JP6555156B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンと、前記エンジンの出力軸と動力伝達可能な回転軸を有するモータとを備える車両に適用されるモータ制御装置に関する。
この種の制御装置としては、モータの駆動制御によってエンジンのクランキングを行い、エンジンを始動させるものが知られている。ここでエンジンの完爆後に発生するエンジントルクは、モータの回転速度制御系の外乱となる。このため、エンジンの完爆後において、モータの実回転速度の目標回転速度に対するオーバーシュートが大きくなるおそれがある。
そこで下記特許文献1に見られるように、モータの駆動制御によってエンジンを始動させる場合に発生するオーバーシュートを抑制するものが知られている。詳しくは、この制御装置では、まず、目標回転速度の変化に対するモータの実回転速度の推移を表すモデルに基づいて、モータの推定回転速度が算出される。そして、モータの実回転速度と推定回転速度との差の絶対値が算出される。算出された絶対値が閾値以下の場合、外乱がないと判定され、制御系を構成するPI制御器の積分ゲインが、目標回転速度への応答に最適化されたゲインに設定される。一方、算出された絶対値が閾値を超えた場合、外乱があると判定され、PI制御器の積分ゲインが、外乱応答に適したゲインに切り替えられる。
特開2003−164008号公報
上記特許文献1に記載の制御装置では、積分ゲインを外乱応答に適したゲインに切り替えることにより、積分ゲインが大きくなる。モータの実回転速度が目標回転速度を一旦上回った状況において積分ゲインが大きくされていると、PI制御器における積分項の絶対値が実回転速度を低下させる方向に大きくなる。その結果、その後、実回転速度の目標回転速度に対するアンダーシュートが大きくなるおそれがある。
本発明は、エンジン始動時におけるモータの実回転速度のアンダーシュートを抑制できるモータ制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、エンジン(10)、前記エンジンの出力軸(10a)と動力伝達可能な回転軸(20a)を有するモータ(20)、及び前記モータの回転速度を検出する回転速度検出部(61)を備える車両に適用され、前記回転速度検出部により検出された実回転速度を目標回転速度にフィードバック制御するための操作量であって、比例項及び積分項を含む操作量を算出する操作量算出部(60)と、前記操作量算出部により算出された操作量に基づいて、前記モータの駆動制御を行う制御部(60)と、前記モータの駆動制御により前記エンジンを始動させる際に、前記操作量に含まれる前記実回転速度を低下させる方向の前記積分項の絶対値を低減させる低減部(30)と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、回転速度検出部により検出された実回転速度を目標回転速度にフィードバック制御するための操作量であって、比例項及び積分項を含む操作量が算出される。そして、算出された操作量に基づいて行われるモータの駆動制御により、エンジンが始動させられる。
ここで、エンジン初爆時においては、エンジンの出力軸の回転速度が急増することにより、モータの実回転速度が急増する。このため、実回転速度の目標回転速度に対するオーバーシュートが大きくなる。これにより、積分項の絶対値が、実回転速度を低下させる方向に大きくなる。このため、その後、モータの実回転速度の目標回転速度に対するアンダーシュートが大きくなる。
そこで上記発明では、モータの駆動制御によりエンジンを始動させる際に、操作量に含まれる実回転速度を低下させる方向の積分項の絶対値が低減させられる。このため、エンジン初爆時におけるモータの実回転速度の急増により、積分項の絶対値が大きくなるのを抑制できる。これにより、アンダーシュートを抑制することができる。
