JP6547667B2 - オレフィンガスの精製回収方法および重合方法 - Google Patents

オレフィンガスの精製回収方法および重合方法 Download PDF

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本発明は、有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスから、有機アルミニウム成分を連続的に除去するプロセス技術に関する。より詳しくは、エチレンやプロピレンなどのオレフィン重合反応器より回収する未反応オレフィンガスに含まれる有機アルミニウム成分を除去するための精製方法、およびこれを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
遷移金属成分を含有する固体触媒を用いてオレフィン類、例えばエチレン、プロピレンなどを重合する方法は広く一般的に知られている。これらのオレフィンの重合方法としては、不活性炭化水素溶媒中で重合を行うスラリー重合法、液化プロピレン等液化モノマー中で重合を行うバルク重合法、実質的に液相の不存在下に気相中で重合を行う気相重合法が知られているが、重合活性の向上が達成されてきたことに加え、エネルギーコストやプラント建設コストの観点から有利なこと、さらに、危険物保有量に対する安全確保の面からも、気相重合法が広く用いられるに至っている。
一般に、ポリオレフィン重合用プラントでは、経済的合理性の観点より連続運転がなされることが多く、連続的に触媒やモノマー、有機アルミニウム成分をはじめとする助剤が重合反応器へ供給され、一方で重合生成物である顆粒又は粉体とともに、反応ガスもしくはスラリー成分が連続的に抜き出されるという形態をとることが多い。顆粒状又は粉体状として得られた重合生成物は分離され、乾燥工程を経て造粒機へ送られペレットとして製品となる。ここで、重合生成物と同伴して抜き出される反応ガスもしくはスラリー成分には多量のモノマーガスが包含されているが、通常、これらのガスは必要な精製を施したのち、再び重合反応器へリサイクル供給されて使用される。
ところで、重合反応器から回収した反応ガスには、助触媒等として供給した有機アルミニウム成分や、重合反応を制御するために供給した珪素化合物などが含まれる。これらの成分は、アルコール類や水との接触により固体成分を析出することで管路を閉塞させたり、リボイラーをはじめとした熱交換器で固体析出による伝熱性能の低下や閉塞を招くことがある。また、特に有機アルミニウムでは、プロセスにおいて意図しない濃縮が行われた場合に、配管や機器を開放した際に発火することがあり、極めて危険である。このようなことから、反応ガス中の有機アルミニウムを効率的に除去することが求められている。
かかる目的を達成するために、例えば、特許文献1には含水率を調整した酸化ケイ素含有化合物を用いて接触処理を行うことで有機アルミニウム成分を除去する方法が開示されている。しかし、特許文献1に開示の方法では、必ずしも充分な除去効率が得られないことに加え、充填塔内を流通するガスの圧力損失が高いことや、酸化ケイ素含有化合物の交換や工事にかかる経済的な観点から、必ずしも工業的に満足できるものではなかった。
一方、これに代わる処理プロセスとして、スクラバー(水洗塔、洗浄塔)を用いる手法も知られている。スクラバーを用いる処理プロセスでは、回収されたモノマーガスは塔下部より導入され上部へ流通し、一方、水が塔上部と中部より供給され気液接触促進を目的とした充填物を経て流下する形態がとられる。流下した水は、ポンプで循環利用されるが、塔内で生成する水酸化アルミニウムの蓄積濃度を一定に抑制するため、循環水の一部を排水する運転が行われる。しかしながら、このようなスクラバーを長期にわたって運転していると、モノマーガスのインサートノズル付近に有機アルミニウム由来の固体成分が析出、これが徐々に成長しガス流路を閉塞させることがあった。このような場合、析出した固体成分を除去する作業を行うために関係するプロセスを停止させる必要があり、長期連続運転を阻害する要因となっていた。
特開平8−131707号公報
本発明では、有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを、水と接触させることにより有機アルミニウム成分を析出除去する連続プロセスにおいて、長期間の連続運転の阻害要因となる精製系の閉塞を抑制し得る精製方法を提供することを課題とする。さらに、このプロセスを経たオレフィンガスを重合反応器へリサイクルすることで、長期にわたりプラントを停止することなく、効率的なポリオレフィンの製造を行う方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定のプロセスと運転条件を採用することにより、オレフィンモノマーガスを洗浄塔に導くインサートノズルでの固体析出物による閉塞を抑制すること、当該プロセスを経たオレフィンガスを重合反応器へリサイクルすることで連続的で効率的なポリオレフィンの製造が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、
