JP2007327592A - 産業車両のトランスミッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスミッション装置を小型化する。
【解決手段】ケース2内に回転可能に支持された入力軸10および出力軸20と、第1の回転板D1とこの第1の回転板D1に対して相対回転可能な第2の回転板D2とを互いに圧接することにより入力軸10からの動力を出力軸20に伝達し、圧接を除去することにより動力の伝達を遮断するクラッチ装置30とを備える。クラッチ装置30は、押圧部材31,32と、油圧源からの圧油によるクラッチ作動圧により押圧部材31,32を一方向に押動して第1の回転板D1と第2の回転板D2とを圧接し、油圧源からの圧油によるクラッチ解除圧により押圧部材31,32を他方向に押動して圧接を除去する油圧力発生手段15,35,36とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ホイールローダ等の産業車両に搭載されるトランスミッション装置に関する。
従来、HST回路を構成する油圧モータの回転を変速して車輪に伝達するトランスミッション装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この種のトランスミッション装置は、例えば1速用のクラッチ装置と2速用のクラッチ装置とを備え、走行用油圧モータの駆動により回転するディスク(例えばインナディスク)に、1速用または2速用クラッチ装置のディスク(例えばアウタディスク)を圧接し、1速用または2速用のインナディスクとアウタディスクとを一体に回転させることで1速または2速に切り換えるようにしている。この場合、ディスクの側方に配設された押圧部材を油圧力によりディスク側に押圧してディスク同士を圧接し、ばねの付勢力により押圧部材をディスクの反対側に付勢してディスク同士の圧接を除去する。
特開2002−276745号公報
しかしながら、上記構成では、トランスミッション装置の内部にディスク同士の圧接を除去するためのばねを配置する必要があり、装置が大型化する。
本発明による産業車両のトランスミッション装置は、ケース内に回転可能に支持された入力軸および出力軸と、第1の回転板とこの第1の回転板に対して相対回転可能な第2の回転板とを互いに圧接することにより入力軸からの動力を出力軸に伝達し、圧接を除去することにより動力の伝達を遮断するクラッチ装置とを備え、クラッチ装置が、押圧部材と、油圧源からの圧油によるクラッチ作動圧により押圧部材を一方向に押動して第1の回転板と第2の回転板とを圧接し、油圧源からの圧油によるクラッチ解除圧により押圧部材を他方向に押動して圧接を除去する油圧力発生手段とを有することを特徴とする。
入力軸と出力軸とを、ケース内に鉛直方向に離れてかつ互いに略平行に配設することもできる。
油圧力発生手段として、クラッチ作動圧を発生させるクラッチ作動圧用油室と、クラッチ解除圧を発生させるクラッチ解除圧用油室とを、押圧部材の両側に形成する油室形成手段を設けることもできる。
所定の変速比で動力を伝達する第1のクラッチ装置と、変速比とは異なる変速比で動力を伝達する第2のクラッチ装置とを有するものにあっては、油圧源からの圧油を第1のクラッチ装置のクラッチ作動用油室に導く作動圧供給油路と、油圧源からの圧油を作動圧供給油路から分岐して第2のクラッチ装置のクラッチ解除用油室に導く解除圧供給油路とを設けることが好ましい。
油圧源からの圧油を作動圧供給油路とは別経路により第2のクラッチ装置のクラッチ解除用油室に導くように解除圧供給油路を形成してもよい。
この場合、油圧源からの圧油を解除圧供給油路を介して第1の回転板および第2の回転板に導く潤滑油供給油路をさらに設けるようにしてもよい。
本発明によれば、油圧源からの圧油によるクラッチ作動圧により回転板を圧接してクラッチ接続状態とし、油圧源からの圧油によるクラッチ解除圧により圧接を除去してクラッチ解放状態としたので、クラッチ解除用のばねを設ける必要がなく、装置を小型化できる。
−第1の実施の形態−
