WO2017057008A1 - 舶用減速逆転装置 - Google Patents
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Abstract
航行中にロープの巻き込み等によってプロペラがロックした場合において、簡易な構成でありながら、焼き付き等の不具合が生じることを確実に防止することができる舶用減速逆転装置を提供する。そのため、舶用減速逆転装置(1)は、前進入力軸(12)と、前進ピニオン(15)と、前進クラッチ(14)とを有する前進伝達部(7)と、後進入力軸(16)と、後進ピニオン(19)と、後進クラッチ(18)とを有する後進伝達部(8)と、前進ピニオン(15)及び後進ピニオン(19)に常時噛合する出力ギア(22)と、出力ギア(22)を軸支するとともにプロペラ(20)に連結される出力軸(23)とを有する出力伝達部(9)とを備えるものであって、前進入力軸(12)から出力軸(23)の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段(50)を備え、過負荷検出手段(50)が過負荷状態を検出したときに、過負荷検出手段(50)によって、前進クラッチ(14)を「切」状態にする。
Description
本発明は、舶用減速逆転装置の技術に関する。
舶用減速逆転装置を備えた船舶においては、水中に浮遊するロープの巻き込み等によってプロペラがロックした場合、プロペラシャフトが引っ張られてハウジングが変形し出力軸に芯ずれが生じることによって、舶用減速逆転装置の破損を招く場合がある。
従来の舶用減速逆転装置では、装置の破損を防ぐために、プロペラがロックすることを前提として、出力軸が芯ずれを起こしたとしても、破損することがない程度のハウジング強度を有するように構成されることが一般的であり、舶用減速逆転装置のコストが高くなる要因となっている。
そして、プロペラがロックした場合に舶用減速逆転装置の破損を防止するための技術としては、例えば、特許文献1に示すような技術がある。
特許文献1に示された従来技術の舶用プロペラでは、プロペラのボス部分をプロペラシャフトに対して回動可能に取り付けるとともに、摩擦板式トルクリミッタをボス部分に内蔵して、その摩擦板式トルクリミッタを介してプロペラシャフトに連結する構成としている。
特許文献1に示された従来技術では、このような構成により、プロペラがロックした場合における過大な負荷トルクを効果的に除去することを可能にしている。
特許文献1に示された従来技術では、このような構成により、プロペラがロックした場合における過大な負荷トルクを効果的に除去することを可能にしている。
しかしながら、特許文献1に示された舶用プロペラでは、従来のプロペラに摩擦板式トルクリミッタを追加で設ける必要があるため、コストの増大が避けられず、また、経年劣化等によって摩擦板式トルクリミッタが正常に作動しない場合には、舶用減速逆転装置の破損を防止できないという懸念があった。
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、航行中にロープの巻き込み等によってプロペラがロックした場合において、簡易な構成でありながら、焼き付き等の不具合が生じることを確実に防止することができる舶用減速逆転装置を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、第一態様に係る舶用減速逆転装置は、前進伝達部と、後進伝達部と、出力伝達部と、ハウジングとを備える。前記前進伝達部は、駆動源からの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する。前記後進伝達部は、前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンとの間に介設される後進クラッチと、を有する。前記出力伝達部は、前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する。前記ハウジングは、前記前進伝達部と前記後進伝達部と前記出力伝達部を被装する。このような構成の舶用減速逆転装置が、前記前進入力軸から前記出力軸の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段を備え、前記過負荷検出手段が過負荷状態を検出したときに、前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチを「切」状態にするものである。
また、前記舶用減速逆転装置は、前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチを「切」状態とした後で、前記後進クラッチを「入」状態とするものである。
このような構成により、後進入力軸と後進ピニオンの相対回転を抑制して、後進伝達部におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
このような構成により、後進入力軸と後進ピニオンの相対回転を抑制して、後進伝達部におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
また、第二態様に係る舶用減速逆転装置は、前進伝達部と、後進伝達部と、出力伝達部と、ハウジングとを備える。前記前進伝達部は、駆動源からの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する。前記後進伝達部は、前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンとの間に介設される後進クラッチと、を有する。前記出力伝達部は、前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する。前記ハウジングは、前記前進伝達部と前記後進伝達部と前記出力伝達部を被装する。このような構成の舶用減速逆転装置が、前記前進入力軸から前記出力軸の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段を備え、前記過負荷検出手段が過負荷状態を検出したときに、前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチに作動油を供給する流量制御弁を制御して、前記前進クラッチの容量を増大させるものである。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記過負荷検出手段は、前記ハウジングに付設される歪みゲージと、前記歪みゲージの検出結果から歪み量を演算するととともに、演算結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備えるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置では、簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
このような構成の舶用減速逆転装置では、簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記過負荷検出手段は、前記出力軸の回転数を検出する第一の回転数検出手段と、前記前進入力軸の回転数を検出する第二の回転数検出手段と、前記第一の回転数検出手段と前記第二の回転数検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備えるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記過負荷検出手段は、前記出力軸の回転トルクを検出する第一のトルク検出手段と、前記前進入力軸の回転トルクを検出する第二のトルク検出手段と、前記第一のトルク検出手段と前記第二のトルク検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備えるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記駆動源はエンジンであって、前記過負荷検出手段は、前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出手段と、前記排気温度検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備えるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記駆動源はエンジンであって、前記過負荷検出手段は、前記エンジンの燃料噴射量を検出する燃料噴射量検出手段と、前記燃料噴射量検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備えるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
