JP6565207B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本件は、全固体電池に関する。
近年、電気エネルギーを蓄積する二次電池は、ハイブリット車、電気自動車などへの応用で注目されている。また、小さな環境エネルギーから発電を行うエネルギーハーベスト技術が省エネ技術として関心を集めており、発電した電気エネルギーを蓄電、供給可能な前記二次電池は、様々な応用への可能性が広がるため注目されている。
これらの応用において、電解質に液体を使用しない全固体電池は、液体の漏洩の危険がないことから高い関心が集まっている。
前記全固体電池としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)を正極活物質とし、窒化リン酸リチウム(LiPON)を固体電解質とし、金属リチウムを負極活物質とした全固体電池が実用化されている。
しかし、この全固体電池は、コバルト酸リチウムが充電状態における熱安定性が低いという問題がある(例えば、非特許文献1参照)。また、コバルトはレアメタルであることから、正極活物質にコバルト酸リチウムを用いると、全固体電池のコストが上昇するという問題がある。
Baba, Y.; Okada, S.; Yamaki, J.−i. Solid State Ionics 2002, 148, 311.
一方、正極活物質として使用可能なリン酸鉄リチウムは、熱安定性の点でコバルト酸リチウムよりも有利である(Padhi, A. K.; Nanjundaswamy, K. S.; Goodenough, J. B. Journal of The Electrochemical Society 1997, 144, 1188.参照)。また、コストの点でも、リン酸鉄リチウムは、コバルト酸リチウムよりも有利である。
しかし、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、窒化リン酸リチウムを固体電解質として用いた全固体電池においては、電位低下、及び容量低下が生じてしまうという問題がある。
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、窒化リン酸リチウムを固体電解質として用いた全固体電池において、電位低下、及び容量低下を抑制できる全固体電池を提供することを目的とする。
開示の全固体電池は、
リン酸鉄リチウムで構成される正極活物質層と、
リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層と、
窒化リン酸リチウムで構成される固体電解質層と、
負極活物質層とを、
この順で有する。
開示の全固体電池によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、窒化リン酸リチウムを固体電解質として用いた全固体電池において、電位低下、及び容量低下を抑制できる全固体電池を提供できる。
図1は、開示の全固体電池の一例の模式図である。
(全固体電池)
開示の全固体電池は、正極活物質層と、中間層と、固体電解質層と、負極活物質層とをこの順で少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明者らは、熱安定性、及びコストの点でコバルト酸リチウムよりも有利なリン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、かつ、窒化リン酸鉄リチウムを固体電解質として用いた全固体電池を検討した。リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、かつ、リチウムを負極活物質として用い、一般的な電解質(LiPFの非水溶液)を用いた電池の場合、3.43Vの平均電圧(充電電圧と放電電圧との平均)が観測される。しかし、前記電池において、前記一般的な電解質を窒化リン酸リチウムに置き換えた場合、平均電圧が3.1Vに下がり、観測される容量の低下も見られた。即ち、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、かつ、窒化リン酸鉄リチウムを固体電解質として用いた全固体電池においては、電位低下、及び容量低下が生じてしまうということを見出した。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を行った。
そして、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、窒化リン酸リチウムを固体電解質として用いた全固体電池において、正極活物質層と、固体電解質層との間に、リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層を設けることにより、電位低下、及び容量低下を抑制できることを見出し、開示の技術の完成に至った。
本発明者らは、開示の技術が、電位低下、及び容量低下を抑制できる理由について、以下のように考えている。
リン酸鉄リチウムを正極活物質として用い、窒化リン酸リチウムを固体電解質として用いた全固体電池においては、窒化リン酸リチウムに由来する窒化物イオンが、正極活物質の正極としての性能を低下させていると考えられる。そこで、正極活物質層と、固体電解質層との間に、リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層を設けることにより、窒化リン酸リチウムに由来する窒化物イオンが正極活物質層へ移動することを防ぎ、結果、正極活物質であるリン酸鉄リチウムの正極としての性能の低下を防ぐと考えられる。その結果、電池の電位低下、及び容量低下を防ぐことができる。
<正極活物質層>
前記正極活物質層としては、リン酸鉄リチウム(LiFePO)で構成される層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸鉄リチウムは、正極活物質である。
前記正極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以下が好ましく、0.01μm〜0.5μmがより好ましく、0.05μm〜0.2μmが特に好ましい。
前記正極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸鉄リチウムをターゲット材料として用いたスパッタリング法、粉体のリン酸鉄リチウムを圧縮成形する方法などが挙げられる。これらの中でも、スパッタリング法が、圧縮成形(厚さ50μm〜)よりもより薄い(厚さ数nm〜数μmオーダの)電極を作製できることから、正極活物質自身の電子伝導度が与える出力特性への影響を最小限にすることができる点で、好ましい。
