JP6823939B2 - サーミスタ材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サーミスタ材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、還元雰囲気下において使用することができ、−80℃〜200℃程度の低温域において精度良く温度を検知することができ、かつ、電気抵抗値のバラツキが小さいサーミスタ材料及びその製造方法に関する。
サーミスタとは、温度変化に対して抵抗変化の大きい抵抗体をいう。サーミスタは、温度の上昇に対して抵抗が減少するNTCサーミスタ、温度の上昇に対して抵抗が増加するPTCサーミスタ、ある温度を超えると抵抗が急激に減少するCRTサーミスタに分類される。これらの内、NTCサーミスタは、温度と抵抗値の変化が比例的であるため、最も使われており、単にサーミスタというときは、NTCサーミスタを指す。
一般に使用されるサーミスタは、Mn、Ni、Co、Fe、Cuなどの遷移金属酸化物を2〜4種類含む酸化物複合体からなる。このような酸化物系のサーミスタ材料としては、例えば、スピネル型酸化物(特許文献1)、ペロブスカイト型酸化物(特許文献2〜5)、スピネルとペロブスカイトの混合物(特許文献6)などが知られている。
酸化物系サーミスタでは、酸素イオン拡散の温度依存性を利用して温度検出を行っている。また、ペロブスカイト型酸化物からなるサーミスタにおいては、2価金属をドープすることによって、酸素欠陥による正孔よりも多くの正孔を導入したp型半導体とし、低酸素雰囲気での抵抗値の不安定化を抑制することが行われている。
また、非酸化物系のサーミスタ材料も知られている。
例えば、特許文献7には、Si34粉末に対して、30wt%のSiC粉末と、6wt%のY23とを加えて混合し、混合物を成形及び焼結させることにより得られる還元雰囲気用サーミスタ材料が開示されている。
同文献には、この還元雰囲気用サーミスタ材料は、120℃×10気圧の水素雰囲気下で1000時間暴露した時の抵抗変化率が1%以下である点が記載されている。
さらに、特許文献8には、Si34粉末に、15〜30wt%のα型SiC、6wt%のY23、0〜20wt%のB、及び、0〜5wt%のTiB2を加えて混合し、混合物を焼結することにより得られる低温用サーミスタ材料が開示されている。
同文献には、絶縁性セラミックスからなるマトリックス材料と、α型SiCからなる導電性粒子とを備えたサーミスタ材料において、所定量のホウ素及び第2導電性粒子(特に、TiB2)をさらに添加すると、低温域用の高精度な温度計測に適したサーミスタ材料が得られる点が記載されている。
酸化物系のサーミスタ材料では、酸素欠陥の導入や金属のドープによって正孔を生成させているため、これを低酸素雰囲気下で使用した時には動作が不安定となる傾向がある。また、水素中のような還元雰囲気に暴露すると、抵抗値が正常値よりも2〜3桁上昇するという問題がある。この問題を解決するために、温度検出部をガラスシールしたり、あるいは、温度検出部に金属製カバーを取り付け、これによって還元ガスの影響を防ぐことが行われている。しかし、この方法では、高コスト化や応答性の低下を招く。また、ガラスや金属カバーの割れや隙間等から水素が侵入しやすいために、品質保証しにくいという問題がある。
これに対し、非酸化物系のサーミスタ材料は、還元雰囲気中でも動作が安定しており、ガラスシールや金属製カバーを必ずしも必要としないという利点がある。しかし、従来の非酸化物系のサーミスタ材料は、ネットワーク構造を形成しやすくするために、マトリックス材料の粒径を導電性材料に比べて大きくすることが必要であった。そのため、セルサイズの均一なネットワーク構造を形成しにくく、抵抗値にバラツキが生じやすいという問題があった。
特開平05−275206号公報 特開平06−325907号公報 特開平06−338402号公報 特開平07−099103号公報 特開平07−201528号公報 特開平10−070011号公報 特開2009−259911号公報 特開2013−197308号公報
本発明が解決しようとする課題は、ガラスシールや金属製カバーを用いることなく還元雰囲気下において使用することが可能であり、−80℃〜200℃の低温域において精度良く温度を検知することができ、かつ、電気抵抗値のバラツキの小さいサーミスタ材料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るサーミスタ材料は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記サーミスタ材料は、
絶縁性材料からなる第1相粒子と、
