AWに進入しながら収納部615から連結ピンP1を取り出し、連結用通路AWを通じて速やかに連結部56に至ることができる。また、収納部615は、ウエイト本体60および一対の足場部材63のその他の領域に配置されてもよい。
なお、収納部615に連結ピンP1が収納されている場合に、連結ピンP1の一部が収納部615から露出するように、収納部615の形状が設定されていることが望ましい。この場合、収納部615が、下部ウエイト左側面61L、下部ウエイト右側面61R、および下部ウエイト61の後面部の何れかに配置されていることで、作業者は、連結ピンP1が連結部56に装着されているか否かを収納部615において簡易的に確認することができる。
また、本実施形態では、ウエイト本体60が下部ウエイト61と上部ウエイト62とに分離可能とされている。このため、前側ウエイト53および後側ウエイト54の輸送性が向上する。更に、一対の足場部材63は、ウエイト本体60(上部ウエイト62)に対して着脱可能とされている。この結果、本実施形態では、以下のような複数の形態で足場部材63およびウエイト本体60の輸送が可能となる。(i)下部ウエイト61、上部ウエイト62および一対の足場部材63がすべて連結された形態、(ii)下部ウエイト61および上部ウエイト62が連結され、一対の足場部材63が取り外された形態、(iii)一対の足場部材63と上部ウエイト62とが互いに連結され、下部ウエイト61と上部ウエイト62とが分離された形態、(iv)下部ウエイト61、上部ウエイト62および一対の足場部材63のすべてが分離された形態。
また、本実施形態では、図2および図3に示すように、一対の足場部材63にそれぞれ梯子57が着脱可能とされている。このため、作業者は、地上から足場部材63および後側ウエイト54(前側ウエイト53)上に直接移動することが可能となる。換言すれば、地上から後側ウエイト54の一部に移動した後、更に後側ウエイト54の上面部に移動するような他のウエイト構造と比較して、地上から後側ウエイト54のウエイト本体上面部60Tおよび一対のサイドフレーム511、521へのアクセス性が向上する。
以上、本発明の一実施形態に係る建設機械(クレーン10)について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係る建設機械として、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、建設機械として、クレーン10を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る建設機械は、油圧ショベル、掘削機などその他の態様からなるものでもよい。
(2)また、上記の実施形態では、前側ウエイト53および後側ウエイト54を構成するウエイト本体60が、下部ウエイト61と上部ウエイト62とを備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ウエイト本体60は、単体の重量物からなるものでもよいし、3つ以上の重量物が互いに連結される態様でもよい。
(3)また、上記の実施形態では、前側ウエイト53および後側ウエイト54に、それぞれ一対の足場部材63が装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、後側ウエイト54の左側部が、左サイドフレーム511に近い位置に配置されている場合には、後側ウエイト54の右側にだけ、足場部材63(64)が装着されてもよい。すなわち、少なくとも前後一対の足場部材63が、前側ウエイト53および後側ウエイト54に備えられている態様でもよい。
(4)また、上記の実施形態では、梯子57が足場部材63に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。梯子57は、前側ウエイト53および後側ウエイト54に装着される態様でもよい。この場合、梯子57は、作業者による前側ウエイト53および後側ウエイト54の上面部と地上との間の移動を可能とする。
(5)また、上記の実施形態では、一対のサイドフレーム間に、前後一対の移動用通路TRが形成される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トラックフレーム50の前後の何れか一方に、移動用通路TRが形成される態様でもよい。更に、図12は、本発明の変形実施形態に係る建設機械の下部走行体12Aの斜視図である。本変形実施形態では、先の実施形態と比較して、下部走行体12Aが、トラックフレーム足場部70を備える点において相違するため、当該相違点について説明し、その他の共通する点の説明を省略する。なお、図12では、先の実施形態に係る部材と同じ構造、機能を備える部材については、図1〜図11と同じ符号を付している。また、図12では、トラックフレーム足場部70を除く下部走行体12Aの構造を、先の実施形態の下部走行体12の構造として参照することができる。
