JPWO2012008438A1 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

第1の回転軸(6)と、第2の回転軸(10)と、出力軸(16)とを並列に並べてケーシング(2)内に設け、第2の回転軸(10)に設けられた駆動歯車(14)と出力軸(16)の従動歯車(19)とを噛合させる。また、第1,第2の回転軸(6),(10)の回転を合成した回転、または第2の回転軸(10)の回転を出力軸(16)に伝えるクラッチ装置(21)を設ける。一方、第2の回転軸(10)には中間歯車(15)を設け、第1の回転軸(6)の外周側には中間歯車(15)に噛合するカウンタ歯車(20)を設ける。第1の回転軸(6)とカウンタ歯車(20)との間には軸受装置(23)を設ける。この軸受装置(23)を、4個のアンギュラ玉軸受(24)を組合わせて構成し、カウンタ歯車(20)と中間歯車(15)との噛合部に対応する位置で、第1の回転軸(6)の軸方向に沿って配置する。

Description

本発明は、例えばホイールローダ等のホイール式建設機械に搭載され、油圧モータの回転を走行用の出力軸に伝達する動力伝達装置に関する。
一般に、ホイール式ショベル、ホイールローダ等を代表例とするホイール式の建設機械は、車輪を回転駆動することにより作業現場に向けて一般道路を走行するものである。このホイール式の建設機械は、油圧モータによって車輪を駆動するものと、エンジンの動力をトルクコンバータとトランスミッションにて変換して車輪を駆動するものとがある。以下、油圧モータによって車輪を駆動するタイプについて説明する。
ホイール式の建設機械は、通常、低速走行用の油圧モータと、高速走行用の油圧モータと、これら2基の油圧モータの回転を走行用の出力軸に伝達する動力伝達装置とを備えている。この場合、ホイール式の建設機械は、例えば一般道路を走行する時には、高速走行用の油圧モータの回転を走行用の出力軸に伝達し、土砂の掘削作業等を行うときには、高速走行用の油圧モータの回転と低速走行用の油圧モータの回転とを合成して走行用の出力軸に伝達する構成となっている。
動力伝達装置は、ケーシングと、ケーシング内に回転可能に支持され低速走行用の油圧モータによって回転する第1の回転軸と、ケーシング内に回転可能に支持され高速走行用の第2の油圧モータによって回転する第2の回転軸と、ケーシング内に回転可能に支持され第2の回転軸の回転が伝達される出力軸と、クラッチ装置とにより大略構成されている。そして、クラッチ装置は、第1の回転軸の回転と第2の回転軸の回転を合成して出力軸に伝達する接続状態と、第2の回転軸の回転のみを出力軸に伝達する非接続状態とに切換えられるものである。
このように構成される動力伝達装置において、クラッチ装置を非接続状態としたときには、第2の回転軸の回転のみが出力軸に伝達され、高速走行用の油圧モータによって各車輪を高速かつ低トルクで回転させることができる。一方、クラッチ装置を接続状態としたときには、第1の回転軸の回転と第2の回転軸の回転とが合成された状態で出力軸に伝達され、高速走行用の油圧モータと低速走行用の油圧モータとによって各車輪を低速かつ高トルクで回転させることができる構成となっている(特許文献1,2)。
国際公開第2006/095813号パンフレット 国際公開第2006/126646号パンフレット
ところで、上述した特許文献2の従来技術による動力伝達装置においては、第1の回転軸に対し中間歯車を固定して設けると共に、第2の回転軸に対し軸受を介してカウンタ歯車を相対回転可能に配置している。このカウンタ歯車は第1の回転軸に取付けた中間歯車に常時噛合し、第2の回転軸とカウンタ歯車との間にはクラッチ装置を設ける構成としている。
これにより、クラッチ装置を接続状態として第2の回転軸とカウンタ歯車とを接続したときには、第1の回転軸の回転と第2の回転軸の回転とを合成した状態で出力軸に伝達することができる。一方、クラッチ装置を非接続状態として第2の回転軸とカウンタ歯車との接続を解除したときには、第2の回転軸の回転のみを出力軸に伝達することができる。
ところで、特許文献2によると、第2の回転軸に設けられたカウンタ歯車と第1の回転軸に設けられた中間歯車とは常時噛合している。このため、カウンタ歯車と中間歯車とは、通常、噛合時の騒音を低減するためにヘリカル歯車(はすば歯車)を用いて形成されている。
一方、ホイールローダを走行させて積上げた土砂にバケットを突込むような掘削作業を行うときには、土砂の抵抗によってホイールローダの走行速度が低下する。このため、第1,第2の回転軸の回転数が最小(ほぼ0)となり、トルクが最大となるような運転状態(ストール運転状態)が繰返される。このストール運転状態においては、ヘリカル歯車によって構成されたカウンタ歯車と中間歯車との噛合部に対して大きなスラスト荷重が作用し、このスラスト荷重は、第2の回転軸とカウンタ歯車との間に設けられた軸受に伝わるようになる。
この結果、第2の回転軸とカウンタ歯車との間に設けられる軸受として、例えば玉軸受を用いた場合には、カウンタ歯車から繰返してスラスト荷重を受けることにより、早期に損傷してしまうという問題がある。
一方、例えばラジアルニードル軸受とスラストニードル軸受とを組合せて用いた場合には、カウンタ歯車からのスラスト荷重を適正に受けることができる。しかし、カウンタ歯車の回転に各ニードル軸受のニードルが追従しきれずに滑りを生じ、カウンタ歯車の円滑な回転が阻害されるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、カウンタ歯車を、第1の回転軸に対して円滑に回転させることができるようにした動力伝達装置を提供することを目的としている。
(1).上述した課題を解決するため本発明は、筒状のケーシングと、該ケーシング内に回転可能に支持され低速回転する第1の油圧モータによって駆動される第1の回転軸と、前記ケーシング内に前記第1の回転軸と並列に並んで回転可能に支持されると共に駆動歯車が設けられ、高速回転する第2の油圧モータによって駆動される第2の回転軸と、前記ケーシング内に前記第2の回転軸と並列に並んで回転可能に支持されると共に従動歯車が設けられ、該従動歯車が前記駆動歯車と噛合することにより前記第2の回転軸の回転が伝達される出力軸と、前記第1の回転軸の回転と前記第2の回転軸の回転を合成して前記出力軸に伝える接続状態と、前記第2の回転軸の回転を前記出力軸に伝える非接続状態とに切換えられるクラッチ装置とを備えてなる動力伝達装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記第2の回転軸には、中間歯車を固定して設け、前記第1の回転軸の外周側には、前記中間歯車に噛合するカウンタ歯車を配置し、該カウンタ歯車と前記第1の回転軸との間には、前記カウンタ歯車を前記第1の回転軸に対して相対回転可能に支持する軸受装置を設け、前記クラッチ装置は前記第1の回転軸と前記カウンタ歯車との間に配置し、前記軸受装置は、前記カウンタ歯車と前記中間歯車との噛合部に対応する位置に配置し、かつ前記軸受装置は、複数個のアンギュラ玉軸受を組合せて前記第1の回転軸の軸方向に沿って配置したことにある。
中間歯車を高速回転する第2の回転軸に設け、カウンタ歯車を軸受装置を介して低速回転する第1の回転軸に設ける構成としている。従って、クラッチ装置によって第1の回転軸とカウンタ歯車とを非接続状態とした場合には、複数個のアンギュラ玉軸受を組合せた軸受装置によって、カウンタ歯車を第1の回転軸に対して相対回転可能に支持することができる。従って、カウンタ歯車が、例えば10000rpmを超えるような高速で回転する場合でも、転動体(ボール)が滑りを生じることなくカウンタ歯車の回転に適正に追従することができるので、カウンタ歯車を円滑に高速回転させることができる。
