JP3936257B2 - 無線遠隔操作システム及び建物開口部用開閉制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線遠隔操作システム及び建物開口部用開閉制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建物の開口部を開閉するシャッター、窓、ドア等の開閉装置を無線で遠隔操作する技術が種々提案されている。例えば、特開平9−32420号公報には、複数の開口部(天窓)毎に設けられた各開閉装置を当該各開閉装置毎に対応付けされた各制御部が開閉制御するようにした開閉制御装置が開示されている。そして、この開閉制御装置では、前記各制御部との間で無線信号の授受を行うリモコンを用いて、前記各開閉装置のうち所望する開口部の開閉装置を開閉制御する構成とされている。即ち、この開閉制御装置は、前記リモコンにより複数の開閉装置のうちから所定の開閉装置を選択指定することで、指定された開閉装置の開閉動作又は停止を行うものであり、個別及び全体の開閉装置の遠隔操作をできるというものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平9−32420号公報に記載の従来技術では、操作(開閉若しくは停止)したい開閉装置を操作者がその都度リモコンにより選択指定しなければならず、操作内容が煩雑になるという問題があった。また、その制御対象となる開閉装置がリモコンにおいて割り当てられた複数ある選択肢のうち何れの選択肢に該当するものであるかも覚えておかなければならず、操作上不便であるという問題もあった。なお、無線通信による操作指令に基づいて制御対象を制御する制御部を備えた各種の制御装置においては、建物開口部用開閉制御装置に限らず、前記と同様の問題点を有していた。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、操作者に制御対象をその都度選択指定させる必要がなく、簡便且つ容易に複数ある制御対象のうちから所定の制御対象を制御し得る無線遠隔操作システム及び該システムを使用した建物開口部用開閉制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、無線遠隔操作システムに係る請求項1に記載の発明は、操作側局及び複数の装置側局を含む各局の間で、操作側局から装置側局までの距離に負の相関関係をもって電波強度が減衰する送信方式によって、電波による無線信号の授受が行われ、各装置側局毎に対応付けされた複数の制御部がそれぞれ対応する装置側局で受信した操作指令信号に基づいて各制御部毎に割り当てられた制御対象を制御する無線遠隔操作システムにおいて、前記各制御部は、対応する装置側局における前記操作指令信号の電界強度を示す信号レベル値と前記各制御部に共通の基準信号レベル値とを比較し、その比較結果が所定の基準を満たした場合に、その制御部における前記制御対象の制御を開始することを要旨とした。
【0006】
また、同じく請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線遠隔操作システムにおいて、前記各制御部は、対応する装置側局で前記操作指令信号を受信したことに基づいて前記基準信号レベル値を所定の初期レベル値から同時進行的に低下させるものであり、その低下途中の基準信号レベル値との比較において、前記操作指令信号の前記信号レベル値の方が高くなった制御部では、その制御部における前記制御対象の制御を開始すると共に、その制御開始に伴い当該制御部が対応する装置側局を介して所定の報知信号を出力し、その報知信号を対応する装置側局を介して入力した他の制御部では、当該他の制御部に割り当てられた制御対象に対する制御が規制されることを要旨とした。
【0007】
また、同じく請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の無線遠隔操作システムにおいて、前記各制御部では、前記報知信号が何れか一つの制御部から出力されたことに基づいて前記基準信号レベル値の同時進行的な低下が停止されることを要旨とした。
【0008】
一方、建物開口部用開閉制御装置に係る請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の無線遠隔操作システムを使用し、建物における複数の開口部毎に対応した複数の開閉装置を制御対象として、各開閉装置の開閉制御を無線遠隔操作により行うことを要旨とした。
【0009】