半導体材料及び導電性材料からなる第2相粒子と
を備え、
前記絶縁性材料は、Si−N系セラミックスを含み、
前記半導体材料は、SiC及びSiを含み、
前記導電性材料は、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれるいずれか1以上の金属化合物を含む。
(2)前記サーミスタ材料は、前記第1相粒子と前記第2相粒子とが均一に分散している組織を呈し、
前記第1相粒子及び前記第2相粒子は、それぞれ、平均結晶粒径(d)が5μm以下であり、
前記SiCの平均結晶粒径(dSC)が0.5μm以下であり、
前記Siの平均結晶粒径(dSI)が1μm以下である。
本発明に係るサーミスタ材料の製造方法は、
平均粒径(DSC)が0.5μm以下であるSiC粉末を調製するSiC微粉調製工程と、
調製された前記SiC粉末に対して、さらにSi−N系セラミックス、ホウ素、導電性材料、及び必要に応じて焼結助剤の粉末を加えて粉砕混合する粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られた粉末を成形及び焼結させ、本発明に係るサーミスタ材料を得る成形・焼結工程と
を備えていることを要旨とする。
絶縁材料からなる第1相と、半導体材料及び導電性材料からなる第2相とを備えたサーミスタ材料を製造する場合において、主たる半導体材料として微細なSiC粉末を用い、これに残りの原料粉末を加えて粉砕混合すると、第1相粒子及び第2相粒子が共に微細であり、かつ、第1相粒子と第2相粒子とが均一に分散しているサーミスタ材料が得られる。
このようにして得られた材料を用いたサーミスタ素子は、還元雰囲気下においても安定した抵抗値を示し、かつ、電気抵抗値のバラツキも小さい。これは、
(a)導電パスを形成する半導体材料及び導電性材料が電子伝導体であり、いずれも抵抗値が還元雰囲気下においても安定しているため、及び、
(b)組織全体を微細化し、同時に導電パス構造を素子サイズに対して十分小さくすることによって、素子内の組成の均一化が促進されたため、
と考えられる。
実施例1で得られたサーミスタ材料のTEM像である。 実施例1で得られたサーミスタ材料の吸収電流像である。 実施例1で得られたサーミスタ材料の温度−抵抗特性を示す図である。 実施例1及び比較例1、2で得られたサーミスタ材料の電気抵抗値のバラツキを示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. サーミスタ材料]
本発明に係るサーミスタ材料は、以下の構成を備えている。
(1)前記サーミスタ材料は、
絶縁性材料からなる第1相粒子と、
半導体材料及び導電性材料からなる第2相粒子と
を備え、
前記絶縁性材料は、Si−N系セラミックスを含み、
前記半導体材料は、SiC及びSiを含み、
前記導電性材料は、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれるいずれか1以上の金属化合物を含む。
(2)前記サーミスタ材料は、前記第1相粒子と前記第2相粒子とが均一に分散している組織を呈し、
前記第1相粒子及び前記第2相粒子は、それぞれ、平均結晶粒径(d)が5μm以下であり、
前記SiCの平均結晶粒径(dSC)が0.5μm以下であり、
前記Siの平均結晶粒径が1μm以下である。
[1.1. 第1相粒子]
[1.1.1. 組成]
第1相粒子は、絶縁性材料からなる。絶縁性材料は、電気比抵抗が1012Ωcm以上であるものが好ましい。本発明において、第1相粒子を構成する絶縁性材料は、少なくともSi−N系セラミックスを含む。「Si−N系セラミックス」とは、
(a)Si34、又は、
(b)Si34に種々の元素を固溶させた化合物(例えば、SiALONなど)
をいう。
絶縁性材料は、Si−N系セラミックスのみからなるものでも良く、あるいは、他の材料が含まれていても良い。第1相粒子を構成する他の材料としては、例えば、
(a)Si−N系セラミックスとホウ素とが反応することにより生成するBN、
(b)焼結助剤に由来する粒界相
などがある。
[1.1.2. 第1相粒子の平均結晶粒径]
本発明において、第1相粒子の平均結晶粒径(d)は、5μm以下である。一般に、第1相粒子の平均結晶粒径(及び、第2相粒子の平均結晶粒径)が小さくなるほど、電気抵抗値のバラツキを小さくすることができる。第1相粒子の平均結晶粒径は、好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、0.75μm以下である。
ここで、「平均結晶粒径」とは、顕微鏡(SEM、TEM等)観察により無作為に選んだ10個以上の結晶粒のサイズ(結晶粒の最小外接円の直径)のメディアン値(サンプリングした粒子の50%に相当する粒子のサイズ)をいう。
