JP6557529B2 - マンホール側壁と管との接続部分における耐震構造 - Google Patents

マンホール側壁と管との接続部分における耐震構造 Download PDF

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本発明は、下水道管等の管(以下、単に管といい、したがって本発明でいう管とは下水道管等を指すものとする)と、マンホール側壁との接続部分に耐震継手を用いた耐震構造に関する。
図1は、管とマンホール側壁との既設の接続部分を耐震化した特許文献1に開示される耐震構造について示すもので、その施工は図2に示すように、マンホール側壁1と既設管2の接続部分において、既設管2の周りのマンホール側壁1を外周面近くまで一部を残して既設管2及びインバート3の所要部と共にハツって除去したのち、マンホール内から既設管2の管内に更生管4を挿入してライニングし、ついで厚生管4のマンホール内への突出部分をマンホール内側面と面一に切断したのち、既設管2より突出する更生管外周のマンホール側壁に穿けた孔との環状の空隙にゴム又は樹脂製の弾性変形可能な耐震継手5を装填し、その後ハツったインバート3の凹状のハツリ部分に弾性材よりなる充填材6を充填し、更生管4との段部にモルタル7を埋めて更生管4に達する円弧溝状の流路を形成して行っている。図1は、施工後の断面構造を示し、地震が発生したときの更生管4とマンホール1との相対的な動きが耐震継手5や充填材6で吸収されるようにしている。
図3は、特許文献2に開示される耐震構造を示すもので、その施工はインバート9をハツったのち、管状部10と、フランジ部11と、管状部10及びフランジ部11の間の倒V形状をなす変位吸収部12よりなるゴム又は樹脂製の耐震継手13を用い、その管状部10をマンホール側壁14に接続される既設管15よりマンホール内に突出する更生管16の管端部に外嵌したのち、バンド17にて締着すると共に、フランジ部11をマンホール側壁に固着のアンカーボルト18にて止着し、ついで大径部と小径部よりなる段付状の半円形のクッション材19をインバート9をハツった凹状のハツリ部分より更生管16の下半分に下側より当てがい、その後、前記インバート9の凹状のハツリ部分にモルタルによる埋め戻しを行っている。そして埋め戻されたモルタルには、その表面に更生管16に至る円弧溝状の流路(図示しない)を形成している。図3は施工後の耐震構造の断面を示している。
地震の地殻変動により更生管16とマンホール14との間に相対的な動きが発生し、厚生管16が図4に示すようにマンホール内に突出したときには、該突出に追従して変位吸収部12がクッション材19を押込んで延び、前記動きを吸収するようにしている。
以上は既設管とマンホール側壁との接続部分を耐震化する工法及び該工法により得られる耐震構造について示すものであるが、マンホール側壁と新設管との接続部分を耐震化した耐震構造も知られる。
図5は、特許文献3及び4に開示される一例を示すもので、その施工は、先ず小径部21aと、大径部21bと、これら大小径部間の傾斜部21cとを備えた耐震継手21を用い、その継手21の先端側の小径部21aをマンホール側壁22を貫通して形成される削孔23にマンホール外側から挿入したのち、削孔23内に位置する大径部21bの内側に装着した張出し金具24を図示しない拡張治具を用いて拡径し、削孔23内面に圧着させ固定させる。次に新設管25をマンホール外側から継手内に挿入し、マンホール内に突出する管端部を継手21の小径部より突出させた状態で、継手小径部21aをその外周側から締結バンド26により締着し固定したのち、管25をマンホール外に引抜き、管端をマンホール側壁22の内側面と面一にする。管25の引き抜きに伴い継手21の傾斜部21cが大径部21bよりマンホール外に向けて折り返され、小径部21aがマンホール外に引き出される。その後、マンホール内からゴム又は樹脂製のスポンジよりなる充填材27を管25と継手21の傾斜部21cとの間の先細りをなす環状の隙間に押込み、ついでマンホール内より管25の周りの前記隙間にモルタル28をマンホール内側面と面一になるように継手21及び充填材27を覆って塗り込める。その後マンホール底部にモルタルを打設し、その表面に管25への溝状の流路(図示しない)を備えたインバート29を形成する。図は施工後の耐震構造の断面を示すものである。