前記スパッタリング法により前記正極活物質層を形成する方法としては、例えば、リン酸鉄リチウムをターゲット材料として用い、Arプラズマ下で、リン酸鉄リチウムの薄膜を形成する方法などが挙げられる。
形成される薄膜がアモルファスである場合には、熱処理により結晶化させることが、より高い酸化還元電位(3.43V vs. Li/Li)を有する点で好ましい。なお、アモルファスにおける酸化還元電位は、3.10V vs. Li+/Liである。
前記熱処理の温度としては、例えば、450℃〜550℃などが挙げられる。
<中間層>
前記中間層としては、リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記非窒化物系酸化物とは、窒素原子を含有しない酸化物を意味する。ここで、「窒素原子を含有しない」とは、開示の技術の効果が得られる程度に窒素原子が含まれていないことを意味し、前記中間層が、全く窒素原子を含有しないことのみを意味するものではない。例えば、前記中間層は、開示の技術の効果が得られる程度において、前記中間層の形成において不可避的に混入される窒素原子を含有していてもよい。
前記全固体電池が、前記正極活物質層と、前記固体電解質層との間に、前記中間層を有することにより、電位低下、及び容量低下を抑制できる。
前記中間層を構成する前記非窒化物系酸化物が、リチウムイオン伝導性を有することにより、前記中間層を有することによる電池性能の低下がなく、電位低下、及び容量低下を抑制できる。
また、前記中間層を構成する前記非窒化物系酸化物が、非窒化物であることにより、窒化物イオンによる正極の性能低下を防ぎ、結果、前記全固体電池の電位低下、及び容量低下を防ぐことができる。
ここで、前記非窒化物系酸化物がリチウムイオン伝導性を有することは、例えば、交流インピーダンススペクトル(Cole−Coleプロット)で、イオン移動のインピーダンス(単位:Ωcm)を見積もることにより確認することができる。なお、この場合、移動するイオンは、リチウムイオンとみなすことができる。
観測されるインピーダンスの逆数がリチウムイオン伝導度(単位:S/cm)として表され、この値が1×10−8以上であれば、「リチウムイオン伝導性を有する」ということができる。
前記非窒化物系酸化物としては、下記一般式(1)で表される化合物、及びLiCoOのいずれかであることが、種々の酸化物系固体電解質の中でもリチウムイオン伝導度が高い点で好ましい。
LiAl(P(PO ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、a、b、c、及びdは、7.2≦a≦10.8、2.4≦b≦3.6、2.4≦c≦3.6、及び1.6≦d≦2.4を満たす。
前記一般式(1)で表される化合物としては、LiAl(P(POがより好ましい。
なお、LiAl(P(POは、アモルファスであると、リチウムイオン伝導度(単位:S/cm)が10−8S/cm程度であり、リチウムイオン伝導性を有する。一方、LiAl(P(POは、結晶質であると、リチウムイオン伝導度(単位:S/cm)が10−11S/cm程度であり、リチウムイオン伝導性を有しない。
LiAl(P(POは、電子伝導性を持たないため、固体電解質としても使用することができるが、リチウムイオン伝導度は10−8S/cm程度であり、固体電解質としては低く、単独で固体電解質とした場合、高出力に対応できなくなる。そこで、リチウムイオン伝導度の高い窒化リン酸リチウムと組み合わせることで、高出力に対応した全固体電池を作製することが可能となる。なお、LiAl(P(POの組成は、LiAl(P(POから最大20%ずれていても同様の効果を示す。
前記中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm以上が好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、1nm〜20nmが特に好ましい。前記平均厚みが、1nm未満であると、厚みが薄すぎるために、電位低下、及び容量低下の抑制が不十分になることがある。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、前記中間層の材質を圧縮成形する方法などが挙げられる。これらの中でも、スパッタリング法が、好ましい前記平均厚み(1nm以上)の中間層を容易に作製できるの点で、好ましい。
前記スパッタリング法により前記中間層を形成する方法としては、例えば、ターゲット材料を、Arプラズマ下でスパッタリングして中間層を形成する方法などが挙げられる。
<固体電解質層>
前記固体電解質層としては、窒化リン酸リチウム(LiPON)で構成される層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記窒化リン酸リチウムとしては、例えば、以下の組成式のものなどが挙げられる。
LiPO ・・・式(2)
ただし、前記式(2)は、2.6≦a≦3.0、3.0≦b≦4.0、0.1≦c≦0.6を満たす。
また、前記窒化リン酸リチウムは、リチウム以外の金属元素を含有していても良い。そのような窒化リン酸リチウムとしては、例えば、以下の組成式のものなどが挙げられる。
Li ・・・式(3)
ただし、前記式(3)中、Xは、Ti、Zr、Ge、In、Ga、Sn、及びAlの少なくともいずれかであり、Yは、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb、及びSeの少なくともいずれかであり、a〜fは、0.5<a<5.0、0.5≦b<3.0、0≦c<2.98、0.02<d≦3.0、2.0<c+d<4.0、3.0<e≦12.0、0.002<f<2.0の関係を満たす。
Li ・・・式(4)
ただし、前記式(4)中、Xは、Mn、Fe、Co、及びNiの少なくともいずれかであり、Yは、Mg、Al、Ti、Ga、Cu、V、Nb、Zr、Ce、In、及びZnの少なくともいずれかであり、a〜fは、0.001≦a≦1.5、0.7≦b≦1.3、0≦c≦0.4、0.7≦b+c≦1.3、0.7≦d≦1.3、3.0≦e≦5.0、0.002≦f≦2.0の関係を満たす。
前記固体電解質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜3.0μmが好ましく、0.1μm〜2.0μmがより好ましく、0.5μm〜1.5μmが特に好ましい。
前記固体電解質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スパッタリング法が、好ましい前記平均厚みの固体電解質層を容易に作製できる点で、好ましい。
