JP6561610B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
窒化物半導体は、高い飽和電子速度及びワイドバンドギャップ等の特徴を利用し、高耐圧及び高出力の半導体デバイスへの適用が検討されている。例えば、窒化物半導体であるGaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きく、高い破壊電界強度を有する。そのためGaNは、高電圧動作且つ高出力を得る電源用の半導体デバイスの材料として極めて有望である。
窒化物半導体を用いた半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)についての報告が数多くなされている。例えばGaN系のHEMT(GaN−HEMT)では、GaNを電子走行層として、AlGaNを電子供給層として用いたAlGaN/GaN・HEMTが注目されている。AlGaN/GaN・HEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。これにより発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極により、高濃度の2次元電子ガス(2DEG)が得られる。そのため、高効率のスイッチ素子、電気自動車用等の高耐圧電力デバイスとして期待されている。
特開2013−201189号公報 特開2013−106022号公報
トランジスタにおけるオフ時のリーク電流は、低ければ低いほど好ましい。しかしながら、GaN−HEMT等においては、ゲート電極で変調しきれない電子走行層の深いところまで電流が回り込み、オフリーク電流の原因となることがある。これに対する方策として、いわゆるバックバリア構造を採用することが考えられる。この場合、GaNの電子走行層下にAlGaNやAlN等の障壁層を形成する。これにより、回り込み電流の発生を抑制し、オフリーク電流を低減することが可能となる。
しかしながら、このバックバリア構造を採用しても、大きなドレイン電圧を印加した状態では、障壁層のエネルギーバンドが正の電位により押し下げられてバンド変調することがある。この場合には、上記の回り込み電流が発生してしまうという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流を確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧の化合物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
化合物半導体装置の一態様は、化合物半導体積層構造と、前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極とを含み、前記化合物半導体積層構造は、下部電子走行領域と、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、前記障壁層上の上部電子走行領域と、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層とを有し、前記障壁層は、一定電位に固定されており、前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされている
化合物半導体装置の一態様は、化合物半導体積層構造と、前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極とを含み、前記化合物半導体積層構造は、下部電子走行領域と、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、前記障壁層上の上部電子走行領域と、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層とを有し、前記障壁層は、一定電位に固定されており、前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成である。
化合物半導体装置の製造方法の一態様は、下部電子走行領域を形成する工程と、前記下部電子走行領域上に、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で障壁層を形成する工程と、前記障壁層上に上部電子走行領域を形成する工程と、前記上部電子走行領域上に、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で電子供給層を形成する工程と、前記電子供給層の上方に第1の電極を形成する工程と、前記電子供給層の上方で前記第1の電極の両側に第2の電極及び第3の電極を形成する工程とを含み、前記障壁層は、一定電位に固定されており、前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされる
化合物半導体装置の製造方法の一態様は、下部電子走行領域を形成する工程と、前記下部電子走行領域上に、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で障壁層を形成する工程と、前記障壁層上に上部電子走行領域を形成する工程と、前記上部電子走行領域上に、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で電子供給層を形成する工程と、前記電子供給層の上方に第1の電極を形成する工程と、前記電子供給層の上方で前記第1の電極の両側に第2の電極及び第3の電極を形成する工程とを含み、前記障壁層は、一定電位に固定されており、前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成である。
上記の諸態様によれば、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流を確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧の化合物半導体装置が実現する。
第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図1に引き続き、第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 比較例及び第1の実施形態のAlGaN/GaN・HEMTの構成を示す概略断面図である。 比較例及び第1の実施形態におけるドレイン電流−ゲート電圧特性(トランスファー特性)を示す特性図である。 第1の実施形態によるMIS型のAlGaN/GaN・HEMTの構成を示す概略断面図である。 第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第3の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図7に引き続き、第3の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第4の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図9に引き続き、第4の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第5の実施形態による電源装置の概略構成を示す結線図である。 第6の実施形態による高周波増幅器の概略構成を示す結線図である。
(第1の実施形態)
本実施形態では、化合物半導体装置として、窒化物半導体のAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
図1〜図2は、第1の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図1(a)に示すように、成長用基板として例えば半絶縁性のSiC基板1上に、バッファ層2a、下部電子走行領域2b1、及びバックバリアとなる障壁層2cを順次形成する。成長用基板としては、SiC基板の代わりに、Si基板、サファイア基板、GaAs基板、GaN基板等を用いても良い。また、基板の導電性としては、半絶縁性、導電性を問わない。
