JP4710520B2 - 変速機 - Google Patents

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本発明は、クラッチドラムの一部を遊星歯車機構のリングギヤで構成した変速機に関するものである。
従来、自動車等の車両に装備される変速機のクラッチ装置(例えば、特許文献1参照)には、クラッチドラムとクラッチハブが設けられ、クラッチドラムのディスク係合部の内側にクラッチハブのプレート係合部が配置され、ディスク係合部に複数の摩擦ディスクが内嵌状に係合され、プレート係合部に複数の摩擦プレートが外嵌状に係合され、これら摩擦ディスクと摩擦プレートが交互に配置されて多板クラッチが構成されている。
また、クラッチ装置には、多板クラッチを締結する為のクラッチピストンと、クラッチピストンのピストン部を軸方向へ摺動自在に収容するピストン収容部が設けられ、このピストン収容部のピストン部で仕切られた内側部分に、クラッチピストンを作動させる油圧が供給される油圧作動室が形成されている。この種のクラッチ装置として、クラッチドラムが入力軸に直結されたものが知られている。
ここで、従来の変速機には、遊星歯車機構を備えたものが広く実用に供されている。この遊星歯車機構は、サンギヤ、ピニオンギヤ、リングギヤを備え、リングギヤを入力軸に直結したものでは、入力軸の回転をピニオンギヤのピニオンキャリアから減速して出力し、この出力によりクラッチドラム等が回転駆動される。
ところで、特許文献1の変速機では、クラッチ装置の多板クラッチの内側に遊星歯車機構が設けられ、クラッチハブが入力軸に連結され、クラッチドラムが中間軸に連結され、ドラム状連結部材がクラッチドラムの外側を覆うように配設されて中空軸に連結され、このドラム状連結部材にリングギヤが連結されている。クラッチピストンはクラッチハブの内側に配設され、その内周部が中間軸に軸方向へ摺動自在に外嵌支持され、このクラッチピストンとクラッチドラムと中間軸とで囲まれた部分に油圧作動室が形成されている。
特開2004−52813号公報
従来の変速機では、特許文献1のように、クラッチ装置のクラッチドラム、クラッチハブ、遊星歯車機構のリングギヤが独立に設けられて配設され、更に、特許文献1の変速機では、リングギヤを配設するためにドラム状連結部材が必要となり、そのドラム状連結部材もクラッチドラムの外側を覆うような大型のものであるため、クラッチ装置と遊星歯車機構の全体の部品点数が多くなって構造が複雑になり、クラッチ装置及び遊星歯車機構が大型化し、つまり変速機が大型化するという問題がある。
ここで、クラッチドラムについては、ディスク係合部に複数の摩擦ディスクを装着して多板クラッチを構成するために設けられたものであるが、特許文献1の変速機では、油圧作動室の形成にも寄与している。しかし、その他の利用に供されるものでない。
本発明の目的は、クラッチ装置と遊星歯車機構の全体の部品点数を低減して構造を簡単化し、クラッチ装置及び遊星歯車機構をコンパクトに配置して小型化することができる、変速機を提供することである。
請求項1の変速機は、ディスク係合部を有するクラッチドラムと、ディスク係合部の内側に配置されたプレート係合部を有するクラッチハブと、ディスク係合部に係合された複数の摩擦ディスクとプレート係合部に係合された複数の摩擦プレートとを交互に配置した多板クラッチと、多板クラッチを締結する為のクラッチピストンと、クラッチピストンを作動させる油圧が供給される油圧作動室と、リングギヤを有する遊星歯車機構とを備えた変速機において、前記クラッチドラムの一部を前記遊星歯車機構のリングギヤで構成したことを特徴とする。
この変速機では、クラッチドラムのディスク係合部に係合された複数の摩擦ディスクと、クラッチハブのプレート係合部に係合された複数の摩擦プレートとが交互に配置されて多板クラッチが構成されている。油圧作動室に油圧が供給されると、その油圧を受けてクラッチピストンが作動して、クラッチピストンにより多板クラッチが押圧され締結される。クラッチドラムが回転すると、このクラッチドラムの一部を構成したリングギヤが一体的に回転し、遊星歯車機構が作動状態になる。
