JP6547643B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンを始動させるためのエンジン始動装置に関する。
エンジン始動装置として、始動要求がある前にスタータによってクランク軸を所定の位置まで回転させる(以下、この動作を「クランク軸位置決め」とも呼ぶ)ことで、エンジンの早期始動を可能とするものがある。
例えば、特許文献1には、始動要求がある前に、予め、飛び込み式スタータのピニオンをリングギヤに噛み合わせ、スタータのモータによってリングギヤを回して、クランク軸をエンジン始動に適した位置に回転させる技術が開示されている。
しかし、従来の技術では、クランク軸の位置をモータによって制御するのに、クランク角センサによってクランク軸の位置を把握して行う必要があり、クランク角センサを要する分だけコストがかかってしまう。
特表2008−510099号公報
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジン始動装置において、クランク角センサを用いずにクランク軸位置決めを行うことにある。
本発明のエンジン始動装置は、エンジンのクランク軸に直接または間接的に連結されてクランク軸を回転駆動できるモータと、エンジンの停止中にモータを駆動してクランク軸を所定の位置に移動させるクランク軸位置決め装置とを備える。
クランク軸位置決め装置は、クランク軸のトルクがピークを示す時のクランク角をクランク軸トルクピーク位置と呼ぶときに、モータのトルクと回転数の少なくとも一方の情報を基に、クランク軸トルクピーク位置とモータの回転位置との関係を把握するクランク軸位置把握部と、クランク軸トルクピーク位置を基準にしてクランク軸を所定の位置へ移動させるようにモータを制御するモータ制御部とを有する。
また、本発明の第1の態様によれば、クランク軸位置把握部は、モータのトルクと回転数からクランク軸のトルクを算出し、その算出結果を基にクランク軸トルクピーク位置を推定する。
また、本発明の第2の態様によれば、クランク軸位置把握部は、モータ制御部によりモータのトルク指令値が一定に制御されている時に、モータの回転数の変化量を基にクランク軸トルクピーク位置を推定する。
さらに、本発明の第3の態様によれば、クランク軸位置把握部は、モータ制御部によりモータの回転数指令値が一定に制御されている時に、モータのトルクがピークを示す時のモータの回転位置からクランク軸トルクピーク位置を推定する。
上記の構成によれば、モータのトルクと回転数の少なくとも一方の情報を基に、クランク軸トルクピーク位置とモータの回転位置との関係を把握するので、クランク角センサを用いることなくクランク軸の位置決めを行うことができる。その結果、センサの信号線を追加する必要がないため、その分、コストを低減できる。
実施例1に係るエンジン始動装置の全体構成図である。 クランク軸の回転により気筒内を往復動するピストンの模式図である(実施例1)。 クランク角度と筒内圧力、クランク軸トルク、モータ回転数、モータトルクとの関係を示す相関図である(実施例1)。 実施例1に係るクランク軸位置決めのフローチャートである。 実施例2に係るクランク軸位置決めのフローチャートである。 実施例3に係るエンジン始動装置の全体構成図である。 実施例3に係るクランク軸位置決めのフローチャートである。 クランク角度と筒内圧力、クランク軸トルク、モータ回転数、モータトルクとの関係を示す相関図である(実施例4)。 クランク角度と筒内圧力、クランク軸トルク、モータ回転数、モータトルクとの関係を示す相関図である(実施例4)。 実施例5に係るECUの構成図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
〔実施例1〕
実施例1の構成を図1〜4を用いて説明する。
エンジン始動装置1は、例えば、ハイブリッド車両に搭載されるエンジン2を始動させるための装置であり、エンジン2をクランキングするためのスタータ3と、スタータ3の動作を制御するECU4とを備える。
スタータ3は、回転力を発生するモータ5と、モータ5に駆動される出力軸6と、出力軸6の軸上を移動可能に配置されるピニオン7と、出力軸6の回転をピニオン7に伝達するクラッチ8と、ピニオン7を押し出すためのピニオン押出機構(後述する)などより構成される。
