JP6559638B2 - 車両用構造部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用構造部材に関する。特に、自動車車体の構造部材としてアウタ部材とインナ部材とを備えるピラー部材に関する。
自動車車体の構造部材としてセンターピラー部材がある。センターピラー部材は自動車側面の中央位置に縦柱として配設される、長尺形状の構造部材である。センターピラー部材はアウタ部材とインナ部材を備え、両部材を閉じ断面形状に溶接等で接合して、その断面形状等により側面衝突時における自動車の強度部材として機能させている。
図8及び図9は従来のセンターピラー部材の断面構成を示す(下記特許文献1参照)。図8に示すセンターピラー部材118は、車両外側位置に配設されるアウタ部材128(ピラ―アウタと称される)と、車両内側位置に配設されるインナ部材130(ピラ―インナと称される)とを備える。そして、アウタ部材128は外方向(図8では上方向)に深いハット形断面形状とし、インナ部材130は内方向に浅いハット形断面形状として、両者のフランジ部128D,130Dで溶接接合138している。これにより従来の一般的な構成の場合に比べ大きな断面形状を確保して、アウタ部材128に対する衝突(側突)荷重Fに対して荷重特性の向上を図っている。
しかし、図8に示すアウタ部材128とインナ部材130の溶接接合138は、衝突荷重Fの作用方向と直交する方向に配設されたフランジ部128D,130Dで行われるようになっている。このため、アウタ部材128に作用する衝突荷重Fにより、フランジ部128D,130Dの溶接接合138箇所には、溶接接合138を剥離方向に破断する作用力Fが働く。溶接接合138は剥離作用には一般的に弱いため、軽度の衝突で大きな衝撃荷重Fでない場合でも、破断を生じることがある。破断するとアウタ部材128とインナ部材130により形成した上述した大きな断面形状が崩れて、衝突荷重に対する耐荷重特性を損なうことがある。
図9に示すセンターピラー部材218は、アウタ部材228とインナ部材230の両者とも、外方向(図9では上方向)に向けたハット形断面形状として、両者の縦壁部位218B、230Bを、嵌め合わせて構成したものである。そして、両者の縦壁部位218B、230Bを溶接接合238して、当該溶接接合238箇所には、アウタ部材228に作用する衝突荷重Fがせん断方向の作用力として作用するようにしたものである。これにより図8に示す構成の場合の剥離方向の作用に比べ、溶接接合の破断に対して有利な構成となっている。
特開2016−94063号公報
しかし、上述した図8及び図9に示すセンターピラー部材118,218のいずれの構成においても、溶接接合138,238箇所が破断すると、次のような現象を生じる。つまりアウタ部材128,228に作用する衝突荷重Fによりアウタ部材128,228が拡張方向に変形して、アウタ部材128,228とインナ部材130,230とで形成する断面形状に断面崩れを生じる。これにより充分な耐衝突荷重性能を得られないことがある。
なお、図9に示すセンターピラー部材218の構成によれば、インナ部材230がアウタ部材228の開口部に嵌め合されて断面形状が構成されるものであるため、その断面形状の断面積が狭くなる。このため耐荷重特性が充分得られないことがある。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、アウタ部材の拡張変形の阻止ないしは抑制を図ることにより、断面崩れを阻止ないし抑制して、耐衝突荷重特性の向上を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明は次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る車両用構造部材は、相対的に車両の外側に配設されるアウタ部材と、相対的に車両の内側に配設されるインナ部材とを備え、前記アウタ部材と前記インナ部材は対面して配設される長尺形状部材であり、前記アウタ部材は長尺方向に直交する方向の断面形状が山形状とされており、該山形状のアウタ部材の両端部位がインナ部材に対し間隔を置いた位置で接合されて閉じ断面形状を形成する。そして、前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、前記山形状のアウタ部材の両端部位の拡張方向の作用を阻止ないし抑制する壁部位が、前記アウタ部材の両端部位に対向してインナ部材に形成されており、該インナ部材の壁部位における前記拡張方向の作用を阻止ないし抑制する当接面と、該当接面に面する前記アウタ部材の両端部位面とが接合されてなる車両用構造部材である。