以下、図1,2を参照して本発明の第1の実施の形態に係るトランスミッション装置について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るトランスミッション装置の全体構成を示す縦断面図である。このトランスミッション装置1は、例えば走行用油圧モータを備えるホイールローダに搭載され、走行用油圧モータの回転を変速して車軸に伝達する。
トランスミッション装置1は、走行用油圧モータからの動力が入力する入力軸10と、入力された動力を車軸に出力する出力軸20と、入力軸10から出力軸20に動力を伝達または遮断するクラッチ装置30とを有する。入力軸10はベアリング13を介してトランスミッションケース2内の上部に回転可能に支持され、出力軸20はベアリング23を介しトランスミッションケース2内の下部に回転可能に支持されている。すなわち、トランスミッションケース2内には入力軸10と出力軸20とが上下に離れて、かつ互いに平行に配設され、入力軸10の周囲にクラッチ装置30が設けられている。
走行用油圧モータ(不図示)は、エンジンにより駆動される可変容量型油圧ポンプに閉回路接続され、油圧モータと油圧ポンプとは、いわゆるHST走行回路を形成している。この種の回路では、油圧ポンプの傾転はアクセルペダルの踏み込み量に応じて増減し、ペダル操作に応じて油圧モータに供給されるポンプ吐出量が変化する。油圧モータの出力軸はトランスミッション装置1の入力軸10の一端部10aに連結され、油圧モータの回転により入力軸10が回転する。入力軸10の外周面には、略円板状の1速用クラッチギヤ11と2速用クラッチギヤ12がベアリング14を介し入力軸10に対して相対回転可能に支持されている。
クラッチ装置30は、軸方向に並設された複数枚のディスクを圧接または離間して動力を伝達または遮断する湿式多板式クラッチである。クラッチ装置30は、後述するようにクラッチギヤ11,12のいずれか一方を入力軸10に接続し、他方を入力軸10から解放して、クラッチギヤ11,12のいずれか一方を入力軸10と一体に回転させる。すなわち油圧モータの動力をクラッチ装置30により選択的にクラッチギヤ11,12に伝達する。
出力軸20の外周面には、略円板状の1速用および2速用のギヤ21,22がスプライン結合により出力軸20と一体に結合され、各ギヤ21,22には1速用および2速用クラッチギヤ11,12がそれぞれ噛合している。1速用クラッチギヤ11が入力軸10に接続した状態(1速状態)では、入力軸10からの回転が1速用クラッチギヤ11および1速用ギヤ21を介して出力軸20に伝達される。2速用クラッチギヤ12が入力軸10に接続された状態(2速状態)では、入力軸10からの回転が2速用クラッチギヤ12および2速用ギヤ22を介して出力軸20に伝達される。これにより出力軸20が所定のギヤ比に変速されて回転し、出力軸20の回転に応じた速度で車両が走行する。
図2(a)は、クラッチ装置30の構成を示す図1の要部拡大図であり、図2(b)は入力軸10の断面図である。図2(a)に示すように入力軸10の外周外側には、1速用クラッチギヤ11と2速用クラッチギヤ12の間において入力軸10を覆うようにハウジング15が全周にわたって設けられ、ハウジング15は隔壁151を介して入力軸10に一体に固定されている。ハウジング15の内側には、隔壁151を挟んで一対のピストン、すなわち1速用ピストン31および2速用ピストン32が配設されている。各ピストン31,32は、それぞれ円筒部311,321と、円筒部311の端部より径方向外側に延設されたディスク部312,322とを有する。
各ピストン31,32の円筒部311,321は、入力軸10の外周面に軸方向に移動可能に嵌合され、ピストン31,32のディスク部312,322とハウジング15および隔壁151との間にそれぞれ油室V1,V2が形成されている。ディスク部312,322にはそれぞれ段付き状の貫通孔313,323が穿設され、貫通孔313,323にはボール33が挿入され、ボール33の外側からボール33に対して所定の隙間を開けて抜け止め用のスリーブ34が打ち込まれている。