また、同じく請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の建物開口部用開閉制御装置において、前記建物における複数の開口部は窓であることを要旨とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を建物における開口部の一種である窓の開閉制御を行う建物開口部用開閉制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0011】
図1は、建物開口部用開閉制御装置1の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、建物開口部用開閉制御装置1は、制御対象としての複数の開閉装置2、当該開閉装置2の駆動を制御する制御部3を含む装置側局としての複数の駆動制御装置4、操作側局としてのリモートコントローラ5を備えている。各開閉装置2は、図示しない建物の壁面に設置される複数の窓(開口部)の窓枠6に図示しない蝶番を介して上端において回動可能に支持された窓開閉体7、及び当該窓開閉体7の開閉状態を検知するための図示しないセンサを備えている。
【0012】
窓枠6の縦枠両内面下方と窓開閉体7の縦框両外面下方との間には、窓開閉体7を開放側に付勢するための付勢装置8がそれぞれ配設されている。当該付勢装置8は、リンクと図示しないコイルバネとで構成されている。窓開閉体7に対して付勢装置8の付勢力に抗して窓開閉体7を閉鎖側へ回動させる力を付与するためのワイヤ9は、一端が前記窓枠6の近傍に設置された巻取りユニット10の図示しない巻取り部に固定され、中間部が滑車11に巻掛けられ、他端が巻取りユニット10から遠い側の窓開閉体7に固定されている。
【0013】
前記巻取り部は公知のものと同様に、モータにより正逆回転駆動される巻取りドラムを備えている。そして、巻取りドラムがワイヤ9を巻き取ると窓開閉体7が付勢装置8の付勢力に抗して閉鎖方向へ回動され、巻取りドラムがワイヤ9を繰り出すと窓開閉体7が付勢装置8の付勢力により開放側へ回動される構成になっている。前記モータは制御部3からの指令に基づいて正転駆動制御又は逆転駆動制御される。
【0014】
図2は駆動制御装置4の構成を示すブロック図である。本実施形態では、制御部3と駆動制御装置4とが互いに対応付けされた状態で1個のユニットに構成されており、当該制御部3は割り当てられた開閉装置2の制御に加えて対応する駆動制御装置4の制御も実行する。駆動制御装置4は、制御部3、送信部21、受信部22、送受信切換部23、送受信用アンテナ24、モータ制御部25を備えている。
【0015】
制御部3はマイコンで構成されており、CPU、ROM、及びメモリを備えている。ROMには前記送信部21、受信部22、送受信切換部23、モータ制御部25を制御するための制御プログラムや当該制御プログラムを実行する際に必要なデータ等が記憶されている。当該データには前記送信部21及び受信部22を介して送受信される無線信号の信号内容及びその送信局を特定するためのIDデータが含まれている。また、メモリには前記受信部22で受信した無線信号のうちリモートコントローラ5から送信された操作指令信号の電界強度を示す信号レベル値(以下、受信値という。)とその高低度合を比較するための基準信号レベル値(以下、基準値という。)とが記憶されている。基準値の初期レベル値としては、各制御部3の受信部22において受信する前記操作指令信号の電界強度として想定されるレベル値のうち最高のレベル値が、各制御部3に共通のものとして設定されている。
【0016】
送信部21では、制御部3にて生成され出力される所定の周波数の無線信号であって、前記IDデータを付加された無線信号が送受信用アンテナ24を介して空間に送信信号として放射される。受信部22では、送受信用アンテナ24を介して所定の周波数の無線信号が受信され制御部3に受信信号として出力される。また、受信部22ではその受信信号が前記操作指令信号である場合にはその受信値が測定され、当該受信信号(操作指令信号)と共に制御部3に出力される。
【0017】
なお、前記無線信号には、リモートコントローラ5から各駆動制御装置4に向けて送信される前記操作指令信号の他に、次のような無線信号がある。即ち、各駆動制御装置4からリモートコントローラ5へ送信される窓開閉体7の状態変化(開放から閉鎖、或いは閉鎖から開放等)を通知するための無線信号(以下、状態通知信号という。)と、各駆動制御装置4から他の駆動制御装置4に送信される開閉装置2の駆動開始を通知する無線信号(以下、報知信号という。)とがある。そして、各駆動制御装置4の制御部3では受信部22で受信された無線信号に付加されているIDデータによって、リモートコントローラ5から送信された操作指令信号であるか、又は何れの駆動制御装置4から送信された報知信号(若しくは状態通知信号)であるかを識別できるようになっている。
