JP2020040611A - 船舶推進用ハイブリッドシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な船舶推進用ハイブリッドシステムを提供する。【解決手段】プロペラ2を駆動するハイブリッドシステム1において、駆動伝達軸23は、エンジン5及びモータ6のうち一方又は両方の駆動力によって回転する。マリンギア12は、駆動伝達軸23の回転を減速する。エンジンクラッチ41は、エンジン5から駆動伝達軸23までの駆動伝達経路に配置され、接続状態と、遮断状態と、の間で切り換えられる。伝達クラッチ42は、駆動伝達軸23からプロペラ2までの駆動伝達経路に配置され、接続状態と、遮断状態と、の間で切り換えられる。制御部14は、モータ6によりプロペラ2を駆動する電動推進モードにおいて、モータ6に電力を供給して回転させ、油圧ポンプ45からの作動油の非供給によりエンジンクラッチ41を遮断状態にし、油圧ポンプ45からの作動油の供給により伝達クラッチ42を接続状態にする制御を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、船舶を推進させるためのプロペラを駆動する船舶推進用ハイブリッドシステムに関する。
従来から、複数の動力源を備え、状況に応じて動力源を変更する船舶推進用ハイブリッドシステムが知られている。特許文献1は、この種のハイブリッドシステムを開示する。
特許文献1は、主機関と、主機関に接続されて駆動力を伝達する入力軸と、モータジェネレータと、カップリングを介してモータジェネレータが接続された入出力軸と、入出力軸と入力軸の間に設けられた駆動力伝達用クラッチと、を備える船舶推進装置を開示する。この船舶推進装置では、駆動力伝達用クラッチを脱離状態とし、モータジェネレータをモータとして駆動することによりプロペラを駆動して船舶を推進するモータ推進を行うことができる。更に、船舶推進装置では、駆動力伝達用クラッチを接続状態とし、主機関による駆動を行いつつモータジェネレータをモータとして使用するハイブリッド推進を行うことができる。
しかし、上記特許文献1においては、プロペラを停止させた状態でモータジェネレータを発電機として機能させることができず、主機関の動力を効率的に活用することが難しかった。プロペラを停止させつつ発電できるようにするためには、駆動力伝達用クラッチの他にクラッチを新たに設ける必要があるが、この場合、2つのクラッチを切り換える必要があり、構成が複雑化するおそれがある。
そこで、本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、プロペラを停止させた状態でモータジェネレータを発電機として機能させることができる簡素な構成の船舶推進用ハイブリッドシステムを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の船舶推進用ハイブリッドシステムが提供される。即ち、この船舶推進用ハイブリッドシステムは、船舶を推進させるためのプロペラを駆動する。この船舶推進用ハイブリッドシステムは、エンジンと、モータと、駆動伝達軸と、減速装置と、第1油圧クラッチと、第2油圧クラッチと、油圧ポンプと、制御部と、を備える。前記駆動伝達軸は、前記エンジン及び前記モータのうち一方又は両方の駆動力によって回転する。前記減速装置は、前記駆動伝達軸の回転を減速する。前記第1油圧クラッチは、前記エンジンから前記駆動伝達軸までの駆動伝達経路に配置され、前記エンジンの駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる。前記第2油圧クラッチは、前記駆動伝達軸から前記プロペラまでの駆動伝達経路に配置され、前記駆動伝達軸の駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる。前記油圧ポンプは、前記第1油圧クラッチ及び前記第2油圧クラッチを前記接続状態にするための作動油を供給する。前記制御部は、前記モータにより前記プロペラを駆動する電動推進モードにおいて、以下の制御を行う。即ち、前記制御部は、前記モータに電力を供給して回転させる。前記制御部は、前記油圧ポンプからの作動油を供給しないことにより前記第1油圧クラッチを遮断状態にする。前記制御部は、前記油圧ポンプからの作動油を供給することにより前記第2油圧クラッチを接続状態にする。