クラッチドラムの一部とリングギヤとが共通の部材で兼用されるため、クラッチドラムを有するクラッチ装置と遊星歯車機構の全体の部品点数が低減されて構造が簡単化し、これらクラッチ装置と遊星歯車機構の配置スペースが小さくなる。つまり、クラッチ装置及び遊星歯車機構を接近させコンパクトに配置して小型化することができる。
請求項1の発明には次の構成を採用できる。
前記クラッチドラムの軸心と同軸状に配設される回転軸を備え、前記クラッチドラムは、前記リングギヤの軸方向一端部と回転軸とを連結する第1のドラム部材と、リングギヤの軸方向他端部と前記ディスク係合部とを連結する第2のドラム部材とを有する(請求項2)。前記クラッチピストンは、前記リングギヤの円筒状の外周面に軸方向へ摺動自在に外嵌支持される円筒部を有する(請求項3)。
前記クラッチピストンは、前記円筒部から多板クラッチの方へ延びる出力部を有する(請求項4)。前記クラッチピストンはディスク部を有し、そのディスク部の外周部に前記円筒部が一体的に設けられ、前記油圧作動室は、前記クラッチドラムの第1のドラム部材及びリングギヤと、前記クラッチピストンのディスク部及び円筒部とで囲まれた部分に形成される(請求項5)。
前記クラッチピストンのディスク部に対して油圧作動室と反対側に、クラッチピストンの回転に伴う遠心力により発生する油圧をバランスさせる為の遠心バランス室を備えル(請求項6)。前記遊星歯車機構は、リングギヤが前記回転軸としての入力軸に第1のドラム部材を介して直結され、入力軸の回転を遊星歯車のキャリアから減速して出力するものである(請求項7)。
請求項1の変速機によれば、クラッチディスク、クラッチハブ、多板クラッチ、クラッチピストン、油圧作動室、遊星歯車機構を備えたものであり、クラッチドラムの一部を遊星歯車機構のリングギヤで構成したので、クラッチドラムの一部とリングギヤとを共通の部材で兼用でき、依って、クラッチドラムを有するクラッチ装置と遊星歯車機構の全体の部品点数を低減して構造を簡単化でき、これらクラッチ装置及び遊星歯車機構を接近させコンパクトに配置して小型化でき、変速機を小型化できる。しかも、リングギヤを一部に備えたクラッチドラムの剛性を特に補強することもなく高くすることができる。
請求項2の変速機によれば、クラッチドラムの軸心と同軸状に配設される回転軸を備え、クラッチドラムは、リングギヤの軸方向一端部と回転軸とを連結する第1のドラム部材と、リングギヤの軸方向他端部とディスク係合部とを連結する第2のドラム部材とを有するので、リングギヤを有効に利用して、クラッチドラムを構成することができる。
請求項3の変速機によれば、クラッチピストンは、リングギヤの円筒状の外周面に軸方向へ摺動自在に外嵌支持される円筒部を有するので、リングギヤを有効に利用して、クラッチピストンを軸方向へ移動自在に確実に案内して支持することができる。
請求項4の変速機によれば、クラッチピストンは、円筒部から多板クラッチの方へ延びる出力部を有するので、クラッチピストンが作動した場合に、その出力部で多板クラッチを確実に押圧して締結することができる。
請求項5の変速機によれば、クラッチピストンはディスク部を有し、そのディスク部の外周部に円筒部が一体的に設けられ、油圧作動室は、クラッチドラムの第1のドラム部材及びリングギヤと、クラッチピストンのディスク部及び円筒部とで囲まれた部分に形成されているので、クラッチドラムの第1のドラム部材とリングギヤを有効に利用して、油圧作動室を形成することができる。
請求項6の変速機によれば、クラッチピストンのディスク部に対して油圧作動室と反対側に、クラッチピストンの回転に伴う遠心力により発生する油圧をバランスさせる為の遠心バランス室を備えたので、遠心バランス室に遠心力により油圧を発生させて、この油圧と油圧作動室に遠心力により発生した油圧とをバランスさせ、クラッチピストンの作動、つまり多板クラッチへの締結制御を安定化させることができる。
請求項7の変速機によれば、遊星歯車機構は、リングギヤが回転軸としての入力軸に第1のドラム部材を介して直結され、入力軸の回転を遊星歯車のキャリアから減速して出力するものであるので、クラッチドラムを入力軸に直結した直結クラッチとして、このクラッチと遊星歯車機構に請求項1〜6の構造を適用可能になる。