【0018】
送受信切換部23では、制御部3によって送信部21が機能する状態と、受信部22が機能する状態とが切り換えられる。なお、リモートコントローラ5及び他の駆動制御装置4に無線信号が送信される時以外は、受信部22が機能する状態に切り換えて待機している。モータ制御部25では、受信部22で受信されたリモートコントローラ5からの操作指令信号に基づいて巻取りユニット10に窓開閉体7の開放、停止、閉鎖のうちいずれかが指示される。
【0019】
図3はリモートコントローラ5の構成を示すブロック図である。リモートコントローラ5は、制御部31、操作部32、送信部33、受信部34、送受信切換部35、送受信用アンテナ36、状態表示部37を備えている。なお、当該リモートコントローラ5は、主に建物開口部用開閉制御装置1付近で使用されるものであり、操作者が持ち運びできるようになっている。制御部31はマイコンで構成されており、CPU、ROM、及びメモリを備えている。ROMには前記操作部32、送信部33、受信部34、送受信切換部35、状態表示部37を制御するための制御プログラムや当該制御プログラムを実行する際に必要なデータ等が記憶されている。また、当該データには前記送信部33及び受信部34を介して送受信される無線信号の信号内容及びその送信局を特定するためのIDデータが含まれている。
【0020】
操作部32は、図1に示すようにリモートコントローラ5のハウジング38の外面に設けられており、窓開閉体7を駆動するための3個の押しボタン32a,32b,32cにより構成されている。押しボタン32aは開放指示用、押しボタン32bは停止指示用、押しボタン32cは閉鎖指示用の役割を果たす。操作部32が操作された(即ち、押しボタン32a,32b,32cのいずれかが押された)場合、制御部31では操作に対応して開放、停止、閉鎖のいずれかの指示を示す、IDデータが含まれた操作指令信号が生成される。そして、当該操作指令信号は送信部33及び送受信用アンテナ36を介して、何れかの駆動制御装置4が予め選択されることなく、全ての駆動制御装置4に無線信号として送信される。
【0021】
送信部33では、制御部31にて生成出力される所定の周波数の無線信号であって、前記IDデータを付加された無線信号が送受信用アンテナ36を介して空間に送信信号として放射される。受信部34では、送受信用アンテナ36を介して所定の周波数の無線信号が受信され復調処理される。そして、復調処理された信号が前記状態通知信号である場合には制御部31に出力される。
【0022】
送受信切換部35では、制御部31によって送信部33が機能する状態と、受信部34が機能する状態とが切り換えられる。なお、駆動制御装置4に信号が送信される時以外は、受信部34が機能する状態に切り換えて待機している。状態表示部37は1個の液晶表示装置で構成されており、図1に示すようにリモートコントローラ5のハウジング38の外面に設けられている。当該状態表示部37には、駆動制御装置4から送信される状態通知信号に基づいて開閉装置2の状態(開放状態、閉鎖状態等)が表示される。
【0023】
次に、前記のように構成された建物開口部用開閉制御装置1の作用を図4及び図5のフローチャートに従って説明する。
まず、駆動制御装置4における制御部3の作用を図4のフローチャートに従って説明する。ステップS1では無線信号を受信したか否かが判断され、無線信号を受信するとステップS2に進む。ステップS2では前記無線信号がIDデータを含んでいるか否かの判断がなされる。IDデータを含んでいる場合にはステップS3に進み、IDデータを含んでいない場合には受信した無線信号は他の駆動制御装置4又はリモートコントローラ5から送信された無線信号でない(即ち、操作指令信号、状態通知信号、報知信号のいずれでもない。)と判断され、ステップS1に戻る。
【0024】
ステップS3では前記無線信号がリモートコントローラ5から送信された操作指令信号であるか否かが当該無線信号に付加されているIDデータに基づき判断される。リモートコントローラ5から送信された操作指令信号の場合はステップS4に進み、リモートコントローラ5から送信された操作指令信号でない場合はステップS1に戻り、再びステップS1以降の処理が繰り返される。
【0025】