前記継手21はマンホールの外側から取付けられるようになっているが、マンホールの内側から取付けるタイプのものも知られる。図6は、その一例を示すもので、その施工は、前記継手21と同じく小径部31aと、大径部31bと、これら大小径部間の傾斜部31cとを備えた耐震継手31を用い、該継手31の先端側の小径部31aをマンホール側壁22に形成した削孔23にマンホール内から挿入し、継手先端をマンホール外に突出させた状態で継手大径部31bの内側に装着した張出し金具32を前記と同様拡径して継手大径部31bを削孔23内面に圧着し固定する。その後、マンホール外側から管33を継手先端の小径部側より継手内に管端がマンホール側壁22の内側面と面一になるように挿入し、小径部31aを締結バンド26で締着し固定する。次にマンホール内側から充填材33を管25外周の環状の隙間に装填したのち、前記と同様モルタル仕上げを行う。図6は施工後の耐震継手の断面を示している。
特許第4628409号 特許第5199164号 特開2004−100144号 特開2004−316302号
図1に示される耐震構造では、地震が起こったときの既設管2の水平方向の変位や傾きが耐震継手5や充填材6により吸収できるものの、耐震継手5や充填材6など下水と接触する面にマンホール内に流入して渦巻く下水が衝突したり、下水と共に流入する小石や金属片が当たって損耗し、長期間損耗が続き、損耗量が大きくなると、耐震継手5による止水性能が損なわれるようになる恐れがある。
また図3に示される耐震構造においては、インバート9で覆われるクッション材19の損耗はないものの、インバート9で覆われない耐震継手13の露出部分には、下水が直接接触するため、変位を吸収する変位吸収部12にゴミが付着し易く、金属製のバンド17やアンカーボルト18が腐食し、継手13の固定が損なわれ易くなる。またインバート9で覆われるクッション材19や継手13は、地震時における変位や傾きが強固なインバート9により阻害され、クッション材19や継手13の変位吸収部12が機能しなくなるといった不具合が予想される。
また図5及び図6に示される耐震構造においては、継手21、31や充填材27、33がモルタル28、34で覆われ、下水によって損耗したり、下水中のゴミが付着することがなく、マンホール外における地震時の管25とマンホール側壁22との相対的な変位や傾きに対しては、継手21、31の傾斜部21c、31cが屈伸することにより、また充填材27、33が弾性変形することにより、管25とマンホール側壁22との相対的な変位や傾きを吸収するが、管25がマンホール内へ向かって変位する場合は、インバート29が形成される部分が強固なインバート29により、管25とマンホール側壁22との前記相対的な変位や傾きが阻害され、継手21、31や充填材27、33の機能が発揮されなくなる。
本発明は、上記の問題を解消し、耐震継手をモルタルで覆って露出しないようにすると共に、マンホール側壁に接続される管の地震時におけるマンホール内へ向かう変位や傾きが阻害されることのない耐震構造を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、マンホール側壁に接続される管の周りに装着される前記管とマンホール側壁との相対的変位及び若しくは傾きを吸収可能な耐震継手及び伸縮性に富む吸収材と、これら耐震継手及び吸収材がマンホール内に露出しないように耐震継手及び吸収材を覆う薄肉の容易に破壊可能なモルタルと、マンホール底にモルタルの打設によって形成されるインバートよりなり、該インバートの表面には前記管に達し、該管内周面と段差なく接続される円弧溝状の流路が形成される、マンホール側壁と管との接続部分における耐震構造において、前記インバートには、前記モルタルとは接着しない材質よりなると共に、少なくとも上面を前記管をマンホール内に延長したときの延長部分と干渉しないに位置に設けた円弧状面とし、かつ厚みが前記管の肉厚より大である円弧状のインバート表層部と、それより下側のインバートとの縁切りを行う縁切り材が埋設されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記縁切り材の円弧状面が前記破壊が容易なモルタル薄肉部の内径と外径との間に位置することを特徴とし、