なお、粒界相の大きさは通常、数nm程度であるため、「第1相の平均結晶粒径」という時は、Si−N系セラミックス及びBNの平均結晶粒径をいう。
[1.2. 第2相粒子]
第2相粒子は、半導体材料及び導電性材料からなる。絶縁性材料からなる第1相粒子と半導体材料及び導電性材料からなる第2相粒子は、均一に分散している。
半導体粒子は、主として温度抵抗係数(B)を増大させる作用がある。一方、導電性粒子は、主として材料の電気抵抗値を下げる作用がある。
なお、本発明においては、抵抗(R)と温度(T)の関係をR=Aexp(−BT)で近似したときの定数Bを「温度抵抗係数」とする。
[1.2.1. 半導体材料]
半導体材料は、少なくともSiC及びSiを含む。半導体材料は、SiC及びSiのみからなるものでも良く、あるいは、他の材料が含まれていても良い。
SiCは、出発原料に添加される。SiCは、α型SiCが好ましい。SiCは、α型SiCとβ型SiCが混在しているものでも良い。SiCは、ホウ素がドープされていないものでも良く、あるいは、ドープされているものでも良い。また、他の不純物元素(例えば、N、P、Alなど)をSiCにドープして、温度抵抗係数を大きくしても良い。SiCは、還元雰囲気下における耐久性が高く、かつ、温度抵抗係数(B値)が大きいので、半導体粒子として好適である。
Siは、後述するように、主としてSi−N系セラミックスと、SiC中のフリーカーボン及び/又は原料に添加されたホウ素とが反応することにより生成したものからなる。
なお、Siを出発原料に添加することもできる。しかし、Siの融点(1414℃)は、通常、材料の焼結温度(1700〜1800℃)より低いため、出発原料中にSiを添加する方法では、Si量の制御が難しい。そのため、Siは、出発原料が反応することにより生成したものが好ましい。
[1.2.2. 導電性材料]
本発明に係るサーミスタ材料は、絶縁性材料及び半導体材料に加えて、さらに導電性材料を含む。サーミスタ材料中にさらに導電性材料からなる粒子を添加すると、
(a)比抵抗値の制御が容易化する、
(b)SiCのみの場合に比べて耐久性が向上する、
(c)温度−抵抗係数(温度に対する感度)が増加し、測定精度が向上する、
などの効果が得られる。
「導電性材料」とは、室温における比抵抗値がSiC及びSiより低く、かつ、融点が1700℃以上である金属化合物をいう。導電性材料からなる粒子は、半導体材料からなる粒子と共に、導電パスの一部を構成する。
本発明において、導電性材料は、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属炭化物等の金属化合物からなる。導電性材料は、これらのいずれか1種の金属化合物からなるものでも良く、あるいは、2種以上の混合物又は固溶体であっても良い。導電性材料としては、具体的には、周期表の4A、5A、6A族のホウ化物、窒化物、炭化物、ケイ化物などがある。
導電性材料は、ホウ化物系の金属化合物が好ましい。また、ホウ化物系の金属化合物の中でも、特に、TiB2及びTiBが好ましい。これらはSiCと熱膨張係数が近く、これらをSiCと共に材料中に添加しても残留応力が小さいため、材料が割れにくく、かつ、熱衝撃にも強いという利点がある。
[1.2.3. 第2相粒子の平均結晶粒径]
本発明において、第2相粒子の平均結晶粒径(d)は、5μm以下である。一般に、第2相粒子の平均結晶粒径が小さくなるほど、電気抵抗値のバラツキを小さくすることができる。第2相粒子の平均結晶粒径は、好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは、0.5μm以下、さらに好ましくは、0.3μm以下である。
また、第2相粒子の中でも、SiCの平均結晶粒径は、0.5μm以下が好ましい。また、Siの平均結晶粒径は、1μm以下が好ましい。
[1.2.4. 粒径比]
第2相粒子(特にSiC)及び第1相粒子(特にSi−N系セラミックス)の平均結晶粒径、並びに、これらの比は、サーミスタ材料の電気抵抗値のバラツキに影響を与える。一般に、SiCの平均結晶粒径(dSC)が小さくなるほど、及び/又は、SiCの平均結晶粒径(dSC)に対するSi−N系セラミックスの平均結晶粒径(dm)の比(=dm/dSC)が小さくなるほど、電気抵抗値のバラツキが小さくなる。
従来の材料に比べて電気抵抗値のバラツキを小さくするためには、dSCは、好ましくは、0.5μm以下、さらに好ましくは、0.3μm以下である。また、dm/dSC比は、好ましくは、4未満、さらに好ましくは、3未満である。このようなdSC及びdm/dSC比は、出発原料として微細なSiCを用い、原料を粉砕混合するか、あるいは、出発原料を2段階粉砕することにより得られる。この点は、後述する。
