JP6842094B1 - マンホールの耐震構造、その構築方法、及び構築方法の実施に供される切削装置 - Google Patents

マンホールの耐震構造、その構築方法、及び構築方法の実施に供される切削装置 Download PDF

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Abstract

【課題】下水道本管に外副管が接続されたマンホールの耐震化構造、その構築方法、及び、構築方法の実施に供される切削装置を提供すること。【解決手段】マンホールの耐震構造は、外副管の環状の溝と、該溝及びこれに連なる空間を埋める弾性変形可能の止水材と、マンホールの壁の環状の穴と、環状の穴を埋める止水材とを備える。耐震構造の構築方法は、外副管に環状の溝を形成し、溝の下方空間を充填物で満たし、環状の溝とこれに連なる空間とを埋める止水材を配置し、環状の溝の上方空間を充填物で満たし、マンホールの壁に環状の穴を設け、環状の穴に止水材を配置し、内副管を設けることを含む。切削装置は脚部材と、両脚部材に支持されたロッドと、ロッドに取り付けられたシャフトと、シャフトに固定されたモータと、モータに取り付けられたコンクリートカッターとを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、下水道本管及び外副管が接続された既設のマンホールに適用される耐震構造、その構築方法、及び構築方法の実施に供される切削装置に関する。
従来、既設のマンホールの耐震化を図るために、マンホールと該マンホールに接続された下水道本管との間に可撓化処理を施すことが提案されている。この可撓化処理は、コンクリートコアカッターを用いて、マンホールの壁(躯体)に下水道本管の端部の周りに環状の穴を設け、この穴に弾性変形可能の止水材を配置することにより行われる。これによれば、マンホールによる下水道本管の端部の拘束が解除され、地震の発生時における止水材の弾性変形を介して、マンホールに対する下水道本管の相対変位が許容され、これにより下水道本管の損壊や破壊が防止される。
ところで、高さ位置を異にする複数の下水道本管が接続されたマンホールにおいては、上方の高さ位置にある下水道本管に外副管が接続されていることがある。このようなマンホールにあっては、下水道本管に接続されこれを拘束する外副管が、前記可撓化処理が施された下水道本管の相対変位を阻害する。これは、地震時における下水道本管の損壊又は破壊を防止するうえで障害となる。
特開2002−30686号公報
本発明の目的は、下水道本管に外副管が接続されたマンホールの耐震構造、その構築方法、及び、前記構築方法の実施に供される切削装置を提供することにある。
本発明は、下水道本管がその端部において既設のマンホールの壁に接続され、また、外副管がその端部において前記下水道本管に接続されている前記マンホールの耐震構造に係る。前記マンホールの耐震構造は、前記マンホールの壁に形成され前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴と、前記環状の穴を埋める弾性変形可能の止水材と、前記外副管の端部の近傍において前記外副管に形成されその内部に開放する環状の溝と、前記環状の溝を埋め又は前記環状の溝と該溝が取り囲む前記外副管の内部とを埋める弾性変形可能の止水材とを備える。
本発明に係るマンホールの耐震構造にあっては、地震時において、前記マンホールの壁に形成された環状の穴と該穴内の止水材の弾性変形とにより前記マンホールに対する前記下水道本管の端部の相対変位が許容される。他方、前記外副管に形成され機械的強度の低い構造上の弱点を形成する前記溝の形成部分が地震力を受けて破壊されることにより前記下水道本管に対する前記外副管の拘束が解除され、前記溝内の止水材の弾性変形を介しての前記外副管に対する前記下水道本管の相対変位が許容される。これにより、地震の発生に伴う前記下水道本管、あるいはさらに前記マンホールの損壊や破壊が防止される。
本発明は、また、前記マンホールの耐震構造の構築方法に係り、2つの実施の形態を有する。
一の実施の形態に係る構築方法は、マンホール及び下水道本管の内部から、外副管の端部の近傍において前記外副管にその内部に開放する環状の溝を形成すること、前記環状の溝にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、前記環状の溝の形成に先立ち又はその後に、前記マンホールの内部から前記マンホールの壁に前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴を形成すること、及び、前記環状の穴にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置することを含む。
