JP6557559B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦部材に対して押圧された振動子に楕円振動を発生させることで推力を発生する振動波モータを用いた駆動装置に関する。
従来、無音動作、低速から高速までの駆動が可能、高トルク出力などの特徴を活かして、例えば、カメラやレンズの駆動装置として超音波モータが採用されている。超音波モータは、圧電素子と振動板とを接着剤で固着して構成された振動子を摩擦部材に加圧接触させた状態で、圧電素子に高周波の電圧を印加して振動子を超音波振動させ、摩擦部材と振動子とを相対的に移動させるものである。特許文献1には、摩擦部材に複数の振動子を摩擦接触させることで、推力を増大させた超音波モータを用いた駆動装置が開示されている。
特開平9−261977号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている駆動装置では、複数の振動子による超音波振動によって摩擦部材に発生する共振による振動が重畳し、大きな振幅の振動が発生してしまう問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、複数の振動子を用いた駆動装置において、振動子の振動により摩擦部材に発生する共振による複数の振動を打ち消し合うように重畳させて、共振による振動を低減した駆動装置を実現することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の駆動装置は、少なくとも一つの接触部を備える振動板と圧電素子とを固着して構成される、複数の振動子と、前記接触部と摩擦接触する接触面を有する摩擦部材と、を備え、前記摩擦部材には、複数の前記振動子が加圧接触し、複数の前記振動子は、前記圧電素子で励起される振動で前記接触部に楕円振動を発生し、前記楕円振動によって複数の前記振動子と前記摩擦部材とは相対的に移動する駆動装置において、複数の前記振動子の間隔に応じて前記圧電素子で励起される複数の前記振動子のそれぞれの振動の位相を制御する制御手段を有する構成とした。

本発明によれば、摩擦部材に共振により発生する振動の振幅を低減した駆動装置を実現することができる。
本発明のレンズ装置1の断面図である。 (A)本発明の振動波モータ100の平面図である。(B)正面図である。 本発明の駆動装置140の構成を示すブロック図である。 (A)乃至(C)従来の駆動装置の駆動により摩擦部材101に共振により発生する振動の様子を示す図である。 (A)乃至(C)本発明の駆動装置140の駆動により摩擦部材101に共振により発生する振動の様子を示した図である(振動子の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλ)。 図5における複数の振動子の楕円振動の位相差を示す図である。 (A)乃至(C)本発明の駆動装置140の駆動により摩擦部材101に共振により発生する振動の様子を示した図である(振動子の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍)。 図7における複数の振動子の楕円振動の位相差を示す図である。 本発明の駆動装置140の駆動フローチャートである。
(実施例)
以下、図を用いて本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の駆動装置140を搭載したレンズ装置1の断面図である。なお、全ての図において、同一部材は同一記号で図示される。本明細書中において、後述する第1レンズL1、第1フォーカスレンズL2、第2フォーカスレンズL3、第3レンズL4の光軸OLの方向をX方向と定義する。X方向において、入射側を−X方向、射出側を+X方向と定義する。入射側からレンズ装置1を見て左右方向をY方向と定義し、右が−Y方向、左が+Y方向とする。入射側からレンズ装置1を見て上下方向をZ方向と定義し、上が+Z方向、下が−Z方向とする。
本発明のレンズ装置1は、レンズ外筒11を備え、レンズ外筒11の−X方向端部に第1レンズL1を保持する保持枠12が取り付けられている。レンズ外筒11の+X方向端部には、第3レンズL4が保持されている。レンズ外筒11の内部には、第1フォーカスレンズL2と第1フォーカスレンズL2を保持する保持部材13と、第2フォーカスレンズL3と第2フォーカスレンズL3を保持する保持部材23が、X方向に移動可能に配置されている。