本発明の変速機は、ディスク係合部を有するクラッチドラムと、ディスク係合部の内側に配置されたプレート係合部を有するクラッチハブと、ディスク係合部に係合された複数の摩擦ディスクとプレート係合部に係合された複数の摩擦プレートとを交互に配置した多板クラッチと、多板クラッチを締結する為のクラッチピストンと、クラッチピストンを作動させる油圧が供給される油圧作動室と、リングギヤを有する遊星歯車機構とを備え、クラッチドラムの一部が遊星歯車機構のリングギヤで構成されている。
図1、図2に示すように、自動車等の車両に装備される変速機1には、変速機ケース2が設けられ、この変速機ケース2の内部に、第1〜第4遊星歯車機構3〜6、LCL7(ロークラッチ)、HCL8(ハイクラッチ)、35RCL9(35リバースクラッチ)、OWCL10(ワンウェイクラッチ)、LRBrk11(ローリバースブレーキ)、26Brk12(26ブレーキ)、等が設けられている。
第1遊星歯車機構3において、サンギヤ3aが変速機ケース2に固定され、ピニオン3bのピニオンキャリア3cがLCL7の外周側のクラッチドラム7aに連結され、リングギヤ3dが入力軸15とHCL8の外周側のクラッチドラム8aに連結されている。第2遊星歯車機構4において、サンギヤ4aがLCL7の内周側のクラッチハブ7bに連結され、ピニオン4bのピニオンキャリア4cが出力ギヤ16と第3遊星歯車機構5のリングギヤ5dに連結され、リングギヤ4dがLRBrk11の内周側のドラム11aに連結されて、このドラム11aと変速機ケース2との間にOWCL10が介装されている。
第3遊星歯車機構5において、サンギヤ5aが26Brk12の内周側のドラム12aと35RCL9の内周側のクラッチハブ9bに連結され、ピニオン5bのピニオンキャリア5cがLRBrk11のドラム11aとHCL8の内周側のクラッチハブ8bに連結されている。第4遊星歯車機構6において、サンギヤ6aが変速機ケース2に固定され、ピニオン6bのピニオンキャリア6cが35RCL9の外周側のクラッチドラム9aに連結され、リングギヤ6dが入力軸15に連結されている。
LCL7、HCL8、35RCL9、LRBrk11、26Brk12が、ECU等の制御装置により夫々制御されて、変速機1の変速段が1〜6変速段と後退速段の何れに択一的に切り換えられる。図3は、各変速段における、LCL7、HCL8、35RCL9、LRBrk11、26Brk12、OWCL10の状態を示し、「○」が締結状態になるものである。尚、1速におけるOWCL10は加速時のみ締結状態になり、マニュアルモード等のエンジンブレーキが必要な場合にのみLRBrk11を締結状態にする。
次に、HCL8(以下、クラッチ装置20という)と、第1遊星歯車機構5(以下、遊星歯車機構40という)について、図4を参照して説明する。尚、図4の矢印aの方向が軸方向であり、適宜、図示の右側を前方として説明する。
クラッチ装置20は、ディスク係合部21aを有するクラッチドラム21(8a)、ディスク係合部21aの内側に配置されたプレート係合部22aを有するクラッチハブ22(8b)、ディスク係合部21aに係合された複数(例えば、6枚)の摩擦ディスク24とプレート係合部22aに係合された複数(例えば、5枚)の摩擦プレート25とを軸方向に交互に配置した多板クラッチ23、多板クラッチ23を締結する為のクラッチピストン26、クラッチピストン26を作動させる油圧が供給される油圧作動室27、クラッチピストン26を復帰させるリターンスプリング28、クラッチピストン26の回転に伴う遠心力により発生する油圧をバランスさせる為の遠心バランス室29を備えている。
遊星歯車機構40は、クラッチ装置30のクラッチドラム21の内側に配設され、サンギヤ41(3a)、リングギヤ42(3d)、ピニオンギヤ43(3b)を備え、クラッチ装置30のクラッチドラム21の一部がリングギヤ42で構成されている。