上記第1の発明によれば、アウタ部材に衝突荷重等により、その両端部位に拡張方向の作用力が生じたとしても、インナ部材に設定された壁部位によりアウタ部材の両端部位の拡張作用が阻止ないし抑制される。これによりアウタ部材とインナ部材とにより形成される断面形状の断面崩れが防止ないし抑制され、耐衝突荷重性能の向上を図ることができる。
特に、上記第1の発明によれば、アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合箇所が破断したとしても、アウタ部材の両端部位はインナ部材に設定した壁部位により拡張作用が阻止ないし抑制される。これにより接合箇所の破断後においても上記と同様に断面崩れが防止ないし抑制される。
本発明の第2の発明に係る車両用構造部材は、上述の第1の発明であって、前記インナ部材には、前記アウタ部材の両端部位が接合される位置の間隔幅を凹ませた1個の凹部が形成されており、該1個の凹部の内側両面が前記壁部位とされて、アウタ部材の両端部位と接合されてなる車両用構造部材である。
上記第2の発明によれば、インナ部材に形成した1個の凹部の内側両面が、アウタ部材の両端部位に対する壁部位となる。これによりインナ部材とアウタ部材とが接合される当該壁部位箇所には、衝突荷重によりせん断方向の作用力が働く。このため、剥離方向の作用力が働く場合に比べ、接合箇所の破断強度が強く、インナ部材とアウタ部材により形成される断面形状の断面崩れの防止ないし抑制を効果的に図ることができる。
また、上記第2の発明によれば、インナ部材に形成される1個の凹部は、インナ部材とアウタ部材により形成される閉じ断面形状の断面積を従来構造に比べ大きく形成することが可能である。閉じ断面形状の断面積は大きいほど、耐衝突荷重性能の向上を図ることができるので、かかる点で有利な構成となっている。
本発明の第3の発明に係る車両用構造部材は、上述の第1の発明であって、前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、前記アウタ部材とインナ部材の一方に挿し込み部位が形成され、他方に該挿し込み部位を挿し込むことのできる凹部位が形成されており、前記インナ部材における前記壁部位となる部位と、前記アウタ部材の両端部位とを接合してなる車両用構造部材である。
上記第3の発明によれば、アウタ部材の両端部位毎に、凹部位と挿し込み部位の組み合わせにより接合される。このため、挿し込み部位が凹部位に挿し込まれた状態では、凹部位の両側の内面で移動が拘束される。これによりアウタ部材の変形を可及的に抑制することができて、断面崩れの防止ないし抑制を図ることができる。
また、当該第3の発明においても、上記第2の発明の場合と同様に、壁部位となる接合箇所には、衝突荷重によりせん断方向の作用力が働く。このため、剥離方向の作用力が働く場合に比べ、接合箇所の破断強度が強く、インナ部材とアウタ部材により形成される断面形状の断面崩れの防止ないし抑制を効果的に図ることができる。
本発明の第4の発明に係る車両用構造部材は、上述の第3の発明であって、前記インナ部材における前記アウタ部材の両端部位を接合する箇所に前記凹部位を形成し、前記アウタ部材の両端部位を前記挿し込み部位として形成した車両用構造部材である。
上記第4の発明によれば、実用的な構成であり、製作を容易とすることができる。
本発明の第5の発明に係る車両用構造部材は、上述の第1の発明から第4の発明のいずれかの発明であって、前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、一方の部材側に形成された凹部位の底部に他方の部材の部位先端が当たる状態で接合されている車両用構造部材である。
