JP6475582B2 - 減速逆転機及びこれを備えた船舶 - Google Patents

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Description

本願発明は、船舶に搭載した主機関の回転動力をプロペラに伝達する減速逆転機、及びこれを備えた船舶に関するものである。
近年、プレジャーボートといった船舶ではエンジンが高回転化している。この種の船舶でトローリング等の微速航行をする際は低回転を必要とするが、高回転型エンジンを低回転で駆動させると、ハンチングやエンジンストールを引き起こすおそれがある。このため、エンジンとプロペラ軸との間に設けた油圧クラッチをスリップ係合(半クラッチ係合)させることによって、エンジンを定回転に保持しながらプロペラを低回転させて微速航行を可能にしている(例えば特許文献1等参照)。
実開平6−78637号公報
しかし、トローリング運転を長時間に亘って継続すると油圧クラッチのクラッチ板同士の摺動に伴う発熱が大きくなり、クラッチ板の摩耗が促進されて油圧クラッチの長寿命化を図ることができないという課題があった。また、半クラッチ係合によるトルク不足により、微速航行での操作性が悪くなるという課題もあった。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施した減速逆転機及びこれを備えた船舶を提供することを技術的課題としている。
本願発明の第1局面は、船体に搭載した主機関の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構と、前記前後進切換機構の出力をプロペラに伝達する出力軸とを備える減速逆転機において、前記出力軸を直接に回転駆動させる電動モータを、前記主機関とは別の駆動源として備え、前記電動モータによって前記出力軸を低回転させるように構成しており、前記電動モータから前記出力軸への動力伝達経路中に、前記電動モータからの駆動力を継断するトローリングクラッチを配置し、前記前後進切換機構が中立の場合に、前記トローリングクラッチが動力接続状態になるのを許容し、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするというものである
本願発明の第2局面は、第1局面の減速逆転機において、前記前後進切換機構が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするというものである。
本願発明の第3局面は、第1又は第2局面の減速逆転機において、前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにするというものである。
本願発明の第4局面は船舶に係り、第1〜第3局面のうちいずれかに記載の減速逆転機を前記船体に搭載しているというものである。
本願発明の第局面は、船体に搭載した主機関の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構と、前記前後進切換機構の出力をプロペラに伝達する出力軸とを備える減速逆転機において、前記出力軸を間接的に回転駆動させる電動モータを、前記主機関とは別の駆動源として備え、前記電動モータによって前記出力軸を低回転させるように構成しており、前記電動モータから前記出力軸への動力伝達経路中に、前記電動モータからの駆動力を継断するトローリングクラッチを配置し、前記前後進切換機構が中立の場合に、前記トローリングクラッチが動力接続状態になるのを許容し、前記電動モータと前記出力軸との間に、油圧ポンプ及び油圧モータを有する油圧無段変速機を配置し、前記油圧ポンプを前記電動モータで駆動させ、前記出力軸を前記油圧モータで駆動させるように構成し、前記トローリングクラッチは、前記電動モータと前記油圧ポンプとの間に位置しており、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするというものである
本願発明の第6局面は、第5局面の減速逆転機において、前記前後進切換機構が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするというものである。
本願発明の第局面は、第局面の減速逆転機において、前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにするというものである。
本願発明の第8局面は船舶に係り、第5〜第7局面のうちいずれかに記載の減速逆転機
を前記船体に搭載しているというものである。
本願発明によると、船体に搭載した主機関の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構と、前記前後進切換機構の出力をプロペラに伝達する出力軸とを備える減速逆転機において、前記出力軸を直接に又は間接的に回転駆動させる電動モータを、前記主機関とは別の駆動源として備え、前記電動モータによって前記出力軸を低回転させるように構成しているから、前記前後進切換機構のスリップ係合(油圧クラッチの半クラッチ係合)をしなくても、前記電動モータの駆動によって微速航行が可能であり、前記主機関が低速駆動する際のハンチング及びエンジンストールを防止したり、前記前後進切換機構の長寿命化を図ったりできる。前記主機関に代わる前記電動モータで確実に前記プロペラを低回転させて微速航行でき、操船性能も向上する。また、各航行状態に応じた最適な動力伝達を実現できる。例えばプロペラ回転数が30min−1以下のような微速であっても、安定的な速度維持ができる。前記出力軸に対する微速航行用の動力伝達経路をコンパクトに構成でき、減速逆転機自体の小型化にも貢献する。