これにより、第1油圧クラッチ及び第2油圧クラッチの両方を、1つの油圧ポンプが供給する作動油を利用して切り換えることができる。従って、複数の油圧源が不要になるので、構成の簡素化及び低コスト化を実現することができる。
前記の船舶推進用ハイブリッドシステムにおいては、前記電動推進モードにおいて、前記油圧ポンプは前記モータにより駆動されることが好ましい。
これにより、プロペラを駆動するためのモータにより油圧ポンプを駆動することができるので、構成の一層の簡素化及び低コスト化を実現することができる。
前記の船舶推進用ハイブリッドシステムにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記駆動伝達軸は、前記エンジンの駆動力と前記モータの駆動力を合成することが可能なハイブリッドユニットに配置される。前記油圧ポンプは、前記ハイブリッドユニットに配置されている。
このように油圧ポンプをハイブリッドユニットに配置することで、油圧ポンプ及び当該油圧ポンプの駆動伝達経路をユニットとしてまとめることができ、ハイブリッドシステムの構築が容易になる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るハイブリッドシステムの全体的な構成を示す概略図である。
図1に示すハイブリッドシステム(船舶推進用ハイブリッドシステム)1は、船舶に備えられ、プロペラ2を回転させて船舶を推進させる。プロペラ2は、プロペラシャフト3に固定されている。
ハイブリッドシステム1は、プロペラ2(プロペラシャフト3)を駆動するために、エンジン5と、モータ6と、の2種類の駆動源を備える。更に、ハイブリッドシステム1は、ハイブリッドユニット11と、マリンギア(減速装置)12と、油圧回路部13と、制御部14と、を備える。
エンジン5は、船舶用の公知のディーゼルエンジンである。ハイブリッドシステム1において、エンジン5は主機関として機能する。詳細は図示しないが、エンジン5には、シリンダやピストン等によって区画された燃焼室が形成される。当該燃焼室内で燃料が燃焼することによって、ピストンが往復運動する。エンジン5には、出力軸であるクランクシャフト21が支持されている。クランクシャフト21は、ピストンの往復運動を受けて回転運動する。これにより、クランクシャフト21を通じてエンジン5から動力を取り出すことができる。
モータ6は、インバータ7を介してバッテリー8に接続されている。インバータ7は、制御部14と電気的に接続されている。バッテリー8に蓄えられた電力が、インバータ7を介してモータ6に供給されることによって、モータ出力軸を回転駆動することができる。また、モータ出力軸を外力によって回転させることで、モータ6を発電機として機能させ、バッテリー8を充電することができる。
ハイブリッドユニット11は、エンジン5及びモータ6の駆動力を合成してマリンギア12に伝達することができる。
ハイブリッドユニット11は、入力軸22と、駆動伝達軸23と、を備える。入力軸22及び駆動伝達軸23は、ハイブリッドユニット11が備えるハウジングに回転可能に支持されている。入力軸22は、エンジン5のクランクシャフト21に、カップリング24を介して相対回転不能に結合される。
入力軸22と駆動伝達軸23とは、同軸で配置されている。入力軸22と駆動伝達軸23の間には、エンジンクラッチ(マスタクラッチ、第1油圧クラッチ)41が配置されている。エンジンクラッチ41は、エンジン5から駆動伝達軸23までの駆動伝達経路の途中に位置している。
エンジンクラッチ41は公知の油圧クラッチ(例えば、湿式多板クラッチ)として構成されている。エンジンクラッチ41には、ハイブリッドユニット11が備える後述の油圧ポンプ45の作動油が供給される。エンジンクラッチ41は、入力軸22の動力を駆動伝達軸23に伝達する状態と、入力軸22の動力を駆動伝達軸23に対して遮断する状態と、の間で切換可能に構成されている。
