JP4566044B2 - 変速機の前後進切替装置 - Google Patents

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Description

本発明は変速機の前後進切替装置、特に遊星歯車機構と第1,第2の摩擦係合要素とを備え、第1,第2の摩擦係合要素を交互に締結させることにより、前後進切替えを行う変速機の前後進切替装に関するものである。
特許文献1には、遊星歯車機構と前進用クラッチと後退用ブレーキとを備えた変速機の前後進切替装置が開示されている。
この前後進切替装置では、図10,図11に示すように、遊星歯車装置100のサンギヤ101が出力軸102に連結され、キャリア103と変速機ケース104との間に後退用ブレーキ105が介装され、リングギヤ106が入力軸107に連結され、キャリア103とリングギヤ106との間に前進用クラッチ108が介装されている。前進時には前進用クラッチ108を締結するとともに後退用ブレーキ105を解放し、後退時には後退用ブレーキ105を締結するとともに前進用クラッチ108を解放する。
前進用クラッチ108のクラッチドラム110の内径部は入力軸107にスプライン結合され、クラッチドラム110内に前進用クラッチ108を締結・解放する作動ピストン111が配置されている。作動ピストン111を復帰付勢するリターンスプリング112は、クラッチドラム110にスナップリング113で抜け止めされたスプリングリテーナ114によって一端が支持されている。一方、後退用ブレーキ105を締結・解放する作動ピストン120は変速機ケース104の内壁に形成されたシリンダ部121に収容されている。この作動ピストン120を復帰付勢するリターンスプリング122は、変速機ケース104にスナップリング123で抜け止めされたスプリングリテーナ124によって一端が支持されている。
上記のように従来の前後進切替装置では、前進用クラッチ108および後退用ブレーキ105にそれぞれリターンスプリング112,122が設定されているため、スペース効率が悪く、かつ部品数が多く、コスト高になるという問題がある。すなわち、スペース効率について考えると、前進用クラッチ108の作動ピストン111に対向してリターンスプリング112を配置する関係で、前進用クラッチ108の内径側にリターンスプリング112のためのスペースを確保しなければならない。特に、前進用クラッチ108のリターンスプリング112は、クラッチドラム110と共に回転するため、遠心力による撓みが発生し、その撓みを考慮した隙間を確保する必要がある。
また、部品数について考えると、前進用クラッチ108では、リターンスプリング112の他に、スプリングリテーナ114や、これを支持するためのスナップリング113が必要である。同様に、後退用ブレーキ105についても、リターンスプリング122、スナップリングリテーナ124、スナップリング123が必要であり、部品数の増加を招く。
さらに、クラッチドラム110や変速機ケース104へのスナップリング装着溝の加工、スナップリングの装着作業といった作業が必要になり、さらなるコスト上昇を招く結果となる。
特開2000−55150号公報
そこで、本発明の目的は、スペース効率を高めると同時に、部品数を減らし、コストを低減できる変速機の前後進切替装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転要素としてサンギヤと、リングギヤと、上記サンギヤとリングギヤとに噛み合うピニオンギヤを回転自在に支持したキャリアとを有する遊星歯車機構と、上記遊星歯車機構の1つの回転要素が入力部材に連結され、上記遊星歯車機構の他の1つの回転要素が出力部材に連結され、上記遊星歯車機構の2つの回転要素間又は何れかの回転要素と変速機ケースとの間に設けられた第1,第2の摩擦係合要素とを備え、上記第1,第2の摩擦係合要素を交互に締結させることにより、入力部材の回転を出力部材に対して同方向に伝達する状態と入力部材の回転を出力部材に対して逆方向に伝達する状態とに切替えを行う変速機の前後進切替装置において、上記第1,第2の摩擦係合要素の少なくとも一方はブレーキ要素であり、上記第1,第2の摩擦係合要素の作動ピストンは共に、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置され、上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの作動方向を対向させるとともに、上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの間であって、上記ブレーキ要素よりなる摩擦係合要素の摩擦材の外周側に、上記両作動ピストンを相反方向に付勢するリターンスプリングが配置されていることを特徴とする変速機の前後進切替装置を提供する。
第1の摩擦係合要素と第2の摩擦係合要素は前後進切替用の摩擦係合要素であり、両者が同時に締結することがないので、その作動ピストンも同時に作動することがない。そのため、両摩擦係合要素の作動ピストンの間にリターンスプリングを配置すれば、1種類のスプリングで両方の作動ピストンを戻すためのリターンスプリングに共用することができる。
