JP4743808B2 - コンバインのトランスミッション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインのトランスミッションの刈取出力部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンバインのトランスミッションの刈取出力部に刈取出力プーリを設け、刈取部のプーリと連動連結して刈取部を駆動する構成は公知となっている。また、この刈取出力プーリまでの経路の途中にワンウェイクラッチを設ける技術が公知となっている。この構成によれば、コンバイン前進時にはワンウェイクラッチが係合して刈取部を駆動し、後進時にはワンウェイクラッチが空回りして動力伝達を遮断し、刈取部の逆駆動を防止することができる。このワンウェイクラッチとしては、例えば内輪と外輪との間に楔形状のカムが介在されたような構造や、内輪あるいは外輪を楔形状に形成し、間に玉やコロを入れたものを採用するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような構造のワンウェイクラッチは構成が複雑で、デリケートかつ寿命が短く、頻繁にメンテナンスを行わなければならなかった。また、このようなメンテナンスをするにおいては、トランスミッションのミッションケースをいったん分解して行わなければならず、きわめて面倒なものだったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、コンバインのトランスミッションにおいて、該トランスミッションのハウジングに備えられる駆動ユニットと、前記ハウジング外に延出しながら回転自在に支持され、前記駆動ユニットに連動連結されるPTO軸(26)と、該PTO軸(26)の前記延出部分に設けられるPTOプーリ(34)とを具備し、該PTOプーリ(34)と前記PTO軸(26)との間にワンウェイクラッチを介在させ、該ワンウェイクラッチは、前記PTOプーリ(34)内部で前記PTO軸(26)に対し相対回転不能に取り付けられ、爪部(43c)を有する第一の爪部材(43’)と、前記PTOプーリ(34)内部で該PTOプーリ(34)に対し相対回転不能に取り付けられ、前記爪部(43c)に対し係合し得る爪部(47a)を有する第二の爪部材(47)とにより構成し、前記第一の爪部材(43’)にはヘリカルスプライン(42)を設け、該ヘリカルスプライン(42)により、前記爪部(43c)は前記PTO軸(26)に対し摺動自在とし、前記PTOプーリ(34)のボス部内周面と前記PTO軸(26)外周面との間に、オイルシール(46)を介設し、前記PTOプーリ(34)の軸方向他端に蓋体(37)を設け、内部の空間を油密的に封鎖し、該PTOプーリの蓋体(37)には注入口を穿設し、該注入口を介して前記空間に流体を注入可能に構成し、前記第一の爪部材(43’)と前記第二の爪部材(47)との間に流体を介在させ、前記第二の爪部材(47)の爪部(47a)に設けられた斜面(61)に円弧状の溝(65)を欠設し、該溝(65)に緩衝材(53)を嵌入し、該緩衝材(53)は該爪部(47a)の面から少量だけ突出する接当面を構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0007】
図1はコンバインのトランスミッション周辺の構成を表した図、図2はトランスミッションのスケルトン図である。
【0008】
図3はトランスミッションの背面図一部断面展開図である。
【0009】
図4は刈取出力プーリ内のワンウェイクラッチの構成例を表した図、図5はワンウェイクラッチの爪部の構成を表した斜視図、図6は同じく周方向展開断面図である。
【0010】