クラッチドラム21は、リングギヤ42、ディスク係合部21a、リングギヤ42の軸方向一端部(後端部)と入力軸15とを連結する第1ドラム部材21b、リングギヤ42の軸方向他端部(前端部)とディスク係合部21aの前端部とを連結する第2ドラム部材21cを有し、これらは夫々環状に形成されている。リングギヤ42は、ディスク係合部21aと略同じ軸方向長さでクラッチハブ22のプレート係合部22aよりも少し小径に形成され、軸方向において、大部分がプレート係合部22aの前側に配置され、後端部がプレート係合部22aとオーバーラップしている。
第1ドラム部材21bは、クラッチハブ22のプレート係合部22aの内側に鉛直姿勢で配置され、この第1ドラム部材21bの外周部がリングギヤ42の後端部に固着され、第1ドラム部材21bの内周部が入力軸15に固着されている。リングギヤ42の前端部はクラッチドラム21のディスク係合部21aの前端部よりも前側に位置し、このリングギヤ42とディスク係合部21aの前端部同士を連結する第2ドラム部材21cは、前側程小径化するテーパドラム状に形成されている。尚、ディスク係合部21aと第2ドラム部材21cは一体形成されている。
クラッチハブ22は、プレート係合部22a、ディスク部22bを有し、これらは夫々環状に形成されている。ディスク部22bは鉛直姿勢で配置され、このディスク部22bの外周部がプレート係合部22aの後端部に固着され、ディスク部22bの内周部が中間軸17に固着されている。尚、プレート係合部22aとディスク部22bは一体形成されている。
多板クラッチ23においては、クラッチドラム21のディスク係合部21aの内周面にスプライン溝が形成され、このスプライン溝に複数の摩擦ディスク24が軸方向へ移動自在に内嵌状にスプライン係合され、クラッチハブ22のプレート係合部22aの外周面にスプライン溝が形成され、このスプライン溝に複数の摩擦プレート25が軸方向へ移動自在に外嵌状にスプライン係合されている。複数の摩擦ディスク24と複数の摩擦プレート25とを軸方向に交互に配置した多板クラッチ23の軸方向両端に摩擦ディスク24が位置し、そのうちの前端の摩擦ディスク24の後方への移動を規制する規制部材30がディスク係合部21aのスプライン溝に固定されている。
クラッチピストン26は、ディスク部26a、円筒部26b、出力部26cを備え、これらは夫々環状に形成されている。ディスク部26aは、クラッチハブ22のプレート係合部22aの内側に且つクラッチドラム21の第1ドラム部材21bのすぐ前側に鉛直姿勢で配置され、ディスク部26aの内周部が入力軸15に固着され、ディスク部26aの外周部に円筒部26bが一体的に設けられている。ディスク部26aの前面は、クラッチドラム21の第1ドラム部材21bの後面と同形で当接可能に形成されている。
円筒部26bは、クラッチハブ22のプレート係合部22aよりも少し長い軸方向長さでプレート係合部22aよりも少し小径に形成され、プレート係合部22aの後側へ突出状に配置されている。円筒部26bの軸方向中間部(例えば、後端から前側へ軸方向長さの約1/3の部位)にディスク部26aが繋がり、円筒部26bはディスク部26aの前側の前部円筒部26b1とディスク部26aの後側の後部円筒部26b2とを有する。
前部円筒部26b1がリングギヤ42の円筒状の外周面に軸方向へ摺動自在に外嵌支持されている。出力部26cは、前部円筒部26b1の後端部から多板クラッチ23の方へ径方向外側に且つ前側に延び、クラッチピストン26が作動した場合、この出力部26cが多板クラッチ23を後側から押圧して締結する。ここで、出力部26cの途中部には、クラッチドラム21のテーパドラム状の第2ドラム部材21cに前側から対向する傾斜部が形成され、これにより、出力部26cの多板クラッチ23への締結・締結解除動作を確実にするように、出力部26cの軸方向の移動が許容される。
リングギヤ42の後端部分の外周面には、リングギヤ42と後部円筒部26b2との間をシールするシール部材31が装着されている。油圧作動室27は、クラッチドラム21の第1ドラム部材21b及びリングギヤ42の後端部分と、クラッチピストン26のディスク部26a及び後部円筒部26b2と、入力軸15とで囲まれた部分に形成されている。入力軸15に、油圧作動室27に油圧を供給する油路15aが形成されている。
