JP3501330B2 - 触媒残渣を除去する手段を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置 - Google Patents
触媒残渣を除去する手段を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置Info
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Description
回収し再利用する気相重合法プロセスにおけるポリマー
の製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置に関する
ものである。さらに詳しくは、触媒残渣を除去する手段
を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー
回収装置に関するものである。
ゲン化チタン触媒と有機アルミニウム化合物からなる触
媒系に関して、特公昭39−12105号公報の他多く
の提案がなされ、高活性の触媒が得られており、ほとん
ど無脱灰、無抽出で製品が得られるレベルに達してい
る。
合してしまうわけではなく、この未反応モノマーを回収
し、再使用する必要がある。通常、気相重合法におい
て、この未反応モノマーは、脱気・脱圧の機能を有する
製品抜き出し槽でポリマーと分離された後、コンプレサ
ー等で加圧され、精製され再循環される。なお、一部は
コンプレサー等で加圧され後、燃料ガスとして利用され
る。また、コポリマーを重合する際も同様である。
少量の触媒残渣が同伴されており、特に触媒活性を高め
るため、有機アルミニウムを比較的多量に使用する場合
は、これによるコンプレサーのピストンの焼きつきや、
サイクロン、冷却器でのモノマーの重合によるポリマー
の器壁への付着、管の閉塞等のトラブルが発生しやすく
なる。
改善により有機アルミニウム使用量を低減する等が提案
されている。また、未反応モノマーの循環ラインに微粒
子を分離する目的でダストセパレータを設けることが提
案されている。しかしながら、これらの方法では、上記
のトラブルを解消するには充分なものでない。
マーを回収し再利用する気相重合法プロセスにおけるポ
リマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置に
おいて、未反応モノマーに同伴された少量の触媒残渣自
体がある一部分に蓄積されたり、又はモノマーが重合す
ることによるトラブル等の発生、例えば、コンプレサー
のピストンの焼きつきや、サイクロン、冷却器でのモノ
マーの重合によるポリマーの器壁への付着、管の閉塞等
のトラブルを解消することを目的とするものである。
につき鋭意検討した結果、気相重合法プロセスにおける
ポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置
において、以下に示すような触媒残渣の除去手段を設け
ることで、上記課題を達成できることを見出して本発明
を完成するに至った。
する気相重合法プロセスにおけるポリマーの製造方法に
おいて、ポリマーと分離後、回収される未反応モノマー
に同伴された気体状又は液体状の触媒残渣を除去する手
段を設けたことを特徴とするものである。特に、有機ア
ルミニウムを触媒成分として使用するポリマーの製造方
法に有効である。
ーに同伴された気体状又は液体状の触媒残渣に触媒失活
剤を接触させ、分離し、除去するものであり、さらに好
ましくは、未反応モノマー回収ラインに水、アルコール
又はこれらの混合物を導入し、モノマーに同伴された気
体状又は液体状の触媒残渣を失活させると共に固化さ
せ、分離し、除去するものである。水、アルコール又は
これらの混合物は、不活性ガス、オレフィンガス、又は
水素ガスを用いて導入するのが好ましい。
ける未反応モノマー回収装置において、未反応モノマー
回収ラインに水、アルコール又はこれらの混合物を導入
する手段、未反応モノマーに同伴された触媒残渣を固化
させたものを分離する手段、及び未反応モノマーを加圧
する手段をこの順に設けたことを特徴とするモノマー回
収装置を提供するものである。この分離する手段として
は、フィルター又はサイクロンが好ましい。
明する。本発明は、未反応モノマーを回収し再利用する
気相重合法プロセスにおけるポリマーの製造方法におい
て、ポリマーと分離後、回収される未反応モノマーに同
伴された気体状又は液体状の触媒残渣を除去する手段を
設けたことを特徴とするものである。
は、流動層型プロセス、攪拌型等気相重合法プロセスで
あって、有機アルミニウムを触媒成分として使用するプ
ロセスで特に有効である。例えば、所謂チーグラー・ナ
ッタ触媒、すなわち遷移金属化合物と有機アルミニウム
化合物からなる触媒が用いられるポリオレフィンのプロ
セスである。
ルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソプ
ロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノク
ロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、ジ
イソブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルアル
ミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
リド等を挙げることができる。
必要に応じてコモノマー、水素等が重合槽に供給され、
この槽でモノマー等は重合されてポリマー又はコポリマ