下部走行体12Aは、左右一対のトラックフレーム足場部70(フレーム側足場部)を備える。一対のトラックフレーム足場部70は、トラックフレーム50の左右両側部に固定された足場部材である。なお、トラックフレーム足場部70は左サイドフレーム511および右サイドフレーム521に支持されてもよいし、トラックフレーム足場部70の一部がそれぞれトラックフレーム50およびサイドフレーム511、521に支持されてもよい。トラックフレーム足場部70は、前方足場部71と、中央足場部72と、後方足場部73と、を備える。前方足場部71は、前側の足場部材63に隣接して配置されるとともに、ジャッキアップ装置55(図2)の上方に配置されている。中央足場部72は、前方足場部71と後方足場部73とを接続するように、旋回体軸支部500の左右方向の外側に配置されている。後方足場部73は、後側の足場部材63に隣接して配置されるとともに、ジャッキアップ装置55(図2)の上方に配置されている。なお、図12に示すように、トラックフレーム足場部70は、前後二対の足場部材63よりも若干高い位置に配置されている。この結果、トラックフレーム足場部70がジャッキアップ装置55の伸縮動作を妨げることが抑止される。
図12に示すような形態の場合には、作業者は、トラックフレーム足場部70を通じて、トラックフレーム50の前後の移動用通路TR(図2)間を前後方向に沿って移動することができる。したがって、作業者は、左クローラシュー514および右クローラシュー524(図2)の上に乗ることなく、前後方向に沿って移動することができる。なお、トラックフレーム足場部70は、左右方向の一端側にのみ配置されてもよい。この場合、トラックフレーム足場部70は、トラックフレーム50の前側の足場部材63(前側足場部材)と、後側の足場部材63(後側足場部材)とを接続するように配置されればよい。
10 クレーン(建設機械)
11 上部旋回体
12 下部走行体
50 トラックフレーム
501 前面部
502 後面部
503 上側フレーム連結部(フレーム側連結部)
504 下側フレーム連結部(フレーム側連結部)
504S 貫通孔(第1貫通孔)
511 左サイドフレーム(サイドフレーム)
521 右サイドフレーム(サイドフレーム)
53 前側ウエイト(走行体ウエイト)
54 後側ウエイト(走行体ウエイト)
56 連結部
57 梯子
60 ウエイト本体
60L ウエイト右側面(ウエイト側面)
60R ウエイト左側面(ウエイト側面)
60T ウエイト上面部
61 下部ウエイト
610 対向面
611 上側ウエイト連結部(ウエイト側連結部)
613 下側ウエイト連結部(ウエイト側連結部)
613S 貫通孔(第2貫通孔)
614 下部ウエイト接続板
615 収納部
61R 下部ウエイト右側面
61L 下部ウエイト左側面
61T 下部ウエイト上面部
62 上部ウエイト
623 上部ウエイト接続板
63 足場部材
AW 連結用通路
P1、P2 連結ピン
TR 移動用通路

Claims (9)

  1. 地上を移動可能な下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に支持される上部旋回体と、を備える建設機械であって、
    前記下部走行体は、
    前面部および後面部を備え、前記上部旋回体を支持するトラックフレームと、
    周回移動可能な履体をそれぞれ支持する一対のサイドフレームであって、前記トラックフレームよりも前後方向に延びるように前記トラックフレームの左右方向の両端部にそれぞれ連結される、左右一対のサイドフレームと、
    上方を向くウエイト上面部と、前記左右一対のサイドフレームにそれぞれ対向して配置される左右一対のウエイト側面と、をそれぞれ備え、前記左右一対のサイドフレームの間において前記トラックフレームの前記前面部および前記後面部にそれぞれ連結される、前後一対の走行体ウエイトと、
    上方を向く足場上面部をそれぞれ備え、前記ウエイト側面よりも前記サイドフレーム側に突出するように前記前後一対の走行体ウエイトにそれぞれ装着される、少なくとも前後一対の足場部材と、
    を有し、
    前記足場上面部および前記ウエイト上面部は、左右方向に沿って互いに連なるように配置され、作業者による前記左右一対のサイドフレーム間の移動を許容する移動用通路を形成し、
    前記トラックフレームは、前記前面部および前記後面部にそれぞれ配置され、前記走行体ウエイトと連結されるフレーム側連結部を備え、
    前記前後一対の走行体ウエイトは、それぞれ、前記フレーム側連結部に連結されるウエイト側連結部を備え、
    前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面が前記サイドフレームに対して左右方向に間隔をおいて配置されており、
    前記少なくとも前後一対の足場部材は、それぞれ、下方を向く足場下面部を備え、