ボール33は、貫通孔313,323の段部とスリーブ34の端面との間を移動可能であり、ボール33の移動により貫通孔313,323が開閉する。油室V1,V2が高圧のときはボール33が貫通孔313,323の段部に押し当てられ、油室V1,V2が密閉されて油室V1,V2からの油の流出が阻止される。油室V1,V2が低圧のときは、段部とボール33との間に隙間ができる。
各ピストン31,32のディスク部312,322の側方には、複数枚のアウタディスクD1とインナディスクD2が軸方向に交互に配置されている。ピストン31,32とアウタディスクD1とは、それぞれハウジング15の両端部に設けられたディスク支持部152,153の内周面に、軸方向に移動可能にスプライン結合されている。1速用クラッチギヤ11および2速用クラッチギヤ12には、それぞれ軸方向に向けて略円筒形状のディスク支持部111,121が延設され、インナディスクD2はディスク支持部111,121の外周面に軸方向に移動可能にスプライン結合されている。ディスク支持部152,153の端部にはストッパ16が設けられ、ストッパ16によりディスクD1,D2の移動が制限されている。
各クラッチギヤ11,12のディスク支持部111,121の径方向内側には、それぞれ略円筒形状のリターンシリンダ35,36が配設されている。リターンシリンダ35,36は、クラッチギヤ側の端部が内径方向に略直角に屈曲した形状をなしている。リターンシリンダ35,36の屈曲部の内周面は入力軸10に嵌合し、その軸方向一端部が入力軸10の外周面に設けられた段部に当接し、他端部が入力軸10に設けられたスナップリング37に当接して、軸方向の位置が固定されている。リターンシリンダ35,36の円筒部は、ピストン31,32の円筒部311,321の外周面にそれぞれ嵌合し、リターンシリンダ35,36とピストン31,32との間にそれぞれ油室V3,V4が形成されている。
入力軸10の内部には、クラッチ潤滑油を供給する潤滑油路17と、クラッチ制御用のクラッチ圧を供給する一対のクラッチ油圧路18,19とが形成されている。潤滑油路17とクラッチ油圧路18,19とは、図2(b)に示すように周方向等間隔に設けられている。潤滑油路17は、入力軸10の表面に設けられた圧油供給孔105,106を介し、クラッチギヤ11のディスク支持部111とリターンシリンダ35の間の空間SP1、およびクラッチギヤ12のディスク支持部121とリターンシリンダ36の間の空間SP2にそれぞれ連通している。
クラッチ油圧路18は、入力軸10の表面に設けられた圧油供給孔101,104を介し、油室V1,V4にそれぞれ連通している。クラッチ油圧路19は、入力軸10の表面に設けられた圧油供給孔102,103を介し、油室V2,V3にそれぞれ連通している。クラッチ油圧路18,19から油室V1,V2に連通する油路は作動圧供給油路であり、クラッチ油圧路18,19から油室V3,V4に連通する油路は解除圧供給油路である。解除圧供給油路は作動圧供給油路から分岐して設けられている。
クラッチ油圧路18,19は、クラッチケース2の外側にて、図示しない制御弁を介し、エンジンにより駆動されるチャージポンプに接続されている。制御弁は、例えば手動の変速指令により切り換えられ、制御弁の切換に応じて油圧路18,19にチャージポンプからのクラッチ圧が作用する。すなわち、1速が指令されると、クラッチ油圧路18にクラッチ圧が作用し、その一方でクラッチ油圧路19はタンク圧となる。2速が指令されると、クラッチ油圧路19にクラッチ圧が作用し、その一方でクラッチ油圧路18はタンク圧となる。なお、走行速度等に応じて制御弁を自動的に切り換えることもできる。クラッチの焼き付きを防止するために、潤滑油路17には1速2速いずれの場合にもチャージポンプから油が潤滑油として供給される。潤滑油路17内の圧油は、ベアリング13,14にも潤滑油として供給される。
第1の実施の形態に係るトランスミッション装置の主要な動作を説明する。
(1)中立時
車両の前進操作および後進操作以外の中立状態においては、油圧ポンプの傾転が0である。この状態では、ポンプ吐出油が油圧モータに供給されないため、走行用油圧モータの回転は停止し、入力軸10の回転も停止する。このため、油室V1〜V4にチャージポンプからのクラッチ圧は作用せず、図2に示すように各ピストン31,32はそれぞれディスクD1,D2から離間した中立状態で停止している。
