JP5191819B2 - 多板クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、クランク軸から変速機軸へクランク軸の回転駆動力を伝達する経路の途中に設けられる多板クラッチに関するものであり、特に摩擦板圧接力アシスト機構とバックトルクリミッタ機構とを備えた多板クラッチに関するものである。摩擦板圧接力アシスト機構は、駆動トルク増加時に摩擦板の圧接力を増加させてクラッチ容量の増加を図る機構であり、バックトルクリミッタ機構は、車輪から伝達されるバックトルクの伝達を低減するために、摩擦板の圧接力を緩め、摩擦板間の摺動を許容する機構である。以下の説明において、摩擦板圧接力アシスト機構に用いるカムをアシストカム、バックトルクリミッタ機構に用いるカムをスリッパカムと称する。
従来の第1の例のクラッチは、複数の摩擦板を皿ばねの付勢力によって圧接することにより、クランク軸の回転駆動力を変速機軸に伝達するものであるが、圧接力をアシストするカム機構を備え、クランク軸からの回転駆動力が増加したときは、上記皿ばねによる圧接力に、カム機構によって発生する圧接方向の力を付加して、摩擦板に対する圧接力の総和を増加させている(例えば、特許文献1参照。)。
上記構成では、クランク軸からの回転駆動力の増加に伴い、カム機構によって付加される圧接力が増すため、車両の状態によっては、必要以上の圧接力を発生する場合があった。そのため、クラッチを構成する各部品の剛性を確保するため、重量の増加やクラッチ機構の大型化を招いていた。
特開2008−38954号公報(図1)
本発明は簡単な構造で、必要以上のアシスト力が発生するのを防ぎながら、アシストの効果を得ることのできる多板クラッチを提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
クランク軸からの回転駆動力が伝達されるクラッチアウタ(9)と、
クラッチアウタ(9)の内方に設けられ、クラッチアウタ(9)からの回転駆動力を摩擦板(14、15)を介して変速機軸(2)に伝達するクラッチインナ(12、13)と、
クラッチアウタ(9)とクラッチインナ(12、13)との間に設けられ、変速機軸の軸方向に移動することによりクランク軸から変速機軸(2)への回転駆動力伝達の断接を担う摩擦板(14、15)と、
摩擦板(14、15)に圧接力を付与する第1付勢手段(26)と、
クラッチアウタ(9)の内方に設けられ、クランク軸からの回転駆動力に応じて第1付勢手段(26)により加えられている摩擦板(14、15)への圧接力をアシストするカム機構と、を備えた多板クラッチ(1)において、
摩擦板(14、15)の離間方向に付勢力を発生させ、第1付勢手段(26)が付与している摩擦板(14、15)への圧接力を弱める第2付勢手段(27)を設け、
上記カム機構は、上記クランク軸からの回転駆動力に応じて、第2付勢手段(27)の付勢力に対向する力を上記第2付勢手段(27)に作用させ、
上記カム機構は、
変速機軸(2)に相対回転不能且つ軸方向移動不能に配置され、径方向外方に延出する延出部(16b)を有し、上記延出部(16b)の両面に凹または凸のどちらか一方からなるカム部(35)が形成されている中央カムプレート(16)と、
変速機軸(2)の軸方向に移動可能に設けられ、中央カムプレート(16)の延出部(16b)に対向配置され、上記延出部(16b)に対向する面に、中央カムプレート(16)に設けられた凹または凸に入りこむように凹または凸からなるカム部(36)が形成されているアシストカムプレート(17)とを、備え、
上記第2付勢手段(27)は、上記アシストカムプレート(17)を挟んで上記中央カムプレート(16)と反対側に配置されると共に、アシストカムプレート(17)と当接し、このアシストカムプレート(17)を介して摩擦板(14、15)の離間方向に付勢力を作用させるものであり、
上記アシストカムプレート(17)は、上記クランク軸からの回転駆動力に応じて、上記中央カムプレート(16)のカム部(35)に乗り上げて上記第1付勢手段(26)の付勢方向と同じ方向に移動し、
上記クラッチインナ(12、13)は、
変速機軸(2)に対して相対回転不能かつ軸方向移動不能に配置され、摩擦板(14、15)を圧接する受圧部(12b)を有する第1クラッチインナ(12)と、
摩擦板(15)と係合し、第1クラッチインナ(12)の受圧部(12b)と協働して摩擦板(14、15)を変速機軸の軸方向に押圧する加圧部(13a)を有し、変速機軸の軸方向に移動して摩擦板(14、15)を圧接・離間させる第2クラッチインナ(13)とからなり、