一方、カウンタ歯車と中間歯車との噛合部に対応する位置に軸受装置を配置している。このため、例えばストール運転状態においてカウンタ歯車と中間歯車との噛合部に大きなスラスト荷重が発生し、このスラスト荷重がカウンタ歯車を介して軸受装置に作用する場合でも、このスラスト荷重を各アンギュラ玉軸受によって確実に受けることができる。
これにより、フレッチング摩耗等の異常摩耗及びレース面への乗り上げによる圧痕を確実に抑えることができ、軸受装置の寿命を延ばすことができる。この結果、軸受装置によって、カウンタ歯車の高速回転と、スラスト荷重に対する耐久性とを両立させることができるので、動力伝達装置の寿命を延ばすことができ、その信頼性を高めることができる。
(2).本発明によると、前記軸受装置は、2組の並列組合せ軸受を互いに背面組合せしてなる4個並列/背面組合せ軸受として構成したことにある。
このように構成したことにより、2組の並列組合せ軸受を互いに背面組合せしてなる4個並列/背面組合せ軸受により構成した軸受装置を、第1の回転軸の軸方向に沿って配置することができる。これにより、第1の回転軸とカウンタ歯車との間に形成されるスペースが小さく制限される場合でも、各アンギュラ玉軸受によってカウンタ歯車を確実に支持することができる。従って、動力伝達装置全体の小型化を図ることができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
(3).本発明は、前記軸受装置は、前記第1の回転軸に螺着されたナットを用いて前記各アンギュラ玉軸受に対し定位置予圧を付与した状態で、前記第1の回転軸と前記カウンタ歯車との間に配置する構成としたことにある。
このような構成によると、ナットを締付けることにより、各アンギュラ玉軸受に対して定位置予圧を付与し、軸受装置の剛性を高めることができる。これにより、例えばストール運転状態が繰返される場合でも、カウンタ歯車に作用する大きなスラスト荷重を、軸受装置によって確実に受けることができる。この結果、大きなスラスト荷重を受けるカウンタ歯車を長期に亘って円滑に回転させることができ、動力伝達装置の信頼性を高めることができる。
(4).本発明は、前記軸受装置は、スプリングを用いて前記各アンギュラ玉軸受に対し定圧予圧を付与した状態で、前記第1の回転軸と前記カウンタ歯車との間に配置する構成としたことにある。
このように構成したことにより、各アンギュラ玉軸受に対してスプリングを用いて定圧予圧を付与することにより、カウンタ歯車が高速で回転する場合でも、このカウンタ歯車の回転に各アンギュラ玉軸受を適正に追従させ、円滑に回転させることができる。この結果、高速回転するカウンタ歯車と第1の回転軸とを軸受装置によって円滑に相対回転させることができ、動力伝達装置の信頼性を高めることができる。
(5).本発明は、前記カウンタ歯車と前記ケーシングとの間には、前記各油圧モータの停止時には前記カウンタ歯車に対して制動力を付与し、前記各油圧モータの作動時には前記カウンタ歯車に対する制動力を解除するブレーキ装置を設ける構成としたことにある。
このように構成したことにより、第1,第2の油圧モータが停止しているときには、ブレーキ装置がカウンタ歯車に対して制動力を付与することができる。この結果、カウンタ歯車に噛合する中間歯車を介して第2の回転軸に制動力が作用し、この制動力が駆動歯車に噛合する従動歯車に作用することにより、出力軸の回転を禁止することができる。この場合、ブレーキ装置は、第1の回転軸に対して相対回転可能となったカウンタ歯車に対して制動力を付与するので、例えば第1の回転軸や第2の回転軸に対して直接的に制動力を付与する場合に比較して、制動トルクを小さく抑えることができ、ブレーキ装置を小型化することができる。
(6).本発明は、前記クラッチ装置は、前記第1の回転軸と一体に回転する複数の回転軸側プレートと前記カウンタ歯車と一体に回転する複数の歯車側プレートとを有し、前記ブレーキ装置は、前記ケーシングに設けられた複数のケーシング側プレートと、前記カウンタ歯車と一体に回転する複数の歯車側プレートとを有し、前記カウンタ歯車は、前記軸受装置を介して前記第1の回転軸の外周側に配置され軸方向に延びる円筒部と、該円筒部の外周側に設けられ前記中間歯車に噛合する歯車部と、前記円筒部の軸方向の両側にそれぞれ設けられたプレート取付部とにより構成し、前記円筒部の軸方向の一側に設けられた前記プレート取付部には前記クラッチ装置の前記各歯車側プレートを設け、前記円筒部の軸方向の他側に設けられた前記プレート取付部には前記ブレーキ装置の前記各歯車側プレートを設ける構成としたことにある。
この構成によると、カウンタ歯車を構成する円筒部の軸方向の一側に、クラッチ装置の各歯車側プレートを設け、円筒部の軸方向の他側にブレーキ装置の各歯車側プレートを設けることにより、クラッチ装置とブレーキ装置とを第1の回転軸の軸線上に同軸に配置することができる。この結果、クラッチ装置とブレーキ装置とを収容するスペースを小さく抑えることができ、動力伝達装置全体の小型化を図ることができる。
(7).本発明は、前記ケーシング内には第1の回転軸、第2の回転軸および出力軸を並列に並んで配置し、前記中間歯車と前記カウンタ歯車と前記軸受装置とは、前記第1,第2の回転軸と前記出力軸の軸線と直交する同一平面内で、前記ケーシング内に配置し、前記駆動歯車と前記従動歯車と前記クラッチ装置とは、前記中間歯車および前記カウンタ歯車と隣接して前記第1,第2の回転軸と前記出力軸の軸線と直交する同一平面内で、前記ケーシング内に配置し、前記ブレーキ装置は、前記カウンタ歯車を挟んで前記クラッチ装置とは反対側に位置して、前記ケーシング内に配置する構成としたことにある。
このように構成したことにより、中間歯車とカウンタ歯車とが噛合するスペースを利用して軸受装置を配置し、駆動歯車と従動歯車とが噛合するスペースを利用してクラッチ装置を配置することができる。この結果、各回転軸および出力軸の軸線に沿ったケーシングの軸方向寸法を小さく抑えることができ、動力伝達装置全体を一層小型化することができる。
本発明の第1の実施の形態による動力伝達装置を示す断面図である。 図1中の軸受装置、第1の回転軸、カウンタ歯車、クラッチ装置、ブレーキ装置等を示す拡大断面図である。 図2中の軸受装置等の要部を拡大して示す要部拡大の断面図である。 第1,第2の油圧モータ、動力伝達装置のクラッチ装置、ブレーキ装置等を含む油圧回路図である。 第2の実施の形態による軸受装置、第1の回転軸、カウンタ歯車、クラッチ装置、ブレーキ装置等を示す図2と同様な拡大断面図である。 図5中の軸受装置等の要部を拡大して示す要部拡大の断面図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図4は本発明に係る動力伝達装置の第1の実施の形態を示している。
図中、1は動力伝達装置を示し、該動力伝達装置1は、例えばホイールローダ、ホイール式ショベル等のホイール式建設機械の走行装置に用いられるものである。この動力伝達装置1は、後述の油圧閉回路(HST回路)を構成する第1の油圧モータ30と第2の油圧モータ31の回転を、走行用の車輪(ホイール)を駆動するための出力軸16に伝達するものである。ここで、動力伝達装置1は、後述のケーシング2、第1の回転軸6、第2の回転軸10、駆動歯車14、中間歯車15、出力軸16、従動歯車19、カウンタ歯車20、クラッチ装置21、ブレーキ装置22、軸受装置23等により構成されている。