(2)1速走行
車両の走行開始時には通常、1速切換指令がなされる。例えばアクセルペダルを踏み込んで車両の前進操作を開始すると、油圧モータにペダル踏み込み量に応じたポンプ吐出圧が供給され、油圧モータが回転する。この際、チャージポンプからの圧油がクラッチ油圧路18を介してそれぞれ油室V1,V4に供給され、油室V1およびV4にそれぞれクラッチ作動圧およびクラッチ解除圧が発生する。このとき油室V2,V3はタンク圧であり、油室V1とV3および油室V2とV4との間に圧力差が発生する。これによりピストン31のディスク部312に受圧面積に応じた油圧力が作用し、ディスク部312は1速用クラッチのディスクD1,D2側(矢印A方向)に押動される。これと同時に、ピストン32の円筒部321の先端面にも受圧面積に応じた油圧力が作用し、ピストン32が2速用クラッチのディスクD1,D2の反対側(矢印A方向)に押動される。
その結果、1速用クラッチのディスクD1,D2に対して圧接力が作用し、ディスクD1,D2同士が摩擦力により密着する。このため、ディスクD1,D2同士は一体となって回転し、油圧モータの動力が1速用ギヤ11に伝達される。つまり1速用クラッチが接続状態となる。このとき、2速用クラッチのディスクD1,D2からピストン32が離間するため、2速用クラッチギヤ12は入力軸10から解放され、自由回転状態(クラッチ解放状態)となる。ピストン32は、ハウジング15の内周面に設けられた移動規制部154に当接するまで押動され、油室V2内の油はピストン32の押動に伴いクラッチ油圧路19を介してタンクに戻される。以上により、油圧モータの動力が1速用クラッチギヤ11を介して出力軸20に伝達され、車両が1速状態で走行を開始する。
油圧モータの回転中は、チャージポンプからの圧油が、潤滑油路17を介し各クラッチギヤ11,12のディスク支持部111,121の内側の空間SP1,SP2にそれぞれ導かれる。空間SP1,SP2に導かれた油は、ディスク支持部111,121およびその径方向外側のディスク支持部152,153に設けられた貫通孔を介し、遠心力により径方向外側に向けて流れ、ディスクD1,D2の表面に潤滑油として供給される。
(3)2速走行
1速状態で走行中に、手動または自動により2速切換指令がなされると、チャージポンプからの圧油がクラッチ油圧路19を介してそれぞれ油室V2,V3に供給される。これによりピストン32のディスク部322およびピストン31の円筒部311の先端にそれぞれクラッチ作動圧およびクラッチ解除圧が発生する。このとき油室V1,V4はタンク圧に切り換わるため、油室V2とV4および油室V3とV1との間に圧力差が発生する。これによりピストン32が2速用クラッチのディスクD1,D2側(矢印B方向)に押動されるとともに、油圧力によりピストン31が1速用クラッチのディスクD1,D2の反対側(矢印B方向)に押動される。
その結果、2速用クラッチのディスクD1,D2に対して圧接力が作用し、ディスクD1,D2同士は摩擦力により一体となって回転し、油圧モータの動力が2速用ギヤ12に伝達される(クラッチ接続状態)。このとき、1速用クラッチのディスクD1,D2からピストン31が離間するため、1速用クラッチのディスクD1,D2に作用していた圧接力は除去され、1速用ギヤ11が自由回転状態(クラッチ解放状態)となる。ピストン31は、ディスク支持部15の内周面に設けられた移動規制部155に当接するまで押動され、油室V1内の圧油はピストン31の押動に伴いクラッチ油圧路18を介してタンクに戻される。
この場合、油室V1とその外部の空間SP1とが貫通孔313を介して連通するため、ピストン31を素早く所定位置まで押動することができ、迅速なクラッチの切換が可能である。以上により、油圧モータの動力が2速用クラッチギヤ12を介して出力軸20に伝達され、車両が2速状態で高速走行する。
