JP6549940B2 - 車両の挙動制御装置及び車両の挙動制御方法 - Google Patents

車両の挙動制御装置及び車両の挙動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両の挙動制御装置及び車両の挙動制御方法に関する。
近年、カメラなどで検出した車線に、運転者のハンドル操作によらず、車両を追従させる車線追従制御を行う車両が知られている。
例えば、特許文献1には、走行路の逸脱回避を的確に支援するとともに、快適な走行及び安全な走行を両立するために、車両の進路変更が可能な領域である走行許容領域と走行可能路との重なり領域における最も狭い部分が、車両が走行可能路を逸脱すると判断する所定の閾値よりも狭いと判定された場合に、車両の操舵に対して介入制御を指示する信号を出力する技術が開示されている。
特開2013−184650号公報
ここで、車線追従制御において、後輪をモータで独立駆動するトルクベクタリング制御などにより、ハンドル操舵系と異なるヨーレートを発生させる技術が知られている。このような技術によれば、運転者のハンドル操作によらず所望のヨーレートを得ることができる。ヨーレートが発生すると、運転者の意図しないハンドルの回転が生じる場合がある。また、左右前輪の一方が路面上の窪みや石等の障害物を乗り越える場合や、左右前輪の間での路面の摩擦係数が相違する場合においても、運転者の意図しないハンドルの回転が生じ得る。運転者の意図しないハンドルの回転が生じた場合、運転者はハンドルを取られないようにハンドル操舵を行うので、ハンドル操舵トルクが生じる。
車線追従制御が行われているときに、所定の閾値以上のハンドル操舵トルクが検出された場合には、車線追従制御を中断することが望ましい。それにより、運転者が意図的にハンドル操舵を行うことによって、車線追従制御を中断することができる。一方、運転者の意図しないハンドルの回転が生じた場合には、運転者がハンドルを取られないようにハンドル操舵を行うことによって、車線追従制御が中断され得る。よって、運転者の意図しない車線追従制御の中断が生じ得る。従って、運転者の利便性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、運転者の意図しない車線追従制御の中断を抑制することによって、運転者の利便性の低下を抑制することが可能な、新規かつ改良された車両の挙動制御装置及び車両の挙動制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、推定走行路に基づいて、車線追従ヨーレートを算出する車線追従ヨーレート算出部と、ハンドル操舵角及び車速に基づいて、車両規範ヨーレートを算出する車両規範ヨーレート算出部と、運転者によるハンドル操舵に基づいて前記車線追従ヨーレートによる車線追従制御を継続させるか否かを判定する判定部と、前記車線追従制御を継続させると判定された場合に、前記車線追従ヨーレートに基づいて、ハンドル操舵系とは独立して車両のヨーレートを制御し、前記車線追従制御を継続させないと判定された場合に、前記車両規範ヨーレートに基づいて、車両のヨーレートを制御する制御部と、を備え、前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、前記所定の回転速度差が検出されなかった場合の前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が緩められる、車両の挙動制御装置が提供される。
前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において再び前記所定の回転速度差が検出された場合に、緩められた前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が厳しくされてもよい。
前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において前記所定の回転速度差が検出されるごとに、前記車線追従制御を継続させる条件が厳しくされる度合いが増加してもよい。
前記判定部は、前記車線追従制御を継続させる条件が所定の条件より厳しくなった場合に、前記車線追従制御を継続させないと判定してもよい。
前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において前記所定の回転速度差が検出されなかった場合に、前記車線追従制御を継続させる条件が初期設定へ戻されてもよい。
前記判定部は、運転者によるハンドル操舵トルクが閾値より大きくない場合に前記車線追従制御を継続させると判定し、前記閾値を増加させることにより、前記車線追従制御を継続させる条件を緩め、前記閾値を減少させることにより、前記車線追従制御を継続させる条件を厳しくする閾値調整部を備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、推定走行路に基づいて、車両の挙動制御装置により、車線追従ヨーレートを算出するステップと、ハンドル操舵角及び車速に基づいて、車両規範ヨーレートを算出するステップと、運転者によるハンドル操舵に基づいて前記車線追従ヨーレートによる車線追従制御を継続させるか否かを判定するステップと、前記車線追従制御を継続させると判定された場合に、前記車線追従ヨーレートに基づいて、ハンドル操舵系とは独立して車両のヨーレートを制御し、前記車線追従制御を継続させないと判定された場合に、前記車両規範ヨーレートに基づいて、車両のヨーレートを制御するステップと、を含み、前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、前記所定の回転速度差が検出されなかった場合の前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が緩められる、車両の挙動制御方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、運転者の意図しない車線追従制御の中断を抑制することによって、運転者の利便性の低下を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成の一例を示す模式図である。 