ステップS4では、制御部3内のメモリに記憶されている基準値と受信した操作指令信号の受信値の高度が比較される。そして、受信値が基準値より高い場合はステップS5に進み、低い場合はステップS6に進む。ステップS5では制御部3からの指令に基づいてモータ制御部25により制御される開閉装置2により、開放、停止、閉鎖のいずれかの動作が実行される。更に、他の駆動制御装置4に対して報知信号が、またリモートコントローラ5に対して状態通知信号が送信部21及び送受信用アンテナ24を介してそれぞれ送信され、その後、ステップS8に進む。
【0026】
一方、ステップS6では基準値が初期レベル値の1/20に相当するレベル値だけ全ての駆動制御装置4の制御部3において同時進行的に下げられ、ステップS7に進む。そして、ステップS7では各制御部3において、他の駆動制御装置4からの報知信号を受信したか否かが判断される。報知信号を受信している場合にはステップS8に進み、受信していない場合にはステップS4に戻り、再度、前記操作指令信号の受信値と前回の比較時よりも1/20に相当するレベル値だけ下げられた基準値とが比較される。そして、このステップS4での再度の比較の結果が肯定的(Yes)判定の場合には、前記ステップS5の処理が行われた後、ステップS8に進む。ステップS8では基準値が初期値にリセットされ、その後、ステップS1に戻り、再びステップS1以降の処理が繰り返される。
【0027】
次に、リモートコントローラ5の制御部31の作用を図5のフローチャートに従って説明する。ステップS21では無線信号を受信したか否かが判断され、無線信号を受信した場合はステップS22に進み、受信していない場合はステップS24に進む。ステップS22では前記無線信号が状態通知信号であることを示すIDデータを含んでいるか否かが判断され、当該IDデータを含んでいる場合はステップS23に進み、当該IDデータを含んでいない場合には、ステップS21に戻る。ステップS23では受信した状態通知信号に対応する表示指令(開閉制御がなされた窓、及びその開放又は閉鎖状態等)がリモートコントローラ5の状態表示部37に出力される。
【0028】
一方、ステップS24では操作入力の有無が判断される。操作入力がある場合にはステップS25に進み、ない場合は処理を終了し、ステップS21に戻る。ステップS25では操作入力に対応した操作指令信号が駆動制御装置4へ送信される。即ち、開放指令の操作入力があれば開放指令の操作指令信号を、閉鎖指令の操作入力があれば閉鎖指令の操作指令信号を、そして停止指令の操作入力があれば停止指令の操作指令信号が各駆動制御装置4へ送信される。
【0029】
従って、上記実施形態の建物開口部用開閉制御装置1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)前記実施形態では、リモートコントローラ5からの操作指令信号の受信値と、各駆動制御装置4の制御部3内のメモリに記憶されている基準値とが比較され、その比較結果が所定条件(基準値<受信値)を満たした駆動制御装置4のみが、制御対象たる開閉装置2を自動的に開閉制御するようにした。従って、複数ある各窓毎に対応付けられた各開閉装置2について、操作者がリモートコントローラ5により開閉制御の対象となる開閉装置2を選択指定する必要がなく、操作内容を簡略化できる。
【0030】
(2)前記実施形態では、各駆動制御装置4の受信部22で各々受信されたリモートコントローラ5からの操作指令信号の各受信値の高低度合いを、各駆動制御装置4(制御部3)に共通の基準値との比較において、何れの窓の開閉装置2を開閉制御すべきか特定するための判断基準とした。そのため、操作者は通常自分の近くの窓の開閉装置2の開閉を所望すると考えられるから、前記受信値が最も高い、即ち、その時点でリモートコントローラ5を所持している操作者に最も近い窓の開閉装置2を自動的に開閉制御することができる。
【0031】
(3)前記実施形態では、全ての駆動制御装置4において受信値が基準値よりも低い場合には当該時点の基準値を各制御部3において同時進行的に下げていき、その基準値を前記受信値が上回ることになった駆動制御装置4の制御部3が、当該制御部3に割り当てられている窓の開閉装置2を開閉するようにした。従って、リモートコントローラ5から各駆動制御装置4までの距離が遠い場合であっても、それらの駆動制御装置4のうちから最もリモートコントローラ5に近い駆動制御装置4が対応付けされた窓の開閉装置2を確実に開閉制御することができる。
【0032】
