JP6545557B2 - セグメント - Google Patents

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Description

本発明は、沈設構造物を構成するセグメントに関する。
立坑や橋脚補強等の沈設構造物を地中に構築するために、複数のセグメントを連結してリング体を構築し、リング体をその軸線方向に重ねて複数連結した、地中に沈設される沈設体が知られている。
沈設体を地中に沈設する際には、施工場所の地表面上に刃口リングを設け、刃口リングの内側の地盤を掘削した後、刃口リングの上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、刃口リングを地中に沈設していく。ある程度の深さまで刃口リングを沈設させた後、刃口リングの上端に別のリング体を連結し、リング体の内側を掘削し、リング体の上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、リング体を地中に沈設していく。このように、複数のリング体の連結による沈設体の組み立てと、地盤の掘削及び沈設体の押圧とを順に繰り返すことで、沈設体を地中に沈設することができる。
沈設体を構成するセグメントとしては、沈設構造物の壁面となる湾曲形成されたプレートと、プレートの上端部及び下端部に設けられた主桁と、プレートの左端部及び右端部に設けられた継手とを備えるリング体を構築するセグメントが公知になっている。プレート、主桁及び継手は、全て板状に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、沈設体として、内側から内枠として圧入型枠、鉄筋、外枠としてスチール構造体が配置された沈設体が公知になっている。圧入型枠、スチール構造体の二重枠の間の鉄筋が配置されている空間には、コンクリートが打ち込まれている。スチール構造体だけが、鉄筋と一体になっている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3967494号公報 特許第4313871号公報
近年、大断面での沈設構造物の施工の需要が増加している。大断面の施工になると、沈設構造物を構成するセグメントも必要な断面性能を確保するために大きくする必要がある。
しかし、トラックやトレーラー等の輸送機器には、積載可能な大きさに制限があるため、従来の構造のセグメントを単に大きくするだけでは、セグメントを作成した後に施工現場まで運搬することが困難である。また、施工現場で一から沈設構造物を作成することは施工効率の低下を招き、好ましくない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、大断面での施工に対応することができ、施工効率の低下を抑制することができるセグメントを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、地中に埋設される沈設構造物を構成するセグメントであって、前記沈設構造物の外壁を形成する外側ピースと、前記沈設構造物の内壁を形成する内側ピースと、前記外側ピースと前記内側ピースとを連結する連結ピースと、を備え、前記外側ピース及び前記内側ピースの少なくとも一方がコンクリートにより形成されていることを特徴とする。
前記コンクリートにより形成されているピースには、前記連結ピースを連結する連結部材が設けられていることが好ましい。
前記連結部材は、一部が前記外側ピースと前記内側ピースとの間に露出された状態で前記コンクリート内に埋設されていることが好ましい。
前記連結ピースは、前記連結部材における前記外側ピースと前記内側ピースとの間に露出した部分に連結されていることが好ましい。
前記連結ピースは、前記外側ピース及び前記内側ピースの、前記セグメントの軸線方向における両端部にそれぞれ設けられていることが好ましい。
前記連結部材に、該連結部材を取り囲む配力筋が設けられていることが好ましい。
前記連結部材は、一部が前記外側ピースと前記内側ピースとの間に露出された状態で前記コンクリート内に埋設される鋼材と、前記鋼材に設けられ、前記連結ピースを連結する連結片と、を備えることが好ましい。
前記内側ピースがコンクリートにより形成されていることが好ましい。