車載システムの全体構成を示す図。 モータ駆動制御処理を示すブロック図。 エンジン始動時に発生するアンダーシュートを示すタイムチャート。 アンダーシュート発生時におけるモータの実回転速度及び車軸側回転速度の推移を示すタイムチャート。 初爆判定処理の手順を示すフローチャート。 ゲイン切替処理の手順を示すフローチャート。 ゲイン切替による効果を示すタイムチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を車載主機として回転電機及び内燃機関を備える車両(例えばハイブリッド車)に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両は、エンジン10、モータジェネレータ20、変速機30、駆動輪40及びクラッチ装置50を備えている。エンジン10及びモータジェネレータ20は、車両の走行駆動源である。なお、モータジェネレータ20としては、例えば、3相の永久磁石型同期機を用いることができる。
モータジェネレータ20のロータに連結された回転軸20aには、エンジン10の出力軸(クランク軸10a)が連結されている。また、回転軸20aには、クラッチ装置50の第1軸50aが連結されている。本実施形態では、回転軸20aとクランク軸10aとが直結され、回転軸20aと第1軸50aとが直結されている。このため、クランク軸10aの回転速度、モータジェネレータ20の回転軸20aの回転速度、及び第1軸50aの回転速度は、互いに等しくなる。クラッチ装置50の第2軸50bには、変速機30及び車軸41を介して駆動輪40が接続されている。
クラッチ装置50は、第1軸50a及び第2軸50bの間の伝達トルク(クラッチ容量)を調整可能に構成されている。本実施形態では、クラッチ装置50として、油圧式のものを用いている。クラッチ装置50は、クラッチ容量を調整すべく、クラッチ装置50内の油圧を調整できる電磁バルブ等のアクチュエータを備えている。クラッチ容量が所定以上とされて第1軸50aと第2軸50bとが締結状態とされる場合、第1軸50aの回転速度は、第2軸50bの回転速度と等しくなる。
モータジェネレータ20は、図示しないバッテリからインバータ21を介して電力が供給されることにより、電動機として動作する。詳しくは、モータジェネレータ20は、エンジン10を始動させるべく、クランク軸10aに初期回転を付与するクランキングを行うスタータ機能を有している。なお、インバータ21としては、例えば3相のものを用いることができる。
また、モータジェネレータ20が電動機として動作する場合、モータジェネレータ20の発生トルクは、第1軸50a及び第2軸50bの間のトルク伝達が可能なようにクラッチ装置50が操作されていることを条件に、クラッチ装置50及び変速機30を介して駆動輪40へと伝達される。したがって、駆動輪40は、モータジェネレータ20の発生トルク、及びエンジン10の発生トルクのうち少なくとも一方によって駆動される。
なお、モータジェネレータ20は、エンジン10又は車軸41から伝達される駆動力の供給を受けることで発電機としても動作する。モータジェネレータ20によって発電された電力は、インバータ21を介してバッテリに供給される。
車両は、モータジェネレータ20等を制御対象とする制御装置60、第1回転速度検出部61及び第2回転速度検出部62を備えている。第1回転速度検出部61は、モータジェネレータ20の回転軸20aの回転速度を実回転速度Nmとして検出する。第2回転速度検出部62は、クラッチ装置50の第2軸50bの回転速度を車軸側回転速度Ntとして検出する。制御装置60は、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えるマイクロコンピュータとして構成され、ROMに記憶されている各種プログラムを実行する。制御装置60には、第1回転速度検出部61及び第2回転速度検出部62の検出値が入力される。制御装置60は、モータジェネレータ20の実回転速度Nmを目標回転速度Ntgtにフィードバック制御すべく、インバータ21を構成する上下アームの各スイッチをオンオフ操作する。目標回転速度Ntgtは、車両制御を統括する外部の上位制御装置から制御装置60に入力される。特に制御装置60は、上位制御装置からエンジン10の始動要求を受け取ると、クランキングを行うべくインバータ21を操作する。エンジン10の始動要求は、車両の停止時に加えて、モータジェネレータ20のみを走行駆動源とした車両走行時においても、例えば車両の加速要求にこたえるために上位制御装置から出力され得る。
なお、車両には、上位制御装置に加えて、エンジン10を制御対象とする図示しないエンジン制御装置も備えられている。エンジン制御装置は、上位制御装置からエンジン10の始動要求を受け取ると、エンジン10を始動させるべく、各気筒に設けられた燃料噴射弁による燃料噴射等を開始し、エンジン10の燃焼制御を開始する。またエンジン制御装置は、エンジン10の始動が完了した後、上位制御装置から制御量(例えば燃焼トルク)の目標値を受け取ると、制御量をその目標値に制御すべくエンジン10の燃焼制御を行う。