モータ5は、例えば、三相の電機子巻線に三相交流が印加されて回転磁界を発生するステータ(図示せず)と、ステータに発生する回転磁界に同期して回転するロータ(図示せず)とを有する交流モータである。
出力軸6は、図示しない減速装置で増幅されたモータトルクが伝達されて回転する。
ピニオン7は、出力軸6の軸上を反モータ方向へ移動して、エンジン2のクランク軸9に連結されたリングギヤ10に噛み合うことが可能である。
クラッチ8は、出力軸6の外周にヘリカルスプライン嵌合して出力軸6の回転をピニオン7に伝達する一方、ピニオン7から出力軸6へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチである。
ピニオン押出機構は、軸方向(図示左右方向)に駆動力を発生するアクチュエータ11と、このアクチュエータ11の駆動力をピニオン7に伝達するシフトレバー12とを含んで構成される。
アクチュエータ11は、バッテリ13より電力が供給されて磁力を発生するソレノイド(図示せず)と、ソレノイドの磁力によって軸方向に吸引されるプランジャ(図示せず)とを有し、このプランジャの動きがシフトレバー12を介してピニオン7に伝達される。
シフトレバー12は、支点12aを中心に揺動可能に設けられて、支点12aより一端側の端部がプランジャに連結され、支点12aより他端側の端部がクラッチ8に連結される。
ECU4は、演算処理機能、記憶機能、入出力機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータを搭載し、モータ5およびソレノイドへの通電を制御する。なお、モータ5への通電とは、電機子巻線への通電を言う。
このECU4は、エンジン2の停止中に、次の始動要求に備えて、クランク軸9を所定の位置に移動させる本発明のクランク軸位置決め装置として機能する。以下、エンジン2の停止中にクランク軸9を所定の位置に移動させる動作をクランク軸位置決めモードと呼ぶ。
ピニオン7がリングギヤ10に噛み合わされた状態でモータ5への通電が開始されると、モータ5の回転力がピニオン7からリングギヤ10に伝達されてリングギヤ10が回転する。これにより、クランク軸9が回転して、ピストン15が気筒14内を往復動する(図2参照)。
このクランク軸9の回転位置(クランク角)によって、気筒14内でのピストン15の位置が決まる。
気筒14内のピストン位置には、エンジン始動に適した位置がある。つまり、クランク軸9の位置には、エンジン始動に適した位置がある。
そこで、ECU4は、エンジン2の停止中にクランク軸9をエンジン始動に適した位置へ移動させるために、クランク軸位置決めモードを実施する。すなわち、エンジン2の停止中にアクチュエータ11を駆動してピニオン7をリングギヤ10に噛み合わせた後、モータ5によりリングギヤ10を回してクランク軸9をエンジン始動に適した位置に回転させる。これにより、次の始動要求があった際に早期にエンジン2の始動が可能となる。
〔実施例1の特徴〕
実施例1では、モータ5を回してクランク軸9を所定の位置(以下、目標クランク角という)に移動させる際、クランク軸9の位置をモータトルクに基づいて把握する。
ECU4は、以下に説明するモータトルク検出部16と、クランク軸位置把握部17と、モータ制御部18とを備える。
モータトルク検出部16は、モータ5の出力トルクを検出する機能を有し、実施例1では、モータ5の通電電流を検出する電流センサ19の出力信号からモータトルクを算出する。
クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクピークが検出された際のモータ5の回転位置におけるクランク軸9の位置を、クランク軸9のトルクがピークとなるクランク軸トルクピーク位置であると推定することにより、モータ5の回転位置とクランク軸9の位置との関係を把握する。モータ5の回転位置とは、ロータの回転位置であることは言うまでもない。
図3に示すように、エンジン停止中に、モータ5の回転数指令値を一定にしてモータ5を回転させた場合、モータトルクがピークとなる時にクランク軸トルクもピークとなる。これは、モータ5の仕事量が最大のとき、クランク軸9の仕事量は最小となるからである。そして、クランク軸9のトルクがピークとなるクランク角、すなわちクランク軸トルクピーク位置は、エンジン毎に決まっている。図3に示すグラフは、(a)エンジン2の筒内圧力、(b)クランク軸トルク、(c)モータ回転数、(d)モータトルクであり、それぞれクランク角度との相関を表している。