図1に鎖線で略示される農用コンバイン1において、原動機であるエンジン2の出力軸3にプーリ4が固設されている。駆動ユニットたるHST式変速装置6の入力軸7上にもプーリ8が固設されており、両プーリ4・8の間にはベルト9が巻回され、両軸3・7を連動連結している。図3に示すように、前記HST式変速装置6はそのハウジング10をトランスミッションのハウジングたるミッションケース11の上部側面に付設して構成され、互いに油圧的に結合される油圧ポンプ51及び油圧モータ52(図2に略示)を該ハウジング10の内部に収納している。前記油圧ポンプ51の回転軸線上には前記入力軸7が配置され、その一端を前記ハウジング10から側方に突出させ、該突出部分に前記プーリ8を固定している。油圧モータ52の回転軸線上には出力軸13が配置され、回転自在に支持される。図3に示すように前記ハウジング10の外側上面には操作アーム12が回動自在に配設されて、該操作アーム12を回動操作することによって油圧ポンプ51の容積を無段的に変更できるように構成している。該操作アーム12は適宜のリンク機構を介して、コンバインの運転座席に設けられる図略の主変速レバーに連係させている。従って、オペレータが該主変速レバーを操作することで、無段変速された回転を前記出力軸13に得ることができる。
【0011】
前記出力軸13の一端は、前記ミッションケース11の側壁を貫通させて内部に突入させ、該突入部分には入力ギア14を固定している。該入力ギア14は、前記ミッションケース11に横支される支軸15上に回転自在に遊嵌される中間ギア16に噛合され、該中間ギア16は、前記ミッションケース11に回転自在に軸支される伝達軸17上に固定された、副変速入力歯車18に噛合される。伝達軸17には副変速のための三つの歯車、即ち、高速原動歯車19、中速原動歯車20、低速原動歯車21が設置されている。中速原動歯車20・低速原動歯車21は伝達軸17に対し相対回転不能に固定される一方、高速原動歯車19は伝達軸17に遊嵌されている。また、伝達軸17上には第一クラッチスライダ31が軸方向摺動自在に設置され、高速原動歯車19に対して係脱自在となるよう構成している。
【0012】
前記伝達軸17と平行に副変速軸29が配置されて回転自在に支持され、該副変速軸29上に高速従動歯車22が刻設されるとともに、中速従動歯車23・低速従動歯車24がそれぞれ回転自在に配置されている。そして、高速従動歯車22は前記高速原動歯車19に、中速従動歯車23は前記中速原動歯車20に、低速従動歯車24は前記低速原動歯車21に、それぞれ噛合されている。この副変速軸29上には第二クラッチスライダ32が軸方向摺動自在に設置され、副変速軸29に対し中速従動歯車23又は低速従動歯車24のいずれか一方を係合させ、あるいはいずれをも係合させない状態を作り出すことができる。この第二クラッチスライダ32は前記第一クラッチスライダ31と同時に摺動操作できるように構成してあり、コンバイン1の運転座席に設けられる図略の副変速レバーに連係されている。従って、オペレータがこの副変速レバーを操作することにより、前記副変速軸29に高速、中速、低速のいずれかの回転を得、あるいは回転動力が遮断される中立状態を現出させることができる。
【0013】
この副変速軸29は適宜の減速歯車列や差動機構を介して左右の車軸25・25(図1)へ連動連結され、最終的には前記エンジン1の動力が左右車軸25・25に伝達されて駆動される。なお、該副変速軸29には摩擦多板式の駐車ブレーキ装置40が設けられており、コンバインの図示せぬ駐車ブレーキ手段を操作することにより該副変速軸29をロックして、車両の確実な停止を行わせるようにしている。
【0014】
図2や図3に示すように、ミッションケース11には刈取駆動回転を出力するためのPTO軸たる刈取出力軸26が回転自在に支持され、その一端には連結ギア27が固定されるとともに、他端はミッションケース11の側壁から延出される。前記連結ギア27には、前記伝達軸17上に固定された伝達ギア28が噛合され、前記HST式変速装置6の出力回転がこの刈取出力軸26に伝達されるようになっている。
【0015】
図4に示すように、前記刈取出力軸26の突出部分においてはスプラインを介して筒状のカラー33を相対回転不能に設け、該カラー33には、PTOプーリたる刈取出力プーリ34を設けている。この刈取出力プーリ34は図1に示すとおり、刈取部70の入力プーリ71とベルト72を介して連動連結され、該刈取部70へ動力を伝達可能に構成している。この刈取出力プーリ34は、前記カラー33にベアリング38を介して回転自在に支持された取付支持体36と、該取付支持体36にボルト固定され、外周面にベルト嵌合溝を形設する筒状の本体35と、該本体35の軸方向一端面を閉鎖する蓋体37からなる。