上記第5の発明によれば、アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、いわゆる底当たりとされる。この底当たりによりアウタ部材に作用する衝突荷重を受けることができて、溶接等における接合強度の負荷の低減を図ることができる。
本発明の第6の発明に係る車両用構造部材は、上述の第4の発明又は第5の発明であって、前記インナ部材に形成する凹部位形状は、内側より外側を高くした段差形状とされており、外側の高い箇所で溶接接合されている車両用構造部材である。
上記第6の発明によれば、インナ部材に形成する凹部位形状の内側を外側より低くすることにより、インナ部材により形成される閉じ断面形状の断面積を広くすることが可能になる。これにより耐衝突荷重の増大を図ることができる。
また、上記第6の発明によれば、凹部位形状を、内側より外側を高くした段差形状として、当該段差の外側の高い箇所で溶接接合を行う。当該段差の溶接接合箇所は通常、2枚の板材の溶接となるので、溶接を容易に行うことができる。
本発明の第7の発明に係る車両用構造部材は、上述の第1の発明から第6の発明のいずれかの発明であって、前記アウタ部材には該アウタ部材を覆う意匠用の外板が配設されており、該外板の前記インナ部材への接合は、前記アウタ部材と前記インナ部材との接合位置とは別位置とされている車両用構造部材である。
上記第7の発明によれば、アウタ部材を覆う意匠用の外板を配設する場合のインナ部材との接合位置は、アウタ部材とインナ部材との接合位置とは別位置とされる。これにより接合は通常、2枚の板部材を接合することになるので、容易に接合することができる。
本発明の第8の発明に係る車両用構造部材は、上述の第1の発明から第6の発明のいずれかの発明の車両用構造部材は、自動車のピラーリインフォースメントである車両用構造部材である。
上記第8の発明によれば、上述した車両用構造部材を自動車のピラーリインフォースメントに適用することにより、当該自動車に対する側面衝突に対して効果を発揮することができる。
上述した手段の本発明によれば、アウタ部材の拡張変形の阻止ないしは抑制を図ることにより、断面崩れを阻止ないし抑制して、耐衝突荷重性能の向上を図ることができる。
本発明に係る車両用構造部材の一例として自動車のピラ―部材の車体構造を示す概略図である。 図1におけるセンターピラー部材を車両内方から見た正面図である。 センターピラー部材を構成するアウタ部材とインナ部材とを分解して示す斜視図である。 図2のIVーIV線断面の第1実施形態を示す模式図である。 第2実施形態を図4に対応させて示す模式図である。 第2実施形態における衝突荷重が作用した際の断面崩れ状態を示す模式図である。 第3実施形態を図4及び図5に対応させて示す模式図である。 従来の一つのセンターピラー部材の断面構成を示す図である。 従来の他のセンターピラー部材の断面構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下に説明する本実施形態は、車両用構造部材が、自動車のセンターピラー部材の場合である。なお、本実施形態等を示す各図において、矢印で示す方向は、自動車の車室から見た方向である。
図1は、自動車10の側面に配設される各ピラー部材12の配設位置を示す。自動車の車両前側位置に配設されるのがフロントピラー部材(通常、Aピラーと称される)14である。自動車の車両後側位置に配設されるのがリアピラー部材(通常、Cピラーと称される)16である。フロントピラー部材とリアピラー部材との間に配設されるのがセンターピラー部材(通常、Bピラーと称される)18である。各ピラー部材12は自動車10の図示を省略したフロントドアとリアドアの開口部20,22を形成し、当該開口部20,22にフロントドア24とリアドア26が配設されて、適宜各ピラー部材12に取付けられる。そして、各ピラー部材12は、自動車の側面衝突(側突)時に各ドア24,26で受ける衝突荷重を支えるピラーリインフォースメントとして機能する。なお、各ピラー部材12が直接に側突荷重を受けることもある。
