JP6546299B1 - 位置調節機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置調節機構のロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替える。
【解決手段】前方回動第一区間では、ロック切替バネ18が第二部材12と一体的に前方回動し、前方回動第二区間では、バネ端部γが前方回動規制当接部αに当接して弛め方向に押圧され、ロック切替バネ18に先行して前方回動する第二部材12に支持されたロック部材16のロック解除カム部βがバネ端部γに乗り上げることにより、係合部βと係合部α1.Nとの係合が解除され、後方回動第一区間では、ロック切替バネ18が第二部材12と一体的に後方回動し、後方回動第二区間では、バネ端部γが後方回動規制用当接部αに当接して弛め方向に押圧され、ロック切替バネ18に先行して後方回動する第二部材12に支持されたロック部材16のロック解除カム部βがバネ端部γから外れることにより、係合部βと係合部α1・1とが係合された状態となるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、第一部材に対する第二部材の位置を段階的に調節するための位置調節機構に関する。
自動車等のシートバック上部に備えられるヘッドレストとしては、特許文献1の図1に示されるように、ヘッドレストフレーム130をヘッドレストステー120に対して回動可能な状態で支持させることにより、その前後位置を調節可能としたものが知られている。
特許文献1のヘッドレストは、同文献の図1に示されるように、主に、ヘッドレストステー120に一体結合される第一部材10と、ヘッドレストフレーム130に一体結合される第二部材20と、第二部材20を後方へ回動するように付勢する後方付勢手段50と、第二部材に対して回動可能な状態で支持されたロックプレート60と、ロックプレートをロック方向に付勢するためのロック付勢手段70と、第二部材20に対して回動可能な状態で取り付けられたロック切替部材80と、第二部材20に対するロック切替部材80の動きに抵抗を付与するための抵抗手段90とを備えたものとなっている。第一部材10には、複数の係合歯11が設けられるとともに、切替ピン154が動かない状態で固定されている。また、同文献の図3に示されるように、ロックプレート60には、係合爪61及び切替カム被当接部62が設けられており、ロック切替部材80には、切替当接部A、切替当接部B、第一係合溝81、第二係合溝82及び切替カム当接部83が設けられている。
特許文献1のヘッドレストは、同文献の図3(a)に示されるように、係合爪61が最後方の係合歯11に係合する最後方の調節位置(初期位置)から、同文献の図3(b)に示されるように、係合爪61が最前方の係合歯11に係合する最前方の調節位置(前方調整限界位置)まで、係合爪61が係合する係合歯11を順次切り替えながら、第二部材20を前方回動させることにより、第二部材20の前後位置、すなわちヘッドレストフレーム130の前後位置を段階的に調節することが可能なものとなっている。
ところで、上記の特許文献1のヘッドレストにおいては、第二部材20が初期位置(同文献の図3(a))から前方調整限界位置(同文献の図3(b))まで前方回動するときには、第一係合溝81に係合した抵抗手段90によって、第二部材20に対するロック切替部材80の相対的な回動が規制され、ロック切替部材80が第二部材20と一体になって前方回動するようになっている。第二部材20が初期位置(同文献の図3(a))から前方調整限界位置(同文献の図3(b))まで前方回動する間のロックプレート60は、ロック付勢手段70の付勢力によって、係合爪61が係合歯11に係合可能な位置までロック方向に回動変位した状態(ロック可能状態)を保つようになっている。
一方、上記の特許文献1のヘッドレストにおいて、第二部材20が、同文献の図3(b)に示される前方調整限界位置を越えてさらに前方回動するときには、切替当接部Bが切替ピン154に当接して、ロック切替部材80の前方回動が規制され、第二部材20がロック切替部材80に先行して前方回動することで、同文献の図3(c)に示されるように、抵抗手段90の係合先が第一係合溝81から第二係合溝82に切り替わるとともに、切替カム被当接部62が切替カム当接部83に乗り上げるようになっている。切替カム被当接部62が切替カム当接部83に乗り上げることにより、ロックプレート60は、ロック付勢手段70の付勢力に逆らって、係合爪61が係合歯11に係合できない位置まで、ロック解除方向に強制的に回動変位した状態(ロック解除状態)となる。
また、上記の特許文献1のヘッドレストにおいては、第二部材20が同文献の図3(c)に示される前方回動限界位置から図3(d)に示される切替当接部A当接位置まで後方回動するときには、第二係合溝82に係合した抵抗手段90によって、第二部材20に対するロック切替部材80の相対的な回動が規制され、ロック切替部材80が第二部材20と一体になって後方回動するようになっている。第二部材20が前方回動限界位置(同文献の図3(c))から切替当接部A当接位置(同文献の図3(d))まで後方回動する間は、切替カム被当接部62が切替カム当接部83に乗り上げた状態が維持されており、ロックプレート60は、ロック解除状態を保つようになっている。
一方、上記の特許文献1のヘッドレストにおいて、第二部材20が同文献の図3(d)に示される切替当接部A当接位置を越えてさらに後方回動するときには、切替当接部Aが切替ピン154に当接して、ロック切替部材80の後方回動が規制され、第二部材20がロック切替部材80に先行して後方回動することで、同文献の図3(a)に示されるように、抵抗手段90の係合先が第二係合溝82から第一係合溝81に切り替わるとともに、切替カム被当接部62が切替カム当接部83から外れるようになっている。切替カム被当接部62が切替カム当接部83から外れることにより、ロックプレート60は、再び、ロック可能状態となる。
