JP4566044B2 - 変速機の前後進切替装置 - Google Patents
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Description
この前後進切替装置では、図10,図11に示すように、遊星歯車装置100のサンギヤ101が出力軸102に連結され、キャリア103と変速機ケース104との間に後退用ブレーキ105が介装され、リングギヤ106が入力軸107に連結され、キャリア103とリングギヤ106との間に前進用クラッチ108が介装されている。前進時には前進用クラッチ108を締結するとともに後退用ブレーキ105を解放し、後退時には後退用ブレーキ105を締結するとともに前進用クラッチ108を解放する。
また、部品数について考えると、前進用クラッチ108では、リターンスプリング112の他に、スプリングリテーナ114や、これを支持するためのスナップリング113が必要である。同様に、後退用ブレーキ105についても、リターンスプリング122、スナップリングリテーナ124、スナップリング123が必要であり、部品数の増加を招く。
さらに、クラッチドラム110や変速機ケース104へのスナップリング装着溝の加工、スナップリングの装着作業といった作業が必要になり、さらなるコスト上昇を招く結果となる。
2つの摩擦係合要素の少なくとも一方はブレーキ要素であり、両方の摩擦係合要素は共に静止シリンダ構造を持つ。つまり、摩擦係合要素の作動ピストンは共に、変速機ケースに一体形成され、あるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置されている。そのため、両方の摩擦係合要素の作動ピストンは共に回転せず、その間に配置されたリターンスプリングに捩れが発生せず、遠心力も作用しない。
リターンスプリングはブレーキ要素の摩擦材の外周側に配置されているため、他の作動機構と干渉せず、作動性を良好に保つことができる。
なお、前後進切り替えを行う場合に油圧の残圧があるとき、締結側ピストンが解放側ピストンより早く動くことがある。この場合に、締結側ピストンにより解放側のリターン力が付加されるため、リターン力が増加し、その分だけスプリング線径を小さくでき、小型化が可能になる。
両方の摩擦係合要素をともにブレーキ要素で構成することも可能であるが、前後進切替装置を構成する遊星歯車機構が複雑になる。これに対し、一方の摩擦係合要素をブレーキ要素とし、他方を静止シリンダ構造のクラッチ要素とすれば、遊星歯車機構を簡素に構成でき、小型化できる。
第1に、各作動ピストンにリターンスプリングを設定する必要がなくなるため、リターンスプリングの本数を従来より約半分に削減できる。
第2に、リターンスプリング数を減らせることにより、リターンスプリングを支持しているスプリングリテーナの個数を削減できるとともに、リテーナ支持用のスナップリングを略全廃できる。
第3に、上記のようにリターンスプリングおよびスプリングリテーナの個数削減、スナップリングの略全廃を実現できることから、スナップリングの装着作業や装着溝の加工の削減、部品の組付忘れなども低減でき、大幅なコスト低減と信頼性向上とを実現できる。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
なお、前後進切替装置4の具体的構造については後述する。
キャリア44は円盤状のキャリアフランジ45と円環状のキャリアリム46とで構成されており、キャリアフランジ45の内径部はサンギヤ41とリングギヤ42との間を内径方向に延び、ブッシュ56を介して入力軸3に回転自在に支持されている。キャリアフランジ45の内径部は前後方向に延びており、この内径部と入力軸3との間に複数のブッシュ56を配置することにより、キャリアフランジ45の入力軸3に対する傾きが抑制される。キャリアフランジ45にはキャリアリム46に向かって軸方向に突出する複数(ここでは6個)の柱状部45aが一体に形成され、これら柱状部45aの間の空間にピニオンギヤ43が配置されている。上記柱状部45aの先端面とキャリアリム46とは焼結にて金属結合され、キャリアフランジ45とキャリアリム46とは一体的に固定されている。なお、溶接、ロー付、ネジ止めなどによって固定してもよい。
一方、後進時には、直結クラッチ60を締結し逆転ブレーキ50を解放することにより、遊星歯車機構40の入力側(サンギヤ41)と出力側(リングギヤ42)とが直結されるため、トルクコンバータ2から入力された駆動力がそのまま駆動プーリ11へ伝達され、従動プーリ21およびデファレンシャル装置30を介して出力軸32がエンジン回転方向と逆方向に駆動される。
このように、3軸構成でコンパクトな無段変速機を実現できる。