ー(以下、コポリマーも含めポリマーと称する場合があ
る。)となるが、多くは未反応のままである。未反応モ
ノマー、コモノマー(以下、コモノマーも含めモノマー
と称する場合がある。)は、ポリマーと共に脱気・脱圧
の機能を有する製品抜き出し槽へ供給され、ここでポリ
マーと分離された後、コンプレサー等で加圧され再利用
される。これらのモノマー、コモノマーとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプ
テン、オクテン、ノネン、デセン等のα−オレフィン、
4−メチルペンテン−1等の分岐状オレフィンを挙げる
ことができる。なお、この未反応モノマーには、プロパ
ンや窒素ガス等も少量含まれることがある。
非常に活性が高いものであるが、上記の未反応モノマー
には少量の触媒残渣が同伴され、このもの自体が、ある
一部分に蓄積されたり、又はこれによりモノマーが重合
することによる問題等が発生する。例えば、コンプレサ
ーのピストンの焼きつきや、サイクロン、冷却器でのモ
ノマーの重合によるポリマーの器壁への付着、管の閉塞
等のトラブルが挙げられる。
は液体状の触媒残渣は、有機アルミニウム化合物を主成
分とするものである。また、通常、未反応モノマーに
は、未反応モノマー1トン当たり0.01〜10gの範
囲の量の触媒残渣が同伴されている。本発明は、上記の
ような回収、再利用される未反応モノマーに同伴された
少量の触媒残渣を通常、未反応モノマーが加圧される前
に、除去する手段を設けたことを特徴とするポリマーの
製造方法である。この除去手段としては、触媒失活剤を
接触されることにより固化し、分離し、除去するもので
ある。触媒失活剤としては、水、一般式R−OHで表さ
れるアルコール(Rは、炭素数1〜10のアルキル基、
アルケニル基、アリール基又はアラルキル基である。)
又はこれらの混合物である。これらの中では、水、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコールが好ましい。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
残渣中のアルミニウム1モルに対して触媒失活剤1〜1
00モルの範囲であり、好ましくは、触媒残渣中のアル
ミニウム1モルに対して触媒失活剤3〜30モルの範囲
である。具体的な除去手段としては、例えば、水、上記
アルコールないしはこれらの混合物を液状のまま、水、
上記アルコールないしはこれらの混合物を加熱によりガ
ス化した形、又は、不活性ガス,オレフィンモノマーガ
ス,水素ガス等を水、上記アルコールないしはこれらの
混合物の中にバブリングさせ、そのガス中に水、上記ア
ルコールないしはこれらの混合物を蒸気圧分だけ含ませ
た形で、未反応モノマーの回収ラインへ導入し、触媒残
渣を失活させると共に固化させ、フィルター,サイクロ
ン等の分離装置で分離し、回収ラインから除去する方法
や、未反応モノマーガスを水、上記アルコール又はこれ
らの混合物の中にバブリングさせ、失活させると共に固
化させ、除去する方法等が挙げられる。これらの除去手
段は、ダストセパレータと併用してもよいし、これらの
除去手段を多段に設けてもよい。
とにより、この下流側の触媒残渣自体がある一部分に堆
積されたり、又はモノマーが重合することによるトラブ
ル等の発生をなくすことができる。例えば、コンプレサ
ーのピストンの焼きつきや、サイクロン、冷却器でのモ
ノマーの重合によるポリマーの器壁への付着、管の閉塞
等のトラブルを解消できる。特に、高温下となるコンプ
レサーのピストン部における焼きつきや、その周辺にお
けるポリマーの器壁への付着、管の閉塞等のトラブルが
解消でき、コンプレサーのメンテナンスサイクルを延長
できることは、極めて経済効果が高い。本発明のモノマ
ー回収装置は、気相重合法プロセスにおける未反応モノ
マー回収装置において、未反応モノマー回収ラインに
水、アルコール又はこれらの混合物を導入する手段、未
反応モノマーに同伴された触媒残渣を固化させたものを
分離する手段、及び未反応モノマーを加圧する手段をこ
の順に設けたことを特徴とするモノマー回収装置を提供
するものである。この分離する手段としては、フィルタ
ー又はサイクロンが好ましい。特に、バグフィルターが
好適である。
しては、水、上記アルコール又はこれらの混合物等の触
媒失活剤を霧状にして直接導入するための細管、触媒失
活剤をガス化して導入するための加熱装置を設けた供給
管、オレフィンモノマーガス,水素ガス,不活性ガス等
に水、アルコール又はこれらの混合物等の触媒失活剤を
蒸気圧分だけ含ませるためのバブリング装置等を挙げる
ことができる。
ては、コンプレッサー等が挙げられる。これらは、小型
の装置で、所望の効果を奏することができる。そのた
め、現有の装置に付設するのも容易である。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 〔実施例〕図1のポリオレフィン気相重合法プロセスの
ポリマー回収及び未反応モノマー回収系の概略図に示す
ように、脱気・脱圧の機能を有する製品抜き出し槽2と
コンプレッサー5との間に本発明の除去手段が設けてあ
る。ここでは、水蒸気を導入する供給口3とバグフィル
ターからなる分離装置4(ジャパンゴアテック社製、目
付:480g/cm2 )が設けてある。気相重合器に繋
がるライン1から、ポリマーと未反応モノマーが製品抜
き出し槽2に供給されている。ポリマーは製品抜き出し
槽2の下部から抜き出され、未反応モノマーは製品抜き
出し槽2の上部から回収される。
マーの流量は、0.7トン/時間であり、気体状又は液
体状の有機アルミニウムを主成分とする触媒残渣が2.