なお、第2相粒子の内、導電性粒子は、平均結晶粒径(d)が上述の範囲内となる限りにおいて、SiC粒子に比べて粗くても良い。これは、導電性粒子は、半導体粒子に比べて添加量が少なく、粒径の影響が小さいためである。
但し、導電性粒子の平均結晶粒径が大きくなりすぎると、強度が低下する場合がある。従って、導電性粒子の平均結晶粒径は、5μm以下が好ましい。導電性粒子の平均結晶粒径は、好ましくは、2μm以下である。
[1.3. 各成分の含有量]
一般に、第2相粒子の含有量が多くなるほど、電気抵抗値の小さなサーミスタ材料が得られる。一方、第2相粒子の含有量が過剰になると、電気抵抗値が過度に小さくなり、高精度に測定可能な温度範囲が狭くなる。
さらに、第2相粒子に占める導電性粒子の量が過剰になると、温度抵抗係数(B)が過度に小さくなり、高精度に測定可能な温度範囲が狭くなる。
各成分の含有量は、第1相粒子及び第2相粒子の組成、並びに、目的に応じて最適な値を選択する。−80℃〜200℃の温度域において、精度よく温度を検知するためには、
前記SiCの含有量が20wt%以上40wt%以下であり、
前記Siの含有量が5wt%以上20wt%以下であり、
前記導電性材料の含有量が1wt%以上15wt%以下であり、
残部が前記絶縁性材料及び不可避的不純物からなるものが好ましい。
ここで、サーミスタ材料に含まれる各成分の「含有量」とは、リートベルト法により算出した値をいう。
SiCの含有量は、材料の電気抵抗値、温度抵抗係数(B値)及び強度(緻密性)に影響を与える。一般に、SiCの含有量が少なすぎると、導電パスが形成されにくくなり、抵抗値が上昇しやすくなる。すなわち、粒子間隔が広くなり、あるいは、導電パスの生成密度が低下するため、材料の電気抵抗値が大きくなりすぎる。適度な電気抵抗値と高い強度を得るためには、SiCの含有量は、20wt%以上が好ましい。SiCの含有量は、さらに好ましくは、25wt%以上である。
一方、SiCの含有量が過剰になると、材料の電気抵抗値が過度に小さくなるだけでなく、SiCが凝集体を形成しやすくなる。SiCが凝集体を形成すると、凝集体が破壊起点となり、かつ、緻密化不足となるため、強度は逆に低下し、温度抵抗係数(B値)もかえって小さくなる。適度な電気抵抗値及び温度抵抗係数(B値)、並びに、高い強度を得るためには、SiCの含有量は、40wt%以下が好ましい。SiCの含有量は、さらに好ましくは、35wt%以下である。
Siの含有量が少なすぎると、B値が小さくなる。従って、Siの含有量は、5wt%以上が好ましい。Siの含有量は、好ましくは、10wt%以上である。
一方、Siの含有量が過剰になると、焼結時に生成する液相量が増大して抵抗値のばらつきが大きくなったり、温度特性が不安定になったり、強度低下を招くおそれがある。従って、Siの含有量は、20wt%以下が好ましい。Siの含有量は、好ましくは、15wt%以下である。
導電性材料は、主としてサーミスタ材料の比抵抗値に影響を及ぼす。導電性材料を全く添加しない場合、比抵抗値が過度に大きくなる場合が多い。また、Siが生成しにくくなる恐れがある。
適度な比抵抗値を得るためには、導電性材料の含有量は、1wt%以上が好ましい。導電性粒子の含有量は、さらに好ましくは、5wt%以上である。
一方、導電性材料の含有量が過剰になると、比抵抗値が過度に小さくなるとともに、温度抵抗係数(B値)が小さくなる。従って、導電性材料の含有量は、15wt%以下が好ましい。導電性材料の含有量は、さらに好ましくは、12wt%以下である。
例えば、導電性材料の原料としてTiB2を用いてサーミスタ材料を製造すると、サーミスタ材料中にTiBが生成する。その理由の詳細は不明であるが、Si−N系セラミックスとBが反応してBNが生成する際に、TiB2の一部がこれらと反応するためと考えられる。TiBは、導電性材料の一部を構成する。導電性材料がTiB2及びTiBからなる場合、半導体材料及び導電性材料の含有量(リートベルト法により算出した含有量)は、特に、次の式(1)〜式(3)の関係を満たしているのが好ましい。
50≦x×100/(x+y+z+w)≦70 ・・・(1)
5≦y×100/(x+y+z+w)≦30 ・・・(2)
1≦(z+w)×100/(x+y+z+w)≦15 ・・・(3)
但し、
xはSiCの重量、yはSiの重量、
zはTiB2の重量、wはTiBの重量。
[1.3. 均一性(電気抵抗値のバラツキ)]
本発明に係るサーミスタ材料は、微細な第1相粒子及び第2相粒子が均一に分散している。第1相粒子及び第2相粒子の平均結晶粒径及び分散の均一性は、電気抵抗値のバラツキに影響する。一般に、第1相粒子及び第2相粒子の分散の均一性が高くなるほど、電気抵抗値のバラツキは小さくなる。