2は動力伝達装置1の外殻をなすケーシングで、該ケーシング2は、全体として中空な筒状体として形成され、後述する第1,第2の回転軸6,10、出力軸16を回転可能に支持している。ケーシング2の内部には、後述の駆動歯車14、中間歯車15、従動歯車19、カウンタ歯車20、クラッチ装置21、ブレーキ装置22、軸受装置23等が収容されている。ケーシング2は、前,後方向の前側に位置するフロントケーシング3と、後側に位置するリヤケーシング4と、該リヤケーシング4の後側に取付けられるリヤカバー5とにより大略構成されている。
ここで、フロントケーシング3の上端側には、後述する第1の回転軸6の前部側を支持する軸支持部3Aが設けられ、フロントケーシング3の上,下方向の中間部には、後述する第2の回転軸10の前部側を支持する軸支持部3Bが設けられ、フロントケーシング3の下端側には、後述する出力軸16の前部側を支持する円筒部3Cが設けられている。
一方、リヤケーシング4の上端側には、後述のブレーキ装置22を収容するブレーキ収容筒部4Aと、該ブレーキ収容筒部4Aに開口するブレーキ解除圧導入路4Bとが設けられている。リヤケーシング4の上,下方向の中間部には、第2の回転軸10の後部側を支持する軸支持部4Cと、後述する第2の回転軸10の潤滑油通路10Bに連通する潤滑油導入路4Dとが設けられている。また、リヤケーシング4の下端側には、出力軸16の後部側を支持する軸支持部4Eが設けられている。
リヤカバー5には、第1の回転軸6の後端部を支持する軸支持部5Aと、後述するブレーキ装置22のスプリング22Fを収容する有底のスプリング収容穴5Bとが軸方向に形成されている。リヤカバー5の上端側には、後述する第1の回転軸6の環状溝6Gに連通するクラッチ圧導入路5Cが設けられ、リヤカバー5の後端部には、後述する第1の回転軸6の潤滑油通路6Fに連通する潤滑油導入路5Dが設けられている。
次に、ケーシング2に設けられた第1の回転軸6、第2の回転軸10、駆動歯車14、中間歯車15、出力軸16、従動歯車19、カウンタ歯車20等について説明する。
6はケーシング2内に回転可能に設けられた第1の回転軸で、該第1の回転軸6は、前部側が円錐ころ軸受7を介してフロントケーシング3の軸支持部3Aに支持され、後部側が円錐ころ軸受8を介してリヤカバー5の軸支持部5Aに支持されている。第1の回転軸6の前端部には軸スプライン部6Aが形成され、この軸スプライン部6Aは、フロントケーシング3から前方に突出し、後述する第1の油圧モータ30にスプライン結合される構成となっている。
図2に示すように、第1の回転軸6の軸方向中間部には、後述の軸受装置23が取付けられる段付き円柱状の軸受取付部6Bと、後述のナット27が螺着される雄ねじ部6Cとが設けられている。さらに、第1の回転軸6の軸スプライン部6Aと軸受取付部6Bとの間には、後述のクラッチ装置21が取付けられる鍔状のクラッチ取付部6Dが設けられている。
一方、第1の回転軸6の内部には、クラッチ圧通路6Eと潤滑油通路6Fとが、それぞれ軸方向に貫通して設けられている。クラッチ圧通路6Eの前,後方向の両端部はプラグ9により閉塞されている。一方、潤滑油通路6Fの前端部はプラグ9によって閉塞され、潤滑油通路6Fの後端部は、リヤカバー5の潤滑油導入路5Dに向けて開口している。
第1の回転軸6の後端部外周側には、環状溝6Gが全周に亘って凹設され、第1の回転軸6のクラッチ圧通路6Eとリヤカバー5のクラッチ圧導入路5Cとが、環状溝6Gを介して連通する構成となっている。第1の回転軸6の内部には、クラッチ圧通路6Eから径方向に延びる1本のクラッチ圧導出路6Hが設けられると共に、潤滑油通路6Fから径方向に延びる4本の潤滑油導出路6Iが設けられている。
10は第1の回転軸6と並列に並んでケーシング2内に回転可能に設けられた第2の回転軸で、該第2の回転軸10は、第1の回転軸6の下側に隣接して配置されている。第2の回転軸10は、その前部側が円錐ころ軸受11を介してフロントケーシング3の軸支持部3Bに支持され、後部側が円錐ころ軸受12を介してリヤケーシング4の軸支持部4Cに支持されている。第2の回転軸10の前端部には軸スプライン部10Aが形成され、この軸スプライン部10Aは、フロントケーシング3から前方に突出し、後述する第2の油圧モータ31にスプライン結合される構成となっている。
ここで、第2の回転軸10の内部には、潤滑油通路10Bが軸方向に貫通して設けられ、この潤滑油通路10Bの前端部はプラグ13によって閉塞され、潤滑油通路10Bの後端部は、リヤケーシング4の潤滑油導入路4Dに向けて開口している。また、第2の回転軸10の軸方向両端には、潤滑油通路10Bから径方向に延びる2本の潤滑油導出路10Cが設けられている。
14は第2の回転軸10の軸方向中間部に固定して設けられた駆動歯車で、該駆動歯車14は、第2の回転軸10に一体形成され、該第2の回転軸10と一体に回転するものである。駆動歯車14は、後述する出力軸16の従動歯車19に常時噛合することにより、第2の回転軸10の回転を、従動歯車19を介して出力軸16に伝達する構成となっている。
15は駆動歯車14と同軸に第2の回転軸10に設けられた中間歯車である。この中間歯車15は、駆動歯車14の後側に隣接して配置され、例えばスプライン結合等の手段を用いて第2の回転軸10に固定的に取付けられている。一方、中間歯車15は、後述のカウンタ歯車20に常時噛合している。
16は第2の回転軸10と並列に並んでケーシング2内に回転可能に設けられた出力軸である。この出力軸16は、第2の回転軸10の下側に隣接して配置され、第1の回転軸6、第2の回転軸10の回転を外部の車軸(図示せず)に出力するものである。ここで、出力軸16は、その前部側が円錐ころ軸受17を介してフロントケーシング3の円筒部3Cに支持され、後部側が円錐ころ軸受18を介してリヤケーシング4の軸支持部4Eに支持されている。出力軸16の前,後方向の両端部には、それぞれ接続フランジ16A,16Bが取付けられ、前端側の接続フランジ16Aはフロントケーシング3から前方に突出し、後端側の接続フランジ16Bはリヤケーシング4から後方に突出している。
19は出力軸16の軸方向中間部に固定して設けられた従動歯車で、該従動歯車19は、出力軸16に一体形成され、該出力軸16と一体に回転するものである。この場合、従動歯車19は駆動歯車14に常時噛合しており、出力軸16は、常に第2の回転軸10と一緒に回転する構成となっている。
20は後述の軸受装置23を介して第1の回転軸6の外周側に配置されたカウンタ歯車で、該カウンタ歯車20は、第2の回転軸10に固定された中間歯車15に常時噛合している。ここで、図2に示すように、カウンタ歯車20は、第1の回転軸6の軸方向に延びる円筒部20Aと、該円筒部20Aの軸方向中間部の外周側に設けられ、中間歯車15に噛合する歯車部20Bとにより構成されている。
この場合、カウンタ歯車20は、中間歯車15と常時噛合することにより、例えば10000rpmを超えるような高速で回転する。このため、カウンタ歯車20の歯車部20Bと中間歯車15とは、噛合時の騒音を低減するためにヘリカル歯車(はすば歯車)によって構成されている。カウンタ歯車20を構成する円筒部20Aの軸方向の一側(前側)は、後述するクラッチ装置21の各歯車側プレート21Cが取付けられる前側プレート取付部20Cとなり、円筒部20Aの軸方向の他側(後側)は、後述するブレーキ装置22の各歯車側プレート22Bが取付けられる後側プレート取付部20Dとなっている。
ここで、カウンタ歯車20と中間歯車15とは、第1,第2の回転軸6,10および出力軸16の軸線と直交する同一平面内に配置されている。一方、駆動歯車14と従動歯車19とは、中間歯車15およびカウンタ歯車20に隣接して、第1,第2の回転軸6,10および出力軸16の軸線と直交する同一平面内に配置されている。