<1>有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを水と接触させることにより前記有機アルミニウム成分を除去する工程を含むオレフィンガスの精製方法であって、前記オレフィンガスと水との接触処理を少なくとも二段階の多段で行うことを特徴とする、該オレフィンガスの精製方法;
<2>前記オレフィンガスと水との接触処理が、二重管を用いて前記オレフィンガスと水とを接触させる第一段階を含み、前記二重管は、外筒管と前記外筒管内部の内筒管とから構成され、前記有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを流通させるための第一流路を前記内筒管の内部に備え、前記水を流通させるための第二流路を前記内筒管と前記外筒管との間に備える、上記<1>に記載のオレフィンガスの精製方法;
<3>前記内筒管の長さが前記外筒管よりも短く、前記内筒管の終端の下流側において、前記第一流路を流通する有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスと前記第二流路を流通する水とを接触させること含む、上記<2>に記載のオレフィンガスの精製方法;
<4>前記オレフィンガスと水との接触処理の第一段階の後に、スクラバーを用いて前記オレフィンガスと水とを接触させるさらなる段階を含む、請求項2または3に記載のオレフィンガスの精製方法;
<5>前記第一流路を流通する有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスの流速が、5〜20m/sである、上記<1>〜<4>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法;
<6>前記オレフィンガスが、エチレン又はプロピレンである、上記<1>〜<5>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法;
<7>前記有機アルミニウム成分が、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシド、アルモキサン、トリアルキルアルミニウム、複合有機アルミニウム化合物、及びこれらの混合物よりなる群から選択される、上記<1>〜<6>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法;及び
<8>前記水が、脱塩水、純水、ボイラー水、及び蒸留水よりなる群から選択される、上記<1>〜<7>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法
を提供するものである。
また、本発明は、別の態様において、
<9>上記<1>〜<8>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法によりオレフィンガスを精製し、さらに当該オレフィンガスを重合することを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法;及び
<10>重合反応器から回収した未反応のオレフィンガスを、上記<1>〜<8>のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法により精製して回収する工程、及び、前記回収した精製オレフィンガスを再び重合反応器へ戻して、重合する工程を含む、上記<9>に記載のポリオレフィンの製造方法
を提供するものである。
本発明のオレフィンガス精製方法によれば、重合用オレフィンガスの精製プロセスにおいて、精製系の閉塞を回避することができ、それにより、長期間の連続運転が可能となる。また、オレフィン重合反応後に重合反応器から回収した未反応のオレフィンガスについて、当該精製プロセスによって、助触媒等としての残留物としてオレフィンガスに含まれる有機アルミニウム成分を除去したうえで、再度重合反応器へリサイクルすることにより連続的で効率的なポリオレフィンの製造が可能となる。
図1は、本発明の精製方法で用いられる装置構成を示す概略図である。 図2は、本発明の精製方法で用いられる装置における二重管ノズル部の概略図である。 図3は、比較例の精製装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
本発明は、有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを水と接触させることにより前記有機アルミニウム成分を除去する工程を含むオレフィンガスの精製方法であって、前記オレフィンガスと水との接触処理を少なくとも二段階の多段で行うことを特徴とするものである。ここで、本発明の精製方法における除去の対象となる有機アルミニウム成分は、主として、ポリオレフィンの重合において助触媒、スカベンジャー等として用いられ、重合反応器より回収された未反応オレフィンガスに含まれる望ましくない含有物となり得る化合物である。