本願発明の第2局面によると、前記電動モータから前記出力軸への動力伝達経路中に、前記電動モータからの駆動力を継断するトローリングクラッチを配置し、前記前後進切換機構が中立の場合に、前記トローリングクラッチが動力接続状態になるのを許容するから、通常航行時は前記主機関を用い微速航行時は前記電動モータを用いるというように、前記各駆動源の役割を分担して、前記各駆動源を効率よく利用できる。
本願発明の第3局面によると、前記前後進切換機構が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするから、例えば通常航行時に前記トローリングクラッチに対する操作具を不用意に操作したり、微速航行時に前記前後進切換機構に対する操作具を不用意に操作したりしても、船舶の航行状態が急激に切り換わることがない。オペレータの誤操作による前記主機関や前記電動モータの駆動トラブルを防止できる。
本願発明の第4局面によると、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするから、例えば前記プロペラに過負荷が作用しても、前記トローリングクラッチが動力遮断状態になって前記電動モータへの過負荷の伝達を遮断でき、焼き付きといった前記電動モータの破損故障を防止できる。
本願発明の第5局面によると、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにするから、例えば前記プロペラに過負荷が作用しても、前記電動モータへの電力供給がオフになって前記電動モータを自由回転状態にでき、この場合も、焼き付きといった前記電動モータの破損故障を防止できる。
本願発明の第6局面によると、前記電動モータと前記出力軸との間に、油圧ポンプ及び油圧モータを有する油圧無段変速機を配置し、前記油圧ポンプを前記電動モータで駆動させ、前記出力軸を前記油圧モータで駆動させるように構成し、前記トローリングクラッチは、前記電動モータと前記油圧ポンプとの間に位置しているから、前記電動モータの駆動力を直接に前記出力軸に伝達する場合よりも高出力化が可能であり且つ比較的過負荷にも強い。
本願発明の第7局面によると、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にするから、例えば前記プロペラに過負荷が作用しても、前記トローリングクラッチが動力遮断状態になって前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを自由回転状態にできると共に、前記電動モータへの過負荷の伝達を遮断でき、前記油圧無段変速機や前記電動モータの破損故障を防止できる。
本願発明の第8局面によると、前記電動モータを駆動させるインバータを備え、前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにするから、例えば前記プロペラに過負荷が作用しても、前記電動モータへの電力供給がオフになって前記電動モータを自由回転状態にできるだけでなく、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータも自由回転状態にでき、この場合も、前記油圧無段変速機や前記電動モータの破損故障を防止できる。
第1実施形態の減速逆転機を備えたプレジャーポートの概略側面図である。 減速逆転機の動力伝達系統を示すスケルトン図である。 プレジャーボートの機能ブロック図である。 トローリング制御の第1−1例を示すフローチャートである。 トローリング制御の第1−2例を示すフローチャートである。 第2実施形態における減速逆転機の動力伝達系統を示すスケルトン図である。 プレジャーボートの機能ブロック図である。 トローリング制御の第2−1例を示すフローチャートである。 トローリング制御の第2−2例を示すフローチャートである。 参考実施形態における減速逆転機の動力伝達系統を示すスケルトン図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図6)に基づいて説明する。図1に示すように、船舶であるプレジャーボート1は、船体2と、船体の上面中央側に配置したキャビン3と、船体2の船底後尾側に設けた舵4と、船体2の船底後尾側のうち舵4の前方に配置したプロペラ5とを備えている。キャビン3内は操縦部になっている。船体2の船底後尾側に、プロペラ5を回転させる推進軸6(プロペラ軸)を軸支している。推進軸6の突出端側にプロペラ5を取り付けている。
詳細な図示は省略するが、キャビン3内には、操舵によって船体2の進行方向を左右に変更させる操舵ハンドルと、船体2の進行方向を前進と後進とに切換操作する前後進操作具としての前後進レバー7(図3参照)と、船体2を微速航行させる微速航行操作具としてのトローリングレバー8(図3参照)と、後述するエンジン10の出力回転数を設定保持する速度操作具としてのスロットルレバーとを設けている。なお、各操作具としてはレバー式のものに限らず、ダイヤル式といった他の形態のものでもよい。
船体2内には、プロペラ5の駆動源である主機関としてのエンジン10と、エンジン10の回転動力を推進軸6経由でプロペラ5に伝達する減速逆転機11とを設けている。エンジン10から減速逆転機11を経由して推進軸6に伝わった回転動力によって、プロペラ5が回転駆動する。
図2には、本願発明に係る減速逆転機11の第1実施形態を示している。図2に示すように、第1実施形態の減速逆転機11は、エンジン10のフライホイル12に連結される入力軸13と、カップリング14を介して推進軸6に連結される出力軸15と、入力軸13から出力軸15に向けての前進方向の駆動力を継断する前進クラッチ16と、入力軸13から出力軸15に向けての後進方向の駆動力を継断する後進クラッチ17とを備えている。詳細な図示は省略するが、入力軸13と出力軸15とは、減速逆転機11のハウジングから突き出すように設けている。前進クラッチ16及び後進クラッチ17は、減速逆転機11のハウジング内に収容している。前進クラッチ16と後進クラッチ17とで前後進切換機構18を構成している。