次は、クラッチ装置21とブレーキ装置22との構成について説明する。
21は第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間に設けられたクラッチ装置である。このクラッチ装置21は、例えば湿式多板型クラッチからなり、カウンタ歯車20に対して第1の回転軸6を接続し、または接続を解除するものである。なお、クラッチ装置21は駆動歯車14の上方に配置され、これらクラッチ装置21と駆動歯車14と従動歯車19とは、ケーシング2内の同一平面内に配置されている。
ここで、図2に示すように、クラッチ装置21は、第1の回転軸6のクラッチ取付部6Dに固定された大径な円筒状のクラッチケース21Aと、クラッチケース21Aの内周側に配置された複数枚の円板状の回転軸側プレート21Bと、カウンタ歯車20に設けられた前側プレート取付部20Cの外周側に配置された複数枚の円板状の歯車側プレート21Cと、クラッチケース21Aの内周側に軸方向に移動可能に設けられたピストン21Dと、クラッチケース21Aとピストン21Dとの間に形成された油室21Eと、クラッチケース21Aの内周側に設けられ、回転軸側プレート21Bと歯車側プレート21Cの軸方向の移動を規制するバックアップリング21Fとにより大略構成されている。
この場合、各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとは、第1の回転軸6の軸方向に交互に重なり合う状態で配置され、互いに対向する面には摩擦フェーシングが設けられている。各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとの間には、それぞれ座金状のリターンスプリング(図示せず)が設けられ、回転軸側プレート21Bと歯車側プレート21Cとは、常時はリターンスプリングによって非接触状態を保つ構成となっている。
後述する油圧ポンプ35からの圧油(クラッチ圧油)が、第1の回転軸6のクラッチ圧通路6E、クラッチ圧導出路6H等を通じてクラッチ装置21の油室21Eに供給されると、ピストン21Dが、各リターンスプリング(図示せず)に抗して各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとをバックアップリング21Fに向けて軸方向に押圧する。これにより、回転軸側プレート21Bと歯車側プレート21Cとが摩擦係合して一体化するので、カウンタ歯車20に対して第1の回転軸6が接続され、第1の回転軸6の回転を、カウンタ歯車20を介して中間歯車15に伝達することができる構成となっている。
一方、油室21Eに対するクラッチ圧油の供給が停止されたときには、リターンスプリングによって各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとが互いに離間して非接触状態を保つ。これにより、カウンタ歯車20と第1の回転軸6との間は接続が解除(非接続)され、第1の回転軸6からカウンタ歯車20への回転の伝達が遮断される構成となっている。
22はカウンタ歯車20とケーシング2との間に設けられたブレーキ装置である。このブレーキ装置22は、例えば湿式多板型のネガティブブレーキからなり、後述する第1,第2の油圧モータ30,31の停止時にはカウンタ歯車20に対して制動力を付与し、第1,第2の油圧モータ30,31の作動時にはカウンタ歯車20に対する制動力を解除するものである。なお、ブレーキ装置22は、カウンタ歯車20を挟んでクラッチ装置21とは反対側でケーシング2内に配置されている。
ここで、図2に示すように、ブレーキ装置22は、リヤケーシング4に設けられたブレーキ収容筒部4Aの内周側に配置された複数枚の円板状のケーシング側プレート22Aと、カウンタ歯車20に設けられた後側プレート取付部20Dの外周側に配置された複数枚の円板状の歯車側プレート22Bと、ブレーキ収容筒部4Aの内周側に軸方向に移動可能に設けられたピストン22Cと、ブレーキ収容筒部4Aとピストン22Cとの間に形成された油室22Dと、ブレーキ収容筒部4Aの内周側に設けられ、ケーシング側プレート22Aと歯車側プレート22Bの軸方向の移動を規制するバックアップリング22Eと、リヤカバー5のスプリング収容穴5B内に配置され、ピストン22Cをバックアップリング22Eに向けて常時付勢するスプリング22Fとにより大略構成されている。
この場合、各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとは、第1の回転軸6の軸方向に交互に重り合う状態で配置され、互いに対向する面には摩擦フェーシングが設けられている。各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとは、スプリング22Fによって付勢されたピストン22Cに押圧されることにより摩擦係合し、カウンタ歯車20に対して制動力が付与される構成となっている。
即ち、後述する油圧ポンプ28からの圧油(ブレーキ解除圧油)が、リヤケーシング4のブレーキ解除圧導入路4Bを通じてブレーキ装置22の油室22Dに供給されると、ピストン22Cは、スプリング22Fに抗して各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとをリヤカバー5に向けて軸方向に押圧する。これにより、各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとが互いに離間して非接触状態を保つようになり、カウンタ歯車20に対する制動力を解除することができる構成となっている。
一方、油室22Dに対するブレーキ解除圧油の供給が停止されたときには、スプリング22Fによって各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとが摩擦係合することにより、カウンタ歯車20に対して制動力を付与することができる構成となっている。
次に、第1の実施の形態に適用される軸受装置23について説明する。
23は第1の回転軸6の軸受取付部6Bとカウンタ歯車20の円筒部20Aとの間に設けられた軸受装置で、該軸受装置23は、第1の回転軸6に対してカウンタ歯車20を相対回転可能に支持するものである。また、軸受装置23は、カウンタ歯車20と中間歯車15との噛合部に対応する位置に配置され、これら軸受装置23とカウンタ歯車20と中間歯車15とは、ケーシング2内で各回転軸6,10および出力軸16の軸線と直交する同一平面内に配置されている。図3に示すように、この軸受装置23は、4個のアンギュラ玉軸受24を組合せることにより構成されるもので、以下、具体的に説明する。
ここで、アンギュラ玉軸受24は、軸受取付部6Bの外周面に圧入される内輪24Aと、円筒部20Aの内周面にすきまばめされる外輪24Bと、内輪24Aと外輪24Bとの間に転動可能に設けられた複数のボール(転動体)24Cとにより構成されている。このアンギュラ玉軸受24は、内輪24Aとボール24Cとの接触点と外輪24Bとボール24Cとの接触点とを結ぶ直線が、ラジアル方向(第1の回転軸6の軸方向と直交する方向)に対してある角度(接触角)だけ傾くことにより、スラスト方向(第1の回転軸6の軸方向)の荷重に対して大きな剛性を有するものである。