本発明の精製方法における「オレフィンガスと水との接触処理」は、水とガスとの接触が少なくとも二段階であれば、接触の手段は制限されるものではないが、典型的には、図1に示すように、有機アルミニウム成分を含有する精製対象のオレフィンガスをスクラバーを用いて精製するプロセスにおいて、オレフィンガスのスクラバーへの導入に先立ち、当該オレフィンガスを水と接触させる処理(第一段階)を行い、次いで、スクラバーにおいて、当該オレフィンガスをスクラバーに提供して水と接触させる処理(第二段階)をさらに行うことが好ましい。
技術的な意義としては、かかる第一段階の接触処理はガス中の有機アルミニウム成分と水を反応させる場を提供するとともに有機アルミニウム由来の析出生成物をガスによる流動条件下でスクラバーの塔内へ導入することを企図し、第二段階の接触処理は有機アルミニウム成分と水との反応を完結させるとともに、水の散布により析出生成物をスクラバーの塔下部へ回収することを企図している。
このような第一段階の接触処理を効率的に行うための様態として、好ましくは、内筒管にオレフィンガスを、外筒管に水を流通させる構造を有する二重管を用いる方法が挙げられる。当該二重管は、典型的には、図2に示すように、外筒管と前記外筒管内部の内筒管とから構成され、オレフィンガスを流通させるための第一流路を前記内筒管の内部に備え、水を流通させるための第二流路を前記内筒管と前記外筒管との間に備えた構造を有する。
また、好ましい態様においては、内筒管の長さは外筒管よりも短くすることができる。この場合には、図2に示すように、内筒管の終端の下流側において、第一流路を流通するオレフィンガスと第二流路を流通する水とが接触することとなり、より好ましい接触が得られる。
外筒管内への水の供給は、例えば、図1に示すようなポンプ(脱塩水ポンプ)等、当該技術分野において公知の手法を用いることができる。内筒管に流通するオレフィンガスの線速は、一般的な標準流速の範囲、例えば5〜20m/sで設計及び運転がなされるが、このような環境下では析出した水酸化アルミニウムは二重管内に蓄積沈着することなくスクラバーへ運ばれることができる。スクラバー内部では、充填物を介して水とガスが向流接触することになるが、事前に水と有機アルミニウム成分が接触反応しているために、オレフィンガスのインサートノズル付近での固体生成物の蓄積は抑制される。
第一段階の接触処理のために供給される水は、上記のスクラバー系へ注入する補給水の一部もしくは全量を用いてもよい。ここで用いられる水は、実質的に有機アルミニウム成分との反応とガスの洗浄に障害となる因子を含まない限りその品質は問わないが、供給配管や熱交換器での固形分の析出や堆積、及び腐食を防止するために脱塩水、純水、ボイラー水、及び蒸留水等を用いることが好ましい。
本発明の精製方法における「オレフィンガスと水との接触処理」は、上述した2段階の典型的な態様に限らず、3段階以上の多段処理であることもできる。すなわち、第一段階の接触処理をさらに分割すること、例えば、二重管接触部分を二箇所以上設けることが可能である。また第二段階をさらに分割すること、例えばスクラバーを二基以上設けることも可能である。第一段階と第二段階がこの順で行われる限り、「第一/第二/第一」や「第一/第二/第一/第二」等のような処理工程とすることもできる。
本発明の精製方法において用いられるスクラバー(水洗塔、洗浄塔)は、当該技術分野において公知の一般的な構造を有するものを用いることができる。塔内の充填物についても、通常用いられるラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルサドル、インタロックサドル、線構造充填物などを使用することが可能である。特に、空隙率が大きく水酸化アルミニウムの付着や閉塞が少ないことが期待できるポリプロピレン製線構造充填物が好適に用いられる。充填物は、充填個数が15,000〜30,000個/mであることが好ましい。また、充填物は、空間率が83〜93%であることが好ましい。操作条件については、塔内のガス流速をローディング速度以下に抑制して運転ができれば、特定の条件範囲を求めるものではない。
なお、スクラバーの塔上部より散布する水については、塔下部より回収し再循環することが可能であるが、水酸化アルミニウム成分の蓄積を抑制するため、一定量の水を補給し、対応するプロセス水を抜き出す操作を併用してもよい。この補給水量は、塔に導入されるオレフィンガスに含有する有機アルミニウム成分の濃度と、抜き出したプロセス水を処理する工程において許容される水酸化アルミニウム成分の濃度の両者より適宜決定することができる。スクラバーへ供給される水は、上記第一段階の接触処理と同様、実質的に有機アルミニウム成分との反応とガスの洗浄に障害となる因子を含まない限りその品質は問わないが、供給配管や熱交換器での固形分の析出や堆積、及び腐食を防止するために脱塩水、純水、ボイラー水、及び蒸留水等を用いることが好ましい。