バランス室29は、クラッチピストン26のディスク部26aに対して油圧作動室27と反対側(ディスク部26aの前側)に設けられている。クラッチハブ22のプレート係合部22aの内側においてクラッチピストン26のディスク部26aの前側に間隙を空けて、ディスク部26aと同径のディスク状のスプリングリテーナ32が鉛直姿勢で配置され、このスプリングリテーナ32の内周部が入力軸15に固着され、スプリングリテーナ32の外周部にクラッチピストン26の後部円筒部26b2が軸方向へ摺動自在に外嵌されている。
そして、クラッチピストン26のディスク部26a及び後部円筒部26b2と、スプリングリテーナ32と、入力軸15とで囲まれた部分にバランス室29が形成され、このバランス室29において、クラッチピストン26のディスク部26aとスプリングリテーナ32との間に複数の圧縮コイルバネからなるリターンスプリング28が装着されている。入力軸15に、バランス室29に油(潤滑油)を供給する油路15bが形成されている。
入力軸15が回転すると、その入力軸15と共に、クラッチドラム21、クラッチピストン26、スプリングリテーナ32、油圧作動室27、バランス室29が回転する。このとき、油圧作動室27には遠心力による油圧が発生するが、バランス室29にも同様に遠心力による油圧が発生するため、これら油圧がバランスするため、遠心力により発生した油圧でクラッチピストン26は駆動されない。
ここで、クラッチ装置20と遊星歯車機構40の周辺の構造について簡単に説明する。
LCL7とクラッチ装置20とが前後に直列状に配置され、このクラッチ装置7とLCL20との間に遊星歯車機構40が配置され、LCL7は、クラッチドラム7a、クラッチハブ7b、多板クラッチ7c、クラッチピストン7d、油圧作動室7e、リターンスプリング7f、バランス室7gを備えている。遊星歯車機構40と共に、クラッチ装置20のピストン26及び油圧作動室27及びバランス室29と、LCL7のピストン7d及び油圧作動室7e及びバランス室7gが、軸方向に密に接近配置されている。
LCL7の多板クラッチ7cとクラッチ装置20の多板クラッチ23は軸方向に接近して配設され、LCL7のクラッチハブ7bは、クラッチ装置20のクラッチハブ22の前側において中空軸18に連結され、クラッチ装置20の前側及び径方向外側を覆うように構成され、クラッチ装置20の多板クラッチ23の前側において徐々に小径化して、LCL7のクラッチドラム7aの内側に入り込む。
以上説明した変速機1によれば次の効果を奏する。
クラッチ装置20において、クラッチドラム21の一部を遊星歯車機構40のリングギヤ42で構成したので、クラッチドラム21の一部とリングギヤ42とを共通の部材で兼用でき、依って、クラッチ装置20と遊星歯車機構30の全体の部品点数を低減して構造を簡単化でき、これらクラッチ装置20及び遊星歯車機構30を接近させコンパクトに配置して小型化でき、また、クラッチ装置20と遊星歯車機構40と共にLCL7も接近させコンパクトに配置できるので、変速機1を小型化できる。しかも、リングギヤ42を一部に備えたクラッチドラム21の剛性を特に補強することもなく高くすることができる。
クラッチドラム21は、リングギヤ42の軸方向一端部と入力軸15とを連結する第1ドラム部材21bと、リングギヤ42の軸方向他端部とディスク係合部21aとを連結する第2ドラム部材21cとを有するので、リングギヤ43を有効に利用して、クラッチドラム21を構成することができる。
クラッチピストン26は、リングギヤ42の円筒状の外周面に軸方向へ摺動自在に外嵌支持される円筒部26bを有するので、リングギヤ42を有効に利用して、クラッチピストン26を軸方向へ移動自在に確実に案内して支持することができる。クラッチピストン26は、円筒部26bから多板クラッチ23の方へ延びる出力部26cを有するので、クラッチピストン26が作動した場合に、その出力部26cで多板クラッチ23を確実に押圧して締結することができる。
クラッチピストン26はディスク部26aを有し、そのディスク部26aの外周部に円筒部26bが一体的に設けられ、油圧作動室27は、クラッチドラム21の第1ドラム部材21b及びリングギヤ42と、クラッチピストン26のディスク部26a及び円筒部26bと、入力軸15とで囲まれた部分に形成されているので、クラッチドラム21の第1ドラム部材26bとリングギヤ42を有効に利用して、油圧作動室27を形成できる。