図2及び図3は、センターピラー部材18の構成を示す。図3に示すように、センターピラー部材18は、相対的配設位置関係で見て、車両外側に配設されるアウタ部材(ピラ―アウタと称される)28と、車両内側に配設されるインナ部材(ピラ―インナと称される)30とから構成される。アウタ部材28とインナ部材30は対面配設され、アウタ部材28はインナ部材30に重ね合わされて、後述で詳細に説明するように溶接等の接合により一体的に接合される。これにより、閉じ断面形状のリインフォースメントを構成する。図2はアウタ部材28とインナ部材30が重ね合わされて構成された状態を示している。図2に示すようにセンターピラー部材18は長尺形成部材として形成されている。
図4〜図7の各図は、図2におけるIV―IV線断面位置における各実施形態の断面構成をスケルトン図で模式的に示したものである。なお、図2におけるIV―IV線断面は、長尺形状部材として形成されるセンターピラー部材18の長尺方向に対して直交する断面である。
図4は第1実施形態、図5は第2実施形態、図7は第3実施形態を示す。先ず、図4の第1実施形態について説明する。図4は衝突荷重Fが作用する前の状態を示す。アウタ部材28は車両外側に突状の山形状として形成される。山形状は、当該山形状の頂辺部位28Aと、図4で見てこの頂辺部位28Aの両端から下方に向けて(車両内側に向けて)拡張傾斜して垂下する両辺部位28Bと、この両辺部位28Bの下部に一体的に形成される両端部位28CL,28CRとからなっている。
なお、図4において、アウタ部材28の頂辺部位28Aと両辺部位28Bを覆うように外側に配設されている破線で示す部材は、アウタ部材28を覆う意匠用の外板34であり、通常は鋼板で形成される。外板34もアウタ部材28の山形状と対応した山形状として形成されており、外板頂辺部位34Aと、外板両辺部位34Bとを有する。そして、外板両辺部位34Bの下端から、図4で見て前後両方向に外板フランジ部位34Cが配設されている。
第1実施形態のインナ部材30は、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRを包み込むように形成される1個の凹部形状32として形成される。1個の凹部形状32は、1つの底部位30Aと、図4で見て底部位30Aの両端から立設(車両外側方向に配設)した2片の壁部位30BL,30BRとを有する。更に、この壁部位30BL,30BRの上端から、図4で見て前後両方向に配設された2片のフランジ部位30Cを有して、形成されている。
第1実施形態におけるアウタ部材28の両端部位28CL,28CRは、インナ部材30の1個の凹部形状32を形成する2片の壁部位30BL,30BRの内側位置に面して配設される構成となっている。そして、壁部位30BL,30BRと両端部位28CL,28CRは溶接36により接合されて、アウタ部材28とインナ部材30とにより閉じ断面形状を形成する。アウタ部材28とインナ部材30とも、リインフォースとして機能させることのできる強度の鋼板製とされている。なお、壁部位30BL,30BRと両端部位28CL,28CRとの溶接36による接合箇所を第1の接合箇所Y1とする。この第1の接合箇所Y1の位置は、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRが位置する間隔を置いた位置である。また、インナ部材30に形成する凹部形状32の凹みの内側の両側部の位置でもある。
なお、インナ部材30の左右両方向に配設されたフランジ部位30Cと,外板34の外板フランジ部位34Cも、重ね合わされる配置とされており、溶接38により接合されている。この接合箇所を第2の接合箇所Y2とする。上記の第1の接合箇所Y1と第2の接合箇所Y2は、別位置となっており、共に溶接部位の板部材が2枚であるので、溶接を容易に行うことができる。なお、本実施形態における接合は、アーク溶接、またはレーザ溶接により行われる。その使い分けは、溶接箇所の接近度合いや、溶接スピードや、コスト等を考慮して適宜選定される。以後に説明する実施形態においても同じである。
また、第1の接合箇所Y1におけるアウタ部材28の両端部位28CL,28CRの先端は、インナ部材30の底部位30Aの上面に当接した状態として配設されており、いわゆる底当たり状態として配設されている。これによりアウタ部材28に作用した衝突荷重Fが第1の接合箇所Y1に作用する際には、この底当たり箇所でも衝突荷重Fを受けるので、第1の接合箇所Y1の溶接36の接合強度の負荷の低減を図ることができる。