詳細には、SiC基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により、以下の各化合物半導体を成長する。MOVPE法の代わりに、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等を用いても良い。
SiC基板1上に、AlNを1nm程度〜50nm程度の厚みに、i(インテンショナリ・アンドープ)−GaNを3μm程度の厚みに、i−AlGaNを20nm程度の厚みに順次成長する。これにより、バッファ層2a、下部電子走行領域2b1、及び障壁層2cが形成される。バッファ層2aとしては、AlNの代わりにAlGaNを用いたり、低温成長でGaNを成長するようにしても良い。障壁層2cとしては、下部電子走行領域2b1よりもバンドギャップの大きな材料を用いる。ここでは、下部電子走行領域2b1がi−GaNからなることから、障壁層2cにはi−GaNよりもバンドギャップの大きいi−AlGaNを用いる。
AlNの成長条件としては、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMA)ガス及びアンモニア(NH3)ガスの混合ガスを用いる。GaNの成長条件としては、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)ガス及びNH3ガスの混合ガスを用いる。AlGaNの成長条件としては、原料ガスとしてTMAガス、TMGガス、及びNH3ガスの混合ガスを用いる。成長する化合物半導体層に応じて、Al源であるトリメチルアルミニウムガス、Ga源であるトリメチルガリウムガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。共通原料であるアンモニアガスの流量は、100ccm〜10LM程度とする。また、成長圧力は50Torr〜300Torr程度、成長温度は1000℃〜1200℃程度とする。
続いて、図1(b)に示すように、障壁層2cに開口部2cAを形成する。
詳細には、障壁層2cの表面にレジストを塗布する。レジストをリソグラフィーにより加工し、レジストに、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する障壁層2cの表面を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、下部電子走行領域2b1の表面が露出するまで、障壁層2cのレジストマスクの開口から露出する部位をドライエッチングして除去する。エッチングガスとしては、例えばAr等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスを用いる。これにより、障壁層2cでは、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位が除去され、当該部位に相当する下部電子走行領域2b1の表面を露出させる開口部2cAが形成される。ここで、開口部2cAとしては、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位に加えて、ソース電極とドレイン電極の隙間の形成予定部位の下方に位置整合する部位まで形成しても良い。この場合、障壁層2cは、ソース電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位のみ残存することになる。
レジストマスクは、薬液を用いたウェット処理又はアッシング処理等により除去される。
続いて、図1(c)に示すように、上部電子走行領域2b2及び電子供給層2dを順次形成する。
詳細には、下部電子走行領域2b1及び障壁層2c上に、MOVPE法により、i−GaNを200nm程度の厚みに、n型AlGaNを30nm程度の厚みに順次成長(再成長)する。これにより、下部電子走行領域2b1及び障壁層2c上に上部電子走行領域2b2が、上部電子走行領域2b2上に電子供給層2dが順次形成される。なお、上部電子走行領域2b2と電子供給層2dとの間に、例えばi−AlGaN等の薄い(5nm程度)スペーサ層を形成しても良い。また、電子供給層2d上に例えばn型GaNのキャップ層を形成しても良い。
電子供給層2dの形成の際に、AlGaNをn型として成長する際には、n型不純物として例えばSiを含む例えばSiH4ガスを所定の流量で原料ガスに添加し、AlGaNにSiをドーピングする。Siのドーピング濃度は、1×1018/cm3程度〜1×1020/cm3程度、例えば5×1018/cm3程度とする。
上部電子走行領域2b2の形成により、下部電子走行領域2b1及び上部電子走行領域2b2を有し、i−GaN内に障壁層2cが埋め込まれてなる電子走行層2cが形成される。以上により、バッファ層2a、電子走行層2b、障壁層2c、及び電子供給層2dを備えた化合物半導体積層構造2が形成される。
化合物半導体積層構造2では、電子走行層2bにおいて、上部電子走行領域2b2の電子供給層2dとの界面近傍に2次元電子ガス(2DEG)が発生する。この2DEGは、上部電子走行領域2b2の化合物半導体(ここではGaN)と電子供給層2dの化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。更に、下部電子走行領域2b1の障壁層2cとの界面近傍にも2DEGが発生する。この2DEGは、下部電子走行領域2b1の化合物半導体(ここではGaN)と障壁層2cの化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。障壁層2cは、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位が除去されて開口部2cAが形成され、電子走行層2cのi−GaNが開口部2cAを埋め込んでいる。そのため、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位には、2DEGは発生しない。
続いて、化合物半導体積層構造2の素子分離領域に、例えばアルゴン(Ar)を注入する。これにより、化合物半導体積層構造2及びSiC基板1の表層部分に素子分離構造(不図示)が形成される。素子分離構造により、化合物半導体積層構造2上で活性領域が画定される。
なお、素子分離は、上記の注入法の代わりに、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて行っても良い。このとき、化合物半導体積層構造2のドライエッチングには、例えば塩素系のエッチングガスを用いる。
続いて、図2(a)に示すように、化合物半導体積層構造2に電極用リセス2Aを形成する。
詳細には、電子供給層2dの表面にレジストを塗布する。レジストをリソグラフィーにより加工し、レジストに、ソース電極の電極形成予定部位の一部の下方に位置整合する電子供給層2dの表面を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、障壁層2cの表面が露出するまで、電子供給層2d及び上部電子走行領域2b2をドライエッチングして除去する。エッチングガスとしては、例えばAr等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスを用いる。これにより、障壁層2cの表面の一部を露出する電極用リセス2Aが形成される。ドライエッチングは、障壁層2cの表層まで行うようにしても良い(障壁層2cの表層の一部まで除去しても良い)。
続いて、図2(b)に示すように、ソース電極3及びドレイン電極4を形成する。
詳細には、先ず、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのレジストマスクを形成する。レジストを化合物半導体積層構造2上に塗布し、電極用リセス2Aを含むソース電極の形成予定部位、及びドレイン電極の形成予定部位を露出させる各開口を形成する。以上により、当該各開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばTi/Alを、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Tiの厚みは20nm程度、Alの厚みは200nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したTi/Alを除去する。その後、SiC基板1を、例えば窒素雰囲気中において400℃〜1000℃程度の温度、例えば550℃程度で熱処理し、残存したTi/Alを電子供給層2d及び障壁層2cとオーミック接触させる。Ti/Alの電子供給層2d及び障壁層2cとのオーミック接触が得られるのであれば、熱処理が不要な場合もある。以上により、電極用リセス2Aを電極材料の一部で埋め込むソース電極3と、ドレイン電極4とが形成される。本実施形態では、ソース電極3は、電子供給層2d及び障壁層2cとオーミック接触する。ドレイン電極4は、電子供給層2dとオーミック接触する。
