(第一実施形態)
以下、本発明によるシャッタ装置システム1の第一実施形態ついて図面を用いて説明する。シャッタ装置システム1は、シャッタ装置2およびシャッタ装置2を遠隔操作するリモコン装置3をそれぞれ複数備えている。本実施形態においては、シャッタ装置システム1は、シャッタ装置2およびリモコン装置3をそれぞれ3台ずつ備えている。また、各シャッタ装置2は、各シャッタ装置2と各リモコン装置3とが、それぞれ互いに双方向通信可能な位置に取り付けられている。各シャッタ装置2は、同一部材によって同様に構成されている。また、各リモコン装置3においても、同一部材によって同様に構成されている。図1には、一つのシャッタ装置2および一つのリモコン装置3が示されている。
シャッタ装置2は、シャッタ21を駆動させることにより、建物(図示なし)の開口部Aを開状態または閉状態とするものである。開状態は、シャッタ21が巻き上げられて開口部Aの全部を開放した状態である。閉状態は、シャッタ21が開口部Aを閉鎖した状態である。シャッタ装置2は、図1に示すように、シャッタ21、巻取体22、シャッタ駆動部23、駆動量検出部24、フレーム25、一対の縦支柱26およびシャッタ制御装置27を備えている。
シャッタ21は、シャッタ装置2が取り付けられた開口部Aを開状態または閉状態とするものである。図1のシャッタ21は、開口部Aの下側(図1の下側)半分を開放した状態で停止している。シャッタ21は、スラットSLを上下方向(図1の上下方向)に複数並べられて形成されている。スラットSLは、一対の縦支柱26の間において、左右方向に延びる板状に形成されている。スラットSLは、隣接する他のスラットSLに対して回動可能に係合されている。シャッタ21の上端部には、巻取体22が連結されている。
巻取体22は、一方向への回転に伴いシャッタ21を巻き上げ、逆方向への回転に伴いシャッタ21を巻き下ろすものである。巻取体22がシャッタ21を巻き上げることにより、シャッタ21が開方向(図1の上方)に駆動される。また、巻取体22がシャッタ21を巻き下ろすことにより、シャッタ21が閉方向(図1の下方)に駆動される。
シャッタ駆動部23は、巻取体22を回転させてシャッタ21を開方向または閉方向に駆動させるものである。シャッタ駆動部23は、回転駆動部23aおよびブレーキ部23bを備えている。
回転駆動部23aは、巻取体22の内部に配設され、巻取体22を回転させるものであり、例えば直流モータで構成されている。ブレーキ部23bは、回転駆動部23aに隣接して配設され、回転駆動部23aの回転駆動を規制するものである。
駆動量検出部24は、シャッタ21の駆動量を検出するものである。駆動量検出部24は、例えば、回転駆動部23aの回転量を検出可能なエンコーダで構成されている。
フレーム25は、シャッタ装置2の上部に配置され、巻取体22を回転可能に保持している。フレーム25は、巻取体22がシャッタ21を巻き上げたときに、シャッタ21を収納する。
一対の縦支柱26は、シャッタ21の左右方向両側方でフレーム25を支持するように配設され、シャッタ21を摺動可能に支持するものである。
シャッタ制御装置27は、シャッタ装置2を統括制御するものである。シャッタ制御装置27は、図2に示すように、シャッタ側受信部27a、シャッタ側送信部27b、シャッタ側記憶部27cおよびシャッタ制御部27dを備えている。
シャッタ側受信部27aは、各リモコン装置3からの第一送信信号を受信するものである。シャッタ側受信部27aは、受信した第一送信信号をシャッタ制御部27dに出力する。
第一送信信号は、リモコン識別子信号Sir、シャッタ駆動開始信号Sks、シャッタ駆動停止信号および動作モード信号を有している。
リモコン識別子信号Sirは、各リモコン装置3を識別するためのリモコン装置3の識別子であるリモコン識別子Idrを示す信号である。シャッタ駆動開始信号Sksは、開方向または閉方向の一方にシャッタ21の駆動を開始させる信号である。シャッタ駆動開始信号Sksは、開方向にシャッタ21の駆動を開始させるシャッタ開駆動開始信号および閉方向にシャッタ21の駆動を開始させるシャッタ閉駆動開始信号を有している。シャッタ駆動停止信号は、シャッタ21の駆動を停止させる信号である。
動作モード信号は、リモコン装置3およびシャッタ装置2の動作モードを示す信号である。動作モード信号は、関連付けモードを示す関連付けモード信号および通常モードを示す通常モード信号を有している。関連付けモードは、使用者が所望するリモコン装置3とシャッタ装置2との関連付けを行う動作モードである。例えば第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とが関連付けられた場合、通常モードにおいて、各シャッタ装置2のうち第一のシャッタ装置2のみが、各リモコン装置3のうち第一のリモコン装置3のみによって遠隔操作可能となる。すなわち、通常モードは、リモコン装置3と関連付けられたシャッタ装置2のみが、そのリモコン装置3によって遠隔操作される動作モードである。
また、第一送信信号は、関連シャッタ識別子信号をさらに有している。関連シャッタ識別子信号は、リモコン装置3に関連付けられたシャッタ装置2のシャッタ識別子Idsを示す信号である。シャッタ識別子Idsは、各シャッタ装置2を識別するためのシャッタ装置2の識別子である。
シャッタ側送信部27bは、各リモコン装置3に第二送信信号を送信するものである。シャッタ側送信部27bには、シャッタ制御部27dにて形成された第二送信信号が入力される。第二送信信号は、シャッタ装置2のシャッタ識別子Idsを示すシャッタ識別子信号Sisを有している。
シャッタ側記憶部27cは、識別子を少なくとも記憶するものである。シャッタ側記憶部27cには、シャッタ識別子Idsが1つ記憶されている。具体的には、第一のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cには、第一のシャッタ識別子Idsが記憶されている。同様に、第二のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cには、第二のシャッタ識別子Idsが記憶され、第三のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cには、第三のシャッタ識別子Idsが記憶されている。また、シャッタ側記憶部27cは、リモコン装置3が関連つけられている場合、その関連付けられたリモコン装置3のリモコン識別子Idrが記憶されている。
シャッタ制御部27dは、シャッタ側送信部27bを少なくとも制御するものである。シャッタ制御部27dは、信号取得部27d1、駆動制御部27d2、識別子判定部27d3、モード切替部27d4、駆動量判定部27d5、信号形成部27d6およびリモコン装置関連付け部27d7を有している。