カメラシステムにより得られる推定走行路について説明するための模式図である。 同実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示す説明図である。 車線追従ヨーレートYtg1に基づいて、カメラシステムにより得られる推定走行路に沿って車両が走行している状態を示す模式図である。 判定閾値調整部による判定閾値の調整の一例について説明するための説明図である。 判定閾値調整部による判定閾値の調整の一例について説明するための説明図である。 同実施形態に係る制御装置が行う第1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る制御装置が行う第1の処理における判定閾値設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る制御装置が行う第2の処理における判定閾値設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る制御装置が行う第3の処理における判定閾値設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る制御装置が行う第4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.車両の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る車両1000の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両1000の概略構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、車両1000は、前輪100,102と、前輪100,102の回転数を検出する回転数センサ101,103と、後輪104,106と、後輪104,106を駆動するモータ110,112と、パワーステアリング機構120と、舵角センサ130と、ステアリング132と、インバータ140,142と、バッテリー150と、ヨーレートセンサ160と、車速センサ170と、カメラシステム180と、制御装置200と、を備える。
本実施形態に係る車両1000は、後輪104,106のそれぞれを駆動するためにモータ110,112が設けられている。このため、後輪104,106毎に駆動トルクを制御することができる。従って、前輪100,102の操舵によるヨーレート発生とは独立して、後輪104,106のそれぞれを駆動することで、トルクベクタリング制御によりヨーレートを発生させることができる。後輪104,106に対応するインバータ140,142が、制御装置200からの動作指示に基づいて、制御されることによって、後輪104,106の駆動トルクが制御される。各インバータ140,142にはバッテリー150から電力が供給される。
パワーステアリング機構120は、油圧や電気的な制御を用いて、トルク制御又は角度制御により前輪100,102の舵角を制御する。パワーステアリング機構120は、操舵トルクセンサ122を含む。操舵トルクセンサ122は、運転者によるハンドル操舵トルクTq_hを検出し、ハンドル操舵トルクTq_hを示す情報を制御装置200へ出力する。
回転数センサ101,103は、前輪100,102の回転数を検出し、前輪100,102の回転数を示す情報を制御装置200へ出力する。舵角センサ130は、運転者がステアリング132を操作して入力したハンドル操舵角θhを検出し、ハンドル操舵角θhを示す情報を制御装置200へ出力する。ヨーレートセンサ160は、車両1000のヨーレートを検出し、ヨーレートを示す情報を制御装置200へ出力する。車速センサ170は、車両1000の車両速度Vを検出し、車両速度Vを示す情報を制御装置200へ出力する。
図2は、カメラシステム180により得られる推定走行路について説明するための模式図である。カメラシステム180は、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子を有する左右1対のカメラを有して構成され、車両外の外部環境を撮像し、自車両が走行するレーンの白線Wを画像情報として認識することができる。また、カメラシステム180は、撮像した左右1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三角測量の原理によって対象物までの距離情報を生成して取得することができる。また、カメラシステム180は、三角測量の原理によって生成した距離情報に対して、周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理された距離情報を予め設定しておいた三次元的な立体物データ等と比較することにより、立体物データや白線データ等を検出する。これにより、カメラシステム180は、先行車両や走行レーンを示す白線Wの他、一時停止の標識、停止線、ETCゲートなどを認識することもできる。
図2に示すように、カメラシステム180は、車両1000が走行する走行レーンの白線Wを検出し、カメラシステム180から前方に向かって前方視点距離Lだけ離れた直線L1と白線Wとの交点P1,P2で白線座標を求める。そして、交点P1,P2の中点P3の座標を、推定走行路上の座標として求める。また、カメラシステム180の前方向と直線L1との交点P4(前方注視点)の座標を求める。
図2において、車両1000が前方へ距離L進んだ位置P4と車両1000が推定走行路上に距離L進んだ位置との偏差ε’はP3−P4間の距離εで近似することができる。そして、カメラシステム180で事前に算出したP3−P4間の距離εと前方注視点距離Lとから、操舵量に相当するパラメータ(=旋回支援角度α[rad])を算出する。旋回支援角度αは、以下の式(1)から算出することができる。