続いて、図2(c)に示すように、ゲート電極5を形成する。
詳細には、先ず、ゲート電極を形成するためのレジストマスクを形成する。このレジストを電子供給層2d上に塗布し、電子供給層2dの形成予定部位を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Auを、例えば蒸着法により、開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、電子供給層2d上にゲート電極5が形成される。
しかる後、層間絶縁膜の形成、ソース電極3、ドレイン電極4、ゲート電極5と接続される配線の形成、上層の保護膜の形成、最表面に露出する接続電極の形成等の諸工程を経て、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの奏する作用効果について、比較例との比較に基づいて説明する。比較例のAlGaN/GaN・HEMTを図3(a)に、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTを図3(b)にそれぞれ示す。図3(b)は、上記した図2(c)に対応する。
比較例のAlGaN/GaN・HEMTは、図3(a)のように、例えばSiC基板101上に化合物半導体積層構造102が形成され、その上にソース電極103、ドレイン電極104、及びゲート電極105が形成されて構成されている。化合物半導体積層構造102は、バックバリア構造を採用しており、バッファ層2a、障壁層102b、電子走行層102c、及び電子供給層102dが順次積層されて構成されている。比較例では、上記のバックバリア構造により、オフリーク電流の低減を志向するが、大きなドレイン電圧の印加により障壁層102bのエネルギーバンドが正の電位により押し下げられてバンド変調し、回り込み電流が発生するという問題がある。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTでは、図3(b)のように、上部電子走行領域2b2の電子供給層2dとの界面近傍に2DEGが発生し、これによりトランジスタのチャネルが形成される。本実施形態では更に、下部電子走行領域2b1の障壁層2cとの界面近傍にも2DEGが発生し、チャネルが形成される。障壁層2cはソース電極3とオーミック接触し、当該チャネルはソース電極3と電気的に接続されている。ソース電極3は一定電位(接地電位)とされるため、下部電子走行領域2b1に発生する2DEGも接地電位に固定される。この構成により、下部電子走行領域2b1の直上の障壁層2cにおけるドレイン電極4の正電圧によるバンド変調が抑制され、回り込み電流の発生が抑止される。
ここで、障壁層2cは、平面視でゲート電極5の下方に位置整合する部位に形成され、ドレイン電極4の下方と異なる位置に形成されている。即ち、障壁層2cはドレイン電極4の下方に位置整合する部位には非形成とされており(当該部位には存在せず)、電子走行層2bの当該部位には2DEGは発生しない。この構成により、障壁層2cの上下にドレイン電圧が直接印加される事態が回避され、耐圧劣化が防止される。
図4は、比較例及び本実施形態におけるドレイン電流−ゲート電圧特性(トランスファー特性)を示す特性図である。(a)が比較例の特性、(b)が本実施形態の特性をそれぞれ示す。比較例では、ドレイン電圧(Vds)の増加に伴い、回り込み電流が増加し、ピンチオフが悪くなる。これに対して本実施形態では、ドレイン電圧の依存を小さくさせることができ、動作電圧が大幅に向上する。
以上説明したように、本実施形態によれば、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流を確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
なお、本実施形態では、ゲート電極5の下面が化合物半導体積層構造2の表面と直接的に接触するショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTを例示したが、いわゆるMIS型のAlGaN/GaN・HEMTにも適用することができる。
図5は、本実施形態によるMIS型のAlGaN/GaN・HEMTの構成を示す概略断面図である。このAlGaN/GaN・HEMTでは、図2(c)の構成に加えて、化合物半導体積層構造2の表面とゲート電極5の下面との間に、ゲート絶縁膜6が形成されている。ショットキー型に替わるMIS型の適用は、後述する第2〜第4の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTについても同様に可能である。
ゲート絶縁膜6は、図2(b)の工程の後、図2(c)の工程の前に、化合物半導体積層構造2上に絶縁材料として例えばAl23を堆積することにより形成される。Al23は、例えば原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:ALD法)により膜厚2nm〜200nm程度、ここでは10nm程度に堆積する。
なお、Al23の堆積は、ALD法の代わりに、例えばプラズマCVD法又はスパッタ法等で行うようにしても良い。また、Al23を堆積する代わりに、Alの窒化物又は酸窒化物を用いても良い。それ以外にも、Si,Hf,Zr,Ti,Ta,Wの酸化物、窒化物又は酸窒化物、或いはこれらから適宜に選択して多層に堆積して、ゲート絶縁膜を形成しても良い。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同様にAlGaN/GaN・HEMTの構成及び製造方法を開示するが、バックバリアとなる障壁層と接続される電極が異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態の構成部材等と同一のものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、第2の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、先ず図1(a)〜図2(a)の諸工程を経る。このとき、図6(a)に示すように、化合物半導体積層構造2に電極用リセス2Aが形成される。
続いて、図6(b)に示すように、電極用リセス2Aの側壁面に側壁絶縁膜11を形成する。
詳細には、先ず、化合物半導体積層構造2の全面に、絶縁膜、ここではSiN膜をプラズマCVD法により200nm程度の厚みに堆積する。このSiN膜の全面を、フッ素系ガス等をエッチングガスに用いてドライエッチングする。以上により、電極用リセス2Aの側壁面のみにSiNが堆積され、当該側壁面を覆う側壁絶縁膜11が形成される。
続いて、図6(c)に示すように、ソース電極3及びドレイン電極4と同時に電位固定電極12を形成した後、ゲート電極5を形成する。
先ず、ソース電極3、ドレイン電極4、及び電位固定電極12を形成する。
ソース電極、ドレイン電極、及び電位固定電極を形成するためのレジストマスクを形成する。レジストを化合物半導体積層構造2上に塗布し、電位固定電極の形成予定部位である電極用リセス2A、ソース電極の形成予定部位、及びドレイン電極の形成予定部位露出させる各開口を形成する。以上により、当該各開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばTi/Alを、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Tiの厚みは20nm程度、Alの厚みは200nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したTi/Alを除去する。その後、SiC基板1を、例えば窒素雰囲気中において400℃〜1000℃程度の温度、例えば550℃程度で熱処理し、残存したTi/Alを電子供給層2d及び障壁層2cとオーミック接触させる。Ti/Alの電子供給層2d及び障壁層2cとのオーミック接触が得られるのであれば、熱処理が不要な場合もある。以上により、ソース電極3、ドレイン電極4、及び電極用リセス2Aを側壁絶縁膜11を介して電極材料で埋め込む電位固定電極12が形成される。