以上で述べた特許文献1のヘッドレストは、ロック可能状態とロック解除状態とでロック付勢手段70の付勢方向を切り替えなくても、ヘッドレストに所望の動作を行わせることができ、ヘッドレストの誤動作を防止することが可能なものとなっている(同文献の段落0010を参照。)。
特開2016−215669号公報
ところが、上記の特許文献1のヘッドレストにおいて、ロック切替部材80は、樹脂によって形成されていた(同文献の段落0026)。このため、同文献のヘッドレストでは、ロック切替部材80が摩耗や熱の影響によって変形する虞があり、ロック可能状態とロック解除状態とが安定して切り替わらなくなる虞があった。ロック切替部材80の摩耗や熱変形は、ロック切替部材80を金属で形成すれば、防ぐことができる。しかし、この場合には、ロック切替部材80が高価になるという問題が生ずる。加えて、特許文献1のヘッドレストでは、ロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替えようとすると、ロック切替部材80が金属であるか否かにかかわらず、抵抗手段90による抵抗力や、ロック付勢手段70による付勢力を、高い精度で調整する必要があった。このように、特許文献1のヘッドレストでは、ロック切替部材80でロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替えることは、必ずしも容易ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、ロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替えることが可能な位置調節機構を提供するものである。
上記課題は、
第一部材に対する第二部材の位置を段階的に調節するための位置調節機構であって、
N個(Nは2以上の整数)の係合部α1,1〜α1.N、前方回動規制当接部α及び後方回動規制当接部αを有し、所定の部材に対して固定される第一部材と、
ドラム部を有し、第一部材に対して前後方向に回動可能な状態で支持された第二部材と、
第二部材を後方に付勢するための第二部材付勢手段と、
係合部β及びロック解除カム部βを有し、第二部材に対して回動可能な状態で支持されたロック部材と、
係合部βが係合部α1,1〜α1.Nに係合するロック方向にロック部材を付勢するためのロック付勢手段と、
バネ端部γ及びバネ端部γを有するコイルバネからなり、前記ドラム部に対して拡径状態で外嵌又は縮径状態で内嵌されたロック切替バネと、
を備え、
係合部βが係合部α1,1に係合する最後方の調節位置から、係合部βが係合部α1,Nに係合する最前方の調節位置まで、係合部βが係合する係合部α1,1〜α1.Nを順次切り替えながら、第二部材を前方回動させることにより、第二部材の前後位置を段階的に調節可能とするとともに、
第二部材を、最後方の調節位置から最前方の調節位置まで前方回動させる前方回動第一区間においては、ロック切替バネが第二部材と一体的に前方回動し、
第二部材を、前方回動第一区間を越えてさらに前方回動させる前方回動第二区間においては、バネ端部γが前方回動規制当接部αに当接して弛め方向(ロック切替バネを前記ドラム部に対して拡径状態で外嵌した場合には、ロック切替バネがさらに拡径して前記ドラム部に対して弛む方向。一方、ロック切替バネを前記ドラム部に対して縮径状態で内嵌した場合には、ロック切替バネがさらに縮径して前記ドラム部に対して弛む方向。以下同じ。)に押圧されることにより、ロック切替バネが第二部材の前方回動に追従しなくなるとともに、ロック切替バネに先行して前方回動する第二部材に支持されたロック部材のロック解除カム部βがバネ端部γに乗り上げることにより、ロック部材がロック解除方向に移動して、係合部βと係合部α1.Nとの係合が解除された状態となり、
第二部材を、前方回動第二区間にある状態から所定の位置まで後方回動させる後方回動第一区間においては、バネ端部γが前方回動規制当接部αから離反してロック切替バネが前記ドラム部に対して拘束された状態(ロック切替バネを前記ドラム部に対して拡径状態で外嵌した場合には、ロック切替バネの内周部で前記ドラム部の外周部が締め付けられる状態。一方、ロック切替バネを前記ドラム部に対して縮径状態で内嵌した場合には、ロック切替バネの外周部が前記ドラム部の内周部に押し付けられる状態。以下同じ。)となることにより、ロック切替バネが第二部材と一体的に後方回動し、
第二部材を、後方回動第一区間を越えてさらに後方回動させる後方回動第二区間においては、バネ端部γが後方回動規制用当接部αに当接して弛め方向に押圧されることにより、ロック切替バネが第二部材の後方回動に追従しなくなるとともに、ロック切替バネに先行して後方回動する第二部材に支持されたロック部材のロック解除カム部βがバネ端部γから外れることにより、ロック部材がロック方向に移動して、係合部βと係合部α1・1とが係合された状態となるようにした
ことを特徴とする位置調節機構
を提供することによって解決される。
ここで、係合部α1,1〜α1.Nや、前方回動規制当接部αや、後方回動規制当接部αは、第一部材と同じ部材に形成する必要は特になく、第一部材とは別体からなる部材を第一部材に対して事後的に固定することにより形成したものであってもよい。同様に、ドラム部は、第二部材と同じ部材に形成する必要は特になく、第二部材とは別体からなる部材を第二部材に対して事後的に固定することにより形成したものであってもよい。また、係合部βや、ロック解除カム部βは、ロック部材と同じ部材に形成する必要は特になく、ロック部材とは別体からなる部材をロック部材に対して事後的に固定することにより形成したものであってもよい。さらに、バネ端部γや、バネ端部γは、ロック切替バネを構成するコイルバネに一体的に設けられたものである必要は特になく、当該コイルバネとは別体の部材を当該コイルバネに対して事後的に固定することにより形成したものであってもよい。