【0016】
前記取付支持体36は図4に示すように、ボス部36aと、該ボス部36aから放射方向に延出して設けられるフランジ部36bと、前記ボス部36aから軸方向に向かって形成される円筒状の延出部36cとを備えている。該延出部36cの内周面には前記ベアリング38の外輪を嵌合させるとともに、該延出部36cの軸方向端縁には爪部36dが設けられている。前記カラー33の外周面にはヘリカルスプライン42が刻設され、該ヘリカルスプライン42上に第一の部材たる爪部材43を配置している。この爪部材43は、内周面に前記ヘリカルスプライン42に係合するスプラインを形成した筒状のボス部43aと、前記ベアリング38の軸方向端面に沿って放射方向に延びる円板状のフランジ部43bと、該フランジ部43bの周縁に形設した爪部43cとを有している。この爪部43cは前記取付支持体36の爪部36dと係合可能に構成している。
【0017】
図5・図6に示すように、取付支持体36と爪部材43それぞれに設けられる爪部36d・43cの形状は、いずれも、半円弧状の緩やかな斜面61と垂直状の押動面62とを位相180°毎に交互に配する鋸歯状に構成してあり、爪部材43が一側に回転するときは斜面61・61同士が滑って空回りする一方、爪部材43が他側に回転するときは押動面62が他方の押動面62を押動して一体的に回転するようにして、第一の部材たる爪部材43と第二の部材たる取付支持体36との間にワンウェイクラッチが構成されている。図4に示すように、前記カラー33上にはバネ受け部材44が固定されて、該バネ受け部材44と前記爪部材43との間にコイルバネ状の付勢バネ45が弾装され、両爪部36d・43cを互いに軸方向に近接させるための付勢力を与えている。
【0018】
ここで、前記爪部材43はヘリカルスプライン構造を介して前記カラー33に設置されているので、刈取出力軸26とともにカラー33が正転したときは爪部材43に前記取付支持体36に近接する方向のスラスト力が、刈取出力軸26とともにカラー33が逆転したときは爪部材43に前記取付支持体36から離間する方向のスラスト力が、該ヘリカルスプライン構造からそれぞれ作用するようになっている。従って、刈取出力軸26正転時(コンバイン前進時)には前記スラスト力が前記付勢バネ45の弾発力と相まって爪部材43を取付支持体36へ近接させる方向へ作用するので、該爪部材43の爪部43cは前記取付支持体36の爪部36dにスムーズに係合して回転を確実に伝達する。一方、刈取出力軸26逆転時(コンバイン後進時)には前記スラスト力が前記付勢バネ45の弾発力に抗して爪部材43を取付支持体36から離間させる方向に作用するので、両爪部36d・43cの斜面61・61間の滑りが容易に行われ、爪部材43に対する取付支持体36の連れ回り(即ち、刈取出力プーリ34の連れ回り)を防止し、確実に空回りさせるのである。
【0019】
前記本体35は、その軸方向一端面を前記取付支持体36のフランジ部36bにボルト固定するとともに、軸方向他側の内周面は前記カラー33の外周面にベアリング39を介して支持させている。そして、該本体35の一側側面には蓋体37がボルトにより取り付けられ、本体35の内部に、前記刈取出力軸26の前記ミッションケース11からの突出部分や、前記カラー33や前記爪部材43を収納している。
【0020】
前記取付支持体36のボス部36a内周面と前記刈取出力軸26外周面との間にはオイルシール46が介設されて、前記本体35内部の空間を油密的に封鎖する構成としている。前記蓋体37には注入口が穿設されて、該注入口を介して前記空間に流体であるオイル又はグリスを注入できるようにしており、その後に注入口をキャップ50・50で封鎖して、封入されたオイル(グリス)が内部のベアリング38・39や爪部材43等を潤滑できるようになっている。
【0021】