保持部材13には、X方向に延在する丸穴13aとU字穴13bとが形成されている。またYZ平面に対して±45°傾いた二つの斜面からなる切り欠き部13cが形成されており、該切り欠き部13cが後述する球面部105dと当接するように構成されている。同様に保持部材23にも、X方向に延在した丸穴23aとU字穴23bとが形成されている。またYZ平面に対して±45°傾いた二つの斜面からなる切り欠き部23cが形成されており、該切り欠き部23cが後述する球面部205dと当接するように構成されている。
保持軸14は、第1フォーカスレンズL2の保持部材13と第2フォーカスレンズL3の保持部材23を保持している。保持軸14は、保持部材13に形成された丸穴13a及び保持部材23に形成された丸穴23aと係合することで、保持部材13と保持部材23とをX方向に移動可能に保持している。また、保持軸14は、レンズ外筒11と保持枠12とに挟まれて固定保持されている。
回転止め軸15は、保持部材13及び保持部材23のX軸周りの回転を防止している。回転止め軸15は、保持部材13に形成されたU字穴13bに係合しており、保持軸14と回転止め軸15のピッチ誤差を吸収しながら、保持部材13のX軸回りの位相を決めている。同様に回転止め軸15は、保持部材23に形成されたU字穴23bに係合しており、保持軸14と回転止め軸15のピッチ誤差を吸収しながら、保持部材23のX軸回りの位相を決めている。
振動波モータ100は、主に後述の振動子109及び振動子209の二つの振動子並びに後述の摩擦部材101等から構成されている。振動子保持部材105は、振動子109を保持すると共に、球面部105dを備えている。同様に振動子保持部材205は、振動子209を保持すると共に、球面部205dを備えている。振動子保持部材105及び振動子保持部材205は、振動波モータ100における可動側の部材である。また、固定台110は、振動波モータ100における固定側の部材であり、レンズ外筒11に固定されている。
振動子保持部材105は、振動子109により、固定台110に対してX方向に相対的に駆動される。振動子保持部材105をX方向に駆動している駆動力は、球面部105dと切り欠き部13cとの当接を介して保持部材13に伝えられ、該駆動力によって保持部材13及び第1フォーカスレンズL2がX方向に駆動される。この際、球面部105dは、+Z方向に付勢されると共に、切り欠き部13cに当接することにより、切り欠き部13cと球面部105dとはX方向にガタなく当接することが可能となっている。このような構成とすることで、振動子保持部材105と保持部材13とは、X方向に一体的に動くことができる。そして、第1フォーカスレンズL2を振動波モータ100でオーバーシュートなく高精度に駆動制御することができる。
同様に振動子209により、固定台110に対して振動子保持部材205がX方向に相対的に駆動される。振動子保持部材205をX方向に駆動している駆動力は、球面部205dと切り欠き部23cとの当接を介して保持部材23に伝えられ、該駆動力によって保持部材23及び第2フォーカスレンズL3がX方向に駆動される。この際、球面部205dは、+Z方向に付勢されると共に、切り欠き部23cに当接することにより、切り欠き部23cと球面部205dとはX方向にガタなく当接することが可能となっている。このような構成とすることで、振動子保持部材205と保持部材23とは、X方向に一体的に動くことができる。そして、第2フォーカスレンズL3を振動波モータ100でオーバーシュートなく高精度に駆動制御することができる。
振動子109を保持している振動子保持部材105と、振動子209を保持している振動子保持部材205とは、それぞれ独立に移動することができる。これにより第1フォーカスレンズL2と第2フォーカスレンズL3とを独立に移動させることが可能となり、第1フォーカスレンズL2と第2フォーカスレンズL3との間隔も自由に変えることができるため、レンズ光学設計の自由度が増すというメリットがある。
第1フォーカスレンズL2の位置は、位置検出手段16がスケール17に赤外光16aを投光し、その反射光を受光することにより検出される。スケール17には、低反射部と高反射部とが所定ピッチで交互に並んだパターンが形成されている。反射光の強度変化の回数をカウントすることで、位置検出手段16とスケール17の相対位置関係が検出される。スケール17は、保持部材13に貼り付けられているため、位置検出手段16の検出結果から、保持部材13及び保持部材13に保持された第1フォーカスレンズL2の位置を検出することができる。また、保持部材13の切り欠き部13cは、振動子保持部材105の球面部105dに当接しているので、保持部材13の位置は、振動子109の位置とみなすことができる。なお、位置検出手段26とスケール27とにより第2フォーカスレンズL3の位置を検出する方法は、第1フォーカスレンズL2の位置検出手段16とスケール17による位置検出方法と同じであるので説明を省略する。