第1の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)入力軸10の外周面にリターンシリンダ35,36を設けてピストン31,32とリターンシリンダ35,36との間に油室V3,V4を形成し、チャージポンプからの吐出油を油室V3またはV4に導いて油室V3またはV4内にクラッチ解除圧を発生させ、油圧力によりピストン31または32をディスクD1,D2の反対側に押動するようにした。これによりクラッチ装置30に、ピストン31,32を付勢するためのばねを設ける必要がなく、装置を小型化できる。
(2)入力軸10の内部にクラッチ油圧路18,19を形成し、クラッチ油圧路18,19を介して油室V1とV4または油室V2とV3に同時に圧油を供給するようにした。これにより、ピストン31,32が図2の矢印A方向または矢印B方向に同時に動いて、一方のクラッチが接続状態になるととともに、他方のクラッチが解放状態となり、クラッチの切換をスムーズに行うことができる。
(3)トランスミッションケース2内に入力軸10と出力軸20とを鉛直方向に離してかつ互いに略平行に配置し、油圧モータからの動力を入力軸10およびクラッチ装置30を介して出力軸20に伝達するようにしたので、油圧モータを車軸よりも上方に配置するような車両であるホイールローダに用いて好適である。
(4)ピストン31,32に円筒部311,321と円筒部311,321から径方向に拡大したディスク部312,322とを設け、受圧面積の大きいディスク部312,322にクラッチ作動圧を作用させるので、クラッチのディスクD1,D2に対して十分な圧接力を付与することができる。
(5)また、ピストン31,32の円筒部311,321の先端面にクラッチ解除圧を作用させるので、解除圧が作用する部位をそれほど大径化する必要がなく、スペース効率がよい。
(6)ピストン31、32のディスク部312,322にそれぞれ貫通孔313,323を穿設し、貫通孔313,323を介して油室V1,V2とその外部の空間SP1,SP2とを連通可能としたので、ピストン31,32を素早くディスクD1,D2から離間させることができ、クラッチを迅速に切り換えることができる。
(7)この場合、クラッチの切換時に入力軸10は回転しているため、油室V1またはV2内の油に遠心力が作用して貫通孔313,323よりも径方向外側にて油が残留するが、ピストン31,32の移動を移動規制部154,155により制限し、ディスク部312,322と隔壁151との間に隙間が設けられるため、油の残留が障害とならずにピストン31,32をディスクD1,D2から十分に離間することができる。
−第2の実施の形態−
図3,4を参照して本発明の第2の実施の形態に係るトランスミッション装置について説明する。
第1の実施の形態では、油室V3,V4にクラッチ解除圧を供給する解除圧供給油路を、油室V1,V2にクラッチ作動圧を供給する作動圧供給油路から分岐して設けたが、第2の実施の形態では、解除圧供給油路を分岐しないで設ける。
図3は、第2の実施の形態に係るクラッチ装置の構成を示す図である。なお、図2と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。リターンシリンダ35,36の円筒部には径方向に貫通孔351,361が穿設されている。貫通孔351,361の開口面積は、圧油供給孔104,103の開口面積よりも小さく形成されている。圧油供給孔101はクラッチ油圧路18に連通し、圧油供給孔102はクラッチ油圧路19に連通している。一方、圧油供給孔104および圧油供給孔103はそれぞれ潤滑油路17に連通している。
以上の構成では、リターンシリンダ35,36とクラッチギヤ11,12を支持するベアリング14との間に圧油供給孔(図2の105,106)は設けられず、その分、ベアリング14の位置がリターンシリンダ35,36に接近し、ベアリング14の取付スパンが長くなっている。
第2の実施の特徴的な動作を説明する。1速切換指令がなされると、チャージポンプからの圧油がクラッチ油圧路18を介して油室V1に供給され、油室V1にクラッチ作動圧が発生する。チャージポンプからの圧油は潤滑油路17を介して油室V3および油室V4にも供給される。油室V3,V4に供給された圧油はリターンシリンダ35,36の貫通孔351,361で絞られるため、油室V3,V4内の圧力が上昇し、クラッチ解除圧が発生する。この際の油室V3,V4内の圧力は油室V1内の圧力よりも小さい。
