JP6546538B2 - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、主相がAlNであり、粒界相がNdAl11O18及び/又はNdAlO3を含む粒界伝導型の焼結体であり、粒界相が電流経路となり体積抵抗率の低下に寄与する。具体的には、常温域の体積抵抗率を例えば1×107〜1×1013Ω・cm程度とすることができ、例えば、半導体製造装置の静電チャックの材料として有用である。
本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、以上の本発明の窒化アルミニウム焼結体を製造し得る製造方法であり、直接窒化法により得られた窒化アルミニウムと酸化ネオジムとを準備する工程(以下、「工程A」と呼ぶ。)と、前記窒化アルミニウムと酸化ネオジムとを混合する工程(以下、「工程B」と呼ぶ。)と、前記窒化アルミニウムと前記酸化ネオジムとの混合物を焼成する工程(以下、「工程C」と呼ぶ。)とを含む。以下に各工程について説明する。
本工程においては、直接窒化法により得られた窒化アルミニウム(AlN)と酸化ネオジム(Nd2O3)とを準備する。本工程において、直接窒化法により得られた窒化アルミニウムを用いるのは、当該窒化アルミニウムを用いて酸化ネオジムと焼成するとNdAl11O18を含む構造の粒界相とする粒界伝導型の焼結体が得られるためである。逆に、還元窒化法により得られた窒化アルミニウムは粒界伝導型の焼結体とすることは困難である。窒化アルミニウムは、金属アルミニウムの粉末を窒素雰囲気下で燃焼合成して製造してもよいし、市販のものをそのまま用いてもよい。市販のものとしては、H.C.スタルク社製のものが挙げられる。窒化アルミニウムは粉末状のものを用いることが好ましい。一方、酸化ネオジムは市販の粉末状のものを用いることが好ましい。
なお、Caの含有量は、ICP−MSにより測定して得られる数値である。
本工程においては、工程Aで準備した窒化アルミニウムと、酸化ネオジムとを混合する。例えば、両成分の混合において、アルコール系などの溶剤中に窒化アルミニウム粉末を投入して分散し、その中に酸化ネオジムを、粉末や溶液の状態で添加することができる。また、酸化ネオジムを添加した後は、攪拌するのであるが、粉末中の凝集物などを粉砕する必要がある場合には混合粉砕機を使用する。必要に応じて、他の添加物を添加することができ、そのような添加物としては、TiN、TiC、TiO2などの遷移金属窒化物、炭化物、酸化物などが挙げられる。他の添加剤を添加してもよい。ただし、上述の通り、色消し剤としてTiN及びTiO2を添加すると体積抵抗率の低下を阻害する。
本工程においては、工程Bで得られた、窒化アルミニウムと酸化ネオジムとの混合物を焼成する。焼成に当たり加圧するホットプレス焼成が好ましい。
直接窒化法により得られた窒化アルミニウム(H.C.スタルク社製、Ca成分10ppm以下)99質量部と、Nd2O31質量部とを、ポットミルにより混合し混合粉末とした。次いで、この混合粉末を、温度を1650℃、プレス圧を14MPaの条件下で、2時間ホットプレス焼成し、焼成後2℃/分の降温速度で降温し窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体について、RIGAKU製RINT2500を用い、X線出力50KV、300mA、波長CuKαの条件でX線回折法により測定したところ、NdAl11O18及びNdAlO3のピークを確認した。
得られた窒化アルミニウム焼結体に対し、厚みを2mmに加工後、株式会社ダイアインスツルメンツ社製高抵抗率計ハイレスターを用い、プローブ:UR−100、印加電圧:1000Vを印加して体積抵抗率を測定した。測定結果を表1に示す。
窒化アルミニウム及びNd2O3の使用量を下記表1に記載の量としたこと、及び各実施例において焼成温度を下記表1に記載の温度としたこと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。なお、実施例11についてのみ、焼成時間を10時間とした。
窒化アルミニウムを、直接窒化法で得られたものであるが、実施例1〜11で使用した窒化アルミニウムとは異なるもの((株)東洋アルミニウム製、Ca成分160〜240ppm)に変更したこと、及び焼成温度を下記表1に記載の温度としたこと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体について、実施例1と同様にしてX線回折法により測定したが、NdAl11O18のピークはわずかに確認することができた。
窒化アルミニウムを還元窒化法で得られたもの((株)トクヤマ製、Ca成分150〜350ppm)に変更したこと、及び焼成温度を下記表1に記載の温度としたこと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体について、実施例1と同様にしてX線回折法により測定したが、NdAl11O18のピークは確認することができなかった。また体積抵抗率は2.00×1015Ωcmであり、すべての実施例より劣っていた。
これに対して、還元窒化法で得られた窒化アルミニウムを用いた比較例1は体積抵抗率を低下させることができなかった。よって、直接窒化法による窒化アルミニウムを原料として用いると、体積抵抗率を低抵抗することが示された。
一方、実施例1〜3のグループ、実施例5〜7のグループ、実施例8〜10のグループの比較から、使用するNd2O3の比率が大きいほど体積抵抗率が低下する傾向があることが分かる。
Claims (5)
- 主相がAlNであり、粒界相がNdAl 11 O 18 を含むことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
- 請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体において、Caの含有量が10ppm未満であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
- 直接窒化法により得られた窒化アルミニウムと酸化ネオジムとを準備する工程と、
前記窒化アルミニウムと前記酸化ネオジムとを混合する工程と、
前記窒化アルミニウムと前記酸化ネオジムとの混合物を焼成する工程と、
を含むことを特徴とする主相がAlNであり、粒界相がNdAl 11 O 18 を含む窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 請求項3に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、前記窒化アルミニウムと前記酸化ネオジムとの混合物を焼成する工程における焼成温度が1650〜1950℃であり、かつ焼成後、前記焼成温度から降温させる際の降温速度が0.8℃/分以上であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 請求項3又は4に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、前記直接窒化法により得られた窒化アルミニウム中のCaの含有量が10ppm未満であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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