JP6544633B2 - ファニッシャロールを備えた輪転印刷機 - Google Patents

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Description

本発明は、ファニッシャロールを備えた輪転印刷機に関する。
凹版印刷等におけるファニッシャロールは、高速回転を行なうと、製作誤差、組み付け誤差等の原因で、1から3mm程度の芯ぶれを生じることが多く、これが原因でファニッシャロールから隣接する版胴へのインキの転写ムラが生じるという問題を抱えている。
本発明の発明者は、このような問題を解決するため、簡単にセッティング出来ながら、版胴の芯ぶれに対しても容易に追従してインキムラが生じないようにできるファニッシャロールを備えた輪転印刷機を提案した(特許文献1参照)。
実用新案登録第3103166号
この技術によると、胴の芯ぶれに対してファニッシャロールが容易に追従でき、インキの転写ムラを解消できる。
しかしながら、本発明者が上記技術をさらに研究したところ、製作誤差等によって、版胴とファニッシャロールとの接触状態が左右方向(ロールの軸方向)において異なる(ずれる)場合があるということを知った。左右方向において、版胴とファニッシャロールとの接触ずれが生じると、ファニッシャロールとの接触度合いが小さい側において、版胴の表面にインキだまりが生じて印刷ムラが生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ファニッシャロールと版胴との接触ずれを防止し得たファニッシャロールを備えた輪転印刷機を提案することを目的とする。
本発明にかかる輪転印刷機は、版胴と、ファニッシャロールと、インキパンと、前記ファニッシャロールの回転軸の両端にそれぞれ取り付けられたベアリングと、前記ベアリングを上方から着脱自在に載置できる凹部を有し、前記ファニッシャロールと平行な水平軸芯の回りに回動自在に設けられた軸受部と、少なくとも一方の前記軸受部の凹部と反対側に連結され、前記ファニッシャロールを前記版胴に対して接近する方向に附勢する版胴側附勢スプリングと、前記軸受部の回動を規制する少なくとも1つのストッパーと、前記軸受部、前記ストッパー、前記版胴側附勢スプリングを一体的に保持するブラケットと、を備え、前記ブラケットは、前記版胴と前記凹部との距離が変更できるように前後方向に可動に前記インキパンに取り付けられており、前記ファニッシャロールを上方に附勢する上方附勢スプリングをさらに備える
本発明を、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る輪転印刷機の正面部分透視図であり、図2は、本発明に係る輪転印刷機の左側面部分透視図である。上記構成では、軸受部4は、ファニッシャロール1のベアリング3を上方から受け止めることが出来る凹部を有しており、且つ、水平軸芯8の回りに回動自在であり、さらに、隣接する版胴12側に向けて版胴側附勢スプリング5で附勢されている。これらにより、版胴12の芯ぶれに対してファニッシャロール1が容易に追従できるようになり、インキの転写ムラが解消される。
また、軸受部4、ストッパー6、及び版胴側附勢スプリング5は、ブラケット13(図1の太線で囲まれた部材)に一体的に保持されるとともに、ブラケット13はこれらの部材を保持したまま前後方向に可動に(軸受部4に設けられた凹部と、版胴12との距離を変更可能に)構成されている。このため、版胴側附勢スプリング5では追随できないファニッシャロール1の左右方向における版胴12との接触ずれが生じた場合には、ブラケット13ごと、ファニッシャロール1のベアリング3を保持する凹部が設けられた軸受部4等を前後方向に移動させて、ずれを解消することができる。これにより、版胴側附勢スプリング5や回動可能な軸受部4の効果を損なうことなく、接触ずれに起因する印刷ムラを防止することができる。
なお、この接触ずれは、目視により検知してもよいし輪転印刷機にセンサーを組み込んで、左右端における版胴12とファニッシャロール1との間の距離の差を機械的に検知してもよい。また、ブラケット13の可動は、手動により調整してもよく、センサー信号を利用しつつ自動的に調整される構成としてもよい。自動的にずれの検知や可動を行う構成とする場合には、ずれの検知には公知の距離センサーを、ブラケットの可動には、モーター、アクチュエータ等の公知の駆動装置を用いればよく、これらの動作を制御するためのマイクロプロセッサ等の制御装置をさらに備えていてもよい。