前記外側ピースは、壁面を形成するプレートと、前記プレートの上端部及び下端部に設けられた主桁と、これらの主桁間に設けられたリブとを備え、前記リブに前記連結ピースが連結されていることが好ましい。
本発明によれば、大断面での施工に対応することができ、施工効率の低下を抑制することができる。
地中に沈設された沈設構造物の一部を断面視した概略正面図である。 二重リングを構成するセグメントの一部の平面図である。 セグメントの部分斜視図である。 図2のIV−IV線上におけるセグメントの断面図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
図1は、地中に沈設された沈設構造物100の一部を断面視した概略正面図であり、沈設構造物100を立坑に適用した例を示している。図2は、二重リング44を構成する複数のセグメント5のうち部分的に2つを示す平面図である。図3は、セグメント5をその径方向外側から内側に向かって斜めに見た部分斜視図であり、外側ピース51を透視可能に描いた。図4は、図2に示すセグメント5のIV−IV線上における断面図である。
[沈設構造物の構成]
図1に示すように、沈設構造物100は、シールド工法等によって地中に構築されるトンネルTの掘削開始地点や中間地点等に設けられ、沈設構造物100の内側の空間Sがシールドマシンの搬送路や換気口となる。
沈設構造物100は、地中に沈設された沈設体1と、沈設体1の内側の底部に設けられた底盤部2と、沈設体1を地中に沈設する際に用いる沈設アンカー3と、を備えている。
<沈設体>
図1に示すように、沈設体1は、円筒状に構築されており、その軸線が鉛直方向に沿うように地中に沈設される。沈設体1は、平面視円環状のリング体4をその軸線方向に複数連結して組み立てたものである。沈設体1を構成するリング体4は、刃口リング41と、ガイドリング42と、作業台リング43と、二重リング44とが上下方向に積み上げられて構成されている。
刃口リング41は、沈設体1の最下端に設けられるリング体であり、その下端に刃口を有している。刃口リング41は、その歯先(先端)を外側に有している。ガイドリング42は、刃口リング41の上端に複数連結されて、沈設体1の沈設をガイドする。作業台リング43は、ガイドリング42の上端に連結されている。作業台リング43は、上端面が下端面よりも大きくなるように形成されており、上端面が作業台リング43の内側に張り出すように形成されている。作業台リング43の上端面は、少なくとも二重リング44が載置できる程度の大きさに形成されている。二重リング44は、作業台リング43の上端に連結されている。作業台リング43の上方には、二重リング44が複数段に亘って設けられている。
なお、刃口リング41と作業台リング43との間に設けられているガイドリング42は、刃口リング41から作業台リング43に向かうにつれて徐々に軸線方向の端面の幅が広がるように形成されているとより好ましい。すなわち、上方のガイドリング42になるほどその上端面の幅が作業台リング43の幅に近づくように形成されていることが好ましい。
上下に隣接するリング41,42において、上方のリング42の各セグメントと下方のリング41の各セグメントとは、互いにリング41,42の周方向にずれて千鳥状に配置されている。なお、この配置は、リング42とリング43、リング43とリング44、及びリング44,44においても同様である。リング体4は、セグメント5をその壁面方向に沿って連結して組み立てることにより形成される。
<二重リングのセグメント>
リング体4のうち二重リング44は複数のセグメント5が連結されており、最終的に環状に形成される。図2は、2つのセグメント5が連結された状態を示している。
二重リング44のセグメント5は、沈設構造物100の外壁を形成する外側ピース51と、沈設構造物100の内壁を形成する内側ピース52と、外側ピース51と内側ピース52とを連結する連結ピース53と、を備えている。
(外側ピース)
図2及び図3に示すように、外側ピース51は、二重リング44の外壁面をなす円弧状に湾曲形成された矩形状のプレート61と、プレート61の湾曲に沿った外縁に立設された2つの主桁62と、2つの主桁62の両端部間を結ぶように主桁62の長手方向における一端に立設された継手63と、2つの主桁62間を結ぶように継手63に平行にプレート61の内面側に設けられたリブ64と、プレート61の周方向における両端に設けられた連結具65と、を備えている。