そして、前記爪部材43のフランジ部43bの外周面が、前記本体35の内周面との間になす隙間(図4に示すδ)を小さく形成して、爪部材43と取付支持体36との間の空間へ出入りするオイル(グリス)の流量を制限している。これにより、前記刈取出力軸26の逆転により爪部材43が取付支持体36に対して空回りする際に、斜面61・61同士が滑って一側の斜面61の先端が他側の斜面61の先端を越えると前記付勢バネ45の作用により爪部材43の斜面61が取付支持体36の斜面61に打ち付けられようとするが、爪部材43と取付支持体36とに挟まれた空間から流出するオイル(グリス)の流量が前記隙間δによって絞られ制限されているので、前記爪部材43を打ち付けようとする力(主に、前記付勢バネ45による力)にオイル(グリス)の圧力が抗し、両爪部36d・43cの斜面61・61同士が激しく打ち付けられることが抑制されるのである。これによって、コンバインが後進し前記爪部材43が空回りするときの「パチン」という打音の発生が抑制され、従来の爪型ワンウェイクラッチの課題であった空回り時の静粛性が良好とされている。
【0022】
次に、本発明の実施例を説明する。図7は実施例において、刈取出力プーリ内のワンウェイクラッチの構成を表した図、図8はワンウェイクラッチの爪部の構成を表した斜視図、図9は同じく周方向展開断面図である。
【0023】
この実施例においては図7に示すように、前記構成例と同様に前記刈取出力軸26を支持し、そのミッションケース11外突出部分においてはスプラインを介して筒状のカラー33を固定し、該カラー33に刈取出力プーリ34’を設けている。前記カラー33の外周面にはヘリカルスプライン42が刻設され、該ヘリカルスプライン42上に第一の部材たる爪部材43’を配置している。この爪部材43’は図7や図8に示すように、内周面に前記ヘリカルスプライン42に係合するスプラインを形成した筒状のボス部43aと、前記ベアリング38の軸方向端面に沿って径方向に延びる円板状のフランジ部43bと、該フランジ部43bの周縁に軸方向に形設した爪部43cとを有している。
【0024】
前記爪部材43’に隣接させて第二の爪部材47が前記刈取出力軸26に相対回転自在に支持され、この第二の爪部材47の前記爪部材43’に対向する側面には、前記爪部43cに係合可能な爪部47aを形成している。そして、本実施例の刈取出力プーリ34’は取付支持体を有しない構成としており、その代わりに筒状の本体35’の軸方向一端側をその回転軸心に向けて延出し、該延出部分73の内周縁と前記刈取出力軸26の外周面との間にオイルシール46を設けてある。前記第二の爪部材47は前記本体35’の内周面に嵌合されてあり、予め該内周面に形成されてあるキー溝48とキー49とにより、両者が相対回転不能に固定されている。
【0025】
爪部材43’と第二の爪部材47それぞれに設けられる爪部36d・43cの形状は図8や図9に示すように、いずれも、緩やかな斜面61の端部に接続して平坦な凸部63を設け、該凸部63から垂直に延出された押動面62を挟んで平坦な凹部64を設け、これを位相120°毎に周期的に配する略鋸歯状に構成してあり、爪部材43’が一側に回転するときは斜面61・61同士が滑って空回りする一方、爪部材43’が他側に回転するときは前記押動面62が他方の押動面62を押動して動力を伝達するようにして、爪部材43’と第二の爪部材47との間にワンウェイクラッチを構成している。前記カラー33上にはバネ受け部材44を設置して、該バネ受け部材44と前記爪部材43’との間に付勢バネ45を介設し、該付勢バネ45により、爪部材43’を第二の爪部材47に近接する方向へ付勢している。
【0026】
前記本体35の刈取出力軸26先端側に位置する内周面は、前記カラー33の外周面にベアリング39を介して支持させている。該ベアリング39を覆うように該本体35の一側側面に蓋体37がボルトにより取り付けられ、本体35の内部に、前記刈取出力軸26の前記ミッションケース11からの突出部分や、前記カラー33・前記爪部材43’・前記第二の爪部材47等を収納している。前記蓋体37には注入口が穿設されて、該注入口を介して前記空間にオイル又はグリスを注入できるようにしており、その後に注入口をキャップ50で封鎖して、封入されたオイル(グリス)が内部のベアリング38・39や爪部材43’等を潤滑できるようになっている。
【0027】