また、他の実施の形態に係る耐震構造の構築方法は、マンホール及び下水道本管の内部から、外副管の端部の近傍において前記外副管にその内部に開放する環状の溝を形成すること、前記環状の溝の下方において前記外副管の内部を充填物で満たすこと、前記環状の溝と該溝が取り囲む前記外副管の内部とにこれらを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、前記環状の溝の上方において前記外副管の内部を充填物で満たすこと、前記環状の溝の形成に先立ち又はその後に、前記マンホールの壁に前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴を形成すること、前記環状の穴にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、及び、前記マンホールの内部に内副管を設けることを含む。
前記一及び他の各実施の形態においては、弾性変形可能の止水材の配置空間である前記環状の溝が前記外副管の内部に開放しその外部である地盤に連通しないことから、前記耐震構造の構築中、前記外副管内への地盤中の土砂や地下水の流入が防止される。また、前記環状の溝の形成について、これを前記下水道本管内から行うことから、前記マンホールの外部から地盤を掘削して行う場合と比べて、前記耐震構造の構築に要する時間及び労力の節減を図ることができる。
また、前記一の実施の形態に係る構築方法によれば、前記マンホールへの耐震構造の構築後における前記外副管の利用が可能であり、また、前記他の実施の形態に係る構築方法によれば、前記外副管の内部をモルタルのような充填材で埋め、これにより前記外副管を廃管とし、新たに設ける内副管の利用が可能である。
本発明は、さらに、切削装置に係る。この切削装置は、前記一又は他の実施の形態に係る構築方法において、マンホール及び下水道本管の内部から、外副管の端部の近傍において前記外副管の内部に開放する環状の溝を形成するために用いられる。
前記切削装置は、一対の脚部材と、一端部及び他端部を有するロッドであってその長手方向へ滑動可能に両脚部材に取り付けられたロッドと、シャフトであってその軸線の周りに回転可能に前記ロッドの一端部に取り付けられたシャフトと、前記シャフトに固定されたモータであってその回転軸線が前記シャフトの軸線と平行に伸びるモータと、前記モータの回転軸に該回転軸の軸線の周りに回転可能に取り付けられた複数段の丸刃からなるコンクリートカッターとを備える。前記環状の溝の形成に際して、前記ロッドは、両脚部材を介して、前記下水道本管内に該下水道本管の軸線と平行に支持され、また、前記コンクリートカッターは前記ロッドを介して前記外副管の内部に該外副管の端部の近傍において吊持される。
前記切削装置を用いて行う前記外副管への環状の溝の形成は、次のようにして行うことができる。
まず、前記下水道本管内に両脚部材を介してロッドを支持する。このとき、前記コンクリートカッターを前記外副管の内部に挿入された状態におく。その後、前記ロッドをその他端部からその一端部に向けて滑動させ、例えば前記モータの回転軸を前記外副管の軸線上に位置させる。次に、前記モータを作動させて前記コンクリートカッターを駆動回転させた後、前記シャフトを前記外副管の軸線上に位置させるべく前記ロッドをさらに滑動させる。この間、駆動回転された状態にある前記コンクリートカッターの丸刃が前記外副管の内周面に向けて移動し、次いで前記内周面に食い込み、これに切削作用を及ぼす。その後、前記マンホール内から前記下水道本管の内部に手を差し入れ、例えばレンチのような道具を用いて、前記シャフトを前記外副管の軸線の周りに一回転させる。前記シャフトの回転に伴って、前記モータと共に前記コンクリートカッターが前記シャフトの周りを偏心運動する。その結果、前記外副管の内周面に前記コンクリートカッターの切削跡である環状の溝が形成される。
前記切削装置は、好ましくは、さらに、前記コンクリートカッターを前記外副管の内部に位置決める第1の位置決め部材を備える。前記第1の位置決め部材は、両脚部材間に配置されかつ両脚部材に取り付けられ前記外副管に嵌合可能である円筒状のフレームからなるものとすることができる。これによれば、前記フレームを前記外副管の端部に嵌合させることにより、前記コンクリートカッターを前記外副管内に位置決めることができる。