前進クラッチ16及び後進クラッチ17は湿式多板形の油圧式摩擦クラッチである。前進クラッチ16は、入力軸13と平行状に延びる前進クラッチ軸21上にあり、且つ、スチールプレートと摩擦板とを交互に配置した構造になっている。前進クラッチ16は、スチールプレート付きの前進外ケース16aと、スチールプレートに圧接可能な摩擦板付きの前進内ハブ16bと、作動油圧で圧接力を発生させる前進クラッチシリンダ16cとを備えている。前進外ケース16aは前進クラッチ軸21に固着している。前進内ハブ16bは前進クラッチ軸21に回転可能に被嵌している。前進内ハブ16bの一端側を前進外ケース16aの内周側に差し入れている。前進外ケース16aの外周側に前進ギヤ22を一体形成している。前進内ハブ16bの他端側に前進減速ギヤ23を一体形成している。
後進クラッチ17は、入力軸13上にあり、且つ、前進クラッチ16と同様にスチールプレートと摩擦板とを交互に配置した構造になっている。後進クラッチ17は、スチールプレート付きの後進外ケース17aと、スチールプレートに圧接可能な摩擦板付きの後進内ハブ17bと、作動油圧で圧接力(クラッチ圧)を発生させる後進クラッチシリンダ17cとを備えている。後進外ケース17aは入力軸13に固着している。後進内ハブ17bは入力軸13に回転可能に被嵌している。後進内ハブ17bの一端側を後進外ケース17aの内周側に差し入れている。後進外ケース17aの外周側に中継ギヤ24を一体形成している。後進内ハブ17bの他端側に後進減速ギヤ25を一体形成している。
中継ギヤ24は、前進クラッチ16の前進ギヤ22と常時噛み合っている。前進減速ギヤ23及び後進減速ギヤ25は、出力軸15のうち減速逆転機11のハウジング内の部位に固着した減速出力ギヤ26に常時噛み合っている。前進減速ギヤ23、後進減速ギヤ25及び減速出力ギヤ26は、固定減速比の減速ギヤ機構を構成している。出力軸15の回転動力は、各減速ギヤ23,25と減速出力ギヤ26との間で固定減速比に減速される。
キャビン3内にある前後進レバー7を前後進又は中立操作すると、作動油の供給先が前進クラッチ16(前進クラッチシリンダ16c)、後進クラッチ17(後進クラッチシリンダ17c)又は中立のいずれかに切り換えられる。
前後進レバー7を前進操作して前進クラッチ16を動力接続状態にした場合(作動油圧で前進外ケース16aのスチールプレート及び前進内ハブ16bの摩擦板を互いに圧接させた場合)、後進クラッチ17は動力遮断状態であるから、エンジン10の回転動力が、入力軸13の中継ギヤ24から前進ギヤ22、前進クラッチ16及び前進減速ギヤ23を介して減速出力ギヤ26に伝達される。その結果、船舶1は、エンジン10の回転動力を前進方向の出力として出力軸15に伝達する前進状態となる。通常航行時における船舶1の前進航行速度の調節はキャビン3内のスロットルレバーによって行われる。
前後進レバー7を後進操作して後進クラッチ17を動力接続状態にした場合、前進クラッチ16は動力遮断状態であるから、エンジン10の回転動力が、入力軸13から後進クラッチ17及び後進減速ギヤ25を介して減速出力ギヤ26に伝達される。その結果、船舶1は、エンジン10の回転動力を後進方向の出力として出力軸15に伝達する後進状態となる。通常航行時における船舶1の後進航行速度の調節もスロットルレバーによって行われる。
前後進レバー7を中立操作して前進クラッチ16と後進クラッチ17との両方を動力遮断状態にした場合、エンジン10の回転動力を出力軸15に伝達しない中立状態となる。
第1実施形態では、減速逆転機11のハウジング内に、出力軸15を直接に回転駆動させる電動モータ30を、エンジン10とは別の駆動源として備えている。電動モータ30は出力軸15を低回転させる微速航行用の駆動源である。これに対して、エンジン10は通常航行用の駆動源と言える。電動モータ30から突出した回転軸31は、入力軸13及び前進クラッチ軸21と平行状に延びている。回転軸31の先端側にはトローリング減速ギヤ32を固着している。トローリング減速ギヤ32は、前進減速ギヤ23及び後進減速ギヤ25と同様に、減速出力ギヤ26に常時噛み合っている。
電動モータ30から出力軸15への動力伝達経路中には、電動モータ30からの駆動力を継断するトローリングクラッチ33を配置している。第1実施形態のトローリングクラッチ33はマグネットクラッチ式のものである。この場合、回転軸31において電動モータ30とトローリング減速ギヤ32との間の部位に、トローリングクラッチ33を設けている。
キャビン3内にあるトローリングレバー8の前後進操作によって、トローリングクラッチ33を動力接続状態にすると共に、トローリングレバー8の操作量に応じて電動モータ30を正逆回転駆動させ、出力軸15ひいてはプロペラ5を正逆の低回転で駆動させるように構成している。トローリングレバー8の中立操作によって、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にすると共に、電動モータ30の駆動を停止させ、出力軸15ひいてはプロペラ5への動力伝達を停止するように構成している。