また図7に示すように、前記本体35’の内周面にはリング状のカラー54が設置されて、その内周面に前記爪部材43’のフランジ部43bの外周面が嵌合される関係になっている。前記カラー54の内周面と前記爪部材43’のフランジ部43bの外周面との間には適宜の摩擦力が発生するように構成されている。これにより、前記刈取出力軸26が逆転した場合でも、前記ヘリカルスプライン42と前記摩擦力に基づく適宜のトルクによりスラスト力が発生し、該スラスト力は前記爪部材43’を第二の爪部材47から離間させる方向に働き、また、離間した爪部材43’を前記摩擦力で保持できるようになっている。これにより逆転時の爪同士の接触が回避されるので、打音が発生することはない。
【0028】
以上のようにワンウェイクラッチ空回り時の爪同士の接触はほぼ回避されているが、爪部材43’が第二の爪部材47に万一打ち付けられるような場合でも、その打音を抑制すべく、爪部材43’と第二の爪部材47との間の空間にオイル(グリス)が流入/流出する経路として、細い孔55を前記爪部材43’に形成し、空間に流入/流出するオイル(グリス)の流量を該孔55によって絞るようにしている。この構成により、前記構成例と同様にオイル(グリス)の圧力が抵抗となって、「パチン」という打音が抑制されることとなる。
【0029】
そして本実施例においては図8や図9に示すように、前記第二の爪部材47の前記緩やかな斜面61から凸部63に跨る領域においてそれぞれ円弧状の溝65を欠設し、該溝65に緩衝材53を嵌入して設置している。この緩衝材53は第二の爪部材47の前記爪部47aの面から少量だけ突出する接当面を有しており、この接当面は前記爪部47aの面と平行となるようにしている。従って、コンバインが後進し前記爪部材43’が空回りする場合であって、前記付勢バネ45により爪部材43’が第二の爪部材47に向かって打ち付けられようとする場合であっても、この打ち付ける衝撃を該緩衝材53が緩衝するので、これによっても「パチン」という打音の発生が抑制され、ワンウェイクラッチ空回り時の静粛性が良好である。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0031】
請求項1に示す如く、コンバインのトランスミッションにおいて、該トランスミッションのハウジングに備えられる駆動ユニットと、前記ハウジング外に延出しながら回転自在に支持され、前記駆動ユニットに連動連結されるPTO軸(26)と、該PTO軸(26)の前記延出部分に設けられるPTOプーリ(34)とを具備し、該PTOプーリ(34)と前記PTO軸(26)との間にワンウェイクラッチを介在させ、該ワンウェイクラッチは、前記PTOプーリ(34)内部で前記PTO軸(26)に対し相対回転不能に取り付けられ、爪部(43c)を有する第一の爪部材(43’)と、前記PTOプーリ(34)内部で該PTOプーリ(34)に対し相対回転不能に取り付けられ、前記爪部(43c)に対し係合し得る爪部(47a)を有する第二の爪部材(47)とにより構成しので、ワンウェイクラッチとして構造が簡単な爪型のクラッチを採用することにより、耐久性の向上によってメンテナンスの必要頻度を減少でき、また製造コストの低減を図れる。
更に、PTO軸のハウジング外延出部分と、PTOプーリとの間に、前記ワンウェイクラッチを介在させたので、トランスミッションのミッションケースを分解することなく、PTOプーリを分解するだけでワンウェイクラッチにアクセスできるから、メンテナンスの工数を低減できる。
【0032】
また、前記第一の部材である爪部材(43)にはヘリカルスプライン(42)を設け、該ヘリカルスプライン(42)により、前記爪部(43c)は前記PTO軸(26)に対し摺動自在としたので、PTO軸回転時に第一の部材に対し生じるスラスト力が第二の部材に対する係脱をサポートするので、ワンウェイクラッチの係脱の切り換えがスムーズに行われる。
具体的には、PTO軸を正転から逆転に切り換えるときは第一の部材を第二の部材から離間させる方向に前記スラスト力が働くので、動力遮断がスムーズにでき連れ回りを防止できる。一方で、PTO軸を逆転から正転に切り換えるときは第一の部材を第二の部材に近接させる方向に前記スラスト力が働くので、即座に両部材が係合して動力の伝達が確実に行われることとなる。
【0033】