図1に示すように、外側ピース51は、刃口リング41の上方に設置されている。具体的には、刃口リング41及び外側ピース51の外周面は、沈設体1の同一径上にある。これにより、リング体4を地中に沈設する際に、外側ピース51の上方に力を加えるので、リング体4を沈設させようとする押圧力を、外側ピース51を介して刃口リング41に効率よく伝達することができる。
外側ピース51の材質は、地中への埋設時の荷重に対する耐性を備えていればよく、特に鋼製であることが好ましい。
なお、主桁62及びリブ64は、いずれもプレート61に溶接によって接合されていてもよいし、一部がプレート61と一体に形成されていてもよい。また、継手63は、主桁62に溶接によって接合されていてもよいし、一部が主桁62と一体に形成されていてもよい。
プレート61は二重リング44の外壁面をなし、2つの主桁62の間を結ぶように、かつ二重リング44の径方向外側の、主桁62の端面に接合されている。
主桁62は、プレート61の上端部及び下端部に立設されている。各主桁62には、その長手(延在)方向に沿って所定の間隔をあけて、ボルトを挿通する複数の貫通孔62aが形成されている。ここで、両主桁62の貫通孔62aは、互いに貫通孔62aが二重リング44の軸線に平行な同一軸線上に沿って貫通するように形成されており、二重リング44を上下に積み重ねた際に、各主桁62の各貫通孔62a同士が対向するように形成されている。二重リング44同士を連結する際には、上下に隣接する二重リング44の主桁62同士を突き合わせ、双方の貫通孔62aにボルトを挿通してナットで締め付けることにより、隣接する二重リング44同士を連結し、沈設体1を構築することができる。
図2に示すように、継手63は、2つの主桁62の両端部の間において主桁62の左側の一端に立設されている。主桁62の右側の他端には、セグメント5同士を連結した際に、隣接するセグメント5の左側の継手63が接続するので継手63は設けられていないが、継手63が設けられていてもよい。
図2及び図3に示すように、外側ピース51の剛性を高める機能、及び後述する連結ピース53を連結する機能の2つの機能を兼備しているリブ64が、プレート61の湾曲方向(長手方向)に沿って所定の間隔をあけて、継手63に対して平行にプレート61の内周面に立設されている。具体的には、リブ64は主桁62の各貫通孔62aの中心軸線から周方向に等間隔あけて、プレート61の内周面に溶接等により連結されている。
図3に示すように、リブ64は、セグメント5の軸線方向に沿って、上側及び下側の主桁62,62の間に延在しているが、後述する連結ピース53が設けられている位置に対応して設けられていてもよい。
なお、ここで「セグメント5の軸線方向」とは、セグメント5を連結して二重リング44にした際の環の中心を通る軸線の延在方向のことである。
なお、セグメント5の軸線方向に直交するリブ64の横断面形状は略L字形であるが、セグメント5の剛性を高め、連結ピース53との連結を可能にするのであれば、断面形状については限定されない。
リブ64には、後述する連結ピース53との連結を可能にするための貫通孔が形成されている。リブ64側の貫通孔と、連結ピース53側の貫通孔とにボルトが挿通されて、挿通されたボルトにナットを締め付けることにより、連結ピース53とリブ64とが互いに締結される。
連結具65は、プレート61の周方向における両端に設けられていて、プレート61の幅方向(短手方向)に亘って延在している。連結具65の一端はプレート61に溶接等によって接合されており、他端は鉤状に形成されている。セグメント5同士の連結は、隣接するセグメント5のプレート61における連結具65と先端部同士を噛み合わせて行う。つまりセグメント5は、連結具65を鉤状の他端において、周方向に隣接するセグメント5の連結具65の鉤状の他端と連結させることで、周方向に隣接するセグメント5に連結することができる。
なお、連結具65は別部材としてプレート61に溶接によって接合されていてもよいし、プレート61に一体に形成されていてもよい。
(内側ピース)
図2及び図3に示すように、内側ピース52は、内側ピース52の本体をなす円弧状に湾曲形成された平面視矩形状のセグメント本体71と、セグメント本体71に設けられている連結部材72と、を備えている。
