JP6548289B1 - 食用昆虫の臭みの低減処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便且つ効果的に食用昆虫特有の臭みを低減し、食用昆虫の食品としての需要を喚起する。【解決手段】 食用昆虫の臭みの低減処理方法であって、食用昆虫を、pH3.0〜5.0に調整された水溶液に浸漬処理する。【選択図】 なし

Description

本発明は、食用昆虫の臭みの低減処理方法に関するものである。
栄養価、環境負荷、食料の安定供給等の観点から世界的に昆虫食への注目が急激に高まっている。しかし、食用対象になる食用昆虫を食品として提供しようとする場合には、解決しなければならない問題点がある。
それは、食用昆虫には生臭さや油臭さ(油の酸化臭)といった、食する上で抵抗となる昆虫特有の臭みがあることである。例えば、タガメは洋ナシ様のフルーティな香りが特徴的な美味しい食用昆虫であるが、特有の生臭さと油臭さがある。また、非加熱のイナゴやトノサマバッタは牧草様のフレッシュさが特徴的な美味しい食用昆虫であるが、保管状態によって油臭さが発生し、そのフレッシュな牧草様の美味しさが損なわれてしまうことがある。
そしてまた、この臭みを低減することができれば、昆虫特有の好ましいフルーティ又はグリーンな香りや味をきわだたせることができ、もって食品としての需要を喚起することができるようになるものである。
然るに、従来においては食用昆虫を抵抗なく食することができるようにするための、その臭みを低減するための技術はいまだ案出されていない。
そこで、本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、食用昆虫を粗くカットし、これに食用昆虫の重量の20倍の重量の水又は40%(重量)エタノールを加えて攪拌し、次に、pH調整剤を加えてpH3.0〜5.0に調整し、次に、湯煎により40℃〜90℃で30分〜10分間加熱し、その後抽出液と虫体の残渣を固液分離することにより、必ずしもその機序は明らかではないが、簡便且つ効果的に食用昆虫の臭みを低減することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
而して、本発明の要旨とするところは、以下a.〜e.の工程からなることを特徴とする食用昆虫の臭みの低減処理方法にある。
a.食用昆虫を粗くカットする。
b.次に、食用昆虫の重量の20倍の重量の水又は40%(重量)エタノールを加えて攪拌する。
c.次に、pH調整剤を加えてpH3.0〜5.0に調整する。
d.次に、湯煎により40℃〜90℃で30分〜10分間加熱する。
e.その後、抽出液と虫体の残渣に固液分離する。
また、上記食用昆虫の臭みの低減処理方法において、pH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸等の各種有機酸、塩酸、リン酸等の各種無機酸、柑橘果汁のいずれかを用いることが好ましい。
また、上記食用昆虫の臭みの低減処理方法において、食用昆虫は、半翅目昆虫、半翅目タガメ属昆虫又は直翅目昆虫であることが好ましい。
また、上記食用昆虫の臭みの低減処理方法において、食用昆虫は、加熱乾燥されていない直翅目昆虫であってもよい。
本発明に係る食用昆虫の臭みの低減処理方法によれば、簡便且つ効果的に食用昆虫の臭みを低減することができるものである。そしてまた、これにより昆虫特有の好ましいフルーティ又はグリーンな香りや味をきわだたせることができるものである。
そしてまた、本発明に係る食用昆虫の臭みの低減処理方法によって臭みを低減した後、固液分離して得た処理物、即ち、食用昆虫のエキスを含む抽出液と虫体の残渣は、そのいずれも食用昆虫特有の臭みを低減されていることから、昆虫特有の好ましいフルーティ又はグリーンな香りや味のきわだつ食品として、そのまま喫食したり、他の食品の材料として用いることができるものである。そして、これにより食用昆虫の食品としての需要を喚起することができるようになるものである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の実施形態に係る食用昆虫の臭みの低減処理方法は、以下a.〜e.の工程からなることを特徴とするものである
a.食用昆虫を粗くカットする。
b.次に、食用昆虫の重量の20倍の重量の水又は40%(重量)エタノールを加えて攪拌する。
c.次に、pH調整剤を加えてpH3.0〜5.0に調整する。
d.次に、湯煎により40℃〜90℃で30分〜10分間加熱する。
e.その後、抽出液と虫体の残渣に固液分離する。
また、本実施形態において用いる食用昆虫は、半翅目昆虫、半翅目タガメ属昆虫、直翅目昆虫のいずれかであることが好ましく、そしてその中でもフレッシュな香味を有する食用昆虫であることが好ましい。また、ここでフレッシュな香味とは、食草由来の爽やかなグリーンを想起させる香味や昆虫が産生するグリーン、フルーティ等を想起させる香味のことを意味し、例えば、冷凍の非加熱イナゴやトノサマバッタが有する食草由来の爽やかなグリーンな香味、塩漬けのタイワンタガメが有するグリーン、フルーティな香味などである。また、食用昆虫とは、人間が喫食可能な昆虫綱の生物及びクモ目、サソリ目の生物を意味する。また、食用昆虫は、加熱乾燥されていない直翅目昆虫であってもよい。