上記アシストカムプレート(17)は、変速機軸の軸方向に移動できるよう、上記第2クラッチインナ(13)にスプライン嵌合し、
上記カム機構は、上記中央カムプレート(16)の延出部(16b)に対向する面に設けられた凹または凸に入り込むように、凹または凸からなるカム部(38)が形成され、中央カムプレート(16)の延出部(16b)を挟んで、上記アシストカムプレート(17)の反対側に配置されたスリッパカムプレート(18)を有し、変速機軸(2)からの負荷が所定の値を超えた場合に、上記スリッパカムプレート(18)が上記中央カムプレート(16)のカム部(35)に乗り上げて、上記第1付勢手段(26)の付勢方向と反対方向に移動し、上記第1付勢手段(26)による圧接力を緩め、
上記スリッパカムプレート(18)は締結部材(19)により上記クラッチインナ(13)と一体結合され、
上記第2クラッチインナ(13)に上記締結部材(19)がねじ込まれる内側フランジ(13b)が上記第2クラッチインナ(13)の中央付近に配置され、
上記内側フランジ(13b)には、ねじ込み孔(40)の隣に通気孔(41)が設けられることを特徴とする多板クラッチに関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多板クラッチにおいて、
上記第2付勢手段(27)として皿ばね(27)が用いられ、
該皿ばね(27)が上記アシストカムプレート(17)のスプライン(17b)が形成される外側領域に対して内周側にて当接され、
上記アシストカムプレート(17)が、上記皿ばね(27)が当接する反対側であって、スプライン(17b)が形成される外周領域において、上記第1クラッチインナ(13)に当接して変速機の軸方向への移動を規制されることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多板クラッチにおいて、
上記皿ばね(27)が第1クラッチインナ(12)と当接する部位は、上記皿ばね(27)が上記アシストカムプレート(17)と当接する部位よりも、内周側に位置されることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多板クラッチにおいて、
アシストカムプレート(17)のスプライン(17b)が形成される外周領域に、上記スリッパカムプレート(18)とクラッチインナ(13)とを結合する締結部材(19)の先端が臨むように、締結部材(19)がアシストカムプレート(17)に近接配置されることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の多板クラッチにおいて、
上記第1付勢手段(26)として皿ばね(26)が用いられ、
上記第2付勢手段(27)の皿ばね(27)の直径は、上記第1付勢手段(26)の皿ばね(26)の直径よりも小さく形成されることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
通常時は、第1付勢手段の付勢力と第2付勢手段に付勢力の総和で、摩擦板に圧接力が働くが、例えばクランク軸の回転駆動力が増加したときにカム機構が働き、第2付勢手段の付勢力に対向する力が第2付勢手段に働く。そのため、今まで第1付勢手段の付勢力が第2付勢手段の付勢力により一部キャンセルされていたのが解消され、第1付勢手段が有する本来の付勢力が摩擦板に働き、圧接力が増加することになる。よって、従来のようにカム機構で発生した推力がそのままクラッチインナに伝わってアシストするのではなく、カム機構で発生する推力は第2付勢手段による離間方向の力をキャンセルするために働くだけであり、カム機構の推力が必要以上に圧接力をアシストしないため、即ち、第1付勢手段の付勢力の最大値以上の圧接力にはならないため、クラッチの各部品の剛性を下げることが可能となり、クラッチの重量増加や大型化を抑制することができる。
第2付勢手段をアシストカムプレートに当接させ、アシストカムプレートを中央カムプレート側に押しているので、中央カムプレートとアシストカムプレートのカムの当たり面の位置を安定させることができる。また、第2付勢手段の付勢力に対向する力を上記第2付勢手段に作用させるのに、カム機構の一部を用いたので、部品点数を削減することができ、多板クラッチの小型化に寄与することができる。
上記アシストカムプレートは、上記第2クラッチインナにスプライン嵌合しているので、アシストカムプレートを第2クラッチインナに対して軸方向移動可能に連結する際に、特別な部材を必要としないので、部品点数を削減できると共に、多板クラッチの小型化も図ることができる。