撮像装置取り付け部18は、不図示の撮像装置のレンズ装置取り付け部に対して、X軸周りにバヨネット連結されるが、レンズ装置1と不図示の撮像装置とは脱着可能な構成となっている。被写体距離表示手段19は、レンズ外筒11の+Z方向の面に備えられ、後述する演算処理部10で算出された被写体距離を表示する。演算処理部10では、レンズ装置1における演算、制御、記憶が行われる。
図2(A)は、振動波モータ100を+Z方向から見た平面図であり、図2(B)は、−Y方向から見た正面図である。振動波モータ100は、二つの圧電素子103、203に交流電圧を印加して、圧電素子103、203が発生する超音波領域の周波数の振動(超音波振動)を利用して駆動力を得る構成となっている。
摩擦部材101は、振動子109が加圧接触する接触面101aを備えている。摩擦部材101は、2本の固定ビス111で固定台110に固定されている。本発明の振動波モータ100は、後述の可動部を二つ備えており、それぞれ独立に移動可能な構成となっている。まず初めに第1の可動部について説明する。
振動板102は、接触部102aを備え、接触部102aが押圧を伴う加圧接触状態で接触面101aに接触している。圧電素子103は、振動板102に接着剤などにより圧着されている。そして、振動板102に圧電素子103が圧着された状態で、圧電素子103に電圧を印加すると超音波領域の周波数の振動(超音波振動)が発生する。この超音波振動により、振動板102の接触部102aに楕円運動を発生させることができる。本発明では、振動板102と圧電素子103とによって振動子109が構成されている。
振動子保持部材105は、振動子109周りの部品を保持している。加圧部材106は、不図示の加圧受け部材の貫通穴部に嵌合し、摩擦部材101の接触面101aに対して概ね垂直な方向(Z方向)にのみ移動可能に保持されている。そして振動子保持部材105の中に取り付けられた不図示のバネ部材による押圧力が振動子109に伝えられ、振動子109を摩擦部材101に加圧接触させることができる。
転動ボール116が振動子保持部材105に形成された溝(不図示)と後述する天板117に形成された溝(不図示)との間に介在することにより、振動子保持部材105は、天板117に対して転動支持される。天板117は、4本の固定ビス118により固定台110に固定されている。天板117の中央には、長方形開口117aが形成されており、長方形開口117aから振動子保持部材105の突出部105cが外側に露出している。突出部105cには、球面部105dが設けられている。
振動子109の接触部102aに発生した楕円運動により、振動子109が摩擦部材101に対してX方向に相対的に移動する構成において、固定台110、摩擦部材101、固定ビス111、天板117、固定ビス118が固定部となる。一方、振動子109を含めた、加圧部材106、バネ部材(不図示)、そしてそれらを保持する振動子保持部材105が第1の可動部となる。つまり本発明の振動波モータ100は、駆動源である振動子109自身が可動する自走式のモータユニットとなっている。
本発明の振動波モータ100は、以上説明したような第1の可動部に対し、第2の可動部をもう一つ備える。即ち、一つの摩擦部材101を二つの可動部が兼用している。これら二つの可動部は構成が同じであるため、第2の可動部については部材名称の対応関係だけの説明とする。振動板202は、振動板102に対応する。接触部202aは、接触部102aに対応する。圧電素子203は、圧電素子103に対応する。振動子209は、振動子109に対応する。振動子保持部材205は、振動子保持部材105に対応する。振動子保持部材205の突出部205cは、突出部105cに対応する。加圧部材206は、加圧部材106に対応する。転動ボール216は、転動ボール116に対応する。
上述の第1の可動部において、振動子保持部材105に設けられた球面部105dが、図1で説明した切り欠き部13cに当接することにより、振動子保持部材105は第1フォーカスレンズL2を保持する保持部材13と連結する。これにより振動波モータ100で第1フォーカスレンズL2をX方向に駆動することが可能となる。第2の可動部も同様に、振動子保持部材205に設けられた球面部205dが、図1で説明した切り欠き部23cに当接することにより、振動子保持部材205は第2フォーカスレンズL3を保持する保持部材23と連結する。これにより振動波モータ100で第2フォーカスレンズL3をX方向に駆動することが可能となる。
図3は、本発明の駆動装置140の構成を示すブロック図である。振動波モータ100は、振動子109と振動子209とが摩擦部材101に摩擦接触する形態として構成されており、位置検出手段16は振動子109の位置を検出し、位置検出手段26は振動子209の位置を検出する。間隔算出手段141は、位置検出手段16で検出された振動子109の位置と位置検出手段26で検出された振動子209の位置を取得し、振動子109と振動子209の間隔を算出する。