また、ブラケット13はインキを貯蔵するインキパン14に取り付けられており、この構成を採用することにより輪転印刷機の構成を簡略化できる。
また、既存のインキパン14に可動構造のブラケット13を取り付けるだけで本発明に係る輪転印刷機を製造でき、版胴12、インキパン14等の既存設備をそのまま使用できる。このため、低コストでもって印刷ムラ、転写ムラを防止し得た輪転印刷機を実現できる。また、図9に示すように、高速回転時に版胴12が下方にぶれた場合には、上方附勢スプリング19を縮ませてファニッシャロール1が下方に押し下がる(図9の実線で示すファニッシャロール1)。また、版胴12が上方にぶれた場合には、上方附勢スプリング19が伸びてファニッシャロール1が上方に押し上げられる(図9の一点鎖線で示すファニッシャロール1)。この作用によって、ファニッシャロール1の左右端において、高速回転時に版胴12との上下方向のずれが生じることを防止でき、版胴側附勢スプリング5の作用と相まって、より効果的に印刷ムラを防止できる。
また、ブラケット13の前後方向位置を制御するハンドル7をさらに備える構成とすることができる。
ブラケット13の前後方向位置をハンドル7により制御する構成とすると、ブラケット13の微細な位置制御を簡便に行うことができる。
また、ブラケット13は、ねじ10によりインキパン14に取り付けられ、ブラケット13に設けられたねじ用の穴9は、インキパン14との固定を維持したまま版胴12との距離が変更できるように、前後方向に長く構成されている構成とすることができる。
この構成を採用することにより、ブラケット13とインキパン14との固定状態を維持したまま、ブラケット13と版胴12との距離を調整できるため、使い勝手性がよい。
また、ブラケット13は、前後方向に0.3〜3.0cm移動可能であることが好ましい。
また、ファニッシャロール1は、どのようなものを用いてもかまわないが、図3、4に示すように、軸芯17と、軸芯17を被覆するゴム製の被覆層18と、を有し、被覆層18の表面には、その周方向に沿ったうろこ状の切削荒粗面が形成されている構成を採用すると、インキの押し込み不良、撹拌不良等に起因する弊害を抑制できるため、好ましい。
また、ファニッシャロールを上方に附勢する上方附勢スプリングをさらに備える構成を採用することが好ましい。
本発明によれば、簡易な方法でファニッシャロールと版胴との接触ずれを解消し得た輪転印刷機を実現できる。
本発明に係る輪転印刷機の正面部分透視図である。 本発明に係る輪転印刷機の左側面部分透視図である。 本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの斜視図である。 本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールを模式的に示す断面図であって、図4(a)は縦断面図、図4(b)は横断面図であり、図4(c)は部分拡大横断面図であり、図4(d)は突出部の高さとくぼみの大きさを説明する部分拡大横断面図である。 本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの切削荒粗面を示す写真であって、図5(a)はうろこ状の切削荒粗面の順目方向、図5(b)はうろこ状の切削荒粗面の逆目方向から写したものである。 本発明にかかるファニッシャロールの切削荒粗面の断面を示す顕微鏡写真であって、図6(a)はスケールなし、図6(b)は0.1mmの格子状スケールを付けたものである。 本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの変形例を模式的に示す横断面図である。 本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールのさらなる変形例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る輪転印刷機の変形例を模式的に示すブラケット部分の拡大透視正面図である。
本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る輪転印刷機の正面図であり、図2は、本実施の形態に係る輪転印刷機の左側面図である。