本実施形態では、ソース電極3及びドレイン電極4は電子供給層2dとオーミック接触する。電位固定電極12は、ソース電極3の隣りでソース電極3と離間して形成されており、ソース電極3(及びドレイン電極4)と電気的に独立している。電位固定電極12は、側壁絶縁膜11により上部電子走行領域2b2の2DEGと電気的に遮断されており、電極用リセス2Aの底面で障壁層2cとオーミック接触する。側壁絶縁膜11を形成することにより、電位固定電極12に対する上部電子走行領域2b2の2DEGの影響が確実に遮断される。
次に、ゲート電極5を形成する。
先ず、ゲート電極を形成するためのレジストマスクを形成する。このレジストを電子供給層2d上に塗布し、電子供給層2dの形成予定部位を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Auを、例えば蒸着法により、開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、電子供給層2d上にゲート電極5が形成される。
しかる後、層間絶縁膜の形成、ソース電極3、ドレイン電極4、ゲート電極5、電位固定電極12と接続される配線の形成、上層の保護膜の形成、最表面に露出する接続電極の形成等の諸工程を経て、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTでは、上部電子走行領域2b2の電子供給層2dとの界面近傍に2DEGが発生し、これによりトランジスタのチャネルが形成される。本実施形態では更に、下部電子走行領域2b1の障壁層2cとの界面近傍にも2DEGが発生し、チャネルが形成される。障壁層2cは、ソース電極3とは接続されておらず、電位固定電極12とオーミック接触している。当該チャネルは、電位固定電極12と電気的に接続されている。障壁層2cは、ソース電極3とは独立に一定のバイアス電位(例えば接地電位)が与えられ、下部電子走行領域2b1に発生する2DEGも当該バイアス電位に固定される。この構成により、ソース電極3の電位に変動が生じてもその影響を受けることなく、下部電子走行領域2b1の直上の障壁層2cにおけるドレイン電極4の正電圧によるバンド変調が抑制され、回り込み電流の発生が抑止される。
ここで、障壁層2cは、ドレイン電極4の下方に位置整合する部位には非形成とされており(当該部位には存在せず)、電子走行層2bの当該部位には2DEGは発生しない。この構成により、障壁層2cの上下にドレイン電圧が直接印加される事態が回避され、耐圧劣化が防止される。
以上説明したように、本実施形態によれば、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同様にAlGaN/GaN・HEMTの構成及び製造方法を開示するが、バックバリア構造が異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態の構成部材等と同一のものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図7及び図8は、第3の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図7(a)に示すように、SiC基板1上に、バッファ層2a及び下部電子走行領域21を順次形成する。
詳細には、SiC基板1上に、MOVPE法により、AlNを1nm程度〜50nm程度の厚みに、i−GaNを3μm程度の厚みに順次成長する。これにより、バッファ層2a及び下部電子走行領域21が形成される。
続いて、図7(b)に示すように、下部電子走行領域21に不活性領域22を形成する。
先ず、イオン注入を行うためのレジストマスクを形成する。レジストを下部電子走行領域21上に塗布し、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位を露出させる各開口を形成する。以上により、当該各開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、下部電子走行領域21にAr又はホウ素(B)等の不純物をイオン注入する。下部電子走行領域21のレジストマスクの開口から露出する部位のみに不純物が導入され、下部電子走行領域21の当該部位が不活性状態に変質し、不活性領域22が形成される。
レジストマスクは、薬液を用いたウェット処理又はアッシング処理等により除去される。
続いて、図7(c)に示すように、障壁層23、上部電子走行領域24、及び電子供給層2dを順次形成する。
詳細には、下部電子走行領域21及び不活性領域22上に、MOVPE法により、i−AlGaNを20nm程度の厚みに、i−GaNを200nm程度の厚みに、n型AlGaNを30nm程度の厚みに順次成長(再成長)する。これにより、下部電子走行領域21及び不活性領域22上に障壁層23、上部電子走行領域24、及び電子供給層2dが順次形成される。なお、上部電子走行領域24と電子供給層2dとの間に、例えばi−AlGaN等の薄い(5nm程度)スペーサ層を形成しても良い。また、電子供給層2d上に例えばn型GaNのキャップ層を形成しても良い。
以上により、バッファ層2a、下部電子走行領域21及び不活性領域22、障壁層23、上部電子走行領域24、及び電子供給層2dを備えた化合物半導体積層構造20が形成される。
化合物半導体積層構造20では、上部電子走行領域24の電子供給層2dとの界面近傍に2次元電子ガス(2DEG)が発生する。この2DEGは、上部電子走行領域24の化合物半導体(ここではGaN)と電子供給層2dの化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。更に、下部電子走行領域21の障壁層23との界面近傍にも2DEGが発生する。この2DEGは、下部電子走行領域21の化合物半導体(ここではGaN)と障壁層23の化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。障壁層23はドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位には形成されておらず、当該部位には不活性領域22が形成されている。不活性領域22には2DEGは発生しない。
続いて、素子分離構造(不図示)を形成する。
詳細には、化合物半導体積層構造20の素子分離領域に、例えばArを注入する。これにより、化合物半導体積層構造20及びSiC基板1の表層部分に素子分離構造が形成される。素子分離構造により、化合物半導体積層構造20上で活性領域が画定される。
なお、素子分離は、上記の注入法の代わりに、例えばSTI法を用いて行っても良い。このとき、化合物半導体積層構造20のドライエッチングには、例えば塩素系のエッチングガスを用いる。
続いて、図8(a)に示すように、化合物半導体積層構造20に電極用リセス20Aを形成する。
詳細には、電子供給層2dの表面にレジストを塗布する。レジストをリソグラフィーにより加工し、レジストに、ソース電極の電極形成予定部位の一部の下方に位置整合する電子供給層2dの表面を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、障壁層23の表面が露出するまで、電子供給層2d及び上部電子走行領域24をドライエッチングして除去する。エッチングガスとしては、例えばAr等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスを用いる。これにより、障壁層23の表面の一部を露出する電極用リセス20Aが形成される。ドライエッチングは、障壁層23の表層まで行うようにしても良い(障壁層23の表層の一部まで除去しても良い)。
続いて、図8(b)に示すように、ソース電極3及びドレイン電極4を形成する。