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、マンホール側壁に接続される前記管には、該管の周りのインバートをハツったのち、該管に挿入してライニングされ、一部を前記管より突出させた状態で更生管が取付けられ、前記耐震継手は、マンホール内に突出する前記更生管の管端部に外嵌されて止着される管状部、前記マンホール側壁の外側面又は内側面に当てがわれて止着されるフランジ部及び前記管状部とフランジ部間に形成される変位吸収部を備え、前記吸収材が前記継手の変位吸収部に隣接して装着されることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記耐震継手がマンホール外の前記管又はマンホール内に突出する前記管の管端部に外嵌されて止着される管状部、前記マンホール側壁の外側面又は内側面に当てがわれて止着されるフランジ部及び前記管状部とフランジ部間に形成される変位吸収部を備えることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明における縁切り材がゴム又は樹脂製の弾性体よりなるシートであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、縁切り材には更生管管端より離れた側の一端に前記更生管の延長部分に向かって突出する円弧状のリブが突出形成されることを特徴とする。
請求項1に係る発明の耐震構造によれば、地震時の管とマンホール側壁との相対的な変位や傾きによって耐震継手及び吸収材を覆うモルタル薄肉部の破壊に至る変位により、該薄肉部に接する縁切り材上のインバート表層部が押し出されて縁切り材との界面で容易に剥離し除去されるようになり、これによりインバート表層部に接するモルタル薄肉部の破壊がインバートで覆われる部分も覆われない部分と同様、支障なく行われるようになり、継手の変位吸収部と吸収材による地震時の継手とマンホール側壁との相対的な変位や傾きが吸収される。
縁切り材の円弧状面上のインバート表層部は前述するように、耐震継手及び吸収材を覆うモルタル薄肉部の変位によって押し出され、前記円弧状面より剥離するが、縁切り材の円弧状面が前記モルタル薄肉部の内径より小さな範囲で、管が突出したときに前記円弧状面が管と干渉するような位置に配置されていると、モルタル薄肉部が変位しようとしても、その側面の強固なインバートに阻まれて破壊できなくなり、モルタル薄肉部が破壊されないと、耐震継手及び吸収材の機能が発揮できなくなる。すなわち、地震時のマンホール内へ向かう管とマンホール側壁との相対的な変位や傾きを吸収できなくなる。逆に縁切り材の円弧状面がインバートの深い位置に配置されていると、厚みの大なるインバート表層部や縁切り材を押し込んでも、その側方の強固なインバートで動きが阻まれ、インバート表層部の剥離除去が行い難くなる。請求項2に係る発明のように、縁切り材の円弧状面をモルタル薄肉部の内径と外径との間に位置させていると、インバート表層部の剥離除去が確実に行えるようになる。
請求項3に係る発明の耐震構造によると、既設管とマンホール側壁との接続部分を耐震構造とすることができ、また吸収材が継手の吸収部に隣接して配置されることにより、バックアップ材側面のモルタル薄肉部を破壊しない程度の変位であっても吸収材が変位吸収部の変位を伴いながら管の変位を吸収することができる。
請求項4に係る発明の耐震構造によると、マンホール側壁に新設管を接続する接続部分の構造に適用することができる。
請求項5に係る発明の耐震構造によると、縁切り材は弾性材であってもシートであり、厚み方向での弾性変形量が小さいため、地震時以外はインバートに下水による外圧が加わってもインバート表層部は壊れ難く、また地震時のマンホール側壁と管の相対的な変位や傾きによりモルタル薄肉部が破壊され易いため、バックアップ材や耐震継手が縁切り材に突き当たるようなことがあっても互いに損傷を生じにくい。しかもシートは構造が簡単で市販のシートをそのまま用いることができ、コストを抑えることができる。
請求項6に係る発明の耐震構造によると、リブによりリブ上の表層部の埋め戻し部分は薄肉で強度が弱いため、表層部の埋め戻し部分の剥離がより一層容易となり、除去され易くなる。