このような構成の舶用減速逆転装置では、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段を構成することができる。
また、第三態様に係る舶用減速逆転装置は、前進伝達部と、後進伝達部と、出力伝達部とを備える。前記前進伝達部は、エンジンからの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する。前記後進伝達部は、前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンの間に介設される後進クラッチと、を有する。前記出力伝達部は、前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する。このような構成の舶用減速逆転装置において、前記出力軸上に、プロペラシャフトを連結するためのカップリングを備えるとともに、前記プロペラシャフトの変位を吸収するための手段である変位吸収手段を備えるものである。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記カップリングは、前記出力軸側に固定される第一カップリングと、前記プロペラシャフト側に固定される第二カップリングと、からなり、前記変位吸収部は、前記出力軸と前記第一カップリングをスプライン結合した部位により構成されるものである。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
また、前記舶用減速逆転装置は、前記出力軸の後端部と前記第一カップリングの間に、弾性部材が介設されるものである。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
また、前記舶用減速逆転装置において、前記カップリングは、前記出力軸側に固定される第一カップリングと、前記プロペラシャフト側に固定される第二カップリングと、からなり、前記変位吸収部は、前記第一カップリングと前記第二カップリングの間に介設される第一の弾性部材により構成されるものである。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
このような構成により、舶用減速逆転装置において、変位吸収部を簡易に設けることができる。
また、前記舶用減速逆転装置は、前記出力軸の後端部と前記第一カップリングの間に、第二の弾性部材が介設されるものである。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
このような構成により、出力ギアの変位を確実に抑制して、前進伝達部におけるブッシュの焼き付きをより確実に防止することができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る舶用減速逆転装置によれば、ロープの巻き込み等によってプロペラがロックした場合において、簡易な構成でありながら、焼き付き等の不具合が生じることを確実に防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
尚、図1の矢印Fで示す方向を、舶用減速逆転装置1を搭載した図示せぬ船舶の前進方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前進方向を基準とする。
尚、図1の矢印Fで示す方向を、舶用減速逆転装置1を搭載した図示せぬ船舶の前進方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前進方向を基準とする。
まず、本発明の一実施形態に係る舶用減速逆転装置の構成について、図1~図5により説明する。
舶用減速逆転装置1は、船舶の船体本体の一部を兼ねるフライホイールハウジング2の後端部に取り付けられたハウジング3を有し、ハウジング3内には、エンジン10からの動力を減速した前進方向の減速動力(以下、「前進動力」とする)として出力する前進伝達部7、前進動力とは反対方向に回転する減速動力(以下、「後進動力」とする)として出力する後進伝達部8、これら前進伝達部7および後進伝達部8の一方からの動力を船舶のプロペラ20に出力する出力伝達部9、等が収容されている。
舶用減速逆転装置1は、船舶の船体本体の一部を兼ねるフライホイールハウジング2の後端部に取り付けられたハウジング3を有し、ハウジング3内には、エンジン10からの動力を減速した前進方向の減速動力(以下、「前進動力」とする)として出力する前進伝達部7、前進動力とは反対方向に回転する減速動力(以下、「後進動力」とする)として出力する後進伝達部8、これら前進伝達部7および後進伝達部8の一方からの動力を船舶のプロペラ20に出力する出力伝達部9、等が収容されている。
そして、フライホイールハウジング2には、エンジン10に連結されるフライホイール11が収容され、フライホイール11に、前進伝達部7の前進入力軸12の前端が連結されている。
これにより、エンジン10からの動力は、前進入力軸12に常時入力され、後で詳述するクラッチ14・18により、船舶前進時には、前進伝達部7がそのまま出力伝達部9に連結されて、前進動力がプロペラ20に伝達される一方、船舶後進時には、前進伝達部7が後進伝達部8を介して出力伝達部9に連結されて、後進動力がプロペラ20に伝達されるように構成している。
また、ハウジング3の上面には、オイルクーラ29が載置固定されると共に、ハウジング3の背面の右上部には、オイルフィルタ30が配置され、ハウジング3の背面の左部には、その上下位置に、後述するカバープレート36を介して、前後進切換バルブ28と油圧ポンプ27とが配置されている。
これにより、油圧ポンプ27が駆動されると、ハウジング3内の油溜まりから吸い込まれてオイルフィルタ30により濾過された作動油が、前後進切換バルブ28・油路31・流量制御弁33等を介して、各伝達部7・8に供給される。更に、作動油の一部は、オイルクーラ29により冷却されてから、潤滑油として各伝達部7・8に供給されるように構成される。
ハウジング3は、第一ケース4と第二ケース5とによって前後半割状に形成されるケース体34と、第二ケース5の後壁5aの上半部に複数のボルト35によって着脱可能に締結固定されるケースカバー6とから構成される。
第一ケース4において、その前面を閉塞する前壁4aの上部には、多段状の第一前進軸孔4bが前後方向に穿孔され、更に、背面視で第一前進軸孔4bの左斜め下方位置には、前方に窪んだ多段状の第一後進軸凹部4cが形成され、加えて、背面視で第一前進軸孔4bの直下方には、前方に窪んだ第一出力軸凹部4dが形成される。
第二ケース5において、その後面を閉塞する後壁5aには、第一前進軸孔4b、第一後進軸凹部4c、及び第一出力軸凹部4dの直後方位置に、それぞれ、第二前進軸孔5b、第二後進軸孔5c及び第二出力軸孔5dが穿孔されている。
ケースカバー6において、その後面を閉塞するカバー壁6aには、第二前進軸孔5b、第二後進軸孔5cの直後方位置に、それぞれ、カバー前進軸孔6b、カバー後進軸孔6cが穿孔されている。
このような構造のハウジング3において、前進伝達部7では、前進入力軸12の先端にスプライン部12aが設けられ、該スプライン部12aは、フライホイール11に設けた継手部11aのスプライン孔11bに、相対回転不能かつ軸方向摺動自在に挿嵌されている。更に、継手部11aは、第一ケース4の第一前進軸孔4b内において、機体側ボールベアリング37aを介して回動可能に支持される。
ここで、前進入力軸12に遊嵌される前進ピニオン15は、歯部15bを挟んで前後に、該歯部15bよりも小径の差し込み筒部15aと軸本体15cとが形成され、該軸本体15cには、インナードラム15eが後方に連設されている。
差し込み筒部15aは、第一ケース4の第一前進軸孔4bに、第一ボールベアリング37bとスリーブ39を介して回動可能に支持され、また、前記インナードラム15eは、第二ケース5の第二前進軸孔5bに、第二ボールベアリング37cを介して回動可能に支持されている。さらに、前進入力軸12は、前進ピニオン15よりも更に後方に延出され、その延出端は、ケースカバー6を貫通すると共に、該ケースカバー6のカバー前進軸孔6bに、第三ボールベアリング37dを介して回動可能に支持されている。