中央カムプレートを挟んで、圧接力をアシストする機能を担うアシストカムプレートと、バックトルクを低減させる機能を担うスリッパカムプレートとを、両側に配置したので、上記カム機構が圧接力アシストとバックトルク低減の両方の機能を有しながら、多板クラッチをコンパクト化することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる多板クラッチ1の縦断面図である。このクラッチは自動二輪車等の車両の内燃機関のクランク軸から変速機の主軸へ向かう回転動力伝達経路上に設置され、運転者の変速操作に応じて断接されるものである。図1において、部材等の位置を説明するにあたり、図の右側を単に「右側」、図の左側を単に「左側」として説明する。
図において、変速機主軸2は図示していないクランクケースにボールベアリング3を介して回転可能に支持されている。上記ボールベアリング3の左側に変速機(図示なし)が構成されている。ボールベアリング3の右側に隣接して、変速機主軸2に、スリーブ4とスリーブ5が設けてあり、スリーブ5の外周にニードルベアリング6を介して、従動歯車7が変速機主軸2に対して相対回転可能に支持されている。従動歯車7は、クランク軸の駆動歯車に常時噛み合う歯車である。上記従動歯車7の本体部と周囲の歯の部分との間には、緩衝部材8が設けてある。上記従動歯車7のボス部7aの外周に、多板クラッチ1のクラッチアウタ9のボス部9aが保持されている。クラッチアウタ9は上記従動歯車7と一体回転するようリベット10で接続されている。
クラッチアウタ9の内側において、上記従動歯車7のボス部7aの右側に環状スペーサ11を介して第1クラッチインナ12が隣接している。第1クラッチインナ12のボス部12aは変速機主軸2にスプライン嵌合されて支持されている。
クラッチアウタ9の内側において、上記第1クラッチインナ12に対向して、第2クラッチインナ13が設けてある。上記クラッチアウタ9には、同クラッチアウタ9に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の駆動摩擦板14が設けてある。上記第2クラッチインナ13には、同クラッチインナに対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の被動摩擦板15が設けてある。上記駆動摩擦板14と被動摩擦板15とは交互に配置されている。第1クラッチインナ12の外周部は、上記複数の摩擦板群の左端の摩擦板に当接する受圧部12bとなっている。上記第2クラッチインナ13の右端は、上記複数の摩擦板群の右端の摩擦板に当接する加圧部13aとなっている。
上記第1クラッチインナ12のボス部12aに隣接して、変速機主軸2に中央カムプレート16のボス部16aがスプライン嵌合されて支持されている。中央カムプレート16は、主軸2の径方向外方に外方延出部16bを備え同外方延出部16bの両面にカム機構が形成されている。
中央カムプレート16のボス部16aの外周に、アシストカムプレート17のボス部17aおよびスリッパカムプレート18のボス部18aが、それぞれ軸方向及び周方向に摺動可能に嵌装されている。アシストカムプレート17の外周部のスプライン歯17bは、第2クラッチインナ13の内周部に設けられた内側スプライン溝13cに軸方向摺動可能に嵌装されている。スリッパカムプレート18の外周部は、第2クラッチインナ13の内周部に設けられた内向きのフランジ13bに、ボルト19を介して固定されている。スリッパカムプレート18と第2クラッチインナ13とは一体となっているが、アシストカムプレート17は、それらの一体部材とは独立しており、独立に動くことができる。停止時及び通常運転時には、上記アシストカムプレート17の周囲部はワッシャー20を介して第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bに当接している。アシストカムプレート17は、中央カムプレート16の外方延出部16bの左側で、軸方向移動が可能である。スリッパカムプレート18は第2クラッチインナ13と一体となって、中央カムプレート16の外方延出部16bの右側で、軸方向移動が可能である。上記の構成において、アシストカムプレート17と中央カムプレート16の外方延出部16bとの対向面、およびスリッパカムプレート18と中央カムプレート16の外方延出部16bとの対向面には、それぞれカム機構が形成されている。上記構成において、アシストカムプレート17と第2クラッチインナ13との間に、ワッシャー20を設けたので、アシストカムプレート17の軸方向移動によって、内向きフランジ部13bとアシストカムプレート17とが磨耗していくのを抑えることができる。