なお、クランク軸9のトルクピークは、図3(a)、(b)に示すように、筒内圧力の最大値の大きさによらず、同じクランク角で発生する。つまり、使用環境によって筒内圧力の最大値が変化したり、気筒14毎に筒内圧力の最大値がばらついていたりしても、クランク軸9のトルクピークが発生するクランク角は変化しない。例えば、クランク軸9のトルクが最小となるトルクピークは、上死点の少し前のクランク角θ1で発生する。
そこで、クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクピークが検出された際のモータ5の回転位置におけるクランク軸9の位置を、クランク軸9のトルクがピークとなるクランク軸トルクピーク位置であると推定する。
具体的には、モータ5のトルクピークが検出された時のモータ回転位置におけるクランク軸9の位置を、クランク軸9のトルクが最小となるトルクピークとなるクランク軸トルクピーク位置(クランク角θ1)であると推定する。
なお、モータ5のトルクピークは、例えば、モータトルク検出部16がトルク変化の微分値により検出できる。
クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクピークが検出された際に、現在のモータ5の回転位置がクランク角θ1に相当することを把握し、その情報をモータ制御部18へ送信する。
モータ制御部18は、モータ5を駆動するモータ駆動回路18aと、このモータ駆動回路18aへ指令信号を送信するモータ指令部18bとを有する。
モータ指令部18bは、クランク軸位置把握部17からの信号や、モータ5のロータ位置を示す信号(例えば、エンコーダのカウント値や誘起電圧)等の入力を受けて、モータ5を駆動するための信号を生成し、モータ駆動回路18aを動作させる。
モータ駆動回路18aは、モータ5とバッテリ13との間の通電回路を開閉するスイッチング素子を有する回路構成(例えばインバータ回路を有する構成)であり、モータ指令部18bからの信号によってスイッチング素子の動作が制御されることでモータ5への通電が制御される。
これにより、モータ制御部18は、現在のモータ5の回転位置を基準にモータ5を回転させることで、クランク角θ1を基準にクランク軸9を回転させて目標クランク角に移動させることができる。
なお、クランク軸位置決めモードでは、クランク軸9を目標クランク角に移動させた後、モータ5の通電をOFFにする場合がある。このため、モータ5の通電をOFFにした際、クランク軸9が目標クランク角に留まっていることが求められる。
しかし、クランク軸位置決めモードでクランク軸9をモータ5により回し終わった後に筒内圧力が残っていると、モータ5の通電をOFFにしたと同時に、クランク軸9の位置がずれてしまう可能性がある。そこで、クランク軸位置決めモードにおいて、筒内圧力が抜けるまで待機するというステップを入れる。
すなわち、実施例1のクランク軸位置決めモードは、図4に示す手順で行う。
まず、ステップS1で、アクチュエータ11を駆動してピニオン7をリングギヤ10に噛み合わせる。
その後、ステップS2で、モータ5への通電を開始してモータ5を定速回転制御する。定速回転制御とは、図3(c)に示すように、モータ5の回転数指令値を一定に制御することを言う。この定速回転制御が行われている間、モータトルク検出部16によってモータトルクをモニタリングして、モータ5のトルクピークを検出する。
クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクピークを検出したタイミングにおけるモータ回転位置でのクランク軸9の位置を、クランク軸トルクピーク位置と推定する。つまり、ステップS3では、モータ5のトルクピークを検出したタイミングで、クランク軸9の位置がクランク軸トルクピーク位置、すなわちクランク角θ1になったと判定する。この判定が、モータ5の回転位置とクランク軸9の位置との関係の把握となる。
定速回転制御は、モータ5のトルクが最大となるトルクピークを検出するまで、つまり、クランク軸9の位置がクランク軸トルクピーク位置となるまで実施する。