α=2×sin−1(ε/2L) ・・・・(1)
カメラシステム180は、得られた旋回支援角度αを示す情報を制御装置200へ出力する。旋回支援角度αを示す情報は、制御装置200による車線追従ヨーレートの算出に用いられる。なお、車線追従ヨーレートの算出の詳細については、後述する。
制御装置200は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。
制御装置200は、車両1000を構成する各装置の動作を制御する。具体的には、制御装置200は、制御対象である各アクチュエータに対して電気信号を用いて動作指示を行う。より具体的には、制御装置200は、インバータ140,142の駆動を制御することによって、モータ110,112による後輪104,106の駆動を制御する。それにより、制御装置200は、車両1000のヨーレートを制御する。また、制御装置200は、各センサから出力された情報を当該センサから受信する。制御装置200は、CAN(Controller Area Network)通信を用いて各センサと通信を行ってもよい。なお、本実施形態に係る制御装置200が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。本実施形態に係る制御装置200によれば、運転者の意図しない車線追従制御の中断を抑制することによって、運転者の利便性の低下を抑制することが可能となる。係る制御装置200の詳細については、後述する。
<2.制御装置の機能構成>
図3は、本実施形態に係る制御装置200の機能構成の一例を示す説明図である。図3に示すように、本実施形態に係る制御装置200は、車両規範ヨーレート算出部202と、車線追従ヨーレート算出部204と、判定閾値調整部206と、オーバーライド判定部208と、目標ヨーレート選択部210と、トルクベクタリングモータ制御部212と、を含む。本実施形態に係る制御装置200は、運転者のハンドル操作によらず、車両を推定走行路に沿って走行させる車線追従制御を行うことができる。
(車両規範ヨーレート算出部)
車両規範ヨーレート算出部202は、ハンドル操舵角θh及び車両速度Vに基づいて、車両規範ヨーレートYtg2を算出し、車両規範ヨーレートYtg2を示す情報を目標ヨーレート選択部210へ出力する。車両規範ヨーレートYtg2は、運転状態に関するパラメータであるハンドル操舵角θh及び車両速度Vと車両固有のパラメータである車両ホイールベースl等とから理論的に導き出しうるヨーレートである。ヨーレートセンサ160により検出されたヨーレートと車両規範ヨーレートYtg2との差が生じる場合は、ハンドル操舵に応じた車両1000の旋回が行われていない場合であり、係る場合には、トルクベクタリングにより車両1000のヨーレートを制御することによって、操舵フィーリングに関する違和感が生ずることを抑制することができる。
車両規範ヨーレートYtg2は、車両規範ヨーレート算出部202において、一般的な車両モデル(平面2輪モデル)を表す以下の式(2)から算出することができる。車両規範ヨーレートYtg2は、平面2輪モデルの(2)式における車両ヨーレートγに相当する。
Figure 0006549940
なお、(2)〜(4)式において、変数、定数は以下の通りである。
<変数>
γ:車両ヨーレート
V:車両速度
δ:タイヤ舵角
θh:ハンドル操舵角
Gh:ハンドル操舵角からタイヤ舵角への変換ゲイン
<定数>
l:車両ホイールベース
:車両重心点から前輪中心までの距離
:車両重心点から前輪中心までの距離
m:車両重量
:コーナリングパワー定数(フロント)
:コーナリングパワー定数(リア)
車両規範ヨーレートYtg2(=γ)は、車両速度V、及びタイヤ舵角δを変数として、(2)式から算出される。(2)式のタイヤ舵角δは、直接センシングできないため、(3)式から、ハンドル操舵角θhに変換ゲインGhを乗じることで算出される。変換ゲインGhとして、例えば、ステアリングギア比が用いられる。また、(2)式における定数Aは車両の特性を表す定数であり、(4)式から求められる。
(車線追従ヨーレート算出部)
車線追従ヨーレート算出部204は、カメラシステム180により得られる推定走行路に基づいて、車線追従ヨーレートYtg1を算出し、車線追従ヨーレートYtg1を示す情報を目標ヨーレート選択部210へ出力する。具体的には、車線追従ヨーレート算出部204は、カメラシステム180によって得られる旋回支援角度αと車両速度Vとに基づいて、車線追従ヨーレートYtg1を算出する。車線追従ヨーレートYtg1は、カメラシステム180により得られる推定走行路に沿って車両1000を走行させるために必要なヨーレートである。係る車線追従ヨーレートYtg1が生じるように車両1000のヨーレートを制御することによって、運転者のハンドル操作によらず、車両を推定走行路に沿って走行させる車両追従制御を行うことができる。
車線追従ヨーレートYtg1は、旋回支援角度αを平面2輪モデルの(2)式のδに代入することで、求めることができる。すなわち、車線追従ヨーレートYtg1は、以下の式(5)から算出することができる。
Figure 0006549940
なお、本実施形態では、カメラシステム180で撮像した画像から得られる推定走行路に基づいて車線追従ヨーレートを算出するが、ナビゲーション情報等の他の情報から推定走行路を取得して車線追従ヨーレートYtg1を算出してもよい。
(オーバーライド判定部)