第一段階の接触処理を経て、オレフィンガスはスクラバー塔下部に導入され、水との接触後に塔上部より排出される。スクラバーにおけるオレフィンガスと水との接触は、向流接触であることが好ましい。
本発明におけるオレフィンガスの精製方法は、ポリエチレンやポリプロピレンをはじめとするポリオレフィンを連続的に製造するプロセスにおいて、反応器より回収された未反応オレフィンガスに対して好適に用いることができる。したがって、本発明の精製方法の対象となるオレフィンガスは、好ましくは、エチレン又はプロピレンである。
かかるポリオレフィンの製造プロセスにおいて用いられる重合触媒の種類としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせたいわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン錯体とアルモキサンを組み合わせたメタロセン触媒が使用できる。チーグラー・ナッタ触媒は、チタン化合物として有機アルミニウム等で還元して得られた三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物を電子供与性化合物で処理し更に活性化したもの、塩化マグネシウム等の担体に四塩化チタンを担持させることにより得られるいわゆる担持型触媒等が含まれる。
また、助触媒として使用される有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサンなどのアルモキサン;リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合して使用することも可能である。
また、上述の触媒には、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種重合添加剤を使用することが出来る。例えば、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、酢酸エチル、安息香酸ブチル、p−トルイル酸メチル、ジブチルフタレートなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、安息香酸、プロピオン酸などの有機酸類、エタノール、ブタノールなどのアルコール類等の電子供与性化合物を挙げることができる。
ここで、本発明の精製方法における除去の対象となる有機アルミニウム成分は、上述のようにポリオレフィンの重合において助触媒、スカベンジャー等として用いられ、重合反応器より回収された未反応オレフィンガスに含まれる望ましくない含有物となり得る化合物である。したがって、かかる「有機アルミニウム成分」として、助触媒の例として上記に列挙した化合物であることができ、典型的には、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシド、アルモキサン、トリアルキルアルミニウム、複合有機アルミニウム化合物、又はこれらの混合物である。
また、本発明は、上記のオレフィンガスの精製方法によりオレフィンガスを精製し、さらに当該オレフィンガスを重合することを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法にも関する。好ましくは、当該製造方法は、重合反応器から回収した未反応のオレフィンガスを上記精製方法により精製して回収する工程、及び、前記回収した精製オレフィンガスを再び重合反応器へ戻して、重合する工程を含む、
すなわち、上記で説明した精製方法を経て有機アルミニウム成分が除去されたオレフィンガスは、蒸留をはじめとする更なる精製プロセスを経て、重合反応器へリサイクル使用することが可能である。これにより、重合反応器から回収された未反応のオレフィンガスから助触媒等の残留物として含まれる有機アルミニウム成分を除去したうえ、再度重合反応器へリサイクルすることで連続的で効率的なポリオレフィンの製造が可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
トリエチルアルミニウムを助触媒としてプロピレンを連続的に重合する反応器より回収したオレフィンガス50m/hを、有機アルミニウム成分の除去を目的としてスクラバーを用いた精製処理を実施した。装置構成は、図1に示すものを用いた。スクラバーは内径1450mmとし、ポリプロピレン製テラレット(登録商標) S型を層高4000mm分充填したものを起用した。図1に示すように、オレフィンガスは、スクラバーへ供給する前段階において、内筒に有機アルミニウムを含有するオレフィンガスを、外筒に脱塩水を注入するよう構成した二重管により、水との第一段階接触を行った。