すなわち、従来(図10参照)と対照すれば明らかなように、従来ではブレーキとクラッチとで個別のリターンスプリングを使用しているため、リターンスプリングを支持するスプリングリテーナも個別に必要であり、かつスプリングリテーナを支持するスナップリングも必要であった。これに対し、図3から明らかなように、本発明では逆転ブレーキ用ピストン52と直結クラッチ用ピストン62の間にリターンスプリング65を配置すればよいので、スプリングリテーナの個数を削減できるとともに、スナップリングを廃止できる。そのため、個別にリターンスプリングを設定する場合に比べてスペース効率が向上するとともに、部品数を減らすことができ、かつ組付作業工数を削減できる。
図3の実施例では、直結クラッチ用ピストン62にスプリングリテーナ64を介してリターンスプリング65を取り付けたが、ピストン62に直接リターンスプリング65を取り付けてもよい。
この前後進切替装置4’は、ダブルピニオン方式の遊星歯車機構40’と逆転ブレーキ50と直結クラッチ60とを備えたものである。遊星歯車機構40’のキャリア44に2種類のピニオンギヤ43A,43Bが支持され、一方のピニオンギヤ43Aはリングギヤ42とピニオンギヤ43Bとに噛み合い、他方のピニオンギヤ43Bはピニオンギヤ43Aとサンギヤ41とに噛み合っている。サンギヤ41は入力軸3と結合され、キャリア44は駆動軸10と結合されている。逆転ブレーキ50はリングギヤ42と変速機ケース5との間に設けられ、逆転ブレーキ50を作動させる作動ピストン52は変速機ケース5内に配置されている。直結クラッチ60はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられ、直結クラッチ60を作動させる作動ピストン62は静止部材であるオイルポンプカバー8に収容されている。作動ピストン62と直結クラッチ60のクラッチディスクとの間には、スラストベアリング63が配置されている。
この実施例の場合も、逆転ブレーキ50の作動ピストン52と、直結クラッチ51の作動ピストン62との間にリターンスプリング65が配置されている。リターンスプリング65は逆転ブレーキ50の摩擦材の外周側に配置されている。
この前後進切替装置4''は、2つのサンギヤと2つのキャリアと2つのリングギヤを持つ遊星歯車機構70と、2つのブレーキ80,90とを備えたものである。入力軸3は第1のサンギヤ71と第2のリングギヤ72とに連結され、出力軸10は第2のピニオンギヤ77を支持する第2のキャリア73と第1のリングギヤ74とに連結されている。第1のピニオンギヤ75を支持する第1のキャリア76は第1のブレーキ80に接続され、第2のサンギヤ78は第2のブレーキ90に接続されている。
この実施例の場合も、第1のブレーキ80の作動ピストン81と、第2のブレーキ90の作動ピストン91との間にリターンスプリング65が配置され、リターンスプリング65はブレーキ80,90の摩擦材の外周側に配置されている。
上記実施例では、本発明の前後進切替装置を無段変速機に適用した例を示したが、これに限るものではなく、有段変速機など如何なる変速機にも適用できることは勿論である。
40 遊星歯車機構
41 サンギヤ
42 リングギヤ
43 ピニオンギヤ
44 キャリア
50 逆転ブレーキ
51 ブレーキ板(摩擦材)
52 作動ピストン
60 直結クラッチ
62 作動ピストン
64 スプリングリテーナ
65 リターンスプリング
Claims (2)
- 回転要素としてサンギヤと、リングギヤと、上記サンギヤとリングギヤとに噛み合うピニオンギヤを回転自在に支持したキャリアとを有する遊星歯車機構と、上記遊星歯車機構の1つの回転要素が入力部材に連結され、上記遊星歯車機構の他の1つの回転要素が出力部材に連結され、上記遊星歯車機構の2つの回転要素間又は何れかの回転要素と変速機ケースとの間に設けられた第1,第2の摩擦係合要素とを備え、上記第1,第2の摩擦係合要素を交互に締結させることにより、入力部材の回転を出力部材に対して同方向に伝達する状態と入力部材の回転を出力部材に対して逆方向に伝達する状態とに切替えを行う変速機の前後進切替装置において、
上記第1,第2の摩擦係合要素の少なくとも一方はブレーキ要素であり、
上記第1,第2の摩擦係合要素の作動ピストンは共に、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置され、
上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの作動方向を対向させるとともに、
上記第1の摩擦係合要素の作動ピストンと上記第2の摩擦係合要素の作動ピストンとの間であって、上記ブレーキ要素よりなる摩擦係合要素の摩擦材の外周側に、上記両作動ピストンを相反方向に付勢するリターンスプリングが配置されていることを特徴とする変速機の前後進切替装置。 - 上記第1,第2の摩擦係合要素の一方はブレーキ要素であり、他方はクラッチ要素であり、
上記クラッチ要素の作動ピストンは、変速機ケースに一体形成されあるいは変速機ケースに固定された静止シリンダ内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の前後進切替装置。
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