上述した第1実施形態の作用効果は、次の通りである。第1実施形態において、車両衝突時(側突時)にアウタ部材28に作用する衝突荷重Fは、第1の接合箇所Y1で受けることになる。この第1の接合箇所Y1を構成するアウタ部材28の両端部位28CL,28CRとインナ部材30の壁部位30BL,30BRとは、衝突荷重Fの作用方向と同方向の配設となっている。したがって、第1の接合箇所Y1には、せん断方向の破断力が作用する。このため、剥離方向の作用力が働く場合に比べ、接合箇所の破断強度が強く、インナ部材30とアウタ部材28により形成される断面形状の維持を、ある程度の衝突荷重の大きさまで図ることができる。
また、第1実施形態によれば、衝突荷重Fによりアウタ部材28に拡張変形する作用力が生じる。この拡張変形の作用力はアウタ部材28の両端部位28CL,28CRに及ぶ。しかし、この作用力は、両端部位28CL,28CRが拡張しようとする方向の外側に配設されるインナ部材30の壁部位30BL,30BRで受けられる。これを図4に基づいて説明すると、アウタ部材28の左側の一端部位28CLの左方向の拡張作用力はインナ部材30の左側の壁部位30BLで受けられる。また、アウタ部材28の右側の一端部位28CRの右方向の拡張作用力はインナ部材30の右側の壁部位30BRで受けられる。これにより、仮に、第1の接合箇所Y1の溶接36が衝突荷重により破断したとしても、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRの拡張変形が、インナ部材30の壁部位30BL,30BRにより阻止ないし抑制される。したがって、第1の接合箇所Y1の破断後においても、断面形状の断面崩れを可及的に防止ないし抑制することができて、衝突時におけるエネルギー吸収を効果的に行うことができる。このことから、第1実施形態におけるインナ部材30の壁部位30BL,30BRが、本発明で言うアウタ部材の両端部位の拡張方向の作用を阻止ないし抑制する壁部位となっている。
また、第1実施形態によれば、アウタ部材28とインナ部材30とにより形成される閉じ断面形状は、インナ部材30の1個の凹部形状32内に、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRが嵌まり込んで形成される。このため、アウタ部材28の山形状の全面積が閉じ断面とされる。これにより、閉じ断面形状の断面積を比較的広く形成することが可能となり、耐衝突荷重特性上、有利な構成となっている。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は図5及び図6に示される。図5は衝突荷重が作用する前の変形前の状態を示し、図6は衝突荷重が作用した後の変形後の状態を示す。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成箇所には、同じ符号を付すことにより、説明を省略することがある。
第2実施形態は、上述の第1実施形態とはインナ部材30の構成が異なりアウタ部材28及びその外側に配設される外板34の構成は、第1実施形態と実質的に同じである。この第2実施形態では、インナ部材30の底部位30Aに、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRの位置に2個の凹部位40が形成される。2個の凹部位40は、図5で見て、左側位置の左側凹部位40Lと右側位置の右側凹部位40Rとからなっている。
左側凹部位40Lと右側凹部位40Rの凹部位40形状は、段差形状として形成されている。本実施形態の場合は、各凹部位40L,40R共、内側の壁部位40LI,40RIより外側の壁部位40LO,40ROの高さが高く形成されている。このため、図5で見て、インナ部材30の底部位30Aの位置は車両内側方向位置となる。その結果、この第2実施形態においても、内側の壁部位40LI,40RIが低い分だけ、アウタ部材28とインナ部材30とにより形成される閉じ断面形状の断面積を広くすることができる。これにより断面積効果による耐衝突荷重特性の向上を図ることができる。