信号取得部27d1は、シャッタ側受信部27aが受信した第一送信信号を取得するものである。信号取得部27d1は、取得したシャッタ駆動開始信号Sksおよびシャッタ駆動停止信号を駆動制御部27d2に出力する。信号取得部27d1は、取得したリモコン識別子信号Sirを識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7に出力する。信号取得部27d1は、取得した動作モード信号をモード切替部27d4に出力する。信号取得部27d1は、取得した関連シャッタ識別子信号を識別子判定部27d3に出力する。なお、通常モードにおいて、リモコン装置3からのシャッタ駆動開始信号Sksおよびシャッタ駆動停止信号は、リモコン識別子信号Sirおよび関連シャッタ識別子信号とともにシャッタ装置2に送信される。
駆動制御部27d2は、信号取得部27d1からのシャッタ駆動開始信号Sksおよびシャッタ駆動停止信号に応じてシャッタ駆動部23を制御するものである。駆動制御部27d2は、シャッタ開駆動開始信号に応じて、シャッタ駆動部23の回転駆動部23aを、シャッタ21が開方向に駆動するように回転制御する。駆動制御部27d2は、シャッタ閉駆動開始信号に応じて、シャッタ駆動部23の回転駆動部23aを、シャッタ21が閉方向に駆動するように回転制御する。また、駆動制御部27d2は、シャッタ駆動停止信号に応じて、シャッタ駆動部23のブレーキ部23bを、回転駆動部23aの回転を規制するように制御する。
識別子判定部27d3は、信号取得部27d1からのリモコン識別子信号Sirに示されたリモコン識別子Idrおよび関連シャッタ識別子信号に示されたシャッタ識別子Idsに基づいて、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を、動作モードに応じて規制するものである。具体的には、識別子判定部27d3は、リモコン識別子信号Sirに示されたリモコン識別子Idrと、シャッタ側記憶部27cに記憶されたリモコン識別子Idrとを比較する。さらに、識別子判定部27d3は、関連シャッタ識別子信号に示されたシャッタ識別子Idsと、シャッタ側記憶部27cに記憶されたシャッタ識別子Idsとを比較する。通常モードにおいて、リモコン装置3から、例えばシャッタ開駆動開始信号がリモコン識別子信号Sirおよび関連シャッタ識別子信号とともに送信されたとき、識別子判定部27d3において比較した識別子がそれぞれ一致する場合、識別子判定部27d3は、駆動制御部27d2によるシャッタ開駆動開始信号に応じたシャッタ駆動部23の制御を規制しない。一方、このときにおいて、リモコン識別子Idrおよびシャッタ識別子Idsの少なくとも一方が一致しない場合、識別子判定部27d3は、シャッタ開駆動開始信号に応じた駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制する。すなわち、この場合、駆動制御部27d2のシャッタ駆動部23へのシャッタ駆動開始信号Sksおよびシャッタ駆動停止信号の出力を規制する。このように、シャッタ装置2は、関連付けられたリモコン装置3による操作のみを許容する。
また、関連付けモードにおいては、識別子判定部27d3は、比較したリモコン識別子Idrおよびシャッタ識別子Idsがそれぞれ一致するか否かに関わらず、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制しない。
モード切替部27d4は、信号取得部27d1からの動作モード信号に応じて、識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7の動作モードを切替えるものである。具体的には、モード切替部27d4が出力する通常モード信号によって、識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7が通常モードに切替えられる。また、モード切替部27d4が出力する関連付けモード信号によって、識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7が関連付けモードに切替えられる。
駆動量判定部27d5は、駆動量検出部24によって検出されるシャッタ21の駆動量が、判定駆動量Dm以上であるか否かを判定するものである。駆動量判定部27d5は、その判定結果をリモコン装置関連付け部27d7に出力する。
信号形成部27d6は、シャッタ側記憶部27cに記憶されたシャッタ識別子Ids等を用いて第二送信信号を形成するものである。信号形成部27d6は、第二送信信号をシャッタ側送信部27bに出力する。
リモコン装置関連付け部27d7は、関連付けモードにおいて、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けるものである。リモコン装置関連付け部27d7は、信号取得部27d1からのリモコン識別子信号Sirに示されたリモコン識別子Idrをシャッタ側記憶部27cに記憶させることにより、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付ける。一方、リモコン装置関連付け部27d7は、通常モードにおいては、動作しない。リモコン装置3とシャッタ装置2とを関連付ける場合におけるリモコン装置3とシャッタ装置2の動作については、後述する。
リモコン装置3は、複数のシャッタ装置2のうち関連付けされたシャッタ装置2を無線にて遠隔操作するものである。リモコン装置3は、例えば赤外線リモコンである。リモコン装置3は、図3に示すように、開スイッチ31、閉スイッチ32、止スイッチ33およびリモコン制御装置34を備えている。開スイッチ31、閉スイッチ32、止スイッチ33は、例えば自己復帰型の押しスイッチによって構成されている。
リモコン制御装置34は、リモコン装置3を統括制御するものである。リモコン制御装置34は、リモコン側受信部34a、リモコン側送信部34b、リモコン側記憶部34cおよびリモコン制御部34dを備えている。
リモコン側受信部34aは、各シャッタ装置2からの第二送信信号(シャッタ識別子信号Sis)を受信するものである。リモコン側受信部34aは、各シャッタ装置2からの第二送信信号をリモコン制御部34dに出力する。
リモコン側送信部34bは、各シャッタ装置2に第一送信信号を送信するものである。リモコン側送信部34bには、リモコン制御部34dにて形成された第一送信信号が入力される。
リモコン側記憶部34cは、識別子を少なくとも記憶するものである。リモコン側記憶部34cには、各リモコン装置3を識別するためのリモコン識別子Idrが1つ記憶されている。具体的には、第一のリモコン装置3のリモコン側記憶部34cには、第一のリモコン識別子Idrが記憶されている。同様に、第二のリモコン装置3のリモコン側記憶部34cには、第二のリモコン識別子Idrが記憶され、第三のリモコン装置3のリモコン側記憶部34cには、第三のリモコン識別子Idrが記憶されている。また、リモコン側記憶部34cは、シャッタ装置2が関連つけられている場合、その関連付けられたシャッタ装置2のシャッタ識別子Idsが記憶されている。
リモコン制御部34dは、リモコン側送信部34bを少なくとも制御するものである。リモコン制御部34dは、スイッチ状態取得部34d1、信号形成部34d2、モード切替部34d3、信号取得部34d4およびシャッタ装置関連付け部34d5を備えている。
