JP6544183B2 - 熱伝導性組成物 - Google Patents
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Description
ここで、熱伝導性組成物としては、シリコーンオイルなどの高粘度の基油に、熱伝導性フィラーを分散させたものが利用されている。熱伝導性フィラーとしては、熱伝導性の高い無機物粒子が広く利用されている(特許文献1〜4)。
また、電子部品と放熱体の積層方向に圧力を掛けた際に、熱伝導性組成物が薄くなることで、積層方向の熱抵抗が小さくなることから、上述の熱伝導性組成物には、圧力付与時に薄く変形することが求められている。
さらに、電子部品や放熱体の接合面は、微小な凹凸が生じていることから、上述の熱伝導性組成物には、このような凹凸に沿って変形する形状追従性も求められている。
また使用中に発生する熱応力によってできる隙間にも追従するような、弾性的な振る舞いも求められる。
また、無機物粒子、特に金属酸化物粒子は、弾性率が高く、変形抵抗が大きいことから、圧力を負荷した場合であっても、厚さを十分に薄くすることができない恐れがあった。
また、前記熱伝導性組成物において、前記コアシェル粒子のシェルの体積含有量は5体積%以上、40体積%以下である場合、熱伝導性組成物における前記シェルの体積含有量がこの範囲内にあるので、熱伝導性組成物の熱伝導性が向上し、また、熱伝導性組成物の柔軟性が高いまま保たれ、厚さの薄い塗布膜を形成することが可能となる。
さらに、前記熱伝導性組成物は、コアシェル粒子を50体積%以上、80体積%以下の量にて含有する場合、コアシェル粒子の含有量がこの範囲内にあるので、熱伝導性組成物の熱伝導性が向上し、また、ペーストとしての粘度が低くも高くもなりすぎず、さらに熱伝導性組成物の形状追従性や耐ポンプアウト性が向上する。
以上の理由から、本発明の熱伝導性組成物は、電子部品と放熱器との間に介在させて積層方向に圧力を付与した後の熱抵抗(熱伝導性組成物内部の熱抵抗と界面熱抵抗の総和)が低くなる。
本実施形態の熱伝導性組成物は、基油と、その基油に分散されているコアシェル粒子とを含む。コアシェル粒子の含有量は、熱伝導性組成物の全体量に対して、50体積%以上、80体積%以下であることが好ましい。コアシェル粒子の含有量が50体積%より少ないと、熱伝導度が十分に高くならないことがある。コアシェル粒子の含有量が80体積%より多いと、粘度が高くなりすぎて、熱伝導性組成物の使用時に厚さの薄い塗布膜を形成するのが困難になることがある。ここで、塗布膜の厚さは、一般に5〜500μmの範囲内である。
図1は、コアシェル粒子の模式断面図である。
コアシェル粒子1は、コア粒子2と、このコア粒子2の周囲を被覆する少なくとも一層の金属層からなるシェル3とを含むコアシェル構造を持つ。
(1)コアシェル粒子の作製
下記の前処理と無電解銀めっきとを行って、コアシェル粒子(球状アクリル樹脂粒子を銀層で被覆した粒子)を作製した。
《前処理》
塩化第一錫20g、35%塩酸20mLを、容量1Lのメスフラスコを用いて水で1Lに希釈(メスアップ)し、45℃に保温した。この水溶液に、表1に示すコア粒子(球状アクリル樹脂粒子)10gを添加し、2時間撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。以上によりコア粒子の前処理を行った。
水2Lに、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(錯化剤)630g、水酸化ナトリウム150g、ホルマリン(還元剤)300mLを溶解し、錯化剤及び還元剤を含む水溶液を作製した。また、硝酸銀100g、25%アンモニア水120mL、水600mLを混合し、硝酸銀を含む水溶液を作製した。
錯化剤及び還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させた。その後、水溶液を撹拌しながら、硝酸銀を含む水溶液を滴下し、コア粒子を42体積%のシェル(銀層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。なお、表1中のコア粒子の平均粒径と弾性率、シェルの厚さと体積含有量は、下記の方法により測定した。
SEM(走査型電子顕微鏡、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、HITACHI S−4300SE)を用いて、300個のコア粒子の直径を測定した。そして、この測定値の平均値を平均粒径とした。
微小圧縮試験機((株)島津製作所製、MCTM−200)を用いて、コア粒子を圧縮変形させ、そのときの荷重(N)と圧縮変位(mm)とを測定した。そして、コア粒子を20%圧縮変形させたときの弾性率E(単位:N/mm2)を、下記式より求めた。
コアシェル粒子を樹脂埋めした後、樹脂を研磨してコアシェル粒子の断面を露出させた。露出させたコアシェル粒子の断面を、SEMを用いて観察して、シェルの厚さを測定した。
コアシェル粒子中のシェルの重量をICP測定によって測定し、下記の式により算出した。
シェルの体積含有量(体積%)=(シェルの重量/シェルの密度)/{(コアシェル粒子の重量―シェルの重量)/コア粒子の密度+(シェルの重量/シェルの密度)}×100