また、pH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸等の各種有機酸、塩酸、リン酸等の各種無機酸、柑橘果汁のいずれかを用いることができる。
また、水以外の抽出溶媒を用いてもよく、その場合においてはエタノール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒や油脂を用いる。尚、本実施形態においては40%エタノールを用いている。また、抽出溶媒には砂糖、塩等の各種食品素材や酸化防止剤等の各種食品添加物を添加してもよい。
以上の食用昆虫の臭みの低減処理方法によれば、簡便且つ効果的に食用昆虫の臭みを低減することができるものである。そしてまた、これにより昆虫特有の好ましいフルーティ又はグリーンな香りや味をきわだたせることができるものである。
また、上記の食用昆虫の臭みの低減処理方法によって臭みを低減した後、固液分離して得た処理物、即ち食用昆虫のエキスを含む抽出液と虫体の残渣は、そのいずれも食用昆虫特有の臭みを低減されていることから、昆虫特有の好ましいフルーティ又はグリーンな香りや味のきわだつ食品として、そのまま喫食したり、他の食品の材料として用いることができるものである。そして、これにより食用昆虫の食品としての需要を喚起することができるようになるものである
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
食用昆虫(3時間流水に晒して塩抜き処理した塩漬けタガメ、冷凍生イナゴ、冷凍生トノサマバッタ)をハサミで粗く(1cm角程度)にカットし、これに食用昆虫の重量の20倍の重量の水を加えてよく攪拌する。次に表1の通りpH調整剤を加えてpH調整した。その後湯煎にて90℃で10分間加熱し、コーヒーフィルターを用いて固液分離した。固液分離して得た処理物、即ち食用昆虫のエキスを含む抽出液と虫体の残渣は、いずれもそのまま喫食したり、他の食品の材料として使用することができるが、本実施例では抽出液の油臭さと生臭さ、更に、香味特徴について官能評価した。官能評価は訓練されたパネラー4名により、表2の基準に従い実施した。
評価結果は表1に記した。この結果から、食用昆虫を、上記a.〜e.の工程により処理することによって、得られた食用昆虫のエキスを含む抽出液が、油臭さと生臭さが低減され、またフルーティ感又はグリーン感を感じられやすくできることが明らかとなった。更に、塩漬けタガメの抽出液については、1週間冷蔵保管したものについて同様の評価を実施したところ、pHの未調製品は更に油臭さが強くなっていたのに対して、クエン酸を用いてpH4.0に調整したものは、油臭さがほとんど感じられなかった。
Figure 0006548289
Figure 0006548289
[実施例2]
実施例1でコーヒーフィルターを用いて固液分離し、得た処理物の一方、即ち虫体の残渣について官能評価した。虫体の残渣をキッチンペーパーで挟んで脱水した後、これを100℃に設定したオーブントースターで30分間加熱して乾燥させた。乾燥品をそのまま喫食し、油臭さと食べやすさについて官能評価した。官能評価は訓練されたパネラー4名により、表2の基準に従い実施した。
評価結果は表3に記した。食用昆虫のエキスを含む抽出液と同様の傾向があり、水溶液をpH3.0〜5.0に調整したときの虫体の残渣は、油臭さが低減され、全体としてすっきりとした香味になり、クセが無く食べやすくなった。
Figure 0006548289
[実施例3]
3時間流水に晒して塩抜き処理した塩漬けタガメをハサミで1cm角にカットし、これに食用昆虫の重量の20倍の重量の40%(重量)エタノール(抽出溶媒)を加えてよく攪拌する。次に表4の通りpH調整剤を加えてpH調整した。その後湯煎にて40℃で30分間加熱し、コーヒーフィルターを用いて固液分離した。固液分離して得た処理物の一方、即ち食用昆虫のエキスを含む抽出液をそのまま喫食し、油臭さと生臭さ、更に香味特徴について官能評価した。官能評価は訓練されたパネラー4名により、表2の基準に従い実施した。
評価結果は表4に記した。この結果から、タガメを、上記a.〜e.の工程により処理することによって、得られたタガメのエキスを含む抽出液が、油臭さと生臭さが低減され、タガメ特有のフルーティ感を強く感じられるようにすることができることが明らかとなった。
Figure 0006548289

Claims (5)

  1. 以下a.〜e.の工程からなることを特徴とする食用昆虫の臭みの低減処理方法。
    a.食用昆虫を粗くカットする。
    b.次に、食用昆虫の重量の20倍の重量の水又は40%(重量)エタノールを加えて攪拌する。
    c.次に、pH調整剤を加えてpH3.0〜5.0に調整する。
    d.次に、湯煎により40℃〜90℃で30分〜10分間加熱する。
    e.その後、抽出液と虫体の残渣に固液分離する。
  2. 食用昆虫が半翅目昆虫であることを特徴とする請求項1記載の食用昆虫の臭みの低減処理方法。
  3. 食用昆虫が半翅目タガメ属昆虫であることを特徴とする請求項1記載の食用昆虫の臭みの低減処理方法
  4. 食用昆虫が直翅目昆虫であることを特徴とする請求項1記載の食用昆虫の臭みの低減処理方法。
  5. 食用昆虫が加熱乾燥されていない直翅目昆虫であることを特徴とする請求項1記載の食用昆虫の臭みの低減処理方法。










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