JP6544437B2 - 熱電変換材料、その製造方法、および、熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換材料、その製造方法、および、熱電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、高い熱電変換効率を有する熱電変換材料、その製造方法、および、その熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールに関する。
近年、エネルギー需要の拡大やエネルギー源となる石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料の枯渇、またCOなどの温室効果ガスの排出が大きな社会問題となっている。また化石燃料を用いた発電に於いて、一次エネルギー供給量の2/3は利用されることなく熱エネルギーとして排出され、さらにその2/3は200℃未満の低温熱として広範囲に分布している。限られた化石燃料から多くのエネルギーを得るには、これら低温熱を効率的に電気エネルギーに変換することが求められる。
熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する手法として、ゼーベック効果を用いた熱電変換技術がある。熱電変換技術は温室効果ガスを排出することなくエネルギー変換が可能であり、また使用する温度域も200℃未満の低温でも適用可能である。従って、熱電変換技術を用いることで未利用の低温熱を用いた環境負荷の小さい発電が期待されている。
熱電変換材料の性能を示すものとして性能指数Zがある。性能指数Zは、[K−1]の次元を持つので、Zに平均温度Tを乗じた下記(1)式の無次元性能指数ZTが用いられる。Tは平均温度(絶対温度)、Sはゼーベック係数、ρは電気抵抗率、κは熱伝導率である。
Figure 0006544437
200℃未満の低温域で優れた無次元性能指数ZTを有する熱電変換材料として、例えばFeVAl系合金に代表されるフルホイスラー合金が知られている。これらのフルホイスラー合金は、無毒かつ安価で、埋蔵量の多い元素から構成されており、環境負荷の観点からも近年注目されている。フルホイスラー合金は、大きいゼーベック係数Sを有する。但し、フルホイスラー合金は熱伝導率κや電気抵抗率ρが高いために、無次元性能指数ZTが実用レベルにまで高められていない。
その対策として、特許文献1では、熱伝導率κを低減して高い無次元性能指数ZTを得ることが検討されている。具体的には、フルホイスラー合金と低熱伝導率の添加材を複合化して焼結することで、熱伝導率を低下させた複合化熱電変換材料が開示されている。この熱電変換材料の製造方法として、一般式(Fe1−x1−yAl1−z(式中、Mは、Co、Ni、Pd、Ir及びPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Lは、Ti、Cr、Mn、Zr及びMoからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Rは、Mg、Si、P、S、Ca、Ge、Sn、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦0.2;0≦y≦0.2;0≦z≦0.2である。)で表される組成を有する熱電変換材料をメカニカルアロイングにより合金化し、その後、低熱伝導率の添加材としてBiを混合し、これらを加圧下で通電焼結を行うことが開示されている。これにより、低熱伝導率の物質を組織中に均一かつ微細に分散させることができ、その結果、高い熱電変換効率を持つ熱電変換材料が得られるとしている。
また、特許文献2では、FeTiSi系のフルホイスラー合金が開示されている。具体的には、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe、Ti、Si)=(50、37、13)、(50、14、36)、(45、30、25)、(39.5、25、35.5)、(54、21、25)、(55.5、25、19.5)で囲まれた領域内{除く、(50、25、25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料である。
特開2008−192652号公報 特開2015−122476号公報
特許文献1では、FeVAl系のフルホイスラー熱電変換材料に低い熱伝導率κの添加材(具体的にはBi)を添加することで無次元性能指数ZTを向上させようとしている。そこで、本発明者らが特許文献2に記載されるFeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料を用いて、特許文献1に記載されるようなBiを添加する実験を行った。しかしながら、それにより得られた熱電変換材料は、熱伝導率κが十分に低減されているとは言えず、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得ることはできなかった。