上記中央カムプレート16のボス部16aに隣接して、主軸2にばね受け部材21がスプライン嵌合されている。ばね受け部材21に隣接してワッシャ22とナット23が設けられ、第1クラッチインナ12、中央カムプレート16、及びばね受け部材21を軸方向移動不可に固定している。第2クラッチインナ13の内面にばね受け部材24が装着されている。このばね受け部材24は第2クラッチインナ13の内面の3箇所に設けられたばね受け部材当接部13fに当接している。主軸2に装着されたばね受け部材21と、第2クラッチインナ13に装着されたばね受け部材24との間に第1付勢手段である第1皿ばね26が介装され、第2クラッチインナ13を第1クラッチインナ12の方へ押し、摩擦板14、15に対する「圧接力」として作用している。
第1クラッチインナ12のボス部12aとアシストカムプレート17との間に、上記第1皿ばね26より力の弱い第2付勢手段である第2皿ばね27が介装されている。この第2皿ばね27の力は、第1クラッチインナ12のボス部12aを基点として、アシストカムプレート17とこれにワッシャー20を介して当接している第2クラッチインナ13を、第1クラッチインナ12から引き離す方向へ押し、摩擦板14、15に対する第1皿ばね26の圧接力を弱める「反圧接力」として作用している。上記構成において、第2皿ばね27の内側にサークリップ32を設けたので、第2皿ばね27がアシストカムプレート17に押された場合でも、第1クラッチインナ12のボス部12aから脱落することを、ボス部12aを軸方向に大きくすることなく防ぐことができる。
上記の第1皿ばね26は第2皿ばね27より強力であり、内燃機関停止時、及び通常運転時においては、両皿ばねの押圧力の総和は第2クラッチインナ13を第1クラッチインナ12の方へ押しているので、上記複数の摩擦板14、15は、第2クラッチインナ13の加圧部13aと第1クラッチインナ12の受圧部12bとの間で圧接されている。
主軸2の中心孔2aの端部に操作ロッド28が嵌装されている。その外周部に、ボールベアリング29を介して操作プレート30が保持されている。操作プレート30の外周は第2クラッチインナ13の内周に装着されたサークリップ31に係合している。クラッチの接続を断にするときには、操作ロッド28を、第1皿ばね26の付勢力に抗してクラッチの右方へ引き、操作プレート30を介して第2クラッチインナ13を外方へ移動させて圧接力を弱め、摩擦板14、15を離間させる。
図1の上半部に示されるように、中央カムプレート16とアシストカムプレート17との間にアシストカム機構が形成されている。これは、中央カムプレート16に設けられたアシスト凹カム35とアシストカムプレート17に設けられたアシスト凸カム36とからなる機構である。
また、図1の下半部に示されるように、中央カムプレート16とスリッパカムプレート18との間にスリッパカム機構が形成されている。これは、中央カムプレート16に設けられたスリッパ凹カム37とスリッパカムプレート18に設けられたスリッパ凸カム38とからなる機構である。
中央カムプレート16のボス部16aにオイル孔16cが形成されている。これによって、アシストカムプレート17、中央カムプレート16、スリッパカムプレート18、および第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bとに囲まれた空間へ、変速機主軸2の中心孔2aからオイルが供給され、カム機構が潤滑される。
図2は第2クラッチインナ13の左面図、図3は図2のIII−III断面図である。第2クラッチインナ13の右端には加圧部13aが設けてある。円筒部内側の内向きフランジ13bの突出部13bxには、図1で示したボルト19が螺入されるボルト螺入用ねじ孔40が設けてあり、ボルト螺入用ねじ孔40のうちのあるものには、その隣に通気孔41が設けてある。円筒部の左端の内側には、アシストカムプレート17のスプライン歯17bが係合される内側スプライン溝13cが設けてある。円筒部の外側には、被動摩擦板15が、第2クラッチインナ13に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合される外側スプライン溝13dが設けてある。右端の加圧部13aの内側にサークリップ31を装着するためのサークリップ嵌入溝13eが設けてある。
図4は第2クラッチインナ13の右面図、図5は図4のV−V断面図である。円筒部内側の3箇所に、図1にて示したばね受け部材当接部13fが、内向きフランジ13bの一部を右方に伸ばした形で形成してある。