クラッチピストン26のディスク部26aに対して油圧作動室27と反対側に、クラッチピストン26の回転に伴う遠心力により発生する油圧をバランスさせる為の遠心バランス室29を備えたので、遠心バランス室29に遠心力により油圧を発生させて、この油圧と油圧作動室27に遠心力により発生した油圧とをバランスさせ、クラッチピストン26の作動、つまり多板クラッチ23への締結制御を安定化させることができる。
遊星歯車機構40は、リングギヤ42が入力軸15に第1ドラム部材21bを介して直結され、入力軸15の回転をピニオン43のキャリア44から減速して出力するものであるので、クラッチ装置20をクラッチドラム21を入力軸15に直結した直結クラッチとして、このクラッチ装置20と遊星歯車機構40に前記構造を適用可能になる。
実施例に係る変速機全体の縦断面図である。 変速機を模式的に示すスケルトン図である。 変速機の複数の変速段について複数の摩擦締結要素の状態を示す図表である。 変速機の要部のクラッチ装置を含む縦断面図である。
符号の説明
1 変速機
15 入力軸
20 クラッチ装置
21 クラッチドラム
21a ディスク係合部
21b 第1ドラム部材
21c 第2ドラム部材
22 クラッチハブ
22a プレート係合部
23 多板クラッチ
24 摩擦ディスク
25 摩擦プレート
26 クラッチピストン
26a ディスク部
26b 円筒部
26c 出力部
27 油圧作動室
29 遠心バランス室
40 遊星歯車機構
42 リングギヤ

Claims (7)

  1. ディスク係合部を有するクラッチドラムと、ディスク係合部の内側に配置されたプレート係合部を有するクラッチハブと、ディスク係合部に係合された複数の摩擦ディスクとプレート係合部に係合された複数の摩擦プレートとを交互に配置した多板クラッチと、多板クラッチを締結する為のクラッチピストンと、クラッチピストンを作動させる油圧が供給される油圧作動室と、リングギヤを有する遊星歯車機構とを備えた変速機において、
    前記クラッチドラムの一部を前記遊星歯車機構のリングギヤで構成したことを特徴とする変速機。
  2. 前記クラッチドラムの軸心と同軸状に配設される回転軸を備え、
    前記クラッチドラムは、前記リングギヤの軸方向一端部と回転軸とを連結する第1のドラム部材と、リングギヤの軸方向他端部と前記ディスク係合部とを連結する第2のドラム部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記クラッチピストンは、前記リングギヤの円筒状の外周面に軸方向へ摺動自在に外嵌支持される円筒部を有することを特徴とする請求項2に記載の変速機。
  4. 前記クラッチピストンは、前記円筒部から多板クラッチの方へ延びる出力部を有することを特徴とする請求項3に記載の変速機。
  5. 前記クラッチピストンはディスク部を有し、そのディスク部の外周部に前記円筒部が一体的に設けられ、前記油圧作動室は、前記クラッチドラムの第1のドラム部材及びリングギヤと、前記クラッチピストンのディスク部及び円筒部とで囲まれた部分に形成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の変速機。
  6. 前記クラッチピストンのディスク部に対して油圧作動室と反対側に、クラッチピストンの回転に伴う遠心力により発生する油圧をバランスさせる為の遠心バランス室を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の変速機。
  7. 前記遊星歯車機構は、リングギヤが前記回転軸としての入力軸に第1のドラム部材を介して直結され、入力軸の回転を遊星歯車のキャリアから減速して出力するものであることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の変速機。
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