第1実施形態では、前後進レバー7を中立操作して前進クラッチ16及び後進クラッチ17の両方を動力遮断状態にした場合にトローリングレバー8を前後進操作すれば、トローリングクラッチ33が動力接続状態に切り換わるように構成している。すなわち、前後進切換機構18が中立の場合に、トローリングクラッチ33が動力接続状態になるのを許容するように構成している。また、前後進レバー7を前後進操作して前進クラッチ16又は後進クラッチ17のいずれかを動力接続状態にした場合は、トローリングレバー8を前後進操作しても、トローリングクラッチ33が動力接続状態に切り換わらないように構成している。すなわち、前後進切換機構18が中立以外の場合は、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするように構成している。この場合は、電動モータ30も駆動させない。
前後進レバー7が中立の状態でトローリングレバー8を前後進操作すると、トローリングクラッチ33が動力接続状態になると共に、トローリングレバー8の操作量に応じて電動モータ30が正逆回転駆動し、電動モータ30の回転動力が回転軸31のトローリング減速ギヤ32から減速出力ギヤ26に伝達される。その結果、船舶1は、電動モータ30の回転動力を前進又は後進方向の低回転出力として出力軸15、推進軸6ひいてはプロペラ5に伝達する前進又は後進微速航行状態となる。
上記の記載並びに図1及び図2から明らかなように、船体2に搭載した主機関10の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構18と、前記前後進切換機構18の出力をプロペラ5に伝達する出力軸15とを備える減速逆転機11において、前記出力軸15を直接に回転駆動させる電動モータ30を、前記主機関10とは別の駆動源として備え、前記電動モータ30によって前記出力軸15を低回転させるように構成しているから、前記前後進切換機構18のスリップ係合(クラッチ16,17の半クラッチ係合)をしなくても、前記電動モータ30の駆動によって微速航行が可能であり、前記主機関10が低速駆動する際のハンチング及びエンジンストールを防止したり、前記前後進切換機構18の長寿命化を図ったりできる。前記主機関10に代わる前記電動モータ30で確実に前記プロペラ5を低回転させて微速航行でき、操船性能も向上する。また、各航行状態に応じた最適な動力伝達を実現できる。例えばプロペラ5回転数が30min−1以下のような微速であっても、安定的な速度維持ができる。前記出力軸15に対する微速航行用の動力伝達経路をコンパクトに構成でき、減速逆転機11自体の小型化にも貢献する。
また、前記電動モータ30から前記出力軸15への動力伝達経路中に、前記電動モータ30からの駆動力を継断するトローリングクラッチ33を配置し、前記前後進切換機構18が中立の場合に、前記トローリングクラッチ33が動力接続状態になるのを許容するから、通常航行時は前記主機関10を用い微速航行時は前記電動モータ30を用いるというように、前記各駆動源10,30の役割を分担して、前記各駆動源10,30を効率よく利用できる。
更に、前記前後進切換機構18が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするから、例えば通常航行時に前記トローリングクラッチ33に対する操作具8を不用意に操作したり、微速航行時に前記前後進切換機構18に対する操作具7を不用意に操作したりしても、船舶1の航行状態が急激に切り換わることがない。オペレータの誤操作による前記主機関10や前記電動モータ30の駆動トラブルを防止できる。
次に、図3〜図5を参照しながら、第1実施形態におけるトローリング制御を実行する構成とトローリング制御態様とについて説明する。図3には、プレジャーボート1に搭載したコントローラ40の機能ブロック図を示している。コントローラ40は、主としてエンジン10や減速逆転機11の作動全般の制御を司るものであり、詳細な図示は省略するが、各種演算処理や制御を実行するCPUのほか、制御プログラムやデータを記憶させるためのROM、制御プログラムやデータを一時的に記憶させるためのRAM、及び入出力インターフェイス等を備えている。コントローラ40には、前後進レバー7の操作位置を検出する前後進ポテンショ41、トローリングレバー8の操作位置を検出するトローリングポテンショ42、出力軸15の出力回転数を検出する回転検出センサ43、電動モータ30の起動、停止及び増減速といった速度制御を司るインバータ回路部44、電動モータ30からの駆動力を継断するトローリングクラッチ33等を電気的に接続している。
インバータ回路部44は、船体2に搭載したバッテリ又は発電機(図示省略)から供給される直流電流を交流電流に変換して電動モータ30に供給するものである。インバータ回路部44は、出力電流値であるインバータ電流値Itを検出する機能を有する。インバータ電流値Itは、電動モータ30に供給される交流電流値であり、プロペラ5ひいては電動モータ30の作業負荷に相当する負荷トルク値に比例する。また、インバータ回路部44は、出力電流の周波数であるインバータ周波数Ftを制御する機能を有する。インバータ周波数Ftは、電動モータ30ひいては出力軸15の出力回転数と比例する。従って、インバータ周波数Ftは、微速航行時のプロペラ5回転数に比例する。インバータ回路部44は、トローリングポテンショ42の検出値(トローリングレバー8の操作量)に応じてインバータ周波数Ft(プロペラ5回転数)を制御し、インバータ周波数Ftに基づくプロペラ5回転数となるように電動モータ30の回転駆動を制御する。
コントローラ40は、電動モータ30で直接に出力軸15を回転駆動させるにおいて(船舶1の微速航行時において)、インバータ回路部44の検出情報に基づき電動モータ30の過負荷を解消させるトローリング制御(フェイルセーフ制御)を実行する。