2つの摩擦係合要素の少なくとも一方はブレーキ要素であり、両方の摩擦係合要素は共に静止シリンダ構造を持つ。つまり、摩擦係合要素の作動ピストンは共に、変速機ケースに一体形成され、あるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置されている。そのため、両方の摩擦係合要素の作動ピストンは共に回転せず、その間に配置されたリターンスプリングに捩れが発生せず、遠心力も作用しない。
リターンスプリングはブレーキ要素の摩擦材の外周側に配置されているため、他の作動機構と干渉せず、作動性を良好に保つことができる。
なお、前後進切り替えを行う場合に油圧の残圧があるとき、締結側ピストンが解放側ピストンより早く動くことがある。この場合に、締結側ピストンにより解放側のリターン力が付加されるため、リターン力が増加し、その分だけスプリング線径を小さくでき、小型化が可能になる。
好ましい実施の形態によれば、第1,第2の摩擦係合要素の一方をブレーキ要素とし、他方をクラッチ要素とし、クラッチ要素の作動ピストンは、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置されているのがよい。
両方の摩擦係合要素をともにブレーキ要素で構成することも可能であるが、前後進切替装置を構成する遊星歯車機構が複雑になる。これに対し、一方の摩擦係合要素をブレーキ要素とし、他方を静止シリンダ構造のクラッチ要素とすれば、遊星歯車機構を簡素に構成でき、小型化できる。
以上のように、本発明によれば、1種類のスプリングで第1の摩擦係合要素と第2の摩擦係合要素の両方の作動ピストンのリターンスプリングを兼ねることができるため、次のような効果を発揮できる。
第1に、各作動ピストンにリターンスプリングを設定する必要がなくなるため、リターンスプリングの本数を従来より約半分に削減できる。
第2に、リターンスプリング数を減らせることにより、リターンスプリングを支持しているスプリングリテーナの個数を削減できるとともに、リテーナ支持用のスナップリングを略全廃できる。
第3に、上記のようにリターンスプリングおよびスプリングリテーナの個数削減、スナップリングの略全廃を実現できることから、スナップリングの装着作業や装着溝の加工の削減、部品の組付忘れなども低減でき、大幅なコスト低減と信頼性向上とを実現できる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1〜図7は本発明にかかる変速機の一例である無段変速機を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。トルクコンバータ2と前後進切替装置4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6は、図3に示すように、変速機ケース5に固定されたポンプボデー7と、ポンプボデー7に対して固定されたポンプカバー8と、ポンプボデー7とポンプカバー8との間に収容されたポンプギヤ9とで構成されている。ポンプギヤ9はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結され、ステータ2cはワンウエイクラッチ2dを介してポンプカバー8により支持されている。
前後進切替装置4は、図3に示すように、遊星歯車機構40と逆転ブレーキ50と直結クラッチ60とで構成されている。遊星歯車機構40のサンギヤ41は入力回転部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42は出力回転部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車機構40はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、直結クラッチ60はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。直結クラッチ60を解放して逆転ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、逆転ブレーキ50を解放して直結クラッチ60を締結すると、遊星歯車機構40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。
なお、前後進切替装置4の具体的構造については後述する。