スイッチ状態取得部34d1は、各スイッチ31,32,33の状態を取得するものである。各スイッチ31,32,33の状態は、具体的には、開スイッチ31、閉スイッチ32または止スイッチ33がオンまたはオフされた状態である。スイッチ状態取得部34d1は、各スイッチ31,32,33の状態を信号形成部34d2に出力する。
信号形成部34d2は、スイッチ状態取得部34d1からの各スイッチ31,32,33の状態およびリモコン側記憶部34cに記憶されたリモコン識別子Idr等を用いて、第一送信信号を形成する。具体的には、スイッチ状態取得部34d1から開スイッチ31がオンされた状態が出力された場合、信号形成部34d2は、シャッタ開駆動開始信号を形成する。スイッチ状態取得部34d1から閉スイッチ32がオンされた状態が出力された場合、信号形成部34d2は、シャッタ閉駆動開始信号を形成する。スイッチ状態取得部34d1から止スイッチ33がオンされた状態が出力された場合、信号形成部34d2は、シャッタ駆動停止信号を形成する。さらに、スイッチ状態取得部34d1から止スイッチ33が例えば2秒間連続してオンされた状態が出力された場合、信号形成部34d2は、関連付けモード信号を形成する。関連付けモードが終了した場合、信号形成部34d2は、通常モード信号を形成する。また、信号形成部34d2は、リモコン側記憶部34cに記憶されたリモコン識別子Idrからリモコン識別子信号Sirを形成する。信号形成部34d2は、シャッタ装置2が関連付けられている場合、リモコン側記憶部34cに記憶されている関連付けられたシャッタ識別子Idsから関連シャッタ識別子信号を形成する。信号形成部34d2は、第一送信信号をリモコン側送信部34bに出力する。また、信号形成部34d2は、動作モード信号をモード切替部34d3に出力する。
モード切替部34d3は、信号形成部34d2からの動作モード信号に基づいて、シャッタ装置関連付け部34d5の動作モードを切替えるものである。具体的には、モード切替部34d3が出力する通常モード信号によって、シャッタ装置関連付け部34d5が通常モードに切替えられる。また、モード切替部34d3が出力する関連付けモード信号によって、シャッタ装置関連付け部34d5が関連付けモードに切替えられる。
信号取得部34d4は、リモコン側受信部34aからの第二送信信号を取得するものである。信号取得部34d4は、取得した第二送信信号のうちシャッタ識別子信号Sisをシャッタ装置関連付け部34d5に出力する。
シャッタ装置関連付け部34d5は、関連付けモードにおいて、シャッタ装置2をリモコン装置3に関連付けるものである。シャッタ装置関連付け部34d5は、信号取得部34d4からのシャッタ識別子信号Sisに示されたシャッタ識別子Idsをリモコン側記憶部34cに記憶させることにより、シャッタ装置2をリモコン装置3に関連付ける。一方、シャッタ装置関連付け部34d5は、通常モードにおいては、動作しない。
次に、通常モードにおいて、第一のリモコン装置3が操作されることにより、第一のシャッタ装置2が開口部Aを閉状態から開状態とする動作について、第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とが関連付けられている場合について説明する。第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とが関連付けられているため、リモコン側記憶部34cには、関連付けられている第一のシャッタ装置2の第一のシャッタ識別子Idsが記憶されている。さらに、シャッタ側記憶部27cには、関連付けられている第一のリモコン装置3の第一のリモコン識別子Idrが記憶されている。なお、上述したように、リモコン側記憶部34cには、第一のリモコン識別子Idrが記憶され、シャッタ側記憶部27cには、第一のシャッタ識別子Idsが記憶されている。
使用者が閉状態である開口部Aを開状態とするために、第一のリモコン装置3の開スイッチ31がオンされる。開スイッチ31のオン状態がスイッチ状態取得部34d1によって信号形成部34d2に出力されて、信号形成部34d2がシャッタ開駆動開始信号を形成する。また、このとき、信号形成部34d2は、シャッタ側記憶部27cに記憶されている第一のリモコン識別子Idrおよび第一のシャッタ識別子Idsを用いてリモコン識別子信号Sirおよび関連シャッタ識別子信号をそれぞれ形成する。そして、リモコン側送信部34bは、信号形成部34d2からのシャッタ開駆動開始信号とともにリモコン識別子信号Sirおよび関連シャッタ識別子信号を、シャッタ装置2に送信する。
シャッタ開駆動開始信号、リモコン識別子信号Sirおよび関連シャッタ識別子信号は、第一のシャッタ装置2のシャッタ側受信部27aによって受信されて信号取得部27d1に取得される。信号取得部27d1は、シャッタ開駆動開始信号を駆動制御部27d2に出力し、リモコン識別子信号Sirを識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7に出力し、関連シャッタ識別子信号を識別子判定部27d3に出力する。
リモコン識別子信号Sirに示された第一のリモコン識別子Idrとシャッタ側記憶部27cに記憶されている関連付けられた第一のリモコン識別子Idrが一致するとともに、関連シャッタ識別信号に示された第一のシャッタ識別子Idsとシャッタ側記憶部27cに記憶されている第一のシャッタ識別子Idsが一致する。これにより、識別子判定部27d3が、駆動制御部27d2のシャッタ駆動部23へのシャッタ開駆動開始信号の出力を規制しないため、駆動制御部27d2は、シャッタ開駆動開始信号に応じてシャッタ駆動部23を、巻取体22によってシャッタ21が巻き上げられるように回転制御する。これにより、シャッタ21が開方向に駆動され、開口部Aが開状態となる。
なお、第二,第三のシャッタ装置2についても、第一のリモコン装置3からの第一送信信号を受信する。第一のリモコン装置3以外のリモコン装置3と第二,第三のシャッタ装置2とが関連付けされている場合、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cには、第一のリモコン識別子Idr以外のリモコン識別子Idrが記憶されている。よって、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cに記憶されているリモコン識別子Idrと第一のリモコン装置3からのリモコン識別子信号Sirの示す第一のリモコン識別子Idrとが一致しない。さらに、この場合、関連シャッタ識別子信号に示された第一のシャッタ識別子Idsと第二,第三のシャッタ装置2の第二,第三のシャッタ識別子Idsとが一致しない。よって、第二,第三のシャッタ装置2においては、識別子判定部27d3によってシャッタ21の駆動が規制される。このように、リモコン装置3は、関連付けられたシャッタ装置2のみを遠隔操作する。