本発明の位置調節機構において、ロック部材は、第二部材が前方回動第一区間にあるときには、ロック付勢手段の付勢力によって、係合部βが係合部α1,1〜α1.Nに係合可能な位置までロック方向に回動変位した「ロック可能状態」を保つようになっているものの、第二部材が前方回動第二区間にあるときに、ロック部材は、ロック付勢手段の付勢力に逆らって、係合部βが係合部α1,1〜α1.Nに係合できない位置まで、ロック解除方向に強制的に回動変位した「ロック解除状態」へと切り替わるようになっている。この「ロック解除状態」は、第二部材が後方回動第一区間にあるときにも保たれるが、第二部材が後方回動第二区間にあるときに、再度「ロック可能状態」に切り替わるようになっている。本発明の位置調節機構では、このようなロック可能状態とロック解除状態との切り替えを、第二部材のドラム部に拡径状態で外嵌又は縮径状態で内嵌したロック切替バネのバネ端部γ,γを弛め方向に押圧するという、非常に御しやすい機構で実現している。このロック切替バネを用いた機構は、摩耗が生じにくく、耐久性に優れているだけでなく、熱による影響も生じにくい。このため、本発明の位置調節機構では、ロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替えることが可能となっている。
本発明の位置調節機構は、
さらに、
第一部材に対して回動可能な状態で連結された第三部材と、
第二部材及び第三部材に対して回動可能な状態で連結された第四部材と、
を備え、
第一部材、第二部材、第三部材及び第四部材によって、第一部材に対して第四部材が略平行に移動する平行リンク機構が構成された
ものとすることも好ましい。
これにより、平行リンク機構におけるロック可能状態とロック解除状態との切り替えも安定して行うことが可能になる。
本発明の位置調節機構は、その用途を特に限定されるものではないが、ヘッドレスト装置における位置調節機構(シートバックに対するヘッドレストの位置調節機構)や、オットマン装置における位置調節機構(シート座面に対するフットレストの位置調節機構)として好適に用いることができる。なかでも、自動車等の乗り物に据え付けられるシートのヘッドレスト装置やオットマン装置における位置調節機構として好適に採用することができる。
以上のように、本発明によって、ロック可能状態とロック解除状態とを安定して切り替えることが可能な位置調節機構を提供することが可能になる。
本発明に係る位置調節機構を採用したヘッドレスト装置を分解した状態を示した斜視図である。 図1のヘッドレスト装置を、それぞれ、(a)前後方向に垂直な平面で切断した状態と、(b)左右方向に垂直な平面で切断した状態とを示した断面図である。 本発明に係る位置調節機構における第二部材の他の実施態様を示した斜視図である。 本発明に係る位置調節機構の動作を説明する説明図である。 本発明に係る位置調節機構を採用したオットマン装置を示した側面図である。
本発明に係る位置調節機構の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、主に、本発明に係る位置調節機構をヘッドレスト装置で採用する場合を例に挙げて説明する。しかし、本発明に係る位置調節機構は、後述するオットマン等、ヘッドレスト装置以外にも採用することができる。
1.ヘッドレスト装置の概要
図1は、本発明に係る位置調節機構100を採用したヘッドレスト装置を分解した状態を示した斜視図である。図2は、図1のヘッドレスト装置を、それぞれ、(a)前後方向に垂直な平面で切断した状態と、(b)左右方向に垂直な平面で切断した状態とを示した断面図である。図2(a)においては、ヘッドレストカバー50のみを断面で示しており、位置調節機構100についてはその外観を示している。また、図2(b)において、ロック切替バネ18は、同図においては紙面手前側に位置するため同図には表れないが、破線で示している。
図1のヘッドレスト装置は、同図に示すように、ヘッドレストカバー50と、ヘッドレストステー60と、ヘッドレストステー60に対するヘッドレストカバー50(ヘッドレスト装置の頭受け部分)の前後位置を段階的に調節するための位置調節機構10とを備えている。ヘッドレスト装置の頭受け部分の前後位置は、その頭受け部分を手で掴む等して前後方向に移動させることにより、移動させることが可能である。
本実施態様のヘッドレスト装置において、ヘッドレストカバー50は、図1に示すように、位置調節機構10の前方を覆うフロントカバー51と、位置調節機構10の後方を覆うリアカバー52とを組み付けて構成されるものとなっている。ヘッドレストカバー50の下面には、後述するヘッドレストステー60の縦ステー部61を通すためのステー挿通孔50a(図2(a)を参照。)が左右一対に設けられている。ヘッドレストカバー50の外面側には、クッション材(図示省略)と、クッション材の外面を覆う表皮(図示省略)とが設けられる。
本実施態様のヘッドレスト装置において、ヘッドレストステー60は、図2(a)に示すように、左右一対の縦ステー部61と、左右一対の縦ステー部61の上端部同士を連結する横ステー部62とを備えた逆「U」の字状を為すものとなっている。本実施態様のヘッドレスト装置は、ヘッドレストステー60における縦ステー部61の下端側を、座席のシートバックの上部に取り付けられたステーホルダ(図示省略)に挿入することによって、シートバックに取り付けられるものとなっている。ヘッドレストステー60の縦ステー部61には、高さ調節用凹部61aが多段に設けられており、上記のステーホルダに係合する高さ調節用凹部61aを切り替えることで、ヘッドレスト装置の頭受け部分の高さを調節することができるようになっている。また、ヘッドレストステー60の縦ステー部61には、抜け止め用凹部61bも設けられており、この抜け止め用凹部61bが上記のステーホルダに係合することで、上記のステーホルダから縦ステー部61bが完全に抜け出ないようになっている。