また、後進伝達部8でも、略同様に、後進入力軸16の先端部は、第一ケース4の第一後進軸凹部4cに嵌設した機体側ボールベアリング38a内に、相対回転不能かつ軸方向摺動自在に挿嵌されている。
後進入力軸16に遊嵌される後進ピニオン19も、歯部19bを挟んで前後に、歯部19bよりも小径の差し込み筒部19aと軸本体19cとが形成され、軸本体19cには、インナードラム19eが後方に連設されている。
差し込み筒部19aは、第一ケース4の第一後進軸凹部4cに、第一ボールベアリング38bとスリーブ40を介して回動可能に支持される。また、インナードラム19eは、前記第二ケース5の第二後進軸孔5cに、第二ボールベアリング38cを介して回動可能に支持されている。さらに、後進入力軸16の延出端も、ケースカバー6のカバー後進軸孔6cに、第三ボールベアリング38dを介して回動可能に支持されている。
次に、舶用減速逆転装置1による前後進の切換構成について、図2乃至図4により説明する。
前進伝達部7は、図3に示すように、前進入力軸12と、前進入力軸12の後端に外嵌して固設される前進入力ギア13と、前進入力軸12の前後途中に遊嵌される前進ピニオン15と、前進ピニオン15と前進入力ギア13との間に介設される前進クラッチ14とから構成される。
前進伝達部7は、図3に示すように、前進入力軸12と、前進入力軸12の後端に外嵌して固設される前進入力ギア13と、前進入力軸12の前後途中に遊嵌される前進ピニオン15と、前進ピニオン15と前進入力ギア13との間に介設される前進クラッチ14とから構成される。
前進クラッチ14は、湿式多板クラッチであって、前進ピニオン15の後端部に形成されるインナードラム15eと、前進入力ギア13に一体的に形成されるアウタードラム13aとが備えられ、アウタードラム13aに固設される複数のプレッシャープレート13bと、インナードラム15eに固設される複数のクラッチディスク15fとが交互に配置されている。
更に、前進入力ギア13の内側には、油圧ピストン25が配置されており、油圧ピストン25に作動油を供給し、作動油の油圧によって油圧ピストン25を前方に押動させることにより、インナードラム15e内で前進入力軸12の外周に巻回した戻しバネ32の弾性力に抗して、プレッシャープレート13bとクラッチディスク15f間が相互に圧接される。すると、プレッシャープレート13bとクラッチディスク15fを介して、アウタードラム13aとインナードラム15eとが連結され、前進クラッチ14が「クラッチ入」となり、前進ピニオン15が前進入力軸12と連結される。
一方、油圧ピストン25に作動油が供給されないと、戻しバネ32の弾性力によって油圧ピストン25は後方に押し戻され、プレッシャープレート13bとクラッチディスク15f間が相互に離間される。すると、アウタードラム13aとインナードラム15eとの連結が切れて、前進クラッチ14が「クラッチ切」となり、前進ピニオン15と前進入力軸12とが遮断される。
後進伝達部8も、図4に示すように、前進伝達部7と同様、前進入力軸12に平行な後進入力軸16と、後進入力軸16の後端に外嵌して固設される後進入力ギア17と、後進入力軸16の前後途中に遊嵌される後進ピニオン19と、後進ピニオン19と後進入力ギア17との間に介設される後進クラッチ18とから構成される。
後進クラッチ18も、湿式多板クラッチであって、前進クラッチ14と同様に、インナードラム19eのクラッチディスク19fとアウタードラム17aのプレッシャープレート17bが交互に配置されると共に、後進入力ギア17の内側には、油圧ピストン26が配置されている。
これにより、油圧ピストン26を作動油によって前方に押動させると、後進クラッチ18が「クラッチ入」となり、後進ピニオン19が後進クラッチ18を介して後進入力ギア17に連結され、逆に、油圧ピストン26に作動油が供給されないと、戻しバネ32によって油圧ピストン26が後方に押し戻され、後進クラッチ18が「クラッチ切」となり、後進ピニオン19と後進入力ギア17とが遮断される。
更に、後進伝達部8は、図2に示すように、前進伝達部7の左斜め下方に隣接して配置されると共に、後進伝達部8の後進入力ギア17は、前進伝達部7の前進入力ギア13に常時噛合されており、後進入力ギア17が、前進入力軸12から前進入力ギア13に伝達されてきた動力によって、常に駆動されるように構成される。
出力伝達部9は、図3に示すように、前進入力軸12に平行でプロペラ20(図5参照)に連結される出力軸23と、出力軸23の前部に外嵌して固設される出力ギア22とから構成され、出力ギア22は、前進伝達部7の前進ピニオン15と後進伝達部8の後進ピニオン19とに対し、常時噛合されている。
この場合、出力ギア22はピニオン15・19よりも大径であるため、前進伝達部7と出力伝達部9の間には、前進減速ギア列15・22が形成され、後進伝達部8と出力伝達部9の間には、後進減速ギア列19・22が形成されている。
ここで、舶用減速逆転装置1における前後進の切換手順について、図5を用いて説明する。
前後進切換バルブ28が中立位置にある場合は、前進伝達部7の油圧ピストン25、後進伝達部8の油圧ピストン26のいずれにも作動油が供給されず、前進クラッチ14、後進クラッチ18とも「クラッチ切」となる。
前後進切換バルブ28が中立位置にある場合は、前進伝達部7の油圧ピストン25、後進伝達部8の油圧ピストン26のいずれにも作動油が供給されず、前進クラッチ14、後進クラッチ18とも「クラッチ切」となる。
この場合、エンジン10からの動力により、前進入力軸12と前進入力ギア13が、一体となって回転し、前進入力ギア13に噛合する後進入力ギア17と、後進入力軸16も、一体となって回転する。しかし、前進ピニオン15および後進ピニオン19のいずれもが、前進入力軸12および後進入力軸16に対して空転状態となっており、前進ピニオン15および後進ピニオン19が同時噛合する出力ギア22には、動力が伝達されない。
そして、前後進切換バルブ28を前進位置に切り換えると、油圧ポンプ27により圧送されてきた作動油は、前進伝達部7の油圧ピストン25に供給される一方、後進伝達部8の油圧ピストン26には供給されず、前進クラッチ14のみが「クラッチ入」となる。
この場合、前進ピニオン15が前進クラッチ14を介して前進入力軸12に連結され、エンジン10からの動力が、前進入力軸12から前進減速ギア列15・22を介して、出力軸23に伝達されるようになり、出力軸23に連結されるプロペラが前進動力によって駆動される。一方、後進ピニオン19は後進入力軸16に対して空転状態となっており、後進ピニオン19から出力軸23には、動力が伝達されない。
また、前後進切換バルブ28を後進位置に切り換えると、作動油が後進伝達部8の油圧ピストン26に供給される一方、前進伝達部7の油圧ピストン25には供給されず、後進クラッチ18のみが「クラッチ入」となる。
この場合、後進ピニオン19が後進クラッチ18を介して後進入力ギア17に連結され、エンジン10からの動力が、前進入力軸12、前進入力ギア13、後進入力ギア17、後進クラッチ18から後進減速ギア列19・22を介して、出力軸23に伝達されるようになり、カップリング21およびプロペラシャフト24を介して出力軸23に連結されるプロペラ20は後進動力によって駆動される。この間、前進ピニオン15は前進入力軸12に対して空転状態となっており、前進ピニオン15から出力軸23には、動力が伝達されない。
ここで、プロペラ20にロープ等が絡まった場合における舶用減速逆転装置1の挙動について、図5~図7を用いて説明する。
前述のように構成される舶用減速逆転装置1では、プロペラ20(図5参照)にロープ等が絡まり、出力軸23が過負荷状態になると、図6に示すように、出力軸23には、その後端(カップリング21)側が上方に変位するような力が作用して、ハウジング3が変形して出力軸23に芯ずれが生じることが知られている。
出力軸23に芯ずれが生じると、出力ギア22が傾き、ひいては前進ピニオン15(および後進ピニオン19)が傾くことになる。
そして、前進ピニオン15が傾くと、前進ピニオン15と前進入力軸12の間に設けられているブッシュ15gが傾き、該ブッシュ15gが前進入力軸12と局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。また、ブッシュ15gがない状態であっても、前進入力軸12と前進ピ二オン15とが局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。