ハイブリッドユニット11には、モータ6が取り付けられる。モータ6の出力軸には、モータ出力ギア25が固定される。駆動伝達軸23には伝達ギア26が固定される。モータ出力ギア25は、伝達ギア26と噛み合っている。
ハイブリッドユニット11は、油圧ポンプ45を備える。油圧ポンプ45は例えばギアポンプとすることができるが、他の形式の公知のポンプとすることもできる。油圧ポンプ45を駆動するために、駆動伝達軸23にはポンプ出力ギア27が固定される。油圧ポンプ45の入力軸には、ポンプ入力ギア28が固定される。ポンプ出力ギア27は、ポンプ入力ギア28と噛み合っている。
マリンギア12は、ハイブリッドユニット11から入力された回転を減速してプロペラシャフト3に出力する。マリンギア12は、ハイブリッドユニット11を挟んでエンジン5と反対側に取り付けられる。
マリンギア12は、減速入力軸29と、伝達軸30と、減速出力軸31と、を備える。減速入力軸29、伝達軸30及び減速出力軸31は何れも、マリンギア12が備えるハウジングに回転可能に支持されている。減速入力軸29は、ハイブリッドユニット11の駆動伝達軸23に、カップリング32を介して相対回転不能に結合される。減速出力軸31は、プロペラシャフト3に、カップリング33を介して相対回転不能に結合される。
減速入力軸29と伝達軸30とは、同軸で配置されている。減速入力軸29と伝達軸30の間には、伝達クラッチ(第2油圧クラッチ)42が配置されている。伝達クラッチ42は、駆動伝達軸23からプロペラ2までの駆動伝達経路の途中に位置している。
伝達クラッチ42は、上記のエンジンクラッチ41と同様に、公知の油圧クラッチ(例えば、湿式多板クラッチ)として構成されている。伝達クラッチ42には、ハイブリッドユニット11の油圧ポンプ45の作動油が供給される。伝達クラッチ42は、減速入力軸29の動力を伝達軸30に伝達する状態と、減速入力軸29の動力を伝達軸30に対して遮断する状態と、の間で切換可能に構成されている。
伝達軸30には、第1減速ギア36が固定される。減速出力軸31には、第2減速ギア37が固定される。第1減速ギア36は、第2減速ギア37と噛み合っている。
次に、エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42を駆動するための油圧回路部13について説明する。
油圧回路部13は、第1作動油経路46と、第2作動油経路47と、を備える。
第1作動油経路46は、ハイブリッドユニット11に配置された油圧ポンプ45の吐出口と、エンジンクラッチ41と、を接続する。
第1作動油経路46には第1電磁弁48が配置されている。第1電磁弁48は、開閉することで、油圧ポンプ45が吐出する作動油をエンジンクラッチ41へ供給する状態と、作動油の供給を停止する状態と、を切り換えることができる。
第1電磁弁48が開くと、作動油がエンジンクラッチ41に供給されて、エンジンクラッチ41を接続状態とすることができる。第1電磁弁48が閉じると、作動油がエンジンクラッチ41に供給されなくなるので、エンジンクラッチ41を遮断状態とすることができる。このように、第1電磁弁48を開閉することで、エンジンクラッチ41の接続/遮断を切り換えることができる。
第2作動油経路47は、油圧ポンプ45の吐出口と、伝達クラッチ42と、を接続する。
第2作動油経路47には第2電磁弁49が配置されている。第2電磁弁49は、開閉することで、油圧ポンプ45が吐出する作動油を伝達クラッチ42へ供給する状態と、作動油の供給を停止する状態と、を切り換えることができる。
第2電磁弁49が開くと、作動油が伝達クラッチ42に供給されて、伝達クラッチ42を接続状態とすることができる。第2電磁弁49が閉じると、作動油が伝達クラッチ42に供給されなくなるので、伝達クラッチ42を遮断状態とすることができる。このように、第2電磁弁49を開閉することで、伝達クラッチ42の接続/遮断を切り換えることができる。
第1電磁弁48及び第2電磁弁49は、後述の制御部14にそれぞれ電気的に接続される。
制御部14は、CPU、RAM、ROM等を備えるコンピュータである。ROMには、ハイブリッドシステム1を制御するためのプログラムが記憶されている。
