JP3067816B2 - セラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 - Google Patents
セラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物Info
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- JP3067816B2 JP3067816B2 JP03025291A JP2529191A JP3067816B2 JP 3067816 B2 JP3067816 B2 JP 3067816B2 JP 03025291 A JP03025291 A JP 03025291A JP 2529191 A JP2529191 A JP 2529191A JP 3067816 B2 JP3067816 B2 JP 3067816B2
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- Japan
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- composition
- piezoelectric ceramic
- filter element
- ceramic composition
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックフィルタ素
子用圧電磁器組成物に関し、更に詳しく言えば、低い機
械的品質係数Qmと高い比誘電率ε及び電気機械結合係
数(Kr)を示し、且つ共振周波数(Fr)の経時変化
率が小さい圧電磁器組成物を提供することを目的とす
る。本発明は、デジタル通信方式を利用したポケットベ
ル、自動車電話等のフィルタ回路等に利用される。
子用圧電磁器組成物に関し、更に詳しく言えば、低い機
械的品質係数Qmと高い比誘電率ε及び電気機械結合係
数(Kr)を示し、且つ共振周波数(Fr)の経時変化
率が小さい圧電磁器組成物を提供することを目的とす
る。本発明は、デジタル通信方式を利用したポケットベ
ル、自動車電話等のフィルタ回路等に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックフィルタ素子用圧電磁
器組成物としては、位相歪の小さいもの、即ち群遅延時
間特性の優れたものが要求されるようになった。そし
て、従来、この種の圧電磁器組成物としては、Pb(Z
ry Ti1-y )O3 (0.53≦y≦0.55)にWO
3 及びCr2 O3 を添加したもの(特公昭52−273
59号公報)、Pb(Zry Ti1-y )O3 (0.48
≦y≦0.52)にWO3 及びCr2 O3を添加したも
の(特開昭60−196983号公報)等が知られてい
る。
器組成物としては、位相歪の小さいもの、即ち群遅延時
間特性の優れたものが要求されるようになった。そし
て、従来、この種の圧電磁器組成物としては、Pb(Z
ry Ti1-y )O3 (0.53≦y≦0.55)にWO
3 及びCr2 O3 を添加したもの(特公昭52−273
59号公報)、Pb(Zry Ti1-y )O3 (0.48
≦y≦0.52)にWO3 及びCr2 O3を添加したも
の(特開昭60−196983号公報)等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の圧電磁
器組成物においても、ε;1200以上、Kr;40以
上、Qm;500以下、Frの経時変化率;0.3%以
下という特性を全て満足できない場合があり、更に一
層、優れた特性を有するものが望まれていた。また、異
なった組成を有し、同等若しくはそれ以上の性能を有す
る新規な圧電磁器組成物も望まれていた。本発明は、上
記観点に鑑みてなされたものであり、前記の実用特性を
全て満足するセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物
(以下、単に圧電磁器組成物という。)を提供すること
を目的とする。
器組成物においても、ε;1200以上、Kr;40以
上、Qm;500以下、Frの経時変化率;0.3%以
下という特性を全て満足できない場合があり、更に一
層、優れた特性を有するものが望まれていた。また、異
なった組成を有し、同等若しくはそれ以上の性能を有す
る新規な圧電磁器組成物も望まれていた。本発明は、上
記観点に鑑みてなされたものであり、前記の実用特性を
全て満足するセラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物
(以下、単に圧電磁器組成物という。)を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、一般式xP
b(Sb2/3 W1/3 )O3 ・(1−x)Pb(Zry T
i1-y )O3 を主成分とし、これに副成分として、所定
量のCr2 O3 を添加含有することにより、前記特性を
全て満足することを見出して、本発明は完成したもので
ある。即ち、本発明の圧電磁器組成物は、一般式xPb
(Sb2/3 W1/3 )O3 ・(1−x)Pb(Zry Ti
1-y )O3 〔但し、0.006≦x≦0.075、0.
475≦y≦0.535〕で示される組成を主成分と
し、これに副成分としてCr2 O3 を0.25〜0.7
5重量%の範囲で添加含有せしめてなることを特徴とす
る。前記組成比の限定理由は以下の通りである。前記y
の範囲は、圧電及び電歪効果が最も大きくなるモルフォ
トロピック相転移付近の組成であることから、yを0.