前述のように構成される舶用減速逆転装置1では、プロペラ20(図5参照)にロープ等が絡まり、出力軸23が過負荷状態になると、図6に示すように、出力軸23には、その後端(カップリング21)側が上方に変位するような力が作用して、ハウジング3が変形して出力軸23に芯ずれが生じることが知られている。
出力軸23に芯ずれが生じると、出力ギア22が傾き、ひいては前進ピニオン15(および後進ピニオン19)が傾くことになる。
そして、前進ピニオン15が傾くと、前進ピニオン15と前進入力軸12の間に設けられているブッシュ15gが傾き、該ブッシュ15gが前進入力軸12と局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。また、ブッシュ15gがない状態であっても、前進入力軸12と前進ピ二オン15とが局所的に接することとなり、この状態で前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転すると、焼き付きが生じることとなる。
そこで、舶用減速逆転装置1では、図7に示すように、出力軸23の過負荷状態を検出するための過負荷検出手段50を備える構成としている。
そして、舶用減速逆転装置1では、過負荷検出手段50が出力軸23の過負荷状態を検出したときに、前進クラッチ14を「切」の状態にして、出力軸23の過負荷状態を除去する構成としている。
そして、舶用減速逆転装置1では、過負荷検出手段50が出力軸23の過負荷状態を検出したときに、前進クラッチ14を「切」の状態にして、出力軸23の過負荷状態を除去する構成としている。
より具体的には、舶用減速逆転装置1では、航行中に過負荷検出手段50によって出力軸23の過負荷状態を検出したときに、過負荷検出手段50によって前後進切換バルブ28を中立位置に切り替えて、前進クラッチ14を「切」の状態とする。
そして、前進クラッチ14を「切」の状態にすると、前進ピニオン15は回転せず、前進入力軸12のみが回転する状態になるため、前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転しないようにすることができ、これにより、ブッシュ15gの焼き付きを防止することができる。
そして、前進クラッチ14を「切」の状態にすると、前進ピニオン15は回転せず、前進入力軸12のみが回転する状態になるため、前進ピニオン15と前進入力軸12が相対回転しないようにすることができ、これにより、ブッシュ15gの焼き付きを防止することができる。
ここで、過負荷検出手段50の構成について、説明する。
ここではまず、過負荷検出手段50の第一形態について、図3および図8を用いて説明する。
図3に示す如く、第一形態に係る過負荷検出手段50である第一過負荷検出手段51は、ハウジング3(本実施形態では、第二ケース5)に対して付設された歪みゲージ51aを備える構成としている。
ここではまず、過負荷検出手段50の第一形態について、図3および図8を用いて説明する。
図3に示す如く、第一形態に係る過負荷検出手段50である第一過負荷検出手段51は、ハウジング3(本実施形態では、第二ケース5)に対して付設された歪みゲージ51aを備える構成としている。
プロペラ20にロープ等が絡みついて出力軸23が過負荷状態となり、出力軸23に力が作用すると(図6参照)、ベアリング41を介して出力軸23を支持するハウジング3(第二ケース5)に影響がおよび、ハウジング3が変形しようとする。
第一過負荷検出手段51では、このような場合においてハウジング3の変形が予測される部位(例えば、ベアリング41配設部の近傍)に歪みゲージ51aを付設しておき、歪みゲージ51aによってハウジング3の変形を検出することによって、出力軸23の過負荷状態を検出する構成としている。
図8に示す如く、第一過負荷検出手段51は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段51bをさらに備えており、該制御手段51bによって、歪みゲージ51aによって検出したハウジング3の歪みの量が所定の閾値を超えた場合に、出力軸23が過負荷状態に至ったものと判断するとともに、前後進切換バルブ28に対して、前進クラッチ14を「切」とする(即ち、前後進切換バルブ28を中立位置とする)信号を出力する。
尚、本実施形態の第一過負荷検出手段51では、歪みの検出箇所をハウジング3としているが、過負荷検出手段による歪みの検出箇所はこれに限定されず、例えば、船体本体2に対してハウジング3を固定しているボルト(図1参照)の配置部位を歪みの検出箇所としてもよい。
即ち、舶用減速逆転装置1において、第一の過負荷検出手段50である第一過負荷検出手段51は、ハウジング3に付設される歪みゲージ51aと、歪みゲージ51aの検出結果から歪み量を演算するととともに、演算結果に基づいて出力軸23の過負荷状態を検出する制御手段51bを備えるものであり、簡易に過負荷検出手段50を構成することができる。
次に、過負荷検出手段50の第二形態について、図9(A)を用いて説明する。
図9(A)に示す如く、第二形態に係る過負荷検出手段50である第二過負荷検出手段52は、前進入力軸12の回転数を検出する第一のセンサ52aと、出力軸23の回転数を検出する第二のセンサ52bによって構成される。
尚、第一のセンサ52aと第二のセンサ52bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
図9(A)に示す如く、第二形態に係る過負荷検出手段50である第二過負荷検出手段52は、前進入力軸12の回転数を検出する第一のセンサ52aと、出力軸23の回転数を検出する第二のセンサ52bによって構成される。
尚、第一のセンサ52aと第二のセンサ52bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
第二過負荷検出手段52は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段52cをさらに備えている。該制御手段52cには、航行中にプロペラ20にロープ等が絡まった場合に、前進入力軸12の回転数と出力軸23の回転数の相関に係る情報が予め記憶されており、斯かる相関情報と出力軸23の回転数の状況を照合することによって、出力軸23の過負荷状態にあるか否かを、制御手段52cによって判断する。
より具体的には、前進入力軸12の回転数に、舶用減速逆転装置1の減速比を乗じた値と、出力軸23の回転数を比較して、両数値に差異がある場合には、出力軸23が過負荷状態にあり、前進クラッチ14にスリップが生じるものと判断して、前進クラッチ14を「切」とする。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
即ち、舶用減速逆転装置1において、第二の過負荷検出手段50である第二過負荷検出手段52は、出力軸23の回転数を検出する第一の回転数検出手段52aと、前進入力軸12の回転数を検出する第二の回転数検出手段52bと、第一の回転数検出手段52aと第二の回転数検出手段52bの検出結果に基づいて出力軸23の過負荷状態を検出する制御手段52cを備えるものであり、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段50を構成することができる。
次に、過負荷検出手段50の第三形態について、図9(B)を用いて説明する。
図9(B)に示す如く、第三形態に係る過負荷検出手段50である第三過負荷検出手段53は、前進入力軸12の回転トルクを検出する第一トルクセンサ53aと、出力軸23の回転トルクを検出する第二トルクセンサ53bによって構成される。
尚、第一トルクセンサ53aと第二トルクセンサ53bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
図9(B)に示す如く、第三形態に係る過負荷検出手段50である第三過負荷検出手段53は、前進入力軸12の回転トルクを検出する第一トルクセンサ53aと、出力軸23の回転トルクを検出する第二トルクセンサ53bによって構成される。
尚、第一トルクセンサ53aと第二トルクセンサ53bは、船舶において通常備え付けられている既存のセンサを用いることができる。