クランク軸9の位置がクランク軸トルクピーク位置となったら、ステップS4でモータロック制御を行う。モータロック制御とは、モータ5の回転(ロータの回転)を強制的に止めた状態にするものである。言い換えると、モータ5のロータを停止状態に保持してクランク軸9をクランク角θ1に静止させるための制御であり、請求項5に記載したクランク軸静止期間を設けるための処理である。
実施例1では、モータロック制御の方法として、例えば、0相ベクトル通電を行う。なお、モータロック制御は、0相ベクトル通電に限らず、別途モータ5の端子を短絡する電気式スイッチを設けて、その電気式スイッチを作動させるのでもよいし、機械的にロータの回転を停止させるロック機構を設けて、そのロック機構を作動させるのでもよい。
モータロック制御を実施した後、ステップS5にて、エンジン2の筒内圧力が抜けたか否かを判定する。筒内圧力が抜けたか否かは筒内圧センサ等の出力から判定できる。また、筒内圧力が抜けるのに十分な所定の時間を予め記憶しておき、この所定の時間が経過したか否かによって筒内圧力が抜けたか否かを判断してもよい。
筒内圧力が抜けたと判定されたら、モータロック制御を解除し、クランク軸9が目標クランク角に達するまでモータ5を定速回転させる(ステップS6、S7参照)。
このとき、モータ5を現在の回転位置を基準に回転させることで、クランク軸9をクランク角θ1を基準に回転させることができ、目標クランク角にクランク軸9を移動させることができる。
なお、実施例1の目標クランク角は、例えば、クランク角θ1と上死点との間の所定のクランク角である。クランク角θ1と上死点との間は、エンジン始動に適した位置である。次の始動要求があった場合には、エンジン始動に適した位置からクランキングすることになり、エンジン2の早期始動が可能である。
ステップS6で目標クランク角に到達したら、ステップS8に進み、モータ通電をOFFにする。そして、クランク軸位置決めモードが終了し、この状態で、エンジン2の始動要求を待つ。始動要求があったら、モータ5への通電を開始してクランキングを行う。
〔実施例1の作用効果〕
実施例1では、クランク軸位置決めモードを行う際に、クランク軸位置把握部17によって把握した関係に基づいて、モータ5を駆動してクランク軸9を目標クランク角に移動させる。これによれば、エンジン始動装置1において、クランク角センサを用いずにクランク軸位置決めを行うことができる。
すなわち、実施例1では、モータ5のトルクを検出することによってクランク軸9の位置を把握する。このため、クランク軸9の位置を検出するためのセンサが不要となり、センサの信号線を追加する必要がないので、コストを低減することができる。なお、モータ5のトルクを検出する機能は、モータ5に一般的に備え付けられているものであるため、特別なコストを要しない。
また、実施例1のクランク軸位置決めモードでは、モータ5のトルクピークが検出された回転位置でモータロック制御を開始し、筒内圧力が抜けた後、モータロック制御を解除して、モータ5を駆動してクランク軸9を目標クランク角に移動させる。
これによれば、クランク軸9を目標クランク角に移動させた後、モータ5の通電をOFFにしたとしても、残留筒内圧力の影響でクランク軸9が目標クランク角からずれてしまうという事態を回避できる。このため、次の始動要求までの間、モータ5の通電をOFFにしておくことが可能となり、省エネとなる。
以下、本発明に係る他の実施例について説明する。
なお、実施例1と共通する部品および構成を示すものは、実施例1と同一の符号を付与して詳細な説明は実施例1を参照する。
〔実施例2〕
実施例2では、目標クランク角がクランク角θ1である。すなわち、クランク軸トルクピーク位置を目標クランク角とする。
このため、実施例1のクランク軸位置決めモードのフロー(図4参照)におけるステップS6、S7が不要であり、図5に示すフローに従ってクランク軸位置決めモードを実行する。
すなわち、クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクが最大となるトルクピークが検出された際に、現在のモータ5の回転位置がクランク角θ1に相当することを把握する。その情報を受けたモータ制御部18は、ステップS4でモータロック制御を実施した後、ステップS5でエンジン2の筒内圧力が抜けたと判定された場合に、ステップS8でモータ5への通電を停止する。
この実施例2によっても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