(4)前記実施形態では、制御対象たる開閉装置2の開閉制御を開始した駆動制御装置4の送信部21からの制御開始を報知する報知信号を受信した他の駆動制御装置4では、当該他の駆動制御装置4(制御部3)における制御対象たる開閉装置2の開閉制御が規制されるようにした。従って、最もリモートコントローラ5に近い駆動制御装置4が対応付けされた窓の開閉装置2を確実に開閉制御できる一方、それ以外の遠方にある開閉が所望されていない窓の開閉装置2が不必要に開閉制御されることがない。
【0033】
(5)前記実施形態では、何れか一つの駆動制御装置4の送信部21から送信された前記報知信号を受信部22により受信した他の駆動制御装置4では、それらの各制御部3における同時進行的な前記基準値の低下が停止されるようにした。従って、それ以後は、新たに制御対象たる開閉装置2の開閉制御を開始する駆動制御装置4が不必要に出現することを簡単に規制することができる。
【0034】
(6)前記実施形態では、各制御部3の間を無線信号により通信できるように構成したことで、各制御部3を通信ケーブルで接続する必要がなくなり、駆動制御装置4の構成を簡略化できる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更してもよい。
○上記実施形態では、リモートコントローラ5から送信された操作指令信号の受信値が基準値より高くなるまで基準値を低下させていき、高くなった時点で、制御部3が対応する開閉装置2を開閉制御するように構成した。しかし、これに限られず基準値を予め低い値(例えば0)に設定しておき、基準値を上昇させていき、最後に受信値が基準値より低くなった駆動制御装置4に対応する開閉装置2を制御部3が開閉制御するように構成してもよい。このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、基準値を所定のレベル値に固定しておき、当該基準値よりも受信した操作指令信号の受信値が高い駆動制御装置4(1つに限らない。)では、その制御部3が対応する開閉装置2を開閉制御するように構成してもよい。
【0036】
○上記実施形態では、リモートコントローラ5から送信された操作指令信号の受信値と各駆動制御装置4の制御部3のメモリに記憶されている基準値との比較結果が所定条件(基準値<受信値)を満たした駆動制御装置4のみが対応する開閉装置2を開閉制御するように構成した。しかし、このような条件付き開閉制御機能と、従来から公知の制御対象を選択指定した操作指令信号に基づく開閉制御機能とを、リモートコントローラ5上に設けた動作モード切換ボタンにより切り換えて使用できるような構成にしてもよい。
【0037】
○上記実施形態では、リモートコントローラ5に3個の押しボタン32a、32b、32c及び窓開閉体7の開閉状態を表示する状態表示部37を備えたが、その他にも、無線信号の通信状態を表示するための通信状態表示部等を付加してもよい。また、リモートコントローラ5は、開閉体を操作する最低限のボタン、すなわち開放指示用の押しボタン32aと、閉鎖指示用の押しボタン32cのみを備えて構成してもよい。また、開閉体を操作するボタン、すなわち開放指示用の押しボタン32a、停止指示用の押しボタン32b、閉鎖指示用の押しボタン32cのみを備えて構成してもよい。更に、開閉指示用の押しボタン32a若しくは閉鎖指示用の押しボタン32cのみを備えて構成してもよい。
【0038】
○上記実施形態では、基準値の初期レベル値としては、各制御部3の受信部22において受信する前記操作指令信号の電界強度として想定されるレベル値のうち最高のレベル値が設定されていたが、この基準値は任意の値でよい。
【0039】
○上記実施形態では、基準値と受信値の高低度合いが比較され、受信値が基準値より低い場合は基準値を初期レベル値の1/20だけ段階的に低下させたが、低下させる割合はこれに限られるものではなく、任意の値でよい。また、基準値は無段階的に低下させてもよい。
【0040】
○上記実施形態では、駆動制御装置4における受信値が基準値よりも高い場合に、開閉装置2の制御を開始するようにしたが、受信値が基準値よりも低い場合に、開閉装置2の制御を開始するようにしてもよい。これにより、操作者から最も遠い窓を自動的に開閉することができる。
【0041】
○上記実施形態では、建物の開口部の一種である窓の開閉装置2を開閉制御する場合に具体化したが、建物における他の開口部、例えば入口等を開閉するシャッター,ドア等の開閉装置を開閉制御する場合に具体化してもよい。
【0042】
○上記実施形態では、建物開口部用開閉制御装置1における無線遠隔操作システムに具体化したが、操作側局からの操作指令信号に基づき複数ある装置側局の各制御部が各々割り当てられた制御対象を制御するシステム構成のものならば、建物開口部用開閉制御装置1の場合と同様に適用可能である。