前記切削装置は、好ましくは、さらに、前記シャフトを前記外副管の軸線上に位置決める第2の位置決め部材を備える。前記第2の位置決め部材は前記ロッドの一端部に設けられ両脚部材間に位置する突起からなるものとすることができる。これによれば、両脚部材に対して前記ロッドをその他端部からその一端部に向けてさらに滑動させ、前記突起を一方の脚部材に押し当てることにより、前記シャフトを前記外副管の軸線上に位置させることができる。
前記切削装置において、前記ロッドがその他端部に取り付けられたハンドルを有するものとすることができる。前記ハンドルは前記ロッドの操作を容易にする。
本発明の適用対象である既設のマンホールの概略的な断面図であり、マンホールは耐震構造が施される前の状態にある。 耐震構造の構築のために外副管に環状の溝を設け、また、外副管の端部(下端部)の開放空間を閉鎖した状態を示すマンホールの概略的な断面図である。 耐震構造の構築のために外副管内にその環状の溝の下方において充填物を充填した状態を示すマンホールの概略的な断面図である。 耐震構造の構築のために外副管の環状の溝に止水材を配置した状態を示すマンホールの概略的な断面図である。 耐震構造の構築のために外副管内にその環状の溝の上方において充填物を充填し、また、マンホールの壁に環状の穴を形成した状態を示すマンホールの概略的な断面図である。 耐震構造が施された状態にあるマンホールの概略的な断面図である。 外副管に環状の溝を形成するために用いられる切削装置の正面図である。 切削装置の平面図である。 切削装置の左側面図である。 外副管への環状の溝の形成のためにマンホール内に切削装置が搬入されている状態を示すマンホールの概略的な断面図である。 外副管への環状の溝の形成のために切削装置が外副管の端部上に設置された状態を示すマンホールの概略的な部分断面図である。 切削装置による環状の溝の形成開始時におけるマンホールの概略的な部分断面図である。 切削装置による環状の溝の形成中におけるマンホールの概略的な部分断面図である。
図1を参照すると、本発明が適用される既設のマンホールが全体に符号10で示されている。
このマンホール10には、高さ位置を異にする2つの下水道本管12、14がそれぞれ接続されている。上方に位置する下水道本管(上流側の下水道本管)12はその端部12aにおいてマンホール10の躯体である壁10aに固定され、また、これにより接続され、マンホール10の内部に開放している。また、下方に位置する下水道本管(下流側の下水道本管)14も、同様に、マンホール10の壁10aに接続され、マンホール10の内部に開放している。
上流側の下水道本管12には外副管16が接続されている。外副管16は上下方向へ伸び、その一方の端部(上端部)16aにおいて上流側の下水道本管12に固定され、また、これにより接続され、下水道本管12の内部に開放している。また、外副管16はその他方の端部(下端部)16bにおいてマンホール10の壁10aに接続され、マンホール10の内部に開放している。外副管16は、通常、マンホールに10に近接した位置に配置されている。このため、外副管16の上端部16aは、マンホール10の内部から下水道本管12を通して手の届く位置にある。
次に、マンホール10に施された耐震構造について説明する。マンホール10の耐震構造は、図2〜図6を参照して後述する構築方法に従って構築することができる。
マンホール10の耐震構造は、図6に示すように、外副管16に形成された環状の溝18及び弾性変形可能の止水材20と、マンホール10の壁10aに形成された環状の穴22及び弾性変形可能の止水材24とを備える。
環状の溝18は、外副管16の上端部16aの近傍、好ましくは端部16aに隣接する直下の一部26に設けられ、外副管16の内部に開放している。止水材20は、環状の溝18、及び、該溝が取り囲む空間である外副管16の内部すなわち外副管16内の一部28(図2参照)の双方を埋める例えばゴム製の円板からなる。
他方、マンホール10の壁10aに設けられた環状の穴22(図5参照)は、下水道本管12の端部12aの周囲を取り囲んでいる。止水材24は、環状の穴22を埋める例えばゴム製の弾性シーリング材からなる。