また、前記PTOプーリ(34)のボス部内周面と前記PTO軸(26)外周面との間に、オイルシール(46)を介設し、前記PTOプーリ(34)の軸方向他端に蓋体(34)を設け、内部の空間を油密的に封鎖し、該PTOプーリの蓋体(34)には注入口を穿設し、該注入口を介して前記空間に流体を注入可能に構成し、前記第一の部材と前記第二の部材との間に流体が介在されているので、流体が前記第一の部材又は第二の部材の急激な運動に対して抵抗を生じさせるので、ワンウェイクラッチ空回り時の打付け音の発生を抑制することができる。
【0034】
また、前記第二の爪部材(47)の爪部(47a)に設けられた斜面(61)に円弧状の溝(65)を欠設し、該溝(65)に緩衝材(53)を嵌入し、該緩衝材(53)は該爪部(47a)の面から少量だけ突出する接当面を構成したので、ワンウェイクラッチの空回り時に、一側の部材が他の部材に対して打ち付けられる際の衝撃を該緩衝材が吸収するので、打付け音を抑制できて静粛性が向上されるとともに、ワンウェイクラッチの摩耗・破損を防止できるほか、必要なメンテナンスの頻度も減少される。
従って、コンバインが後進し前記爪部材(43’)が空回りする場合であって、前記付勢バネ(45)により爪部材(43’)が、該第二の爪部材(47)に向かって打ち付けられようとする場合であっても、この打ち付ける衝撃を該緩衝材53が緩衝するので、これによっても「パチン」という打音の発生が抑制され、ワンウェイクラッチ空回り時の静粛性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインのトランスミッション周辺の構成を表した図。
【図2】 トランスミッションのスケルトン図。
【図3】 トランスミッションの背面図一部断面展開図。
【図4】 刈取出力プーリ内のワンウェイクラッチの構成例を表した図。
【図5】 ワンウェイクラッチの爪部の構成を表した斜視図。
【図6】 同じく周方向展開断面図。
【図7】 実施例において、刈取出力プーリ内のワンウェイクラッチの構成を表した図。
【図8】 ワンウェイクラッチの爪部の構成を表した斜視図。
【図9】 同じく周方向展開断面図。
【符号の説明】
1 コンバイン
6 HST式変速装置(駆動ユニット)
26 刈取出力軸(PTO軸)
34 刈取出力プーリ(PTOプーリ)
36 取付支持体(第二の部材)
36d 爪部
42 ヘリカルスプライン
43 爪部材(第一の部材)
43c 爪部
53 緩衝材

Claims (1)

  1. コンバインのトランスミッションにおいて、該トランスミッションのハウジングに備えられる駆動ユニットと、前記ハウジング外に延出しながら回転自在に支持され、前記駆動ユニットに連動連結されるPTO軸(26)と、該PTO軸(26)の前記延出部分に設けられるPTOプーリ(34)とを具備し、該PTOプーリ(34)と前記PTO軸(26)との間にワンウェイクラッチを介在させ、該ワンウェイクラッチは、前記PTOプーリ(34)内部で前記PTO軸(26)に対し相対回転不能に取り付けられ、爪部(43c)を有する第一の爪部材(43’)と、前記PTOプーリ(34)内部で該PTOプーリ(34)に対し相対回転不能に取り付けられ、前記爪部(43c)に対し係合し得る爪部(47a)を有する第二の爪部材(47)とにより構成し、前記第一の爪部材(43’)にはヘリカルスプライン(42)を設け、該ヘリカルスプライン(42)により、前記爪部(43c)は前記PTO軸(26)に対し摺動自在とし、前記PTOプーリ(34)のボス部内周面と前記PTO軸(26)外周面との間に、オイルシール(46)を介設し、前記PTOプーリ(34)の軸方向他端に蓋体(37)を設け、内部の空間を油密的に封鎖し、該PTOプーリの蓋体(37)には注入口を穿設し、該注入口を介して前記空間に流体を注入可能に構成し、前記第一の爪部材(43’)と前記第二の爪部材(47)との間に流体を介在させ、前記第二の爪部材(47)の爪部(47a)に設けられた斜面(61)に円弧状の溝(65)を欠設し、該溝(65)に緩衝材(53)を嵌入し、該緩衝材(53)は該爪部(47a)の面から少量だけ突出する接当面を構成したことを特徴とするコンバインのトランスミッション。
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