図4のフローチャートは、第1実施形態におけるトローリング制御の第1例(以下便宜的に、第1−1例と言う)を示している。なお、以下に開示のフローチャートに示すアルゴリズムは、コントローラ40のROMにプログラムとして予め記憶されていて、RAMに読み出されてからCPUで実行される。第1−1例においてコントローラ40は、電動モータ30に過負荷が作用すると、トローリングクラッチ33を動力遮断状態に切り換える。すなわち、図4に示すように、コントローラ40は、前後進ポテンショ41及びトローリングポテンショ42の検出値を読み込み(S01)、前後進ポテンショ41の検出値から前進クラッチ16及び後進クラッチ17のいずれかが動力接続状態であると判断すると(S02:NO)、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にし(S07)、トローリング制御を実行しない。
ステップS02において、前進クラッチ16及び後進クラッチ17の両方とも動力遮断状態であると判断すると(S02:YES)、インバータ回路部44でトローリングポテンショ42の検出値に応じたインバータ周波数Ftを設定し、当該インバータ周波数Ftで電動モータ30の回転駆動を制御する(S03)。次いで、インバータ電流値Itを読み込んで(S04)、当該インバータ電流値Itが予め設定した過負荷電流値Io以上か否かを判別する(S05)。この場合、過負荷電流値Ioは、定格電流値Irの例えば1.5倍〜2.0倍程度に設定するのが好ましい。インバータ電流値Itが過負荷電流値Io以上であれば(S05:YES)、プロペラ5ひいては電動モータ30への負荷トルクが増大し、電動モータ30の出力回転数維持のためにインバータ回路部44から過電流が流れている状態であるから、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするのである(S06)。なお、ステップS05では過負荷電流値Io自体を含めてもよいし、含めなくてもよい。
このように制御すると、例えばプロペラ5に過負荷が作用しても、トローリングクラッチ33が動力遮断状態になって電動モータ30への過負荷の伝達を遮断でき、焼き付きといった電動モータ30の破損故障を防止できる。なお、電動モータ30の過負荷に起因してトローリングクラッチ33を動力遮断状態にした場合は、主電源をオフにしてリセットするまで、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33の動力遮断状態を維持するのが好ましい。
図5のフローチャートは、第1実施形態におけるトローリング制御の第2例(以下便宜的に、第1−2例と言う)を示している。第1−2例においてコントローラ40は、電動モータ30に過負荷が作用すると電動モータ30への電力供給をオフにする。第1−2例のトローリング制御の態様は、基本的に第1−1例のものと同様であるが、インバータ電流値Itが過負荷電流値Io以上であれば(S15:YES)、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、電動モータ30への電力供給をオフにする(S16)点で、第1−1例と異なっている。
このように制御した場合は、例えばプロペラ5に過負荷が作用しても、電動モータ30への電力供給がオフになって電動モータ30を自由回転状態にできる。このため、焼き付きといった電動モータ30の破損故障を防止できる。
次に、図6を参照しながら、減速逆転機11の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、減速逆転機11のハウジング内に、出力軸15を間接的に回転駆動させる電動モータ30を、エンジン10とは別の駆動源として備えている。電動モータ30は出力軸15を低回転させる微速航行用の駆動源である。電動モータ30と出力軸15との間に、油圧ポンプ51及び油圧モータ52を有する油圧無段変速機50を配置している。油圧ポンプ51は、電動モータ30の回転動力によって駆動する可変容量形のものであり、油圧モータ52は、油圧ポンプ51から吐出する高圧の作動油によって作動する定容量形のものである。油圧ポンプ51と油圧モータ52とは、油圧閉回路53を介して互いに直列に接続している。詳細な図示は省略するが、油圧閉回路53にはチェック弁を介してチャージ油路を接続している。チャージ油路から油圧閉回路53内に作動油を補充するように構成している。なお、油圧モータ52を可変容量形にしてもよい。
電動モータ30から突出した回転軸31は、トローリングクラッチ33を介して油圧ポンプ51に連結している。すなわち第2実施形態では、回転軸31において電動モータ30と油圧ポンプ51との間の部位に、トローリングクラッチ33を設けている。油圧モータ52から突出したモータ軸54にはトローリング減速ギヤ32を固着している。トローリング減速ギヤ32は、前進減速ギヤ23及び後進減速ギヤ25と同様に、減速出力ギヤ26に常時噛み合っている。従って、第2実施形態では、油圧ポンプ51を電動モータ30で駆動させ、油圧モータ52で出力軸15を駆動させるように構成している。この場合、通常航行時はエンジン10を用い、微速航行時は電動モータ30を介して油圧無段変速機50を用いる。
キャビン3内にあるトローリングレバー8の前後進操作によって、トローリングクラッチ33を動力接続状態にすると共に、電動モータ30を予め設定した所定のインバータ周波数Ftで駆動させ、アクチュエータ等の斜板制御部55(図7参照)を介して油圧ポンプ51の斜板角が変更調節される。油圧ポンプ51の斜板角を変更調節することによって、油圧モータ52の回転数又は回転方向がそれぞれ変更され、出力軸15ひいてはプロペラ5が正逆の低回転で駆動するように構成している。また、トローリングレバー8の中立操作によって、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にすると共に、斜板制御部55を介して油圧ポンプ51の斜板角をゼロにして油圧モータ52の出力を停止させ、更には電動モータ30の駆動を停止させ、出力軸15ひいてはプロペラ5への動力伝達を停止するように構成している。