2.位置調節機構の構造
本実施態様の位置調節機構10は、図1に示すように、第一部材11と、第二部材12と、第三部材13と、第四部材14と、第二部材付勢手段15と、ロック部材16と、ロック付勢手段17と、ロック切替バネ18とを備えたものとなっている。本実施態様の位置調節機構10において、位置調節機構10におけるこれらの構成部材は、後述するジョイント軸19a,19b,19c,19dも含め、いずれも金属製となっている。以下、位置調節機構10を構成するこれらの部材について、より詳しく説明する。
2.1 第一部材
第一部材11は、ヘッドレストステー60の横ステー部62(図2(a)を参照。)に対して溶接等により固定される。このため、第一部材11は、ヘッドレストステー60に対して相対的に移動できない状態となっている。第一部材11は、左右一対の側壁部と、当該左右一対の側壁部の下端側を連結する底壁部とを備えた「U」の字状を為す部材となっている。第一部材11の左右それぞれの側壁部の上端面には、図1に示すように、複数個(本実施態様の位置調節機構10においては4個)の係合部α1,1,α1,2,α1,3,α1.4が設けられている。係合部α1,1,α1,2,α1,3,α1.4は、凸部としてもよいが、本実施態様の位置調節機構10においては凹部となっている。また、第一部材11の左右それぞれの側壁部の下部前側には軸孔Hが、第一部材11の左右それぞれの側壁部の下部後側には軸孔Hが、第一部材11の少なくとも一方の側壁部の上部には長孔Hが設けられている。長孔Hは、軸孔Hを中心とする円弧状を為している。
第一部材11には、第一部材11に対して第二部材12が前方回動する際に、後述するロック切替バネ18のバネ端部γに当接して、ロック切替バネ18が第二部材12とともに前方回動しないようにするための前方回動規制当接部αが設けられる。前方回動規制当接部αは、第一部材11と同じ部材に一体的に形成してもよいが、本実施態様の位置調節機構10では、第一部材11とは別体からなる部材に前方回動規制当接部αを設けている。具体的には、本実施態様の位置調節機構10では、後述するように、軸孔Hジョイント軸19bを挿通する構造を採用しているところ、ジョイント軸19bにおける軸孔Hから外方に突き出た先端部分が、前方回動規制当接部αとなるようにしている。
また、第一部材11には、第一部材11に対して第二部材12が後方回動する際に、後述するロック切替バネ18のバネ端部γに当接して、ロック切替バネ18が第二部材12とともに後方回動しないようにするための後方回動規制当接部αが設けられる。後方回動規制当接部αは、第一部材11と別体からなる部材に形成してもよいが、本実施態様の位置調節機構10では、第一部材11と同じ部材に一体的に形成している。具体的には、上記の円弧状の長孔Hの後端部が後方回動規制当接部αとなるようにしている。ロック切替バネ18のバネ端部γは、その先端がさらに折り曲げられた折り曲げ端部となっており、この折り曲げ端部が長孔Hに挿通され、ロック切替バネ18が第一部材11に対して回動する際には、この折り曲げ端部が長孔H内を円弧状に移動するようになっている。
2.2 第二部材
第二部材12は、図1に示すように、左右一対の側壁部と、当該左右一対の側壁部の前側を連結する前壁部とを備えている。第二部材12の左右それぞれの側壁部の下部には、軸孔Hが設けられており、この左右それぞれの側壁部の上部には、軸孔Hが設けられている。また、第二部材12における一方の側壁部の下部には、円筒状を為すドラム部12aが、軸孔Hと同心に設けられている(ただし、ドラム部12aは軸孔Hと同心に設ける必要はない。)。この第二部材12は、第一部材11に対して前後方向に回動(揺動)可能な状態で支持されている。本実施態様の位置調節機構においては、第一部材11に対して第二部材12を、軸孔Hと軸孔Hとが左右方向に重なるように配し、これらの軸孔H及び軸孔Hに共通のジョイント軸19aを挿通することで、第一部材11に対して第二部材12を軸支した状態としている。
図1に示す位置調節機構10において、ドラム部12aは、第二部材12の本体部分とは別個に形成した円筒状部材を、当該本体部分に対して溶接等により固定することで、当該本体部分に一体化させたものとなっている。しかし、ドラム部12aは、第二部材12の本体部分と別体からなる部材を事後的に固定することにより設けたものである必要はなく、また、その外周面が連続した円筒面状を為すものである必要もない。ドラム部12aは、第二部材12の本体部分と同じ部材からなるものであってもよいし、その外周面が分断した円筒面状を為すものであってもよい。例えば、図3に示すように、第二部材12の側壁部の端部に形成された複数の突片部12aを外方に切り起こした部分をドラム部12aとして利用することも可能である。これにより、1枚の金属板から、ドラム部12aを含む第二部材12全体を形成することが可能になる。図3は、本発明に係る位置調節機構10における第二部材12の他の実施態様を示した斜視図である。
2.3 第三部材