セグメント本体71はコンクリートより形成されている。セグメント本体71は、セグメント5を連結して二重リング44にした際の環の中心を通る軸線方向において上側及び下側で周方向側の両端面に、後述する連結具76を収容するための凹部71aを備えている。また、セグメント本体71は、二重リング44の軸線方向に貫通するとともに互いに平行に等間隔に配置された複数の貫通孔71bを有する。ここで「軸線方向に貫通する」とは、貫通孔71bが、セグメント本体71の上端面から、後述する鋼材73のウェブ73bを貫通してセグメント本体71の下端面にまで、セグメント5の軸線に平行な同一軸線上に沿って貫通していることを意味する。
連結部材72は、その一部がセグメント本体71内に埋設され、残りの部分が外側ピース51と内側ピース52との間に突出するように露出していて、連結ピース53が、連結部材72の露出した部分に連結されている。より具体的には、連結部材72は、セグメント本体71、つまりコンクリート内に埋設されている部分、及び埋設されずに露出して、外側ピース51と内側ピース52との間の空間に突出している部分を有する鋼材73(本実施の形態においてはH形鋼、図4参照)と、鋼材73の露出している部分に設けられていて、後述する連結ピース53が連結する鋼製の連結片74と、を備えている。
図3に示すように、鋼材73は、セグメント5の軸線方向において上端部近傍及び下端部近傍の2箇所に設けられていて、セグメント本体71の周方向に延在している。
図4に示すように、鋼材73は、2つのフランジ部73a,73a及び2つのフランジ部73a,73aを結ぶウェブ73bを有している。
鋼材73の一方のフランジ部73a及びウェブ73bの一部はセグメント本体71内に、つまりコンクリート内に埋設されており、他方のフランジ部73a及びウェブ73bの残りの部分はセグメント本体71から外側ピース51に向かって突出して露出している。
図3に示すように、連結片74は、セグメント本体71の湾曲方向(長手方向)に沿って所定の間隔をあけて、上側及び下側の鋼材73の露出しているフランジ部73aの、外側ピース51を向く面に立設されている。具体的には、連結片74はフランジ部73aに溶接等により連結されている。連結片74には、後述する連結ピース53との連結のために貫通孔が形成されており、連結片74側の貫通孔と、連結ピース53側の貫通孔とにボルトが挿通されて、挿通されたボルトにナットを締め付けることにより、連結ピース53と連結片74とは互いに締結される。
図4に示すように、2つの鋼材73,73は、鋼製の配力筋75によって取り囲まれている。より具体的には、配力筋75は、上端部及び下端部に設けられている鋼材73,73それぞれの、セグメント本体71から露出しているフランジ部73a,73aの、外側ピース51を向く面、及びセグメント本体71内に埋設されているフランジ部73a,73aの、内側ピース52の内周面を向く面に接するようにして、2つの鋼材73,73に巻き付けられている。
配力筋75の、上側の鋼材73と下側の鋼材73との間で、セグメント5の軸線方向に沿って延在している、セグメント本体71から露出している部分及びセグメント本体71内に埋設される部分は、所定の箇所で互いに連結されて、より高い補強機能を果たすようになっている。
図3に示すように、セグメント本体71の周方向における両端部の上側及び下側には、セグメント5の軸線方向に所定の長さに沿って連結具76,76が設けられている。より具体的には、上側の連結具76は、セグメント本体71の上側で、セグメント本体71の上端面から上側の鋼材73のウェブ73bの上側を向く面にまで延在しており、下側の連結具76は、セグメント本体71の下側で、セグメント本体71の下端面から下側の鋼材73のウェブ73bの下側を向く面にまで延在している。
連結具76は、一端が凹部71aにおいてセグメント本体71内に、つまりコンクリート内に埋設されており、他端がセグメント本体71から露出して鉤状に形成されている。セグメント5同士の連結は、隣接するセグメント5のセグメント本体71に設けられた連結具76と先端部同士を噛み合わせて行う。即ち、セグメント5は、連結具76を鉤状の他端において、周方向に隣接するセグメント5の連結具76の鉤状の他端と連結させることで、周方向に隣接するセグメント5と連結することができる。