FeTiSi系の熱電変換材料において、無次元性能指数ZTを向上させるためには、さらなる別手段を検討する必要があった。
本発明の目的は、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料、およびそれを用いた熱電変換効率の高い熱電変換モジュールを提供することである。また、本発明の別の目的は、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得るための製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための一実施形態として、Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金からなる熱電変換材料であって、
FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子と、
前記2次結晶粒子の周囲を覆うFe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層とを有し、
前記被覆層は、前記FeTiSi系組成の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有する元素を含む組成であることを特徴とする熱電変換材料とする。
また、P型熱電変換材料と、N型熱電変換材料と、前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料を接続する電極と、を備えた熱電変換素子を複数有する熱電変換モジュールにおいて、
前記N型熱電変換材料および前記P型熱電変換材料の少なくとも一方は、Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金からなり、FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子と、前記2次結晶粒子の周囲を覆うFe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層を有し、前記被覆層は、前記FeTiSi系組成の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有する元素を含む組成の熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュールとする。
また、FeTiSi系の組成を有する合金の合金粉末を作製する工程と、
前記合金粉末に固溶可能で、且つ、前記合金よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素からなる組成の添加材を、前記合金粉末に添加する工程と、
前記合金粉末と前記添加材の混合体を、両者が完全には固溶しないように焼結する焼結工程と、
を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法とする。
本発明によれば、FeTiSi系のフルホイスラー合金であって、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料、およびそれを用いた熱電変換効率の高い熱電変換モジュールを提供することができる。また、電気抵抗率ρを低減し無次元性能指数ZTを高めることが可能な組織構造を持つ熱電変換材料を製造する方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る熱電変換材料の組織構造の模式図である。 本発明の実施の形態に係る熱電変換材料の作製フロー図である。 本発明の第1の実施例に係る熱電変換材料(MgAl添加)の組織構造を示す電子顕微鏡像である。 本発明の第2の実施例に係る熱電変換材料(CuAl添加)の組織構造を示す電子顕微鏡像である。 本発明の第1の比較例に係る熱電変換材料(Bi添加)の組織構造を示す電子顕微鏡像である。 本発明の第3の実施例に係る熱電変換材料における、添加材の添加量と、熱伝導率および電気抵抗率の積ρκとの関係を示すグラフである(添加材の添加無し及び実施例1、2の各例を含む)。 本発明の第3の実施例に係る熱電変換材料における、添加材の添加量と、無次元性能指数ZTとの関係を示すグラフである(添加材の添加無し及び実施例1、2の各例を含む)。 本発明の実施の形態に係る熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの一例を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る熱電変換材料におけるフルホイスラー合金の組成範囲を示す3元合金状態図である。