位相差制御手段142は、摩擦部材101に共振により発生する振動が軽減されるように、間隔算出手段141で算出した間隔に基づいて、振動子109と振動子209に入力する駆動信号出力の位相差を設定する。間隔算出手段141と位相差制御手段142とは、演算処理部10が担っている。本発明の駆動装置140は、振動波モータ100、位置検出手段16、位置検出手段26、間隔算出手段141、及び位相差制御手段142により構成されている。摩擦部材101に共振により発生する振動を軽減させるメカニズム及び位相差の算出方法については、図4乃至図9を用いて説明する。
図4(A)乃至(C)は、従来の形態において、振動子109と振動子209とにより摩擦部材101に発生する共振による振動が重畳して大きな振幅319となる状態を、−Y方向から見た図として示している。図4(A)乃至(C)では、同位相で超音波振動している二つの振動子109、振動子209の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さになっている。
図4(A)は、振動子109によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。振動子109に励起される超音波振動により摩擦部材101が加振されると、摩擦部材101の固有振動のうち、振動子109の超音波振動の周波数に近いものが励起され、摩擦部材101は共振する。この摩擦部材101の固有振動の波長をλとする。振動子109によって摩擦部材101には、振幅119の振動が発生する。
図4(B)は、振動子109から間隔Lだけ離れた位置にある振動子209によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さになっている。振動子209に励起される超音波振動により摩擦部材101が加振されると、摩擦部材101の固有振動のうち、振動子209の超音波振動の周波数に近いものが励起され、摩擦部材101は共振する。振動子209によって摩擦部材101には、振幅219の振動が発生する。この際、振動子109と振動子209との間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さになっている。そのため、振動子109によって励起される摩擦部材101の共振の位相と、振動子209によって励起される摩擦部材101の共振の位相とは、同位相となる。
図4(C)は、振動子109によって励起される摩擦部材101の共振による振動と、振動子209によって励起される摩擦部材101の共振による振動とが重畳している様子を示している。上述のように、同位相で超音波振動している振動子同士の間隔Lが、摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さになっている場合、振動子109による共振の位相と、振動子209による共振の位相とは同位相となる。そして、振動子109による摩擦部材101の振動の振幅119と、振動子209による摩擦部材101の振動の振幅219とは、同程度であり、これらの振動が重畳した際、振幅119と振幅219とを重ね合わせた大きな振幅319となる。
図4(A)乃至(C)では、振動子109、振動子209が同位相で超音波振動している場合であるが、摩擦部材101に励起される振動が重畳して大きくなるのは、この同位相の場合だけではない。例えば、逆位相で超音波振動している二つの振動子109、振動子209の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数+0.5)倍の場合でも振動が重畳して振幅319が大きくなり、またその間の位置においても振幅319が大きくなる。このように従来の形態では、二つの振動子109、振動子209の超音波振動の位相差とその間隔Lとにより、摩擦部材101に発生する振動が重畳して大きな振動になってしまうという問題があった。
図5(A)乃至(C)は、本発明の駆動装置140において、振動子109と振動子209とによる振動が重畳して打ち消し合う状態を−Y方向から見た図として示している。なお、二つの振動子109、振動子209の間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さになっている。
図5(A)は、振動子109によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。振動子109に励起される超音波振動により摩擦部材101が加振されると、摩擦部材101の固有振動のうち、振動子109の超音波振動の周波数に近いものが励起され、摩擦部材101は共振する。振動子109によって摩擦部材101には、振幅120の振動が発生する。