熱伝導性フィラーとして、上記(1)で作製したコアシェル粒子3.0gと、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KF−54)0.57gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。なお、表2中の熱伝導性フィラーの体積平均粒子径は、下記の方法により測定した。熱伝導性フィラー濃度(体積%)は、コアシェル粒子とシリコーンオイルの重量と密度とから算出した値である。また、シェル濃度(体積%)は、熱伝導性フィラー濃度(体積%)とシェルの体積含有量(体積%)とを乗じた値である。
HORIBA社製のレーザー回折式粒度分布測定装置(LA−950)を用いて測定した。
得られた熱伝導性組成物について、熱伝導度と熱抵抗を以下の手順により評価した。評価結果を表2に示す。
熱伝導性組成物の熱伝導度(厚み方向)はホットディスク法によって測定した。具体的にはHot Disk社製の装置TPS2500Sを用いて測定を行った。
熱伝導性組成物0.5cm3を、銅板(50mm×60mm、厚さ3mm)の上に塗布した。この銅板の熱伝導性組成物を塗布した面に発熱体パッケージをトルク40Ncmの力でねじ留めした上で、T3Star装置を用いて、熱伝導性組成物の熱抵抗を測定した。発熱体パッケージはTO−3Pを用いた。発熱:1A、30sec(素子温度:ΔT=2.6℃)、測定:0.01A、測定時間:45secの条件で測定を行った。
実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、コアシェル粒子7.0gと、シリコーンオイル0.57gとしたこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
実施例1の(1)コアシェル粒子の作製において、コア粒子に平均粒径0.8μmの球状アクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表1に示すコアシェル粒子を作製した。そして、実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、上記のコアシェル粒子3.0gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
実施例1の(1)コアシェル粒子の作製において、コア粒子に平均粒径30μmの球状アクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表1に示すコアシェル粒子を作製した。そして、実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、上記のコアシェル粒子3.0gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子の作製
下記の前処理と無電解銀めっきとを行って、コアシェル粒子(球状アクリル樹脂粒子を銀層で被覆した粒子)を作製した。
《前処理》
塩化第一錫20g、35%塩酸20mLを、容量1Lのメスフラスコを用いて水で1Lに希釈(メスアップ)し、45℃に保温した。この水溶液に、表1に示すコア粒子(球状アクリル樹脂粒子)35gを添加し、2時間撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。以上により前処理を行った。
水2Lに、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(錯化剤)630g、水酸化ナトリウム150g、ホルマリン(還元剤)300mLを溶解し、錯化剤及び還元剤を含む水溶液を作製した。また、硝酸銀100g、25%アンモニア水120mL、水600mLを混合し、硝酸銀を含む水溶液を作製した。
錯化剤及び還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させた。その後、水溶液を撹拌しながら、硝酸銀を含む水溶液を滴下し、コア粒子を17体積%のシェル(銀層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。
実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、上記のコアシェル粒子1.7gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子の作製
下記の前処理と無電解銀めっきとを行って、コアシェル粒子(球状アクリル樹脂粒子を銀層で被覆した粒子)を作製した。
《前処理》
塩化第一錫20g、35%塩酸20mLを、容量1Lのメスフラスコを用いて水で1Lに希釈(メスアップ)し、45℃に保温した。この水溶液に、表1に示すコア粒子(球状アクリル樹脂粒子)5.5gを添加し、2時間撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。以上により前処理を行った。
水2Lに、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(錯化剤)630g、水酸化ナトリウム150g、ホルマリン(還元剤)300mLを溶解し、錯化剤及び還元剤を含む水溶液を作製した。また、硝酸銀100g、25%アンモニア水120mL、水600mLを混合し、硝酸銀を含む水溶液を作製した。