(連結ピース)
図2〜図4に示すように、複数の連結ピース53は、外側ピース51と内側ピース52との間に設けられて両ピース51,52を連結しており、これにより、セグメント5のせん断強度を高めている。より具体的には、連結ピース53はその一端を外側ピース51のリブ64に、またその他端を内側ピース52の連結部材72、連結片74に連結して、外側ピース51及び内側ピース52を連結している。
図3及び図4に示すように、連結ピース53は、セグメント5の軸線方向においてセグメント5の上側端部及び下側端部にそれぞれ設けられている。
図4に示すように、連結ピース53は、鋼製の棒材53aと、この棒材53aの両端に設けられた鋼製の矩形状の板材53bと、を備えている。板材53bには、連結時にリブ64及び連結片74に形成された貫通孔と同心となる貫通孔が形成されている。セグメント5の組立て時に、板材53b、リブ64及び連結片74は、それぞれ同心に整合した貫通孔にボルトが挿入されて、挿入側とは反対側に突き出たボルトにナットを締め付けることによって互いに連結されている。つまり、連結ピース53はその板材53bを、ボルト及びナットを介して、外側ピース51のリブ64及び内側ピース52の連結片74に連結させることにより、外側ピース51と内側ピース52とを連結することができる。
<底盤部>
図1に示すように、底盤部2は、沈設構造物100の基礎になると共に、地中の地下水が沈設体1の内側に湧き出すことを防止する。
底盤部2は、例えば、水中コンクリートによって構築されている。底盤部2は、その上面がほぼ水平面に沿うように構築されている。
<沈設アンカー>
沈設アンカー3は、沈設体1を地中に沈設する工程において、最上端のリング体4の上方からそのリング体4に力を加えて地中に押し込む際に、地盤に反力をとるものである。図1に示すように、沈設アンカー3は、沈設体1の沈設位置の外側かつ下方に掘削された地盤に埋設、固定される定着部31と、定着部31に連結され、沈設体1の外壁面に沿って地表まで延び、リング体4を押し込む沈設装置(図示せず)の不動部分(基礎部等)に連結される連結部32とを有している。
<作用、効果>
以上のような、地中に埋設される沈設構造物100を構成するセグメント5によれば、外側ピース51と内側ピース52とを連結ピース53で連結する構成となっているので、大断面での施工に際しても、外側ピース51と内側ピース52とを別個に作成して施工現場に搬送し、施工現場で連結ピース53によって連結して大きなセグメント5を形成することができる。これにより、大断面での施工に対応することができ、施工効率の低下を抑制することができる。
また、連結ピース53は、セグメント5のせん断補強材として用いることができるほか、外側ピース51及び内側ピース52の相互のずれや傾きを防止することができる。
また、沈設構造物100の内側の空間Sを臨む内側ピース52がコンクリートにより形成されていることで、内側ピース52を鋼材により形成する場合に必要な防錆用の塗装を内側ピース52に施す必要がないので、セグメント5を作成する際の作業負担を大幅に軽減することができる。
また、コンクリートにより形成されている内側ピース52には、連結ピース53を連結するための鋼材73と連結片74とを有する連結部材72が設けられているので、内側ピース52、より具体的にはコンクリートよりなるセグメント本体71の剛性を高めるとともに、連結ピース53と内側ピース52との連結を容易にすることができる。
また、連結ピース53を、セグメント5の、その軸線方向における両端部に、つまり上側及び下側にそれぞれ設けることにより、外側ピース51と内側ピース52との間の空間にコンクリートを打設する場合であっても、外側ピース51及び内側ピース52の相対的な移動を抑制することができ、外側ピース51及び内側ピース52を常に初期の位置関係に維持することができる。また、連結ピース53は、棒材53aとその両端部に設けられた板材53bとを備えているので、外側ピース51と内側ピース52との間の空間が完全に仕切られることがなく、コンクリート打設時に一箇所からコンクリートを打設するだけで外側ピース51と内側ピース52との間の空間全域にコンクリートを行き渡らせることができるとともに、セグメント5の軽量化を図ることもできる。