前記スパッタリング法により前記固体電解質層を形成する方法としては、例えば、リン酸リチウムをターゲット材料として用い、Nプラズマ雰囲気下で、窒化リン酸リチウムの薄膜を形成する方法などが挙げられる。この方法においては、成膜の過程でリン酸リチウム(LiPO)のO原子の一部がN原子に置換される。通常、成膜後に熱処理は行わず、アモルファス膜のまま用いる。
<負極活物質層>
前記負極活物質層としては、負極活物質を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極活物質層は、前記負極活物質自体であってもよい。
前記負極活物質としては、正極活物質であるリン酸鉄リチウムの酸化還元電位である3.4V vs Li/Li以下の電位でリチウムを可逆的に脱挿入することのできる材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム、リチウムアルミニウム合金、非晶質カーボン、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
前記負極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜3.0μmが好ましく、0.1μm〜2.0μmがより好ましく、0.5μm〜1.5μmが特に好ましい。
前記負極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記負極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング、前記負極活物質を圧縮成形する方法などが挙げられる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体、負極集電体、電池ケースなどが挙げられる。
<<正極集電体>>
前記正極集電体の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン合金、銅、ニッケルなどが挙げられる。
前記正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
前記正極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm〜500μmなどが挙げられる。
<<負極集電体>>
前記負極集電体の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、金、インジウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
前記負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
前記負極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm〜500μmなどが挙げられる。
<<電池ケース>>
前記電池ケースとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来の全固体電池で使用可能な公知のラミネートフィルムなどが挙げられる。前記ラミネートフィルムとしては、例えば、樹脂製のラミネートフィルム、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルムなどが挙げられる。
前記全固体電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、扁平型などが挙げられる。
前記全固体電池は、前記正極活物質層、前記中間層、前記固体電解質層、及び前記負極活物質層を、気相法を用いて積層した、いわゆる薄膜型全固体電池であることが、サイクル寿命が優れる点で好ましい。
図1は、開示の全固体電池の一例の断面模式図である。図1の全固体電池においては、正極集電体1上に、正極活物質層2、中間層3、固体電解質層4、負極活物質層5、及び負極集電体6がこの順で積層されている。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
以下の各実施例及び各比較例の全固体電池は、全てPt/Ti/SiO/Si基板上に作製したものである。各層の作製は、全てスパッタリング法で行った。装置は、キャノンアネルバ株式会社のE−400を用いた。
定電流充放電は、東洋システム株式会社のTOSCAT−3100を使用して行った。
充電においては、電圧がカットオフ電圧に到達した後、電圧保持を行い、観測される電流値が(定電流の)設定値の10分の1に到達した時に充電終了とした。放電においては、電圧がカットオフ値に到達した時点で放電終了とした。
また、薄膜電池の理論容量は、正極容量と規定した(正極容量が負極容量より小さいため)。正極容量は、以下のように計算した。
正極容量=正極の膜厚×電極面積×体積当たりの重量密度×重量当たりの理論容量
LiFePO正極の場合、体積当たりの重量密度=3.6g/cm、重量あたり理論容量=170mAh/gである。
電池電圧は、充電曲線及び放電曲線におけるプラトーを示す電圧の平均値を用いることで算出した。
(実施例1)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.01μm(10nm)のLiAl(P(PO、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:1μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、電池電圧は、3.4Vとなり、理論値の90%以上の放電容量を観測した。
(実施例2)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.01μmのLiCoO、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:1μAcm−2
充電カットオフ電圧:3.75V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、電池電圧は、3.4Vとなり、理論値の82%の放電容量を観測した。
(実施例3)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.001μm(1nm)のLiAl(P(PO、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:1μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、電池電圧は、3.4Vとなり、理論値の90%以上の放電容量を観測した。