したがって、ピストン31には油室V1,V3内の圧力により互いに反対向きの油圧力が作用することになるが、ディスク部312の受圧面積は円筒部311の先端面の受圧面積よりも大きく、かつ、油室V1内のクラッチ作動圧は油室V3内のクラッチ解除圧よりも大きいため、ピストン31は矢印A方向に押動される。これにより、1速用クラッチのディスクD1,D2に対して圧接力が作用し、ディスクD1,D2同士が摩擦力により密着する。このとき油室V3内の油は貫通孔351を介し、遠心力により油室V3の外部空間SP1に流出し、1速用クラッチのディスクD1,D2に潤滑油が供給される。
一方、油室V1に圧油が供給されているときは、油室V2はタンク圧であり、油室V2とV4との間にも圧力差が発生する。これによりピストン32が2速用クラッチのディスクD1,D2の反対側(矢印A方向)に押動され、ディスクD1,D2に作用する圧接力が除去されて、2速用クラッチが解除される。このとき油室V4内の油は貫通孔361を介し、遠心力により油室V4の外部空間SP2に流出し、2速用クラッチのディスクD1,D2に潤滑油が供給される。なお、2速切換指令時には、1速切換指令時とは反対向きにピストン31,32が押動されるが、基本的な動作は1速切換指令時と同様である。
このように第2の実施の形態によれば、油室V1,V2内に圧油を供給する作動圧供給油路(クラッチ油圧路18,19)と油室V3,V4内に圧油を供給する解除圧供給油路(潤滑油路17)を互いに独立して設けたので、クラッチの接続と解放を別々のタイミングで行うことができる。このためクラッチ切換指令時におけるクラッチの解放動作のタイミングを遅らせることができ、ショックのないスムーズな切換動作が可能である。
また、リターンシリンダ35,36に貫通孔351,361を穿設して潤滑油供給油路を形成し、油室V3,V4内の圧油を潤滑油としてディスクD1,D2の表面に導くようにしたので、入力軸10の表面に潤滑油供給用の貫通孔を穿設する必要がなく、入力軸10の長さを短く構成したり、ベアリング14の取付スパンを長くすることができる。入力軸10の長さを短くした場合には装置の小型化が可能となり、ベアリングスパンを長くした場合にはベアリング14にかかる負荷を低減することが可能である。
図4は、大型のトランスミッション装置に適用した例である。図3と同様の機能を有するものには同一の符号を付している。図4では、入力軸10の表面からクラッチ油圧路18,19に向けて斜め方向に圧油供給孔101,102が穿設されている。
なお、上記実施の形態では、油圧モータからの動力を入力軸10に入力する、いわゆるHST駆動形式の車両のトランスミッション装置として用いる例を説明したが、エンジンの出力を直接入力する、いわゆるトルコン駆動形式の車両のトランスミッション装置としても同様に用いることができる。1速用、2速用のクラッチ装置30の切換について説明したが、他の速度段への切換やバックギヤへの切換にも本発明を同様に適用することができる。複数枚のインナディスクD1(第1の回転体)とアウタディスクD2(第2の回転体)を有する湿式多板式のクラッチ装置30として説明したが、クラッチ装置は単板式であってもよい。クラッチ装置30を入力軸10の周囲に設けたが、例えば入力軸10と出力軸20の間にカウンタシャフトを配置し、カウンタシャフトの周囲にクラッチ装置30を設けてもよい。
ピストン31,32を断面略L字状に形成したが、押圧部材の形状はいかなるものであってもよい。ピストン31,32の両側に、ディスク支持部15およびリターンシリンダ35,36によりそれぞれ油室V1〜V4を形成してクラッチ作動圧およびクラッチ解除圧を発生させるようにしたが、油室形成手段の構成は上述したものに限らない。油圧力によりピストン31,32を一方に押動してディスクD1,D2を圧接するとともに、油圧力によりピストン31,32を他方に押動して圧接を除去するのであれば、油圧力発生手段はいかなるものでもよい。油圧源としてチャージポンプを用いたが、他の油圧源を用いてもよい。