続いて、図2に示すブロック図を用いて、制御装置60によるモータジェネレータ20の回転速度制御について説明する。
制御装置60は、実回転速度Nmを目標回転速度Ntgtにフィードバック制御するための操作量として、モータジェネレータ20の目標トルクTtgtを算出するPI制御部65を備えている。PI制御部65において、速度偏差算出部65aは、目標回転速度Ntgtから実回転速度Nmを減算することにより、速度偏差ΔNを算出する。
比例ゲイン乗算部65bは、速度偏差ΔNに基づく比例制御により、比例項を算出する。詳しくは、比例ゲイン乗算部65bは、速度偏差ΔNに比例ゲインKpを乗算することにより、比例項を算出する。
積分ゲイン乗算部65c及び積分器65dは、速度偏差ΔNに基づく積分制御により、積分項を算出する。詳しくは、積分ゲイン乗算部65cは、速度偏差ΔNに積分ゲインKiを乗算して出力する。積分器65dは、積分ゲイン乗算部65cの出力値を積分することにより、積分項を算出する。
目標トルク算出部65eは、比例ゲイン乗算部65bにより算出された比例項と、積分器65dにより算出された積分項とを加算することにより、目標トルクTtgtを算出する。モータジェネレータ20の実際の発生トルクが目標トルクTtgtに制御されるように、インバータ21が操作される。
続いて、エンジン10の始動について説明する。
エンジン10の始動要求を受け取ると、第1軸50a及び第2軸50bの間が動力遮断状態とされるように、制御装置60によりクラッチ装置50が操作される。動力遮断状態とされている状態で、モータジェネレータ20の駆動制御によりクランキングが行われつつ、エンジン制御装置により燃焼制御が行われる。これにより、クランキング中において、クランキング開始後の最初の燃焼である初爆が発生する。なおクランキング時において、目標回転速度Ntgtは、図3(a)に示すように徐々に上昇するように設定される。
初爆の発生後においては、エンジン10の発生トルクを車軸41に伝達すべく、クラッチ容量が徐々に大きくされるようにクラッチ装置50が操作される。ここで、第1軸50a及び第2軸50bが締結状態とされることに伴い発生するショックを車軸41に伝えないようにするため、第2軸50bに対して第1軸50aをスリップさせるスリップ制御が制御装置60により行われる。スリップ制御では、車軸側回転速度Ntよりも所定値高い値として目標回転速度Ntgtが設定され、その後、クラッチ容量が徐々に大きくされるにつれて目標回転速度Ntgtは車軸側回転速度Ntに徐々に近づけられる。なお、エンジン10が完爆してエンジン10の始動が完了する時には、第1軸50a及び第2軸50bの間がトルク伝達できる状態とされているようにクラッチ装置50が操作される。なお、完爆したか否かは、例えば、実回転速度Nmが、エンジン10を始動可能なクランク軸10aの下限回転速度以上になったか否かで判定されればよい。
ちなみに、実際には、インバータ21及びクラッチ装置50のそれぞれに対応して個別に制御装置が設けられる。本実施形態では、制御装置が個別設けられる点が要部ではないため、便宜上、これら制御装置を単一の制御装置60として図示した。
ここで図3(a)に、エンジン10の初爆発生タイミングを時刻t1にて示す。エンジン10の初爆時においては、実回転速度Nmが急増することにより、実回転速度Nmが目標回転速度Ntgtに対して一旦大きく上回るオーバーシュートが発生する。これにより、図3(b)に示す速度偏差ΔNの絶対値が負側に大きくなり、その結果、図3(c)に示す積分項の絶対値が、実回転速度Nmを低下させる方向に大きくなる。このため、その後、実回転速度Nmが目標回転速度Ntgtに対して大きく下回るアンダーシュートが発生する。
アンダーシュートが発生すると、図4に示すように、スリップ制御中において実回転速度Nmが目標回転速度Ntgtを下回って車軸側回転速度Ntまで低下してしまう。図4には、実回転速度Nmが車軸側回転速度Ntとなるタイミングを時刻t1にて示した。また図4は、車両走行中の各回転速度の推移を示すため、図4に示す車軸側回転速度Ntは0よりも大きい。
