JP6548026B2 - 舶用減速逆転装置 - Google Patents
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特許文献1に示された従来技術では、このような構成により、プロペラがロックした場合における過大な負荷トルクを効果的に除去することを可能にしている。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
尚、図1の矢印Fで示す方向を、舶用減速逆転装置1を搭載した図示せぬ船舶の前進方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前進方向を基準とする。
舶用減速逆転装置1は、船舶の船体本体の一部を兼ねるフライホイールハウジング2の後端部に取り付けられたハウジング3を有し、ハウジング3内には、エンジン10からの動力を減速した前進方向の減速動力(以下、「前進動力」とする)として出力する前進伝達部7、前進動力とは反対方向に回転する減速動力(以下、「後進動力」とする)として出力する後進伝達部8、これら前進伝達部7および後進伝達部8の一方からの動力を船舶のプロペラ20に出力する出力伝達部9、等が収容されている。
前進伝達部7は、図3に示すように、前進入力軸12と、前進入力軸12の後端に外嵌して固設される前進入力ギア13と、前進入力軸12の前後途中に遊嵌される前進ピニオン15と、前進ピニオン15と前進入力ギア13との間に介設される前進クラッチ14とから構成される。
前後進切換バルブ28が中立位置にある場合は、前進伝達部7の油圧ピストン25、後進伝達部8の油圧ピストン26のいずれにも作動油が供給されず、前進クラッチ14、後進クラッチ18とも「クラッチ切」となる。
前述のように構成される舶用減速逆転装置1では、プロペラ20(図5参照)にロープ等が絡まり、出力軸23が過負荷状態になると、図6に示すように、出力軸23には、その後端(カップリング21)側が上方に変位するような力が作用して、出力軸23に芯ずれが生じることが知られている。
出力軸23に芯ずれが生じると、出力ギア22が傾き、ひいては前進ピニオン15(および後進ピニオン19)が傾くことになる。
そして、前進ピニオン15が傾くと、前進ピニオン15と前進入力軸12の間に設けられているブッシュ15gが傾き、該ブッシュ15gが前進入力軸12と局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。また、ブッシュ15gがない状態であっても、前進入力軸12と前進ピ二オン15とが局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。
そして、舶用減速逆転装置1では、過負荷検出手段50が出力軸23の過負荷状態を検出したときに、前進クラッチ14を「切」の状態にして、出力軸23の過負荷状態を除去する構成としている。
そして、前進クラッチ14を「切」の状態にすると、前進ピニオン15は回転せず、前進入力軸12のみが回転する状態になるため、前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転しないようにすることができ、これにより、ブッシュ15gの焼き付きを防止することができる。
ここではまず、過負荷検出手段50の第一形態について、図3および図8を用いて説明する。
図3に示す如く、第一形態に係る過負荷検出手段50である第一過負荷検出手段51は、ハウジング3(本実施形態では、第二ケース5)に対して付設された歪みゲージ51aを備える構成としている。
図9(a)に示す如く、第二形態に係る過負荷検出手段50である第二過負荷検出手段52は、前進入力軸12の回転数を検出する第一のセンサ52aと、出力軸23の回転数を検出する第二のセンサ52bによって構成される。
尚、第一のセンサ52aと第二のセンサ52bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
図9(b)に示す如く、第三形態に係る過負荷検出手段50である第三過負荷検出手段53は、前進入力軸12の回転トルクを検出する第一トルクセンサ53aと、出力軸23の回転トルクを検出する第二トルクセンサ53bによって構成される。
尚、第一トルクセンサ53aと第二トルクセンサ53bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
図10(a)に示す如く、第四形態に係る過負荷検出手段50である第四過負荷検出手段54は、エンジン10から排出される排気の温度を検出する温度センサ54aによって構成される。
第四過負荷検出手段54は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段54bをさらに備えている。該制御手段54bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の排気温度の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10からの排気温度の検出結果を照合することによって、出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段54bによって判断する。
図10(b)に示す如く、第五形態に係る過負荷検出手段50である第五過負荷検出手段55は、エンジン10における燃料噴射量を検出する燃料噴射量センサ55aによって構成される。
第五過負荷検出手段55は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段55bをさらに備えている。該制御手段55bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の燃料噴射量の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10における燃料噴射量の検出結果を照合することによって、出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段55bによって判断する。
これにより、舶用減速逆転装置1では、後進入力軸16と後進ピニオン19の間に設けたブッシュ(図示せず)の焼き付きを防止することができる。
このような構成により、後進入力軸16と後進ピニオン19の相対回転を抑制して、後進伝達部8におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
尚、ここでいう「前進クラッチ14の容量を調整する」とは、前進クラッチ14に滑りが生じないように、油圧ピストン25による押圧力を増大させることを意味している。
図12に示す如く、本発明の一実施形態に係る舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50を備える代わりに、過負荷状態において出力軸23に作用する力を吸収するための手段である変位吸収手段70を備える構成としている。
尚、ここでは、過負荷検出手段50を備える代わりに変位吸収手段70を備える構成を例示しているが、過負荷検出手段50と変位吸収手段70を併用する構成としてもよい。
また、本実施形態で示す舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50以外の部位については舶用減速逆転装置1の構成と共通しているため、ここでの説明は省略する。
そして、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、出力軸23と第一カップリング21aをスプライン結合しているため、外歯溝23bの形成範囲において、出力軸23の軸方向に第一カップリング21aが変位可能である。このため、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、プロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができ、これにより、出力軸23上に固定されている出力ギア22の傾き(図6参照)を抑制することができる。