クランク軸トルクピーク位置もエンジン始動に適した位置であって、この位置からのクランキングでもエンジン2の早期始動が可能である。
〔実施例3〕
この実施例3では、図6に示すように、スタータ3のモータ5ではなく、ハイブリッド車両に搭載されるモータジェネレータ20(以下、MG20と呼ぶ)がクランク軸9に動力伝達する。
MG20は、モータの機能と発電機の機能を併せ持っており、モータとしての機能を利用してクランク軸9を回転させる。
なお、MG20は、クランク軸9に直結される構成でも良いが、ベルト係合あるいはギア係合などによってクランク軸9に連結される構成でも良い。
クランク軸位置把握部17は、MG20のトルクピークが検出された際に、そのときのMG20の回転位置をクランク軸9のトルクがピークとなるクランク軸トルクピーク位置として対応づけて記憶する。
MG20の場合は、一度、MG20の回転位置とクランク軸9の位置との関係を記憶すれば、たとえ、その後、筒内圧力の影響でクランク軸9が逆方向に回されたとしても、その記憶した関係に基づいて、MG20を制御してクランク軸9を目標クランク角に移動させることができる。
実施例1、2に記載した飛び込み式のスタータ3では、筒内圧力の影響でクランク軸9が正回転方向に回転してモータ回転数を上回ると、一方向クラッチ8があるために、クランク軸9の位置とモータ5の回転位置との対応がずれてしまう。このため、クランク軸9のトルクが正トルクになる前にモータロック制御をして筒内圧力が抜けるまで待機する必要があった。
しかし、MG20の場合は、筒内圧力の影響でクランク軸9が逆方向に回されたとしても、クランク軸9とともにMG20のロータも逆方向に回されるため、クランク軸9の位置とMG20の回転位置との対応は、記憶した関係のままである。このため、実施例3では、筒内圧力の影響を気にする必要はない。
従って、実施例3では、図7に示す流れでクランク軸位置決めモードを行う。
まず、ステップS11でクランク軸9にMG20の回転が伝達される係合状態にする。
その後、ステップS12でMG20を定速で回転させる。この定速回転中、モータトルク検出部16によってモータトルクをモニタリングする。
モータ5のトルクピークを検出したら、クランク軸位置把握部17はそのモータ回転位置でのクランク軸9の位置をクランク軸トルクピーク位置と推定する。つまり、ステップS13では、モータ5のトルクピークの検出をもって、クランク軸9の位置がクランク軸トルクピーク位置、すなわちクランク角θ1になったと判定する。
そして、クランク軸位置把握部17は、モータ5のトルクピークを検出した時点でのMG20の回転位置を、クランク軸9のトルクがピークとなるクランク軸トルクピーク位置となる回転位置であるとして記憶する。つまり、MG20の回転位置とクランク軸9の位置との関係を記憶する。
その後、ステップS14に進み、記憶した関係に基づいてクランク軸9を目標クランク角に移動させる。
この後、筒内圧力によって逆回転させられてしまい、クランク軸9が目標クランク角からずれた場合には、再度、MG20を回転させて目標クランク角に戻す。また、ステップS14で、筒内圧力によって逆回転させられない程度の逆トルクをロータに負荷させつつ、MG20を回転させてもよい。
この実施例3によっても、実施例1と同様に、エンジン始動装置1において、クランク角センサを用いずにクランク軸位置決めを行うことができる。
〔実施例4〕
この実施例4は、モータ5のトルク指令値を一定に制御した場合の事例である。
モータ5のトルク指令値がクランク軸9のトルクピークより小さい条件では、図8に示すように、クランク軸9のトルクピークが発生する時に、モータ減速時の回転数の変化量(dω/dt)が最大となる。よって、クランク軸位置把握部17は、モータトルク指令値<クランク軸トルクピークの条件の下で、モータ減速時の回転数の変化量が最大となるときのモータ5の回転位置によってクランク軸トルクピーク位置(クランク角θ1)を推定できる。
ECU4は、モータ減速時の回転数の変化量が最大となるときのモータ5の回転位置を基準にモータ5の回転角度を制御することで、クランク角θ1を基準としてクランク軸9を目標クランク角へ移動させることができる。