ハイブリッドシステム1は、複数の駆動モードを切り換えながら減速出力軸31(言い換えれば、プロペラシャフト3)を駆動することができる。この駆動モードには、電動推進モードと、エンジン推進モードと、推進充電モードと、ハイブリッド推進モードと、停止充電モードと、が含まれる。
電動推進モードでは、制御部14は、エンジン5を停止状態とする。制御部14は、バッテリー8からの電力でモータ6を駆動するようにインバータ7を制御する。更に、制御部14は、エンジンクラッチ41を遮断し、伝達クラッチ42を接続させるように、第1電磁弁48及び第2電磁弁49を制御する。これにより、図2の太線矢印に示すように、減速出力軸31にモータ6の駆動力だけが伝達され、プロペラシャフト3を介してプロペラ2を駆動することができる。
エンジン推進モードでは、制御部14は、エンジン5を運転状態とする。制御部14は、モータ6にバッテリー8の電力を供給せず、かつ、モータ6が生成した電力をバッテリー8に供給しないように、インバータ7を制御する。更に、制御部14は、エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42を何れも接続させるように、第1電磁弁48及び第2電磁弁49を制御する。これにより、図3の太線矢印に示すように、減速出力軸31にエンジン5の駆動力だけが伝達され、プロペラシャフト3を介してプロペラ2を駆動することができる。
推進充電モードでは、制御部14は、図3の太線の破線矢印に示すように、モータ6が生成した電力をバッテリー8に供給するようにインバータ7を制御する。この点を除き、推進充電モードはエンジン推進モードと同様である。
ハイブリッド推進モードでは、制御部14は、エンジン5を運転状態とする。制御部14は、バッテリー8からの電力でモータ6を駆動するようにインバータ7を制御する。更に、制御部14は、エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42を何れも接続させるように、第1電磁弁48及び第2電磁弁49を制御する。これにより、図4の太線矢印に示すように、減速出力軸31にエンジン5及びモータ6の駆動力が伝達される。
停止充電モードでは、制御部14は、エンジン5を運転状態とする。制御部14は、モータ6が生成した電力をバッテリー8に供給するように、インバータ7を制御する。更に、制御部14は、エンジンクラッチ41を接続し、伝達クラッチ42を遮断するように、第1電磁弁48及び第2電磁弁49を制御する。これにより、プロペラシャフト3に駆動力が出力されない状態で、エンジン5の駆動力によってモータ6が生成した電力をバッテリー8に蓄えることができる。
次に、ハイブリッドシステム1において、停止状態だった船舶が低速での航行を開始する場合の制御について説明する。
停船中の船舶において、エンジン5及びモータ6が停止した状態で、微速航行したい操船者が図略の速度指示操作部材(例えば、レバー)を速度ゼロから前進側へ少し操作したとする。これに応じて、制御部14は、駆動モードを図2の電動推進モードとし、バッテリー8の電力をモータ6に供給してモータ6を低速で駆動するように、インバータ7を制御する。
電動推進モードでは、制御部14が第1電磁弁48を閉じる一方、第2電磁弁49を開く。また、モータ6の回転がモータ出力ギア25、伝達ギア26、駆動伝達軸23、ポンプ出力ギア27及びポンプ入力ギア28の順に伝達され、油圧ポンプ45が駆動される。
油圧ポンプ45は当初は回転していなかったため、モータ6が回転を開始した時点では、第2電磁弁49が開いていても、十分な作動油が伝達クラッチ42に供給されていない。従って、伝達クラッチ42は実質的に遮断されている。しかしながら、その後もモータ6によって油圧ポンプ45が継続して駆動されることにより、第2作動油経路47に作動油が供給されて、第2作動油経路47の圧力が上昇する。この結果、実質的な遮断状態だった伝達クラッチ42が、半クラッチ状態を経て完全な接続状態になる。
伝達クラッチ42が遮断状態から接続状態へ徐々に変化するのに伴って、モータ6によって低速で駆動されている駆動伝達軸23(減速入力軸29)から、動力が伝達軸30に少しずつ伝達されるようになる。この結果、停止状態のプロペラシャフト3の回転速度がゼロから徐々に増加して微速航行となる制御(トローリング)を実現することができる。