本実施の形態に係る輪転印刷機は、版胴12と、ファニッシャロール1と、インキパン14と、ファニッシャロール1の回転軸2の両端にそれぞれ取り付けられたベアリング3と、ベアリング3を上方から着脱自在に載置できる凹部を有しファニッシャロール1と平行な水平軸芯の回りに回動自在に設けられた軸受部4と、少なくとも一方の軸受部4の凹部と反対側に連結され、ファニッシャロール1を版胴12に対して接近する方向に附勢する版胴側附勢スプリング5と、軸受部4の回動を規制する少なくとも1つのストッパー6と、軸受部4、ストッパー6、版胴側附勢スプリング5を一体的に保持するブラケット13と、を備えている。そして、ブラケット13は、軸受部4に設けられた凹部と版胴12との距離が変更できるように前後方向に可動にインキパン14に取り付けられている。また、このブラケット13の前後方向位置を制御するためのハンドル7が取り付けられている。

上記構成によれば、軸受部4は、ファニッシャロール1のベアリング3を上方から受け止めることが出来る凹部を有しており、且つ、水平軸芯8の回りに回動自在であり、さらには、隣接する版胴12側に向けて版胴側附勢スプリング5で附勢されている。これにより、ファニッシャロール1を容易に設置でき、且つ、版胴12の芯ぶれに対してファニッシャロール1が容易に追従できる。したがって、ファニッシャロール1の取り付けを容易にでき、且つ、インキの転写ムラが解消される。
また、ストッパー6によってファニッシャロール1の回動範囲が制限される。これにより、隣接する輪胴に対する充分な接当圧を得ることができながら余分な回動を規制することで、インキパン14を上方に移動させて行う初期セッティングを行い易くすることが出来る。
しかしながら、版胴側附勢スプリング5で版胴12側にファニッシャロール1を附勢していても、製作誤差、組み付け誤差等によって、ファニッシャロール1の左右端において、版胴12との接触距離が異なるようになる(ずれる)場合が生じる。このようなずれが生じると、インキだまりが版胴12の表面に生じることにより、印刷ムラが生じてしまう。
本実施の形態の構成では、軸受部4、ストッパー6、版胴側附勢スプリング5を一体的に保持するブラケット13は、これらの部材を保持したまま版胴12との距離が変更できるように前後方向に移動可能に構成されている。このため、ファニッシャロール1の左右方向での版胴12との接触ずれを確認した場合、速やかにこの接触ずれを解消させるようにハンドル7を操作して、ブラケット13ごと軸受部4の凹部(ファニッシャロール1のベアリング3の受け部)を前後方向に移動させることができ、これによりファニッシャロール1と版胴12との左右方向の接触ずれを解消できる。つまり、上記構成によると、版胴側附勢スプリング5や回動可能な軸受部4の効果を損なうことなく、接触ずれに起因する印刷ムラを防止することができる。
なお、この左右方向における版胴12とファニッシャロール1との接触ずれは、目視により検知してもよいし、輪転印刷機にセンサーを組み込んで、左右端における版胴12とファニッシャロール1との間の距離の差を機械的に検知してもよい。また、ブラケット13の可動は、手動により調整してもよく、センサー信号を利用しつつ自動的に調整される構成としてもよい。自動的にずれの検知や可動を行う構成とする場合には、ずれの検知には公知の距離センサーを、ブラケットの可動には、モーター、アクチュエータ等の公知の駆動装置を用いればよい。
ここで、ファニッシャロール1は版胴側附勢スプリング5により版胴12に対して接近する方向に附勢されているので、版胴12と遠いほうのファニッシャロール1の端部を版胴12側に近付ける操作や、版胴12と近いほうのファニッシャロール1の端部を版胴12から遠ざける操作により、この接触ずれを解消できる。このため、版胴側附勢スプリング5等が取り付けられたブラケット13の可動構造は、一方の端部のみに設けられていても十分な効果を奏する。しかしながら、前後位置調整操作の簡便さ、ぶれに対する追随性の向上等の観点から、両方の端部に版胴側附勢スプリング5等が取り付けられたブラケット13の可動構造を採用することが好ましい。
ハンドル7は、これに接続されたブラケット13の前後方向位置を制御できるものであれば、どのような構成でもかまわない。例えば、ハンドル7はねじに接続されている構成とし、ハンドル7の操作(回動)によってねじが前後方向に移動し、このねじの移動に追随してブラケット13が前後方向に移動する構成とすると、簡易な装置構成でブラケット13の位置の微細な制御が可能となる。
ストッパー6はボルトで構成され、軸受部4の水平軸心8よりも凹部側の側面に接当するように設けられているのが好ましい。こうしたボルトによる構造であれば、ネジピッチを利用して、スパナ等の簡単な工具で微細の調節が可能であり、製造コストも抑えられる。