図6は、中央カムプレート16の左面図、図7は図6のVII−VII断面図、図8は中央カムプレート16の右面図である。中央カムプレート16は、ボス部16aと、ボス部16aから半径方向外方へ延びる外方延出部16bとからなっている。上記ボス部16aの内側にはスプライン16dが形成され、変速機主軸2に相対回転不能に嵌合する。外方延出部16bの左面には3個のアシスト凹カム35、外方延出部16bの右面には3個のスリッパ凹カム37が形成されている。即ち中央カムプレート16は両面に凹カムを備えた部材である。ボス部16aには上記カム部を潤滑するためのオイル孔16cが形成されている。
図9はアシストカムプレート17の右面図、図10は図9のX−X断面図である。アシストカムプレート17のボス部17aの内面は、中央カムプレート16のボス部16aの外周上で摺動する必要があるので平滑である。アシストカムプレート17の外周部には第2クラッチインナ13の内側スプライン溝13cに係合するスプライン歯17bが形成してある。アシストカムプレート17の右面には、アシスト凸カム36が形成してある。図9において、隣り合うアシスト凸カム36の間の部分には、部材軽量化のための薄肉部17cが形成してある。
図11はスリッパカムプレート18の左面図、図12は図11のXII−XII断面図である。スリッパカムプレート18のボス部18aの内面は、中央カムプレート16のボス部16aの外周上で摺動する必要があるので平滑である。スリッパカムプレート18の外周部にはスリッパカムプレート18を第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bに、ボルト19(図1参照)を介して取り付けるためのボルト挿通孔42と通気孔43が設けてある。スリッパカムプレート18の左面には、スリッパ凸カム38が形成してある。図11において、隣り合うスリッパ凸カム38の間の部分には、部材軽量化のための薄肉部18bが形成してある。
図13は中央カムプレート16の左面、即ちアシスト凹カム35が形成されている面(図6)の拡大図である。上記凹カム35に係合するアシスト凸カム36の断面も示してある。反対側の面に形成されているスリッパ凹カム37と、これに係合するスリッパ凸カム38も示してあり、これらは破線で示してある。
図14は図13のXIV−XIV断面展開図である。中央カムプレート16の両側で、アシストカムプレート17とスリッパカムプレート18は、それぞれ独立に、中央カムプレート16に対して、図において上下左右方向に、相対的に若干動くことができる。
図1において、内燃機関停止時には、第1皿ばね26が第2クラッチインナ13を押しているので、駆動摩擦板14と被動摩擦板15は加圧部13aと第1クラッチインナ12の受圧部12bとの間で圧接されている。内燃機関からの駆動トルクが従動歯車7を通じて多板クラッチ1に入力されると、クラッチアウタ9が回転し、クラッチアウタ9に係合している駆動摩擦板14と、駆動摩擦板14に圧接されている被動摩擦板15と、被動摩擦板15に係合している第2クラッチインナ13とは共に回転する。アシストカムプレート17は、第2クラッチインナ13にスプライン13c、17bで係合されているので、第2クラッチインナ13と共に回転する。スリッパカムプレート18は、第2クラッチインナ13にボルト19で締結されているので、第2クラッチインナ13と共に回転する。
図14において、上記回転が始まると、上記のように回転しているアシストカムプレート17、スリッパカムプレート18には、駆動トルクA1が加わる。アシストカムプレート17に形成されているアシスト凸カム36は駆動トルクA1と同じ方向へ移動し、中央カムプレート16に形成されているアシスト凹カム35の傾斜面上の対向点45に当接して、上記駆動トルクA1に相当する押圧力A2で中央カムプレート16を押し、上記駆動トルクA1を伝達する。これによって中央カムプレート16も駆動トルクA1で駆動される。この駆動トルクA1は、中央カムプレート16にスプライン嵌合されている変速機主軸2に伝達される。内燃機関からの駆動トルクは、変速機主軸2にスプライン嵌合されている第1クラッチインナ12からも変速機主軸2に伝達される(図1)。これによって、変速機主軸2が回転する。
スリッパカムプレート18にも駆動トルクA1が加わっており、アシストカムプレート17と共に回転しているが、スリッパ凸カム38とスリッパ凹カム37との間には、回転方向に隙間46が設けてあるので、スリッパカムプレート18から中央カムプレート16へのトルク伝達は無い。以上は、多板クラッチ1の通常運転時の駆動力伝達メカニズムである。