ところで、ハイブリッド駆動ではない(エンジン駆動による)推進装置に用いられるマリンギアにおいて、従来から、当該マリンギアにおける動力の接続/遮断を切り換える油圧クラッチを内蔵する構成が知られている。このエンジン駆動用のマリンギアは、油圧クラッチに作動油を供給する油圧ポンプを当該マリンギアに配置する構成となっていることが多い。この構成では、油圧クラッチを作動させる油圧を得るためには、エンジンにより、所定回転数以上(例えば、エンジンのアイドリング回転数に相当する回転数)で油圧ポンプを駆動する必要がある。従って、油圧クラッチが繋がった瞬間に、プロペラシャフトは、エンジンのアイドリング回転数に対応する回転数で回転することになる。このように、エンジン駆動による推進システムでは、停船状態から微速航行状態までプロペラシャフトの回転を徐々に立ち上げること(トローリング)が困難であった。
この点、本実施形態のハイブリッドシステム1では、油圧ポンプ45がマリンギア12ではなくハイブリッドユニット11に配置されている。また、ハイブリッドユニット11に設けられる油圧ポンプ45は、上述の従来のマリンギアの油圧ポンプと比較して、低い回転数で駆動されても所定の圧力で作動油を吐出することが可能な構成となっている。従って、油圧ポンプを増やす必要がなくなり、簡素な構成で、上記のトローリングを実現することができる。
トローリングは、上述したとおり、電動推進モードにおいて行われる。操船者の操作により微速航行から脱して、プロペラシャフト3の回転速度がある程度まで増加した場合、制御部14は、ハイブリッドシステム1の推進モードを、電動推進モードから例えばハイブリッド推進モードに切り換える。具体的には、制御部14は、エンジン5を運転状態とする。そして、制御部14は、クランクシャフト21の回転数を駆動伝達軸23の回転数と一致させるようにエンジン5及びモータ6を制御し、この状態でエンジンクラッチ41を接続する。
電動推進モードからエンジン推進モードに切り換える場合、ハイブリッド推進モードを過渡的に経由する。具体的には、上述と同様に電動推進モードからハイブリッド推進モードに切り換えてしばらくした後、制御部14は、モータ6を停止させるようにインバータ7を制御する。これにより、円滑なモード切換を実現することができる。
以上に説明したように、本実施形態のハイブリッドシステム1は、船舶を推進させるためのプロペラ2を駆動する。このハイブリッドシステム1は、エンジン5と、モータ6と、駆動伝達軸23と、マリンギア12と、エンジンクラッチ41と、伝達クラッチ42と、油圧ポンプ45と、制御部14と、を備える。駆動伝達軸23は、エンジン5及びモータ6のうち一方又は両方の駆動力によって回転する。マリンギア12は、駆動伝達軸23の回転を減速する。エンジンクラッチ41は、エンジン5から駆動伝達軸23までの駆動伝達経路に配置され、エンジン5の駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる。伝達クラッチ42は、駆動伝達軸23からプロペラ2までの駆動伝達経路に配置され、駆動伝達軸23の駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる。油圧ポンプ45は、エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42を接続状態にするための作動油を供給する。制御部14は、モータ6によりプロペラ2を駆動する電動推進モードにおいて、以下の制御を行う。即ち、制御部14は、モータ6に電力を供給して回転させる。制御部14は、油圧ポンプ45からの作動油を供給しないことによりエンジンクラッチ41を遮断状態にする。制御部14は、油圧ポンプ45からの作動油を供給することにより伝達クラッチ42を接続状態にする。
これにより、エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42の両方を、1つの油圧ポンプ45が供給する作動油を利用して切り換えることができる。従って、複数の油圧源が不要になるので、構成の簡素化及び低コスト化を実現することができる。
また、本実施形態のハイブリッドシステム1においては、電動推進モードにおいて、油圧ポンプ45はモータ6により駆動される。