また、鋼材73を取り囲む配力筋75を有することにより、セグメント本体71の剛性をさらに高めることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、二重リング44は、平面視円形状に限らず、平面視長円形状(小判形状)、平面視多角形状に形成してもよい。
また、セグメント5は、外側ピース51も内側ピース52と同様にコンクリートから形成されたセグメントであってもよい。外側ピース51をコンクリートにより形成した場合であっても、沈設体1の沈設後に、沈設体1の浮き上がりを防止する浮上防止アンカーを貫通孔71bに挿通させることができる。
また、鋼材73は、セグメント本体71の剛性を高めることができ、かつ部分的にセグメント本体71から外側ピース51と内側ピース52との間の空間に突出して、連結ピース53が連結できるようになっていればH形鋼に限られず、他の断面形状を有していてもよい。鋼材73は、セグメント本体71に所定の剛性をもたらすのであれば、互いに所定の間隔をあけて複数の鋼材が設けられていてもよい。
また、連結部材72の連結片74は、鋼材73に設けられている場合に限られず、配力筋75に溶接等により連結されていてもよい。
また、連結ピース53は、上記のような棒材に限られることはなく、セグメント5の軸線方向に沿った鋼板等であってもよい。
また、連結ピース53とリブ64との連結、及び連結ピース53と連結片74との連結については、互いに連結されていればよく、ボルト及びナットによる連結方法には限られない。
また、連結具76は、セグメント5の軸線方向に沿ってセグメント本体71に亘って設けられていてもよい。このような実施の形態の場合、凹部71aは、セグメント本体71の周方向側の端面に亘って、セグメント5の軸線方向に沿って設けられている。
5 セグメント
51 外側ピース
52 内側ピース
53 連結ピース
61 プレート
62 主桁
64 リブ
71 セグメント本体
72 連結部材
73 鋼材
74 連結片
75 配力筋
76 連結具
100 沈設構造物

Claims (7)

  1. 地中に埋設される沈設構造物を構成するセグメントであって、
    前記沈設構造物の外壁を形成する外側ピースと、
    前記沈設構造物の内壁を形成する内側ピースと、
    前記外側ピースと前記内側ピースとを連結する連結ピースと、
    を備え、
    前記外側ピース及び前記内側ピースの少なくとも一方がコンクリートにより形成されていて、
    前記コンクリートにより形成されているピースには、前記連結ピースを連結する連結部材が設けられており、前記連結部材は、一部が前記外側ピースと前記内側ピースとの間で露出された状態において前記コンクリート内に埋設されている、
    ことを特徴とするセグメント。
  2. 前記連結ピースは、前記連結部材における前記外側ピースと前記内側ピースとの間に露出した部分に連結されていることを特徴とする請求項に記載のセグメント。
  3. 前記連結部材に、該連結部材を取り囲む配力筋が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセグメント。
  4. 前記連結部材は、
    一部が前記外側ピースと前記内側ピースとの間に露出された状態で前記コンクリート内に埋設される鋼材と、
    前記鋼材に設けられ、前記連結ピースを連結する連結片と、
    を備えることを特徴とする請求項からまでのいずれか一項に記載のセグメント。
  5. 前記連結ピースは、前記外側ピース及び前記内側ピースの、前記セグメントの軸線方向における両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のセグメント。
  6. 前記内側ピースがコンクリートにより形成されていることを特徴とする請求項1からまでのいずれか一項に記載のセグメント。
  7. 前記外側ピースは、壁面を形成するプレートと、前記プレートの上端部及び下端部に設けられた主桁と、これらの主桁間に設けられたリブとを備え、
    前記リブに前記連結ピースが連結されていることを特徴とする請求項に記載のセグメント。
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