本発明者等は、FeTiSi系のフルホイスラー合金からなる熱電変換材料における無次元性能指数ZTの向上を検討するにあたり、特許文献1に記載のFeVAl系のフルホイスラー合金と同様の組織形態にしても、その向上効果が全く得られないことに鑑み、全く異なる手段を検討した。
その結果、Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金からなる熱電変換材料の場合には、FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子の周囲を、前記FeTiSi系の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層で覆う構成が、無次元性能指数ZTの向上に効果的であるとの知見を得た。
つまり、特許文献1は、FeVAl系のフルホイスラー合金を用い、低熱伝導率の物質を組織中に均一、かつ微細に分散させるものであった。それに対して本発明は、FeTiSi系のフルホイスラー合金を用い、この主組成に固溶可能な成分を添加材として用いたことによって、低電気抵抗率の組成からなる物質を単に2次結晶粒子の間などに析出させるだけでなく、2次結晶粒子の周囲を覆うように被覆層を形成させたものである。ここで、2次結晶粒子とは、FeTiSi系の組成を有する一又は複数の1次結晶粒子が焼結により凝集したものを指す。また、主組成FeTiSi系のフルホイスラー合金に固溶可能な成分とは、その成分を添加してもフルホイスラー型の結晶構造が維持されて固溶体を形成することができるということである。このとき、固溶体とはJISG0201:2000に定義されている通り2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相のことである。さらに、被覆層は、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素を主成分とする組成とすることが電気抵抗率ρ及び熱伝導率κを低減するために好ましい。具体的には、好ましい被覆層の組成は、Fe、Ti、Siの総量が、被覆層全体の3at%以下である組成が好ましい。さらに好ましい組成は、Fe、Ti、Siの総量が、被覆層全体の1at%以下の組成、さらに好ましくは0.5at%以下の組成である。
次に、フルホイスラー合金に添加する添加材について説明する。添加材は、FeTiSi系の合金組成に固溶可能なものとする。固溶しないものでは図1に示す結晶構造、即ち熱電変換材料が得られないためである。固溶開始温度がフルホイスラー合金の結晶化温度よりも小さいものが望ましい。FeTiSi系のフルホイスラー合金の粒成長を抑制するために、結晶化温度近傍(450℃以上800℃以下)で本結晶構造を作製することが望ましいためである。このような添加材の組成として、例えばLi、Mg、Al、Cu、Zn、Sn、Ba及びPbの中の少なくとも1種からなる元素を用いることができる。添加材として、特にMg、Al及びCuの中の少なくとも1種からなる元素を用いることが好ましい。さらに、MgとAl、もしくはCuとAlなどの合金を用いて、融点や濡れ性を調整することで、フルホイスラー合金の結晶化温度近傍(450℃以上800℃以下)で液相化し、2次粒子表面に添加材を均一に拡散可能であるため好ましい。
図1は、本発明の実施の形態に係る熱電変換材料の組織構造(結晶構造)の模式図である。FeTiSi系の2次結晶粒子101の周囲を、添加材から形成された被覆層102が覆っている。たとえ低電気抵抗率の添加材であっても、特許文献1のように、組織中に均一、かつ微細に分散させても無次元性能指数の向上にならない。無次元性能指数ZTを向上させるためには、上記のような2次結晶粒子及び被覆層の形態になるように析出させることが重要である。そのための製造方法は後述するが、焼結前にFeTiSi系合金粉末に対して固溶する元素を添加することが製造上の重要な点である。
添加材がFeTiSi系合金粉末に対して固溶しない元素を用いたものである場合は、特許文献1のように、添加材の成分が焼結により主に2次結晶粒子の3重点に凝集してしまう。本発明では、添加材は、FeTiSi系の合金組成に固溶可能な元素を用いるが、完全には固溶しないように、例えばFeTiSi系合金の結晶化温度近傍で焼結することで、2次結晶粒の周囲を覆うような被覆層として形成させることができる。これは、固溶可能な元素を用いることで、2次結晶粒子の粒界に沿って添加材が移動しやすくなり、添加材が2次結晶粒子を覆った結晶構造となったものと推測される。
図3〜図5は、実施例における熱電変換材料の組織構造の電子顕微鏡写真像である。図3〜図5において、図に示す熱電変換材料の組織構造は、走査電子顕微鏡によるエネルギー分散型X線分光法を用いて確認した。なお、その倍率は1500倍とした。
Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金は、Fe、Ti、Si、を主原料として、例えばV、Ru、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Sn、Ge、Ir、In及びGaの中の少なくとも1種の元素で一部置換した、N型またはP型のフルホイスラー合金を用いることができる。なかでも、Ru、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Sn、Ge、Ir、In及びGaなどの重元素と置換することでフルホイスラー合金の熱伝導率κを更に低減することができる。また、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu及びAlなどの元素と置換することで価電子数を精密に制御、または相安定性を向上することもできる。
Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金は、FeTiSi系の組成を有する複数の1次結晶粒子からなる2次結晶粒子が確認できる。1次結晶粒子と2次結晶粒子の組成は、実質的に同じ組成となる。
2次結晶粒子の組成は、Fe(Ti1−aM1)(Si1−bM2)(但し、M1はV、Ru、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、及びIrの中から選択される少なくとも1種からなる組成、M2はCu、Al、Ge、In、Sn、及びGaの中から選択される少なくとも1種からなる組成であり、0≦a≦0.2、0≦b≦0.2)で表されるものを用いることができる。
なお、Fe:(Ti1−aM1):(Si1−bM2)のモル比は2:1:1を基本とするがずれてもよい。具体的には、図9の3元合金状態図上の大きな黒丸6点で示した、at%表示で、(Fe、(Ti1−aM1)、(Si1−bM2))=(50、37、13)、(45、30、25)、(39.5、25、35.5)、(50、14、36)、(54、21、25)、(55.5、25、19.5)を結ぶ直線に囲まれた領域αの組成範囲であればよい。
さらに小さな黒丸6点で示した、(Fe、(Ti1−aM1)、(Si1−bM2))=(50,35,15)、(47.5,27.5,25)、(40,25,35)、(50,17,33)、(52.2,22.8,25)および(52.8,25,22.2)を結ぶ直線に囲まれた領域βの組成範囲が特に特性が良い。さらに特性の良い領域が、白丸で示した、以下の6点(Fe、Ti、Si)=(50,32.6,17.4)、(49.2,25.8,25)、(43.9,25,31.1)、(50,23,27)、(51,24,25)および(51,25,24)を結ぶ直線に囲まれた領域γの組成範囲である。
図8は本発明の実施の形態に係る熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの一例を示す断面模式図である。熱電変換モジュールは、N型熱電変換材料201、P型熱電変換材料202を電極203a、203bで接合したπ型の構造を1組の熱電変換素子とし、N型熱電変換材料201とP型熱電変換材料202が交互に配列するように複数の熱電変換素子を電極203a、203bにより接合し、さらに電極203a、203b上に伝熱材204a、204bが接合された構造としている。この熱電変換モジュールは、モジュールの一方の面(図8では伝熱材204aが配置されている側の面)を熱源により加熱し、他方の面(図8では伝熱材204bが配置されている側の面)を水冷もしくは空冷で冷却する等によりモジュール全体に温度差が印加されたときに、電極の両端(図8では右端の電極203bと左端の電極203bの両端)から効率よく電気エネルギーを取り出すことができる。
次に、本発明の実施の形態に係る熱電変換材料を得るための製造方法について説明する。
本熱電変換材料の製造方法は、図2に示すように、FeTiSi系の合金粉末を作製する工程(Step 1)と、Fe、Ti、Si以外からなる、前記FeTiSi系の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有する組成を有する添加材を、前記合金粉末に添加する工程(Step 2)と、前記合金粉末と添加材の混合体を、両者が完全には固溶しないように焼結する工程(Step 3)を有するものである。焼結工程により、FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子が形成されると同時に、前記2次結晶粒子の周囲を覆い、前記FeTiSi系の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層が形成される。
Step 1について、さらに説明する。Fe、Ti、Siの各元素の原料粉末を図9に示すαまたはβあるいはγの領域のフルホイスラー合金の組成比になるように秤量し、合金化して合金粉末を得る。