図5(B)は、振動子109から間隔Lだけ離れた位置にある振動子209によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。本発明の駆動装置140では、間隔Lの長さに応じて、振動子109と振動子209とにおける超音波振動の位相差を変えている。例えば、間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さとなる場合には、振動子109と振動子209の超音波振動の位相を逆位相とする。振動子109に対して逆位相で超音波振動する振動子209によって、摩擦部材101には振動子109によって共振で発生した振動とは逆位相の振動が発生する。振動子209によって摩擦部材101に共振により発生する振動の振幅220が示されている。
図5(C)は、振動子109によって励起される摩擦部材101の共振による振動と、振動子209によって励起される摩擦部材101の共振による振動とが重畳して打ち消し合っている様子を示している。逆位相で超音波振動している振動子同士の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さの場合、振動子109によって励起される摩擦部材101の共振の位相と、振動子209によって励起される摩擦部材101の共振の位相は、逆位相になる。そのため、図5(C)に示すように二つの振動は、重畳することにより打ち消し合い、小さな振幅320の振動となる。また、振動子109によって励起される摩擦部材101の振動の振幅120と振動子209によって励起される摩擦部材101の振動の振幅220は、ほぼ同程度の大きさであり、二つの振動は逆位相の振動である。そのため、二つの振動が互いに打ち消し合った際は、振幅120と振幅220の差分程度の非常に小さな振幅320となる。これにより摩擦部材101に発生する振動を低減することができる。
図6(A)は、振動子109の接触部102aに発生させる楕円振動130を示しており、図6(B)は、振動子209の接触部202aに発生させる楕円振動230を示している。いずれの場合も振動子109と振動子209の間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλの長さとなっている。
図6(A)には、振動子109の接触部102aの楕円振動130が1周期する間に接触部102aは、位置(1)→(2)→(3)→(4)の順番に移動することが示されている。一方、図6(B)には、振動子209の接触部202aの楕円振動230が1周期する間に接触部202aは、位置(1)→(2)→(3)→(4)の順番に移動することが示されている。楕円振動130の(1)と楕円振動230の(1)、楕円振動130の(2)と楕円振動230の(2)、楕円振動130の(3)と楕円振動230の(3)、楕円振動130の(4)と楕円振動230の(4)は、同じ時刻におけるそれぞれの位置を表している。楕円振動130の位相をθ130、楕円振動230の位相をθ230、楕円振動130と楕円振動230の位相差をΔθとすると、位相差Δθがπ(180°)となるように振動子109と振動子209を振動させる。このような位相差Δθにより、摩擦部材101に発生する振動を互いに打ち消し合うことができる。
図7(A)乃至(C)は、本発明の駆動装置140において、振動子109と振動子209とによる振動が重畳して打ち消し合う状態を−Y方向から見た図として示している。なお、二つの振動子109、振動子209の間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍の長さとなっている。
図7(A)は、振動子109によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。振動子109に励起される超音波振動により摩擦部材101が加振されると、摩擦部材101の固有振動のうち、振動子109の超音波振動の周波数に近いものが励起され、摩擦部材101は共振する。振動子109によって摩擦部材101には、振幅121の振動が発生する。
図7(B)は、振動子109から間隔Lだけ離れた位置にある振動子209によって摩擦部材101に共振により発生する振動を示している。本発明の駆動装置140では、間隔Lの長さに応じて、振動子109と振動子209の超音波振動の位相差Δθを変えている。例えば、間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍の長さとなる距離の場合には、振動子109と振動子209の超音波振動の位相を同位相とする。振動子109と同位相で超音波振動する振動子209によって、摩擦部材101には振動子109で励起された振動とは逆位相の振動が発生する。振動子209によって摩擦部材101に発生する振動の振幅221が示されている。