環状の溝18が形成された外副管16の一部26は、外副管16の上端部16aを除く他の一部16c(図2参照)と比べて管の厚みが薄く、このために機械的強度が低く、構造上の弱点をなす。このため、外副管16は地震力を受けるとその一部26において比較的容易に破壊する。地震による破壊が生じると、外副管16に対する下水道本管12の接続が解除され、止水材20の弾性変形の下での外副管16に対する下水道本管12の相対変位が許容される。止水材20は、周囲地盤中の地下水や土砂の下水道本管12の内への流入を阻止する。
また、マンホール10の壁10aに形成された環状の穴22内に残る後記一部10a1(図5参照)は、地震力を受けて比較的容易に破壊する。地震による破壊が生じると、マンホール10に対する下水道本管12の端部12aの固定が解除され、止水材24の弾性変形の下でのマンホール10の壁10aに対する下水道本管12の相対変位が許容される。止水材24は、周囲地盤中の地下水や土砂のマンホール10内への流入を阻止する。
下水道本管12と外副管16との間の前記接続の解除及びマンホール10の壁10aと下水道本管12との間の前記固定の解除による下水道本管12の相対変位の許容により、下水道本管12、あるいは、さらに、マンホール10の壁10aの破損や破壊の発生を防止することができる。
また、止水材20の配置空間として、外副管16の管壁を貫通しない環状の溝18とすることにより、溝18の形成作業中における外副管16の内部への地下水や土砂の流入を防止することができる。
外副管16の環状の溝18内に配置する止水材20は、これを前記円板からなるものとすることに代えて、溝18のみを埋めるリングからなるものとすることができる。前記リングからなるものとする例については後述する。
次に、図2〜図6を参照して、マンホール10の耐震構造の構築方法の一例について説明する。
まず、マンホール10及び下水道本管12の内部から、外副管16の端部16aの直下に位置する外副管16の一部26に、外副管16の内部に開放する環状の溝18を形成する。
環状の溝18は、図7〜図9に示す切削装置30を用いて形成することができる。
切削装置30は、一対の脚部材32と、一端部34a及び他端部34bを有するロッド34と、シャフト36と、モータ38と、コンクリートカッター40とを備える。
図示の各脚部材32は全体にL形を呈する。両脚部材32は互いに間隔を置いて配置され、互いに相対する2つの一片部32aと、互いに相対する2つの他片部32bとを有する。
ロッド34は、両脚部材32の一片部32aに、その長手方向へ滑動可能に取り付けられ両脚部材32の一片部32aを貫通している。図示のロッド34は細長い平板からなり、矩形の横断面形状を有する。ロッド34は図示の例に代えて円形の横断面形状を有するものとすることが可能である。しかし、ロッド34は、切削装置30の操作又は取り扱い上の便宜のために、両脚部材32に対してロッド34の軸線の周りに回転を生じない例えば楕円形、半円形、他の多角形等の横断面形状を有するものとすることが望ましい。
シャフト36はその軸線の周りに回転可能であるようにロッド34の一端部34aに取り付けられている。図示の例において、シャフト36は全体に円柱状を呈し、比較的長い長さ寸法を有する大径部36aと、該大径部に連なる小径部36bであって比較的短い長さ寸法を有する小径部36bと、小径部36bにねじ込まれ該小径部から突出するボルト36cとからなる。シャフト36は両脚部材32間をロッド34に直交して伸び、ロッド34の大径部36aがロッド34の一方の片面(図上において下面(以下、便宜的に下面という。))に接し、小径部36bがロッド34を貫通している。シャフト36は、その小径部36bに設けられその周方向へ伸びる周溝(図示せず)に配置されロッド34の他方の片面(図上において上面(以下、便宜的に上面という。))に接するCリング44を介して、ロッド34に保持されている。シャフト36は、レンチのような工具T(図13参照)を用いてボルト36cに回転力を付与することにより、その軸線の周りに回転する。
モータ38はシャフト36に固定され、その回転軸線がシャフト36の軸線と平行に伸びている。図示の例にあっては、シャフト36とモータ38とが長円形状の板体46上に並列に配置されかつ板体46に固定され、板体46を介して、モータ38がシャフト36に固定されている。ここにおいて、モータ38は両脚部材32間を伸び、その回転軸38aが板体46を貫通している。モータ38は油圧モータ、空気圧モータ、電動モータ等の中から任意に選択して使用に供することができる。