この合金粉末は、アモルファス合金とすることが好ましい。アモルファス合金とするためには、メカニカルアロイングや、超急冷法などを用いることができる。メカニカルアロイングを用いる場合、アモルファスが形成される回転数250〜500rpm、5〜100時間の条件とすることが好ましい。ここでアモルファスの材料組織は完全なアモルファスに限らず長距離秩序や短距離秩序を有するアモルファスでも良い。
Step 2について、さらに説明する。Step 1で得られた合金粉末に、前記合金粉末に固溶可能で、且つ、前記合金よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素からなる組成の添加材を添加して混合する。Fe、Ti、Siを添加してしまうと、主成分の組成比が変わってしまい、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料が得られない。また、添加材が合金粉末に固溶しない元素を用いたものであると、上記のように、添加材の成分が焼結により主に2次結晶粒子の3重点に凝集し、2次結晶粒子の周囲を被覆層が覆うような本発明特有の組織構造を持つ熱電変換材料が得られない。
上記添加材は、前記合金粉末よりも低い電気抵抗率の組成とする。具体的には下記するが、熱電変換材料の電気抵抗率を下げることができ、その結果、無次元性能指数ZTを向上させることができる。
また、添加材は、固溶開始温度がフルホイスラー合金の結晶化温度よりも低いものが望ましい。添加材をフルホイスラー合金に固溶させ、被覆層を形成しつつ、フルホイスラー合金の結晶粒子の粒成長を抑制するために、フルホイスラー合金の結晶化温度近傍で本熱電変換材料の結晶構造を作製することが望ましいためである。本実施の形態に係る熱電変換材料で用いるFeTiSi系フルホイスラー合金の結晶化温度は、500℃〜600℃にある。
添加材の組成は、前記したように、例えばLi、Mg、Al、Cu、Zn、Sn、Ba及びPbの中の少なくとも1種からなる元素を用いることができる。添加材は、特にMg、Al及びCuの中の少なくとも1種からなる元素を用いることが好ましい。
さらには、添加材は、MgとAlの少なくとも1種からなる元素を用いることが好ましい。添加材の融点を焼結の際に溶解する温度以下にすることで被覆層が形成されやすくなるため、添加材はMgとAlの合金とすることがさらに好ましい。具体的には、融点が約600℃以下になるMgAl合金の組成は、組成式:Mg1−xAlにおいて、x=0.1〜0.9である。
添加材の添加量は、前記合金粉末と添加材の全体量に対して、0vol%超6vol%以下であることが好ましい。この範囲であれば、添加材を用いないで製造した場合よりも高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得ることができる。さらに好ましい範囲は、2vol%以上5.5vol%以下である。
Step 3について、さらに説明する。Step 2で得られた混合粉末を、両者が完全には固溶しないように焼結する。焼結することで、FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子が形成されると同時に、前記2次結晶粒子の周囲を覆い、前記FeTiSi系の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層が形成される。
焼結の具体的な条件として、焼結温度をTs、添加材の融点をTm、添加材がFeTiSi系の合金粉末に完全に固溶する温度をTuとしたときに、Tm<Ts<Tuとなるように焼結を行うことが望ましい。焼結温度Tsが、添加材の融点Tmよりも高く、かつ添加材が合金粉末に完全に固溶する温度Tuよりも低い温度とすることにより、FeTiSi系の2次結晶粒子の周囲に、添加材の組成からなる被覆層がより広く形成された熱電変換材料が得られる。この被覆層は合金粒子間の極薄の電気伝導層として機能するので、結果的に、電気抵抗率ρを低減できる。
焼結温度は、1000℃以下とすることが好ましい。この温度とすることで、フルホイスラー合金の粒成長が抑制されるので、2次結晶粒子に含まれる1次結晶粒子の粒径が小さくなる。その結果、熱伝導を担うフォノンを効率的に散乱しやすくなり、熱伝導率κが低下し、無次元性能指数ZTを向上させることができる。添加材が一様に分散し、また緻密化や焼結時間の短縮などの効果を得られるため、より好ましい焼結温度は450℃以上、800℃以下である。
焼結の保持時間は、フルホイスラー合金が結晶化可能な1分以上であれば良く、通常は10時間以下である。好ましくは0.1時間以上5時間以下である。焼結雰囲気は、焼結中の酸化防止のため、真空度100Pa以下とすることが好ましい。より好ましくは50Pa以下である。また、焼結時の印加圧力は、フルホイスラー合金が緻密化する40MPa以上とすることが好ましい。より好ましくは300MPa以上である。