錯化剤及び還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させた。その後、水溶液を撹拌しながら、硝酸銀を含む水溶液を滴下し、コア粒子を57体積%のシェル(銀層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。
図2と図3のSEM写真から、コア(図3のSEM写真にて黒く見える部分)の周囲が、銀(図3のSEM写真にて白く見える部分)のコート層(高アスペクト比金属領域)で均一に被覆されていることが確認できた。
実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、上記のコアシェル粒子4.0gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
実施例6の(2)熱伝導性組成物の作製において、コアシェル粒子10.0gとシリコーンオイル0.57gを混合した以外は、実施例6と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子の作製
コア粒子として、球状シリコーン樹脂粒子(平均粒径2.5μm)を用いて、コアシェル粒子(球状シリコーン樹脂粒子を銀層で被覆した粒子)を作製した。コア粒子11.0gを、無水クロム酸を400g/L、硫酸を400g/Lの濃度で含む水溶液1L中にて30分撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。この処理によってコア粒子の親水化を行った。この親水化処理したコア粒子11.0gについて実施例1と同様の条件で前処理と無電解銀めっきとを行って、表1に示すコアシェル粒子を作製した。
熱伝導性フィラーとして、上記(1)で作製したコアシェル粒子1.6gと、シリコーンオイル0.57gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
実施例1で作製したコアシェル粒子3.0gと、シリコーンオイル(MORESCO社製、LB−15)0.54gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子(球状アクリル樹脂粒子をニッケル層で被覆した粒子)の作製
下記の前処理と無電解ニッケルめっきとを行って、コアシェル粒子を作製した。
《前処理》
塩化パラジウム100mg、塩化第一錫10g、及び濃塩酸150mLを容量1Lのメスフラスコを用いて水で1Lに希釈(メスアップ)し、45℃に保温した。この水溶液に、表1に示すコア粒子(球状アクリル樹脂粒子)5gを添加し、2時間撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。水洗後、さらにコア粒子を25mg/L塩化パラジウム溶液及び5%硫酸水溶液中に添加し、2時間撹拌した後、濾別して水洗した。以上により前処理を行った。
コハク酸ナトリウム60g、次亜リン酸ナトリウム(還元剤)300g、及び水酸化ナトリウム30gを含む水溶液2Lを作製した。また硫酸ニッケル300g、25%アンモニア水100mLを含む水溶液1000mLを作製した。
還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させ、80℃に保った。その後、水溶液を撹拌しながら、ニッケル源を含む水溶液を滴下し、1時間撹拌しながら反応させた。その後、大量のイオン交換水を投入し、反応を終了させた。こうして、コア粒子を42体積%のシェル(ニッケル層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。
熱伝導性フィラーとして、上記(1)で作製したコアシェル粒子2.4gと、シリコーンオイル0.57gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子の作製
下記の前処理と無電解銅めっきとを行って、コアシェル粒子(球状アクリル樹脂粒子を銅層で被覆した粒子)を作製した。
《前処理》
コア粒子(球状アクリル樹脂粒子)の量を1gとしたこと以外は、実施例10と同様にして前処理を行った。
ホルムアルデヒド(還元剤)230mLを加えた水溶液を2L準備した。まためっき用水溶液として硫酸銅50g、ロシェル塩1200g、水酸化ナトリウム300gを水2Lに溶解した。
還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させた。その後、水溶液を撹拌しながら、めっき用水溶液を滴下した。この時pHは12、温度は40℃になるように調整した。めっき用水溶液を滴下した水溶液を1時間撹拌し、大量の水を添加して反応を終了させた。こうして、コア粒子をシェル(銅層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。
熱伝導性フィラーとして、上記(1)で作製したコアシェル粒子2.7gと、シリコーンオイル0.57gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