コンクリートカッター40は、モータ38の回転軸38aに該回転軸の軸線の周りに回転可能に取り付けられた複数段の丸刃40aからなる。より詳細には、複数段の丸刃40aは円筒状のハブ40bに取り付けられ、ハブ40bの周囲を取り巻いている。また、複数段の丸刃40aは、ハブ40bを介して、モータ38の回転軸38aに取り付けられている。丸刃40aは外副管16の内径より小さい外径を有する。
切削装置30は、好ましくは、コンクリートカッター40を外副管16の内部に位置決める位置決め部材(第1の位置決め部材)48を備える。第1の位置決め部材48は、両脚部材32間、より詳細には両脚部材32の他片部32b間に配置されかつ両他片部32bに取り付けられた、外副管16に嵌合可能である円筒状のフレームからなる。
切削装置30は、また、好ましくは、シャフト36を外副管16の軸線L(図12参照)上に位置決める位置決め部材(第2の位置決め部材)50を備える。図示の第2の位置決め部材50は、ロッド34の一端部34aの上面上に設けられ両脚部材32間、より詳細には両脚部材32の一片部32a間に位置する突起からなる。前記突起は、ロッド34にねじ込まれ該ロッドの上面上に突出するボルトからなる。
切削装置30は、さらに、好ましくは、ロッド34の他端部34bに取り付けられたハンドル52を有する。図示のハンドル52は、全体に棒状を呈し、ロッド34に直交しロッド34の幅方向へ伸長している。
切削装置30を使用して行う外副管16への環状の溝18の形成に際しては、図10に矢印54で示すように、マンホール10の入り口10bを通してマンホール10の内部に切削装置30を搬入する。搬入は、例えばロープ(図示せず)を用いて、切削装置30をロッド34の一端部34aを下にして、地上からマンホール10内に吊り下げることにより行う。
次いで、マンホール10内に待機する作業者(図示せず)の手で、吊持された切削装置30のロッド34を水平にして、その一端部34aを下水道本管12の端部12aに向け、これをマンホール10内から下水道本管12の内部に差し入れる。
次に、下水道本管12上に両脚部材32を両脚部材32が外副管16の端部16a上を跨ぐように載置する。この載置に先立ち、コンクリートカッター40をこれが外副管16の内部に受け入れられる位置に置く。これにより、ロッド34が、両脚部材32を介して、下水道管12の軸線と平行に支持され、また、コンクリートカッター40がロッド34を介して外副管16の内部に吊持される。コンクリートカッター40は、外副管16内に吊持されたとき、外副管の端部16aの近傍に位置するように、その配置位置が予め定められている。図示の例においては、外副管16の端部16aに第1の位置決め部材48を嵌合させることにより、コンクリートカッター40が外副管16の内部に受け入れられる。
その後、モータ38を作動させてコンクリートカッター40を駆動回転させる。次に、ロッド34又はハンドル52に押圧力を及ぼして両脚部材32に対してロッド34を滑動させ、ロッド34の一端部34aを下水道本管12のさらに奥へと前進させる。これにより、シャフト36を外副管16の軸線L上に位置させる。図示の例においては、第2の位置決め部材50が、両脚部材32のうち、下水道本管12の奥の側に位置する一方の脚部材32の一片部32aに当接するまで、ロッド34を前進させる。これにより、シャフト36が外副管16の軸線L上に位置決められる。
シャフト36が外副管16の軸線L上に位置決められるまでの間、駆動回転された状態にあるコンクリートカッター40の丸刃40aが外副管16の内周面16dに向けて移動し、次いで外副管16に切削作用を及ぼしながら、内周面16dから外周面16eに至る手前の位置まで移動する(図12参照)。丸刃40aのこのような移動を可能とすべく、丸刃40aの外径、シャフト36及びモータ38の軸線間距離等が予め定められている。
次に、マンホール10内から下水道本管12の内部に手を差し入れ、道具Tを用いて、シャフト36を外副管16の軸線Lの周りに一回転させる。シャフト36の回転に伴って、モータ38と共にコンクリートカッター40が外副管16の軸線Lの周りを偏心運動する。その結果、外副管16の内周面16dにコンクリートカッター40の切削跡である環状の溝18が形成される(図13参照)。
環状の溝18の形成後、切削装置30を撤去する。その後、図3に示すように、環状の溝18の下方において外副管16の内部、図示の例においてはさらに外副管16の下端部16bが開放するマンホール10の下方空間58にこれらをモルタルのような充填物56で満たすべく該充填物を充填する。図示の例においては、充填物56の充填に先立ち、マンホール10の下方空間58を閉鎖する例えば型枠60を配置する。充填物56の充填は、マンホール10の外部に設置された例えばモルタル供給装置(図示せず)から伸び、マンホール10及び下水道本管12の内部を通して外副管16の端部16a内に至るモルタル供給管(図示せず)から前記モルタルを供給することにより行うことができる。