【0043】
○上記実施形態では、駆動制御装置4はリモートコントローラ5との送信部21、受信部22とモータ制御部25を備えた構成であったが、これらを別個の装置に分割し、それぞれ設置条件のよい場所に設置できるようにしてもよい。
【0044】
○上記実施形態では、報知信号は無線信号であったが、有線で他の駆動制御装置4に通知するように構成してもよい。
○上記実施形態では、巻取りユニット10は開閉装置2毎にそれぞれ設けられたが、複数の開閉装置2に1個の巻取りユニット10を設けるように構成してもよい。
【0045】
○上記実施形態では、巻取りユニット10は正逆回転駆動されるモータにより駆動された。これを、一方向のみ駆動可能なモータを使用し、窓開閉体7を閉める時のみモータの力を使用し、窓開閉体7を開ける時は巻取りユニット10内部のロックをソレノイド又は別のモータで解除させ、付勢装置8の力で窓開閉体7を開けるような構成としてもよい。
【0046】
○上記実施形態では、ワイヤ9により窓開閉体7を開閉させた。これを、実公平6−50631号公報に開示された開閉装置のように、雌ねじ体を螺合した螺棒を窓枠6に備え、雌ねじ体を窓開閉体7とを大小のアームからなるリンク機構で連結し、螺棒の回転による駆動力をリンク機構で動力伝達することにより窓開閉体7の開閉を行うようにしてもよい。また、窓開閉体7を開閉する駆動機構として、エアシリンダや油圧シリンダを使用するよう構成としてもよい。
【0047】
○上記実施形態では、窓開閉体7を開閉するための開閉装置2及び駆動制御装置4を別々に構成したが、これらを一体的に、窓開閉体7に直付けするように構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、操作者に制御対象をその都度選択指定させる必要がなく、簡便且つ容易に複数ある制御対象のうちから所定の制御対象を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 建物開口部用開閉装置の全体構成を示す模式図。
【図2】 装置側局の構成を示すブロック図。
【図3】 操作側局の構成を示すブロック図。
【図4】 装置側局の作用を示すフローチャート。
【図5】 操作側局の作用を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 制御対象としての開閉装置
3 制御部
4 装置側局としての駆動制御装置
5 操作側局としてのリモートコントローラ
Claims (5)
- 操作側局及び複数の装置側局を含む各局の間で、操作側局から装置側局までの距離に負の相関関係をもって電波強度が減衰する送信方式によって、電波による無線信号の授受が行われ、各装置側局毎に対応付けされた複数の制御部がそれぞれ対応する装置側局で受信した操作指令信号に基づいて各制御部毎に割り当てられた制御対象を制御する無線遠隔操作システムにおいて、
前記各制御部は、対応する装置側局における前記操作指令信号の電界強度を示す信号レベル値と前記各制御部に共通の基準信号レベル値とを比較し、その比較結果が所定の条件を満たした場合に、その制御部における前記制御対象の制御を開始する無線遠隔操作システム。 - 前記各制御部は、対応する装置側局で前記操作指令信号を受信したことに基づいて前記基準信号レベル値を所定の初期レベル値から同時進行的に低下させるものであり、その低下途中の基準信号レベル値との比較において、前記操作指令信号の前記信号レベル値の方が高くなった制御部では、その制御部における前記制御対象の制御を開始すると共に、その制御開始に伴い当該制御部が対応する装置側局を介して所定の報知信号を出力し、その報知信号を対応する装置側局を介して入力した他の制御部では、当該他の制御部に割り当てられた制御対象に対する制御が規制される請求項1に記載の無線遠隔操作システム。
- 前記各制御部では、前記報知信号が何れか一つの制御部から出力されたことに基づいて前記基準信号レベル値の同時進行的な低下が停止される請求項2に記載の無線遠隔操作システム。
- 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の無線遠隔操作システムを使用し、建物における複数の開口部毎に対応した複数の開閉装置を制御対象として、各開閉装置の開閉制御を無線遠隔操作により行う建物開口部用開閉制御装置。
- 前記建物における複数の開口部は窓である請求項4に記載の建物開口部用開閉制御装置。
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