    前記足場部材の前記足場下面部および前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面は、作業者が前記走行体ウエイトの前方または後方から前記足場部材の下方を通って前記フレーム側連結部および前記ウエイト側連結部にアクセスすることを許容する連結用通路を、前後方向に沿って画定している、建設機械。
  2. 前記トラックフレームは、前記フレーム側連結部を左右方向の両側から挟む位置において、前記前側面および前記後側面からそれぞれ突出するように配置され、前記下部走行体を支持可能な前後二対のジャッキアップ装置を更に有し、
    前記走行体ウエイトは、前記前側面または前記後側面に配置された一対の前記ジャッキアップ装置によって左右方向の両側から挟まれる位置に配置されており、
    前記走行体ウエイトの前記ウエイト側面が前記ジャッキアップ装置との間に左右方向に間隔をおいて配置されており、前記連結用通路が、前記足場部材の下方であって前記ウエイト側面と前記ジャッキアップ装置との間に前後方向に沿って形成されている、請求項に記載の建設機械。
  3. 前記フレーム側連結部には、左右方向に沿って第1貫通孔が開口されており、
    前記ウエイト側連結部には、左右方向に沿って第2貫通孔が開口されており、
    前記下部走行体は、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に挿通され前記走行体ウエイトと前記トラックフレームとを互いに連結する連結ピンを更に備える、請求項またはに記載の建設機械。
  4. 前記走行体ウエイトは、前記連結ピンを収納可能な収納部を備える、請求項に記載の建設機械。
  5. 前記収納部は、前記一対のウエイト側面および前後方向において前記トラックフレームとは反対側の前記走行体ウエイトの側面のうちの少なくとも何れか一の面に配置されている、請求項に記載の建設機械。
  6. 前記走行体ウエイトは、
    上面部を備える下部ウエイトと、
    上面部を備え、前記下部ウエイトの前記上面部に対して着脱可能とされる上部ウエイトであって、前記上部ウエイトの左右方向の両端部が、前記下部ウエイトの左右方向の両端部と面一にまたは前記下部ウエイトの左右方向の両端部よりも左右方向の内側に配置される、上部ウエイトと、
    を有し、
    前記上部ウエイトの前記上面部および前記足場部材の前記足場上面部が、前記移動用通路を形成する、請求項1乃至の何れか1項に記載の建設機械。
  7. 前記足場部材は、前記走行体ウエイトに対して着脱可能とされている、請求項1乃至の何れか1項に記載の建設機械。
  8. 前記下部走行体は、前記走行体ウエイトまたは前記足場部材に装着可能とされ、作業者による地上と前記ウエイト上面部または前記足場上面部との間の移動を可能とする梯子を更に有する、請求項1乃至の何れか1項に記載の建設機械。
  9. 地上を移動可能な下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に支持される上部旋回体と、を備える建設機械であって、
    前記下部走行体は、
    前面部および後面部を備え、前記上部旋回体を支持するトラックフレームと、
    周回移動可能な履体をそれぞれ支持する一対のサイドフレームであって、前記トラックフレームよりも前後方向に延びるように前記トラックフレームの左右方向の両端部にそれぞれ連結される、左右一対のサイドフレームと、
    上方を向くウエイト上面部と、前記左右一対のサイドフレームにそれぞれ対向して配置される左右一対のウエイト側面と、をそれぞれ備え、前記左右一対のサイドフレームの間において前記トラックフレームの前側および後側にそれぞれ配置される、前後一対の走行体ウエイトと、
    上方を向く足場上面部をそれぞれ備え、前記ウエイト側面よりも前記サイドフレーム側に突出するように前記前後一対の走行体ウエイトにそれぞれ装着される、少なくとも前後一対の足場部材と、
    を有し、
    前記足場上面部および前記ウエイト上面部は、左右方向に沿って互いに連なるように配置され、作業者による前記左右一対のサイドフレーム間の移動を許容する移動用通路を形成し、
    前記前後一対の走行体ウエイトは、
    前記前側面に装着される前側走行体ウエイトと、
    前記後側面に装着される後側走行体ウエイトと、
    を備え、
    前記少なくとも前後一対の足場部材は、
    少なくとも前記前側走行体ウエイトの左右方向の一端部に装着される前側足場部材と、
    少なくとも左右方向において前記前側足場部材と同じ側の前記後側走行体ウエイトの端部に装着される後側足場部材と、
    を備え、
    前記下部走行体は、前記トラックフレームおよび前記サイドフレームの少なくとも一方に支持され、作業者による前記前側足場部材と前記後側足場部材との間の移動を可能とするフレーム側足場部を更に有する、建設機械
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