次に、図4に示すように、環状の溝18と該溝が取り囲む外副管内の一部28とにこれらを埋める円板状の止水材20を配置する。止水材20の配置は、マンホール10の内部から下水道本管12の内部に手を差し入れて行うことができる。
次に、図5に示すように、環状の溝18したがって止水材20の上方において外副管16の内部をモルタルのような充填物62で満たす。これにより、外副管16を廃管とする。
その後、図5に示すように、マンホール10の壁10aに下水道本管12の端部12aの周囲を取り囲む環状の穴22を形成する。環状の穴22の形成は、筒状のコンクリートコアドリルを有する既存のコンクリートコアカッター(図示せず)を用いて行うことができる。前記コンクリートコアカッターは、例えばこれを分解した状態でマンホール10内にその入り口10bを通して搬入することが可能のものを選択、使用することができる。搬入後、前記コンクリートコアドリルの先端をマンホール10の壁10aに当て、下水道本管12の端部12aの開放端とその周囲とを包囲する。次いで前記コンクリートコアドリルを回転駆動し、マンホール10の壁10aの内周面からその外周面に向けて進め、マンホール10の内外両周面を規定する壁10aを切削する。マンホール10の壁10aは円筒状を呈することから、壁10aを切削しながら水平に進む前記筒状のコンクリートコアドリルは、その左右両側部において、先に前記マンホールの壁10aの外周面に到達し、次いでその上下両側部が壁10aの外周面に到達する。
環状の穴22の形成においては、前記コンクリートコアドリルがその左右両側部に続いてその上下両側部が壁10aの外周面に到達したときをもって完了とすることが可能である。しかし、このようにすると、前記コンクリートコアドリルの上下両側部が壁10aの外周面に到達したとき、壁10aの外周面に先に到達している前記コンクリートコアドリルの左右両側部がマンホール10の外部に突出し、マンホール10の壁10aの周囲に配置されていることがある他の配管に損傷を及ぼすおそれがある。
このことから、前記コンクリートコアドリルの左右両側部が壁10aの外周面に到達したときをもって、マンホール10の壁10aの切削の完了とすることが望ましい。その結果、下水道本管12の端部12aの周囲に、上下方向へ伸びるマンホール10の壁10aにその一部である非切削部10a1を残して、環状の穴22が形成される。その後、前記コンクリートコアドリルを撤去し、形成された環状の穴22にこれを埋める環状の止水材24を配置する。
次に、マンホール10の内部に内副管64(図6)を設ける。図示の内副管64は、その開放上端において、下水道本管12から流れ出る下水を受け、その内部を流下する前記下水をその開放下端においてマンホール10内に放出する。これにより、廃管に付された外副管16に代えて、内副管64を介して、下方の下水道本管14の開口端部近傍に下水を導くことができる。
前記耐震構造は、前記一の実施の形態に代えて、他の実施の形態として、次のようにして構築することができる。
すなわち、外副管16に前記したと同様の環状の溝18を形成した後、環状の溝18に該溝、より正確には溝28のみを埋めるリング状の止水材(図示せず)を配置する。その後、前記したと同様の環状の穴22をマンホール10の壁10aに形成し、環状の穴22にこれを埋める前記したと同様の止水材24を配置する。これによれば、マンホール10に外副管16を廃管としないで該外副管を利用することが可能である耐震構造を構築することができる。
前記耐震構造の一の実施の形態の構築方法及び他の実施の形態の構築方法のいずれにおいても、外副管16に環状の溝18を形成する前に、先にマンホール10の壁10aへの環状の穴22の形成及び該環状の穴への止水材24の配置を完了させることができる。
10 マンホール
10a マンホールの壁
12 下水道本管
12a 下水道本管の端部
16 外副管
16a 外副管の端部
18 環状の溝
20 止水材
22 環状の穴
24 止水材
30 切削装置
32 脚部材
34 ロッド
36 シャフト
38 モータ
40 コンクリートカッター
40a 丸刃
48 第1の位置決め部材
50 第2の位置決め部材
52 ハンドル
56、62 充填物