図7(C)は、振動子109によって励起される摩擦部材101の共振による振動と、振動子209によって励起される摩擦部材101の共振による振動とが重畳して打ち消し合っている様子を示している。同位相で超音波振動している振動子同士の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍の長さとなる場合、振動子109による摩擦部材101の共振の位相と、振動子209による摩擦部材101の共振の位相とは、逆位相になる。そのため、図7(C)に示すように二つの振動は、重畳することにより打ち消し合い、小さな振幅321の振動となる。また、振動子109によって励起される摩擦部材101の振動の振幅121と振動子209によって励起される摩擦部材101の振動の振幅221は、ほぼ同程度の大きさであり、二つの振動は逆位相の振動である。そのため、二つの振動が互いに打ち消し合った際は、振幅121と振幅221の差分程度の非常に小さな振幅321となる。これにより摩擦部材101に発生する振動を低減することができる。
図8(A)は、振動子109の接触部102aに発生させる楕円振動130を示しており、図8(B)は、振動子209の接触部202aに発生させる楕円振動230を示している。いずれの場合も振動子109と振動子209の間隔Lは、摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍の長さとなっている。
図8(A)には、振動子109の接触部102aの楕円振動130が1周期する間に接触部102aは、位置(1)→(2)→(3)→(4)の順番に移動することが示されている。一方、図8(B)には、振動子209の接触部202aの楕円振動230が1周期する間に接触部202aは、位置(1)→(2)→(3)→(4)の順番に移動することが示されている。楕円振動130の(1)と楕円振動230の(1)、楕円振動130の(2)と楕円振動230の(2)、楕円振動130の(3)と楕円振動230の(3)、楕円振動130の(4)と楕円振動230の(4)は、同じ時刻におけるそれぞれの位置を表している。楕円振動130の位相をθ130、楕円振動230の位相をθ230、楕円振動130と楕円振動230の位相差をΔθとすると、位相差Δθが0°となるように振動子109と振動子209を振動させる。このような位相差Δθにより、摩擦部材101に発生する振動を互いに打ち消し合うことができる。
図5(C)、図6(A)及び(B)において、二つの振動子109、振動子209の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの整数倍nλとなる場合を説明した。図7(C)、図8(A)及び(B)において、二つの振動子109、振動子209の間隔Lが摩擦部材101の固有振動の波長λの(整数n+0.5)倍となる場合を説明した。間隔Lが固有振動の波長λの整数倍nλと(整数n+0.5)倍の間にあるときにも、内挿補間して二つの振動子109、振動子209の位相差Δθを算出することで、摩擦部材101に発生する振動を低減することができる。
次に、二つの振動子109、振動子209の間隔Lを以下の式(I)で表わす。
L=nλ+aλ n:整数 a:0から1までの小数 ・・・(I)
このとき、二つの振動子109、振動子209に発生させる振動の位相差Δθは、以下の式(II)で表わされる。
Δθ=(1−2a)π ・・・(II)
図5(C)の状態においては、a=0、図7(C)の状態においては、a=0.5となる。
以上のように、同一の摩擦部材101に摩擦接触する二つの振動子109、振動子209の間隔Lが式(I)で表わされる場合は、二つの振動子109、振動子209に発生する振動の位相差Δθを式(II)のように設定する。そうすることで、摩擦部材101に発生する振動を低減することができる。
図9は、本発明の駆動装置140の動作フローチャートである。本発明の駆動装置140の駆動開始から駆動終了までの動作が示されている。
ステップS01では、演算処理部10が振動子109の目標位置と振動子209の目標位置をそれぞれ設定する。
ステップS02では、位置検出手段16が振動子109の位置を検出する。ステップS03では、位置検出手段26が振動子209の位置を検出する。
ステップS04では、ステップS02で検出した振動子109の位置とステップS03で検出した振動子209の位置とにより、振動子109と振動子209とがステップS01で設定した目標位置に対して所定距離の範囲内にあるか否か判定する。ここで所定距離は、許容錯乱円、レンズ装置1の口径比、レンズ装置1のフォーカス敏感度から決まる値であり、目標位置からずれても撮影系として問題とならない距離を設定する。