後述する方法を用いると、電気抵抗値のバラツキ(=電気抵抗値の標準偏差×100/電気抵抗値の平均値)が小さいサーミスタ材料が得られる。具体的には、製造条件を最適化することによって、電気抵抗値のバラツキは、10%以下、7%以下、あるいは、5%以下となる。
[1.4. 用途]
半導体材料として用いられるSiC及びSi、並びに、導電性材料として用いられる金属化合物は、いずれも、還元雰囲気下における電気抵抗値の安定性が高い。そのため、本発明に係るサーミスタ材料は、還元雰囲気下で温度測定するためのサーミスタ素子の材料として好適である。
[2. サーミスタ材料の製造方法]
本発明に係るサーミスタ材料の製造方法は、
平均粒径(DSC)が0.5μm以下であるSiC粉末を調製するSiC微粉調製工程と、
調製された前記SiC粉末に対して、さらにSi−N系セラミックス、ホウ素、導電性材料、及び必要に応じて焼結助剤の粉末を加えて粉砕混合する粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られた粉末を成形及び焼結させ、本発明に係るサーミスタ材料を得る成形・焼結工程と
を備えている。
[2.1. SiC微粉調製工程]
まず、平均粒径(DSC)が0.5μm以下であるSiC粉末を調製する(SiC微粉調製工程)。
市販のSiC粉末を用いて、電気抵抗値のバラツキの少ない材料を製造可能である場合には、市販のSiC粉末をそのまま出発原料として用いることができる。しかし、市販のSiC粉末は、通常、所定の粒径及び粒度分布を持つ。このような市販のSiC粉末をそのまま原料として用いても、電気抵抗値のバラツキの小さいサーミスタ材料が得られない場合が多い。このような場合、出発原料の内、SiC粉末のみを予備粉砕するのが好ましい。予めSiC粉末の予備粉砕を行うと、電気抵抗値のバラツキを小さくすることができる。
SiC粉末を予備粉砕する場合において、粉砕前のSiC粉末の平均粒径は、特に限定されない。短時間の粉砕で均一な粒径を持つ微細な粉末を得るためには、SiC粉末の平均粒径は、0.5μm以下が好ましい。
ここで、粉末の「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱法により測定された粒子のメディアン径(D50)をいう。
粉砕条件は、SiC粉末の平均粒径や粉砕方法などに応じて最適な条件を選択する。一般に、粉砕時に粉末に加わる力が大きくなるほど、短時間の粉砕で電気抵抗値のバラツキの小さいサーミスタ材料が得られる。一方、必要以上の粉砕は、効果に差がなく、実益がない。
最適な粉砕条件は、SiC粉末の平均粒径、粉砕方法などにより異なる。例えば、平均粒径が約1μmのSiC粉末をボールミル粉砕する場合において、電気抵抗値のバラツキが10%以下であるサーミスタ材料を得るためには、周速は40m/min以上100m/min以下が好ましい。また、粉砕時間は、12時間以上200時間以下が好ましい。粉砕時間が長くなりすぎると、不純物成分量を増大させるおそれがある。
[2.2. 粉砕混合工程]
次に、調製された前記SiC粉末に対して、さらにSi−N系セラミックス、ホウ素、導電性材料、及び必要に応じて焼結助剤を加えて粉砕混合する(粉砕混合工程)。
[2.2.1. 配合量]
[A. SiC粉末]
SiCは、焼結中に他の原料とほとんど反応しないため、原料の仕込み組成と焼結体中のSi含有量はほぼ対応する。そのため、原料の総重量に対するSiC粉末の重量の割合は、目的とする組成を持つ焼結体が得られるように選択する。
−80℃〜200℃の温度域において、精度よく温度を検知するためには、SiC粉末の配合量は、20wt%以上40wt%以下が好ましい。SiC粉末の配合量は、さらに好ましくは、24wt%以上35wt%以下である。
[B. Si−N系セラミックス]
Si−N系セラミックスは、ホウ素と反応してBN及びSiを生成する。また、Si−N系セラミックスは、導電性材料及び/又は焼結助剤と反応する場合がある。例えば、出発原料としてSi34を用い、焼結助剤としてAl23を用いた場合、Al23の一部がSi34に固溶し、SiALONが生成する。
そのため、原料の総重量に対するSi−N系セラミックス粉末の重量の割合は、原料間の反応を考慮して、目的とする組成を持つ焼結体が得られるように選択する。
−80℃〜200℃の温度域において、精度よく温度を検知するためには、Si−N系セラミックスの配合量は、40wt%以上70wt%以下が好ましい。Si−N系セラミックスの配合量は、さらに好ましくは、45wt%以上60wt%以下である。
[C. ホウ素]