ファニッシャロール1と版胴12との左右方向の接触ずれは、3mm以下や5mm以下となる場合が多く、このためブラケット13の可動範囲は、最低限前後方向にそれぞれ1.5mm以上、好ましくは2.5mm以上、より好ましくは5mm以上(合計でそれぞれ3mm以上、5mm以上、10mm以上)確保する必要がある。なお、可動範囲の上限は特に設定しなくともよいが、加工の容易さや取付強度等の観点から、前後方向にそれぞれ15以下、好ましくは12mm以下、より好ましくは10mm以下(合計でそれぞれ30mm以下、24mm以下、20mm以下)とする。また、図1では一つのブラケット13に対してねじ10及びねじ穴9の数はそれぞれ2つであるが、この数に限定されず、3以上あるいは1としてもよい。
また、軸受部4、ストッパー6、版胴側附勢スプリング5が取り付けられたブラケット13は、輪転印刷機のインキパン14に対して、ねじ10により着脱自在に取り付けられていることが好ましい。そして、ねじ穴9は、ブラケット13の前後方向への可動を良好に行えるよう、前後方向(可動方向)に長手の穴であることが好ましい。このような構成を採用することで、ねじ10の固定強度を適切に調整することにより、ねじ10によるブラケット13とインキパン14との固定を維持したまま、ブラケット13の前後方向への移動を行うことが可能となる。また、インキパン14へのブラケット13の取り付け作業も容易化できる。
また、上記構造であると、ブラケット13をインキパン14に対して取り付けるだけでファニッシャロール1の軸受構成を装着することが可能であり、簡単な組み付けに作業により、既存の輪転印刷機に対して本実施の形態にかかるファニッシャロール軸受構造を簡便に取り付けることができる。
本発明に係る輪転印刷機の変形例を、図9を参照して説明する。なお、図1と同じ構成については、その説明を省略する。図9は、本発明に係る輪転印刷機の変形例を模式的に示すブラケット部分の拡大透視正面図である。
この変形例は、軸受部4のファニッシャロール1を載置する凹部に、ファニッシャロール1のベアリング3を上方に附勢する上方附勢スプリング19が設けられていること以外は、上記図1に示す構造と同じである。版胴12を高速回転時させた時のぶれには、上下方向成分も含まれるが、版胴12が下方にぶれた場合には、上方附勢スプリング19が縮んでファニッシャロール1を下方に押し下がる(図9の実線で示すファニッシャロール1)。また、版胴12が上方にぶれた場合には、上方附勢スプリング19が伸びてファニッシャロール1を上方に押し上がる(図9の一点鎖線で示すファニッシャロール1)。つまり、高速回転時における版胴12の上下方向のずれにファニッシャロール1が追随することができ、これによりインキの目詰まりや転写ムラ等を防止できる。
つまり、この構成では、版胴12が高速回転していない時の版胴12とファニッシャロール1とのずれは、ブラケット13の前後位置の調整により解消でき、高速回転時の版胴12とファニッシャロール1とのずれは、上方附勢スプリング19と版胴側附勢スプリング5が協働して解消するように作用する。これらの作用によって、印刷ムラを顕著に防止できる。
ここで、回転時の版胴12の上下方向のぶれは、3mm以下程度であるので、上方附勢スプリング19の変位可能量Lは、3mm以上、より好ましくは5mm以上確保することが好ましい。また、コスト等の観点から、上方附勢スプリング19の変位可能量Lは、15mm以下、より好ましくは12mm以下とすることが好ましい。
上方附勢スプリング19としては圧縮スプリング、版胴側附勢スプリング5としては、圧縮スプリング、引張スプリングを使用できる。また、上方附勢スプリング19と版胴側附勢スプリング5は、それぞれ同一のものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。また、この上方附勢スプリング19は、版胴側附勢スプリング5と同様、ブラケット13に保持されていることが好ましい。また、上方附勢スプリング19は、一方の端部にのみ設けられていてもよいが、より好ましくはファニッシャロール1の両方の端部に上方附勢スプリング19等が取り付けられたブラケット13の可動構造を採用する。
(ファニッシャロールについて)
ファニッシャロールとしては、どのようなものを用いてもよく、公知のものを広く用いることができる。ここで、ファニッシャロール1は、軸芯17と、軸芯17を被覆するゴム製の被覆層18と、を有し、被覆層18の表面には、その周方向に沿ったうろこ状の切削荒粗面が形成されている構成とすることが好ましい。
この構成による効果を、図面を参照して説明する。図3は、本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの斜視図であり、図4は、本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールを模式的に示す断面図であって、図4(a)は縦断面図、図4(b)は横断面図であり、図4(c)は部分拡大横断面図であり、図4(d)は突出部の高さとくぼみの大きさを説明する部分拡大横断面図であり、図5は、本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの切削荒粗面を示す写真であって、図5(a)はうろこ状の切削荒粗面の順目方向、図5(b)はうろこ状の切削荒粗面の逆目方向から写したものであり、図6は、本発明にかかるファニッシャロールの切削荒粗面の断面を示す顕微鏡写真であって、図6(a)はスケールなし、図6(b)は0.1mmの格子状スケールを付けたものであり、図7は、本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールの変形例を模式的に示す横断面図である。
図3に示すように、ファニッシャロール1の被覆層18の表面は、その周方向に沿ったうろこ状の切削荒粗面であり、周方向に沿った多数の鱗片状部15が、サイズや配置がランダムに形成されている。そして、図4(b)、(c)に示すように、うろこ状の切削荒粗面は、その横断面において鱗片状部15の先端部15aが他の表面上に重なって、くぼみ15bを形成している。図1に示すように、ファニッシャロール1を版胴12に押し当てた状態で、ファニッシャロール1の抵抗が大きい方向(うろこ状の重なり合いの逆目方向)に回転するように版胴12を回転させると、ファニッシャロール1がこの回転に伴って回転する。ここで、被覆層は弾性のあるゴムからなるので、回転による摩擦抵抗によって鱗片状部15の先端部15aが外側にしなるように変形し、その後復元する動きを繰り返すが、この鱗片状部15の先端部15aの動きによってインキが版胴12に十分に押し込まれ、且つ、余分なインキは版胴12から掻き出される。よって、版胴12の表面に泡が生じたり、目詰まりが生じたりすることを防止できる。これらの作用によって、かすれやピンホール等の印刷不良の発生をより一層防止できる。また、このファニッシャロールは、版胴12の回転に附随して回転させる構成とする場合には、回転のための動力を必要としない。
また、図1に示すように、ファニッシャロール1をインキパン14に付けた状態で回転させると、インキがくぼみ15bにたまり(図4参照)、インキパン14のインキの上面よりも上方に持ち上げられ、その後インキパン14に落とされる。この作用により、インキが十分に撹拌されるようになり、撹拌不足によってインキ表面に膜が張ることを防止できる。
また、ファニッシャロール1及び版胴12がともに金属製の場合、両者を強く押し当てると、摩擦抵抗によって回転が阻害されるおそれがある。しかしながら、この構成では、ファニッシャロール1の表面は弾性のあるゴムからなるため、ファニッシャロール1を版胴12に強く押し当てた状態でも版胴12、ファニッシャロール1ともに良好な回転が可能である。
このように、うろこ状の切削荒粗面からなる表面を備えることで、ファニッシャロール1から隣接する版胴12へのインキの転写がムラなく行え、且つ、インキの表面に膜が張ることをも防止できる。
ここで、周方向に沿ったうろこ状の切削荒粗面とは、鱗片状部15の重なり合いの方向が周方向であることを意味するが、重なり合いの方向が周方向と平行であるものに限定されるものではなく、周方向に対して傾き(30°以内、より好ましくは15°以内の傾き)をもっていてもよい。
また、被覆層の厚みは、好ましくは5〜9mmとし、より好ましくは6〜8mmとする。
被覆層を構成するゴムは、適度な弾性とインキに対する耐性(溶剤耐性)を備えていればどのような材料でもよいが、コストや加工性の観点から、ブチルゴムやEPT(エチレンプロピレン)ゴムであることが好ましい。
軸芯の材料としては特に限定されることはなく、例えば、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属材料や、硬質ゴム等の樹脂材料を使用することができ、その形状は中実、中空のいずれでもよい。中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いた中空材料は、軽量で且つ負荷によって変形する(曲がる)ことがないので好ましい。
また、鱗片状部は、高さ(図4(d)のL1参照)が平均0.18〜0.70mmであり、そのくぼみの長さ(図4(d)のL2参照)が平均0.08〜0.60mmであることが好ましい。また、平均高さは、0.21〜0.65mmであることがより好ましく、0.25〜0.60mmであることがさらに好ましい。また、くぼみの平均長さは、0.10〜0.55mmであることがより好ましく、0.14〜0.55mmであることがさらに好ましい。