実回転速度Nmが目標回転速度Ntgtを下回って車軸側回転速度Ntまで低下すると、第1軸50a及び第2軸50bが締結状態とされ、モータジェネレータ20側から車軸41側へと大きなトルクが急に伝達されることとなる。その結果、車両にショックが発生し、ドライバビリティが低下するおそれがある。
そこで制御装置60は、実回転速度Nmのアンダーシュートを抑制すべく、図2に示す外乱推定部66及び初爆判定部67を備えている。外乱推定部66は、モータジェネレータ20の回転軸20aに作用するトルクであってかつモータジェネレータ20が発生するトルク以外のトルクである外乱トルクを推定する。詳しくは、外乱推定部66において、速度変化量算出部66aは、現在の実回転速度Nmから1処理周期前の実回転速度Nmを減算した値(実回転速度Nmの変化速度の相関値に相当)に基づいて、変化速度Δωを算出する。ここで1処理周期前の実回転速度Nmは、バッファ部66bから取得する。なお本実施形態において、現在の実回転速度Nmから1処理周期前の実回転速度を減算した値の単位はrpmであり、変化速度Δωの単位はrad/secである。このため、変化速度Δωは、上記減算した値に、処理周期から定まる所定の係数を乗算することにより算出されればよい。
速度変化トルク算出部66cは、変化速度Δωに回転軸20aの回転中心軸線まわりのイナーシャJを乗算することにより、単位時間あたりの実回転速度の変化に寄与する速度変化トルクTdを算出する。トルク推定部66dは、速度変化トルクTdから目標トルクTtgtを差し引くことにより、外乱トルクΔTを算出する。
続いて図5を用いて、初爆判定部67により実行される初爆判定処理について説明する。この処理は、例えば所定の処理周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、エンジン10の初爆が発生したか否かを判定する。本実施形態では、外乱推定部66により推定された外乱トルクΔTが閾値Tthを一旦超えたと判定した場合、初爆が発生したと判定する。
ステップS10において初爆が発生したと判定した場合には、ステップS11に進み、ステップS10において肯定判定されてからの時間を計時すべく、タイマをカウントアップする。続くステップS12では、タイマによって計時が開始されてからの経過時間Timerが閾値時間Tdowm未満であるか否かを判定する。
ステップS12において肯定判定した場合には、ステップS13に進み、初爆フラグFの値を1にする。つまり、タイマにより計時が開始されてから閾値時間Tdowm経過するまでは、初爆フラグFの値が1とされる。
一方、ステップS12において否定判定した場合や、ステップS10において初爆が未だ発生していないと判定した場合には、ステップS14に進み、初爆フラグFの値を0にする。その後ステップS15においてタイマをリセットする。
なお、タイマにより計時が開始されてから閾値時間Tdowm経過した後、初爆フラグFの値を0とすればよい。
続いて図6を用いて、積分ゲイン乗算部65cにより実行されるゲイン切替処理について説明する。この処理は、例えば所定の処理周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、初爆判定部67から出力された初爆フラグFの値が1であるか0であるかを判定する。ステップS20において初爆フラグFの値が0であると判定した場合には、ステップS21に進み、積分ゲインKiを第1ゲインK1に設定する。
一方、ステップS20において初爆フラグFの値が1であると判定した場合には、ステップS22に進み、積分ゲインKiを、第1ゲインK1よりも小さい第2ゲインK2に設定する。
図7を用いて、ゲイン切替処理の効果について説明する。図7(a)は実回転速度Nm,目標回転速度Ntgtの推移を示し、図7(b)は速度変化トルクTdの推移を示し、図7(c)は外乱トルクΔTの推移を示す。また、図7(d)は初爆フラグFの値の推移を示し、図7(e)は積分ゲインKiの推移を示し、図7(f)は積分項の推移を示す。