ホウ素は、Si−N系セラミックスと反応する。また、ホウ素は、導電性材料と反応する場合、もしくは金属ホウ化物の分解を抑える場合がある。さらに、原料中に添加するホウ素の量は、焼結体中に含まれるSiの量に影響を与える。そのため、原料の総重量に対するホウ素の重量の割合は、原料間の反応を考慮して、目的とする組成を持つ焼結体が得られるように選択する。
ホウ素を全く添加しない場合、温度抵抗係数(B値)が0.01未満となる場合が多い。高い温度抵抗係数(B値)を得るためには、ホウ素の配合量は、2wt%以上が好ましい。
一方、ホウ素の配合量が過剰になると、かえって温度抵抗係数(B値)が低下する。従って、ホウ素の配合量は、15wt%以下が好ましい。ホウ素の配合量は、好ましくは、10wt%以下である。
[D. 導電性材料]
導電性材料は、他の原料と反応する場合と、反応しない場合とがある。そのため、原料の総重量に対する導電性材料の重量の割合は、原料間の反応を考慮して、目的とする組成を持つ焼結体が得られるように選択する。
−80℃〜200℃の温度域において、精度よく温度を検知するためには、導電性材料の配合量は、1wt%以上15wt%以下が好ましい。導電性材料の配合量は、さらに好ましくは、4wt%以上10wt%以下である。
[E. 焼結助剤]
焼結助剤は、必要に応じて添加することができる。焼結助剤の組成は、出発原料の組成に応じて最適なものを選択する。焼結助剤としては、例えばY23、AlN、Al23、MgO、Cr23、MgAl24、Yb23、HfO、La23などがある。これらの焼結助剤は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。焼結助剤は、特に、Y23、Y23−MgAl24、又は、Y23−Al23が好ましい。
焼結助剤は、他の原料と反応する場合と、反応しない場合とがある。そのため、原料の総重量に対する焼結助剤の重量の割合は、原料間の反応を考慮して、目的とする組成を持つ焼結体が得られるように選択する。
−80℃〜200℃の温度域において、精度よく温度を検知するためには、焼結助剤の配合量は、4wt%以上20wt%以下が好ましい。焼結助剤の配合量は、さらに好ましくは、6wt%以上10wt%以下である。
[F. バインダ、分散安定剤]
原料粉末を粉砕混合する際には、必要に応じて、バインダーや分散安定剤を添加しても良い。バインダーや分散安定剤の配合量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な配合量を選択することができる。
[2.2.2. 原料の平均粒径]
出発原料であるSi−N系セラミックス、ホウ素、導電性材料及び焼結助剤の粉末の平均粒径は、特に限定されない。短時間の粉砕で均一な粒径を持つ微細な混合粉末を得るためには、原料粉末の平均粒径は、1μm以下が好ましい。
[2.2.3. 粉砕条件]
粉砕条件は、各原料粉末の平均粒径や粉砕方法などに応じて最適な条件を選択する。一般に、粉砕時に粉末に加わる力が大きくなるほど、短時間の粉砕で電気抵抗値のバラツキの小さいサーミスタ材料が得られる。一方、必要以上の粉砕は、効果に差がなく、実益がない。
最適な粉砕条件は、各原料粉末の平均粒径、粉砕方法などにより異なる。例えば、平均粒径が約1μmの原料粉末をボールミル粉砕する場合において、電気抵抗値のバラツキが10%以下であるサーミスタ材料を得るためには、周速は40m/min以上100m/min以下が好ましい。また、粉砕時間は、12時間以上200時間以下が好ましい。
[2.3. 成形・焼結工程]
次に、前記粉砕混合工程で得られた粉末を成形及び焼結させ、本発明に係るサーミスタ材料を得る(成形・焼結工程)。
成形方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択すればよい。成形方法としては、具体的には、プレス成形法、CIP成形法、鋳込み成形法、可塑成形法、射出成形法、スリップキャスト成形法などがある。また、焼結後の仕上加工の工数を削減するために、予めバインダーを入れた成形体に対して生加工を施しても良い。
焼結温度は、材料組成に応じて最適な温度を選択する。一般に、焼結温度が高くなるほど、高密度の焼結体が得られる。一方、焼結温度が高すぎると、第1相の結晶粒の粒成長が過度に進行し、半導体粒子及び導電性粒子の分布が不均一となる。
例えば、SiC粉末の配合量が20〜40wt%である場合、焼結助剤の組成にも依存するが、焼結温度は、1750〜1880℃が好ましい。
焼結時間は、焼結温度に応じて、最適な時間を選択する。
焼結方法は、特に限定されない。緻密な焼結体を得るためには、ホットプレス処理やHIP処理等の加圧焼結が好ましい。