第2実施形態によれば、両凹部位40L,40Rの外側の壁部位40LO,40ROが第1実施形態における壁部位30BL,30BRと同じ機能を果たす。すなわち、衝突荷重Fが作用したときにアウタ部材28の両端部位28CL,28CRに生じる拡張作用が、外側の壁部位40LO,40ROにより阻止ないし抑制される。このことから第2実施形態の両端部位28CL,28CRが、本発明の挿し込み部位に相当し、外側の壁部位40LO,40ROが、本発明で言うアウタ部材の両端部位の拡張方向の作用を阻止ないし抑制する壁部位に相当する。
図6は衝突荷重Fが作用した場合におけるアウタ部材28とインナ部材30とにより形成される閉じ断面形状の断面崩れ状態を示す。この図から分かるように、アウタ部材28は衝突荷重Fにより車両内側方向に多少押し込まれ変形はするが、両端部位28CL,28CRの拡張変形は、効果的に阻止ないし抑制されている。
なお、第2実施形態においては、溶接36による第1の接合箇所Y1は、各凹部位40L,40Rの外側の壁部位40LO,40ROの段差形状箇所で行われている。すなわち、インナ部材30の外側の壁部位40LO、40ROとアウタ部材28の両端部位28CL,28CRとの2枚合わせ箇所で溶接36により接合される構成となっている。これにより、3枚合わせ溶接に比べ2枚合わせ溶接は、溶接が容易であり、溶接の種類の選択枝が多くなる。これに伴い、より適切な溶接を選択することができる。
また、この第2実施形態においては、第1の接合箇所Y1の溶接36が破断したとしても、アウタ部材28の変形を可及的に抑制することができて、断面崩れの抑制を図ることができる。すなわち、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRは、破断後も凹部位40L,40Rに挿し込まれた状態にあるので、凹部位40L,40Rの両側の壁部位40LOと40LI,40ROと40RIで移動が拘束される。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は図7に示される。図7は衝突荷重の作用前の状態を示す。なお、この第3実施形態の説明において、前述した第1実施形態および第2実施形態と同じ構成箇所には、同じ符号を付すことにより、説明を省略することがある。
第3実施形態は、上述した第2実施形態においてインナ部材30に形成した凹部位40L,40Rを、アウタ部材28に形成して構成したものである。このため第3実施形態の凹部位50L,50Rは、アウタ部材28の両端部位28CL,28CRの先端に形成されている。そして、第3実施形態では、この凹部位50L,50Rに挿し込まれる挿し込み部位60L,60Rがインナ部材30の底部位30Aから車両外側方向に突設して形成されている。
第3実施形態の凹部位50L,50Rは、車両内側方向に開口する形態として配設されており、各凹部位50L,50Rは、内側の当接部位50LI,50RIと外側の当接部位50LO,50ROとからなっている。そして、各凹部位50L,50Rの内側の当接部位50LI,50RIと挿し込み部位60L,60Rとが溶接36されて、第1の接合箇所Y1としている。なお、各凹部位50L,50Rの内側の当接部位50LI,50RIと挿し込み部位60L,60Rとの溶接36(Y1)を容易とするためには、外側の当接部位50LO,50ROをなくするか、その長さを短く形成するのが良い。
この第3実施形態においても、第2実施形態の場合と同様にして、衝突荷重Fの作用時における拡張変形作用を、凹部位50L,50Rと挿し込み部位60L,60Rとの嵌め合わせにより、阻止ないし抑制することができる。この作用において、第3実施形態の挿し込み部位60L,60Rが、本発明におけるアウタ部材の拡張作用の作用を阻止ないし抑制する壁部位に相当する。
以上、本発明を特定の実施形態について説明した。しかし、本発明は、その他各種の形態でも実施できる。
例えば、上記各実施形態では、本発明の車体構造部材を自動車のセンターピラー部材18に適用した場合について説明した。その他、フロントピラー部材やリアピラー部材にも適用可能である。更には、自動車の他の構造部材、例えば、バンバーリインフォースメントとしても適用可能である。
また、上述の各実施形態では、アウタ部材28とインナ部材30との第1の接合箇所Y1は、いわゆる底当たり状態として配設されているが、必ずしも底当たり状態として配設とする必要はない。すなわち、製作上の必要性等から、アウタ部材28とインナ部材30との間に隙間を設けて配設するものであっても良い。