オーバーライド判定部208は、運転者によるハンドル操舵に基づいて、車線追従ヨーレートYtg1による車線追従制御を継続させるか否かを判定し、判定結果に応じた判定フラグを出力する本発明に係る判定部である。具体的には、オーバーライド判定部208は、運転者によるハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きくない場合に車線追従制御を継続させると判定し、運転者によるハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きい場合に車線追従制御を継続させないと判定する。以下の説明では、オーバーライド判定部208により出力される判定フラグにおいて、車線追従制御を継続させると判定されたことを示す判定フラグを「1」とし、車線追従制御を継続させないと判定されたことを示す判定フラグを「0」とする。
(目標ヨーレート選択部)
目標ヨーレート選択部210は、車線追従ヨーレート算出部204から入力された車線追従ヨーレートYtg1又は車両規範ヨーレート算出部202から入力された車両規範ヨーレートYtg2のいずれか一方を目標ヨーレートYtgとして選択し、選択されたヨーレートを示す情報をトルクベクタリングモータ制御部212へ出力する。目標ヨーレート選択部210は、車線追従制御が行われていない場合は、車両規範ヨーレートYtg2を目標ヨーレートYtgとして選択する。
また、目標ヨーレート選択部210は、車線追従制御が行われている場合は、判定結果を示す判定フラグをオーバーライド判定部208から受け取り、判定フラグに基づいて、車線追従ヨーレートYtg1又は車両規範ヨーレートYtg2のいずれか一方を目標ヨーレートYtgとして選択する。例えば、目標ヨーレート選択部210は、判定フラグが「1」である場合、車線追従ヨーレートYtg1を目標ヨーレートYtgとして選択し、判定フラグが「0」である場合、車両規範ヨーレートYtg2を目標ヨーレートYtgとして選択する。
(トルクベクタリングモータ制御部)
トルクベクタリングモータ制御部212は、入力された目標ヨーレートYtgを示す情報に基づいて、モータ110,112のトルクベクタリング制御を行い、ヨーレートセンサ160により検出されるヨーレートが目標ヨーレートYtgとなるように制御する本発明に係る制御部である。
図4は、車線追従ヨーレートYtg1に基づいて、カメラシステム180により得られる推定走行路に沿って車両1000が走行している状態を示す模式図である。車線追従制御が行われているときにおいて、カメラシステム180により走行レーンを示す白線Wが検出され、旋回支援角度αが求められる。そして、車両速度Vと旋回支援角度αとから車線追従ヨーレートYtg1が算出される。ハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きくない場合、オーバーライド判定部208により車線追従制御を継続させると判定され、車線追従制御を継続させると判定されたことを示す判定フラグとして「1」が出力される。ゆえに、目標ヨーレート選択部210は、車線追従ヨーレートYtg1を目標ヨーレートYtgとして選択する。従って、トルクベクタリングモータ制御部212は、オーバーライド判定部208により車線追従制御を継続させると判定された場合に、車線追従ヨーレートYtg1に基づいて、ハンドル操舵系とは独立して車両のヨーレートを制御する。ゆえに、運転者によるハンドル操舵によらず、車両1000は推定走行路に沿って、図4に示す矢印A1方向に走行する。
一方、運転者が車両1000を矢印A2方向に走行させようとし、判定閾値Tq_thより大きいハンドル操舵トルクTq_hが検出された場合、オーバーライド判定部208により車線追従制御を継続させないと判定される。ゆえに、車線追従制御を継続させないと判定されたことを示す判定フラグとして「0」が出力される。よって、目標ヨーレート選択部210は、車両規範ヨーレートYtg2を目標ヨーレートYtgとして選択する。従って、トルクベクタリングモータ制御部212は、オーバーライド判定部208により車線追従制御を継続させないと判定された場合に、車両規範ヨーレートYtg2に基づいて、車両のヨーレートを制御する。この場合、車線追従制御は中断され、運転者自身のハンドル操舵による制御が行われる。
(判定閾値調整部)
判定閾値調整部206は、車線追従制御を継続させるか否かについてのオーバーライド判定部208による判定における車両追従制御を継続させる条件を調整する。具体的には、判定閾値調整部206は、車線追従制御を継続させるか否かについてのオーバーライド判定部208による判定に用いられる判定閾値Tq_thを増加又は減少させることにより、車線追従制御を継続させる条件を調整する。
判定閾値調整部206は、前左右輪の所定の回転速度差が検出されたか否かに基づいて、車線追従制御を継続させる条件を調整する。所定の回転速度差は、ヨーレートの発生に伴うセルフステアや、路面上の窪みや石等の障害物や、左右前輪の間での路面の摩擦係数の相違によって運転者の意図しないハンドルの回転が生じ得るような回転速度差である。例えば、判定閾値調整部206は、実際の前左右輪の回転速度差から車両の旋回に起因する成分を減算して外乱に起因する成分を求める。そして、判定閾値調整部206は、実際の前左右輪の回転速度差のうち外乱に起因する成分が所定の閾値より大きい場合に、所定の回転速度差が検出されたと判定する。実際の前左右輪の回転速度差は、回転数センサ101,103から得られる前輪100,102の回転数を示す情報に基づいて算出し得る。実際の前左右輪の回転速度差のうち車両の旋回に起因する成分は、ヨーレートセンサ160から得られる車両1000のヨーレートを示す情報に基づいて算出し得る。
判定閾値調整部206は、前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を緩める。具体的には、判定閾値調整部206は、前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、判定閾値Tq_thを増加させる。図5は、判定閾値調整部206による判定閾値Tq_thの調整の一例について説明するための説明図である。例えば、判定閾値調整部206は、時刻T11において前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、図5に示したように、判定閾値Tq_thを増加幅aで増加させる。増加幅aは、固定値であってもよく、図示しないマップを用いて車両速度Vに基づいて設定されてもよい。また、図5に示した判定閾値の初期値Tq_th0は、固定値であってもよく、図示しないマップを用いて車両速度Vに基づいて設定されてもよい。また、判定閾値の初期値Tq_th0は、車両速度Vが大きいほど低くなるように設定されてもよい。車両速度Vに基づいて判定閾値の初期値Tq_th0や増加幅aを設定することによって、車両速度Vに応じて車線追従制御を継続させるか否かを適切に判定することができる。