これにより、プロペラ2を駆動するためのモータ6により油圧ポンプ45を駆動することができるので、構成の一層の簡素化及び低コスト化を実現することができる。
また、本実施形態のハイブリッドシステム1において、駆動伝達軸23は、エンジン5の駆動力とモータ6の駆動力を合成することが可能なハイブリッドユニット11に配置される。油圧ポンプ45は、ハイブリッドユニット11に配置されている。
このように油圧ポンプ45をハイブリッドユニット11に配置することで、油圧ポンプ45及び当該油圧ポンプ45を駆動するための構成(具体的には、ポンプ出力ギア27及びポンプ入力ギア28)をハイブリッドユニット11にまとめることができ、ハイブリッドシステム1の構築が容易になる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
エンジンクラッチ41及び伝達クラッチ42は、湿式多板クラッチとすることに代えて、他の形式のクラッチとすることもできる。
マリンギア12に、伝達クラッチ42として、前進クラッチ及び後進クラッチを設けても良い。この場合、前進クラッチ及び後進クラッチの両方を、油圧ポンプ45からの作動油により切り換える構成とすることが好ましい。
ポンプ入力ギア28は、ポンプ出力ギア27に噛み合う構成とすることに代えて、伝達ギア26又はモータ出力ギア25に噛み合う構成とすることもできる。
マリンギア12の回転速度を減速させる構造は、適宜に変更しても良い。マリンギア12は、例えば、遊星歯車機構によって減速を行う構成であっても良い。
1 ハイブリッドシステム(船舶推進用ハイブリッドシステム)
2 プロペラ
5 エンジン
6 モータ
9 制御部
11 ハイブリッドユニット
12 マリンギア(減速装置)
14 制御部
23 駆動伝達軸
41 エンジンクラッチ(第1油圧クラッチ)
42 伝達クラッチ(第2油圧クラッチ)
45 油圧ポンプ
2 プロペラ
5 エンジン
6 モータ
9 制御部
11 ハイブリッドユニット
12 マリンギア(減速装置)
14 制御部
23 駆動伝達軸
41 エンジンクラッチ(第1油圧クラッチ)
42 伝達クラッチ(第2油圧クラッチ)
45 油圧ポンプ
Claims (3)
- 船舶を推進させるためのプロペラを駆動する船舶推進用ハイブリッドシステムであって、
エンジンと、
モータと、
前記エンジン及び前記モータのうち一方又は両方の駆動力によって回転する駆動伝達軸と、
前記駆動伝達軸の回転を減速する減速装置と、
前記エンジンから前記駆動伝達軸までの駆動伝達経路に配置され、前記エンジンの駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる第1油圧クラッチと、
前記駆動伝達軸から前記プロペラまでの駆動伝達経路に配置され、前記駆動伝達軸の駆動力を伝達する接続状態と、駆動力を遮断する遮断状態と、の間で切り換えられる第2油圧クラッチと、
前記第1油圧クラッチ及び前記第2油圧クラッチを前記接続状態にするための作動油を供給する油圧ポンプと、
前記モータにより前記プロペラを駆動する電動推進モードにおいて、前記モータに電力を供給して回転させ、前記油圧ポンプからの作動油を供給しないことにより前記第1油圧クラッチを遮断状態にし、前記油圧ポンプからの作動油を供給することにより前記第2油圧クラッチを接続状態にする制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする船舶推進用ハイブリッドシステム。 - 請求項1に記載の船舶推進用ハイブリッドシステムであって、
前記電動推進モードにおいて、前記油圧ポンプは前記モータにより駆動されることを特徴とする船舶推進用ハイブリッドシステム。 - 請求項2に記載の船舶推進用ハイブリッドシステムであって、
前記駆動伝達軸は、前記エンジンの駆動力と前記モータの駆動力を合成することが可能なハイブリッドユニットに配置され、
前記油圧ポンプは、前記ハイブリッドユニットに配置されていることを特徴とする船舶推進用ハイブリッドシステム。
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