また、上述の第2実施形態における凹部位40の形状は、必ずしも段差形状とする必要はなく、設計上の必要性等から同じ高さの凹部位形状としても良い。
また、上述の実施形態では、接合は溶接であるが、リベット接合等の機械的接合であっても良い。
10 自動車
12 ピラー部材
14 フロントピラー部材
16 リアピラー部材
18 センターピラー部材
20 開口部
22 開口部
24 フロントドア
26 リアドア
28 アウタ部材
28A 頂辺部位
28B 両辺部位
28C 両端部位
30 インナ部材
30A 底部位
30B 壁部位
30C フランジ部位
32 1個の凹部形状
34 外板
34A 外板頂辺部位
34B 外板両辺部位
34C 外板フランジ部位
36 溶接
38 溶接
40 凹部位
40L 左側凹部位
40R 右側凹部位
50L、50R 凹部位
60L,60R 挿し込み部位
Y1 第1の接合箇所
Y2 第2の接合箇所

Claims (8)

  1. 相対的に車両の外側に配設されるアウタ部材と、相対的に車両の内側に配設されるインナ部材とを備え、前記アウタ部材と前記インナ部材は対面して配設される長尺形状部材であり、前記アウタ部材は長尺方向に直交する方向の断面形状が山形状とされており、該山形状のアウタ部材の両端部位がインナ部材に対し間隔を置いた位置で接合されて閉じ断面形状を形成する車両用構造部材であって、
    前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、前記山形状のアウタ部材の両端部位の拡張方向の作用を阻止ないし抑制する壁部位が、前記アウタ部材の両端部位に対向してインナ部材に形成されており、該インナ部材の壁部位における前記拡張方向の作用を阻止ないし抑制する当接面と、該当接面に面する前記アウタ部材の両端部位面とが接合されてなる車両用構造部材。
  2. 請求項1に記載の車両用構造部材であって、
    前記インナ部材には、前記アウタ部材の両端部位が接合される位置の間隔幅を凹ませた1個の凹部が形成されており、該1個の凹部の内側両面が前記壁部位とされて、前記アウタ部材の両端部位と接合されてなる車両用構造部材。
  3. 請求項1に記載の車両用構造部材であって、
    前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、前記アウタ部材とインナ部材の一方に挿し込み部位が形成され、他方に該挿し込み部位を挿し込むことのできる凹部位が形成されており、前記インナ部材における前記壁部位となる部位と、前記アウタ部材の両端部位とを接合してなる車両用構造部材。
  4. 請求項3に記載の車両用構造部材であって、
    前記インナ部材における前記アウタ部材の両端部位を接合する箇所に前記凹部位を形成し、前記アウタ部材の両端部位を前記挿し込み部位として形成した車両用構造部材。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかの請求項に記載の車両用構造部材であって、
    前記アウタ部材の両端部位とインナ部材との接合構成は、一方の部材側に形成された凹部位の底部に他方の部材の部位先端が当たる状態で接合されている車両用構造部材。
  6. 請求項4に記載の車両用構造部材であって、
    前記インナ部材に形成する凹部位形状は、内側より外側を高くした段差形状とされており、外側の高い箇所で溶接接合されている車両用構造部材。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の車両用構造部材であって、
    前記アウタ部材には該アウタ部材を覆う意匠用の外板が配設されており、該外板の前記インナ部材への接合は、前記アウタ部材と前記インナ部材との接合位置とは別位置とされている車両用構造部材。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の車両用構造部材は、自動車のピラーリインフォースメントである車両用構造部材。
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