(比較例1)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:1μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、電池電圧(充電と放電の平均)は、3.1Vとなり、理論値の約20%の放電容量を観測した。
(比較例2)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.01μmの窒素化したLAPP、1.0μm厚のLiPON、及び1.0μm厚の金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
なお、窒素化したLAPPは、LiAl(P(POをターゲットとし、Nプラズマでスパッタ成膜することで、作製した。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値1μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果,電池電圧(充電と放電の平均)は3.1Vとなり、理論値の26%の放電容量を観測した。
(実施例4)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.01μmのLiAl(P(PO、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:100μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、電池電圧(充電と放電の平均)は、3.4Vとなり、理論値の75%以上の放電容量を観測した。
(比較例3)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み1.0μmのLiAl(P(PO、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:100μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、理論値の10%の放電容量を観測した。なお、電池電圧(充電と放電の平均)を見積ることはできなかった。
(比較例4)
Pt/Ti/SiO/Si基板上に、平均厚み0.1μmのLiFePO薄膜を成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み0.01μmのLiAl(P(POを成膜し、アルゴン雰囲気下500℃1時間で更なる熱処理を行った。この薄膜上に、平均厚み1.0μmのLiPON、及び平均厚み1.0μmの金属リチウムをこの順に製膜し、全固体電池を得た。
得られた全固体電池について定電流充放電を行った。
条件は、以下のとおりである。
電流値:100μAcm−2
充電カットオフ電圧:4.3V
放電カットオフ電圧:2.0V
その結果、理論値の6%の放電容量を観測した。なお、電池電圧(充電と放電の平均)を見積ることはできなかった。
実施例1〜4より、開示の全個体電池は、電流値1μAcm−2〜100μAcm−2の広範囲において電位低下、及び容量低下が抑制されていることが確認できた。なお、実施例2、及び3の全固体電池において、電流値を100μAcm−2にして試験しても、電位低下、及び容量低下が抑制されている。
一方、リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層を有さない全固体電池では、電流値1μAcm−2〜100μAcm−2の範囲内のいずれかにおいて電位低下、及び容量低下が見られた(比較例1、及び3)。
中間層を有していても、中間層がリチウムイオン伝導性を有する窒化物系酸化物で構成されている場合、電位低下、及び容量低下が見られた(比較例2)。
中間層を有していても、中間層がリチウムイオン伝導性を有しない非窒化物系酸化物で構成されている場合、電位低下、及び容量低下が見られた(比較例4)。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
リン酸鉄リチウムで構成される正極活物質層と、
リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層と、
窒化リン酸リチウムで構成される固体電解質層と、
負極活物質層とを、
この順で有することを特徴とする全固体電池。
(付記2)
前記非窒化物系酸化物が、下記一般式(1)で表される化合物、及びLiCoOのいずれかである付記1に記載の全固体電池。
LiAl(P(PO ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、a、b、c、及びdは、7.2≦a≦10.8、2.4≦b≦3.6、2.4≦c≦3.6、及び1.6≦d≦2.4を満たす。
(付記3)
前記一般式(1)で表される化合物が、LiAl(P(POである付記2に記載の全固体電池。
(付記4)
前記中間層の平均厚みが、1nm以上である付記1から3のいずれかに記載の全固体電池。
(付記5)
前記負極活物質層が、リチウムで構成される付記1から4のいずれかに記載の全固体電池。
1 正極集電体
2 正極活物質層
3 中間層
4 固体電解質層
5 負極活物質層
6 負極集電体

Claims (4)

  1. リン酸鉄リチウムで構成される正極活物質層と、
    リチウムイオン伝導性を有する非窒化物系酸化物で構成される中間層と、
    窒化リン酸リチウムで構成される固体電解質層と、
    負極活物質層とを、
    この順で有し、
    前記非窒化物系酸化物が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする全固体電池。
    Li Al (P (PO ・・・一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、a、b、c、及びdは、7.2≦a≦10.8、2.4≦b≦3.6、2.4≦c≦3.6、及び1.6≦d≦2.4を満たす。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、Li Al (P (PO である請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記中間層の平均厚みが、1nm以上である請求項1から2のいずれかに記載の全固体電池。
  4. 前記負極活物質層が、リチウムで構成される請求項1から3のいずれかに記載の全固体電池。
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