以下、実施例により本発明について説明する。
(実施例1)
本発明の第1の実施例について説明する。なお、発明を実施するための形態の欄に記載された上記事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用できることは言うまでも無い。本実施例では、フルホイスラー合金の主原料としてFe、Ti、およびSiを用い、かつ、価電子数を調整してN型の熱電変換特性とするための元素としてVを用いた。
Fe1.98Ti0.870.08Si1.07の組成となるように各元素の原料粉末を総重量として10g秤量した。前記原料粉末と直径10mmのSUSボールをSUS製ポット内に入れ、Oリングで封止し、遊星ボールミルを準備した。これらの作業は、酸素濃度0.01%以下のAr雰囲気下で行った。前記遊星ボールミルを用いて100rpm、1hの条件で各原料を十分に混合させ、その後、350rpm、25時間の条件でメカニカルアロイングすることで、上記組成からなるアモルファスの組織形態を有するFeTiSi系合金粉末を作製した。このFeTiSi系合金粉末の平均粒径は約20μmであった。
次に、Mg0.3Al0.7の合金粉末から成る添加材(以後、MgAl添加材)をFeTiSi系合金粉末に添加した。この合金粉末は、FeTiSi系の2次結晶粒子の周囲を覆い、低い電気抵抗率を有する被覆層を形成するためのものである。MgとAlはFeTiSi系合金粉末より融点が低く、FeTiSi系合金粉末に固溶可能な元素である。添加したMgAl添加材の量は混合粉末全体の体積に対して4vol%とした。遊星ボールミルを用いて、例えば前述の100rpm×1hという混合条件で、FeTiSi系合金粉末とMgAl添加材を十分混合させて混合粉末を得た。
その後、混合粉末を放電プラズマ焼結法により焼結した。タングステンカーバイド製ダイの中に内径5mm、高さ40mmの円筒状のカーボン冶具を挿入し、混合粉末をカーボン冶具の中に入れ、上下にタングステンカーバイド製パンチを挿入し、上下から圧力を印加しながら焼結を行った。MgAl添加材の融点は440℃、FeTiSi系合金粉末の結晶化温度は550℃であるため、焼結温度は、これらの温度以上で、かつ、両者が完全に合金化しない温度以下(本実施例においては800℃以下)の600℃とした。保持時間は30分とした。焼結時の印加圧力は1000MPaとした。焼結雰囲気は真空度10Pa以下のAr雰囲気中とした。
1次結晶粒子の粒径は、X線回折スペクトルの半値幅からシェラーの式を用いて求めたところ、20〜100nmであった。また、走査電子顕微鏡像で観察したところ、1次結晶粒子が凝集して2次結晶粒子を形成していた。この2次結晶粒子は同じ走査電子顕微鏡を用いて約1500倍の倍率で観察することができ、その粒径は5〜20μmであった。
図3は、本実施例で作製した焼結体の表面を研磨し、走査電子顕微鏡を用いてエネルギー分散型X線分光法で組織観察したものである。MgAl添加材から形成された被覆層(黒く見える部分)が2次結晶粒子(白く見える部分)を覆うように形成されている。得られた熱電変換材料の無次元性能指数ZTは0.213であった。
以上、本実施例によれば、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を提供することができる。また、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得るための製造方法を提供することができる。
(実施例2)
本発明の第2の実施例について説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用できる。本実施例では、添加材をCu0.2Al0.8の合金粉末から成る添加材(以後、CuAl添加材)とし、それ以外は実施例1と同様の原料粉末と条件により作製し評価を行った。CuやAl、若しくはその合金は、FeTiSi系合金粉末に対して、少量ではあるが固溶可能な元素である。
図4は、本実施例で作製した焼結体の表面を研磨し、走査電子顕微鏡を用いてエネルギー分散型X線分光法で組織観察したものである。CuAl添加材から形成された被覆層(黒く見える部分)が2次結晶粒子(白く見える部分)を覆うように形成されている。得られた熱電変換材料の無次元性能指数ZTは0.135であった。
以上、本実施例によれば、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を提供することができる。また、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得るための製造方法を提供することができる。
(比較例1)
添加材をBiから成る添加材(以後、Bi添加材)とし、それ以外は実施例1と同様の原料粉末と条件により実験および評価を行った。BiはFeTiSi系合金粉末に対して固溶しない元素である。