内燃機関から従動歯車7を通じて多板クラッチ1に入力される駆動トルクA1の増加に伴って、アシスト凸カム36がアシスト凹カム35上の対向点45に加えている押圧力A2が増加する。この時、上記押圧力A2の傾斜面方向の成分A3によってアシスト凸カム36自体が傾斜面方向に押されるので、アシストカムプレート17は傾斜面に沿って上記成分A3の方向へ動く。即ち中央カムプレート16に対して、回転方向に若干動きながら、中央カムプレート16から離れる方向へ動く。
この時、図1において、ワッシャー20を介して第2クラッチインナ13に当接しているアシストカムプレート17は、第2皿ばね27の付勢力に抗して第2クラッチインナ13から離れる方向へ移動する。しかし、第2クラッチインナ13は第1皿ばね26によって左方へ押されているので、第2クラッチインナ13はアシストカムプレート17と同じ方向へ動き、アシストカムプレート17に当接したままで移動する。第1皿ばね26と第2皿ばね27の押圧力が対抗していた状態から、第2皿ばね27の押圧力である「反圧接力」がアシストカム35、36によって減じられた分だけ第2クラッチインナ13に働く押圧力の総和は増加するので、加圧部13aと受圧部12bの間の摩擦板14,15圧接力も増加する。即ち、内燃機関からの駆動トルクA1の大きさに応じて、上記のアシストカムプレート17がアシスト凹カム35の傾斜面方向へ移動し、第1皿ばね26の付勢力は、より一層大きく発揮できるので、その結果、摩擦板14,15の圧接力は支援(アシスト)され、増加した駆動トルクが伝達される。第2クラッチインナ13は、第1皿ばね26によって左方へ押されてはいるが、多数の摩擦板14,15を押しているので、第2クラッチインナ13の移動には限界がある。このためアシストカムプレート17は、遂にワッシャー20を介して当接していた第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bから離れるが、アシストカムプレート17が第2クラッチインナ13から離れるまでは、駆動トルクA1の増加に応じて圧接力は増加する。
内燃機関から従動歯車7を通じて多板クラッチ1に入力される駆動トルクA1が更に増加すると、アシスト凸カム36がアシスト凹カム35上の対向点45に加えている押圧力A2が更に増加する。アシスト凸カム36は上記押圧力A2の傾斜面方向の成分A3の増加によって傾斜面方向に更に押され、アシストカムプレート17は第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bから離れる。この時、アシスト凸カム36がアシスト凹カム35を押す位置は傾斜面上で左方にずれるが、アシスト凸カム36がアシスト凹カム35から離れてしまうことは無い。
図1において、上記の状況では、第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bに、ワッシャー20を介して当接していたアシストカムプレート17は、第2クラッチインナ13の内向きフランジ13bから離れている。第2皿ばね27の「反圧接力」がなくなってしまうと、第2クラッチインナ13に働く押圧力は、第1皿ばね26の付勢力だけになる。したがって、摩擦板14,15圧接力は第1皿ばね26の付勢力の最大値が発揮される。しかし、摩擦板14,15圧接力は第1皿ばね26の付勢力の最大値以上にはなり得ないので、摩擦板14,15圧接力は第1皿ばね26の付勢力の最大値において一定値となる。即ち、カム機構は、予め設定された値以上に圧接力をアシストしないことになる。これによって、クラッチの各部品の剛性を必要以上に高める必要が無くなり、クラッチの重量増加や大型化を抑制することができる。
次に、バックトルクの影響について述べる。図14において、矢印B1は、変速機主軸2を経由して、車輪から伝達されるバックトルクの方向を表している。車両の運転が減速に切換えられたとき、バックトルクB1が駆動トルクA1より大きくなると、スリッパ凹カム37がスリッパ凸カム38に対してバックトルクB1と同じ方向へ移動し、スリッパ凹カム37の一方の傾斜面がスリッパ凸カム38の対向点47に当接し、上記バックトルクB1に相当する押圧力B2によって、スリッパ凸カム38を介してスリッパカムプレート18を押す。