第三部材13は、図1に示すように、左右一対の側壁部と、当該左右一対の側壁部の後側を連結する後壁部とを備えている。第三部材13の左右それぞれの側壁部の下部には、軸孔Hが設けられており、この左右それぞれの側壁部の上部には、軸孔Hが設けられている。この第三部材13は、第一部材11に対して前後方向に回動(揺動)可能な状態で支持されている。本実施態様の位置調節機構においては、第一部材11に対して第三部材13を、軸孔Hと軸孔Hとが左右方向に重なるように配し、これらの軸孔H及び軸孔Hに共通のジョイント軸19bを挿通することで、第一部材11に対して第三部材13を軸支した状態としている。
2.4 第四部材
第四部材14は、図1に示すように、左右一対の側壁部と、当該左右一対の側壁部の上側を連結する上壁部と、当該左右一対の側壁部の前側から左右に突出して設けられたフランジ部とを備えている。第四部材14の左右それぞれの側壁部の前部には、軸孔Hが設けられており、この左右それぞれの側壁部の後部には、軸孔Hが設けられている。この第四部材14は、第二部材12及び第三部材13に対して回動(揺動)可能な状態で支持されている。本実施態様の位置調節機構においては、第二部材12に対して第四部材14を、軸孔Hと軸孔Hとが左右方向に重なるように配し、これらの軸孔H及び軸孔Hに共通のジョイント軸19cを挿通することで、第二部材12に対して第四部材14を軸支した状態とするとともに、第三部材13に対して第四部材14を、軸孔Hと軸孔Hとが左右方向に重なるように配し、これらの軸孔H及び軸孔Hに共通のジョイント軸19dを挿通することで、第三部材13に対して第四部材14を軸支した状態としている。第四部材14の左右のフランジ部は、フロントカバー51における第四部材固定部51aの後面側に、ボルト等により固定される。このため、第四部材14は、ヘッドレストカバー50に対して相対的に移動できない状態となっている。
上記のように、第一部材11と第二部材12と第三部材13と第四部材14とを四角枠状に配し、隣り合う部材同士を回動可能な状態で連結することにより、第一部材11に対して第四部材14が略平行に移動する平行リンク機構が構成されている。この平行リンク機構により、ヘッドレスト装置の頭受け部分(ヘッドレストカバー50)は前後方向に対して略平行に移動するようになっている。ヘッドレスト装置の頭受け部分(ヘッドレストカバー50)の移動方向と、第二部材12の回動方向は、一致するようになっている。すなわち、ヘッドレスト装置の頭受け部分(ヘッドレストカバー50)を前方に移動させると、第二部材12は前方回動し、ヘッドレスト装置の頭受け部分(ヘッドレストカバー50)を後方に移動させると、第二部材12は後方回動するようになっている。
2.5 第二部材付勢手段
第二部材付勢手段15は、第二部材12を後方に付勢するためのものとなっている。本実施態様の位置調節機構10において、第二部材付勢手段15は、第一部材11の左右の側壁部の隙間に配されたコイルバネとなっている。このコイルバネ(第二部材付勢手段15)は、図2(b)に示すように、上記のジョイント軸19aに外嵌された状態となっている。
2.6 ロック部材
ロック部材16は、第二部材12に対して回動可能な状態で支持されている。ロック部材16は、左右一対の側壁部と、当該左右一対の側壁部の後側を連結して下側に延びる板状部と、一方の側壁部から下向きに延びるアーム部とを備えている。ロック部材16における上記の板状部の下端には係合部βが設けられており、ロック部材16における上記のアーム部の下端はロック解除カム部βとなっている。このロック部材16は、その係合部βを上記の係合部α1,1,α1,2,α1,3,α1.4のうちいずれかに係合させることにより、第一部材11に対する第二部材12の回動をロックすることが可能なものとなっている。係合部βは、凹部としてもよい(この場合、係合部α1.1〜α1.Nは凸部とされる。)が、本実施態様の位置調節機構10においては、係合部βが係合する係合部α1.1〜α1.Nを凹部としたため、係合部βを凸部としている。
2.7 ロック付勢手段
ロック付勢手段17は、ロック部材16をロック方向(係合部βが係合部α1,1,α1,2,α1,3,α1.4に係合する向き)に付勢するためのものとなっている。本実施態様の位置調節機構10において、ロック付勢手段17は、ロック部材16の左右の側壁部の隙間に配されたコイルバネとなっている。このコイルバネ(ロック付勢手段17)は、図2(b)に示すように、上記のジョイント軸19cに外嵌された状態となっている。
2.8 ロック切替バネ
ロック切替バネ18は、上記のロック部材16の動作を切り替えるためのものとなっている。このロック切替バネ18は、バネ端部γ及びバネ端部γを有するコイルバネからなっており、第二部材12のドラム部12aに対して拡径状態で外嵌又は縮径状態で内嵌される。本実施態様の位置調節機構10において、ロック切替バネ18は、ドラム部12aに対して拡径状態で外嵌するようにしている。
3.位置調節機構の動作
続いて、上記の位置調節機構10の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明に係る位置調節機構10の動作を説明する説明図である。図4(a)は、第二部材12が初期位置(最後方の調節位置)にあるときを、図4(b)は、第二部材12が最前方の調節位置にあるときを、図4(c)は、第二部材12を図4(b)に示す最前方の調節位置を越えてさらに前方回動させたときを、図4(d)は、第二部材12を図4(c)に示す状態からさらに前方回動させたときを、図4(e)は、第二部材12を図4(d)に示す状態から所定の位置まで後方回動させたときを、それぞれ示している。図4では、位置調節機構10を側方(図2(a)の紙面に向かって右側)から見た状態を示しているが、位置調節機構10における一部の構成部材(第三部材13や第四部材14等)を省略している。図4においては、紙面に向かって左側が「前方」となっており、紙面に向かって右側が「後方」となっている。また、後方回動規制当接部αは、図1及び図2においては、第一部材11の側壁部に設けた長孔Hの後端部としていたが、図4においては、第一部材11の側壁部に一体的に設けた凸部11aの外周面としている。