この場合、軸受装置23は、2個のアンギュラ玉軸受24の正面と背面を向い合せて組合わせ(並列組合せ)した1組の並列組合せ軸受23Aと、同じく2個のアンギュラ玉軸受24を並列組合せした1組の並列組合せ軸受23Bと、を互いに背面を向い合せて組合わせ(背面組合せ)する。即ち、軸受装置23は、これら2組の並列組合せ軸受23A,23Bを互いに背面組合せすることにより、全体として4個のアンギュラ玉軸受24からなる4個並列/背面組合せ軸受として構成されている。さらに、軸受装置23は、カウンタ歯車20と中間歯車15との噛合部に対応する位置で、第1の回転軸6の軸方向に沿って配置され、後述のナット27によって軸方向に予圧される構成となっている。
25は背面組合せされた2組の並列組合せ軸受23A,23B間に配置された円筒状の内輪側スペーサである。この内輪側スペーサ25は、2組の並列組合せ軸受23A,23Bを挟んだ状態で、第1の回転軸6の軸受取付部6B外周側に挿嵌される。従って、内輪側スペーサ25は、2組の並列組合せ軸受23A,23B間で、隣合うアンギュラ玉軸受24の内輪24Aにそれぞれ当接することにより、その間隔を設定するものである。
26は背面組合せされた2組の並列組合せ軸受23A,23B間に配置された円筒状の外輪側スペーサである。この外輪側スペーサ26は、2組の並列組合せ軸受23A,23Bを挟んだ状態で、カウンタ歯車20の円筒部20A内周側に挿嵌される。従って、外輪側スペーサ26は、2組の並列組合せ軸受23A,23B間で、隣合うアンギュラ玉軸受24の外輪24Bにそれぞれ当接することにより、その間隔を設定するものである。この場合、図3に示すように、内輪側スペーサ25の軸方向寸法L1は、外輪側スペーサ26の軸方向寸法L2よりも大きく設定されている(L1>L2)。
27は第1の回転軸6の雄ねじ部6Cに螺着された予圧用のナットで、該ナット27は、軸受装置23を構成する4個のアンギュラ玉軸受24に対して定位置予圧を付与するものである。ここで、ナット27は、4個のアンギュラ玉軸受24のうち最後部に位置するアンギュラ玉軸受24の内輪24Aに当接し、雄ねじ部6Cに対する螺入量に応じて各アンギュラ玉軸受24を軸方向に押圧する構成となっている。
このように、ナット27を用いて4個のアンギュラ玉軸受24に対して適度な定位置予圧を付与することにより、これら各アンギュラ玉軸受24の剛性を高めることができる。この結果、カウンタ歯車20を支持する軸受装置23の剛性を高めることができ、カウンタ歯車20に作用する大きなスラスト荷重を軸受装置23によって確実に受けることができる構成となっている。
次に、第1の回転軸6を駆動する第1の油圧モータ30、第2の回転軸10を駆動する第2の油圧モータ31、クラッチ装置21、ブレーキ装置22を含む油圧回路について、図4を参照しつつ説明する。
図中、28は可変容量型の油圧ポンプで、該油圧ポンプ28は、エンジン29によって駆動されることにより、後述する第1,第2の油圧モータ30,31に向けて作動用の圧油を吐出するものである。
30は低速走行用の第1の油圧モータで、該第1の油圧モータ30は、ホイール式建設機械の車輪(いずれも図示せず)を低速、高トルクで回転駆動するものである。第1の油圧モータ30は、図1に示す動力伝達装置1のフロントケーシング3に固定され、第1の回転軸6の軸スプライン部6Aにスプライン結合される構成となっている。
31は高速走行用の第2の油圧モータで、該第2の油圧モータ31は、ホイール式建設機械の車輪を高速、低トルクで回転駆動するものである。第2の油圧モータ31は、動力伝達装置1のフロントケーシング3に固定され、第2の回転軸10の軸スプライン部10Aにスプライン結合される構成となっている。
32,33は油圧ポンプ28と第1の油圧モータ30との間、および油圧ポンプ28と第2の油圧モータ31との間を接続する一対の主管路である。これら各主管路32,33は、第1,第2の油圧モータ30,31を油圧ポンプ28に対して並列に接続している。これにより、油圧ポンプ28から吐出した圧油は、主管路32,33を通じて第1,第2の油圧モータ30,31に同時に供給される構成となっている。これら油圧ポンプ28、第1,第2の油圧モータ30,31、各主管路32,33は、油圧閉回路(hydrostatic transmission:HST回路)を構成している。
34は主管路32を流れる圧油の一部をブレーキ解除圧油としてブレーキ装置22に供給するブレーキ解除圧通路である。このブレーキ解除圧通路34の一端側は、油圧ポンプ28及び後述の油圧ポンプ35とは異なる第3の油圧ポンプ(図示せず)に接続され、ブレーキ解除圧通路34の他端側は、図1等に示すリヤケーシング4のブレーキ解除圧導入路4Bに接続されている。油圧ポンプ28によって第1,第2の油圧モータ30,31が作動するときには、前記第3の油圧ポンプからブレーキ解除圧通路34を通じてブレーキ装置22の油室22D内にブレーキ解除用圧油が供給される構成となっている。
35は他の油圧ポンプで、該油圧ポンプ35は、動力伝達装置1のケーシング2内に貯溜されたドレン油の一部を、クラッチ装置21に供給されるクラッチ用圧油として油通路36に吐出するものである。
37は油圧ポンプ35とクラッチ装置21との間に位置して油通路36の途中に設けられた3ポート2位置の油圧パイロット式の方向制御弁である。この方向制御弁37は、油圧パイロット部37Aにパイロット圧が入力されないときには弁位置(a)を保持し、パイロット圧が入力されたときには弁位置(b)に切換るものである。方向制御弁37が弁位置(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ35から吐出したクラッチ用圧油が、油通路36を通じてリヤカバー5のクラッチ圧導入路5Cに導入され、第1の回転軸6の環状溝6G、クラッチ圧通路6E、クラッチ圧導出路6Hを通じてクラッチ装置21の油室21E内に供給される構成となっている。
38は油通路36の途中に設けられた3ポート2位置の電磁パイロット式の方向切換弁である。この方向制御弁38の電磁パイロット部38Aは、クラッチ装置21の接続状態と非接続状態とを切換えるスイッチ(図示せず)に接続されている。このスイッチをクラッチ接続側に切換えたときに電磁パイロット部38Aに信号が入力されることにより、方向制御弁38は、弁位置(c)から弁位置(d)に切換り、方向制御弁37の油圧パイロット部37Aにパイロット圧が入力される構成となっている。
39は油圧ポンプ35と方向制御弁38との間に位置して油通路36の途中に設けられたリリーフ弁で、該リリーフ弁39は、油通路36内の圧力が設定圧を超えたときに油通路36内の圧油を潤滑油として油通路40に導出するものである。油通路40から導出された潤滑油は、リヤカバー5の潤滑油導入路5Dを通じて第1の回転軸6の潤滑油通路6Fに導かれた後、各潤滑油導出路6Iを通じて円錐ころ軸受7,8、クラッチ装置21、軸受装置23に供給される。一方、油通路40から導出された他の潤滑油は、リヤケーシング4の潤滑油導入路4Dを通じて第2の回転軸10の潤滑油通路10Bに導かれた後、各潤滑油導出路10Cを通じて円錐ころ軸受11,12に供給される構成となっている。
第1の実施の形態による動力伝達装置1は上述の如き構成を有するもので、以下、動力伝達装置1を搭載したホイールローダ(図示せず)の走行時における動力伝達装置1の作動について説明する。
ホイールローダが停止し、図4に示すエンジン29が非作動状態にあるときには、油圧ポンプ28から圧油が吐出しないため、第1,第2の油圧モータ30,31は停止状態を保ち、ブレーキ装置22の油室22Dに対するブレーキ解除圧油の供給も停止されている。このため、ブレーキ装置22の各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとが、スプリング22Fに押圧されて互いに摩擦係合することにより、カウンタ歯車20に対して制動力が付与される。