第2実施形態でも、前後進レバー7を中立操作して前進クラッチ16及び後進クラッチ17の両方を動力遮断状態にした場合にトローリングレバー8を前後進操作すれば、トローリングクラッチ33が動力接続状態に切り換わるように構成している。すなわち、前後進切換機構18が中立の場合に、トローリングクラッチ33が動力接続状態になるのを許容するように構成している。また、前後進レバー7を前後進操作して前進クラッチ16又は後進クラッチ17のいずれかを動力接続状態にした場合は、トローリングレバー8を前後進操作しても、トローリングクラッチ33が動力接続状態に切り換わらないように構成している。すなわち、前後進切換機構18が中立以外の場合は、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするように構成している。この場合は、電動モータ30も駆動させない。
前後進レバー7が中立の状態でトローリングレバー8を前後進操作すると、トローリングクラッチ33が動力接続状態になり、電動モータ30が所定のインバータ周波数Ftで駆動する。そして、トローリングレバー8の操作量に応じた斜板制御部55の作動によって油圧ポンプ51の斜板角が調節され、油圧モータ52の回転数制御又は正逆転切換が実行される。油圧モータ52の回転動力はモータ軸54のトローリング減速ギヤ32から減速出力ギヤ26に伝達される。その結果、船舶1は、電動モータ30の回転動力を油圧無段変速機50からの回転動力に変換し、変換後の回転動力を前進又は後進方向の低回転出力として出力軸15、推進軸6ひいてはプロペラ5に伝達する前進又は後進微速航行状態となる。
上記の記載並びに図6から明らかなように、前記電動モータ30と前記出力軸15との間に、油圧ポンプ51及び油圧モータ52を有する油圧無段変速機50を配置し、前記油圧ポンプ51を前記電動モータ30で駆動させ、前記出力軸15を前記油圧モータ52で駆動させるように構成し、前記トローリングクラッチ33は、前記電動モータ30と前記油圧ポンプ51との間に位置しているから、前記電動モータ30の駆動力を直接に前記出力軸15に伝達する場合よりも高出力化が可能であり且つ比較的過負荷にも強いという効果を発揮できる。
次に、図7〜図9を参照しながら、第2実施形態におけるトローリング制御を実行する構成とトローリング制御態様とについて説明する。図7には、第2実施形態におけるコントローラ40の機能ブロック図を示している。第2実施形態のコントローラ40は、基本的に第1実施形態のもの(図3参照)と同様であるが、油圧ポンプ51の斜板角を変更調節するアクチュエータ等の斜板制御部55を電気的に接続している点で、第1実施形態のものと相違している。また、第2実施形態のトローリングレバー8は、電動モータ30を正逆回転駆動させるのではなく、操作量に応じて斜板制御部55を作動させて油圧ポンプ51の斜板角を調節するものである。この点でも第1実施形態と相違している。
図8のフローチャートは、第2実施形態におけるトローリング制御の第1例(以下便宜的に、第2−1例と言う)を示している。第2−1例においてコントローラ40は、電動モータ30に過負荷が作用すると、トローリングクラッチ33を動力遮断状態に切り換える。すなわち、図8に示すように、コントローラ40は、前後進ポテンショ41及びトローリングポテンショ42の検出値を読み込み(S21)、前後進ポテンショ41の検出値から前進クラッチ16及び後進クラッチ17のいずれかが動力接続状態であると判断すると(S22:NO)、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にし(S28)、トローリング制御を実行しない。
ステップS22において、前進クラッチ16及び後進クラッチ17の両方とも動力遮断状態であると判断すると(S22:YES)、インバータ回路部44で所定のインバータ周波数Ftを設定し、当該インバータ周波数Ftで電動モータ30を回転駆動させる(S23)。そして、トローリングポテンショ42の検出値に応じて斜板制御部55を作動させて油圧ポンプ51の斜板角を変更調節し、油圧モータ52の回転駆動を制御する(S24)。次いで、インバータ電流値Itを読み込んで(S25)、当該インバータ電流値Itが予め設定した過負荷電流値Io以上か否かを判別する(S26)。この場合、過負荷電流値Ioは、定格電流値Irの例えば1.5倍〜2.0倍程度に設定するのが好ましい。インバータ電流値Itが過負荷電流値Io以上であれば(S26:YES)、プロペラ5、油圧無段変速機50ひいては電動モータ30への負荷トルクが増大し、電動モータ30の出力回転数維持のためにインバータ回路部44から過電流が流れている状態であるから、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするのである(S27)。
このように制御すると、例えばプロペラ5に過負荷が作用しても、トローリングクラッチ33が動力遮断状態になって油圧ポンプ51及び油圧モータ52を自由回転状態にできると共に、電動モータ30への過負荷の伝達を遮断できる。従って、油圧無段変速機50や電動モータ30の破損故障を防止できる。なお、電動モータ30の過負荷に起因してトローリングクラッチ33を動力遮断状態にした場合は、第1−1例や第1−2例と同様に、主電源をオフにしてリセットするまで、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、トローリングクラッチ33の動力遮断状態を維持するのが好ましい。