次に、この場合において、使用者が第一のシャッタ装置2と関連付けられていない第二のリモコン装置3の開スイッチ31をオンしたときについて説明する。第二のリモコン装置3の信号形成部34d2によって形成されるリモコン識別子信号Sirは、第二のリモコン識別子Idrを示しているため、第一のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cに記憶されている関連付けられた第一のリモコン識別子Idrと一致しない。よって、識別子判定部27d3は、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制する。このように、リモコン装置3は、そのリモコン装置3と関連付けられていないシャッタ装置2を遠隔操作することができない。
次に、関連付けモードにおいて、第一のリモコン装置3と第一のシャッタ装置2とを関連付ける制御について説明する。はじめに、通常モードから関連付けモードに切り替えられるときの制御について説明する。第一のリモコン装置3において、例えば、止スイッチ33を2秒間連続してオンされた状態をスイッチ状態取得部34d1が取得した場合、各シャッタ装置2のシャッタ制御部27dにおいて関連付けモードが開始される。信号形成部34d2は、関連付けモード信号を形成してモード切替部34d3およびリモコン側送信部34bに出力する。モード切替部34d3は、シャッタ装置関連付け部34d5を通常モードから関連付けモードに切り替える。一方、リモコン側送信部34bによって送信された関連付けモード信号が、各シャッタ装置2のシャッタ側受信部27aを介して信号取得部27d1に取得された場合、各シャッタ装置2において関連付けモードが開始される。モード切替部27d4は、信号取得部27d1からの関連付けモード信号に基づいて、識別子判定部27d3およびリモコン装置関連付け部27d7を通常モードから関連付けモードに切り替える。
次に、関連付けモードにおいて、第一のシャッタ装置2を第一のリモコン装置3に関連付ける制御について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、使用者は、関連付けを行う前に(例えば関連付けモードが開始される前に)、各シャッタ装置2のうち第一のシャッタ装置2のシャッタ21のみを、開口部Aを開状態とした状態から手動にて、閉方向に判定駆動量Dm(例えば、シャッタ駆動部23の3回転分)以上駆動する。さらにこのとき、使用者は、第二のシャッタ装置2および第三のシャッタ装置2のシャッタ21を、開口部Aを開状態とするように駆動する。そして、使用者は、第一のリモコン装置3を関連付けモードにする。
第一のリモコン装置3にて関連付けモードが開始された場合、リモコン制御部34dは、ステップS102にてリモコン識別子信号Sirとともにシャッタ駆動開始信号Sksを形成して送信する(信号形成部34d2、リモコン側送信部34b)。この場合におけるリモコン識別子信号Sirは、第一のリモコン識別子Idrを示している。また、本実施形態において、シャッタ駆動開始信号Sksは、シャッタ開駆動開始信号である。
リモコン制御部34dは、ステップS104にて、第一判定時間Td1内に、シャッタ装置2からのシャッタ識別子信号Sisを受信したか否かを判定する。第一判定時間Td1は、各シャッタ制御部27dが後述する図5に示すフローチャートの全部を実行する時間より長い時間(例えば1分)に設定されている。リモコン制御部34dは、具体的には、第一判定時間Td1内に、信号取得部34d4がシャッタ識別子信号Sisを取得したか否かを判定する。後述するように、シャッタ制御部27dのリモコン装置関連付け部27d7がリモコン装置3をシャッタ装置2に関連づけた場合、シャッタ装置2からシャッタ識別子信号Sisが送信される。
第一判定時間Td1内にシャッタ装置2からのシャッタ識別子信号Sisが受信されない場合、リモコン制御部34dは、ステップS104にて「NO」と判定し、プログラムを終了する。一方、第一判定時間Td1内にシャッタ装置2からのシャッタ識別子信号Sisが受信された場合、リモコン制御部34dは、ステップS104にて「YES」と判定し、プログラムをステップS106に進める。
リモコン制御部34dは、ステップS106にて、シャッタ識別子Idsをリモコン側記憶部34cに記憶する(シャッタ装置関連付け部34d5)。具体的には、ステップS104にてリモコン側受信部34aにて受信されたシャッタ識別子信号Sisは、信号取得部34d4に取得されてシャッタ装置関連付け部34d5に出力される。シャッタ装置関連付け部34d5は、関連付けモードであるため、信号取得部34d4からのシャッタ識別子信号Sisに示された第一のシャッタ識別子Idsをリモコン側記憶部34cに記憶する。これにより、第一のシャッタ装置2が第一のリモコン装置3に関連付けられ、プログラムが終了する。
次に、関連付けモードにおいて、第一のリモコン装置3を第一のシャッタ装置2に関連付ける制御について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。このプログラムは、各シャッタ装置2のシャッタ制御部27dにて実行される。はじめに、第一のシャッタ装置2のシャッタ制御部27dの動作について説明する。
関連付けモードが開始された場合、シャッタ制御部27dは、ステップS202にて、第二判定時間Td2内にリモコン装置3からのリモコン識別子信号Sirとともにシャッタ駆動開始信号Sksを受信したか否かを判定する。第二判定時間Td2は、リモコン装置3が、関連モードを開始してから上述した図4に示すフローチャートのステップS102を実行するまでの時間より長い時間(例えば15秒)に設定されている。このリモコン識別子信号Sirおよびシャッタ駆動開始信号Sksは、上述した図4に示すフローチャートのステップS102においてリモコン側送信部34bが送信するものである。シャッタ制御部27dは、具体的には、シャッタ制御部27dは、信号取得部27d1がシャッタ識別子信号Sisとともにシャッタ駆動開始信号Sksを取得したか否かを判定する。
第二判定時間Td2内にリモコン装置3からのリモコン識別子信号Sirとともにシャッタ駆動開始信号Sksが受信されない場合、シャッタ制御部27dは、ステップS202にて「NO」と判定し、プログラムを終了する。一方、第二判定時間Td2内にリモコン装置3からのリモコン識別子信号Sirとともにシャッタ駆動開始信号Sksが受信された場合、シャッタ制御部27dは、ステップS202にて「YES」と判定し、プログラムをステップS204に進める。シャッタ制御部27dは、ステップS204にて、シャッタ駆動開始信号Sksに応じてシャッタ駆動部23によってシャッタ21の駆動を開始する(駆動制御部27d2)。関連モードにおいては、識別子判定部27d3は、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制しない。シャッタ駆動開始信号Sksは、上述したようにシャッタ開駆動開始信号であるため、シャッタ駆動部23は、開方向にシャッタ21の駆動を開始する。
そして、シャッタ制御部27dは、ステップS206にて、シャッタ21が判定駆動量Dm以上駆動したか否かを判定する。具体的には、シャッタ制御部27dは、駆動量検出部24によって検出されたシャッタ21の駆動量が判定駆動量Dm以上であるか否かを判定する(駆動量判定部27d5)。上述したように、関連付けモードが開始される前に、使用者が第一のシャッタ装置2のシャッタ21を閉方向に判定駆動量Dm以上駆動させた状態としたため、シャッタ21が開方向に判定駆動量Dm以上駆動する。よって、シャッタ制御部27dは、ステップS206にて「YES」と判定しプログラムをステップS208に進める。