本実施態様の位置調節機構10は、図4(a)に示すように、ロック部材16の係合部βが第一部材11における係合部α1.1〜α1.4のうち最後方の係合部α1,1に係合する最後方の調節位置から、図4(b)に示すように、ロック部材16の係合部βが第一部材11における係合部α1.1〜α1.4のうち最前方の係合部α1,4に係合する最前方の調節位置まで、係合部βが係合する係合部α1,1〜α1.4を順次切り替えながら、第二部材12を前方回動させることにより、第二部材12の前後位置を段階的(本実施態様の位置調節機構10では4段階)に調節可能となっている。既に述べたように、ヘッドレスト装置の頭受け部分の移動方向と、第二部材12の回動方向は、一致するようになっているところ、第二部材12が最後方の調節位置(図4(a))にあるときに、ヘッドレスト装置の頭受け部分が調節可能範囲のうち最も後方に位置した状態となり、第二部材12が最前方の調節位置(図4(b))にあるときに、ヘッドレスト装置の頭受け部分が調節可能範囲のうち最も前方に位置した状態となるようになっている。
本実施態様の位置調節機構10は、基本的に、図4(a)に示す状態から同図(b)及び同図(c)に示す状態を経て同図(d)の状態となるまで第二部材12が前方回動し、第二部材12が同図(d)の状態に至った後は、同図(e)の状態を経て再度同図(a)の状態まで後方回動するサイクルで、動作するものとなっている。以下においては、第二部材12が前方回動する区間であって、図4(a)に示す状態から同図(b)に示す状態となるまでを「前方回動第一区間」とし、第二部材12が前方回動する区間であって、図4(b)に示す状態から同図(d)に示す状態となるまでを「前方回動第二区間」とし、第二部材12が後方回動する区間であって、図4(d)に示す状態から同図(e)に示す状態となるまでを「後方回動第一区間」とし、第二部材12が後方回動する区間であって、図4(e)に示す状態から再び同図(a)に示す状態となるまでを「後方回動第二区間」として、本実施態様の位置調節機構10の動作を説明する。
3.1 前方回動第一区間
第二部材12が図4(a)に示す最後方の調節位置にあるときに、ヘッドレスト装置の頭受け部分を手で掴む等して、当該頭受け部分を前方に移動させると、第二部材12がジョイント軸19aを回動中心として前方回動し、そのうち、図4(b)に示す最前方の調節位置に第二部材12が移動する。この前方回動第一区間において、ロック切替バネ18は、ジョイント軸19aを回動中心として、第二部材12と一体的に前方回動するようになっている。というのも、既に述べたように、本実施態様の位置調節機構10では、第二部材12のドラム部12aに対してロック切替バネ18を拡径状態で外嵌したため、通常時(ロック切替バネ18のバネ端部γ,γに規制力が加わっていない状態)においては、ロック切替バネ18は、ドラム部12の外周部を締め付けた状態となっており、ドラム部12に対して回動できない状態となっているからである。
また、既に述べたように、ロック部材16は、ロック付勢手段17によってロック方向に付勢された状態となっている。このため、ヘッドレスト装置の頭受け部分を手で持って前方に移動させ、第二部材12が図4(a)に示す最後方の調節位置から前方回動し、係合部α1.1(係合凹部)の前方の傾斜面を係合部β(係合凸部)が乗り越えると、係合部β(係合凸部)は、係合部α1.1よりも1つ前側の係合部α1.2に強制的に係合するものの、係合部α1.1(係合凹部)の前方の傾斜面を係合部β(係合凸部)が乗り越えるより前にヘッドレスト装置の頭受け部分から手を離すと、ロック付勢手段17及び第二部材付勢手段15の付勢力によって、係合部β(係合凸部)は、それまで係合していた係合部α1.1に戻って係合するようになっている。係合部β(係合凸部)が係合部α1.2に係合している状態からヘッドレスト装置の頭受け部分を前方に移動させる場合や、係合部β(係合凸部)が係合部α1.3に係合している状態からヘッドレスト装置の頭受け部分を前方に移動させる場合についてもこれと同様である。
また、係合部β(係合凸部)が係合部α1.1〜α1.4(係合凹部)のいずれかに係合しているときには、係合部β(係合凸部)の下端面が係合部α1.1〜α1.4(係合凹部)の後方の傾斜面にしっかりと係止された状態となっているため、ヘッドレスト装置の頭受け部分を後方に移動させることができないようになっている。したがって、前方回動第一区間においては、係合部β(係合凸部)が係合する係合部α1.1〜α1.4を前方には切り替えることができるものの、後方には切り替えることができないようになっている。ただし、第二部材12が前方回動第一区間にあるときでもロック部材16をロック解除方向(係合部βが係合部α1.1〜α1.4から離反する向き)に強制的に移動させるロック解除手段を別途設ける等した場合にはこの限りではない。
前方回動第一区間において、第二部材12が図4(b)に示す最前方の調節位置まで前方回動すると、ロック切替バネ18のバネ端部γが前方回動規制当接部αに当接した状態となるようになっている。
3.2 前方回動第二区間
第二部材12が前方回動第一区間を越えてさらに前方回動する前方回動第二区間においては、図4(c)に示すように、第二部材12は、図4(b)の位置からさらに前方回動するものの、ロック切替バネ18は、第二部材12の前方回動には追従せず、図4(b)の位置付近で留まるようになっている。というのも、図4(b)の状態から第二部材12を前方回動させると、ロック切替バネ18のバネ端部γが前方回動規制当接部αによって弛め方向に押圧されて、ロック切替バネ18が第二部材12のドラム部12aに対して弛んだ状態となり、第二部材12がロック切替バネ12よりも先行して前方回動するようになるからである。
またこのときには、図4(c)及び図4(d)に示すように、ロック切替バネ18に先行して前方回動する第二部材12に支持されたロック部材16のロック解除カム部βが、ロック切替バネ18のバネ端部γに乗り上げることにより、ロック部材16がロック解除方向に移動して、係合部βと係合部α1.Nとの係合が強制的に解除された状態となるようになっている。図4(d)に示すように、ロック解除カム部βがバネ端部γに完全に乗り上げた状態にあっては、ロック付勢手段17によって、ロック解除カム部βの先端面がバネ端部γに対して押し付けられた状態となっているため、ロック解除カム部βは、バネ端部γに乗り上げた状態を維持するようになっている。図4(d)に示す状態になると、第二部材12は、後方回動が可能な状態となる。すなわち、ヘッドレスト装置の頭受け部分を後方に移動させることが可能な状態となる。
3.3 後方回動第一区間
前方回動第二区間にあった第二部材12の回動方向が切り替わり、第二部材12が後方回動する後方回動第一区間においては、図4(d)及び図4(e)に示すように、ロック切替バネ18は、第二部材12と一体的に後方回動するようになる。というのも、図4(d)に示す状態から第二部材12が後方回動すると、図4(e)に示すように、ロック解除カム部βに拘束されたバネ端部γが後方回動することに加えて、それまでは前方回動規制当接部αに当接していたバネ端部γが前方回動規制当接部αから離反して、ロック切替バネ18が第二部材12のドラム部12の外周部を再び締め付けた状態となるからである。ロック解除カム部βがバネ端部γに乗り上げた状態は、後方回動第一区間においても維持されているため、後方回動第一区間において、ロック部材16の係合部βは、第一部材11の係合部α1.1〜α1.4に係合しないようになっている。後方回動第一区間は、ロック切替バネ18のバネ端部γが後方回動規制当接部αに当接することで終了する。
3.4 後方回動第二区間
第二部材12が後方回動第一区間を越えてさらに後方回動する後方回動第二区間においては、図4(a)に示すように、第二部材12は、図4(e)の位置からさらに後方回動するものの、ロック切替バネ18は、第二部材12の後方回動には追従せず、図4(e)の位置付近で留まるようになっている。というのも、図4(e)の状態から第二部材12を後方回動させると、ロック切替バネ18のバネ端部γが後方回動規制当接部αによって弛め方向に押圧されて、ロック切替バネ18が第二部材12のドラム部12aに対して弛んだ状態となり、第二部材12がロック切替バネ12よりも先行して後方回動するようになるからである。このため、図4(e)ではバネ端部γに乗り上げていたロック解除カム部βが、図4(a)に示すように、バネ端部γから脱落する。ロック解除カム部βがバネ端部γから脱落すると、ロック付勢手段17の付勢力によってロック部材16がロック方向に変位し、ロック部材16の係合部βが第一部材11における最後方の係合部β1.1に再び係合するようになっている。
3.5 位置調節機構のまとめ
本実施態様の位置調節機構10は、上述したように、第二部材12が前方回動第一区間にあるときには「ロック可能状態」が保たれるものの、第二部材12が前方回動第二区間にあるときに「ロック解除状態」へと切り替わり、第二部材12が後方回動第一区間にあるときでもこの「ロック解除状態」が保たれるが、第二部材12が後方回動第二区間にあるときに再度「ロック可能状態」に切り替わるようになっている。本実施態様の位置調節機構10では、上記のような「ロック可能状態」と「ロック解除状態」との切り替えを、第二部材12のドラム部12aに拡径状態で外嵌したロック切替バネ18のバネ端部γ,γを弛め方向に押圧するという、非常に御しやすい機構で実現している。
加えて、本実施態様の位置調節機構10においては、既に述べたように、その構成部材が金属によって形成されている。金属は、樹脂等と比較して、耐摩耗性や耐久性に優れているだけでなく、熱によって変形しにくい。このため、本実施態様の位置調節機構10は、摩耗が生じにくく、耐久性に優れているだけでなく、周囲の温度が変化しても動作に影響が及びにくい。したがって、本実施態様の位置調節機構10では、「ロック可能状態」と「ロック解除状態」とを安定して切り替えることが可能となっている。
ロック切替バネ18のバネ端部γ,γを前方回動規制当接部αや後方回動規制当接部αで弛め方向に押圧するタイミングを御することにより、「ロック可能状態」と「ロック解除状態」との切り替えが行われる、という位置調節機構10の動作は、上記のように、第二部材12のドラム部12aにロック切替バネ18を拡径状態で外嵌した場合だけでなく、第二部材12のドラム部12aにロック切替バネ18を縮径状態で内嵌した場合であっても、同様に実現することができる。
4.位置調節機構の用途
以上では、本発明に係る位置調節機構10を、ヘッドレスト装置で採用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明に係る位置調節機構10は、ヘッドレスト装置だけでなく、一の部材(第一部材11)に対する他の部材(第二部材12)の相対的な位置を調節する機構を有する各種の装置で採用することができる。本発明に係る位置調節機構10は、既に述べたように、動作の安定性に優れるものであるため、振動等が生じやすく、動作の安定性を確保することが難しい環境で使用される各種の装置において、特に好適に採用することができる。例えば、自動車や電車や飛行機等の移動体に備え付けられる装置の位置調節機構として好適に使用することができる。このような位置調節機構としては、移動体の座席に備え付けられるヘッドレスト装置のほか、移動体の座席に備え付けられるオットマン装置やアームレスト装置等が例示される。