以上では、ホイールローダのトランスミッション装置に適用する例を説明したが、ホイールショベルやフォークリフト等、他の産業車両のトランスミッション装置にも本発明を同様に適用することができる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のトランスミッション装置に限定されない。
本発明の第1の実施の形態に係るトランスミッション装置の全体構成を示す縦断面図。 図1の要部構成を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスミッション装置の要部構成を示す図。 図3の変形例を示す図。
符号の説明
10 入力軸
15 ディスク支持部
17 潤滑油路
18,19 クラッチ油圧路
20 出力軸
30 クラッチ装置
31,32 ピストン
35,36 リターンシリンダ
351,361 貫通孔
V1〜V4 油室

Claims (6)

  1. ケース内に回転可能に支持された入力軸および出力軸と、
    第1の回転板とこの第1の回転板に対して相対回転可能な第2の回転板とを互いに圧接することにより前記入力軸からの動力を前記出力軸に伝達し、前記圧接を除去することにより前記動力の伝達を遮断するクラッチ装置とを備えた産業車両のトランスミッション装置において、
    前記クラッチ装置は、
    押圧部材と、
    油圧源からの圧油によるクラッチ作動圧により前記押圧部材を一方向に押動して前記第1の回転板と前記第2の回転板とを圧接し、油圧源からの圧油によるクラッチ解除圧により前記押圧部材を他方向に押動して前記圧接を除去する油圧力発生手段とを有することを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
  2. 請求項1に記載の産業車両のトランスミッション装置において、
    前記入力軸と出力軸とは、前記ケース内に鉛直方向に離れてかつ互いに略平行に配設されていることを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
  3. 請求項1または2に記載の産業車両のトランスミッション装置において、
    前記油圧力発生手段は、前記クラッチ作動圧を発生させるクラッチ作動圧用油室と、前記クラッチ解除圧を発生させるクラッチ解除圧用油室とを、前記押圧部材の両側に形成する油室形成手段を有することを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
  4. 請求項3に記載の産業車両のトランスミッション装置において、
    前記クラッチ装置は、所定の変速比で動力を伝達する第1のクラッチ装置と、前記変速比とは異なる変速比で動力を伝達する第2のクラッチ装置とを有し、
    前記油圧力発生手段は、
    前記油圧源からの圧油を前記第1のクラッチ装置の前記クラッチ作動用油室に導く作動圧供給油路と、
    前記油圧源からの圧油を前記作動圧供給油路から分岐して前記第2のクラッチ装置の前記クラッチ解除用油室に導く解除圧供給油路とを有することを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
  5. 請求項3に記載の産業車両のトランスミッション装置において、
    前記クラッチ装置は、所定の変速比で動力を伝達する第1のクラッチ装置と、前記変速比とは異なる変速比で動力を伝達する第2のクラッチ装置とを有し、
    前記油圧力発生手段は、
    前記油圧源からの圧油を前記第1のクラッチ装置の前記クラッチ作動用油室に導く作動圧供給油路と、
    前記油圧源からの圧油を前記作動圧供給油路とは別経路により前記第2のクラッチ装置の前記クラッチ解除用油室に導く解除圧供給油路とを有することを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
  6. 請求項5に記載の産業車両のトランスミッション装置において、
    前記油圧源からの圧油を前記解除圧供給油路を介して前記第1の回転板および第2の回転板に導く潤滑油供給油路がさらに設けられることを特徴とする産業車両のトランスミッション装置。
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