シャッタ制御部27dは、ステップS208にて、リモコン識別子Idrをシャッタ側記憶部27cに記憶する(リモコン装置関連付け部27d7)。具体的には、シャッタ側受信部27aにて受信されたリモコン識別子信号Sirは、信号取得部27d1に取得されてリモコン装置関連付け部27d7に出力される。リモコン装置関連付け部27d7は、関連付けモードであるため、信号取得部27d1からのリモコン識別子信号Sirに示された第一のリモコン識別子Idrをシャッタ側記憶部27cに記憶する。これにより、第一のリモコン装置3が第一のシャッタ装置2に関連付けられる。
シャッタ制御部27dは、ステップS210にて、シャッタ識別子信号Sisをリモコン装置3に送信する。このシャッタ識別子信号Sisには、第一のシャッタ識別子Idsが示されている。そして、プログラムが終了する。
また、第二,第三のシャッタ装置2においては、上述したように、開口部Aを開状態としているため、リモコン装置3からのシャッタ開駆動信号によってもシャッタ21が判定駆動量Dm以上駆動しない。よって、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ制御部27dは、ステップS206にて「NO」と判定し、プログラムをステップS212に進める。シャッタ制御部27dは、ステップS212にて、リモコン識別子Idrを破棄(消去)する。すなわち、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ制御部27dは、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けせずに、プログラムを終了する。
また、仮に、関連付けモードが開始される前において、各シャッタ装置2のシャッタ21が各開口部Aを開状態としている場合、各シャッタ装置2のシャッタ21が判定駆動量Dm以上駆動しない。この場合、上述したように、各シャッタ装置2のシャッタ制御部27dは、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けせずに、プログラムが終了する。
プログラムが終了した場合、リモコン装置3のリモコン制御部34dは、関連付けモードを終了させる。具体的には、リモコン制御部34dは、通常モード信号をモード切替部34d3およびリモコン側送信部34bに出力する(信号形成部34d2)。モード切替部34d3からの通常モード信号によって、シャッタ装置関連付け部34d5が通常モードに切替えられる。また、リモコン側送信部34bによって送信された通常モード信号は、各シャッタ装置2のシャッタ制御装置27のシャッタ側受信部27aに受信され、信号取得部27d1を介してモード切替部27d4に出力される。リモコン装置関連付け部27d7は、モード切替部27d4からの通常モード信号によって通常モードに切替えられる。
なお、関連モードにおける関連付けの制御について、第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とが関連付けられる場合について説明したが、シャッタ装置2とリモコン装置3とが他の組み合わせにて関連付けられる場合についても同様に、上述した関連付けの制御が行われる。
本第一実施形態によれば、シャッタ装置システム1は、シャッタ21を駆動させることにより開口部Aを開状態または閉状態とする複数のシャッタ装置2と、複数のシャッタ装置2のうち関連付けが行われたシャッタ装置2を遠隔操作するリモコン装置3と、を備えている。各シャッタ装置2は、各シャッタ21を開方向または閉方向に駆動させるシャッタ駆動部23と、各シャッタ21の駆動量を検出する駆動量検出部24と、リモコン装置3からの第一送信信号を受信するシャッタ側受信部27aと、少なくともシャッタ駆動部23を制御するシャッタ制御部27dと、を有している。リモコン装置3は、各シャッタ装置2に第一送信信号を送信するリモコン側送信部34bを有している。第一送信信号は、リモコン装置3の識別子であるリモコン識別子Idrを示すリモコン識別子信号Sirと、開方向に各シャッタ21の駆動を開始させるシャッタ開駆動開始信号と、を有している。各シャッタ制御部27dは、リモコン装置3とシャッタ装置2との関連付けを行う関連付けモードにおいて、シャッタ側受信部27aがリモコン識別子信号Sirとともにシャッタ開駆動開始信号を受信したとき、シャッタ開駆動開始信号に応じてシャッタ駆動部23によってシャッタ21の駆動を開始させるとともに、駆動量検出部24によって検出されたシャッタ21の駆動量が判定駆動量Dm以上である場合、識別子を記憶するシャッタ側記憶部27cにシャッタ開駆動開始信号とともに送信されたリモコン識別子信号Sirに示されたリモコン識別子Idrを記憶させることにより、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けるリモコン装置関連付け部27d7を有している。
これによれば、シャッタ装置2のリモコン装置関連付け部27d7は、関連付けモードにおいて、シャッタ開駆動開始信号に応じてシャッタ21が判定駆動量Dm以上駆動した場合、リモコン装置3の関連付けを行う。よって、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けるための前準備として、使用者は、関連付けを所望するシャッタ装置2のシャッタ21のみを判定駆動量Dm以上駆動できる状態にすることにより、リモコン装置3をシャッタ装置2に比較的簡便に関連付けることができる。
また、関連付けモードにおいてシャッタ開駆動開始信号に応じて使用者が所望するシャッタ装置2のみが駆動するため、従来技術のように複数のシャッタ装置2がランダムに駆動する場合に比べて短い時間にて関連付けを行うことができる。さらに、使用者が、シャッタ装置2をリモコン装置3に関連付ける前に、所望するシャッタ装置2のシャッタ21を手動にて操作するため、使用者が所望するシャッタ装置2の位置を確実に認識する。よって、使用者は、所望するシャッタ装置2の駆動状態の視覚的または聴覚的な確認を確実に行うことができる。
また、各シャッタ装置2は、リモコン装置3に第二送信信号を送信するシャッタ側送信部27bをさらに有している。第二送信信号は、シャッタ装置2の識別子であるシャッタ識別子Idsを示すシャッタ識別子信号Sisを有している。各シャッタ制御部27dは、関連付けモードにおいて、リモコン装置関連付け部27d7がリモコン装置3をシャッタ装置2に関連付けた場合、シャッタ識別子信号Sisを、リモコン装置3に送信するようにシャッタ側送信部27bを制御する。リモコン装置3は、シャッタ装置2からの第二送信信号を受信するリモコン側受信部34aと、リモコン側送信部34bを少なくとも制御するリモコン制御部34dと、をさらに有している。リモコン制御部34dは、関連付けモードにおいて、リモコン側受信部34aがシャッタ識別子信号Sisを受信した場合、識別子を記憶するリモコン側記憶部34cにシャッタ識別子信号Sisに示されたシャッタ識別子Idsを記憶させることにより、シャッタ装置2をリモコン装置3に関連付けるシャッタ装置関連付け部34d5をさらに有している。