無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上にローラスプライン部13を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。可動シーブ11bの外周部には、背面側へ延びるピストン部12aが一体に形成され、このピストン部12aの外周部が駆動軸10に固定されたシリンダ12bの内周部に摺接している。可動シーブ11bとシリンダ12bとの間に油圧サーボ12の作動油室12cが形成され、この作動油室12cへの油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上にローラスプライン部23を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。このローラスプライン部23の構造は、駆動プーリ11のローラスプライン部13と同様である。可動シーブ21bの外周部には、背面側へ延びるシリンダ部22aが一体に形成され、このシリンダ部22aの内周部に従動軸20に固定されたピストン22bが摺接している。可動シーブ21bとピストン22bとの間に油圧サーボ22の作動油室22cが形成され、この作動油室22cの油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22cには初期推力を与えるスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
ここで、前後進切替装置4の具体的構造について、図3を参照しながら詳細に説明する。
キャリア44は円盤状のキャリアフランジ45と円環状のキャリアリム46とで構成されており、キャリアフランジ45の内径部はサンギヤ41とリングギヤ42との間を内径方向に延び、ブッシュ56を介して入力軸3に回転自在に支持されている。キャリアフランジ45の内径部は前後方向に延びており、この内径部と入力軸3との間に複数のブッシュ56を配置することにより、キャリアフランジ45の入力軸3に対する傾きが抑制される。キャリアフランジ45にはキャリアリム46に向かって軸方向に突出する複数(ここでは6個)の柱状部45aが一体に形成され、これら柱状部45aの間の空間にピニオンギヤ43が配置されている。上記柱状部45aの先端面とキャリアリム46とは焼結にて金属結合され、キャリアフランジ45とキャリアリム46とは一体的に固定されている。なお、溶接、ロー付、ネジ止めなどによって固定してもよい。
上記キャリアフランジ45とキャリアリム46との間に、ピニオンギヤ43を支持するピニオン軸47が架け渡して支持されている。また、ピニオンギヤ43の内周とピニオン軸47の外周との隙間にはニードルベアリング48が配置され、ピニオンギヤ43はピニオン軸47に対して回転自在である。キャリアリム46に挿入されたピニオン軸47の一端部は、キャリアリム46の半径方向外方から圧入されたローラピン49によってキャリアリム46に固定されている。
キャリアリム46の内周部に直結クラッチ60のクラッチ板61の外径部がスプライン係合しており、キャリアリム46の外周部には逆転ブレーキ50のブレーキ板51の内径部がスプライン係合している。このようにキャリアリム46は逆転ブレーキ50のブレーキハブと直結クラッチ60のクラッチドラムとを兼ねている。
逆転ブレーキ50のピストン52は、変速機ケース5のシリンダ部5a内に配置されており、シリンダ部5aに供給される油圧によりピストン52は作動され、ブレーキ板51を締結することができる。ピストン52の圧力によって押されたブレーキ板51の端部を支える反力部材として、静止部材であるポンプカバー8から円筒状のストッパ部8aが一体に突設されている。そのため、ブレーキ板51の端部を支えるスナップリングを省略できる。
図3に示すように、サンギヤ41は入力軸3に一体形成されたフランジ部3aの外周にスプライン嵌合しており、サンギヤ41の前側(エンジン側)には、直結クラッチ60のクラッチハブとなる円筒部41aが一体に突設されている。円筒部41aの外周に直結クラッチ60のクラッチ板61の内径部がスプライン係合している。サンギヤ41はピニオンギヤ43とかみ合っており、サンギヤ41の内周面とキャリアフランジ45の内径部の外周面との間にボールベアリング57が取り付けられている。
ポンプカバー8の背面側(前後進切替装置側)には断面コ字形のピストン62が配置され、このピストン62によって直結クラッチ60は締結される。クラッチ板61と対面するピストン62の側面には、相対回転を許容するスラストベアリング63が取り付けられている。そのため、ピストン62の軸方向圧力はクラッチ板61に効果的に伝達され、かつピストン62がクラッチ板61と連れ回りするのが防止される。なお、クラッチ板61の背後にはキャリアリム46の側面が位置しているため、ピストン62によって押されたクラッチ板61の端部をキャリアリム46で支えることができ、スナップリングや格別な反力部材を省略できる。
直結クラッチ用ピストン62の外周部側面にはスプリングリテーナ64が配置されており、このスプリングリテーナ64はピストン63より外周方向に突出し、この外周端と逆転ブレーキ用ピストン52との間にリターンスプリング65が配置されている。このスプリング65は、直結クラッチ用ピストン62と逆転ブレーキ用ピストン52の両方のリターンスプリングを兼ねるものであり、逆転ブレーキ50のブレーキ板51より外周側に適数個設けられている。逆転ブレーキ50と直結クラッチ60は同時に作動されることがないので、1種類のスプリング65で両者のリターンスプリングを兼ねることができる。