所定の回転速度差が検出された場合には、運転者の意図しないハンドルの回転が生じ得る。所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を緩めることによって、運転者がハンドルを取られないようにハンドル操舵を行ったとしても、車線追従制御の中断が生じにくくすることができる。従って、運転者の意図しない車線追従制御の中断を抑制することによって、運転者の利便性の低下を抑制することが可能である。
判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出されなかった場合に、車線追従制御を継続させる条件を初期設定へ戻してもよい。所定の期間は、所定の回転速度差が検出された後、ヨーレートの発生に伴うセルフステアや、路面上の窪みや石等の障害物や、左右前輪の間での路面の摩擦係数の相違により運転者の意図しないハンドルの回転を生じさせ得る状態が継続している可能性があると考えられるような期間であり、例えば、1秒未満に設定され得る。時刻T11から所定の期間が経過した時刻が時刻T12であるとき、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された時刻T11から時刻T12までの間において所定の回転速度差が検出されなかった場合に、例えば図5に示したように、判定閾値Tq_thを判定閾値の初期値Tq_th0へ戻す。
所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出されなかった場合には、ヨーレートの発生に伴うセルフステアや、路面上の窪みや石等の障害物や、左右前輪の間での路面の摩擦係数の相違により運転者の意図しないハンドルの回転を生じさせ得る状態が継続していないと考えられる。当該状態が継続していない通常時において、車線追従制御を継続させるか否かを適切に判定し得るように上述の初期設定が設けられているので、車線追従制御を継続させる条件を初期設定へ戻すことによって、車線追従制御を継続させるか否かを適切に判定することが可能である。
判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において再び所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を厳しくしてもよい。所定の期間は、上述の所定の期間と同様に定義される期間であり得る。判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出された場合に、例えば、判定閾値Tq_thを減少させる。図6は、判定閾値調整部206による判定閾値Tq_thの調整の一例について説明するための説明図である。例えば、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された時刻T21(T22、T23、T24)から所定の期間が経過する前の時刻T22(T23、T24、T25)において、所定の回転速度差が検出された場合に、図6に示したように、判定閾値Tq_thを減少幅b(b1〜b4)で減少させる。減少幅bは、固定値であってもよく、図示しないマップを用いて車両速度Vに基づいて設定されてもよい。
所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出された場合には、運転者の意図しないハンドルの回転が連続的に生じていると考えられる。それにより、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違が大きくなり得る。所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を厳しくすることによって、車線追従制御を中断させ易くすることができる。従って、運転者自身のハンドル操舵による制御へ切り替え易くすることができるので、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違が大きくなるような場合であっても、車両1000の挙動を適切に制御することが可能となる。
判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出されるごとに、車線追従制御を継続させる条件を厳しくする度合いを増加させてもよい。具体的には、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出されるごとに、判定閾値Tq_thを減少させる際の減少幅bを増加させてもよい。例えば、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された時刻T21の後、時刻T22,T23,T24,T25において所定の回転速度差が検出された場合に、図6に示したように、時刻T22,T23,T24,T25において判定閾値Tq_thを減少幅b(b1〜b4)で減少させる。係る場合において、判定閾値調整部206は、時刻T22,T23,T24,T25において判定閾値Tq_thを減少させる際のそれぞれの減少幅bを時刻T22,T23,T24,T25の順に大きくしてもよい(b1<b2<b3<b4)。