詳細には、先ず、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのレジストマスクを形成する。レジストを化合物半導体積層構造20上に塗布し、電極用リセス20Aを含むソース電極の形成予定部位、及びドレイン電極の形成予定部位を露出させる各開口を形成する。以上により、当該各開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばTi/Alを、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Tiの厚みは20nm程度、Alの厚みは200nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したTi/Alを除去する。その後、SiC基板1を、例えば窒素雰囲気中において400℃〜1000℃程度の温度、例えば550℃程度で熱処理し、残存したTi/Alを電子供給層2d及び障壁層23とオーミック接触させる。Ti/Alの電子供給層2d及び障壁層23とのオーミック接触が得られるのであれば、熱処理が不要な場合もある。以上により、電極用リセス20Aを電極材料の一部で埋め込むソース電極3と、ドレイン電極4とが形成される。本実施形態では、ソース電極3は、電子供給層2d及び障壁層23とオーミック接触する。ドレイン電極4は、電子供給層2dとオーミック接触する。
続いて、図8(c)に示すように、ゲート電極5を形成する。
詳細には、先ず、ゲート電極を形成するためのレジストマスクを形成する。このレジストを電子供給層2d上に塗布し、電子供給層2dの形成予定部位を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Auを、例えば蒸着法により、開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、電子供給層2d上にゲート電極5が形成される。
しかる後、層間絶縁膜の形成、ソース電極3、ドレイン電極4、ゲート電極5と接続される配線の形成、上層の保護膜の形成、最表面に露出する接続電極の形成等の諸工程を経て、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTでは、上部電子走行領域24の電子供給層2dとの界面近傍に2DEGが発生し、これによりトランジスタのチャネルが形成される。本実施形態では更に、下部電子走行領域21の障壁層23との界面近傍にも2DEGが発生し、チャネルが形成される。障壁層23は、ソース電極3とオーミック接触しており、当該チャネルはソース電極3と電極と電気的に接続されている。ソース電極3は一定電位(接地電位)とされるため、下部電子走行領域21に発生する2DEGも接地電位に固定される。この構成により、下部電子走行領域21の直上の障壁層23におけるドレイン電極4の正電圧によるバンド変調が抑制され、回り込み電流の発生が抑止される。
ここで、ドレイン電極4の下方に位置整合する部位には不活性領域22が形成され、障壁層2cは当該部位には非形成とされており(当該部位には存在せず)、当該部位には2DEGは発生しない。この構成により、障壁層23の上下にドレイン電圧が直接印加される事態が回避され、耐圧劣化が防止される。
以上説明したように、本実施形態によれば、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同様にAlGaN/GaN・HEMTの構成及び製造方法を開示するが、バックバリア構造が異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態の構成部材等と同一のものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図9及び図10は、第4の実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
先ず、図9(a)に示すように、SiC基板1上に、化合物半導体積層構造30を形成する。
詳細には、SiC基板1上に、MOVPE法により、AlNを1nm程度〜50nm程度の厚みに、i−GaNを3μm程度の厚みに、i−AlGaNを20nm程度の厚みに、i−GaNを200nm程度の厚みに、n型AlGaNを30nm程度の厚みに順次成長する。これにより、SiC基板1上に、バッファ層2a、下部電子走行領域31、障壁層32、上部電子走行領域33、及び電子供給層2dが順次積層され、化合物半導体積層構造30が形成される。なお、上部電子走行領域33と電子供給層2dとの間に、例えばi−AlGaN等の薄い(5nm程度)スペーサ層を形成しても良い。また、電子供給層2d上に例えばn型GaNのキャップ層を形成しても良い。
続いて、素子分離構造(不図示)を形成する。
詳細には、化合物半導体積層構造30の素子分離領域に、例えばArを注入する。これにより、化合物半導体積層構造30及びSiC基板1の表層部分に素子分離構造が形成される。素子分離構造により、化合物半導体積層構造30上で活性領域が画定される。
なお、素子分離は、上記の注入法の代わりに、例えばSTI法を用いて行っても良い。このとき、化合物半導体積層構造30のドライエッチングには、例えば塩素系のエッチングガスを用いる。
続いて、図9(b)に示すように、化合物半導体積層構造30に電極用リセス30Aを形成する。
詳細には、電子供給層2dの表面にレジストを塗布する。レジストをリソグラフィーにより加工し、レジストに、ソース電極の電極形成予定部位の一部の下方に位置整合する電子供給層2dの表面を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、障壁層32の表面が露出するまで、電子供給層2d及び上部電子走行領域33をドライエッチングして除去する。エッチングガスとしては、例えばAr等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスを用いる。これにより、障壁層32の表面の一部を露出する電極用リセス30Aが形成される。ドライエッチングは、障壁層32の表層まで行うようにしても良い(障壁層32の表層の一部まで除去しても良い)。
続いて、図9(c)に示すように、ソース電極3及びドレイン電極4を形成する。
詳細には、先ず、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのレジストマスクを形成する。レジストを化合物半導体積層構造30上に塗布し、電極用リセス30Aを含むソース電極の形成予定部位、及びドレイン電極の形成予定部位を露出させる各開口を形成する。以上により、当該各開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばTi/Alを、例えば蒸着法により、各開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Tiの厚みは20nm程度、Alの厚みは200nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したTi/Alを除去する。その後、SiC基板1を、例えば窒素雰囲気中において400℃〜1000℃程度の温度、例えば550℃程度で熱処理し、残存したTi/Alを電子供給層2d及び障壁層32とオーミック接触させる。Ti/Alの電子供給層2d及び障壁層32とのオーミック接触が得られるのであれば、熱処理が不要な場合もある。以上により、電極用リセス30Aを電極材料の一部で埋め込むソース電極3と、ドレイン電極4とが形成される。本実施形態では、ソース電極3は、電子供給層2d及び障壁層32とオーミック接触する。ドレイン電極4は、電子供給層2dとオーミック接触する。
続いて、図10に示すように、ゲート電極5を形成した後、SiC基板1、バッファ層2a、及び下部電子走行領域31に開口部34を形成する。
詳細には、先ず、ゲート電極を形成するためのレジストマスクを形成する。このレジストを電子供給層2d上に塗布し、電子供給層2dの形成予定部位を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、電極材料として、例えばNi/Auを、例えば蒸着法により、開口内を含むレジストマスク上に堆積する。Niの厚みは30nm程度、Auの厚みは400nm程度とする。リフトオフ法により、レジストマスク及びその上に堆積したNi/Auを除去する。以上により、電子供給層2d上にゲート電極5が形成される。