変速機ケース5の内壁面には、図4に示すように複数の大小のスプライン溝5b,5cが形成されている。ここでは、幅広なスプライン溝5bが120°間隔で3個設けられ、幅狭なスプライン溝5cは変速機ケース5の上側に6個設けられているが、スプライン溝の個数は任意である。ブレーキ板51の外周部には、図5に示すように複数の凸部51a,51bが突設されており、これら凸部51a,51bがスプライン溝5b,5cにそれぞれ軸方向に摺動自在に係合し、回り止めされている。すなわち、一対の凸部51aは幅広なスプライン溝5bの両側内側面に係合しており、凸部51は幅狭なスプライン溝5cに係合している。
図6に示すように、スプリングリテーナ64の外周部には複数(ここでは120度間隔で3個)のばね受け部64aが突設されており、各ばね受け部64aに複数本(ここでは3本)のリターンスプリング65の一端が取り付けられている。ばね受け部64aは、リターンスプリング65とともに、変速機ケース5の幅広なスプライン溝5bに軸方向移動自在に挿入されており、リターンスプリング65はブレーキ板51の一対の凸部51aの間に挿入されている(図7参照)。そのため、リターンスプリング65とブレーキ板51とが干渉することがない。
なお、逆転ブレーキ50のピストン52の軸方向端部、つまりブレーキ板51を押圧する部分の外周には、ばね受け部52aが一体に形成されており、このばね受け部52aにリターンスプリング65の他端が係合している。ばね受け部52aは変速機ケース5の幅広なスプライン溝5b内に軸方向摺動自在に挿入されている。
上記構成よりなる無段変速機において、前進時には、逆転ブレーキ50を締結し直結クラッチ60を解放することにより、トルクコンバータ2から入力される駆動力が逆転されかつ減速されて駆動プーリ11へ伝達される。そして、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と同一方向に駆動される。
一方、後進時には、直結クラッチ60を締結し逆転ブレーキ50を解放することにより、遊星歯車機構40の入力側(サンギヤ41)と出力側(リングギヤ42)とが直結されるため、トルクコンバータ2から入力された駆動力がそのまま駆動プーリ11へ伝達され、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と逆方向に駆動される。
このように、3軸構成でコンパクトな無段変速機を実現できる。
上記のように、この無段変速機では、一種類のスプリング65で逆転ブレーキ用ピストン52と直結クラッチ用ピストン62のリターンスプリングとを兼ねているので、次のような効果を有する。
すなわち、従来(図10参照)と対照すれば明らかなように、従来ではブレーキとクラッチとで個別のリターンスプリングを使用しているため、リターンスプリングを支持するスプリングリテーナも個別に必要であり、かつスプリングリテーナを支持するスナップリングも必要であった。これに対し、図3から明らかなように、本発明では逆転ブレーキ用ピストン52と直結クラッチ用ピストン62の間にリターンスプリング65を配置すればよいので、スプリングリテーナの個数を削減できるとともに、スナップリングを廃止できる。そのため、個別にリターンスプリングを設定する場合に比べてスペース効率が向上するとともに、部品数を減らすことができ、かつ組付作業工数を削減できる。
図3の実施例では、直結クラッチ用ピストン62にスプリングリテーナ64を介してリターンスプリング65を取り付けたが、ピストン62に直接リターンスプリング65を取り付けてもよい。
前後進切り替えを行う場合には、逆転ブレーキ50および直結クラッチ60の一方を締結し、他方を解放する。低温時のように解放側の係合要素の油圧低下が遅れると、締結側ピストンが解放側ピストンより早く始動することがある。本発明では、締結側ピストンと解放側ピストンとの間のリターンスプリング65が介装されているので、締結側ピストンにより解放側ピストンのリターン力が付加される。そのため、リターン力が増加し、解放側ピストンの解放速度が向上する。
図8は本発明にかかる前後進切替装置の第2実施例を示す。図8において、第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この前後進切替装置4’は、ダブルピニオン方式の遊星歯車機構40’と逆転ブレーキ50と直結クラッチ60とを備えたものである。遊星歯車機構40’のキャリア44に2種類のピニオンギヤ43A,43Bが支持され、一方のピニオンギヤ43Aはリングギヤ42とピニオンギヤ43Bとに噛み合い、他方のピニオンギヤ43Bはピニオンギヤ43Aとサンギヤ41とに噛み合っている。サンギヤ41は入力軸3と結合され、キャリア44は駆動軸10と結合されている。逆転ブレーキ50はリングギヤ42と変速機ケース5との間に設けられ、逆転ブレーキ50を作動させる作動ピストン52は変速機ケース5内に配置されている。直結クラッチ60はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられ、直結クラッチ60を作動させる作動ピストン62は静止部材であるオイルポンプカバー8に収容されている。作動ピストン62と直結クラッチ60のクラッチディスクとの間には、スラストベアリング63が配置されている。