従って、カウンタ歯車20に噛合する中間歯車15を介して第2の回転軸10に制動力が作用し、この制動力が駆動歯車14に噛合する従動歯車19を介して出力軸16に作用する。この結果、ホイールローダの車輪(図示せず)を駆動するための出力軸16の回転を禁止することができ、ホイールローダを停止(駐車)させておくことができる。
この場合、ブレーキ装置22は、第1の回転軸6に対して相対回転可能に設けられたカウンタ歯車20に対して制動力を付与するので、例えば第1の回転軸6や第2の回転軸10に対して直接的に制動力を付与する場合に比較して、制動トルクを小さく抑えることができる。この結果、ブレーキ装置22を小型化することができ、この分、動力伝達装置1全体を小型化することができる。
次に、例えばホイールローダが一般道路等を走行するときには、エンジン29によって油圧ポンプ28が駆動されることにより、油圧ポンプ28から主管路32,33を通じての第1,第2の油圧モータ30,31に作動用の圧油が供給される。
油圧ポンプ28から吐出した圧油の一部が、ブレーキ解除圧通路34を通じてリヤケーシング4のブレーキ解除圧導入路4Bに供給され、このブレーキ解除圧油が、ブレーキ装置22の油室22D内に供給される。これにより、ピストン22Cが、スプリング22Fに抗して各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとをリヤカバー5に向けて軸方向に押圧する。この結果、各ケーシング側プレート22Aと各歯車側プレート22Bとが互いに離間して非接触状態を保つようになり、カウンタ歯車20に対する制動力を解除することができる。
ここで、ホイールローダが一般道路等を走行するときには、動力伝達装置1の出力軸16を高速回転させる必要がある。このため、クラッチ装置21の接続状態と非接続状態とを切換えるスイッチ(図示せず)をクラッチ非接続側とする。これにより、図4に示す方向制御弁38は弁位置(c)を保持し、方向制御弁37も弁位置(a)を保持する。これにより、クラッチ装置21の油室21Eに対するクラッチ圧油の供給が停止され、各回転軸側プレート21Bと各歯車側プレート21Cとは、リターンスプリング(図示せず)によって互いに離間して非接触状態を保つようになる。この結果、カウンタ歯車20と第1の回転軸6との間の接続が解除され、カウンタ歯車20は、第1の回転軸6に対して相対回転できるようになる。
このように、ブレーキ装置22によってカウンタ歯車20に対する制動力を解除し、クラッチ装置21によってカウンタ歯車20と第1の回転軸6との間を非接続とした状態では、第1の回転軸6は、低速走行用の第1の油圧モータ30によって低速回転し、第2の回転軸10は、高速走行用の第2の油圧モータ31によって高速回転する。
第2の回転軸10の回転は、駆動歯車14に噛合する従動歯車19を介して出力軸16に伝達され、出力軸16は、第2の回転軸10の回転速度に対し、駆動歯車14と従動歯車19との歯数比に応じた回転速度をもって高速回転する。この結果、ホイールローダを高速走行させることができる。
ここで、クラッチ装置21は第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間に設けられ、第2の回転軸10によって出力軸16が高速回転しているときには、第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間は非接続状態である。一方、カウンタ歯車20は、第2の回転軸10に固定された中間歯車15に噛合することにより、第1の回転軸6とは独立した状態で高速回転(空転)する。即ち、軸受装置23により、第1の回転軸6とカウンタ歯車20とは相対回転することができる。
この場合、第1の実施の形態では、軸受装置23は、第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間に設けられ、2個のアンギュラ玉軸受24を並列組合せした1組の並列組合せ軸受23Aと、同じく2個のアンギュラ玉軸受24を並列組合せした1組の並列組合せ軸受23Bとを互いに背面組合せすることにより、全体として4個のアンギュラ玉軸受24からなる4個並列/背面組合せ軸受として構成されている。
これにより、カウンタ歯車20が、例えば10000rpmを超えるような高速で回転する場合でも、各アンギュラ玉軸受24のボール24Cが滑りを生じることなく、カウンタ歯車20の回転に適正に追従することができるので、カウンタ歯車20を円滑に高速回転させることができる。
なお、クラッチ装置21が非接続状態にあり、かつ出力軸16が高速回転している場合に、油通路36内の圧力が設定圧を超えると、リリーフ弁39は、油通路36内の圧油を潤滑油として油通路40に導出する。油通路40に導出された潤滑油は、リヤカバー5の潤滑油導入路5Dを通じて第1の回転軸6の潤滑油通路6Fに導かれると共に、リヤケーシング4の潤滑油導入路4Dを通じて第2の回転軸10の潤滑油通路10Bに導かれる。これにより、第1の回転軸6の潤滑油通路6Fに導かれた潤滑油は、各潤滑油導出路6Iを通じて円錐ころ軸受7,8、クラッチ装置21、軸受装置23に供給され、これらを適正に潤滑する。また、第2の回転軸10の潤滑油通路10Bに導かれた潤滑油は、各潤滑油導出路10Cを通じて円錐ころ軸受11,12に供給され、これらを適正に潤滑する。
次に、例えば掘削作業時にホイールローダを走行させてバケットを土砂に突込むような作業を行うときには、動力伝達装置1の出力軸16を低速かつ高トルクで回転させる必要がある。このため、掘削作業時には、クラッチ装置21の接続状態と非接続状態とを切換えるスイッチ(図示せず)をクラッチ接続側に切換える。これにより、図4に示す方向制御弁38は弁位置(d)に切換り、方向制御弁37も弁位置(b)に切換わる。
これにより、油圧ポンプ35からの圧油(クラッチ圧油)は、油通路36を通じてリヤカバー5のクラッチ圧導入路5Cに導かれた後、第1の回転軸6に設けられた環状溝6G、クラッチ圧通路6E、クラッチ圧導出路6Hを通じてクラッチ装置21の油室21Eに供給される。このため、回転軸側プレート21Bと歯車側プレート21Cとが、ピストン21Dに押圧されて摩擦係合することにより、カウンタ歯車20に対して第1の回転軸6を接続することができる。
この結果、第1の回転軸6の回転は、カウンタ歯車20から中間歯車15を介して第2の回転軸10に伝達され、さらに駆動歯車14から従動歯車19を介して出力軸16に伝達される。このように、第1の回転軸6の回転と第2の回転軸10の回転とが合成された状態で出力軸16に伝達され、出力軸16は低速、かつ高トルクで回転することができる。
ここで、第1,第2の回転軸6,10の回転が合成されて出力軸16が低速、かつ高トルクで回転しているときには、ヘリカル歯車によって構成されたカウンタ歯車20と中間歯車15との噛合部にスラスト方向の荷重が発生し、このスラスト荷重は、カウンタ歯車20を介して軸受装置23に作用する。特に、ホイールローダを走行させて積上げた土砂にバケットを突込むような掘削作業を行うときには、土砂の抵抗によってホイールローダの走行速度が低下し、第1,第2の回転軸6,10(ホイールローダの車輪)の回転数が最小(ほぼ0)となりトルクが最大となるストール運転状態となる。このようなストール運転状態においては、軸受装置23に対して大きなスラスト荷重が作用する。