これによれば、関連付けモードにおいて、リモコン装置3をシャッタ装置2に比較的簡便に関連付けることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明によるシャッタ装置システム1の第二実施形態について、主として第一のシャッタ装置2および第一のリモコン装置3について、上述した第一実施形態と異なる点について説明する。上述した第一実施形態において、関連付けモードにおいて第一のシャッタ装置2のシャッタ21が判定駆動量Dm以上駆動するように、使用者が手動によってシャッタ21を駆動しているが、本第二実施形態においては、使用者がリモコン装置3を操作してシャッタ21を駆動する。
本第二実施形態の各シャッタ装置2のシャッタ制御部27dは、上述した第一実施形態のシャッタ制御部27dに対して、電波強度測定部127d8をさらに有している(図6参照)。本第二実施形態の各リモコン装置3のリモコン制御部34dは、上述した第一実施形態のリモコン制御部34dに対して、シャッタ選択部134d6をさらに有している(図7参照)。本第二実施形態の第一送信信号は、上述した第一実施形態の第一送信信号に対して、選択シャッタ識別子信号をさらに有している。本第二実施形態の第二送信信号は、上述した第一実施形態の第二送信信号に対して、電波強度測定信号Sfdをさらに有している。
電波強度測定部127d8は、リモコン装置3からの第一送信信号の電波強度Fdを測定するものである。具体的には、電波強度測定部127d8は、信号取得部27d1からの第一送信信号の電波強度Fdを測定し、その測定結果を信号形成部27d6に出力する。信号形成部27d6は、電波強度測定部127d8からの測定結果を示す信号である電波強度測定信号Sfdを形成し、シャッタ識別子信号Sisとともにシャッタ側送信部27bに出力する。
シャッタ選択部134d6は、リモコン側受信部34aが各シャッタ装置2の電波強度測定信号Sfdとともにシャッタ識別子信号Sisを受信した場合、各電波強度測定信号Sfdのうち所定の測定結果を示す電波強度測定信号Sfdとともに送信されたシャッタ識別子信号Sisに示されたシャッタ識別子Idsを選択するものである。所定の測定結果は、本実施形態においては、最も強い電波強度Fdを示す測定結果である。シャッタ選択部134d6は、選択したシャッタ識別子Idsを信号形成部34d2に出力する。信号形成部34d2は、シャッタ選択部134d6からのシャッタ識別子Idsを示すシャッタ識別子信号Sisである選択シャッタ識別子信号を形成し、リモコン側送信部34bに出力する。
また、上述した第一実施形態における識別子判定部27d3は、関連モードにおいて、各信号の識別子がシャッタ側記憶部27cに記憶された識別子と一致しているか否かに関わらず、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制しない。これに対し、本第二実施形態における識別子判定部27d3は、関連付けモードおよび通常モードにおいて、選択シャッタ識別子信号に示されたシャッタ識別子Idsとシャッタ側記憶部27cに記憶されているシャッタ識別子Idsとが一致していない場合のみ、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御を規制する。
また、第一送信信号は、第一駆動信号Sk1および第二駆動信号Sk2をさらに備えている。
第一駆動信号Sk1は、シャッタ選択部134d6によって選択されたシャッタ識別子Idsに相当するシャッタ装置2のシャッタ21のみが閉方向に判定駆動量Dmより大きい第一駆動量D1駆動するものである。具体的には、第一駆動信号Sk1は、選択シャッタ識別子信号およびシャッタ所定駆動信号によって構成されている。シャッタ所定駆動信号は、シャッタ21を閉方向に第一所定時間(例えば5秒)駆動させる信号である。第一所定時間は、シャッタ21が第一駆動量D1駆動する時間に設定されている。
第二駆動信号Sk2は、各シャッタ装置2のシャッタ21を開方向に駆動させて開口部Aを開状態とするものである。第二駆動信号Sk2は、シャッタ21を開方向に第二所定時間(例えば20秒)駆動させる信号である。第二所定時間は、シャッタ21が開方向に駆動して開口部Aを開状態にする時間に設定されている。
次に、関連付けモードにおいて、第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とを関連付ける制御について説明する。本第二実施形態においては、リモコン制御部34dは、上述した図4に示すフローチャートに代えて、図8に示すフローチャートを実行する。この場合、使用者は、第一のリモコン装置3のリモコン側送信部34bを、各シャッタ装置2のうち第一のシャッタ装置2のシャッタ側受信部27aに最も近づけた状態にて、第一のリモコン装置3にて関連付けモードを開始する。
関連付けモードが開始された場合、リモコン制御部34dは、ステップS302にて、第二駆動信号Sk2を各シャッタ装置2に送信する。第二駆動信号Sk2は、選択シャッタ識別子信号を有していないため、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御が識別子判定部27d3によって規制されない。よって、各シャッタ装置2の各シャッタ21が開方向に第二所定時間駆動して、各開口部Aが開状態となる。
リモコン制御部34dは、ステップS304にて、第三判定時間Td3内に電波強度測定信号Sfdとともにシャッタ識別子信号Sisを受信したか否かを判定する。第三判定時間Td3は、シャッタ制御部27dが、後述する図9に示すフローチャートのステップS402〜S408を実行する時間より長い時間(例えば1分)に設定されている。この電波強度測定信号Sfdおよびシャッタ識別子信号Sisは、後述する図9に示すフローチャートのステップS408にてシャッタ制御装置27が送信するものである。第三判定時間Td3内に電波強度測定信号Sfdとともにシャッタ識別子信号Sisが受信されない場合、リモコン制御部34dは、ステップS304にて「NO」と判定し、プログラムを終了する。一方、第三判定時間Td3内に電波強度測定信号Sfdとともにシャッタ識別子信号Sisが受信された場合、ステップS304にて「YES」と判定し、プログラムをステップS306に進める。
リモコン制御部34dは、ステップS306にて、第四判定時間Td4(例えば5秒)が経過したか否かを判定する。第四判定時間Td4が経過していない場合、リモコン制御部34dは、ステップS306にて「NO」と判定する。そして、リモコン制御部34dは、第四判定時間Td4が経過するまでステップS306を繰り返し実行する。この第四判定時間Td4にて、リモコン制御部34dは、リモコン装置3と双方向通信可能な各シャッタ装置2の各電波強度測定信号Sfdおよび各シャッタ識別子信号Sisを受信することができる。第四判定時間Td4が経過した場合、リモコン制御部34dは、ステップS306にて「YES」と判定し、プログラムをステップS308に進める。