475≦y≦0.535に限定した。また、前記xが
0.006未満ではKrが40%以下となり好ましくな
く、xが0.075を越えると経時変化率が0.3%を
こえることとなり、好ましくない。更に、また、Cr2
O3 の添加量が0.25重量%未満では、経時変化率が
0.25を越えることとなり好ましくなく、これが0.
75重量%を越えるとKrの低下に加え、Crが焼成時
に蒸発し易いのでポアの多い焼結体となり,好ましくな
い。本磁器組成物は、所定の原料を所定量混合し、焼成
して製造される。
b(Sb2/3 W1/3 )O3 ・(1−x)Pb(Zry T
i1-y )O3 を主成分とし、これに副成分として、所定
量のCr2 O3 を添加含有することにより、前記特性を
全て満足することを見出して、本発明は完成したもので
ある。即ち、本発明の圧電磁器組成物は、一般式xPb
(Sb2/3 W1/3 )O3 ・(1−x)Pb(Zry Ti
1-y )O3 〔但し、0.006≦x≦0.075、0.
475≦y≦0.535〕で示される組成を主成分と
し、これに副成分としてCr2 O3 を0.25〜0.7
5重量%の範囲で添加含有せしめてなることを特徴とす
る。前記組成比の限定理由は以下の通りである。前記y
の範囲は、圧電及び電歪効果が最も大きくなるモルフォ
トロピック相転移付近の組成であることから、yを0.
475≦y≦0.535に限定した。また、前記xが
0.006未満ではKrが40%以下となり好ましくな
く、xが0.075を越えると経時変化率が0.3%を
こえることとなり、好ましくない。更に、また、Cr2
O3 の添加量が0.25重量%未満では、経時変化率が
0.25を越えることとなり好ましくなく、これが0.
75重量%を越えるとKrの低下に加え、Crが焼成時
に蒸発し易いのでポアの多い焼結体となり,好ましくな
い。本磁器組成物は、所定の原料を所定量混合し、焼成
して製造される。
【0005】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (1)各試料の作製 表1に示す配合組成になるようにそれぞれを秤量し、ボ
ールミル内で湿式混合し、その後、730〜780℃で
一旦仮焼する。この仮焼物を再度ボールミル内で16時
間湿式粉砕する。この乾燥粉末より直径20mm×厚さ
1mmの円板状に加圧成形し、1100〜1200℃で
2時間焼成する。この焼結品の表裏面を精密研磨した上
で、その上に銀電極を焼き付ける。次いで、これを10
0〜120℃の絶縁オイル中において30〜50kv/
cmの直流電圧を30分間印加して分極したものを試料
(No.1〜13)として、表1に示す各諸特性の測定
を行い、その結果を表1に示す。
る。 (1)各試料の作製 表1に示す配合組成になるようにそれぞれを秤量し、ボ
ールミル内で湿式混合し、その後、730〜780℃で
一旦仮焼する。この仮焼物を再度ボールミル内で16時
間湿式粉砕する。この乾燥粉末より直径20mm×厚さ
1mmの円板状に加圧成形し、1100〜1200℃で
2時間焼成する。この焼結品の表裏面を精密研磨した上
で、その上に銀電極を焼き付ける。次いで、これを10
0〜120℃の絶縁オイル中において30〜50kv/
cmの直流電圧を30分間印加して分極したものを試料
(No.1〜13)として、表1に示す各諸特性の測定
を行い、その結果を表1に示す。
【表1】 尚、表中、誘電率εは1kHzの周波数で、Kr、Qm
の測定はI.R.E標準回路の方法によった。また、F
rの経時変化率の測定は試料を4.8mm角に裁断し、
分極後1万時間における中心周波数(455kHz)の
変化より求めた。
の測定はI.R.E標準回路の方法によった。また、F
rの経時変化率の測定は試料を4.8mm角に裁断し、
分極後1万時間における中心周波数(455kHz)の
変化より求めた。
【0006】(2)性能評価 xPb(Sb2/3 W1/3 )O3 ・(1−x)Pb(Zr
y Ti1-y )O3 /zCr2 O3 の組成式(尚、このz
は前記2者に対する重量%を示す。)において、0.0
06≦x≦0.075、0.475≦y≦0.535、
0.25≦z≦0.75重量%の範囲(本発明の範囲)
内の試料(No.1〜13)は全て、ε;1250〜2
200、Kr;40〜62%、Qm;100〜450、
Frの経時変化率;0.3%以下であり、いずれも実用
的な性能を全て満足している。尚、前記xが0.006
の場合(No.1)はKrが40とやや小さく、xが
0.075の場合(No.11)はFrの経時変化率が
0.3%とやや大きい。また、前記yが0.475の場
合(No.9)は及び0.535の場合(No.5)
は、その中間値の0.505の場合(No.7)と比べ
て、Qm値を一層小さくできる。また、zが0.25重
量%の場合(No.12)はFrの経時変化率が0.2
5%とやや大きく、zが0.75重量%の場合(No.