次に、層間絶縁膜の形成、ソース電極3、ドレイン電極4、ゲート電極5と接続される配線の形成、上層の保護膜の形成、最表面に露出する接続電極の形成等の諸工程(不図示)を行う。
次に、SiC基板1、バッファ層2a、及び下部電子走行領域31に開口部34を形成する。
SiC基板1の裏面にレジストを塗布する。レジストをリソグラフィーにより加工し、レジストに、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合するSiC基板1の裏面を露出させる開口を形成する。以上により、当該開口を有するレジストマスクが形成される。
このレジストマスクを用いて、障壁層32の裏面が露出するまで、レジストマスクの開口部分のSiC基板1、バッファ層2a、及び下部電子走行領域31をドライエッチングして除去する。ドライエッチングは、SiC基板1、バッファ層2a、下部電子走行領域31、及び障壁層32の裏面の表層に至るまで行うようにしても良い。エッチングガスとしては、例えばAr等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスを用いる。これにより、SiC基板1、バッファ層2a、及び下部電子走行領域31では、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位が除去され、当該部位に相当する障壁層32の裏面を露出させる開口部34が形成される。ここで、開口部34としては、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位に加えて、ソース電極とドレイン電極の隙間の形成予定部位の下方に位置整合する部位まで形成しても良い。この場合、SiC基板1、バッファ層2a、及び下部電子走行領域31は、ソース電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位のみ残存することになる。
レジストマスクは、薬液を用いたウェット処理又はアッシング処理等により除去される。
以上により、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
化合物半導体積層構造30では、上部電子走行領域33の電子供給層2dとの界面近傍に2DEGが発生する。この2DEGは、上部電子走行領域32の化合物半導体(ここではGaN)と電子供給層2dの化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。更に、下部電子走行領域31の障壁層32との界面近傍にも2DEGが発生する。この2DEGは、下部電子走行領域31の化合物半導体(ここではGaN)と障壁層32の化合物半導体(ここではAlGaN)との格子定数の相違に基づいて生成される。下部電子走行領域31は、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位が除去されて開口部34が形成されている。そのため、障壁層32下では、ドレイン電極の電極形成予定部位の下方に位置整合する部位に2DEGは発生しない。
本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTでは、上部電子走行領域33の電子供給層2dとの界面近傍に2DEGが発生し、これによりトランジスタのチャネルが形成される。本実施形態では更に、下部電子走行領域31の障壁層32との界面近傍にも2DEGが発生し、チャネルが形成される。障壁層32は、ソース電極3とオーミック接触している。ソース電極3は一定電位(接地電位)とされるため、下部電子走行領域31に発生する2DEGも接地電位に固定される。この構成により、下部電子走行領域31の直上の障壁層32におけるドレイン電極4の正電圧によるバンド変調が抑制され、回り込み電流の発生が抑止される。
ここで、下部電子走行領域31は、ドレイン電極4の下方に位置整合する部位には非形成とされており(当該部位には存在せず)、当該部位には2DEGは発生しない。この構成により、障壁層32の上下にドレイン電圧が直接印加される事態が回避され、耐圧劣化が防止される。
以上説明したように、本実施形態によれば、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
(第5の実施形態)
本実施形態では、第1〜第4の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを適用した電源装置を開示する。
図11は、第5の実施形態による電源装置の概略構成を示す結線図である。
本実施形態による電源装置は、高圧の一次側回路41及び低圧の二次側回路42と、一次側回路41と二次側回路42との間に配設されるトランス43とを備えて構成される。
一次側回路41は、交流電源44と、いわゆるブリッジ整流回路45と、複数(ここでは4つ)のスイッチング素子46a,46b,46c,46dとを備えて構成される。また、ブリッジ整流回路45は、スイッチング素子46eを有している。
二次側回路42は、複数(ここでは3つ)のスイッチング素子47a,47b,47cを備えて構成される。
本実施形態では、一次側回路41のスイッチング素子46a,46b,46c,46d,46eが、第1〜第4の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTとされている。一方、二次側回路42のスイッチング素子47a,47b,47cは、シリコンを用いた通常のMIS・FETとされている。
本実施形態では、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMTを、電源装置に適用する。これにより、信頼性の高い大電力の電源装置が実現する。
(第6の実施形態)
本実施形態では、第1〜第4の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを適用した高周波増幅器を開示する。
図12は、第6の実施形態による高周波増幅器の概略構成を示す結線図である。
本実施形態による高周波増幅器は、ディジタル・プレディストーション回路51と、ミキサー52a,52bと、パワーアンプ53とを備えて構成される。
ディジタル・プレディストーション回路51は、入力信号の非線形歪みを補償するものである。ミキサー52aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。パワーアンプ53は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、第1〜第4の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを有している。なお図12では、例えばスイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー52bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路51に送出できる構成とされている。
本実施形態では、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のAlGaN/GaN・HEMT、高周波増幅器に適用する。これにより、信頼性の高い高耐圧の高周波増幅器が実現する。
(他の実施形態)
第1〜第6の実施形態では、化合物半導体装置としてAlGaN/GaN・HEMTを例示した。化合物半導体装置としては、AlGaN/GaN・HEMT以外にも、以下のようなHEMTに適用できる。
・その他のHEMT例1
本例では、化合物半導体装置として、InAlN/GaN・HEMTを開示する。
InAlNとGaNは、組成によって格子定数を近くすることが可能な化合物半導体である。この場合、上記した第1〜第6の実施形態では、下部電子走行領域及び上部電子走行領域がi−GaN、バックバリアとなる障壁層がi−InAlN、電子供給層がn−InAlNで形成される。また、この場合のピエゾ分極が殆ど発生しないため、2次元電子ガスは主にInAlNの自発分極により発生する。