ステップS04において、振動子109と振動子209とが目標位置から所定距離の範囲内にあると判定された場合には、駆動を行わずそのまま動作フローを終了する。目標位置から所定距離の範囲内にないと判定された場合には、ステップS05に進む。
ステップS05では、ステップS02で検出した振動子109の位置とステップS01で設定した目標位置との偏差を算出する。更に、ステップS03で検出した振動子209の位置とステップS01で設定した目標位置との偏差も算出する。
ステップS06では、ステップS05で算出したそれぞれの偏差に基づいて、振動子109の駆動パターンを設定する指令値と、振動子209の駆動パターンを設定する指令値とをそれぞれ設定する。
ステップS07では、ステップS02で検出した振動子109の位置とステップS03で検出した振動子209の位置とに基づいて、振動子109と振動子209の間隔Lを算出する。この動作は、間隔算出手段141が行う。
ステップS08では、ステップS07で算出した間隔Lに基づいて、図5乃至図8で説明したように、摩擦部材101で発生する振動が打ち消されるように、振動子109の楕円振動130と振動子209の楕円振動230の位相差Δθを設定する。この動作は、位相差制御手段142が行う。
ステップS09では、ステップS06で設定した振動子109の駆動パターンを設定する指令値に基づいて、振動子109に入力する駆動信号を出力する。
ステップS10では、ステップS06で設定した振動子209の駆動パターンを設定する指令値に基づいて、振動子209に入力する駆動信号を出力する。この際、振動子109の楕円振動130と振動子209の楕円振動230の位相差Δθが、ステップS08で設定した値になるように、振動子109に入力する駆動信号と振動子209に入力する駆動信号とを所定量の位相差Δθで出力する。ステップS10が終わると、ステップS02に戻る。
以上のように、複数の振動子によって摩擦部材101に発生する振動が互いに打ち消し合うように、複数の振動子の間隔Lに応じて複数の振動子の振動の位相差Δθを変えることで、摩擦部材に発生する振動を低減した振動波モータを実現することができる。以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
16、26 位置検出手段
101 摩擦部材
101a 接触面
102、202 振動板
103、203 圧電素子
109、209 振動子
102a、202a 接触部
130、230 楕円振動
140 駆動装置
141 間隔算出手段
142 位相差制御手段
L 間隔
Δθ 楕円振動130と楕円振動230の位相差
λ 波長
n 整数

Claims (5)

  1. 少なくとも一つの接触部を備える振動板と圧電素子とを固着して構成される、複数の振動子と、
    前記接触部と摩擦接触する接触面を有する摩擦部材と、を備え、
    前記摩擦部材には、複数の前記振動子が加圧接触し、
    複数の前記振動子は、前記圧電素子で励起される振動で前記接触部に楕円振動を発生し、
    前記楕円振動によって複数の前記振動子と前記摩擦部材とは相対的に移動する駆動装置において、
    複数の前記振動子の間隔に応じて、前記圧電素子で励起される複数の前記振動子のそれぞれの振動の位相を制御する制御手段を有することを特徴とする、駆動装置。
  2. 前記制御手段は、複数の前記振動子の間隔に応じて、複数の前記振動子のそれぞれの振動の位相の差である位相差を変更することを特徴とする、請求項に記載の駆動装置。
  3. 複数の前記振動子は、それぞれ独立に移動し、
    複数の前記振動子の位置をそれぞれ検出する複数の位置検出手段と、
    該位置検出手段で検出された複数の前記振動子の位置に基づいて前記間隔を算出する間隔算出手段と、を有することを特徴とする、請求項に記載の駆動装置。
  4. 前記制御手段は、前記間隔が前記摩擦部材の固有振動の波長の整数倍の場合は、前記位相差を180°とし、前記間隔が前記摩擦部材の固有振動の波長の(整数+0.5)倍の場合は、前記位相差を0°とし、前記間隔が整数倍と(整数+0.5)倍の間の場合は、前記位相差を内挿補間して求めた値とすることを特徴とする、請求項に記載の駆動装置。
  5. 前記振動は、超音波領域の周波数の超音波振動であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の駆動装置。
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