バックトルクB1が増加し、スリッパ凹カム37の傾斜面がスリッパ凸カム38の対向点47に加えている押圧力B2が増加すると、同押圧力B2の反力の傾斜面方向の成分B3によって、スリッパカムプレート18は傾斜面に沿って上記反力成分B3方向へ移動する。この移動はスリッパカムプレート18とボルト19で一体に締結されている第2クラッチインナ13に伝わり、第2クラッチインナ13の加圧部13aを摩擦板14,15を離間させる方向へ押す。この時、他方の側のアシストカムプレート17はスリッパカムプレート18と共に回転しているが、アシスト凹カム35とアシスト凸カム36との間には、回転方向に隙間48が設けてあるので、中央カムプレート16からアシストカムプレート17へのトルク伝達は無い。アシストカムプレート17は、軸方向に動くスリッパカムプレート18に、第2皿ばね27の付勢力によって追従する。即ち、変速機主軸からのバックトルクB1が駆動トルクA1より大きくなると、上記スリッパカムプレート18が右方へ移動し、第2クラッチインナ13の加圧部13aの摩擦板14,15に対する圧接力を低減させ、摩擦板14,15を摺動させる。これによってスリッパカム機構はトルクの伝達を低減させ、バックトルクリミッタとして機能し、減速時の逆入力トルクを軽減し、エンジンブレーキを緩和するため、駆動系にかかる負荷を低減し、また、タイヤの耐摩耗性を向上させる。
以上詳述したように、上記実施形態においては、次の効果がもたらされる。
(1)アシストカムで発生する推力は第2皿ばね27による摩擦板14,15に対する反圧接力をキャンセルするために働くだけであり、摩擦板14,15圧接力は、第1皿ばね26の付勢力の最大値以上の圧接力にはならないため、クラッチの各部品の剛性を下げることが可能となり、クラッチの重量増加や大型化を抑制することができる。
(2)第2皿ばね27をアシストカムプレート17に当接させ、アシストカムプレート17を中央カムプレート16側に押しているので、中央カムプレート16とアシストカムプレート17のカムの当たり面の位置を安定させることができる。また、第2皿ばね27の付勢力に対向する力を第2皿ばね27に作用させるのに、カム機構を用いたので、部品点数を削減することができ、多板クラッチの小型化に寄与することができる。
(3)上記アシストカムプレート17は、上記第2クラッチインナ13に、スプライン13c、17bを介してスプライン嵌合しているので、アシストカムプレート17を第2クラッチインナ13に対して軸方向移動可能に連結する際に、特別な部材を必要としないので、部品点数を削減できると共に、多板クラッチの小型化も図ることができる。
(4)中央カムプレート16を挟んで、圧接力をアシストするアシストカムプレート17と、バックトルクを低減させるスリッパカムプレート18とを、両側に配置したので、上記カム機構が圧接力アシストとバックトルク低減の両方の機能を有しながら、多板クラッチをコンパクト化することができる。
本発明の一実施形態にかかる多板クラッチ1の縦断面図である。 第2クラッチインナ13の左面図である。 図2のIII−III断面図である。 第2クラッチインナ13の右面図である。 図4のV−V断面図である。 中央カムプレート16の左面図である。 図6のVII−VII断面図である。 中央カムプレート16の右面図である。 アシストカムプレート17の右面図である。 図9のX−X断面図である。 スリッパカムプレート18の左面図である。 図11のXII−XII断面図である。 中央カムプレート16の左面の拡大図である。 図13のXIV−XIV断面展開図である。
符号の説明
1…多板クラッチ、2…変速機主軸、7…従動歯車、9…クラッチアウタ、12…第1クラッチインナ、12a…ボス部、12b…受圧部、13…第2クラッチインナ、13a…加圧部、13b…内向きフランジ、13bx…内向きフランジの突出部、13c…内側スプライン溝、13d…外側スプライン溝、13e…サークリップ嵌入溝、13f…ばね受け部材当接部、14…駆動摩擦板、15…被動摩擦板、16…中央カムプレート、16a…ボス部、16b…外方延出部、17…アシストカムプレート、17a…ボス部、17b…スプライン歯、18…スリッパカムプレート、18a…ボス部、19…ボルト、26…第1皿ばね、27…第2皿ばね、35…アシスト凹カム、36…アシスト凸カム、37…スリッパ凹カム、38…スリッパ凸カム。

Claims (5)

  1. クランク軸からの回転駆動力が伝達されるクラッチアウタ(9)と、
    クラッチアウタ(9)の内方に設けられ、クラッチアウタ(9)からの回転駆動力を摩擦板(14、15)を介して変速機軸(2)に伝達するクラッチインナ(12、13)と、
    クラッチアウタ(9)とクラッチインナ(12、13)との間に設けられ、変速機軸の軸方向に移動することによりクランク軸から変速機軸(2)への回転駆動力伝達の断接を担う摩擦板(14、15)と、
    摩擦板(14、15)に圧接力を付与する第1付勢手段(26)と、
    クラッチアウタ(9)の内方に設けられ、クランク軸からの回転駆動力に応じて第1付勢手段(26)により加えられている摩擦板(14、15)への圧接力をアシストするカム機構と、を備えた多板クラッチ(1)において、