64 内副管

Claims (9)

  1. 下水道本管がその端部において既設のマンホールの壁に接続され、また、外副管がその端部において前記下水道本管に接続されている前記マンホールの耐震構造であって、
    前記マンホールの壁に形成され前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴と、前記環状の穴を埋める弾性変形可能の止水材と、
    前記外副管の端部の近傍において前記外副管に形成されその内部に開放する環状の溝と、前記環状の溝を埋め又は前記環状の溝と該溝が取り囲む前記外副管の内部とを埋める弾性変形可能の止水材とを含む、マンホールの耐震構造。
  2. 請求項1に記載のマンホールの耐震構造の構築方法であって、
    マンホール及び下水道本管の内部から、外副管にその端部の近傍において前記外副管の内部に開放する環状の溝を形成すること、
    前記環状の溝にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、
    前記環状の溝の形成に先立ち又はその後に、前記マンホールの内部から前記マンホールの壁に前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴を形成すること、及び、
    前記環状の穴にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置することを含む、マンホールの耐震構造の構築方法。
  3. 請求項1に記載のマンホールの耐震構造の構築方法であって、
    マンホール及び下水道本管の内部から、外副管にその端部の近傍において前記外副管の内部に開放する環状の溝を形成すること、
    前記環状の溝の下方において前記外副管の内部を充填物で満たすこと、
    前記環状の溝と該溝が取り囲む前記外副管内の内部とにこれらを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、
    前記環状の溝の上方において前記外副管の内部を充填物で満たすこと、
    前記環状の溝の形成に先立ち又はその後に、前記マンホールの壁に前記下水道本管の端部の周囲を取り囲む環状の穴を形成すること、
    前記環状の穴にこれを埋める弾性変形可能の止水材を配置すること、及び、
    前記マンホールの内部に内副管を設けることを含む、マンホールの耐震構造の構築方法。
  4. 請求項2又は3に記載のマンホールの耐震構造の構築方法においてマンホール及び下水道本管の内部から、外副管にその端部の近傍において前記外副管の内部に開放する環状の溝を形成するために用いられる切削装置であって、
    一対の脚部材と、
    一端部及び他端部を有するロッドであってその長手方向へ滑動可能に両脚部材に取り付けられたロッドと、
    シャフトであってその軸線の周りに回転可能であるように前記ロッドの一端部に取り付けられたシャフトと、
    前記シャフトに固定されたモータであってその回転軸線が前記シャフトの軸線と平行に伸びるモータと、
    前記モータの回転軸に該回転軸の軸線の周りに回転可能に取り付けられた複数段の丸刃からなるコンクリートカッターとを備え、
    前記環状の溝の形成に際して、前記ロッドは、両脚部材を介して、前記下水道本管内に該下水道本管の軸線と平行に支持され、また、前記コンクリートカッターは前記ロッドを介して前記外副管の内部に該外副管の端部の近傍において吊持される、切削装置。
  5. さらに、前記コンクリートカッターを前記外副管の内部に位置決める第1の位置決め部材を備える、請求項4に記載の切削装置。
  6. 前記第1の位置決め部材は、両脚部材間に配置されかつ両脚部材に取り付けられた、前記外副管に嵌合可能である円筒状のフレームからなる、請求項5に記載の切削装置。
  7. さらに、前記シャフトを前記外副管の軸線上に位置決める第2の位置決め部材を備える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の切削装置。
  8. 前記第2の位置決め部材は前記ロッドの一端部に設けられ両脚部材間に位置する突起からなる、請求項7に記載の切削装置。
  9. 前記ロッドはその他端部に取り付けられたハンドルを有する、請求項4〜7のいずれか1項に記載の切削装置。
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