二重管は、図2に示すように、外径88.9mm内径77.9mmの配管を外筒管に、外径60.3mm内径52.5mmの配管を内筒管に構成したものを用いた。外筒管と内筒間の間に水を供給するような構造とし、水の供給量は50L/hで運転を行った。また、オレフィンガスの内筒管内の流速は、およそ7.4m/sであった。スクラバーは塔下部より回収したプロセス排水をポンプにより再循環させて運転を行い、塔内滞留水量が一定となるようパージを行った。パージされたプロセス水において、直径2mm以下の粒子状物質の濃度は500mg/L以下であった。この条件にて2年間のプロピレン重合運転を行ったが、途中、オレフィンガスインサートノズルの閉塞などはなく、安定的なスクラバーの運転が可能であった。また、二重管およびスクラバーへのガス供給インサートノズルを開放点検したが、固形分の沈着や閉塞傾向は見られなかった。
[比較例]
比較例として、図3に示すように、スクラバーの上流に二重管を有しない従来のスクラバーを用いたこと以外、上記実施例と同様の条件で運転したところ、約半年間後にはインサートノズルが閉塞し、オレフィンガスが流れず運転不可能となった。運転を停止し、スクラバーを開放したところ、インサートノズルが析出した水酸化アルミニウムで付着閉塞していたことを確認した。
以上における、実施例と比較例の結果からして、本発明の構成の有意性が実証され、さらに本発明の従来技術に対する優位性も明らかである。
本発明に係るオレフィンの精製方法及びポリオレフィンの製造方法は、スクラバー上流に二重管を設けたことにより、スクラバーのインサートノズルの閉塞を抑えることが出来、安定運転を可能とする為、ポリオレフィン製造産業において有益である。

Claims (8)

  1. 有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを水と接触させることにより前記有機アルミニウム成分を除去する工程を含むオレフィンガスの精製方法であって、前記オレフィンガスと水との接触処理を少なくとも二段階の多段で行うことを特徴とし、
    前記オレフィンガスと水との接触処理が、二重管を用いて前記オレフィンガスと水とを接触させる第一段階を含み、
    前記二重管は、外筒管と前記外筒管内部の内筒管とから構成され、前記有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスを流通させるための第一流路を前記内筒管の内部に備え、前記水を流通させるための第二流路を前記内筒管と前記外筒管との間に備え、
    前記オレフィンガスと水との接触処理の第一段階の後に、スクラバーを用いて前記オレフィンガスと水とを接触させるさらなる段階を含む、
    該オレフィンガスの精製方法。
  2. 前記内筒管の長さが前記外筒管よりも短く、前記内筒管の終端の下流側において、前記第一流路を流通する有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスと前記第二流路を流通する水とを接触させること含む、請求項1に記載のオレフィンガスの精製方法。
  3. 前記第一流路を流通する有機アルミニウム成分を含有するオレフィンガスの流速が、5〜20m/sである、請求項1又は2に記載のオレフィンガスの精製方法。
  4. 前記オレフィンガスが、エチレン又はプロピレンである、請求項1〜のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法。
  5. 前記有機アルミニウム成分が、アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシド、アルモキサン、トリアルキルアルミニウム、複合有機アルミニウム化合物、及びこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1〜のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法。
  6. 前記水が、脱塩水、純水、ボイラー水、及び蒸留水よりなる群から選択される、請求項1〜のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法によりオレフィンガスを精製し、さらに当該オレフィンガスを重合することを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
  8. 重合反応器から回収した未反応のオレフィンガスを、請求項1〜のいずれかに記載のオレフィンガスの精製方法により精製して回収する工程、及び、前記回収した精製オレフィンガスを再び重合反応器へ戻して、重合する工程を含む、請求項7に記載のポリオレフィンの製造方法。
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