このような構成により、舶用減速逆転装置1において、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
皿バネ42は、リング状の形態を有しており、出力軸23の軸方向に変位したときに、ハウジング3に作用する力を該皿バネ42によって吸収する構成としている。
そして、皿バネ42によって、ハウジング3に作用する力を吸収することによって、ハウジング3の変形を抑制し、ひいては、ハウジング3の変形による出力軸23の変位を抑制して、ブッシュ15g(図6参照)の焼き付きを防止することができる。
また、第二変位吸収手段72を備えた舶用減速逆転装置60では、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができるだけでなく、出力軸23に対して第一カップリング21aから後の部分を傾けることができるため、出力軸23上に固定された出力ギア22の変位をより確実に防止することができる。
第三変位吸収手段73を構成する弾性部材73aは、略円柱状の形態を有する弾性ゴムからなる部材を採用することができる。弾性部材73aは、出力軸23の軸方向に伸縮可能であるとともに可倒性を有している。
第三変位吸収手段73を備えた舶用減速逆転装置60では、プロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、弾性部材73aが変形することによって、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができる。
このような構成の舶用減速逆転装置60では、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
このような構成により、出力ギア22の変位を確実に抑制して、前進伝達部7におけるブッシュ15gの焼き付きをより確実に防止することができる。
ヒューズ80は、出力軸23の過負荷時に該ヒューズ80に作用する力によって破壊される部材であり、ヒューズ80が破壊されることによって、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達が遮断されるようにする部材である。
7 前進伝達部
8 後進伝達部
9 出力伝達部
10 エンジン(駆動源)
12 前進入力軸
14 前進クラッチ
15 前進ピニオン
16 後進入力軸
18 後進クラッチ
19 後進ピニオン
20 プロペラ
21 カップリング
21a 第一カップリング
21b 第二カップリング
22 出力ギア
23 出力軸
24 プロペラシャフト
42 皿バネ
50 過負荷検出手段
60 船舶減速逆転装置
70 変位吸収手段
72 第二変位吸収手段
72b 筒型ゴム
73 第三変位吸収手段
73a 弾性部材
Claims (5)
- 駆動源からの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する前進伝達部と、
前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンとの間に介設される後進クラッチと、を有する後進伝達部と、
前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する出力伝達部と、
を備える舶用減速逆転装置であって、
前記出力軸上に、プロペラシャフトを連結するためのカップリングを備えるとともに、
前記プロペラシャフトの変位を吸収するための手段である変位吸収手段を備える、
舶用減速逆転装置。 - 前記カップリングは、
前記出力軸側に固定される第一カップリングと、
前記プロペラシャフト側に固定される第二カップリングと、からなり、
前記変位吸収手段は、
前記出力軸と前記第一カップリングをスプライン結合した部位により構成される、
請求項1に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記出力軸の後端部と前記第一カップリングの間に、弾性部材が介設される、
請求項2に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記カップリングは、
前記出力軸側に固定される第一カップリングと、
前記プロペラシャフト側に固定される第二カップリングと、からなり、
前記変位吸収手段は、
前記第一カップリングと前記第二カップリングの間に介設される第一の弾性部材により構成される、
請求項1に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記出力軸の後端部と前記第一カップリングの間に、第二の弾性部材が介設される、
請求項4に記載の舶用減速逆転装置。
Priority Applications (2)
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JP2015189953A JP6548026B2 (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 舶用減速逆転装置 |
PCT/JP2016/077196 WO2017057008A1 (ja) | 2015-09-28 | 2016-09-14 | 舶用減速逆転装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015189953A JP6548026B2 (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 舶用減速逆転装置 |
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JP2017065303A JP2017065303A (ja) | 2017-04-06 |
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Family Applications (1)
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JP2015189953A Active JP6548026B2 (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 舶用減速逆転装置 |
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JP (1) | JP6548026B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006103554A (ja) * | 2004-10-06 | 2006-04-20 | Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd | 舶用減速逆転機 |
JP2011001055A (ja) * | 2010-06-14 | 2011-01-06 | Yanmar Co Ltd | 舶用減速逆転機 |
JP5827883B2 (ja) * | 2011-12-14 | 2015-12-02 | ヤンマー株式会社 | 舶用減速逆転装置 |
JP2013011355A (ja) * | 2012-08-24 | 2013-01-17 | Yanmar Co Ltd | 舶用減速逆転機 |
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2015
- 2015-09-28 JP JP2015189953A patent/JP6548026B2/ja active Active
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