リモコン制御部34dは、ステップS308にて、各電波強度測定信号Sfdのうち最も強い電波強度Fdに相当する測定結果を示す電波強度測定信号Sfdとともに送信されたシャッタ識別子信号Sisに示されたシャッタ識別子Idsを選択する(シャッタ選択部134d6)。電波強度Fdは、一般的にシャッタ側受信部27aとリモコン側送信部34bとの距離に反比例する。上述したように、関連付けモードが開始される前に、第一のリモコン装置3のリモコン側送信部34bと、各シャッタ装置2のうち第一のシャッタ装置2のシャッタ側受信部27aとをもっとも近づけたため、第一のシャッタ装置2からの電波強度測定信号Sfdが最も強い電波強度Fdに相当する測定結果を示す。よって、シャッタ選択部134d6は、第一のシャッタ装置2の第一のシャッタ識別子Idsを選択する。
リモコン制御部34dは、ステップS310にて、第一駆動信号Sk1を送信する。第一駆動信号Sk1は、具体的には、シャッタ所定駆動信号および第一のシャッタ識別子Idsを示す選択シャッタ識別子信号である。そして、リモコン制御部34dは、ステップS312にて第五判定時間Td5が経過したか否かを確認する。第五判定時間Td5は、第一所定時間より長い時間(例えば10秒)である。リモコン制御部34dは、第五判定時間Td5が経過していない場合、ステップS312にて「NO」と判定し、ステップS312を繰り返し実行する。一方、リモコン制御部34dは、第五判定時間Td5が経過した場合、ステップS312にて「YES」と判定し、プログラムをステップS102に進める。これ以降は、上述した第一実施形態におけるステップS102〜ステップS106を実行する(図8においてステップS104,S106の図示は省略されている。)。
また、本第二実施形態においては、シャッタ制御部27dは、上述した図5に示すフローチャートに代えて、図9に示すフローチャートを実行する。以下、第一のシャッタ装置2と第一のリモコン装置3とが関連付けられる場合において、主として第一のシャッタ装置2の動作について説明する。
関連付けモードが開始された場合、シャッタ制御部27dは、ステップS402にて、第六判定時間Td6内に第二駆動信号Sk2を受信したか否かを判定する。第六判定時間Td6は、リモコン制御部34dが、上述した図8に示すフローチャートにおいて関連付けモードが開始されてからステップS302を実行するまで時間より長い時間(例えば15秒)に設定されている。この第二駆動信号Sk2は、図8に示すフローチャートのステップS302にてリモコン制御装置34が送信するものである。第六判定時間Td6内に第二駆動信号Sk2が受信されない場合、シャッタ制御部27dは、ステップS402にて「NO」と判定し、プログラムを終了する。一方、第六判定時間Td6内に第二駆動信号Sk2が受信された場合、シャッタ制御部27dは、ステップS402にて「YES」と判定し、プログラムをステップS404に進める。
シャッタ制御部27dは、ステップS404にて、シャッタ21を開方向に駆動して開口部Aを開状態とする。具体的には、シャッタ制御部27dは、第二駆動信号Sk2に応じてシャッタ21を第二所定時間駆動するように制御する(駆動制御部27d2)。なお、第二駆動信号Sk2は、選択シャッタ識別子信号を有していないため、識別子判定部27d3によってシャッタ識別子Idsの比較がされない。この場合、駆動制御部27d2によるシャッタ駆動部23の制御が規制されない。
シャッタ制御部27dは、ステップS406にて、第二駆動信号Sk2の電波強度Fdを測定する(電波強度測定部127d8)。また、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ制御部27dにおいも同様に、第一のリモコン装置3からの第二駆動信号Sk2の電波強度Fdが測定される。この場合、上述したように、第一のシャッタ装置2の測定結果が最も強い電波信号を示している。そして、シャッタ制御部27dは、ステップS408にて、電波強度測定信号Sfdをシャッタ識別子信号Sisとともに送信する。
シャッタ制御部27dは、ステップS410にて、第七判定時間Td7内に第一駆動信号Sk1を受信したか否かを判定する。第七判定時間Td7は、リモコン制御部34dが、上述した図8に示すフローチャートのステップS304〜S310を実行する時間より長い時間(例えば15秒)に設定されている。この第一駆動信号Sk1は、図8に示すフローチャートのステップS310にてリモコン制御装置34が送信するものである。第七判定時間Td7内に第一駆動信号Sk1が受信されない場合、シャッタ制御部27dは、ステップS410にて「NO」と判定してプログラムを終了する。一方、第七判定時間Td7内に第一駆動信号Sk1が受信された場合、シャッタ制御部27dは、ステップS410にて「YES」と判定してプログラムをステップS412に進める。
シャッタ制御部27dは、ステップS412にて、シャッタ識別子Idsが一致するか否かを確認する(識別子判定部27d3)。具体的には、シャッタ制御部27dは、第一駆動信号Sk1の選択シャッタ識別子信号に示されたシャッタ識別子Idsとシャッタ側記憶部27cに記憶されているシャッタ識別子Idsとが一致しているか否かを確認する。この場合、両シャッタ識別子Idsは、第一のシャッタ識別子Idsであるため一致する。よって、シャッタ制御部27dは、ステップS412にて「YES」と判定し、ステップS414にて、駆動制御部27d2のシャッタ所定駆動信号に基づいてシャッタ21を閉方向に第一駆動量D1駆動する(駆動制御部27d2)。具体的には、シャッタ制御部27dは、シャッタ21が閉方向に第一所定時間駆動するようにシャッタ駆動部23を回転制御する(駆動制御部27d2)。これ以降は、上述したステップS202〜S212を実行する(図9において、ステップS204〜S212の図示は省略されている。)。
なお、第二のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cに第二のシャッタ識別子Idsが、第三のシャッタ装置2のシャッタ側記憶部27cに第三のシャッタ識別子Idsが記憶されているため、選択シャッタ識別子信号に示された第一のシャッタ識別子Idsと一致しない。よって、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ制御部27dは、ステップS412にて「NO」と判定し、プログラムをステップS202に進める。すなわち、第二,第三のシャッタ装置2のシャッタ21は第一駆動量D1駆動されない。よって、第二,第三のシャッタ装置2が取り付けられた開口部Aが開状態のままであるため、図9に示すフローチャートにおけるステップS202の時点においては、各シャッタ装置2のうち第一のシャッタ装置2のシャッタ21のみが閉方向に第一駆動量D1駆動された状態となっている。