本例によれば、上述したAlGaN/GaN・HEMTと同様に、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のInAlN/GaN・HEMTが実現する。
・その他のHEMT例2
本例では、化合物半導体装置として、InAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
GaNとInAlGaNは、後者の方が前者よりも組成によって格子定数を小さくすることができる化合物半導体である。この場合、上記した第1〜第6の実施形態では、下部電子走行領域及び上部電子走行領域がi−GaN、バックバリアとなる障壁層がi−InAlGaN、電子供給層がn−InAlGaNで形成される。
本例によれば、上述したAlGaN/GaN・HEMTと同様に、耐性劣化を引き起こすことなくバンド変調を抑え、回り込み電流の発生を抑止して、オフリーク電流をより確実に低減することができる信頼性の高い高耐圧のInAlGaN/GaN・HEMTが実現する。
以下、化合物半導体装置及びその製造方法、並びに電源装置及び高周波増幅器の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)化合物半導体積層構造と、
前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、
前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極と
を含み、
前記化合物半導体積層構造は、
下部電子走行領域と、
前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、
前記障壁層上の上部電子走行領域と、
前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層と
を有し、
前記障壁層は、一定電位に固定されており、
前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されていることを特徴とする化合物半導体装置。
(付記2)前記第1のチャネルは、平面視で前記第3の電極の下方と異なる位置に形成されていることを特徴とする付記1に記載の化合物半導体装置。
(付記3)前記第1のチャネルは、前記第2の電極と電気的に接続されており、前記一定電位に固定されていることを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記4)第4の電極を更に含み、
前記第1のチャネルは、前記第4の電極と電気的に接続されており、前記一定電位に固定されていることを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
(付記5)前記第4の電極は、前記上部電子走行領域及び前記電子供給層の側面に、当該側面に形成された絶縁性側壁膜を介して形成されていることを特徴とする付記4に記載の化合物半導体装置。
(付記6)前記障壁層は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記7)前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされていることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記8)前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
(付記9)下部電子走行領域を形成する工程と、
前記下部電子走行領域上に、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上に上部電子走行領域を形成する工程と、
前記上部電子走行領域上に、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で電子供給層を形成する工程と、
前記電子供給層の上方に第1の電極を形成する工程と、
前記電子供給層の上方で前記第1の電極の両側に第2の電極及び第3の電極を形成する工程と
を含み、
前記障壁層は、一定電位に固定されており、
前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
(付記10)前記第1のチャネルは、平面視で前記第3の電極の下方と異なる位置に形成されることを特徴とする付記9に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記11)前記第1のチャネルは、前記第2の電極と電気的に接続され、前記一定電位に固定されることを特徴とする付記10に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記12)前記第2の電極と離間する第4の電極を形成する工程を更に含み、
前記第1のチャネルは、前記第4の電極と電気的に接続され、前記一定電位に固定されることを特徴とする付記10に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記13)前記上部電子走行領域及び前記電子供給層の側面に絶縁性側壁膜を形成する工程を更に含み、
前記第4の電極は、前記側面に前記絶縁性側壁膜を介して形成されることを特徴とする付記12に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記14)前記障壁層は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする付記10〜13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記15)前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされることを特徴とする付記10〜13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記16)前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする付記10〜13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
(付記17)変圧器と、前記変圧器を挟んで高圧回路及び低圧回路とを備えた電源回路であって、
前記高圧回路はトランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体積層構造と、
前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、
前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極と
を含み、
前記化合物半導体積層構造は、
下部電子走行領域と、
前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、
前記障壁層上の上部電子走行領域と、
前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層と
を有し、
前記障壁層は、一定電位に固定されており、
前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されていることを特徴とする電源回路。
(付記18)入力した高周波電圧を増幅して出力する高周波増幅器であって、
トランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体積層構造と、
前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、
前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極と
を含み、
前記化合物半導体積層構造は、
下部電子走行領域と、
前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、
前記障壁層上の上部電子走行領域と、