13)はKrが46%とやや小さくなる。以上を考慮す
ると、更に限定したx、y、zの範囲(即ち、0.01
5≦x≦0.05、0.49≦y≦0.52、0.4≦
z≦0.6)であれば、ε;1380〜2000、K
r;45〜56%、Qm;130〜360、Frの経時
変化率;0.1%以下であり、いずれも大変優れた性能
を示し、極めて性能のバランスがよい。尚、本考案にお
いては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目
的、用途に応じて本考案の範囲内で種々変更した実施例
とすることができる。即ち、前記仮焼温度等の仮焼条
件、焼成温度等の焼成条件等は種々選択できる。
y Ti1-y )O3 /zCr2 O3 の組成式(尚、このz
は前記2者に対する重量%を示す。)において、0.0
06≦x≦0.075、0.475≦y≦0.535、
0.25≦z≦0.75重量%の範囲(本発明の範囲)
内の試料(No.1〜13)は全て、ε;1250〜2
200、Kr;40〜62%、Qm;100〜450、
Frの経時変化率;0.3%以下であり、いずれも実用
的な性能を全て満足している。尚、前記xが0.006
の場合(No.1)はKrが40とやや小さく、xが
0.075の場合(No.11)はFrの経時変化率が
0.3%とやや大きい。また、前記yが0.475の場
合(No.9)は及び0.535の場合(No.5)
は、その中間値の0.505の場合(No.7)と比べ
て、Qm値を一層小さくできる。また、zが0.25重
量%の場合(No.12)はFrの経時変化率が0.2
5%とやや大きく、zが0.75重量%の場合(No.
13)はKrが46%とやや小さくなる。以上を考慮す
ると、更に限定したx、y、zの範囲(即ち、0.01
5≦x≦0.05、0.49≦y≦0.52、0.4≦
z≦0.6)であれば、ε;1380〜2000、K
r;45〜56%、Qm;130〜360、Frの経時
変化率;0.1%以下であり、いずれも大変優れた性能
を示し、極めて性能のバランスがよい。尚、本考案にお
いては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目
的、用途に応じて本考案の範囲内で種々変更した実施例
とすることができる。即ち、前記仮焼温度等の仮焼条
件、焼成温度等の焼成条件等は種々選択できる。
【0007】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電磁器組成物
は、比誘電率ε;1200以上、Kr;40%以上、Q
m;500以下、Frの経時変化率;0.3%以下であ
り、いずれも実用的な性能を十分に満足しており、性能
のバランスがよいので、これをフィルタ素子として構成
した場合、位相歪みの直線性、群遅延時間特徴を一層良
好なものとすることができる。
は、比誘電率ε;1200以上、Kr;40%以上、Q
m;500以下、Frの経時変化率;0.3%以下であ
り、いずれも実用的な性能を十分に満足しており、性能
のバランスがよいので、これをフィルタ素子として構成
した場合、位相歪みの直線性、群遅延時間特徴を一層良
好なものとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式xPb(Sb2/3 W1/3 )O3 ・
(1−x)Pb(Zry Ti1-y )O3 〔但し、0.0
06≦x≦0.075、0.475≦y≦0.535〕
で示される組成を主成分とし、これに副成分としてCr
2 O3 を0.25〜0.75重量%の範囲で添加含有せ
しめてなることを特徴とするセラミックフィルタ素子用
圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03025291A JP3067816B2 (ja) | 1991-01-26 | 1991-01-26 | セラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03025291A JP3067816B2 (ja) | 1991-01-26 | 1991-01-26 | セラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04243969A JPH04243969A (ja) | 1992-09-01 |
JP3067816B2 true JP3067816B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=12161915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03025291A Expired - Fee Related JP3067816B2 (ja) | 1991-01-26 | 1991-01-26 | セラミックフィルタ素子用圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3067816B2 (ja) |
-
1991
- 1991-01-26 JP JP03025291A patent/JP3067816B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04243969A (ja) | 1992-09-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |