JP6546458B2 - カード姿勢変換装置及びそれを備えたカード作成システム - Google Patents
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Description
また、カードを姿勢転換する機構が特許文献2に記載されている。
二次加工を施す装置として、カードに文字や図形などを浮き出し加工(エンボス加工)するエンボッサ(文字刻印装置)がある。
エンボッサは、加工するカードを、例えば、上面から鉛直姿勢で投入するようになっている。
従って、カードプリンタとエンボッサとを併用する場合、横並びに設置せず、上下並び、すなわちエンボッサの上にカードプリンタを載せて使用できれば、設置スペースはエンボッサの分だけで済むので、スペース効率の観点から好ましい。
さらに、カードプリンタの側面から排出されたカードを、エンボッサの上面から鉛直姿勢にして自動投入できるようにすれば、無人運転が可能となる。
この姿勢変換装置に特許文献2に記載された機構を適用することも検討されるが、大型化して実現が難しい。そのため、新たな機構でコンパクト化した姿勢変換装置が期待されている。
1)カードプリンタから長手方向を搬出方向又は搬出直交方向なる第1の方向として水平姿勢で搬出された平面形状が略長方形を呈するカードを、二次加工装置に対し鉛直姿勢で供給するためのカード姿勢変換装置であって、
前記カードプリンタから搬出された前記カードを、前記長手方向を前記第1の方向として維持しながら水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変換して下方に搬出する延在面変換部と、
前記延在面変換部から搬出された前記カードを、前記鉛直姿勢を維持しながら前記長手方向を前記第1の方向に対し所定角度を成す第2の方向に角度変換して下方に搬出する長手方向変換部と、
を備え、
前記長手方向変換部は、
前記延在面変換部から搬出された前記カードを保持するゴンドラと、
一端側が、前記カードの延在面に対して直交方向に延びる第1の回動軸線まわりに回動するよう固定部材に支持されると共に、先端側に、前記ゴンドラが前記第1の回動軸線と平行な第2の回動軸線まわりに回動自在に連結された駆動アームと、
前記駆動アームを、基準回動位置と回動終了位置との間の90°未満の所定角度範囲で回動させる回動部と、
前記固定部材に設けられた第1のカム部と、
前記ゴンドラにおける前記駆動アームの連結位置とは異なる位置に設けられ前記駆動アームの回動に伴い前記第1のカム部に対し摺動する第1のカムフォロワと、
を有し、
前記第1のカム部の軌道は、前記駆動アームを前記基準回動位置から前記回動終了位置に回動させたときに、前記ゴンドラを、前記第2の回動軸線まわりに前記固定部材を基準として90°回動させるよう設定されていることを特徴とするカード姿勢変換装置である。
2) 平面形状が略長方形を呈するカードを、長手方向を搬出方向又は搬出直交方向なる第1の方向として水平姿勢で側面から搬出するカードプリンタと、
前記カードプリンタの前記側面の側に隣接配置されて前記カードプリンタから搬出された前記カードの姿勢を変換して搬出するカード姿勢変換装置と、
を含んで構成され、
前記カード姿勢変換装置として1)に記載のカード姿勢変換装置を用いたカード作成システムである。
図1において、作成システムSMは、カードプリンタ52及びカード姿勢変換装置53を有して構成されている。図1では、さらに、マルチホッパ51と二次加工装置としてのエンボッサ54とを含めて一つの集合体とした拡張システムSM1が記載されている。
図1に示されるように、マルチホッパ51の左側にカードプリンタ52が配置され、カードプリンタ52の左側にカード姿勢変換装置53が配置される。
マルチホッパ51,カードプリンタ52,及びカード姿勢変換装置53は、エンボッサ54の上面54fに載置されている。
カードプリンタ52は、以下、プリンタ52とも称する。また、カード姿勢変換装置53は、以下、姿勢変換装置53とも称する。
すなわち、マルチホッパ51は、カード素材Csをプリンタ52に右側面から供給する。プリンタ52は、印刷情報C1を印刷してカードCpとし、左側面から排出する。姿勢変換装置53は、プリンタ52から排出されたカードCpをエンボッサ54に対し上方側から供給する。エンボッサ54は、供給されたカードCpに対し、エンボス情報C2をエンボス加工して製品であるカードCとし、排出する。
マルチホッパ51は、プリンタ52にカードCsを供給するカード供給部51aと、拡張システムSM1全体の動作を制御するシステム制御部CTとを有する。
マルチホッパ51には、使用者によって、複数枚のカードCsを収容したカードストッカ(図示せず)が装填される。
カード供給部51aは、カードストッカからカードCsを一枚ずつ取り出し、プリンタ52の右側面に設けられた供給口(図示せず)から供給する。
プリンタ52は、サーマルヘッド52a1と、インクリボン及び転写フィルムをそれぞれ独立駆動する駆動部52a2と、を有する転写部52aを備える。また、転写フィルムに形成された転写画像を、供給口から供給されたカード素材Csに転写印刷する再転写部52bと、を備える。
再転写部52bで転写印刷されたカードCsを、ここではカードCpと称する。
プリンタ52の左側面において排出口52fは、上方やや前側に設けられている。
第1姿勢変換部1は、プリンタ52の排出口52fから排出され前後方向を長手とする水平姿勢のカードCpを、前後方向に延びる回動軸線CL1(図4参照)まわりに90°回動させて前後方向を長手とする鉛直姿勢に変換する。
すなわち、第1姿勢変換部1は、カードCpの延在面を水平から鉛直に変換する延在面変換部として機能する。また、第2姿勢変換部2は、カードCpの長手方向を、前後方向から上下方向に角度変換する長手方向変換部として機能する。
システム制御部CTは、各制御部CT51〜CT54を介して全体動作の制御を行う。システム制御部CTは、エンボッサ54にではなく、外部の機器に備えられていてもよい。
まず、図4を主に参照して説明する。図4は、プリンタ52に隣接配置された姿勢変換装置53の、筐体3(図1参照)を取り外した内部構造を示す斜視図である。
姿勢変換装置53は、骨格となる固定部材としてさらに、プレートブラケット61に対し左方側に平行離隔して取り付けられた概ね矩形の回動ベース6と、一対の柱5,5の上方に連結し、前方に向け水平に延在する基部7a及び基部7aの前端から下方に折れ曲がり回動ベース6に連結された側部7bからなるステー7と、を有する。
第1姿勢変換部1は、駆動源として二つのモータ1a,1bを有する。
減速ギヤ群1cは二つの出力軸を有する。
二つの出力軸は、前後方向に延びる姿勢で後述する支持フレーム1gに回転自在に支持された主動ローラ1d1を有する主回転軸1d、及びステー7の基部7aに前後方向に延びる姿勢で回転自在に支持された中継回転軸1eである。
この回動は、前後方向に延びる回動軸線CL1まわりの回動である。
主動ローラ1d1と従動ローラ1d2との間には、プリンタ52の排出口52fから排出されたカードCpが挟持され、その際に支持フレーム1gはカードCpを一面側から支持する。
プーリ1e1に対する下方には、プレートブラケット61の切り起こし部61aに取り付けられて中継プーリ1e2が配置されている。
また、ベースプレート4には、前後方向に延びる主排出軸4aと従排出軸4bとが前後方向に並行配置されている。主排出軸4aは、主排出ローラ4a1と排出プーリ4a2とを有し、従排出軸4bは、主排出ローラ4a1に圧接して従動回転する従排出ローラ4b1を有している。
プーリ1e1と中継プーリ1e2との間には、ベルト1e3が架け渡されている。中継プーリ1e2と排出プーリ4a2との間には、ベルト1e4が架け渡されている。
すなわち、中継回転軸1eが回転すると主排出軸4aも回転する。
モータ1aは、例えばDCモータとされ、モータ1bは、例えばステップモータとされる。すなわち、モータ1aは、ON/OFFが制御され、モータ1bは、回転角度及び回転速度が制御される。
また、モータ1aが回転すると、他方の出力軸としての中継回転軸1eが回転する。中継回転軸1eの回転は、ベルト1e3,1e4を介して主排出軸4aに伝達される。主排出軸4aの回転方向は、主回転軸1dが基本回転方向で回転したときに、主排出ローラ4a1と従排出ローラ4b1との間にカードCpを挟んで、上方から下方へ送り出す方向となる。
所定の速度は予め設定される。所定角度範囲は0°〜90°である。
具体的には、図4に示される水平位置(0°)の支持フレーム1gを、上方側を紙面手前に回動した鉛直位置(90°)までの任意角度に回動できる。
この姿勢変換について、図5〜図9を参照して説明する。図5〜図8は姿勢変換を説明するための動作図であり、図9は動作手順を説明するためのフロー図である。
押し出されたカードCpの先端は、主動ローラ1d1と従動ローラ1d2との間に入り込むように位置決めされているので、カードCpは、回転する主動ローラ1d1と従動ローラ1d2とによって挟持されつつ第1姿勢変換部1へ引き込まれる。
システム制御部CTは、センサS1(図3参照)の検出信号に基づいて、カードCpの前後方向位置を監視し、カードCpが所定位置に達したか否かを判定する(Step2)。センサS1は、カードCpが所定位置に達したことを検出するセンサである。
システム制御部CTは、次に、モータ1bを駆動して、支持フレーム1gを90°回動させる(Step4)(図7)。
従動ローラ1d2は主動ローラ1d1側に付勢されており、この付勢による摩擦力で、カードCpは、従動ローラ1d2と主動ローラ1d1との間に挟持され自重では落下しない。
システム制御部CTは、再度モータ1aを駆動して主動ローラ1d1を引き込み方向に回転させる。これにより、カードCpは、下方へ送られる。
カードCpの短手長さをLCsとすると、この姿勢変換で必要な左右方向の距離LCは、短手長さLCsと筐体3の厚さt3を含む余裕分αを加えただけの距離ですむので、第1姿勢変換部1はコンパクトに構成できる。
駆動ギヤ2bの基準回動位置は、図11に示される位置である。すなわち、モータ2aの出力軸が駆動ギヤ2bの最後方側に歯合している状態である。
駆動ギヤ2bの回動終了位置は、モータ2aの出力軸が駆動ギヤ2bの最前方側に歯合している状態である。
駆動ギヤ2bが基準回動位置にあるときのゴンドラ2dの回動位置も基準回動位置と称する。回動終了位置についても同様である。
基準回動位置において、駆動アーム2cに連結されたゴンドラ2dは、長手辺2dn(図4参照)が水平となるようになっている。
カム孔6aには、ゴンドラ2dに突設されたカムフォロワとしての摺動子2d2(図12参照)が入り込み、駆動アーム2cの回動に伴い摺動するようになっている。カム孔6aの軌道は、ゴンドラ2dの回動姿勢を制御する。
図12は、ゴンドラ2dが基準回動位置にあるときの、ゴンドラ2dの回動に関連する部材を、回動ベース6の左方側から見た図である。図13は、図12に対し駆動アーム2cを回動させた回動途中の図であり、図14は、図12に対し、駆動アーム2cを回動し終えた状態を示す図である。図15〜図17は、回動中心となる位置などを模式的に示した左方視の平面図であり、図12〜図14にそれぞれ対応している。
この角度βの回動で、位置P1は、図15に示される位置P1aから、図16に示される位置P1bを経由して図17に示される位置P1cに移動する。この移動軌跡は、駆動アーム2cが剛体であることから円弧となる。
これにより、位置P1の円弧移動が90°未満であっても、ゴンドラ2dの姿勢を90°変換することができる。
これにより、第2姿勢変換部2は、カードCpを保持するゴンドラ2dを、回動不能に連結された駆動アームのみで支持し、90°回動させて姿勢変換をする場合と比較して、前後方向及び上下方向がコンパクトになっている。
範囲ARaをこのように水平に近い直線状としたことにより、ゴンドラ2dの隅部2d3の回動軌跡2d3a(図16)が上方に張り出さず、低い位置で抑えられる。
これにより、第2姿勢変換部2の上方位置を低く設定でき、この点でも第2姿勢変換部2はコンパクトになっている。
カードガイド8は、ゴンドラ2dの左側面2d1の図4における下方及び前方の縁部に沿って接触固定されるL字状の取り付け部8aと、取り付け部8aから左側面2d1の中央側に張り出して、左側面2d1との間にカードCpが進入可能な間隙をポケットPKとして形成する張出部8bと、を有する。
また、張出部8bは後方側にも張り出し、鍔部8cを形成している。
フィクサ9は、直交する一対の腕部9a,9bを有する。
ゴンドラ2dによる支持位置は、腕部9aの先端部位である。
腕部9aと腕部9bとの交差部分(根本部分)には、カムフォロワとして摺動子9cが右方に突出形成されている。
摺動子9cは、弧状孔2d7を貫いてカム孔6bに進入している。
図12に示されるように、摺動子9cは、引っ張りバネ2d5によって、上方に常に付勢されている(図12の矢印参照)。
すなわち、フィクサ9は、回動軸線CL4を中心とする図4での時計まわり方向に常に付勢されている。
ホールド位置において、腕部9a,9bはゴンドラ2dの隣接二辺にそれぞれ概ね平行となる。
リリース位置において、腕部9a,9bは、ゴンドラ2dの隣接二辺から最も傾いた状態となる。
また、フィクサ9は、リリース位置において、ゴンドラ2dのポケットPKに収容されたカードCpの、ゴンドラ2dの長手方向の一方側への移動を許容する。
この移動は、ゴンドラ2dが回動終了位置にあるときのカードCpの自重落下である。フィクサ9のリリース位置は、カードCpの自重落下経路から退避した位置となる。
これにより、第1姿勢変換部1から搬出されたカードCpは、ポケットPKに自ずと進入収容されるようになっている。
フィクサ9は、基準回動位置で腕部9bが後方側に傾いており、ポケットPKの間口が前後方向に拡張している。
これにより、カードCpの進入が容易に、かつ確実に行われるようになっている。
具体的には、ゴンドラ2dが基準回動位置から少し回動すると、摺動子9cがカム孔6bの規制から外れるので、フィクサ9は、引っ張りバネ2d5に引っ張られてホールド位置になる(図13参照)。
ゴンドラ2dが基準回動位置から90°近く回動すると、摺動子9cは、再びカム孔6bに規制されてリリース位置となる(図14参照)。
カードストッパ2eは、ゴンドラ2dの回動基準位置において上下方向に延びるリブ状に形成されている。
カードストッパ2eは、ゴンドラ2dが回動基準位置及び回動終了位置への回動途中まで左側面2d1に対し没した状態となり、回動終了位置への回動途中から左側面2d1から突出するようになっている。
この出没構造は不図示であるが、例えば、カードストッパ2eを通常没方向に付勢する付勢部材と、回動ベース6に、ゴンドラ2dの回動終了位置付近から回動終了位置にかけてカードストッパ2eを突出方向に押し出す凸条部を形成することで実現する。
ガイド壁部6dは、図14に示されるように、ゴンドラ2dの回動終了位置において、ゴンドラ2dの長手辺に隣接し、ゴンドラ2dのポケットPKに収容されたカードCpの後方への移動を規制する。
この姿勢変換の詳細について、図18〜図22及びフロー図である図23を参照して説明する。
第1姿勢変換部1から下方に搬出されたカードCpは、直下で待ち受けるゴンドラ2dとカードガイド8とで形成されたポケットPK内に上方から収容される(矢印Dc)。この収容は、上述のように、フィクサ9が、腕部9aを後方に退避させるように回動して傾いた姿勢になっており、ポケットPKの前後方向間口が広がって容易に確実に行われる。
システム制御部CTは、収容されたと判定したら、モータ2aを駆動し、駆動ギヤ2b及び駆動アーム2cを介してゴンドラ2dを回動させる(Step22)。
これにより、カードCpは、ポケットPKに収容された状態で、フィクサ9の回動付勢力によりカードガイド8の短辺部分との間に挟持される(図19)。
駆動アーム2cの回動範囲の最終段階では、ゴンドラ2dはほぼ90°回動した姿勢となり、カードCpの後方側(長手縁)はガイド壁部6dに近接する(図21)。
カードストッパ2eは、凸条部により左方に押し出され、左側面2d1から左方に突出してカードCpの下方端を支持する。
駆動アーム2cの回動位置が、カードストッパ2eを突出させる位置をすぎると、カム孔6bが摺動子9cの位置を規制するようになり、フィクサ9は回動して(矢印Df)リリース状態となる。
これによりカードCpは、カードストッパ2eのみで下方への移動が規制されるようになる。
モータ2aには、回転負荷を検出するセンサS3(図3参照)が備えられており、このセンサS3によってモータ2aの回転負荷の急増が検出される。
システム制御部CTは、モータ2aの回転負荷が急増したか否かを判定する(Step23)。
ゴンドラ2dがゴンドラストッパ6cに当接するので、センサS3によって回転負荷が検出される。
システム制御部CTは、(Step23)において回転負荷が急増したと判定したら、ゴンドラ2dが回動終了位置に達したとしてモータ2aを停止させる(Step24)。
センサS3は、ゴンドラ2dがゴンドラストッパ6cに当接する回動位置に達したことを検出するセンサであってもよい。
この場合、システム制御部CTは、センサS3からの検出信号によってゴンドラ2dがゴンドラストッパ6cに当接する位置に達したことを把握し、モータ2aを所定のパルス数で駆動させた後、停止させる。
これにより、カードストッパ2eは、付勢部材の付勢力によって右方に移動して左側面2d1から没する。そのため、カードCpの下方への落下を規制する部材がなくなり、カードCpは下方に自重落下して(矢印Dg)、主排出ローラ4a1と従排出ローラ4b1との間に進入する。
従って、カードCpは、主排出ローラ4a1と従排出ローラ4b1とにより挟まれつつ下方に搬出される。
搬出されたカードCpは、その下方に開口しているベースプレート4の搬出口4cを通り、エンボッサ54の搬入口54a1からその内部に進入する。搬入口54a1から進入したカードCpは、搬入部54aに設けられた搬入ローラ等によって内部に引き込まれる。
システム制御部CTは、センサS4の検出信号に基づいて、カードCpの搬出が完了したか否か判定し(Step25)し、搬出したと判定したら、モータ1aを停止し(Step26)、モータ2aを逆転駆動してゴンドラ2dを基準回動位置に戻す(Step27)。
ゴンドラ2dは、回動ベース6に形成されたカム孔6aに進入して摺動する摺動子2d2を有している。
カム孔6aの軌道は、駆動アーム2cの基準回動位置から回動終了位置までの90°未満の回動で、ゴンドラの姿勢(長手方向)を、90°変換するように形成されている。また、その軌道は、基準回動位置から少なくとも半分以上の範囲ARaにおいて、ゴンドラ2dの回動を抑制し、それ以降の範囲ARbにおいて積極的に回動させるように設けられている。
これにより、前後及び上下方向において、ゴンドラ2dの90°の姿勢変換に必要な範囲(占有面積)が小さくなり、第2姿勢変換部2はコンパクトに構成できる。
従って、姿勢変換装置53全体としても、占有面積(水平投影面積及び垂直投影面積)及び占有体積が小さく、コンパクトになる。
プリンタ52は、カード搬送経路の清掃のため、カードの表面に、例えば軽度の粘着性を付与するなどの塵埃捕獲処理などを施したクリーニングカードCc(以下、単にカードCcとも称する)を、マルチホッパ51から供給して搬送させる。カードCcの搬送は、通常、定期的に実行される。
姿勢変換装置53は、クリーニングカードCcがプリンタ52から搬出された場合に、姿勢変換処理を行わず、かつエンボッサ54に供給することなく、そのまま外部に排出するクリーニングカード排出部53aを備えていてもよい。
プリンタ52は、印刷の不具合を検出する機能を備え、印刷不具合を検出した場合にエラー信号をシステム制御部CTに向け出力する。
システム制御部CTは、プリンタ52からのエラー信号に基づき、そのエラーの対象となるカードCpがプリンタ52から搬出された場合に、姿勢変換をせず不具合カードCfとして分離格納する不具合カード処理部53bを備えていてもよい。
ここでは、クリーニングカード排出部53aと不具合カード処理部53bとの両方を備えたものを説明するが、いずれか一方のみを備えたものであってもよい。
図24及び図25に示されるように、クリーニングカード排出部53aは、前後方向に離隔配置されたカード排出ガイド21,22を有する。
カード排出ガイド21,22は、それぞれ左右方向に離隔配置された一対のローラ組23を有する。
ローラ組23は、上下方向に並設されて互いに圧接回転する主動ローラ21aと従動ローラ21bとの組である。主動ローラ21aは図示しないモータにより回転駆動される。
カード排出ガイド21,22は、主動ローラ21aと従動ローラ21bとの間にカードCcを挟みながら主動ローラ21aの回転によってカードCcを水平方向に搬送するようになっている。
図24及び図25に示されるように、不具合カード処理部53bは、第1姿勢変換部1に対して左斜め下方に配置される。クリーニングカード排出部53aが備えられる場合には、その下方に位置する。
カードストッカ31には、プリンタ52における印刷不良等で回収対象とされたカードCfと、第1姿勢変換部1における姿勢変換や搬送に不具合が生じて回収対象とされたカード(ここではジャムカードCj又はカードCjと称する)と、が収容される。
システム制御部CTは、そのエラー報告に基づき、第1姿勢変換部1の支持フレーム1gを、左回りに傾斜させ(例えば約30°〜45°)、さらに主動ローラ1d1を回転させてカードCf,Cjを左下方に送り出す。
送り出されたカードCf,Cjは、自重によりカードストッカ31に収容積載される。
センサS5は、カードストッカ31に所定量(枚数)のカードCf,Cjが積載されたら、システム制御部CTに満載情報を送出する。
システム制御部CTは、その満載情報に基づいて、カードストッカ31が満載になった旨のアラームを出力し、作業者に対し、メンテナンスカバー32を外してカードストッカ31を取り出すなどのメンテナンス作業を促す。
整理すると、図28(a)に示されるように、支持フレーム1gを、その図の反時計まわりに90°回動させてカードCpを送りだした場合が、通常の、延在面を水平から垂直に変換する延在面変換処理となる。
また、図26に示されるように、支持フレーム1gを、回動させずにカードを送りだした場合が、クリーニングカードCcの排出処理となる。
また、図27に示されるように、支持フレーム1gを、その図の反時計まわりに90°未満回動させて傾斜させ、カードを送りだすことで、不具合のカードCf,Cjの分離回収処理となる。
すなわち、図28(b)に示されるように、第1姿勢変換部1を、支持フレーム1gが通常の回動方向とは逆の、その図の時計まわり方向に90°回動可能としてもよい。
システム制御部CTは、時計まわり方向の90°の回動の後、主動ローラ1d1を通常とは逆方向に回転させて、第2姿勢変換部2に供給できるようにするとよい。
プリンタ52の制御部CT52は、姿勢変換装置53の制御部CT53とシステム制御部CTとの間の通信を転送中継する機能を有する。
システム制御部CTは、マルチホッパ51内ではなく、外部に配置してもよい。
以下、主要動作毎に、命令等の流れについて説明する。
拡張システムSM1の初期化おいて、図30に示されるように、システム制御部CTから初期化指令がプリンタ52,姿勢変換装置53,及びエンボッサ54に対して送出される。姿勢変換装置53への指令は、プリンタ52の制御部CT52により転送中継される。
各装置で初期化が終了すると、終了連絡がシステム制御部CTに対して送信される。姿勢変換装置53からの連絡は、制御部CT53により転送中継される。
クリーニングカードCcがマルチホッパ51に供給されると、システム制御部CTは、クリーニングカードCcの搬送動作をプリンタ52及び姿勢変換装置53に対し指示する。
姿勢変換装置53は、第1姿勢変換部1において支持フレーム1gを回動させず、水平姿勢のままでカードCcを搬送排出する。排出終了はセンサS6(図25)により検出され、検出信号はプリンタ52で転送中継されてシステム制御部CTで受信される。
素材となるカードCsがマルチホッパ51に供給されると、システム制御部CTは、印刷命令をプリンタ52に送出し、印刷が終了するとプリンタ52から終了報告を受信する。
次いで、システム制御部CTは、姿勢変換装置53に対し、カードCpのエンボッサ54への供給命令を出す。この命令は、制御部CT52で転送中継されて姿勢変換装置53に送られる。
システム制御部CTは、姿勢変換装置53からの実行終了の報告を、制御部CT52の転送中継を経て受信すると、エンボッサ54に対し、エンボス加工命令を出し、エンボッサ54からカード受け取り及びエンボス加工終了の報告を受信する。
プリンタ52で印刷不良が検出されると、システム制御部CTに向けエラー報告が送信される。システム制御部CTは、このエラー報告を受信したら、姿勢変換装置53に対し回収命令を出す。この命令は制御部CT52で転送中継されて、姿勢変換装置53に送られる。
姿勢変換装置53は、回収命令を受け、該当するカードCfを、支持フレーム1gを傾斜させる回動と主動ローラ1d1の回転とによって、不具合カード処理部53bのカードストッカ31に収容させる。
カードストッカ31への収容終了がセンサで検出できず、制御部CT52が、不具合カードCfの回収に失敗したと判断したら、その旨をシステム制御部CTに報告する。
システム制御部CTは、不具合カードCfの回収失敗の報告を受け、回復作業が必要となる警告を出力し、使用者に対し復起作業実施を促す。
姿勢変換装置53の前段で姿勢変換又は搬送に不具合が生じたら、姿勢変換装置53からジャムエラー報告がシステム制御部CTに向け出力される。この報告は、制御部CT52により転送中継され、システム制御部CTで受信される。
システム制御部CTは、ジャムエラー報告を受信したら、該当するカードCjの回収命令を、姿勢変換装置53に向け出す。この命令は、制御部CT52により転送中継される。
姿勢変換装置53は、回収命令を受け、該当するカードCjを、支持フレーム1gを傾斜させる回動と主動ローラ1d1の回転とによって、不具合カード処理部53bのカードストッカ31に収容させる。
カードストッカ31への収容終了がセンサで検出できず、制御部CT52が、ジャムカードCjの回収に失敗したと判断したら、その旨をシステム制御部CTに報告する。
システム制御部CTは、ジャムカードCjの回収失敗の報告を受け、回復作業が必要となる警告を出力し、使用者に対し復起作業実施を促す。
特殊加工処理装置、或いは磁気記録装置など、機械的及び電磁気的に二次的処理を施す装置を適用することができる。
プリンタ52は単独使用も可能とされるので、制御部CT52を必ず有する。
一方、姿勢変換装置53は、プリンタ52と組み合わせて使用されるので、制御部CT53は、必ずしも備えていなくてもよい。不装備の場合には、プリンタ52の制御部CT52が姿勢変換装置53の動作も制御する。
1a,1b モータ、 1c 減速ギヤ群、 1d 主回転軸
1d1 主動ローラ、 1d2 従動ローラ、 1e 中継回転軸
1e1 プーリ、 1e2 中継プーリ、 1e3,1e4 ベルト
1f 減速ギヤ、 1g 支持フレーム
2 第2姿勢変換部(長手方向変換部)
2a モータ、 2b 駆動ギヤ、 2c 駆動アーム
2c1 連結部、 2d ゴンドラ、 2d1 左側面
2d2 摺動子(カムフォロワ)、 2d3 隅部、 2d3a 回動軌跡
2d5 引っ張りバネ、 2d6 張出部、 2d7 弧状孔
2dn 長手辺、 2e カードストッパ、 2k 回動部
3 筐体、 3a 開口部
4 ベースプレート
4a 主排出軸、 4a1 主排出ローラ、 4b 従排出軸
4b1 従排出ローラ、 4c 搬出口
5 柱
6 回動ベース
6a,6b カム孔、 6b1 軌道、 6c ゴンドラストッパ
6d ガイド壁部
61 プレートブラケット、 61a 切り起こし部
7 ステー、 7a 基部、 7b 側部
8 カードガイド、 8a 取り付け部、 8b 張出部、 8c 鍔部
9 フィクサ、 9a,9b 腕部、 9c 摺動子(カムフォロワ)
21,22 カード排出ガイド
21a 主動ローラ、 21b 従動ローラ
23 ローラ組
31 カードストッカ、 32 メンテナンスカバー
51 マルチホッパ、 51a カード供給部
52 プリンタ(カードプリンタ)
52a 転写部、 52a1 サーマルヘッド、 52a2 駆動部
52b 再転写部、 52c 磁気記録部、 52d IC記録部
52e 排出部、 52f 排出口
53 姿勢変換装置(カード姿勢変換装置)
53a クリーニングカード排出部、 53b 不具合カード処理部
54 エンボッサ
54a 搬入部、 54a1 搬入口、 54b 加工部
54c スタック部、 54f 上面
63 姿勢変換装置
63a 筐体、 63a1 排出口、 63a2 メンテナンス用開口部
ARa,ARb 範囲
CL1〜CL4 回動軸線
C カード、 Cc クリーニングカード(カード)
Cf 不具合カード(カード)、 Cj ジャムカード(カード)
Cp 印刷済みカード(カード)、 Cs カード素材(カード)
CT システム制御部、 CT51〜CT54 制御部
C1 印刷情報、 C2 エンボス情報
LC 距離、 LCs 短手長さ
LH 水平線、 LNa 線分
PK ポケット、 P1,P2,P1a,P1b,P1c 位置
SM カード作成システム(作成システム)、 SM1 拡張システム
S1〜S6 センサ
θ1,θ3,α1,α3,β 角度
Claims (6)
- カードプリンタから長手方向を搬出方向又は搬出直交方向なる第1の方向として水平姿勢で搬出された平面形状が略長方形を呈するカードを、二次加工装置に対し鉛直姿勢で供給するためのカード姿勢変換装置であって、
前記カードプリンタから搬出された前記カードを、前記長手方向を前記第1の方向として維持しながら水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変換して下方に搬出する延在面変換部と、
前記延在面変換部から搬出された前記カードを、前記鉛直姿勢を維持しながら前記長手方向を前記第1の方向に対し所定角度を成す第2の方向に角度変換して下方に搬出する長手方向変換部と、
を備え、
前記長手方向変換部は、
前記延在面変換部から搬出された前記カードを保持するゴンドラと、
一端側が、前記カードの延在面に対して直交方向に延びる第1の回動軸線まわりに回動するよう固定部材に支持されると共に、先端側に、前記ゴンドラが前記第1の回動軸線と平行な第2の回動軸線まわりに回動自在に連結された駆動アームと、
前記駆動アームを、基準回動位置と回動終了位置との間の90°未満の所定角度範囲で回動させる回動部と、
前記固定部材に設けられた第1のカム部と、
前記ゴンドラにおける前記駆動アームの連結位置とは異なる位置に設けられ前記駆動アームの回動に伴い前記第1のカム部に対し摺動する第1のカムフォロワと、
を有し、
前記第1のカム部の軌道は、前記駆動アームを前記基準回動位置から前記回動終了位置に回動させたときに、前記ゴンドラを、前記第2の回動軸線まわりに前記固定部材を基準として90°回動させるよう設定されていることを特徴とするカード姿勢変換装置。 - 前記固定部材は、第2のカム部を有し、
前記ゴンドラは、
前記駆動アームの回動に伴い前記第2のカム部に対し摺動する第2のカムフォロワを有して前記第1の回動軸線に平行な第3の回動軸線まわりに回動可能なフィクサを備え、
前記第2のカム部の軌道は、
前記フィクサを、前記基準回動位置において前記ゴンドラに保持されたカードの離脱を規制するホールド位置とし、前記回動終了位置において前記カードの自重落下経路から退避したリリース位置とするよう設定されていることを特徴とする請求項1記載のカード姿勢変換装置。 - 平面形状が略長方形を呈するカードを、長手方向を搬出方向又は搬出直交方向なる第1の方向として水平姿勢で側面から搬出するカードプリンタと、
前記カードプリンタの前記側面の側に隣接配置されて前記カードプリンタから搬出された前記カードの姿勢を変換して搬出するカード姿勢変換装置と、
を含んで構成され、
前記カード姿勢変換装置として請求項1又は請求項2記載のカード姿勢変換装置を用いたカード作成システム。 - 前記カードプリンタと前記カード姿勢変換装置との動作を制御するシステム制御部を含み、
前記システム制御部による前記カード姿勢変換装置の動作の制御を、前記カードプリンタを中継して実行することを特徴とする請求項3記載のカード作成システム。 - 前記カード姿勢変換装置から搬出された前記カードに二次加工を施す二次加工装置を含み、
前記二次加工装置の上に前記カードプリンタ及び前記カード姿勢変換装置が載置され、
前記カードは、前記二次加工装置の上面から供給されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のカード作成システム。 - 前記二次加工装置は、エンボッサであることを特徴とする請求項5記載のカード作成システム。
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