耐震構造の従来例を示す断面図。 図1に示す耐震構造の施工時の断面図。 耐震構造の従来例の別の例を示す断面図。 地震時に厚生管が突出した図3に示す耐震構造の断面図。 耐震構造の従来例の更に別の例を示す断面図。 耐震構造の従来例の他の例を示す断面図。 本発明に係る耐震構造の断面図。 図7のA―A線における断面図。 地震時に厚生管が突出した図7に示す耐震構造の断面図。 本発明に係る耐震構造の別の例の断面図。 図10のB−B線における断面図。 本発明に係る耐震構造の更に別の例の断面図。 本発明に係る耐震構造の更に別の例の断面図。 本発明に係る耐震構造の他の例の断面図。
図7は、本実施形態に係る耐震構造、すなわち管内に更生管42を挿入してライニングしてなる既設管41と、マンホール側壁43の接続部分における耐震構造を示すもので、既設管41よりマンホール内に突出する更生管管端部に装着される耐震継手44は、管状部45と、該管状部45に管41とマンホール側壁43との相対的な変位や傾きを吸収する変位吸収部としての伸縮部46を介して連結されるフランジ部47よりなり、管状部45は前記更生管管端部に外嵌されて止着手段により止着、例えば接着剤や両面テープにより更生管管端部に接着されるか、或いはその外側から掛け渡された締付バンドにより締着されるようになっており、図7には、両面テープ48により接着した例が示してある。
また前記伸縮部46は、図示する例では管軸方向を向く倒U形状をなしているが、図3に示すようにV形状をなしていてもよいし、波状をなしていてもよく、また径方向に一定の間隔をおいて複数個所に設けてもよい。また図5及び図6に示すような耐震継手21、31の大径部21b、31bと小径部21a、31a間に形成される屈伸可能な傾斜部21c、31cであってもよい。要するに伸縮部46は、地震時の揺れによる変位や傾きを吸収できればどのような構造であってもよく、特定の構造に限定されるものではない。
フランジ部47はマンホール側壁43の内壁面にあてがわれ、マンホール側壁43に接着剤又は両面テープ49にて接着され、固定されるようになっている。フランジ部47の固定は接着以外に例えば図3に示すようなアンカーボルト18を用いて固定してもよい。
更生管管端部に外嵌され、両面テープ48により止着される耐震継手44の管状部45には、その外周面にゴム又は樹脂製のスポンジよりなる伸縮性に富むリング状の吸収材としてのバックアップ材51が密嵌状態で装着されている。このバックアップ材51は、耐震継手44を後述するモルタルで被覆しても前記伸縮部46の伸縮が確保できるようにするために設けられるもので、管状部45に装着した状態で外径が伸縮部46の外径と同程度にされ、伸縮部46に側面より当てて管状部45に装着したとき、伸縮部46の側面を覆い、伸縮部46の伸縮に伴い弾性変形できるようになっている。このバックアップ材51は外径が伸縮部46の外径と等しいか、より大で、伸縮部46より径方向に突出していてもよいし、後述のモルタルで被覆した状態で伸縮部46の伸縮が確保される範囲内であれば、伸縮部46の外径より小さく、伸縮部46より径方向に引っ込んでいてもよい。
既設管41よりマンホール内に突出する厚生管42は、バックアップ材51の取付位置よりモルタル塗り代分を確保して設定長さ突出した箇所で切断され、前述の耐震継手44及びバックアップ材51を覆って前記モルタル塗り代分までモルタルが塗り込められる。バックアップ材側面のモルタルは薄肉で、地震時の更生管42の管軸方向の相対的な変位及び若しくは傾きにより容易に破壊され、これにより伸縮部46の伸縮が十分に行えるようになっている。なお、フランジ部47を覆うモルタル53は厚肉で強固であり、地震時にマンホール側壁43に対し既設管41や更生管42に相対的な変位が生じても壊れることはなく、そのため耐震継手44はマンホール側壁43にしっかりと固着された状態を維持する。
以上述べた耐震継手44及びバックアップ材51にモルタルを被覆するまでの施工は、次のようにして行われる。
先ず、マンホール内の既設管41の管端に隣接するインバート54をエアハンマー等の工具を用いて所要量ハツっておく。図7においてインバート内の略傾斜した線は、既設のインバート54を凹状にハツったハツリ部分の底面を示している。次にマンホール内からマンホール側壁43に接続される既設管41の管端より塩化ビニルなどの熱可塑性チューブを窄ませ、湾曲断面にした状態で挿入したのち、チューブ内に高温のエア又はスチームを通して加熱し、断面円形に膨らませて既設管内周面に密着させ、ライニングして更生管42とする。この更生管42はマンホール内に適当量突出させ、突出した管端部に前述の耐震継手44を取付け、かつフランジ部47をマンホール側壁内面に取付けて更生管管端部とマンホール側壁43との間を止水する。次に耐震継手44の管状部45に外周側よりリング状のバックアップ材51を装着し、その後耐震継手44及びバックアップ材51を覆ってモルタル53を塗り込める。前記バックアップ材51はリング状のものを用いているが、テープ状のものを用いて管状部45の外周に巻き付け、一周させて切断し、両端を突き合わせて接着又は連結具を用いてエンドレスに連結するようにしてもよい。