図5は、本比較例で作製した焼結体の表面を研磨し、走査電子顕微鏡を用いてエネルギー分散型X線分光法で組織観察したものである。Biの析出(黒く見える部分)が確認できるが、実施例1および2と異なり、2次結晶粒子の粒界に局所的に析出した形態となっている。これは、BiがFeTiSi系合金粉末中に固溶しないため、Biが表面エネルギーを最小化するために局所的に析出したものと推定される。また、焼結体の電気抵抗率ρも、添加材を添加していないものと同等であり、無次元性能指数ZTの向上効果は得られなかった。
(実施例3)
本発明の第3の実施例について説明する。なお、実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。本実施例では添加材の添加量を変えた例について説明する。
添加材として、実施例1で用いたMgAl添加材を用いた。添加量は、混合粉末全体量に対して2vol%と、6vol%とした。それ以外は実施例1と同様の原料粉末と条件により作製し評価を行った。
図6は、本実施例に係る熱電変換材料における添加材の添加量と、電気抵抗率ρおよび熱伝導率κの積ρκとの関係を示すグラフである。参考のため、実施例1(MgAl添加材使用、添加量4vol%)、実施例2(CuAl添加材使用、添加量4vol%)の測定値も併記している。また、比較として添加材を添加しない例(添加量0%)についても示す。
添加材を添加していない熱電変換材料は、ρκが38.9μV/Kであった。対して、MgAl添加材を2vol%、4vol%、6vol%添加した熱電変換材料は、ρκがそれよりも低い値(22.5μV/K、19.6μV/K、31.6μV/K)であった。
特に、最も低いρκを示したMgAl添加材(添加量4vol%)の実施例1の熱電変換材料は、熱伝導率および電気抵抗率の積ρκが、添加量0vol%のものと比較して約50%も低減した。
図7は、本実施例に係る熱電変換材料における添加材の添加量と、無次元性能指数ZTとの関係を示すグラフである。図6と同様、実施例1(MgAl添加材使用、添加量4vol%)、実施例2(CuAl添加材使用、添加量4vol%)の測定値等も併記している。
添加材の添加量が0vol%の熱電変換材料は、無次元性能指数ZTが、0.120であった。対して、MgAl添加材を2〜6vol%添加した熱電変換材料は、無次元性能指数ZTがそれよりも高い値(0.154、0.213、0.123)であった。特に、最も高い無次元性能指数ZTを示したMgAl添加材(添加量4vol%)の熱電変換材料は、無次元性能指数ZTが、添加量0vol%のものと比較して、約78%も向上した。
以上、本実施例によれば、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を提供することができる。また、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を得るための製造方法を提供することができる。
(実施例4)
本発明の第4の実施例について説明する。なお、実施例1乃至3の何れかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。本実施例では、図8に記載の熱電変換モジュールに、実施例1で作製した熱電変換材料を用いることを想定し、発電効率のシミュレーションを行った。N型、P型の熱電変換材料のZTはともに実施例1の0.213と仮定した。また電極203a、203b、伝熱材204a、204bの熱抵抗の合計が熱電変換材料の熱抵抗の10分の1になるように、それぞれの寸法を決定した。高温側の伝熱材204aを200℃とし、低温側の伝熱材204bの温度を50℃と設定した。この条件における熱電変換モジュールの発電効率は約2.0%であった。
比較として、添加材の添加量が0vol%の熱電変換材料で同様の実験を行ったところ、熱電変換効率は約1.2%であった。
実施例1に係る熱電変換材料は、従来のものに対して熱電変換効率が1.7倍(熱電変換効率は2.0%であり、従来のものに対してプラス0.8%)に向上するというシミュレーション結果が得られた。なお、本実施例ではP型およびN型の熱電変換材料として実施例1で示したものを用いたが、少なくともP型かN型の一方を実施例1のものとすることにより、熱電変換効率向上の効果を得ることができる。但し、両者に適用することにより熱電変換効率がより向上することは言うまでも無い。
以上、本実施例によれば、FeTiSi系のフルホイスラー熱電変換材料において、高い無次元性能指数ZTを持つ熱電変換材料を用いた熱電変換効率の高い熱電変換モジュールを提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101:2次結晶粒子、102:被覆層、201:N型熱電変換材料、202:P型熱電変換材料、203a、203b:電極、204a、204b:伝熱材。

Claims (11)