図9のフローチャートは、第2実施形態におけるトローリング制御の第2例(以下便宜的に、第2−2例と言う)を示している。第2−2例においてコントローラ40は、電動モータ30に過負荷が作用すると電動モータ30への電力供給をオフにする。第2−2例のトローリング制御の態様は、基本的に第2−1例のものと同様であるが、インバータ電流値Itが過負荷電流値Io以上であれば(S36:YES)、トローリングレバー8の操作状態に拘らず、電動モータ30への電力供給をオフにする(S37)点で、第2−1例と異なっている。
このように制御した場合は、例えばプロペラ5に過負荷が作用しても、電動モータ30への電力供給がオフになって電動モータ30を自由回転状態にできるだけでなく、油圧ポンプ51及び油圧モータ52も自由回転状態にできる。この場合も、油圧無段変速機50や電動モータ30の破損故障を防止できる。
上記の記載並びに図7及び図8から明らかなように、前記電動モータ30を駆動させるインバータ44を備え、前記電動モータ30で間接的に前記出力軸15を回転駆動させるにおいて、前記インバータ44を用いて前記電動モータ30の過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチ33を動力遮断状態にするから、例えば前記プロペラ5に過負荷が作用しても、前記トローリングクラッチ33が動力遮断状態になって前記油圧ポンプ51及び前記油圧モータ52を自由回転状態にできると共に、前記電動モータ30への過負荷の伝達を遮断でき、前記油圧無段変速機50や前記電動モータ30の破損故障を防止できる。
上記の記載並びに図7及び図9から明らかなように、前記電動モータ30を駆動させるインバータ44を備え、前記電動モータ30で間接的に前記出力軸15を回転駆動させるにおいて、前記インバータ44を用いて前記電動モータ30の過負荷を検出した場合に前記電動モータ30への電力供給をオフにするから、例えば前記プロペラ5に過負荷が作用しても、前記電動モータ30への電力供給がオフになって前記電動モータ30を自由回転状態にできるだけでなく、前記油圧ポンプ51及び前記油圧モータ52も自由回転状態にでき、この場合も、前記油圧無段変速機50や前記電動モータ30の破損故障を防止できる。
次に、図10を参照しながら、減速逆転機11の参考実施形態について説明する。参考実施形態の減速逆転機11は、出力軸15を回転駆動させる油圧無段変速機60を、エンジン10とは別の駆動源として備えている。油圧無段変速機60は出力軸15を低回転させる微速航行用の駆動源である。この場合、減速逆転機11のハウジング内に、前進クラッチ16及び後進クラッチ17以外に、油圧無段変速機への動力伝達を継断するHSTクラッチ66を設けている。
HSTクラッチ66は、前進クラッチ16及び後進クラッチ17と同様に、湿式多板形の油圧式摩擦クラッチである。HSTクラッチ66は、入力軸13や前進クラッチ軸21と平行状に延びるHSTクラッチ軸67上にあり、且つ、スチールプレートと摩擦板とを交互に配置した構造になっている。HSTクラッチ66は、スチールプレート付きのHST外ケース66aと、スチールプレートに圧接可能な摩擦板付きのHST内ハブ66bと、作動油圧で圧接力を発生させるHSTクラッチシリンダ66cとを備えている。HST外ケース66aはHSTクラッチ軸67に固着している。HST内ハブ66bはHSTクラッチ軸67に回転可能に被嵌している。HST内ハブ66bの一端側をHST外ケース66aの内周側に差し入れている。HST外ケース66aの外周側にHST入力側ギヤ68を一体形成している。HST内ハブ66bの他端内周側に、内歯形状のHST出力側ギヤ69を一体形成している。
HST内ハブ66bのHST出力側ギヤ69は、HSTクラッチ軸67と同軸状に延びる中継軸70の一端側に固着した伝達ギヤ71と噛み合っている。中継軸70は増速ギヤ対72,73を介してポンプ入力軸64に連結している。増速ギヤ対72,73のうち入力側増速ギヤ72は中継軸70の他端側に固着している。出力側増速ギヤ73はポンプ入力軸64の先端側に固着している。
HSTクラッチ66と出力軸15との間に、油圧ポンプ61及び油圧モータ62を有する油圧無段変速機60を配置している。油圧ポンプ61は、エンジン10からHSTクラッチ66を経由した回転動力で駆動する可変容量形のものであり、油圧モータ62は、油圧ポンプ61から吐出する高圧の作動油で作動する定容量形のものである。油圧ポンプ61と油圧モータ62とは、油圧閉回路63を介して互いに直列に接続している。詳細な図示は省略するが、油圧閉回路63にチェック弁を介してチャージ油路を接続し、チャージ油路から油圧閉回路63内に作動油を補充するように構成している。なお、油圧モータ62を可変容量形にしてもよい。
油圧モータ62から突出したモータ出力軸65の先端側にはトローリング減速ギヤ32を固着している。トローリング減速ギヤ32は、前進減速ギヤ23及び後進減速ギヤ25と同様に、減速出力ギヤ26に常時噛み合っている。従って、参考実施形態では、油圧ポンプ61をエンジン10で駆動させ、油圧モータ62で出力軸15を駆動させるように構成している。この場合、通常航行時はエンジン10の直接出力を用い、微速航行時は油圧無段変速機60の出力を用いる。
参考実施形態では、油圧無段変速機60及び増速ギヤ対72,73をHSTケース75内に組み付けてユニット化している。HSTケース75のユニットは減速逆転機11のハウジングに着脱可能に締結している。中継軸70及びモータ出力軸65はそれぞれ、入力側と出力側とに二分割されている。上流中継軸70aの上流側に伝達ギヤ71を固着している。下流中継軸70bの下流側に入力側増速ギヤ72を固着している。下流モータ出力軸65bの下流側にトローリング減速ギヤ32を固着している。