第三過負荷検出手段53は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段53cをさらに備えている。該制御手段53cには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合に、前進入力軸12の回転トルクと出力軸23の回転トルクの相関に係る情報が予め記憶されており、斯かる相関情報と出力軸23の回転トルクの変化を照合することによって、航行中に出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段53cによって判断する。
より具体的には、前進入力軸12の回転トルクに、舶用減速逆転装置1の減速比の逆数および効率を乗じた値と、出力軸23の回転トルクを比較して、両数値に差異がある場合には、出力軸23が過負荷状態にあり、前進クラッチ14にスリップが生じるものと判断して、前進クラッチ14を「切」とする。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
これにより、前進クラッチ14のスリップを回避して、前進クラッチ14のクラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止する。
即ち、舶用減速逆転装置1において、第三の過負荷検出手段50である第三過負荷検出手段53は、出力軸23の回転トルクを検出する第一のトルク検出手段53aと、前進入力軸12の回転トルクを検出する第二のトルク検出手段53bと、第一のトルク検出手段53aと第二のトルク検出手段53bの検出結果に基づいて出力軸23の過負荷状態を検出する制御手段53cを備えるものであり、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段50を構成することができる。
次に、過負荷検出手段50の第四形態について、図10(A)を用いて説明する。
図10(A)に示す如く、第四形態に係る過負荷検出手段50である第四過負荷検出手段54は、エンジン10から排出される排気の温度を検出する温度センサ54aによって構成される。
第四過負荷検出手段54は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段54bをさらに備えている。該制御手段54bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の排気温度の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10からの排気温度の検出結果を照合することによって、航行中に出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段54bによって判断する。
図10(A)に示す如く、第四形態に係る過負荷検出手段50である第四過負荷検出手段54は、エンジン10から排出される排気の温度を検出する温度センサ54aによって構成される。
第四過負荷検出手段54は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段54bをさらに備えている。該制御手段54bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の排気温度の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10からの排気温度の検出結果を照合することによって、航行中に出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段54bによって判断する。
即ち、舶用減速逆転装置1において、第四の過負荷検出手段50である第四過負荷検出手段54は、エンジン10の排気温度を検出する排気温度検出手段たる温度センサ54aと、温度センサ54aの検出結果に基づいて出力軸23の過負荷状態を検出する制御手段54bを備えるものであり、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段50を構成することができる。
次に、過負荷検出手段50の第五形態について、図10(B)を用いて説明する。
図10(B)に示す如く、第五形態に係る過負荷検出手段50である第五過負荷検出手段55は、エンジン10における燃料噴射量を検出する燃料噴射量センサ55aによって構成される。
第五過負荷検出手段55は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段55bをさらに備えている。該制御手段55bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の燃料噴射量の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10における燃料噴射量の検出結果を照合することによって、航行中に出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段55bによって判断する。
図10(B)に示す如く、第五形態に係る過負荷検出手段50である第五過負荷検出手段55は、エンジン10における燃料噴射量を検出する燃料噴射量センサ55aによって構成される。
第五過負荷検出手段55は、記憶手段、演算手段等からなる制御手段55bをさらに備えている。該制御手段55bには、プロペラ20にロープ等が絡まった場合におけるエンジン10の燃料噴射量の変化に係る情報が予め記憶されており、斯かる情報とエンジン10における燃料噴射量の検出結果を照合することによって、航行中に出力軸23が過負荷状態にあるか否かを、制御手段55bによって判断する。
即ち、舶用減速逆転装置1において、第五の過負荷検出手段50である第五過負荷検出手段55は、エンジン10の燃料噴射量を検出する燃料噴射量検出手段たる燃料噴射量センサ55aと、燃料噴射量センサ55aの検出結果に基づいて出力軸23の過負荷状態を検出する制御手段55bを備えるものであり、既存の装置を用いて、より簡易に過負荷検出手段50を構成することができる。
そして、舶用減速逆転装置1では、前述した第一から第五の形態のみならず、種々の形態の過負荷検出手段50によって出力軸23の過負荷状態を検出し、前進クラッチ14を「切」とすることによって、過負荷状態における前進クラッチ14のスリップを回避して、クラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止することができる。
即ち、舶用減速逆転装置1は、前進伝達部7と、後進伝達部8と、出力伝達部9と、ハウジング3とを備える。前進伝達部7は、駆動源たるエンジン10からの回転が入力される前進入力軸12と、前進入力軸12に遊嵌される前進ピニオン15と、前進入力軸12と前進ピニオン15との間に介設される前進クラッチ14と、を有する。後進伝達部8は、前進入力軸12と逆方向の回転が入力される後進入力軸16と、後進入力軸16に遊嵌される後進ピニオン19と、後進入力軸16と後進ピニオン19との間に介設される後進クラッチ18と、を有する。出力伝達部9は、前進ピニオン15及び後進ピニオン19に常時噛合する出力ギア22と、出力ギア22を軸支するとともにプロペラ20に連結される出力軸23と、を有する。ハウジング3は、前進伝達部7と後進伝達部8と出力伝達部9を被装する。さらに舶用減速逆転装置1は、前進入力軸12から出力軸23の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段50を備え、航行中に過負荷検出手段50が過負荷状態を検出したときに、過負荷検出手段50によって、前進クラッチ14を「切」状態にするものである。
斯かる構成の舶用減速逆転装置1では、簡易な構成によって、ロープの巻き込み等によってプロペラ20がロックした場合において、焼き付き等の不具合が生じることを確実に防止することができる。
尚、過負荷検出手段50を備えた舶用減速逆転装置1では、出力軸23の過負荷状態を検出したときに、前進クラッチ14を「切」とする代わりに、エンジン10の回転数を即座に低下させる構成としてもよい。
また、過負荷検出手段50を備えた舶用減速逆転装置1では、出力軸23の過負荷状態を検出して前進クラッチ14を「切」とした後で、後進クラッチ18を「入」とすることがより好ましい。
舶用減速逆転装置1では、過負荷検出手段50によって前進クラッチ14を「切」とした後で、後進クラッチ18を「入」とすることによって、後進入力軸16と後進ピニオン19の相対回転を解消することができる。
これにより、舶用減速逆転装置1では、後進入力軸16と後進ピニオン19の間に設けたブッシュ(図示せず)の焼き付きを防止することができる。