    摩擦板(14、15)の離間方向に付勢力を発生させ、第1付勢手段(26)が付与している摩擦板(14、15)への圧接力を弱める第2付勢手段(27)を設け、
    上記カム機構は、上記クランク軸からの回転駆動力に応じて、第2付勢手段(27)の付勢力に対向する力を上記第2付勢手段(27)に作用させ、
    上記カム機構は、
    変速機軸(2)に相対回転不能且つ軸方向移動不能に配置され、径方向外方に延出する延出部(16b)を有し、上記延出部(16b)の両面に凹または凸のどちらか一方からなるカム部(35)が形成されている中央カムプレート(16)と、
    変速機軸(2)の軸方向に移動可能に設けられ、中央カムプレート(16)の延出部(16b)に対向配置され、上記延出部(16b)に対向する面に、中央カムプレート(16)に設けられた凹または凸に入りこむように凹または凸からなるカム部(36)が形成されているアシストカムプレート(17)とを、備え、
    上記第2付勢手段(27)は、上記アシストカムプレート(17)を挟んで上記中央カムプレート(16)と反対側に配置されると共に、アシストカムプレート(17)と当接し、このアシストカムプレート(17)を介して摩擦板(14、15)の離間方向に付勢力を作用させるものであり、
    上記アシストカムプレート(17)は、上記クランク軸からの回転駆動力に応じて、上記中央カムプレート(16)のカム部(35)に乗り上げて上記第1付勢手段(26)の付勢方向と同じ方向に移動し、
    上記クラッチインナ(12、13)は、
    変速機軸(2)に対して相対回転不能かつ軸方向移動不能に配置され、摩擦板(14、15)を圧接する受圧部(12b)を有する第1クラッチインナ(12)と、
    摩擦板(15)と係合し、第1クラッチインナ(12)の受圧部(12b)と協働して摩擦板(14、15)を変速機軸の軸方向に押圧する加圧部(13a)を有し、変速機軸の軸方向に移動して摩擦板(14、15)を圧接・離間させる第2クラッチインナ(13)とからなり、
    上記アシストカムプレート(17)は、変速機軸の軸方向に移動できるよう、上記第2クラッチインナ(13)にスプライン嵌合し、
    上記カム機構は、上記中央カムプレート(16)の延出部(16b)に対向する面に設けられた凹または凸に入り込むように、凹または凸からなるカム部(38)が形成され、中央カムプレート(16)の延出部(16b)を挟んで、上記アシストカムプレート(17)の反対側に配置されたスリッパカムプレート(18)を有し、変速機軸(2)からの負荷が所定の値を超えた場合に、上記スリッパカムプレート(18)が上記中央カムプレート(16)のカム部(35)に乗り上げて、上記第1付勢手段(26)の付勢方向と反対方向に移動し、上記第1付勢手段(26)による圧接力を緩め、
    上記スリッパカムプレート(18)は締結部材(19)により上記クラッチインナ(13)と一体結合され、
    上記第2クラッチインナ(13)に上記締結部材(19)がねじ込まれる内側フランジ(13b)が上記第2クラッチインナ(13)の中央付近に配置され、
    上記内側フランジ(13b)には、ねじ込み孔(40)の隣に通気孔(41)が設けられることを特徴とする多板クラッチ。
  2. 上記第2付勢手段(27)として皿ばね(27)が用いられ、
    該皿ばね(27)が上記アシストカムプレート(17)のスプライン(17b)が形成される外側領域に対して内周側にて当接され、
    上記アシストカムプレート(17)が、上記皿ばね(27)が当接する反対側であって、スプライン(17b)が形成される外周領域において、上記第1クラッチインナ(13)に当接して変速機の軸方向への移動を規制されることを特徴とする請求項1に記載の多板クラッチ。
  3. ことを特徴とする請求項2に記載の多板クラッチ。
  4. アシストカムプレート(17)のスプライン(17b)が形成される外周領域に、上記スリッパカムプレート(18)とクラッチインナ(13)とを結合する締結部材(19)の先端が臨むように、締結部材(19)がアシストカムプレート(17)に近接配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多板クラッチ。
  5. 上記第1付勢手段(26)として皿ばね(26)が用いられ、
    上記第2付勢手段(27)の皿ばね(27)の直径は、上記第1付勢手段(26)の皿ばね(26)の直径よりも小さく形成されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の多板クラッチ。
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