図示される例では、エンジン始動要求が制御装置60に入力されることにより、時刻t1から時刻t2までの期間において目標回転速度Ntgtが徐々に上昇するように設定され、クランキングが行われる。時刻t2において外乱トルクΔTが閾値Tthを超えたと判定されることにより、初爆が発生したと判定される。このため、その後閾値時間Tdowmが経過するまで、積分ゲインKiが第1ゲインK1から第2ゲインK2に低減させられる。これにより、実回転速度Nmを低下させる方向の積分項の絶対値が小さくなり、オーバーシュートは多少増加するものの、実回転速度Nmのアンダーシュートが大きく抑制される。したがって、スリップ制御中における車両のショックが抑制され、ドライバビリティの低下が回避される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
エンジン10の始動時において、エンジン10の初爆が発生したと判定された場合、PI制御部65における積分ゲインKiを第1ゲインK1から第2ゲインK2に低減した。このため、初爆時における実回転速度Nmの急増により、積分項の絶対値が大きくなるのを抑制でき、アンダーシュートを抑制できる。これにより、スリップ制御中における車両のショックの発生を抑制できる。
積分ゲインKiを第1ゲインK1から第2ゲインK2に切り替えるタイミングを、クランキングにより実回転速度Nmが上昇し始めた後のタイミングに設定した。クランキングにより実回転速度Nmが上昇し始めるタイミングから、積分ゲインKiが第2ゲインK2に設定されたままであると、実回転速度Nmが目標回転速度Ntgtまで迅速に上昇せず、エンジン10の始動性が低下する懸念がある。これに対し、第2ゲインK2に切り替えるタイミングを、クランキングにより実回転速度Nmが上昇し始めた後のタイミングに設定することにより、クランキング開始時から積分ゲインKiが第2ゲインK2に設定される構成と比較して、実回転速度Nmを目標回転速度Ntgtまで迅速に上昇させることができる。特に本実施形態では、初爆判定後に第2ゲインK2に切り替えるため、エンジン10の始動性の低下を回避しつつ、アンダーシュートを抑制できる。
実回転速度Nmの1処理周期における変化量(実回転速度Nmの時間微分値)を用いて外乱トルクΔTを推定し、外乱トルクΔTに基づいて初爆が発生したか否かを判定した。外乱トルクΔTは、実回転速度Nmを出力パラメータとする伝達関数の入力パラメータとなるため、外乱トルクΔTによれば、伝達関数における位相遅れなしで実回転速度Nmの変化を把握できる。このため、外乱トルクΔTを用いた初爆判定手法によれば、実回転速度Nmそのものを用いて初爆を判定する構成と比較して、より早いタイミングで初爆の発生を判定できる。
インバータ21を操作する制御装置60において初爆が発生したか否かを判定した。このため、外部の上位制御装置から初爆判定情報を受け取って初爆発生を判定する構成と比較して、通信遅れ等の影響を無視できるため、初爆発生の判定を迅速に実施できる。その結果、積分ゲインKiの切り替えタイミングを迅速に把握できる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、積分ゲインを小さくすることにより積分項の絶対値を低減したがこれに限らない。例えば、初爆フラグFの値が1にされている期間において、積分器65dの出力値の絶対値が小さくなるように、積分器65dの出力値に補正値を加減算することにより、積分項の絶対値を低減してもよい。
・エンジン10の初爆発生の判定手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、実回転速度Nmの時間変化率が所定変化率を超えたことをもって初爆が発生したと判定してもよい。これは、外乱トルクの急変により実回転速度Nmの時間変化率が大きくなることに基づくものである。この場合であっても、初爆を判定することはできる。
また例えば、上位制御装置やエンジン制御装置において初爆発生が判定される場合、これら制御装置からの情報に基づいて、制御装置60において初爆の発生を判定してもよい。ここで上記情報には、例えば、エンジンに設けられた点火プラグへの点火信号や、クランク軸の回転角を検出するクランク角センサから出力されるパルス信号が含まれる。
・積分ゲインKiの切り替えタイミングを、エンジンの初爆を判定せずに決定することもできる。例えば、エンジン10を始動可能なクランク軸10aの下限回転速度よりも実回転速度Nmが高くなった場合に積分ゲインKiを第2ゲインK2に切り替えてもよい。
また例えば、目標回転速度Ntgtが上記下限回転速度よりも高くなった場合に積分ゲインを切り替えてもよい。これは、エンジン10の始動前は外乱トルクが小さくてかつモータジェネレータ20の応答も早いことから、目標回転速度Ntgtと実回転速度Nmとの偏差が小さいことに基づくものである。