本第二実施形態によれば、各シャッタ制御部27dは、リモコン装置3からの第一送信信号の電波強度Fdの測定を行う電波強度測定部127d8を有している。第二送信信号は、電波強度測定部127d8の測定結果を示す電波強度測定信号Sfdをさらに有している。リモコン制御部34dは、リモコン側受信部34aが各シャッタ装置2の電波強度測定信号Sfdとともにシャッタ識別子信号Sisを受信した場合、各電波強度測定信号Sfdのうち所定の測定結果を示す電波強度測定信号Sfdとともに送信されたシャッタ識別子信号Sisに示されたシャッタ識別子Idsを選択するシャッタ選択部134d6を有し、かつ、リモコン装置関連付け部27d7がリモコン装置3をシャッタ装置2に関連付ける前に、シャッタ選択部134d6によって選択されたシャッタ識別子Idsに相当するシャッタ装置2のシャッタ21のみが閉方向に判定駆動量Dmより大きい第一駆動量D1駆動する第一送信信号である第一駆動信号Sk1を、各シャッタ装置2に送信するようにリモコン側送信部34bを制御する。
これによれば、シャッタ装置2をリモコン装置3に関連付ける前に、シャッタ選択部134d6によって選択された最も強い電波強度Fdを示す測定結果に相当するシャッタ装置2のシャッタ21が、第一駆動信号Sk1によって閉方向に第一駆動量D1駆動する。よって、使用者は、関連付けを所望するシャッタ装置2と最も強い電波強度Fdを示す測定結果に相当するシャッタ装置2とを一致させることにより、関連付けを所望するシャッタ装置2を関連付けモードにおけるシャッタ開駆動開始信号によって開方向に判定駆動量Dm以上駆動できる状態にすることができる。具体的には、電波強度Fdは、一般的にシャッタ側受信部27aとリモコン側送信部34bとの距離に反比例するため、使用者は、関連付けを所望するシャッタ装置2のシャッタ側受信部27aにリモコン側送信部34bを近づけることにより、関連付けを所望するシャッタ装置2を、最も強い電波強度Fdを示す測定結果に相当するシャッタ装置2に一致させることができる。このように、使用者は、リモコン装置3をシャッタ装置2に関連付ける前準備を、リモコン装置3の操作のみによって比較的簡便に行うことができる。
リモコン制御部34dは、第一駆動信号Sk1をリモコン側送信部34bによって各シャッタ装置2に送信する前に、各シャッタ装置2のシャッタ21を開方向に駆動させて開口部Aを開状態する第一送信信号である第二駆動信号Sk2を、各シャッタ装置2に送信するようにリモコン側送信部34bを制御する。
これによれば、第二駆動信号Sk2によって各開口部Aが開状態となった状態にて、第一駆動信号Sk1によって使用者が関連付けを所望するシャッタ装置2のシャッタ21のみが閉方向に第一駆動量D1駆動される。よって、関連付けモードにおいて、使用者が所望するシャッタ装置2のシャッタ21のみを、シャッタ開駆動開始信号によって、開方向に判定駆動量Dm以上確実に駆動させることができる。
なお、上述した各実施形態において、シャッタ装置システムの一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、シャッタ装置システム1は、リモコン装置3を複数備えているが、これに代えて、シャッタ装置システム1がリモコン装置3を一つのみ備えるようにしても良い。この場合、リモコン側記憶部34cがリモコン識別子Idrを複数記憶するとともに、リモコン装置3がリモコン識別子切替スイッチにより、複数のリモコン識別子Idrを切り替えるようにしても良い。リモコン識別子切替スイッチは、例えば、スイッチの位置を複数切り替えることができるスライドスイッチによって構成されている。そして、使用者は、関連付けを所望するリモコン識別子Idr(スイッチの位置)とシャッタ装置2とを関連付ける。
また、上述した各実施形態において、関連付けモードが開始された場合、リモコン制御部34dは、ステップS102にてシャッタ開駆動開始信号を形成して送信するが、これに代えて、シャッタ閉駆動信号を形成するようにしても良い。この場合、使用者は、関連付けモードを開始する前に、関連付けを所望するシャッタ装置2のシャッタ21を、開口部Aを閉状態とする状態から開方向に判定駆動量Dm以上駆動させた状態とするとともに、他のシャッタ装置2のシャッタ21を、開口部Aを閉状態とする状態にすると良い。さらに、この場合、第二実施形態における第一駆動信号Sk1のシャッタ所定駆動信号によって、シャッタ21が開方向に駆動するとともに、第二駆動信号Sk2によって、シャッタ21が開口部Aを閉状態とするように駆動すると良い。
また、上述した第一実施形態において、シャッタ装置2とリモコン装置3とが双方向通信が可能となっているが、これに代えて、リモコン装置3からシャッタ装置2への単方向通信のみが可能とするようにしても良い。この場合、リモコン装置3とシャッタ装置2との関連付けは、シャッタ装置2がリモコン装置3を関連付けることのみにより行われる。すなわち、この場合、リモコン装置3は、シャッタ装置2を関連付けない。また、この場合、リモコン装置3は、リモコン側受信部34a、モード切替部34d3、信号取得部34d4およびシャッタ装置関連付け部34d5を備えていない。さらに、リモコン制御部34dは、通常モードにおいて関連シャッタ識別子信号を送信しない。リモコン側記憶部34cには、リモコン識別子Idrのみ記憶されている。また、シャッタ装置2は、シャッタ側送信部27bおよび信号形成部27d6を備えていない。さらに、識別子判定部27d3は、通常モードにおいて、リモコン装置3からのリモコン識別子信号Sirに示されたリモコン識別子Idrと、シャッタ側記憶部27cに記憶されている関連付けられたリモコン装置3のリモコン識別子Idrとの比較のみを行う。
また、この場合、関連付けモードにおいては、リモコン制御部34dは、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS102のみ実行する。また、シャッタ制御部27dは、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS202〜S208およびS212を実行する(ステップS210は実行されない)。
これによれば、本変形例は、第一実施形態に比べて、シャッタ側送信部27b等を備えていないため、部品点数を少なくすることができる。よって、シャッタ装置システム1の低コスト化を図ることができる。
また、上述した第二実施形態において、所定の電波強度Fdは、最も強い電波強度Fdであるが、これに代えて、例えば最も弱い電波強度Fdとしても良い。この場合、使用者は、各シャッタ装置2のうち関連付けを所望するシャッタ装置2と最も離れた状態にて、関連付けモードを開始する
また、上述した第二実施形態において、電波強度測定部127d8は、第二駆動信号Sk2の電波強度Fdを測定しているが、これに代えて、他の信号の電波強度Fdを測定するようにしても良い。例えば、上述した図8のフローチャートにおけるステップS302とステップS304との間にて、リモコン制御装置34が送信する電波強度測定用の信号を受信するようにしても良い。電波強度測定用の信号は、シャッタ21が駆動しない信号にしても良い。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、シャッタ装置システム1が備えるシャッタ装置2およびリモコン装置3の個数、シャッタ21の駆動する方向、シャッタ装置2に関連付けられるリモコン装置3の個数等を変更しても良い。