これに対し、第1の実施の形態では、軸受装置23を、4個のアンギュラ玉軸受24からなる4個並列/背面組合せ軸受として構成し、カウンタ歯車20と中間歯車15との噛合部に対応する位置に配置している。これにより、軸受装置23に大きなスラスト荷重が作用したとしても、このスラスト荷重を各アンギュラ玉軸受24によって確実に受けることにより、フレッチング摩耗等の異常摩耗及びレース面への乗り上げによる圧痕を確実に抑えることができる。この結果、軸受装置23の寿命を延ばすことができ、動力伝達装置1の信頼性を高めることができる。
しかも、各アンギュラ玉軸受24に対し、ナット27を用いて定位置予圧を付与することにより、軸受装置23全体の剛性を高めることができる。これにより、例えばストール運転状態が繰返される場合でも、カウンタ歯車20に作用する大きなスラスト荷重を軸受装置23によって確実に受けることができる。この結果、大きなスラスト荷重を受けるカウンタ歯車20を長期に亘って円滑に回転させることができ、動力伝達装置1の信頼性を一層高めることができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間に設けられる軸受装置23を、4個のアンギュラ玉軸受24からなる4個並列/背面組合せ軸受として構成し、この軸受装置23を、カウンタ歯車20と中間歯車15との噛合部に対応する位置に配置する構成としている。これにより、カウンタ歯車20の高速回転と、スラスト荷重に対する耐久性とを両立させることができるので、動力伝達装置1の寿命を延ばすことができ、その信頼性を高めることができる。
また、複数個のアンギュラ玉軸受24により構成した軸受装置23を、第1の回転軸6の軸方向に沿って配置することにより、第1の回転軸6とカウンタ歯車20との間に形成されるスペースが小さく制限される場合でも、各アンギュラ玉軸受24によってカウンタ歯車20を確実に支持することができる。これにより、動力伝達装置1全体の小型化を図ることができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
一方、第1の実施の形態では、カウンタ歯車20とケーシング2との間にブレーキ装置22を設け、ブレーキ装置22は、第1の回転軸6に対して相対回転可能に設けられたカウンタ歯車20に対して制動力を付与する構成としている。これにより、例えば第1の回転軸6や第2の回転軸10に対して直接的に制動力を付与する場合に比較して、制動トルクを小さく抑えることができる。この結果、ブレーキ装置22を小型化することができ、この分、動力伝達装置1全体を小型化することができる。
さらに、第1の実施の形態では、カウンタ歯車20を構成する円筒部20Aの軸方向の両端側に、前側プレート取付部20Cと後側プレート取付部20Dとを設け、前側プレート取付部20Cにはクラッチ装置21の各歯車側プレート21Cを設け、後側プレート取付部20Dにはブレーキ装置22の各歯車側プレート22Bを設ける構成としている。この結果、クラッチ装置21とブレーキ装置22とを、第1の回転軸6の軸線上に同軸に配置することができる。この結果、クラッチ装置21とブレーキ装置22とを収容するスペースを小さく抑えることができ、動力伝達装置1を一層小型化することができる。
しかも、第1の実施の形態では、中間歯車15とカウンタ歯車20と軸受装置23とを、第1,第2の回転軸6,10と出力軸16の軸線と直交する同一平面内に配置し、駆動歯車14と従動歯車19とクラッチ装置21とを、中間歯車15およびカウンタ歯車20と隣接して第1,第2の回転軸6,10と出力軸16の軸線と直交する同一平面内に配置している。また、ブレーキ装置22を、カウンタ歯車20を挟んでクラッチ装置21とは反対側に配置している。
このため、中間歯車15とカウンタ歯車20とが噛合するスペースを利用して軸受装置23を配置し、駆動歯車14と従動歯車19とが噛合するスペースを利用してクラッチ装置21を配置することができる。この結果、第1,第2の回転軸6,10および出力軸16の軸線に沿ったケーシング2の軸方向寸法を小さく抑えることができ、動力伝達装置1全体を一層小型化することができる。
次に、図5および図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、軸受装置の各アンギュラ玉軸受に対し定圧予圧を付与した状態で、軸受装置を第1の回転軸とカウンタ歯車との間に配置したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41はケーシング2内に円錐ころ軸受7,8を介して回転可能に支持された第1の回転軸で、該第1の回転軸41は、第1の実施の形態による第1の回転軸6に代えて本実施の形態に用いたものである。ここで、第1の回転軸41は、第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、第1の油圧モータ30にスプライン結合される軸スプライン部41Aと、後述の軸受装置42が取付けられる軸受取付部41Bと、ナット27が螺着される雄ねじ部41Cと、クラッチ装置21が取付けられるクラッチ取付部41Dとを有している。一方、第1の回転軸41の内部には、クラッチ圧通路41E、潤滑油通路41F、環状溝41G、クラッチ圧導出路41H、4本の潤滑油導出路41Iが形成されている。しかし、第2の実施の形態による第1の回転軸41は、雄ねじ部41Cを、軸受取付部41Bから後方に離間した位置に形成している点で、第1の実施の形態による第1の回転軸6とは異なっている。
42は第2の実施の形態に適用される軸受装置で、該軸受装置42は、第1の回転軸41の軸受取付部41Bとカウンタ歯車20の円筒部20Aとの間に設けられ、第1の回転軸41に対してカウンタ歯車20を相対回転可能に支持するものである。軸受装置42は、第1の実施の形態による軸受装置23と同様に、2個のアンギュラ玉軸受24を並列組合せした1組の並列組合せ軸受42Aと、同じく2個のアンギュラ玉軸受24を並列組合せした1組の並列組合せ軸受42Bとを互いに背面組合せすることにより、全体として4個のアンギュラ玉軸受24からなる4個並列/背面組合せ軸受として構成されている。しかし、軸受装置42は、後述の予圧スプリング44によって定圧予圧される点で、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
43は背面組合せされた2組の並列組合せ軸受42A,42B間に配置された円筒状の外輪側スペーサである。この外輪側スペーサ43は、2組の並列組合せ軸受42A,43Bを挟んだ状態で、カウンタ歯車20の円筒部20A内周側に挿嵌される。従って、外輪側スペーサ43は、2組の並列組合せ軸受42A,42B間で、隣合うアンギュラ玉軸受24の外輪24Bにそれぞれ当接することにより、その間隔を設定するものである。
44は第1の回転軸41に取付けられた軸受装置42と第1の回転軸41の雄ねじ部41Cに螺着したナット27との間に設けられた予圧スプリングで、該予圧スプリング44は圧縮コイルばねからなり、軸受装置42を構成する各アンギュラ玉軸受24に対し、定圧予圧を付与するものである。
ここで、予圧スプリング44は、4個のアンギュラ玉軸受24のうち最後部に位置するアンギュラ玉軸受24の内輪24Aに、座金45を介して当接し、第1の回転軸41の雄ねじ部41Cに対するナット27の螺入量に応じて各アンギュラ玉軸受24を軸方向に押圧する構成となっている。
第2の実施の形態による動力伝達装置は、上述の如き軸受装置42、予圧スプリング44等を用いたもので、その基本的作動については、上述した第1の実施の形態による軸受装置23等を用いたものと格別差異はない。