これにより、舶用減速逆転装置1では、後進入力軸16と後進ピニオン19の間に設けたブッシュ(図示せず)の焼き付きを防止することができる。
即ち、舶用減速逆転装置1は、過負荷検出手段50によって、前進クラッチ14を「切」状態とした後で、後進クラッチ18を「入」状態とするものである。
このような構成により、後進入力軸16と後進ピニオン19の相対回転を抑制して、後進伝達部8におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
このような構成により、後進入力軸16と後進ピニオン19の相対回転を抑制して、後進伝達部8におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
尚、ここまでに示した各実施形態に係る過負荷検出手段50では、過負荷を検出したときに、前進クラッチ14を「切」の状態にするものを例示しているが、過負荷検出手段50によって過負荷を検出したときにおける前進クラッチ14の動作の態様はこれに限定されない。
例えば、図11に示す如く、過負荷検出手段50で過負荷を検出したときに、前進クラッチ14を完全に「切」の状態にするのではなく、前進クラッチ14の容量を調整する構成としてもよい。
尚、ここでいう「前進クラッチ14の容量を調整する」とは、前進クラッチ14に滑りが生じないように、油圧ピストン25による押圧力を増大させることを意味している。
尚、ここでいう「前進クラッチ14の容量を調整する」とは、前進クラッチ14に滑りが生じないように、油圧ピストン25による押圧力を増大させることを意味している。
そして、舶用減速逆転装置1では、過負荷検出手段50によって出力軸23の過負荷状態を検出したときに、流量制御弁33(図5参照)によって、前進クラッチ14への作動油の供給量を増大させて、前進クラッチ14の容量を増大させることによって、過負荷状態における前進クラッチ14のスリップを回避して、クラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止することができる。
即ち、舶用減速逆転装置1は、前進伝達部7と、後進伝達部8と、出力伝達部9と、ハウジング3とを備えている。前進伝達部7は、駆動源たるエンジン10からの回転が入力される前進入力軸12と、前進入力軸12に遊嵌される前進ピニオン15と、前進入力軸12と前進ピニオン15の間に介設される前進クラッチ14と、を有する。後進伝達部8は、前進入力軸12と逆方向の回転が入力される後進入力軸16と、後進入力軸16に遊嵌される後進ピニオン19と、後進入力軸16と後進ピニオン19の間に介設される後進クラッチ18と、を有する。出力伝達部9は、前進ピニオン15及び後進ピニオン19に常時噛合する出力ギア22と、出力ギア22を軸支するとともにプロペラ20に連結される出力軸23と、を有する。ハウジング3は、前進伝達部7と後進伝達部8と出力伝達部9を被装する。さらに、舶用逆転減速装置1は、前進入力軸12から出力軸23の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段50を備え、航行中に過負荷検出手段50が過負荷状態を検出したときに、過負荷検出手段50によって、前進クラッチ14に作動油を供給する流量制御弁33を制御して、前進クラッチ14の容量を増大させるものである。
斯かる構成の舶用減速逆転装置1では、簡易な構成によって、ロープの巻き込み等によってプロペラ20がロックした場合において、焼き付き等の不具合が生じることを確実に防止することができる。
次に、別実施形態に係る舶用減速逆転装置について、図12~図15を用いて説明する。
図12に示す如く、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50を備える代わりに、過負荷状態において出力軸23に作用する力を吸収するための手段である変位吸収手段70を備える構成としている。
尚、ここでは、過負荷検出手段50を備える代わりに変位吸収手段70を備える構成を例示しているが、過負荷検出手段50と変位吸収手段70を併用する構成としてもよい。
また、本実施形態で示す舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50以外の部位については舶用減速逆転装置1の構成と共通しているため、ここでの説明は省略する。
図12に示す如く、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50を備える代わりに、過負荷状態において出力軸23に作用する力を吸収するための手段である変位吸収手段70を備える構成としている。
尚、ここでは、過負荷検出手段50を備える代わりに変位吸収手段70を備える構成を例示しているが、過負荷検出手段50と変位吸収手段70を併用する構成としてもよい。
また、本実施形態で示す舶用減速逆転装置60は、過負荷検出手段50以外の部位については舶用減速逆転装置1の構成と共通しているため、ここでの説明は省略する。
図13に示す如く、第一形態に係る変位吸収手段70である第一変位吸収手段71は、出力軸23の後端部23aに形成された外歯溝23bと、第一カップリング21aに形成された内歯溝21cによって構成されており、外歯溝23bが形成された出力軸23と内歯溝21cが形成された第一カップリング21aをスプライン結合することができるように構成されるものである。
そして、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、出力軸23と第一カップリング21aをスプライン結合しているため、外歯溝23bの形成範囲において、出力軸23の軸方向に第一カップリング21aが変位可能である。このため、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、プロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができ、これにより、出力軸23上に固定されている出力ギア22の傾き(図6参照)を抑制することができる。
そして、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、出力軸23と第一カップリング21aをスプライン結合しているため、外歯溝23bの形成範囲において、出力軸23の軸方向に第一カップリング21aが変位可能である。このため、第一変位吸収手段71を備えた舶用減速逆転装置60では、プロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができ、これにより、出力軸23上に固定されている出力ギア22の傾き(図6参照)を抑制することができる。
即ち、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60において、カップリング21は、出力軸23側に固定される第一カップリング21aと、プロペラシャフト24側に固定される第二カップリング21bと、からなり、変位吸収手段70は、出力軸23と第一カップリング21aをスプライン結合した部位により構成されるものである。
このような構成により、舶用減速逆転装置1において、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
このような構成により、舶用減速逆転装置1において、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
また、図13に示す如く、第一変位吸収手段71は、出力軸23の後端部と第一カップリング21aとの間に隙間を形成するとともに、該隙間に弾性体たる皿バネ42を配置する構成としている。
皿バネ42は、リング状の形態を有しており、出力軸23の軸方向に変位したときに、ハウジング3に作用する力を該皿バネ42によって吸収する構成としている。
そして、皿バネ42によって、ハウジング3に作用する力を吸収することによって、ハウジング3の変形を抑制し、ひいては、ハウジング3の変形による出力軸23の変位を抑制して、ブッシュ15g(図6参照)の焼き付きを防止することができる。
皿バネ42は、リング状の形態を有しており、出力軸23の軸方向に変位したときに、ハウジング3に作用する力を該皿バネ42によって吸収する構成としている。
そして、皿バネ42によって、ハウジング3に作用する力を吸収することによって、ハウジング3の変形を抑制し、ひいては、ハウジング3の変形による出力軸23の変位を抑制して、ブッシュ15g(図6参照)の焼き付きを防止することができる。