逆転ブレーキ50を締結し、直結クラッチ60を解放すると、入力軸3の回転は逆転されて出力軸10に伝達され、逆転ブレーキ50を解放し、直結クラッチ60を締結すると、入力軸3と出力軸10とが直結される。
この実施例の場合も、逆転ブレーキ50の作動ピストン52と、直結クラッチ51の作動ピストン62との間にリターンスプリング65が配置されている。リターンスプリング65は逆転ブレーキ50の摩擦材の外周側に配置されている。
図9は本発明にかかる前後進切替装置の第3実施例を示す。図9において、第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この前後進切替装置4''は、2つのサンギヤと2つのキャリアと2つのリングギヤを持つ遊星歯車機構70と、2つのブレーキ80,90とを備えたものである。入力軸3は第1のサンギヤ71と第2のリングギヤ72とに連結され、出力軸10は第2のピニオンギヤ77を支持する第2のキャリア73と第1のリングギヤ74とに連結されている。第1のピニオンギヤ75を支持する第1のキャリア76は第1のブレーキ80に接続され、第2のサンギヤ78は第2のブレーキ90に接続されている。
第1のブレーキ80を解放し、第2のブレーキ90を締結すると、入力軸3の回転は減速されて出力軸10に伝達され、かつ入力軸3と出力軸10とは同一方向に回転する。一方、第1のブレーキ80を締結し、第2のブレーキ90を解放すると、入力軸3の回転は減速されて出力軸10に伝達され、かつ入力軸3と出力軸10とは逆方向に回転する。この実施例では、正転時、逆転時ともに所定の減速比を得ることができる。
この実施例の場合も、第1のブレーキ80の作動ピストン81と、第2のブレーキ90の作動ピストン91との間にリターンスプリング65が配置され、リターンスプリング65はブレーキ80,90の摩擦材の外周側に配置されている。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、本発明の前後進切替装置を無段変速機に適用した例を示したが、これに限るものではなく、有段変速機など如何なる変速機にも適用できることは勿論である。
本発明にかかる無段変速機の一例の展開断面図である。 図1に示す無段変速機のスケルトン図である。 図1に示す無段変速機の前後進切替装置の詳細断面図である。 変速機ケースの断面図である。 ブレーキ板(アウタ側)の側面図である。 スプリングリテーナの側面図およびB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 本発明にかかる前後進切替装置の第2実施例のスケルトン図である。 本発明にかかる前後進切替装置の第3実施例のスケルトン図である。 従来の前後進切替装置の構造図である。 図10の前後進切替装置のスケルトン図である。
符号の説明
4 前後進切替装置
40 遊星歯車機構
41 サンギヤ
42 リングギヤ
43 ピニオンギヤ
44 キャリア
50 逆転ブレーキ
51 ブレーキ板(摩擦材)
52 作動ピストン
60 直結クラッチ
62 作動ピストン
64 スプリングリテーナ
65 リターンスプリング

Claims (2)

  1. 回転要素としてサンギヤと、リングギヤと、上記サンギヤとリングギヤとに噛み合うピニオンギヤを回転自在に支持したキャリアとを有する遊星歯車機構と、上記遊星歯車機構の1つの回転要素が入力部材に連結され、上記遊星歯車機構の他の1つの回転要素が出力部材に連結され、上記遊星歯車機構の2つの回転要素間又は何れかの回転要素と変速機ケースとの間に設けられた第1,第2の摩擦係合要素とを備え、上記第1,第2の摩擦係合要素を交互に締結させることにより、入力部材の回転を出力部材に対して同方向に伝達する状態と入力部材の回転を出力部材に対して逆方向に伝達する状態とに切替えを行う変速機の前後進切替装置において、
    上記第1,第2の摩擦係合要素の少なくとも一方はブレーキ要素であり、
    上記第1,第2の摩擦係合要素の作動ピストンは共に、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置され、
    上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの作動方向を対向させるとともに、
    上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの間であって、上記ブレーキ要素よりなる摩擦係合要素の摩擦材の外周側に、上記両作動ピストンを相反方向に付勢するリターンスプリングが配置されていることを特徴とする変速機の前後進切替装置。
  2. 上記第1,第2の摩擦係合要素の一方はブレーキ要素であり、他方はクラッチ要素であり、
    上記クラッチ要素の作動ピストンは、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の前後進切替装置。
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