上記実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、熱伝導性フィラーとして、コアシェル粒子の代わりに銀粒子(三井金属(株)社製、MD40A)6gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
(1)コアシェル粒子の作製
コア粒子として弾性率が10GPa、平均粒径が2.0μmの球状硬化アミノ樹脂粒子(日産化学工業製、オプトビーズ2000M)を用い、下記の親水化処理と前処理と無電解銀めっきを行ってコアシェル粒子(球状硬化アミノ樹脂粒子を銀層で被覆した粒子)を作製した。
《親水化処理》
コア粒子12.5gを、無水クロム酸を400g/L、硫酸を400g/Lの濃度で含む水溶液1L中にて30分攪拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。この処理によってコア粒子の親水化を行った。
塩化第一錫20g、35%塩酸20mLを、容量1Lのメスフラスコを用いて水で1Lに希釈(メスアップ)し、45℃に保温した。この水溶液に、親水化処理したコア粒子12.5gを添加し、2時間撹拌した。その後、コア粒子を濾別して水洗した。以上により前処理を行った。
水2Lに、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(錯化剤)630g、水酸化ナトリウム150g、ホルマリン(還元剤)300mLを溶解し、錯化剤及び還元剤を含む水溶液を作製した。また、硝酸銀100.0g、25%アンモニア水120mL、水600mLを混合し、硝酸銀を含む水溶液を作製した。
錯化剤及び還元剤を含む水溶液中に、前処理済みのコア粒子を浸漬させた。その後、水溶液を撹拌しながら、硝酸銀を含む水溶液を滴下し、コア粒子に42体積%のシェル(銀層)で被覆してコアシェル粒子を作製した。その後、コアシェル粒子を水洗して乾燥した。以上により、表1に示すコアシェル粒子を得た。
上記(1)で作製したコアシェル粒子3.0gと、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KF−54)0.57gとを混合し、泡とり錬太郎を用いて2000rpmで5分撹拌して、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
上記実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、熱伝導性フィラーとして、コアシェル粒子の代わりに、炭素繊維(三菱樹脂(株)製、HMシリーズ)0.42gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
上記実施例1の(2)熱伝導性組成物の作製において、熱伝導性フィラーとして、コアシェル粒子の代わりに、炭素繊維(三菱樹脂(株)製、HMシリーズ)1.3gと、シリコーンオイル0.57gとを混合したこと以外は、実施例1と同様にして、表2に示す熱伝導性組成物を作製した。得られた熱伝導性組成物の熱伝導度と熱抵抗を表2に示す。
実施例1で使用したシリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KF−54)について、熱伝導度と熱抵抗とを測定した。その結果を表2に示す。
2 コア粒子
3 シェル
4 高アスペクト比金属領域
Claims (6)
- 20%圧縮変形させたときの弾性率が5GPa以下の高分子材料からなるコア粒子と、前記コア粒子の周囲を被覆する少なくとも一層の金属層からなるシェルとを含むコアシェル構造を持つコアシェル粒子を、基油に分散させた熱伝導性組成物であって、前記コアシェル粒子を50体積%以上、80体積%以下の量にて含有し、前記シェルが、前記熱伝導組成物中に占める体積割合が5体積%以上、40体積%以下であることを特徴とする熱伝導性組成物。
- 前記シェルが、金、銀、銅、ニッケル及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一つの金属の層を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性組成物。
- 前記コア粒子が、シリコーン樹脂、シリコーンゴム及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの高分子材料の粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性組成物。
- 前記シェルが0.08μm以上、10μm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物。
- 前記シェルが0.1μm以上の厚さを有することを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性組成物。
- 前記コアシェル粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上、50μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱伝導性組成物。
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