得られた焼結体を適当な大きさに切断し、両面に電極を接合すれば、サーミスタ素子が得られる。電極の材質は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の材料を用いることができる。電極は、熱膨張係数が第1相に近い金属又は化合物からなる材料が好ましい。
[3. サーミスタ材料及びその製造方法の作用]
本発明に係るサーミスタ材料は、バンドギャップが異なる2種類の半導体材料(すなわち、SiC及びSi)、及び導電性材料からなる第2相粒子が絶縁性材料からなる第1相内に均一に分散しており、かつ、第2相粒子が微細な導電パス層を形成した微構造を備えている。このようなサーミスタ材料は、まず、主たる半導体材料としてSiC微粉末を用い、これに残りの原料粉末を加えて粉砕混合し、粉砕混合粉を成形及び焼結することにより得られる。
このようなサーミスタ材料に通電した場合、電流は、第2相粒子を経路として流れることになる。このような導電パスを形成したサーミスタ材料においては、温度変化に対して大きな抵抗変化を得ることができ、−80℃〜200℃の低温域で精度よく温度を検知することができる。さらに、均一かつ微細な構造を形成することにより、ロット間の電気抵抗値のバラツキも小さくなり、工業生産性(ロバスト性)が高くなる。
このような効果が得られる原理の詳細は不明であるが、温度に対して抵抗変化が大きい半導体材料であるSiC及びSiの複相の導電パスの重畳効果により、温度による、より大きな温度抵抗変化を発現できるようになったと推定される。
また、組織全体を微細化し、同時に導電パス構造を素子サイズに対して十分小さくすることによって組成の均質化が促進される。そのため、サーミスタ素子内の抵抗値も均一化され、その結果、ロット間の抵抗値バラツキも抑制されたと推定される。
さらに、導電パスを形成する半導体材料及び導電性材料の抵抗値は還元雰囲気下においても安定しているため、本発明に係る材料を用いたサーミスタ素子は、還元雰囲気下においても安定した抵抗値を示す。
(実施例1、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
市販のSiC原料粉末(平均粒径D50:0.7μm)をボールミルにより、回転数:125rpm(周速度:55m/min)、粉砕時間:150時間の条件で予備粉砕し、平均粒径D50が0.2μmであるSiC粉末を得た。
次に、予備粉砕されたSiC粉末:65g(32.8wt%)に対して、
Si34粉末(平均粒径D50:1μm):95g、
Al23粉末(平均粒径D50:0.6μm):6g、
AlN粉末(平均粒径D50:0.8μm):2g、
TiB2粉末(平均粒径D50:1.5μm):14g、及び
B粉末(平均粒径D50:4.5μm):16gを加えた。
この混合粉をボールミルにより、回転数:125rpm(周速度:55m/min)、粉砕時間:72時間の条件で粉砕混合した。得られた粉砕混合粉をAr中、1800℃で焼結し、直径40mmのサーミスタ基材を作製した。
[1.2. 比較例1]
市販のSiC原料粉末に対して、実施例1と同一配合比となるようにSi34粉末、Al23粉末、AlN粉末、TiB2粉末及びB粉末を加えた。この混合粉をボールミルにより、回転数:45rpm(周速度:20m/min)、混合時間:72時間の条件で混合した。得られた混合粉をAr中、1800℃で焼結し、直径40mmのサーミスタ基材を作製した。
[1.3. 比較例2]
実施例1と同様にして、SiC粉末を予備粉砕し、平均粒径D50が0.2μmであるSiC粉末を得た。次に、予備粉砕されたSiC粉末に対して、実施例1と同一配合比となるようにSi34粉末、Al23粉末、AlN粉末、TiB2粉末及びB粉末を加えた。この混合粉をボールミルにより、回転数:45rpm(周速度:20m/min)、混合時間:72時間の条件で混合した。得られた混合粉をAr中、1800℃で焼結し、直径40mmのサーミスタ基材を作製した。
[2. 試験方法及び結果]
[2.1. TEM観察]
図1に、実施例1で得られたサーミスタ材料のTEM像を示す。材料中には、SiC結晶粒、Si−Al−N系(SiALON)結晶粒、及び焼結助剤に由来するY−Al−O系結晶粒に加えて、Si及びBNが含まれることがわかった。Si及びBNは、主としてSi34とBが反応することにより生成したと考えられる。リートベルト法で求めた半導体材料及び導電性材料の含有量(式(1)〜式(3)の値)は、SiC:65wt%、Si:24wt%、TiB2+TiB:11wt%であった。また、dSC=0.3μm、dm/dSC比=約3であった。
[2.2. 吸収電流像]
図2に、実施例1で得られたサーミスタ材料の吸収電流像を示す。図2中、白い部分が第2相を表す。図2より、材料内において、第2相粒子が微細な導電パスを形成していることがわかる。