  1. Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金からなる熱電変換材料であって、FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子と、
    前記2次結晶粒子の周囲を覆うFe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層とを有し、
    前記被覆層は、前記FeTiSi系組成の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有する元素を含む組成であることを特徴とする熱電変換材料。
  2. 前記被覆層は、Li、Mg、Al、Cu、Zn、Sn、Ba、及びPbの中の少なくとも1種の元素を主成分とする組成であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記2次結晶粒子の組成は、Fe(Ti1−aM1)(Si1−bM2)(但し、M1はV、Ru、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、及びIrの中から選択される少なくとも1種からなる組成、M2はCu、Al、Ge、In、Sn、及びGaの中から選択される少なくとも1種からなる組成であり、0≦ a≦0.2、0≦b≦0.2)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換材料。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電変換材料を用いたことを特徴とする熱電変換モジュール。
  5. P型熱電変換材料と、N型熱電変換材料と、前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料を接続する電極と、を備えた熱電変換素子を複数有する熱電変換モジュールにおいて、
    前記N型熱電変換材料および前記P型熱電変換材料の少なくとも一方は、Fe、Ti、Siを主原料とするフルホイスラー合金からなり、
    FeTiSi系の組成を有する2次結晶粒子と、前記2次結晶粒子の周囲を覆うFe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層とを有し、
    前記被覆層は、前記FeTiSi系組成の結晶構造に固溶可能で、且つ、前記2次結晶粒子よりも低い電気抵抗率を有する元素を含む組成の熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュール。
  6. FeTiSi系の組成を有する合金の合金粉末を作製する工程と、
    前記合金粉末に固溶可能で、且つ、前記合金よりも低い電気抵抗率を有し、Fe、Ti、Si以外の元素からなる組成の添加材を、前記合金粉末に添加する工程と、
    前記合金粉末と前記添加材の混合体を、両者が完全には固溶しないように焼結することにより、Fe TiSi系の組成を有する2次結晶粒子と、前記2次結晶粒子の周囲を覆うFe、Ti、Si以外の元素を主成分とする被覆層とを形成する焼結工程と、
    を有することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
  7. 前記添加材は、Li、Mg、Al、Cu、Zn、Sn、Ba、及びPbの中の少なくとも1種からなる元素を用いたことを特徴とする請求項6に記載の熱電変換材料の製造方法。
  8. 前記2次結晶粒子の組成は、Fe(Ti1−aM1)(Si1−bM2)(但し、M1はV、Ru、Cr、Mn、Co,Ni,Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、及びIrの中から選択される少なくとも1種からなる組成、M2はCu、Al、Ge、In、Sn、及びGaの中から選択される少なくとも1種からなる組成であり、0≦ a≦0.2、0≦b≦0.2)で表されることを特徴とする請求項6または7に記載の熱電変換材料の製造方法。
  9. 前記合金粉末は、アモルファス化されたものであることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の熱電変換材料の製造方法。
  10. 前記添加材の添加量は、前記合金粉末と前記添加材の全体量に対して、0vol%超6vol%以下であることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の熱電変換材料の製造方法。
  11. 前記焼結の温度は、450℃以上800℃以下であることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の熱電変換材料の製造方法。
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