前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層と
を有し、
前記障壁層は、一定電位に固定されており、
前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されていることを特徴とする高周波増幅器。
1,101 SiC基板
2,20,30,102 化合物半導体積層構造
2a,102a バッファ層
2b,102c 電子走行層
2b1,21,31 下部電子走行領域
2b2,24,33 上部電子走行領域
2c,23,32,102b 障壁層
2cA,34 開口部
2d,102d 電子供給層
2A,20A,30A 電極用リセス
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 ゲート絶縁膜
11 側壁絶縁膜
12 電位固定電極
22 不活性領域
41 一次側回路
42 二次側回路
43 トランス
44 交流電源
45 ブリッジ整流回路
46a,46b,46c,46d,46e,47a,47b,47c スイッチング素子
51 ディジタル・プレディストーション回路
52a,52b ミキサー
53 パワーアンプ

Claims (12)

  1. 化合物半導体積層構造と、
    前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、
    前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極と
    を含み、
    前記化合物半導体積層構造は、
    下部電子走行領域と、
    前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、
    前記障壁層上の上部電子走行領域と、
    前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層と
    を有し、
    前記障壁層は、一定電位に固定されており、
    前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
    前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、
    前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされていることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 化合物半導体積層構造と、
    前記化合物半導体積層構造の上方に形成された第1の電極と、
    前記化合物半導体積層構造の上方で前記第1の電極の両側に形成された第2の電極及び第3の電極と
    を含み、
    前記化合物半導体積層構造は、
    下部電子走行領域と、
    前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記下部電子走行領域上の障壁層と、
    前記障壁層上の上部電子走行領域と、
    前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料からなり、前記上部電子走行領域上の電子供給層と
    を有し、
    前記障壁層は、一定電位に固定されており、
    前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
    前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、
    前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする化合物半導体装置。
  3. 前記第1のチャネルは、平面視で前記第3の電極の下方と異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記第1のチャネルは、前記第2の電極と電気的に接続されており、前記一定電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  5. 第4の電極を更に含み、
    前記第1のチャネルは、前記第4の電極と電気的に接続されており、前記一定電位に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
  6. 前記第4の電極は、前記上部電子走行領域及び前記電子供給層の側面に、当該側面に形成された絶縁性側壁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項に記載の化合物半導体装置。
  7. 下部電子走行領域を形成する工程と、
    前記下部電子走行領域上に、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で障壁層を形成する工程と、
    前記障壁層上に上部電子走行領域を形成する工程と、
    前記上部電子走行領域上に、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で電子供給層を形成する工程と、
    前記電子供給層の上方に第1の電極を形成する工程と、
    前記電子供給層の上方で前記第1の電極の両側に第2の電極及び第3の電極を形成する工程と
    を含み、
    前記障壁層は、一定電位に固定されており、
    前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
    前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、
    前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位が不活性領域とされることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  8. 下部電子走行領域を形成する工程と、
    前記下部電子走行領域上に、前記下部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で障壁層を形成する工程と、
    前記障壁層上に上部電子走行領域を形成する工程と、
    前記上部電子走行領域上に、前記上部電子走行領域よりもバンドギャップの大きな材料で電子供給層を形成する工程と、
    前記電子供給層の上方に第1の電極を形成する工程と、
    前記電子供給層の上方で前記第1の電極の両側に第2の電極及び第3の電極を形成する工程と
    を含み、
    前記障壁層は、一定電位に固定されており、
    前記下部電子走行領域の前記障壁層下の部位に第1のチャネルが、前記上部電子走行領域の前記電子供給層下の部位に第2のチャネルが夫々形成されており、
    前記第1の電極の下方に前記第1のチャネルが形成されており、
    前記下部電子走行領域は、前記第3の電極の下方に相当する部位で非形成であることを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1のチャネルは、平面視で前記第3の電極の下方と異なる位置に形成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1のチャネルは、前記第2の電極と電気的に接続され、前記一定電位に固定されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  11. 前記第2の電極と離間する第4の電極を形成する工程を更に含み、
    前記第1のチャネルは、前記第4の電極と電気的に接続され、前記一定電位に固定されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
  12. 前記上部電子走行領域及び前記電子供給層の側面に絶縁性側壁膜を形成する工程を更に含み、
    前記第4の電極は、前記側面に前記絶縁性側壁膜を介して形成されることを特徴とする請求項11に記載の化合物半導体装置の製造方法。
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