尚、本実施形態では、出力軸23と第一カップリング21aがスプライン結合される場合に、皿バネ42を設ける場合を例示したが、皿バネ42は、出力軸23と第一カップリング21aがスプライン結合されない場合に設けてもよく、例えば、出力軸23と第一カップリング21aが焼き嵌めされている場合に設けてもよい。
また、図14に示す如く、第二形態に係る変位吸収手段70である第二変位吸収手段72は、カップリング21を螺合するためのボルト72aの周囲に配設された筒型ゴム72bによって構成される。
第二変位吸収手段72を備えた舶用減速逆転装置60では、ボルト72aの周囲に筒型ゴム72bが配設されているため、航行中にプロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、ボルト72aの頭部が筒型ゴム72bに対して押し込まれて、筒型ゴム72bが変形することによって、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができる。
また、第二変位吸収手段72を備えた舶用減速逆転装置60では、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができるだけでなく、出力軸23に対して第一カップリング21aから後の部分を傾けることができるため、出力軸23上に固定された出力ギア22の変位をより確実に防止することができる。
また、第二変位吸収手段72を備えた舶用減速逆転装置60では、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができるだけでなく、出力軸23に対して第一カップリング21aから後の部分を傾けることができるため、出力軸23上に固定された出力ギア22の変位をより確実に防止することができる。
また、図15に示す如く、第三形態に係る変位吸収手段70である第三変位吸収手段73は、第一カップリング21aと第二カップリング21bの間に、弾性部材73aを介設する構成としている。
第三変位吸収手段73を構成する弾性部材73aは、略円柱状の形態を有する弾性ゴムからなる部材を採用することができる。弾性部材73aは、出力軸23の軸方向に伸縮可能であるとともに可倒性を有している。
第三変位吸収手段73を備えた舶用減速逆転装置60では、航行中にプロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、弾性部材73aが変形することによって、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができる。
第三変位吸収手段73を構成する弾性部材73aは、略円柱状の形態を有する弾性ゴムからなる部材を採用することができる。弾性部材73aは、出力軸23の軸方向に伸縮可能であるとともに可倒性を有している。
第三変位吸収手段73を備えた舶用減速逆転装置60では、航行中にプロペラ20にロープ等が絡まって、プロペラシャフト24に後ろ向きの引張力が作用したときに、弾性部材73aが変形することによって、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができる。
また、第二変位吸収手段73を備えた舶用減速逆転装置60では、第一カップリング21aから後の部分を後側に変位させることができるだけでなく、出力軸23に対して第一カップリング21aから後の部分を傾けることができるため、出力軸23上に固定された出力ギア22が傾いたり変位したりすることをより確実に防止することができる。
即ち、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60において、カップリング21は、出力軸23側に固定される第一カップリング21aと、プロペラシャフト24側に固定される第二カップリング21bと、からなり、第二変位吸収手段72および第三変位吸収手段73は、第一カップリング21aと第二カップリング21bの間に介設される第一の弾性部材たる筒型ゴム72bおよび弾性部材73aにより構成されるものである。
このような構成の舶用減速逆転装置60では、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
このような構成の舶用減速逆転装置60では、変位吸収手段70を簡易に設けることができる。
また、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60においては、出力軸23の後端部23aと第一カップリング21aの間に、第二の弾性部材である皿バネ42が介設されるものである。
このような構成により、出力ギア22の変位を確実に抑制して、前進伝達部7におけるブッシュ15gの焼き付きをより確実に防止することができる。
このような構成により、出力ギア22の変位を確実に抑制して、前進伝達部7におけるブッシュ15gの焼き付きをより確実に防止することができる。
以上のように、別実施形態に係る舶用減速逆転装置60は、前進伝達部7と、後進伝達部8と、出力伝達部9とを備える。前進伝達部7は、エンジン10からの回転が入力される前進入力軸12と、前進入力軸12に遊嵌される前進ピニオン15と、前進入力軸12と前進ピニオン15の間に介設される前進クラッチ14と、を有する。後進伝達部8は、前進入力軸12と逆方向の回転が入力される後進入力軸16と、後進入力軸16に遊嵌される後進ピニオン19と、後進入力軸16と後進ピニオン19の間に介設される後進クラッチ18と、を有する。出力伝達部9は、前進ピニオン15及び後進ピニオン19に常時噛合する出力ギア22と、出力ギア22を軸支するとともにプロペラ20に連結される出力軸23と、を有する。さらに、舶用減速逆転装置60は、出力軸23上に、プロペラシャフト24を連結するためのカップリング21を備えるとともに、プロペラシャフト24の変位を吸収するための手段である変位吸収手段70を備えるものである。
このような構成により、簡易な構成によって、航行中にロープの巻き込み等によってプロペラ20がロックした場合において、出力ギア22の変位を抑制して、前進伝達部7におけるブッシュの焼き付きを防止することができる。
尚、舶用減速逆転装置は、過負荷検出手段50や変位吸収手段70を備える代わりに、図16(A)(B)に示すようなヒューズ80を備える構成としてもよい。
ヒューズ80は、出力軸23の過負荷時に該ヒューズ80に作用する力によって破壊される部材であり、ヒューズ80が破壊されることによって、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達が遮断されるようにする部材である。
ヒューズ80は、出力軸23の過負荷時に該ヒューズ80に作用する力によって破壊される部材であり、ヒューズ80が破壊されることによって、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達が遮断されるようにする部材である。
図16(A)に示す如く、第一形態に係るヒューズ80である第一ヒューズ81は、カップリング21を構成する第一カップリング21aと第二カップリング21bの間に介設される部材であり、凸形状を有する第一部材82と凹形状を有する第二部材83によって構成される。
図17(A)に示す如く、第一ヒューズ81を構成する第一部材82は、円柱状の凸部82aと、鍔部82bと、複数の突起部82c・82c・・・を備えており、また、ボルトで第一部材82を第一カップリング21aに固定するための複数のボルト孔82d・82d・・・が形成されている。
図17(B)に示す如く、第一ヒューズ81を構成する第二部材83は、略円柱状の基台部83aと、凹部83bと、複数の溝部83c・83c・・・を備えており、また、ボルトで第二部材83を第二カップリング21bに固定するための複数のボルト孔83d・83d・・・が形成されている。
第一部材82の凸形状は、第二部材83の凹形状に対応しており、凸部82aを凹部83bに嵌め合わせるとともに、複数の突起部82c・82c・・・を複数の溝部83c・83c・・・に嵌め合わせることができるように構成している。
第一部材82の突起部82cは、溝部83cに嵌め合わされた状態で、出力軸23が過負荷状態になると、凸部82aと突起部82cの境界位置で折れるように、強度が設定されており、第一部材82と第二部材83を空回りさせることで、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達が遮断されるように構成している。