図5は、本発明に係る位置調節機構を採用したオットマン装置を示した側面図である。このオットマン装置は、図5に示すように、フットレスト(図示省略)側に取り付けるためのフットレスト取付部材70と、シート(図示省略)側に取り付けるためのシート取付部材71と、フットレスト取付部材70とシート取付部材71との間に介在されたリンク機構72等を備えたものとなっている。リンク機構72は、主に、4本のリンク72a,72b,72c,72dによって構成されており、フットレスト取付部材70と、シート取付部材71と、リンク72aと、リンク72bと、リンク72cと、リンク72dとは、図5における軸支点P,P,P,P,P,P,Pで互いに回動可能な状態で連結されている。このため、フットレスト取付部材70(フットレスト)を、シート取付部材71(シート座面)の前方下側に収納された収納位置から、シート取付部材71(シート座面)から前方に大きく突き出た使用位置まで引き出すことができるようになっている。この点、本発明に係る位置調節機構10を、上記のオットマン装置における例えば図5に示す位置に組み込むと、フットレスト取付部材70(フットレスト)の使用位置を多段階に調節することが可能である。
10 位置調節機構
11 第一部材
11a 凸部
12 第二部材
12a ドラム部
12a 突片部
13 第三部材
14 第四部材
15 第二部材付勢手段
16 ロック部材
17 ロック付勢手段
18 ロック切替バネ
19a ジョイント軸
19b ジョイント軸
19c ジョイント軸
19d ジョイント軸
50 ヘッドレストカバー
50a ステー挿通孔
51 フロントカバー
51a 第四部材固定部
52 リアカバー
60 ヘッドレストステー
61 縦ステー部
61a 高さ調節用凹部
61b 抜け止め用凹部
62 横ステー部
70 フットレスト取付部材
71 シート取付部材
72 リンク機構
72a リンク
72b リンク
72c リンク
72d リンク
軸孔
軸孔
長孔
軸孔
軸孔
軸孔
軸孔
軸孔
軸孔
10 軸孔
軸支点
軸支点
軸支点
軸支点
軸支点
軸支点
軸支点
α1,1 係合部
α1,2 係合部
α1,3 係合部
α1,4 係合部
α 前方回動規制当接部
α 後方回動規制当接部
β 係合部
β ロック解除カム部
γ バネ端部
γ バネ端部

Claims (4)

  1. 第一部材に対する第二部材の位置を段階的に調節するための位置調節機構であって、
    N個(Nは2以上の整数)の係合部α1,1〜α1.N、前方回動規制当接部α及び後方回動規制当接部αを有し、所定の部材に対して固定される第一部材と、
    ドラム部を有し、第一部材に対して前後方向に回動可能な状態で支持された第二部材と、
    第二部材を後方に付勢するための第二部材付勢手段と、
    係合部β及びロック解除カム部βを有し、第二部材に対して回動可能な状態で支持されたロック部材と、
    係合部βが係合部α1,1〜α1.Nに係合するロック方向にロック部材を付勢するためのロック付勢手段と、
    バネ端部γ及びバネ端部γを有するコイルバネからなり、前記ドラム部に対して拡径状態で外嵌又は縮径状態で内嵌されたロック切替バネと、
    を備え、
    係合部βが係合部α1,1に係合する最後方の調節位置から、係合部βが係合部α1,Nに係合する最前方の調節位置まで、係合部βが係合する係合部α1,1〜α1.Nを順次切り替えながら、第二部材を前方回動させることにより、第二部材の前後位置を段階的に調節可能とするとともに、
    第二部材を、最後方の調節位置から最前方の調節位置まで前方回動させる前方回動第一区間においては、ロック切替バネが第二部材と一体的に前方回動し、
    第二部材を、前方回動第一区間を越えてさらに前方回動させる前方回動第二区間においては、バネ端部γが前方回動規制当接部αに当接して弛め方向に押圧されることにより、ロック切替バネが第二部材の前方回動に追従しなくなるとともに、ロック切替バネに先行して前方回動する第二部材に支持されたロック部材のロック解除カム部βがバネ端部γに乗り上げることにより、ロック部材がロック解除方向に移動して、係合部βと係合部α1.Nとの係合が解除された状態となり、
    第二部材を、前方回動第二区間にある状態から所定の位置まで後方回動させる後方回動第一区間においては、バネ端部γが前方回動規制当接部αから離反してロック切替バネが前記ドラム部に対して拘束された状態となることにより、ロック切替バネが第二部材と一体的に後方回動し、
    第二部材を、後方回動第一区間を越えてさらに後方回動させる後方回動第二区間においては、バネ端部γが後方回動規制用当接部αに当接して弛め方向に押圧されることにより、ロック切替バネが第二部材の後方回動に追従しなくなるとともに、ロック切替バネに先行して後方回動する第二部材に支持されたロック部材のロック解除カム部βがバネ端部γから外れることにより、ロック部材がロック方向に移動して、係合部βと係合部α1・1とが係合された状態となるようにした
    ことを特徴とする位置調節機構。
  2. さらに、
    第一部材に対して回動可能な状態で連結された第三部材と、
    第二部材及び第三部材に対して回動可能な状態で連結された第四部材と、
    を備え、
    第一部材、第二部材、第三部材及び第四部材によって、第一部材に対して第四部材が略平行に移動する平行リンク機構が構成された
    請求項1記載の位置調節機構。
  3. 請求項1又は2記載の位置調節機構を、シートバックに対するヘッドレストの位置調節機構として用いたヘッドレスト装置。
  4. 請求項1又は2記載の位置調節機構を、シート座面に対するフットレストの位置調節機構として用いたオットマン装置。
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