以上述べた耐震構造において、本発明に係る実施形態では、耐震継手44とバックアップ材51にモルタル被覆後、インバート54のハツリ部分へのモルタルの埋め戻しが行われるが、この埋め戻しの途中において、バックアップ材51の内外径の間に位置する円弧状面、好ましくはバックアップ材51のマンホール内への延長部分と同心円状をなし、曲率半径がバックアップ材51の内径と外径の間をなす円弧面をモルタルに形成したのち、後述する縁切り材の取付け作業が行われる。図8に示す縁切り材は、一側端に一定高さのリブ56を直交して突設したシート57よりなるもので、その取付けは、リブ56のない側を更生管端近く、好ましくはモルタル薄肉部53aに接触させ、リブ56のある側を更生管端より遠ざける向きに、かつ前記更生管42がマンホール内に突出したときに前記バックアップ材51と干渉する深さにシート57をモルタルの前記円弧状面に沿わせて円弧状に装着することにより行われる。
シート57はモルタル薄肉部53aの内径より小さな範囲(浅い位置)で、厚生管42の延長上に厚生管42が突出したとき、該厚生管42と干渉するような位置に配置されていると、モルタル薄肉部53aが変位しようとしても、モルタル薄肉部53a側面には強固なインバートがあるため、これに阻まれてモルタル薄肉部53aが破壊されなくなり、モルタル薄肉部が破壊されないと、耐震継手及び吸収材の機能が発揮できなくなり、地震時の管41、42とマンホール側壁43との相対的な変位や傾きを吸収できなくなる。逆にシート57が前記バックアップ材51の外径よりも深い位置に配置されていると、厚みの大なるインバート表層部58を押し込んでも、その側方の強固なインバートで動きが阻まれ、インバート表層部58の剥離除去が行い難くなる。シート57を少なくともモルタル薄肉部53aの範囲内とし、好ましくはバックアップ材51の内径と外径との間に位置させていると、インバート表層部の剥離除去が確実に行えるようになる。
モルタルの円弧状面にシート57を取付けた後、該シート上にモルタルを打設する。そしてその表面にハツった箇所以外のインバート54に残る流路に繋がり、更生管管端に達する円弧状溝よりなる流路59を復元して形成する(図8参照)。この流路59は更生管管端に向かって次第に深まり、更生管の内周面とは段差なく接続され、これにより下水等が厚生管内にスムースに流入できるようにしている。
シート上へのモルタルの打設は、図8に示すようにシート57の両端が覆われるまで、また図7に示すようにリブ56が覆われるまで行われるが、シート57の両端と面一をなす程度まで、またリブ56と面一をなす程度まで行うようにしてもよい。
使用されるシート57はモルタルとは非接着性の弾性材、例えばEPDM、NR、CR当のゴム材料、熱可塑性エラストマー、塩化ビニル等のゴム様弾性体よりなる熱可塑性樹脂で形成され、リブ56はシート57の一端側に一体形成されるが、シート57とは別体で、シート57に接着して取付けてもよい。
シート57上にモルタルの打設により形成されたインバート表層部58は、シート57で覆われるシート下のインバートとはシート57により縁切りされた状態となっている。リブ上では図7に示すようにリブ内外のインバートが連続し、また湾曲したシート両端においても図8に示すように、内外のインバートが連続しているが、連続していても当該部分のモルタルの厚みは薄く、強度も弱いため、容易に破壊可能である。
本実施形態の耐震構造によると、地震時に例えば厚生管42が図9に示すように既設管41よりマンホール内に突出すると、リブ上及びシート両端上の強度の弱いモルタルを破壊すべく押し出し、シート上のインバート表層部58を押し込んでモルタルと非接着性のシート57との界面で剥離して容易に除去する。これによりインバートで覆われる箇所にあってもバックアップ材側面を覆うモルタル薄肉部53aの破壊が助長され、耐震継手44の変位吸収部としての伸縮部46がインバートの有る無しにかかわらず、その全周において容易に伸縮されるようになる。