一方、モータ5のトルク指令値がクランク軸9のトルクピークより大きい条件では、図9に示すように、モータ5は常に加速するが、クランク軸9のトルクピークが発生する時に、モータ加速時の回転数の変化量(dω/dt)が最小となる。よって、クランク軸位置把握部17は、モータトルク指令値>クランク軸トルクピークの条件の下で、モータ加速時の回転数の変化量が最小となるときのモータ5の回転位置によってクランク軸トルクピーク位置(クランク角θ1)を推定できる。
ECU4は、モータ加速時の回転数の変化量が最小となるときのモータ5の回転位置を基準にモータ5の回転角度を制御することで、クランク角θ1を基準としてクランク軸9を目標クランク角へ移動させることができる。
上記のように、モータ5のトルク指令値を一定に制御する定トルク制御の場合は、モータ5の回転数の変化量を基にクランク軸トルクピーク位置(クランク角θ1)を推定できる。その結果、実施例1と同様に、クランク角センサを用いることなく、クランク軸9の位置決めを行うことができる。
〔実施例5〕
この実施例5は、モータ5のトルクと回転数を基にエンジントルクを算出し、その算出結果を基にクランク軸トルクピーク位置を把握する事例である。
ECU4は、図10に示すように、モータ5のトルクと回転数からエンジントルクを算出するエンジントルク算出部21を有し、このエンジントルク算出部21で算出されたエンジントルクがクランク軸位置把握部17へ出力される。
モータ5のトルクは、例えば、実施例1で説明したように、電流センサ19で検出されるモータ5の通電電流を基に算出できる。モータ5の回転数は、例えば、レゾルバ、エンコーダ等によって検出できるロータの回転位置を基に算出できる。
エンジントルク算出部21は、下記(1)式を解くことでエンジントルクを算出する。
なお、Te:エンジントルク、Tm:モータトルク、ωm:モータ回転数、Je:エンジンイナーシャ、Jm:モータイナーシャ、G:モータ5からクランク軸9までのギヤ比(具体的には、リングギヤ10の半径/ピニオン7の半径)である。
前提条件として、クランク軸9の位置制御時におけるスタータ回転数とエンジン回転数は等しいものとする。
〔Jm+(1/G)×Je〕dωm/dt=Tm+(1/G)×Te ……(1)
上記(1)式において、〔Jm+(1/G)×Je〕は、エンジン2およびスタータ3が有する固有の値であり、dωm/dtは、モータ5の回転数変化量を表している。
クランク軸位置把握部17は、エンジントルク算出部21で算出されるエンジントルクTeからクランク軸トルクピーク位置を推定する。
モータ制御部18は、推定されたクランク軸トルクピーク位置(クランク角θ1)に対応する現在のモータ5の回転位置を基準に、モータ5の回転角度を制御することで、クランク角θ1を基準としてクランク軸9を目標クランク角へ移動させることができる。
この実施例5においても、実施例1と同様に、クランク角センサを用いることなく、クランク軸9の位置決めを行うことができる。
〔変形例〕
実施例1では、クランク軸9をエンジン始動に適した位置(目標クランク角)へ移動させるが、必ずしもエンジン始動に適した位置である必要はなく、所望の位置を適宜に設定しても良い。
実施例1では、モータ5のトルクピークが検出された回転位置でモータロック制御を実施しているが、モータ5のトルクピークが検出された回転位置からエンジンの圧縮行程でピストン15が上死点に移動するまでの間にモータロック制御を実施しても良い。
スタータ3は、ピニオン7がリングギヤ10に常時噛み合っている常時噛み合い式のスタータであってもよい。
実施例1では、モータトルクを通電電流の大きさによって検出しているが、モータトルクの検出方法はこれに限らず、様々な方法を用いることができる。例えば、モータトルクセンサにより直接モータトルクを検出してもよい。また、モータ制御にPWM制御を用いる場合は、PWMデューティーの変化を用いてもよい。
アクチュエータ11は、ピニオン7を押し出すためのソレノイドに加えて、モータ5のメインスイッチを開閉するためのソレノイドを有していてもよい。この場合、メインスイッチを開閉するためのソレノイドがモータ制御部18の一部をなす。
1 エンジン始動装置
2 エンジン
3 スタータ
4 ECU(クランク軸位置決め装置)
5 モータ
7 ピニオン
9 クランク軸
10 リングギヤ
15 ピストン
17 クランク軸位置把握部
18 モータ制御部
20 モータジェネレータ(モータ)

Claims (5)

