JP6543869B2 - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子及びその製造方法に関する。
従来の半導体素子として、窒化物半導体からなる障壁層の表面がパッシベーション膜で覆われた窒化物半導体ヘテロ構造電界効果トランジスタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によれば、チャネル層と障壁層との界面であるヘテロ界面が非極性面または半極性面であり、さらに、バンドギャップが6.2eV以上と大きく絶縁性の高い表面パッシベーション膜、例えば、SiO膜、AlN膜、あるいはAl膜による表面パッシベーションを行うことにより、窒化物半導体HFETにおいて、電流コラプスフリーで、かつ高耐圧を実現することができる。
また、従来の他の半導体素子として、Al等の酸化物を含むゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009―147264号公報 特開2012−138392号公報
本発明の目的は、Ga層の表面を覆う酸化物絶縁膜を有し、リーク電流の発生を効果的に抑制することができる半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、以下の[1]〜[]の半導体素子を
提供する。
[1]電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層と、前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、前記半導体層の前記表面上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記半導体層の前記表面上の前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されたゲート電極とを含む電極と、を有し、前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含前記酸化物絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成され、前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、半導体素子。
[2]電流経路となる、結晶質のGa からなる半導体層と、前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、前記半導体層の前記表面と反対側の面上に直接又は他の層を介して設けられた結晶質のGa からなるGa 基板と、前記半導体層の前記表面上に形成されたソース電極と、前記半導体層にゲート絶縁膜を介して隣接するように形成されたゲート電極と、前記Ga 基板の前記半導体層と反対側の面上に形成されたドレイン電極とを含む電極と、を有し、前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含み、前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記表面上に前記酸化物絶縁膜を介して形成された前記ゲート電極の真下の前記酸化物絶縁膜の部分、又は前記半導体層中に埋め込まれた前記ゲート電極を覆う絶縁膜であり、前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、半導体素子。
[3]電流経路となる、結晶質のGa からなる半導体層と、前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、前記半導体層の前記表面と反対側の面上に直接又は他の層を介して設けられた結晶質のGa からなるGa 基板と、前記半導体層の前記表面上に形成され、前記半導体層との間にショットキー接合を形成するショットキー電極と、前記Ga 基板との間にオーミック接合を形成するオーミック電極とを含む電極と、を有し、前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含み、前記ショットキー電極の前記酸化物絶縁膜側の一部が、前記酸化物絶縁膜の一部を覆うフィールドプレート電極であり、前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、半導体素子。
[4]前記ゲート電極は、前記酸化物絶縁膜を介して前記半導体層の前記表面上に形成される、前記[]に記載の半導体素子。
[5]前記酸化物絶縁体は、(Al Ga 1−x (0<x≦1)である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の半導体素子。
[6]前記酸化物絶縁体は、Al である、前記[5]に記載の半導体素子。
[7]また、本発明の他の態様は、上記目的を達成するために、以下の[7]〜[15]の半導体素子の製造方法を提供する。
[7]電流経路となる、結晶質のGa からなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、前記半導体層の前記表面上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記半導体層の前記表面上の前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にゲート電極を形成する工程と、を含み、前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成し、前記酸化物絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される、半導体素子の製造方法。
[8]結晶質のGa からなるGa 基板上に直接又は他の層を介して形成された、電流経路となる、結晶質のGa からなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、前記半導体層の前記表面上にソース電極を形成する工程と、前記半導体層にゲート絶縁膜を介して隣接するようにゲート電極を形成する工程と、前記Ga 基板の前記半導体層と反対側の面上にドレイン電極を形成する工程と、を含み、前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成し、前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記表面上に前記酸化物絶縁膜を介して形成された前記ゲート電極の真下の前記酸化物絶縁膜の部分、又は前記半導体層中に埋め込まれた前記ゲート電極を覆う絶縁膜である、半導体素子の製造方法。