シート57は、前述のゴムや樹脂材料で形成する代わりに例えば鋼やアルミニウム等の金属製、或いはポリプロピレン等の硬質樹脂製で湾曲形成され、剛性のあるもので形成してもよく、またシート状でなくても内面が円弧状をなす剛性の大なるブロックであってもよいが、弾力性のあるシート57とすることにより、
(1)取り扱いが容易で、必要サイズに合わせて切断し使うことができ、モルタルの円弧面に沿わせて装着するのも容易である、
(2)縁切り材の剛性が大であると、地震時にバックアップ材側面を覆うモルタル薄肉部53aが破壊されて、耐震継手44の伸縮部46が伸びたとき、バックアップ材51や耐震継手44の伸縮部46が縁切り材に阻まれて伸びが妨げられたり、縁切り材に当たって損傷するおそれがあるが、縁切り材が弾力性のあるシート57であると、こうした問題を生じない。
(3)シート57は市販のものを使用でき、コストを低減させることができる、
などの効果を有する。
以上述べた実施形態は、マンホール側壁43と既設管41との接続部分における耐震構造について示すものであるが、マンホール側壁に新設管を接続する場合も同様に構成することができる。
図10は、マンホール側壁61と新設管62との接続部分における耐震構造を示すもので、マンホール側壁61にあけられた穿孔63に耐震継手64を装着した新設管62を挿入し、新設管62の管端面をマンホール側壁61の内側面と面一をなすように位置調整するか、或いは管端部の切断を行う。次に管端部の周りの穿孔63内に吸収材としてのゴム又は樹脂製のスポンジよりなる充填材65を装填する。この充填材65は、前述のバックアップ材51と同様、リング状をなすか、新設管62の周りに巻付け、一周して切断したのち、切断端面を突き合わせるか、連結具を用いて連結され、穿孔内への装填は、マンホール内側面からモルタル塗り代分を確保して行われる。充填材装填後、前記モルタル塗り代にモルタルを塗り込める。前記モルタル塗り代は小さく、したがって塗り込められたモルタルも薄肉のモルタル薄肉部66となり、地震時の新設管62とマンホール側壁61との相対的な変位や傾きにより容易に破壊される。つまり、モルタル薄肉部66は前記した既設管41へ施した耐震化構造に設けていたモルタル薄肉部53aと同様に機能する。
耐震継手64は、前述の耐震継手44において、管状部45と伸縮部46の間に伸縮部46とは逆向きに突出する差込部68を設けた以外は前述の耐震継手44と同一構造をなしており、使用時には差込部68が新設管管端を向くように管状部45を先端側から新設管62に挿入し、マンホール側壁43の内側に取付けられる図7に示す前記耐震継手44とは逆にマンホール側壁43の外側に逆向きに取付けられる。そして前述のモルタル塗り込みに前後して新設管62に装着の継手64の位置をずらしてフランジ部47をマンホール外側面に当て、かつ差込部68を新設管管端部の周りの穿孔63に差込み、充填材65の位置規制を行った状態で、前述の継手44と同様、管状部45を新設管62に止着すると共に、フランジ部47をマンホール外側面に止着する。
その後、マンホール底にモルタルを打設し、インバート69を形成するが、大部分のインバートを形成した段階で、図7に示す前記実施形態と同様、モルタル薄肉部66の径方向の範囲内、すなわち新設管62の外径と穿孔63の外径の範囲内にシート57を新設管62と同心円をなして配置する。ついでシート上にモルタルを打設し、シート上のインバート表層部71の表面に新設管62に達する略円弧溝状の流路70を形成する(図11参照)。この流路70は新設管62の内周面と段差なく連続し、下水が新設管62にスムースに流入できるようにされる。
図12は、マンホール側壁61と新設管62との接続部分における耐震構造の別の例を示すもので、マンホール側壁61にあけた穿孔63に新設管62を差込み、マンホール内に突出する新設管管端部に新設管62の外径に合わせたサイズを有する前述の耐震継手44と同一構造をなす耐震継手73を新設管外周に装着し、図7に示す実施形態と同様、管端部とフランジ部をそれぞれ新設管管端部とマンホール側壁とに止着する。ついで図7に示す実施形態と同じく、管状部45の外周にバックアップ材51を装着し、継手73とバックアップ材51を覆ってモルタル43を塗り込め、バックアップ材側面は薄肉部43aとする。その後、マンホール底にモルタルを打設し、インバート64を形成する。そしてその途上において、図10に示す耐震構造と同様、前述のシート57をモルタル薄肉部43aの内外径の間に配置し、その上からモルタルを打設し、その表面に新設管62に通ずる図11に示すような円弧溝状の流路70を形成する。