また、図7に示すように、インキ撹拌押し込みロールの表面には、くぼみを有する鱗片状部15以外に、くぼみを有さない凸部16が形成されていてもよい。ここで、ロール表面のすべての突出部(鱗片状部15+凸部16)のうち、有する鱗片状部15の個数の比率は、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。また、突出部の平均高さ(全体)は、0.15〜0.70mmであることが好ましく、0.18〜0.65mmであることがより好ましく、0.22〜0.60mmであることがさらに好ましい。また、ロールの周方向の長さに対する突出部の比率は、0.2〜1.2個/mmであることが好ましく、0.3〜1.1個/mmであることがより好ましく、0.4個〜1.0/mmであることがさらに好ましい。
図8に、本発明に係る輪転印刷機に用いるファニッシャロールのさらなる変形例を模式的に示す。図8に示すように、ファニッシャロール1の被覆層の表面に、微細凹凸を備えた波状パターン11が、周方向に波紋が向くように刻設されている構成とすることができる。このように波状パターン11を備えるファニッシャロール1を用いても、隣接する輪胴へのインキの転写がムラなく行い得る。波状パターン11の微細凹凸の落差は、3〜6mmであることが好ましい。
なお、図示していないが、版胴12に対向して設けられたドクターを備える構成としてもよい。
また、このストッパー6は、左右に一対儲けられているが、少なくとも版胴側附勢スプリング5の反対側(圧縮スプリングの場合は同じ側)にのみ設ければ、所定の接当圧を付与した状態での追従が可能である。
本発明は、凹版印刷、凸版印刷における輪転印刷機で、ファニッシャロールを備えるものに簡便に適用でき、インキの転写ムラを防止できるので、本発明の産業上の利用可能性は高い。
1:ファニッシャロール
2:回転軸
3:ベアリング
4:軸受部
5:版胴側附勢スプリング
6:ストッパー
7:前後位置調整ハンドル
8:水平軸芯
9:前後方向長手ねじ穴
10:ねじ
11:波状パターン
12:版胴
13:ブラケット
14:インキパン
15:鱗片状部
15a:鱗片状部の先端部
15b:くぼみ
16:凸部
17:軸芯
18:被覆層
19:上方附勢スプリング

Claims (5)

  1. 版胴と、
    ファニッシャロールと、
    インキパンと、
    前記ファニッシャロールの回転軸の両端にそれぞれ取り付けられたベアリングと、
    前記ベアリングを上方から着脱自在に載置できる凹部を有し、前記ファニッシャロールと平行な水平軸芯の回りに回動自在に設けられた軸受部と、
    少なくとも一方の前記軸受部の凹部と反対側に連結され、前記ファニッシャロールを前記版胴に対して接近する方向に附勢する版胴側附勢スプリングと、
    前記軸受部の回動を規制する少なくとも1つのストッパーと、
    前記軸受部、前記ストッパー、前記版胴側附勢スプリングを一体的に保持するブラケットと、を備え、
    前記ブラケットは、前記版胴と前記凹部との距離が変更できるように前後方向に可動に前記インキパンに取り付けられており、
    前記ファニッシャロールを上方に附勢する上方附勢スプリングをさらに備える、輪転印刷機。
  2. 前記ブラケットの前後方向位置を制御するハンドルをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の輪転印刷機。
  3. 前記ブラケットは、ねじにより前記インキパンに取り付けられ、
    前記ブラケットには、前記ねじ用の、前後方向に長いねじ穴が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の輪転印刷機。
  4. 前記ブラケットは、前後方向に0.3〜3.0cm移動可能である、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の輪転印刷機。
  5. ファニッシャロールは、軸芯と、前記軸芯を被覆するゴム製の被覆層と、を有し、前記被覆層の表面には、その周方向に沿ったうろこ状の切削荒粗面が形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の輪転印刷機。
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