然るに、第2の実施の形態によれば、軸受装置42を構成する各アンギュラ玉軸受24に対し、予圧スプリング44を用いて定圧予圧を付与するものである。これにより、カウンタ歯車20が高速で回転する場合でも、このカウンタ歯車20の回転に各アンギュラ玉軸受24を適正に追従させ、円滑に回転させることができる。この結果、低速回転する第1の回転軸41に対し、カウンタ歯車20を高速で相対回転させるとができ、動力伝達装置の信頼性を高めることができる。
さらに、例えば第1の回転軸41が周囲の温度差等によって伸縮したとしても、軸受装置42を構成する各アンギュラ玉軸受24に対し、予圧スプリング44によってほぼ一定の予圧力を付与することができる。この結果、長時間に亘って動力伝達装置を作動させる場合でも、軸受装置42によって支持されるカウンタ歯車20の回転を安定させることができ、動力伝達装置の信頼性を高めることができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、軸受装置23の各アンギュラ玉軸受24に定位置予圧を付与する手段としてナット27を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばボルト等を用いて各アンギュラ玉軸受24を軸方向に押圧する構成としてもよい。
上述した第2の実施の形態では、軸受装置42の各アンギュラ玉軸受24に定圧予圧を付与する手段として圧縮コイルばねからなる与圧スプリング44を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば皿バネ等を用いて各アンギュラ玉軸受24を軸方向に押圧する構成としてもよい。
1 動力伝達装置
2 ケーシング
6,41 第1の回転軸
10 第2の回転軸
14 駆動歯車
15 中間歯車
16 出力軸
19 従動歯車
20 カウンタ歯車
20A 円筒部
20B 歯車部
20C 前側プレート取付部
20D 後側プレート取付部
21 クラッチ装置
21B 回転軸側プレート
21C 歯車側プレート
22 ブレーキ装置
22A ケーシング側プレート
22B 歯車側プレート
23,42 軸受装置
24 アンギュラ玉軸受
27 ナット
30 第1の油圧モータ
31 第2の油圧モータ
44 予圧スプリング

Claims (7)

  1. 筒状のケーシング(2)と、
    該ケーシング(2)内に回転可能に支持され低速回転する第1の油圧モータ(30)によって駆動される第1の回転軸(6,41)と、
    前記ケーシング(2)内に前記第1の回転軸(6,41)と並列に並んで回転可能に支持されると共に駆動歯車(14)が設けられ、高速回転する第2の油圧モータ(31)によって駆動される第2の回転軸(10)と、
    前記ケーシング(2)内に前記第2の回転軸(10)と並列に並んで回転可能に支持されると共に従動歯車(19)が設けられ、該従動歯車(19)が前記駆動歯車(14)と噛合することにより前記第2の回転軸(10)の回転が伝達される出力軸(16)と、
    前記第1の回転軸(6,41)の回転と前記第2の回転軸(10)の回転を合成して前記出力軸(16)に伝える接続状態と、前記第2の回転軸(10)の回転を前記出力軸(16)に伝える非接続状態とに切換えられるクラッチ装置(21)とを備えてなる動力伝達装置において、
    前記第2の回転軸(10)には、中間歯車(15)を固定して設け、
    前記第1の回転軸(6,41)の外周側には、前記中間歯車(15)に噛合するカウンタ歯車(20)を配置し、
    該カウンタ歯車(20)と前記第1の回転軸(6,41)との間には、前記カウンタ歯車(20)を前記第1の回転軸(6,41)に対して相対回転可能に支持する軸受装置(23,42)を設け、
    前記クラッチ装置(21)は前記第1の回転軸(6,41)と前記カウンタ歯車(20)との間に配置し、
    前記軸受装置(23,42)は、前記カウンタ歯車(20)と前記中間歯車(15)との噛合部に対応する位置に配置し、
    かつ前記軸受装置(23,42)は、複数個のアンギュラ玉軸受(24)を組合せて前記第1の回転軸(6,41)の軸方向に沿って配置する構成としたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記軸受装置(23,42)は、2組の並列組合せ軸受(23A,23B),(42A,42B)を互いに背面組合せしてなる4個並列/背面組合せ軸受として構成してなる請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記軸受装置(23)は、前記第1の回転軸(6)に螺着されたナット(27)を用いて前記各アンギュラ玉軸受(24)に対し定位置予圧を付与した状態で、前記第1の回転軸(6)と前記カウンタ歯車(20)との間に配置する構成としてなる請求項1に記載の動力伝達装置。
  4. 前記軸受装置(42)は、スプリング(44)を用いて前記各アンギュラ玉軸受(24)に対し定圧予圧を付与した状態で、前記第1の回転軸(41)と前記カウンタ歯車(20)との間に配置する構成としてなる請求項1に記載の動力伝達装置。
  5. 前記カウンタ歯車(20)と前記ケーシング(2)との間には、前記各油圧モータ(30,31)の停止時には前記カウンタ歯車(20)に対して制動力を付与し、前記各油圧モータ(30,31)の作動時には前記カウンタ歯車(20)に対する制動力を解除するブレーキ装置(22)を設ける構成としてなる請求項1に記載の動力伝達装置。
  6. 前記クラッチ装置(21)は、前記第1の回転軸(6,41)と一体に回転する複数の回転軸側プレート(21B)と前記カウンタ歯車(20)と一体に回転する複数の歯車側プレート(21C)とを有し、
    前記ブレーキ装置(22)は、前記ケーシング(2)に設けられた複数のケーシング側プレート(22A)と、前記カウンタ歯車(20)と一体に回転する複数の歯車側プレート(22B)とを有し、
    前記カウンタ歯車(20)は、前記軸受装置(23,42)を介して前記第1の回転軸(6,41)の外周側に配置され軸方向に延びる円筒部(20A)と、該円筒部(20A)の外周側に設けられ前記中間歯車(15)に噛合する歯車部(20B)と、前記円筒部(20A)の軸方向の両側にそれぞれ設けられたプレート取付部(20C,20D)とにより構成し、
    前記円筒部(20A)の軸方向の一側に設けられた前記プレート取付部(20C)には前記クラッチ装置(21)の前記各歯車側プレート(21C)を設け、前記円筒部(20A)の軸方向の他側に設けられた前記プレート取付部(20D)には前記ブレーキ装置(22)の前記各歯車側プレート(22B)を設ける構成としてなる請求項5に記載の動力伝達装置。
  7. 前記ケーシング(2)内には第1の回転軸(6,41)、第2の回転軸(10)および出力軸(16)を並列に並んで配置し、
    前記中間歯車(15)と前記カウンタ歯車(20)と前記軸受装置(23,42)とは、前記第1,第2の回転軸(6,41),(10)と前記出力軸(16)の軸線と直交する同一平面内で、前記ケーシング(2)内に配置し、
    前記駆動歯車(14)と前記従動歯車(19)と前記クラッチ装置(21)とは、前記中間歯車(15)および前記カウンタ歯車(20)と隣接して前記第1,第2の回転軸(6,41),(10)と前記出力軸(16)の軸線と直交する同一平面内で、前記ケーシング(2)内に配置し、
    前記ブレーキ装置(22)は、前記カウンタ歯車(20)を挟んで前記クラッチ装置(21)とは反対側に位置して、前記ケーシング(2)内に配置する構成としてなる請求項1に記載の動力伝達装置。
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