所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において所定の回転速度差が検出される回数が増加するほど、より長期間にわたり運転者の意図しないハンドルの回転が連続的に生じていると考えられる。それにより、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違がより大きくなり得る。回転速度差が検出されるごとに車線追従制御を継続させる条件を厳しくする度合いを増加させることによって、回転速度差が検出される回数が増加するほど、車線追従制御をより中断させ易くするように車線追従制御を継続させる条件を調整することができる。ゆえに、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違がより大きくなり得るような場合であっても、車両1000の挙動を適切に制御することが可能となる。
また、時刻T25から所定の期間が経過した時刻が時刻T26であるとき、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出された時刻T25から時刻T26までの間において所定の回転速度差が検出されなかった場合に、図6に示したように、判定閾値Tq_thを判定閾値の初期値Tq_th0へ戻す。
オーバーライド判定部208は、車線追従制御を継続させる条件が所定の条件より厳しくなった場合に、車線追従制御を継続させないと判定してもよい。所定の条件は、車線追従制御を継続させる条件が所定の条件より厳しい場合において、運転者の意図しない微小なハンドル操作があったことが検出されただけでも車線追従制御を継続させないと判定されるような条件である。
具体的には、判定閾値Tq_thが、判定閾値の下限値Tq_thlより小さくなった場合に、車線追従制御を継続させないと判定してもよい。判定閾値の下限値Tq_thlは、運転者の意図しない微小なハンドル操作におけるハンドル操舵トルクTq_hを検出することができるような値に設定され、例えば、1[N・m]未満に設定され得る。判定閾判定閾値の下限値Tq_thlは判定閾値の初期値Tq_th0より小さいが、所定の回転速度差の検出に伴い判定閾値調整部206により判定閾値Tq_thが減少することにより、判定閾値Tq_thは判定閾値の下限値Tq_thlより小さくなり得る。
このような場合には、長期間にわたり運転者の意図しないハンドルの回転が連続的に生じていると考えられる。それにより、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違がより大きくなり得る。車線追従制御を継続させる条件が所定の条件より厳しくなった場合に、車線追従制御を継続させないと判定することによって、車線追従制御を中断させ、運転者自身のハンドル操舵による制御へ切り替えることができる。ゆえに、車線追従制御において想定される車両1000の挙動と実際の車両1000の挙動との相違がより大きくなり得るような場合であっても、車両1000の挙動を適切に制御することが可能となる。
上述では、ハンドル操舵トルクTq_hによって車線追従制御を継続させるか否かが判定される例について説明したが、オーバーライド判定部208は、ハンドル操舵角θhに基づいて、車線追従ヨーレートYtg1による車線追従制御を継続させるか否かを判定してもよい。例えば、オーバーライド判定部208は、運転者のハンドル操舵によるハンドル操舵角θhの向きと、カメラシステム180から得られる、図2に示した推定走行路上の点P3から前方注視点P4へ向かう向きとを比較し、両者の向きが一致していない場合は車線追従制御を継続させないと判定してもよい。
<3.動作>
続いて、図7〜図11を参照して、本実施形態に係る制御装置200が行う処理の流れについて説明する。なお、図7〜図11に示した処理は、車線追従制御がON状態に切り換えられたことをトリガとして開始される。車線追従制御のON状態への切り替えは、例えば、車両1000に設けられる図示しない入力装置を用いた運転者による入力操作により実現され得る。なお、車線追従制御のON状態からOFF状態への切り替えは、制御装置200によって行われる他、図示しない入力装置を用いた運転者による入力操作によっても実現され得る。
(3−1.第1の処理の流れ)
図7は、本実施形態に係る制御装置200が行う第1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8は、本実施形態に係る制御装置200が行う第1の処理における判定閾値設定処理(ステップS500)の流れの一例を示すフローチャートであり、図7におけるステップS500の詳細を示す。なお、図7に示す処理の流れは、後述する第2の処理及び第3の処理における処理の流れと共通であるが、第2の処理及び第3の処理では、第1の処理と比較して、判定閾値設定処理(ステップS500)の流れが異なる。
車線追従制御がON状態に切り換えられると、図7に示したように、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを設定する(ステップS500)。ここで、図8に示したように、判定閾値調整部206による判定閾値設定処理において、まず、判定閾値調整部206は、回転数センサ101,103から得られる前輪100,102の回転数を示す情報に基づいて実際の前左右輪の回転速度差を算出する(ステップS502)。次に、実際の前左右輪の回転速度差から車両の旋回に起因する成分を減算することによって、外乱に起因する成分を算出する(ステップS504)。そして、判定閾値調整部206は、所定の回転速度差が検出されたか否かを判定する(ステップS506)。
ステップS506において、判定閾値調整部206は、実際の前左右輪の回転速度差のうち外乱に起因する成分が所定の閾値より大きいことをもって、所定の回転速度差が検出されたと判定する。所定の回転速度差が検出されたと判定された場合(ステップS506/YES)、運転者がハンドルを取られないようにハンドル操舵を行ったとしても、車線追従制御の中断が生じにくくするために、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを増加幅aで増加させ(ステップS508)、図8に示した判定閾値設定処理は終了する。一方、所定の回転速度差が検出されなかったと判定された場合(ステップS506/NO)、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを増減させずに維持し(ステップS510)、図8に示した判定閾値設定処理は終了する。