減速逆転機11のハウジングにHSTケース75を締結した状態では、上流中継軸70aの下流側と下流中継軸70bの上流側とを、カップリング76によって軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に連結している。そして、上流モータ出力軸65aの下流側と下流モータ出力軸65bの上流側とを、カップリング77によって軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に連結している。上流中継軸70aと下流モータ出力軸65bとは減速逆転機11のハウジング内に回転可能に軸支している。下流中継軸70bと上流モータ出力軸65aとはHSTケース75内に回転可能に軸支している。カップリング76,77はそれぞれ、減速逆転機11のハウジング側にあってもよいし、HSTケース75側にあってもよい。減速逆転機11のハウジングとHSTケース75との両方に跨るように位置しても差し支えない。
このように構成すると、減速逆転機11の製造ラインにおいて、微速航行用の駆動系統の組み付け工数を低減できる。油圧無段変速機60をHSTケース75ごと減速逆転機11のハウジングに取り付け取り外しでき、油圧無段変速機60のメンテナンス性向上に寄与する。参考実施形態では、ポンプ入力軸64も入力側と出力側とに二分割されていて、上流ポンプ入力軸64aの上流側に出力側増速ギヤ73を固着している。上流ポンプ入力軸64aの下流側と下流ポンプ入力軸64bの上流側とを、カップリング78によって軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に連結している。このため、増速ギヤ対72,73の交換が容易であり、油圧ポンプ61に対する増速比の変更を簡単に実行できる。従って、仕様変更等に簡単に対処でき、1種類のHSTケース75のユニットの融通性を向上できる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 プレジャーボート(船舶)
2 船体
5 プロペラ
7 前後進レバー
8 トローリングレバー
10 エンジン(主機関)
11 減速逆転機
15 出力軸
16 前進クラッチ
17 後進クラッチ
18 前後進切換機構
30 電動モータ
31 回転軸
32 トローリング減速ギヤ
40 コントローラ
44 インバータ回路部
50 油圧無段変速機

Claims (8)

  1. 船体に搭載した主機関の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構と、前記前後進切換機構の出力をプロペラに伝達する出力軸とを備える減速逆転機において、
    前記出力軸を直接に回転駆動させる電動モータを、前記主機関とは別の駆動源として備え、前記電動モータによって前記出力軸を低回転させるように構成しており、
    前記電動モータから前記出力軸への動力伝達経路中に、前記電動モータからの駆動力を継断するトローリングクラッチを配置し、
    前記前後進切換機構が中立の場合に、前記トローリングクラッチが動力接続状態になるのを許容し、
    前記電動モータを駆動させるインバータを備え、
    前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にする、
    減速逆転機。
  2. 前記前後進切換機構が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチを動力遮断状態にする、
    請求項に記載の減速逆転機。
  3. 前記電動モータで直接に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにする、請求項又はに記載の減速逆転機。
  4. 請求項1〜3のうちいずれかに記載の減速逆転機を前記船体に搭載している、
    船舶。
  5. 船体に搭載した主機関の動力を前進、中立又は後進の出力に切り換える前後進切換機構と、前記前後進切換機構の出力をプロペラに伝達する出力軸とを備える減速逆転機において、
    前記出力軸を間接的に回転駆動させる電動モータを、前記主機関とは別の駆動源として備え、前記電動モータによって前記出力軸を低回転させるように構成しており、
    前記電動モータから前記出力軸への動力伝達経路中に、前記電動モータからの駆動力を継断するトローリングクラッチを配置し、
    前記前後進切換機構が中立の場合に、前記トローリングクラッチが動力接続状態になるのを許容し、
    前記電動モータと前記出力軸との間に、油圧ポンプ及び油圧モータを有する油圧無段変速機を配置し、
    前記油圧ポンプを前記電動モータで駆動させ、前記出力軸を前記油圧モータで駆動させるように構成し、
    前記トローリングクラッチは、前記電動モータと前記油圧ポンプとの間に位置しており、
    前記電動モータを駆動させるインバータを備え、
    前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記トローリングクラッチを動力遮断状態にする、
    減速逆転機。
  6. 前記前後進切換機構が中立以外の場合は、前記トローリングクラッチを動力遮断状態にする、
    請求項5に記載の減速逆転機。
  7. 前記電動モータで間接的に前記出力軸を回転駆動させるにおいて、前記インバータを用いて前記電動モータの過負荷を検出した場合に前記電動モータへの電力供給をオフにする、
    請求項5又は6に記載の減速逆転機
  8. 請求項5〜7のうちいずれかに記載の減速逆転機を前記船体に搭載している、
    船舶。
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