・上記実施形態において、クランキングにより実回転速度Nmが上昇し始めた後、初爆が発生したと判定される前に積分ゲインKiを第2ゲインK2に切り替えてもよい。
・実回転速度Nmを目標回転速度Ntgtにフィードバック制御する手法としては、比例積分制御に限らず、比例積分微分制御であってもよい。すなわちこの場合、操作量に、さらに微分項が含まれる。
・モータジェネレータ20の回転軸20aとエンジン10のクランク軸10aとの間にクラッチ装置がさらに備えられてもよい。この場合、少なくともエンジン10の始動時において、クランク軸10aと回転軸20aとの間でトルク伝達が行われるようにクラッチ装置が操作される。
10…エンジン、20…モータジェネレータ、60…制御装置。

Claims (5)

  1. エンジン(10)、前記エンジンの出力軸(10a)と動力伝達可能な回転軸(20a)を有するモータ(20)、及び前記モータの回転速度を検出する回転速度検出部(61)を備える車両に適用され、
    前記回転速度検出部により検出された実回転速度を目標回転速度にフィードバック制御するための操作量であって、比例項及び積分項を含む操作量を算出する操作量算出部(60)と、
    前記操作量算出部により算出された操作量に基づいて、前記モータの駆動制御を行う制御部(60)と、
    前記エンジンに初爆が発生したか否かを判定する初爆判定部(30)と、
    前記モータの駆動制御により前記エンジンを始動させる場合において、前記初爆判定部により初爆が発生したと判定された後における前記積分項の算出に用いる積分ゲインを、前記モータの駆動制御により前記エンジンの出力軸の回転速度が上昇し始めてから、前記初爆判定部により初爆が発生したと判定されるまでの期間における前記積分ゲインよりも低減させる低減部(30)と、を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記低減部は、前記初爆判定部により初爆が発生したと判定されてから閾値時間経過した場合における前記積分ゲインを、前記初爆判定部により初爆が発生したと判定されてから前記閾値時間経過するまでの期間における前記積分ゲインよりも増加させる請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータの回転軸に作用するトルクであってかつ前記モータが発生するトルク以外のトルクである外乱トルクを推定する外乱推定部(30)を備え、
    前記外乱推定部は、前記実回転速度の変化速度又はその相関値に基づいて、前記外乱トルクを推定し、
    前記初爆判定部は、前記外乱推定部により推定された前記外乱トルクが閾値を超えた場合に初爆が発生したと判定する請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記操作量算出部は、前記比例項及び前記積分項を含む操作量として、前記実回転速度を前記目標回転速度に制御するための前記モータの目標トルクを算出し、
    前記外乱推定部は、前記実回転速度の変化速度及び前記モータのイナーシャの値に基づいて、前記実回転速度の時間変化に寄与するトルクを算出し、算出したトルクから前記目標トルクを差し引いた値を前記外乱トルクとして推定する請求項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記車両には、前記モータの回転軸側に接続された第1軸(50a)、及び前記車両の駆動輪側に接続された第2軸(50b)を有するクラッチ装置(50)が備えられ、
    前記第1軸及び前記第2軸の間でトルク伝達が行われないように前記クラッチ装置が操作されている状態で、前記モータの駆動制御により前記エンジンの始動が開始され、その後、前記エンジンの初爆が発生した後に、前記第1軸と前記第2軸との間の伝達トルクが徐々に大きくされるように前記クラッチ装置が操作されている状態で、前記第2軸の回転速度に対して前記第1軸の回転速度が高くなるような前記目標回転速度が設定される請求項1〜のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
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