次に、図7に示したように、オーバーライド判定部208は、ハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きいか否かを判定する(ステップS600)。ハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きくないと判定された場合(ステップS600/NO)、オーバーライド判定部208は、車線追従制御を継続させると判定されたことを示す判定フラグとして「1」を出力し(ステップS700)、図7に示した処理は終了する。一方、ハンドル操舵トルクTq_hが判定閾値Tq_thより大きいと判定された場合(ステップS600/YES)、オーバーライド判定部208は、車線追従制御を継続させないと判定されたことを示す判定フラグとして「0」を出力し(ステップS800)、図7に示した処理は終了する。なお、図7に示した処理は、連続的に繰り返されてもよく、一定の時間間隔で繰り返されてもよい。
(3−2.第2の処理の流れ)
図9は、本実施形態に係る制御装置200が行う第2の処理における判定閾値設定処理(ステップS500)の流れの一例を示すフローチャートである。第2の処理では、第1の処理と比較して、判定閾値調整部206による判定閾値設定処理の流れが異なる。また、第2の処理における判定閾値設定処理では、第1の処理と比較して、所定の回転速度差が検出されたと判定された場合(ステップS506/YES)の処理が異なる。
図9に示したように、第2の処理では、ステップS506において、所定の回転速度差が検出されたと判定された場合(ステップS506/YES)、判定閾値調整部206は、前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過したか否かを判定する(ステップS522)。前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過したと判定された場合(ステップS522/YES)、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを増加幅aで増加させ(ステップS508)、図9に示した判定閾値設定処理は終了する。一方、前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過していないと判定された場合(ステップS522/NO)、車線追従制御を中断させ易くすることにより運転者自身のハンドル操舵による制御へ切り替え易くするために、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを減少幅bで減少させ(ステップS526)、図9に示した判定閾値設定処理は終了する。
(3−3.第3の処理の流れ)
図10は、本実施形態に係る制御装置200が行う第3の処理における判定閾値設定処理(ステップS500)の流れの一例を示すフローチャートである。第3の処理では、第1,第2の処理と比較して、判定閾値調整部206による判定閾値設定処理の流れが異なる。また、第3の処理における判定閾値設定処理では、第2の処理と比較して、所定の回転速度差が検出されなかったと判定された場合(ステップS506/NO)の処理が異なる。
図10に示したように、第3の処理では、ステップS506において、所定の回転速度差が検出されなかったと判定された場合(ステップS506/NO)、判定閾値調整部206は、前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過したか否かを判定する(ステップS532)。前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過したと判定された場合(ステップS532/YES)、車線追従制御を継続させるか否かを適切に判定し得るようにするために、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを判定閾値の初期値Tq_th0へ戻し(ステップS534)、図10に示した判定閾値設定処理は終了する。一方、前回の所定の回転速度差の検出から所定の期間が経過していないと判定された場合(ステップS532/NO)、判定閾値調整部206は、判定閾値Tq_thを増減させずに維持し(ステップS510)、図10に示した判定閾値設定処理は終了する。
(3−4.第4の処理の流れ)
図11は、本実施形態に係る制御装置200が行う第4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3の処理では、第1,第2,第3の処理と比較して、判定閾値調整部206による判定閾値設定処理の後の処理が異なる。
図11に示したように、第4の処理では、判定閾値調整部206により判定閾値Tq_thが設定されると(ステップS500)、オーバーライド判定部208は、判定閾値Tq_thが判定閾値の下限値Tq_thlより小さいか否かを判定する(ステップS900)。判定閾値Tq_thが判定閾値の下限値Tq_thlより小さいと判定された場合(ステップS900/YES)、車線追従制御を中断させ、運転者自身のハンドル操舵による制御へ切り替えるために、オーバーライド判定部208は、車線追従制御を継続させないと判定されたことを示す判定フラグとしてYESを出力し(ステップS800)、図11に示した処理は終了する。一方、判定閾値Tq_thが判定閾値の下限値Tq_thlより小さくないと判定された場合(ステップS900/NO)、ステップS600の判定処理へ進む。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、判定閾値調整部206は、前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を緩める。所定の回転速度差が検出された場合には、運転者の意図しないハンドルの回転が生じ得る。所定の回転速度差が検出された場合に、車線追従制御を継続させる条件を緩めることによって、運転者がハンドルを取られないようにハンドル操舵を行ったとしても、車線追従制御の中断が生じにくくすることができる。従って、運転者の意図しない車線追従制御の中断を抑制することによって、運転者の利便性の低下を抑制することが可能である。