[2.3. 抵抗値]
サーミスタ基材の縦横の半径方向から、2mm角で厚さ0.8mmのチップ型素子を合計13個切り出した。各チップ型素子について抵抗値を測定した。図3に、実施例1で得られたサーミスタ材料の温度−抵抗特性を示す。図3より、本発明に係る材料は、リニヤな温度抵抗特性と高い温度感度を発現することがわかる。
また、各チップ型素子の抵抗値から、抵抗値のバラツキを評価した。図4に、実施例1及び比較例1、2で得られたサーミスタ材料の抵抗値バラツキを示す。比較例1、2で得られた材料は、いずれも抵抗値バラツキが30%を超えていた。これに対し、実施例1で得られた材料の抵抗値バラツキは、約5%であった。
(実施例2〜3)
SiC粉末の配合量を24wt%(実施例2)、又は32wt%(実施例3)とした以外は、実施例1と同様にしてサーミスタ基材を作製した。得られたサーミスタ基材の抵抗値バラツキは、いずれも、5%以下であった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るサーミスタ材料は、還元雰囲気下において、−80℃〜200℃程度の温度域で使用する温度センサーとして使用することができる。

Claims (8)

  1. 以下の構成を備えたサーミスタ材料。
    (1)前記サーミスタ材料は、
    絶縁性材料からなる第1相粒子と、
    半導体材料及び導電性材料からなる第2相粒子と
    を備え、
    前記絶縁性材料は、Si−N系セラミックスを含み、
    前記半導体材料は、SiC及びSiを含み、
    前記導電性材料は、金属ホウ化物、金属窒化物、金属ケイ化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれるいずれか1以上の金属化合物を含む。
    (2)前記サーミスタ材料は、前記第1相粒子と前記第2相粒子とが均一に分散している組織を呈し、
    前記第1相粒子及び前記第2相粒子は、それぞれ、平均結晶粒径(d)が5μm以下であり、
    前記SiCの平均結晶粒径(dSC)が0.5μm以下であり、
    前記Siの平均結晶粒径(dSI)が1μm以下である。
    (3)前記サーミスタ材料は、電気抵抗値のバラツキ(=電気抵抗値の標準偏差×100/電気抵抗値の平均値)が10%以下である。
  2. 前記SiCの平均結晶粒径(dSC)に対する前記Si−N系セラミックスの平均結晶粒径(dm)の比(=dm/dSC)が4未満である請求項1に記載のサーミスタ材料。
  3. 前記SiCの含有量(リートベルト法により算出した含有量。以下、同じ。)が20wt%以上40wt%以下であり、
    前記Siの含有量が5wt%以上20wt%以下であり、
    前記導電性材料の含有量が1wt%以上15wt%以下であり、
    残部が前記絶縁性材料及び不可避的不純物からなる
    請求項1又は2に記載のサーミスタ材料。
  4. 前記導電性材料は、TiB2及びTiBからなる請求項1から3までのいずれか1項に記載のサーミスタ材料。
  5. 前記半導体材料及び前記導電性材料の含有量(リートベルト法により算出した含有量)が、次の式(1)〜式(3)の関係を満たす請求項4に記載のサーミスタ材料。
    50≦x×100/(x+y+z+w)≦70 ・・・(1)
    5≦y×100/(x+y+z+w)≦30 ・・・(2)
    1≦(z+w)×100/(x+y+z+w)≦15 ・・・(3)
    但し、
    xは前記SiCの重量、yは前記Siの重量、
    zは前記TiB2の重量、wは前記TiBの重量。
  6. 還元雰囲気下での温度測定に用いられる請求項1から5までのいずれか1項に記載のサーミスタ材料。
  7. 平均粒径(DSC)が0.5μm以下であるSiC粉末を調製するSiC微粉調製工程と、
    調製された前記SiC粉末に対して、さらにSi−N系セラミックス、ホウ素、導電性材料、及び必要に応じて焼結助剤の粉末を加え、周速:40m/min以上100m/min以下、粉砕時間:12時間以上200時間以下の条件下において粉砕混合する粉砕混合工程と、
    前記粉砕混合工程で得られた粉末を成形及び焼結させ、請求項1から6までのいずれか1項に記載のサーミスタ材料を得る成形・焼結工程と
    を備えたサーミスタ材料の製造方法。
  8. 前記SiC微粉調製工程は、予備粉砕により前記SiC粉末を得る工程を含む請求項7に記載のサーミスタ材料の製造方法。
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