図13は、図6に示す耐震構造において、前記実施形態と同様、前記シート57を管25の外径と削孔23の外径の間に配置されるようにインバート29に埋設して設けた例を示すものであり、図14は図5に示す実施形態において、前記シート57を前記実施形態と同様にインバート29に埋設して設けた例を示すものである。どちらの形態も図5及び図6に示す形態と同様に継手21、31や充填材27、33からなり、これらのマンホール内をモルタル薄肉部28、34で覆っている。
21、31、44、64、73・・耐震継手
29、54、69・・インバート
41・・既設管
42・・厚生管
43、61・・マンホール側壁
45・・管状部
46・・伸縮部
47・・フランジ部
51・・バックアップ材
53・・モルタル
56・・リブ
57・・シート
58、71・・インバート表層部
59、70・・流路
62・・新設管
63・・穿孔
65・・充填材

Claims (6)

  1. マンホール側壁22、43、61に接続される管25、41、42、62の周りに装着される、前記管とマンホール側壁22、43、61との相対的変位及び若しくは傾きを吸収可能な耐震継手21、31、44、64、73及び伸縮性に富む吸収材51、65と、これら耐震継手及び吸収材がマンホール内に露出しないように前記耐震継手及び吸収材を覆う薄肉の容易に破壊可能なモルタル28、34、43a、53、66と、マンホール底にモルタルの打設によって形成されるインバート29、54、64、69よりなり、該インバートの表面には前記管25、41、42、62に達し、該管内周面と段差なく接続される円弧溝状の流路59、70が形成される、マンホール側壁と管との接続部分における耐震構造において、前記インバート29、54、64、69には、前記モルタル28、34、43a、53、66とは接着しない材質よりなると共に、少なくとも上面を前記管25、41、42、62をマンホール内に延長したときの延長部分と干渉しない位置に設けた円弧状面とし、かつ厚みが前記管41、42、62の肉厚より大である円弧状のインバート表層部58、71と、それより下側のインバートとの縁切りを行う縁切り材57が埋設されることを特徴とする耐震構造。
  2. 前記縁切り材の上面が前記破壊が容易なモルタル薄肉部の内径と外径との間に位置することを特徴とする請求項1記載の耐震構造。
























  3. 前記マンホール側壁43、61に接続される前記管41、42、62には、該管の周りのインバート29、54、69をハツったのち、該管に挿入してライニングされ、一部を前記管より突出させた状態で更生管42が取付けられ、前記耐震継手21、31、44、64、73は、マンホール内に突出する前記更生管42の管端部に外嵌されて止着される管状部45、前記マンホール側壁43、61の外側面又は内側面に当てがわれて止着されるフランジ部47及び前記管状部45とフランジ部47間に形成される変位吸収部46を備え、前記吸収材51、65が前記継手の変位吸収部46に隣接して装着されることを特徴とする請求項1又は2記載の耐震構造。
  4. 前記耐震継手がマンホール外の前記管又はマンホール内に突出する前記管の管端部に外嵌されて止着される管状部45、前記マンホール側壁の外側面又は内側面に当てがわれて止着されるフランジ部47及び前記管状部45とフランジ部47間に形成される変位吸収部46を備えることを特徴とする請求項1又は2載の耐震構造。
  5. 縁切り材がゴム又は樹脂製の弾性体よりなるシート47であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの請求項に記載の耐震構造。
  6. 前記縁切り材47には更生管管端より離れた側の一端に前記更生管の延長部分に向かって突出する円弧状のリブ46が突出形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの請求項に記載の耐震構造。
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