また、上記では、後輪104,106の独立駆動によるトルクベクタリングを用いた車線追従制御を行う車両1000を例示したが、本実施形態に係る制御装置200は、ハンドル操舵系とは独立したヨーレート発生機構を有する構成に広く適用することができる。ハンドル操舵系とは独立したヨーレート発生機構としては、本実施形態のように後輪104,106を独立して駆動するものの他、トルクベクタリングデファレンシャルによるもの、後輪操舵機構(4WS)によるもの、摩擦ブレーキによるもの、等を挙げることができる。
なお、上述では、所定の回転速度差の検出に伴い判定閾値調整部206により判定閾値Tq_thが減少する例について説明したが、判定閾値Tq_thが減少した結果として下限値に到達した場合に下限値に保持されるような下限値が設定されてもよい。
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100,102 前輪
101,103 回転数センサ
104,106 後輪
110,112 モータ
120 パワーステアリング機構
122 操舵トルクセンサ
130 舵角センサ
132 ステアリング
140,142 インバータ
150 バッテリー
160 ヨーレートセンサ
170 車速センサ
180 カメラシステム
200 制御装置
202 車両規範ヨーレート算出部
204 車線追従ヨーレート算出部
206 判定閾値調整部
208 オーバーライド判定部
210 目標ヨーレート選択部
212 トルクベクタリングモータ制御部

Claims (7)

  1. 推定走行路に基づいて、車線追従ヨーレートを算出する車線追従ヨーレート算出部と、
    ハンドル操舵角及び車速に基づいて、車両規範ヨーレートを算出する車両規範ヨーレート算出部と、
    運転者によるハンドル操舵に基づいて前記車線追従ヨーレートによる車線追従制御を継続させるか否かを判定する判定部と、
    前記車線追従制御を継続させると判定された場合に、前記車線追従ヨーレートに基づいて、ハンドル操舵系とは独立して車両のヨーレートを制御し、前記車線追従制御を継続させないと判定された場合に、前記車両規範ヨーレートに基づいて、車両のヨーレートを制御する制御部と、
    を備え、
    前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、前記所定の回転速度差が検出されなかった場合の前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が緩められる、
    車両の挙動制御装置。
  2. 前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において再び前記所定の回転速度差が検出された場合に、緩められた前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が厳しくされる、請求項1に記載の車両の挙動制御装置。
  3. 前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において前記所定の回転速度差が検出されるごとに、前記車線追従制御を継続させる条件が厳しくされる度合いが増加する、請求項2に記載の車両の挙動制御装置。
  4. 前記判定部は、前記車線追従制御を継続させる条件が所定の条件より厳しくなった場合に、前記車線追従制御を継続させないと判定する、請求項に記載の車両の挙動制御装置。
  5. 前記所定の回転速度差が検出された後、所定の期間内において前記所定の回転速度差が検出されなかった場合に、前記車線追従制御を継続させる条件が初期設定へ戻される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の挙動制御装置。
  6. 前記判定部は、運転者によるハンドル操舵トルクが閾値より大きくない場合に前記車線追従制御を継続させると判定し、
    前記閾値を増加させることにより、前記車線追従制御を継続させる条件を緩め、前記閾値を減少させることにより、前記車線追従制御を継続させる条件を厳しくする閾値調整部を備える、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の挙動制御装置。
  7. 推定走行路に基づいて、車両の挙動制御装置により、車線追従ヨーレートを算出するステップと、
    ハンドル操舵角及び車速に基づいて、車両規範ヨーレートを算出するステップと、
    運転者によるハンドル操舵に基づいて前記車線追従ヨーレートによる車線追従制御を継続させるか否かを判定するステップと、
    前記車線追従制御を継続させると判定された場合に、前記車線追従ヨーレートに基づいて、ハンドル操舵系とは独立して車両のヨーレートを制御し、前記車線追従制御を継続させないと判定された場合に、前記車両規範ヨーレートに基づいて、車両のヨーレートを制御するステップと、
    を含み、
    前左右輪の所定の回転速度差が検出された場合に、前記所定の回転速度差が検出されなかった場合の前記車線追従制御を継続させる条件に対して、前記車線追従制御を継続させる条件が緩められる、
    車両の挙動制御方法。
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