  1. エンジン(2)のクランク軸(9)に直接または間接的に連結されて前記クランク軸を回転駆動できるモータ(5、20)と、
    前記エンジンの停止中に前記モータを駆動して前記クランク軸を所定の位置に移動させるクランク軸位置決め装置(4)とを備えるエンジン始動装置(1)であって、
    前記クランク軸位置決め装置は、
    前記クランク軸のトルクがピークを示す時のクランク角をクランク軸トルクピーク位置と呼ぶときに、前記モータのトルクと回転数の少なくとも一方の情報を基に、前記クランク軸トルクピーク位置と前記モータの回転位置との関係を把握するクランク軸位置把握部(17)と、
    前記クランク軸トルクピーク位置を基準にして前記クランク軸を所定の位置へ移動させるように前記モータを制御するモータ制御部(18)とを有し、
    前記クランク軸位置把握部は、前記モータのトルクと回転数から前記クランク軸のトルクを算出し、その算出結果を基に前記クランク軸トルクピーク位置を推定することを特徴とするエンジン始動装置。
  2. エンジン(2)のクランク軸(9)に直接または間接的に連結されて前記クランク軸を回転駆動できるモータ(5、20)と、
    前記エンジンの停止中に前記モータを駆動して前記クランク軸を所定の位置に移動させるクランク軸位置決め装置(4)とを備えるエンジン始動装置(1)であって、
    前記クランク軸位置決め装置は、
    前記クランク軸のトルクがピークを示す時のクランク角をクランク軸トルクピーク位置と呼ぶときに、前記モータのトルクと回転数の少なくとも一方の情報を基に、前記クランク軸トルクピーク位置と前記モータの回転位置との関係を把握するクランク軸位置把握部(17)と、
    前記クランク軸トルクピーク位置を基準にして前記クランク軸を所定の位置へ移動させるように前記モータを制御するモータ制御部(18)とを有し、
    前記クランク軸位置把握部は、前記モータ制御部により前記モータのトルク指令値が一定に制御されている時に、前記モータの回転数の変化量を基に前記クランク軸トルクピーク位置を推定することを特徴とするエンジン始動装置。
  3. エンジン(2)のクランク軸(9)に直接または間接的に連結されて前記クランク軸を回転駆動できるモータ(5、20)と、
    前記エンジンの停止中に前記モータを駆動して前記クランク軸を所定の位置に移動させるクランク軸位置決め装置(4)とを備えるエンジン始動装置(1)であって、
    前記クランク軸位置決め装置は、
    前記クランク軸のトルクがピークを示す時のクランク角をクランク軸トルクピーク位置と呼ぶときに、前記モータのトルクと回転数の少なくとも一方の情報を基に、前記クランク軸トルクピーク位置と前記モータの回転位置との関係を把握するクランク軸位置把握部(17)と、
    前記クランク軸トルクピーク位置を基準にして前記クランク軸を所定の位置へ移動させるように前記モータを制御するモータ制御部(18)とを有し、
    前記クランク軸位置把握部は、前記モータ制御部により前記モータの回転数指令値が一定に制御されている時に、前記モータのトルクがピークを示す時の前記モータの回転位置から前記クランク軸トルクピーク位置を推定することを特徴とするエンジン始動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のエンジン始動装置において、
    前記クランク軸位置決め装置は、前記クランク軸トルクピーク位置に対応する前記モータの回転位置から前記エンジンの圧縮行程でピストン(15)が上死点に移動するまでの間に前記モータの回転を停止させて、その停止状態を保持することで前記クランク軸を静止させるクランク軸静止期間を設けることを特徴とするエンジン始動装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載したエンジン始動装置において、
    前記モータは、スタータ(3)のモータであって、
    前記スタータは、前記クランク軸に連結されたリングギヤ(10)にピニオン(7)を噛み合わせ、前記モータに発生する回転力を前記ピニオンから前記リングギヤに伝達してクランク軸を回転駆動することを特徴とするエンジン始動装置
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