そして、舶用減速逆転装置1では、航行中に出力軸23が過負荷状態となったときに、第一ヒューズ81によって、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達を遮断することによって、クラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止することができる。
図16(B)に示す如く、第二形態に係るヒューズ80である第二ヒューズ85は、出力軸23と第一カップリング21aを固定するボルト86およびナット87によって構成される。
図18に示す如く、舶用減速逆転装置1において、航行中に出力軸23が過負荷状態となったときに、第二ヒューズ85は、部位Xに作用するせん断力によって折れるように、強度が設定されており、出力軸23と第一カップリング21aを空回りさせることで、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達が遮断されるように構成している。
そして、舶用減速逆転装置1では、出力軸23が過負荷状態となったときに、第二ヒューズ85によって、出力軸23とプロペラシャフト24の間における力の伝達を遮断することによって、クラッチディスク19fおよびプレッシャープレート17bの摩耗および焼き付きを防止することができる。
尚、舶用減速逆転装置では、過負荷検出手段50や変位吸収手段70を備える構成において、さらにヒューズ80を併用する構成としてもよい。
本発明は、船舶に搭載される舶用減速逆転装置に利用可能である。
1 舶用減速逆転装置
3 ハウジング
7 前進伝達部
8 後進伝達部
9 出力伝達部
10 エンジン(駆動源)
12 前進入力軸
14 前進クラッチ
15 前進ピニオン
16 後進入力軸
18 後進クラッチ
19 後進ピニオン
20 プロペラ
22 出力ギア
23 出力軸
33 流量制御弁
50 過負荷検出手段
3 ハウジング
7 前進伝達部
8 後進伝達部
9 出力伝達部
10 エンジン(駆動源)
12 前進入力軸
14 前進クラッチ
15 前進ピニオン
16 後進入力軸
18 後進クラッチ
19 後進ピニオン
20 プロペラ
22 出力ギア
23 出力軸
33 流量制御弁
50 過負荷検出手段
Claims (8)
- 駆動源からの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する前進伝達部と、
前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンとの間に介設される後進クラッチと、を有する後進伝達部と、
前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する出力伝達部と、
前記前進伝達部と前記後進伝達部と前記出力伝達部を被装するハウジングと、
を備える舶用減速逆転装置であって、
前記前進入力軸から前記出力軸の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段を備え、
前記過負荷検出手段が過負荷状態を検出したときに、前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチを「切」状態にする、
舶用減速逆転装置。 - 前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチを「切」状態とした後で、前記後進クラッチを「入」状態とする、
請求項1に記載の舶用減速逆転装置。 - 駆動源からの回転が入力される前進入力軸と、前記前進入力軸に遊嵌される前進ピニオンと、前記前進入力軸と前記前進ピニオンとの間に介設される前進クラッチと、を有する前進伝達部と、
前記前進入力軸と逆方向の回転が入力される後進入力軸と、前記後進入力軸に遊嵌される後進ピニオンと、前記後進入力軸と前記後進ピニオンとの間に介設される後進クラッチと、を有する後進伝達部と、
前記前進ピニオン及び前記後進ピニオンに常時噛合する出力ギアと、前記出力ギアを軸支するとともにプロペラに連結される出力軸と、を有する出力伝達部と、
前記前進伝達部と前記後進伝達部と前記出力伝達部を被装するハウジングと、
を備える舶用減速逆転装置であって、
前記前進入力軸から前記出力軸の間の過負荷状態を検出する過負荷検出手段を備え、
前記過負荷検出手段が過負荷状態を検出したときに、前記過負荷検出手段によって、前記前進クラッチに作動油を供給する流量制御弁を制御して、前記前進クラッチの容量を増大させる、
ことを特徴とする舶用減速逆転装置。 - 前記過負荷検出手段は、
前記ハウジングに付設される歪みゲージと、
前記歪みゲージの検出結果から歪み量を演算するととともに、演算結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備える、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記過負荷検出手段は、
前記出力軸の回転数を検出する第一の回転数検出手段と、
前記前進入力軸の回転数を検出する第二の回転数検出手段と、
前記第一の回転数検出手段と前記第二の回転数検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備える、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記過負荷検出手段は、
前記出力軸の回転トルクを検出する第一のトルク検出手段と、
前記前進入力軸の回転トルクを検出する第二のトルク検出手段と、
前記第一のトルク検出手段と前記第二のトルク検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備える、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記駆動源はエンジンであって、
前記過負荷検出手段は、
前記エンジンの排気温度を検出する排気温度検出手段と、
前記排気温度検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備える、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の舶用減速逆転装置。 - 前記駆動源はエンジンであって、
前記過負荷検出手段は、
前記エンジンの燃料噴射量を検出する燃料噴射量検出手段と、
前記燃料噴射量検出手段の検出結果に基づいて前記出力軸の過負荷状態を検出する制御手段を備える、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の舶用減速逆転装置。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015-189952 | 2015-09-28 | ||
JP2015-189953 | 2015-09-28 | ||
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JP2015189953A JP6548026B2 (ja) | 2015-09-28 | 2015-09-28 | 舶用減速逆転装置 |
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WO2017057008A1 true WO2017057008A1 (ja) | 2017-04-06 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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PCT/JP2016/077196 WO2017057008A1 (ja) | 2015-09-28 | 2016-09-14 | 舶用減速逆転装置 |
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WO (1) | WO2017057008A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2016
- 2016-09-14 WO PCT/JP2016/077196 patent/WO2017057008A1/ja active Application Filing
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