2g/時間で含まれていた。水蒸気を導入する供給口3
から、2.0g/時間で水蒸気を導入した。水蒸気を導
入することで、コンプレッサーのトラブルも6ケ月間発
生しなかった。一時的に運転を停止し、バグフィルター
を検査したところ堆積物が見られた。これは水酸化アル
ミニウムを主成分とするものであることが分かった。し
かし、バグフィルターより下流側のライン及びコンプレ
ッサー周辺に触媒残渣の堆積は見られなかった。つま
り、少なくとも6ケ月以上のメンテナンスサイクルにで
きることが確認された。
は実施例と同様に行った。運転開始後、25日目にコン
プレッサーのトラブルが発生した。バグフィルターより
下流側のライン及びコンプレッサー周辺に触媒残渣及び
ポリマーの堆積が見られた。
再利用する気相重合法プロセスにおけるポリマーの製造
方法及びそれに用いるモノマー回収装置において、未反
応モノマーに含まれた少量の触媒残渣自体がある一部分
に堆積されたり、又はモノマーが重合することによるト
ラブル等の発生をなくすことができる。特に、高温下と
なるコンプレサーのピストン部における焼きつきや、そ
の周辺におけるポリマーの器壁への付着、管の閉塞等の
トラブルが解消でき、コンプレサーのメンテナンスサイ
クルを延長できることは、極めて経済効果が高い。
ポリマー回収及び未反応モノマー回収系の概略図に示
す。
Claims (6)
- 【請求項1】 未反応モノマーを回収し再利用する気相
重合法プロセスによるポリマーの製造方法において、ポ
リマーと分離後、回収される未反応モノマーに同伴され
た気体状又は液体状の触媒残渣を、水、メタノール、エ
タノール又はこれらの混合物からなる触媒失活剤を導入
して除去することを特徴とするポリマーの製造方法。 - 【請求項2】 有機アルミニウムを触媒成分として使用
する請求項1に記載のポリマーの製造方法。 - 【請求項3】 未反応モノマーに同伴された気体状又は
液体状の触媒残渣に触媒失活剤を接触させることにより
固化し、分離し、除去する請求項1又は2に記載のポリ
マーの製造方法。 - 【請求項4】 触媒失活剤を不活性ガス、オレフィンガ
ス、又は水素ガスを用いて導入する請求項1〜3のいず
れか一項に記載のポリマーの製造方法。 - 【請求項5】 気相重合法プロセスにおける未反応モノ
マー回収装置において、未反応モノマー回収ラインに
水、メタノール、エタノール又はこれらの混合物を導入
する手段、未反応モノマーに同伴された触媒残渣を固化
させた後、これを分離する手段、及び未反応モノマーを
加圧する手段をこの順に設けたことを特徴とするモノマ
ー回収装置。 - 【請求項6】 分離する手段がフィルター又はサイクロ
ンである請求項5に記載のモノマー回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30166496A JP3501330B2 (ja) | 1996-11-13 | 1996-11-13 | 触媒残渣を除去する手段を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP30166496A JP3501330B2 (ja) | 1996-11-13 | 1996-11-13 | 触媒残渣を除去する手段を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置 |
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JPH10139809A JPH10139809A (ja) | 1998-05-26 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP30166496A Expired - Lifetime JP3501330B2 (ja) | 1996-11-13 | 1996-11-13 | 触媒残渣を除去する手段を設けたポリマーの製造方法及びそれに用いるモノマー回収装置 |
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---|---|
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Families Citing this family (5)
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CN107075104B (zh) | 2014-12-08 | 2019-04-09 | Lg化学株式会社 | 制备聚碳酸亚烷基酯树脂的方法 |
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JP7334449B2 (ja) * | 2019-04-16 | 2023-08-29 | 東ソー株式会社 | エチレン-イソオレフィン系共重合体 |
-
1996
- 1996-11-13 JP JP30166496A patent/JP3501330B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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