[9]結晶質のGa からなるGa 基板上に直接又は他の層を介して形成された、電流経路となる、結晶質のGa からなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、前記半導体層の前記表面上に、前記半導体層との間にショットキー接合を形成するショットキー電極を形成する工程と、前記Ga 基板との間にオーミック接合を形成するオーミック電極を形成する工程と、を含み、前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成し、前記ショットキー電極は、前記酸化物絶縁膜側の一部が前記酸化物絶縁膜の一部を覆い、フィールドプレート電極となるように形成される、半導体素子の製造方法。
[10]前記酸化物絶縁体は、Al であり、前記結晶質層及び前記非晶質層は、酸素プラズマを酸化剤に用いたプラズマALD法を用いて前記酸化物絶縁体を主成分とする材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させることにより、連続的に形成される、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[11]前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させながら、堆積温度を前記材料の結晶化温度よりも高い温度から低い温度へ切り換えることにより、連続的に形成される、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[12]前記結晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質の材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させた後、熱処理により前記材料を結晶化させることにより得られ、前記非晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質の材料を前記結晶質層上に堆積することにより得られる、前記[7]〜[9]のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[13]前記酸化物絶縁体は、(Al Ga 1−x (0<x≦1)である、前記[7]〜[9]、[11]、[12]のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[14]前記酸化物絶縁体は、Al である、前記[13]に記載の半導体素子の製造方法。
[15]前記ゲート電極は、前記酸化物絶縁膜を介して前記半導体層の前記表面上に形成される、前記[7]に記載の半導体素子の製造方法。
本発明によれば、Ga層の表面を覆う酸化物絶縁膜を有し、リーク電流の発生を効果的に抑制することができる半導体素子及びその製造方法を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係るGa系MISFETの垂直断面図である。 図2(a)〜(d)は、第1の実施の形態に係るGa系MISFETの製造工程を表す垂直断面図である。 図3は、Ga系MISFETの一部の垂直断面のTEM画像である。 図4は、第1の実施の形態に係る絶縁膜の耐電圧試験を実施したときの試料の構成を模式的に表す垂直断面図である。 図5は、耐電圧試験により得られた第1の実施の形態に係る絶縁膜及び比較例に係る絶縁膜の耐電圧特性を表すグラフである。 図6(a)〜(c)は、それぞれGa基板、Ga基板上に形成された第1の実施の形態に係る絶縁膜、Ga基板上に形成された比較例に係る絶縁膜の表面のAFM画像である。 図7は、第2の実施の形態に係るGa系MISFETの垂直断面図である。 図8は、第3の実施の形態に係るGa系MISFETの垂直断面図である。 図9は、第4の実施の形態に係るGa系MESFETの垂直断面図である。 図10は、第5の実施の形態に係るGa系MISFETの垂直断面図である。 図11は、第6の実施の形態に係るGa系MISFETの垂直断面図である。 図12は、第7の実施の形態に係るショットキーバリアダイオードの垂直断面図である。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、半導体素子としてのプレーナゲート構造を有するGa系MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)についての形態である。
(半導体素子の構成)
図1は、第1の実施の形態に係るGa系MISFET10の垂直断面図である。Ga系MISFET10は、高抵抗Ga基板2上に形成されたGa層3と、Ga層3上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、ソース電極12とドレイン電極13との間のGa層3上に酸化物絶縁膜14を介して形成されたゲート電極11を含む。
高抵抗Ga基板2は、β−Ga単結晶からなる基板であり、Mg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Tl、Pb、N、又はP等のp型ドーパントを添加することにより高抵抗化されている。
高抵抗Ga基板2の主面は、(100)面から50°以上90°以下の角度だけ回転させた面であることが好ましい。すなわち、主面と(100)面のなす角θ(0<θ≦90°)が50°以上であることが好ましい。(100)面から50°以上90°以下回転させた面として、例えば、(010)面、(001)面、(−201)面、(101)面、及び(310)面が存在する。
高抵抗Ga基板2の主面が、(100)面から50°以上90°以下の角度だけ回転させた面である場合、高抵抗Ga基板2上にβ−Ga系結晶をエピタキシャル成長させるときに、β−Ga系結晶の原料の高抵抗Ga基板2からの再蒸発を効果的に抑えることができる。具体的には、β−Ga系結晶を成長温度500℃で成長させたときに再蒸発する原料の割合を0%としたとき、高抵抗Ga基板2の主面が、(100)面から50°以上90°以下回転させた面である場合、再蒸発する原料の割合を40%以下に抑えることができる。そのため、供給する原料の60%以上をβ−Ga系結晶の形成に用いることができ、β−Ga系結晶の成長速度や製造コストの観点から好ましい。
β−Ga結晶は単斜晶系の結晶構造を有し、その典型的な格子定数はa=12.23Å、b=3.04Å、c=5.80Å、α=γ=90°、β=103.7°である。β−Ga結晶においては、c軸を軸として(100)面を52.5°回転させると(310)面と一致し、90°回転させると(010)面と一致する。また、b軸を軸として(100)面を53.8°回転させると(101)面と一致し、76.3°回転させると(001)面と一致し、53.8°回転させると(−201)面と一致する。
また、高抵抗Ga基板2の主面は、(010)面から37.5°以下の角度だけ回転させた面であってもよい。この場合、Ga層3の表面を原子レベルで平坦にすることができるため、酸化物絶縁膜14とGa層3との界面が急峻になり、より高いリーク抑制効果が得られる。
Ga層3は、β−Ga単結晶からなる層であり、Sn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Ru、Rh、Ir、C、Si、Ge、Pb、Mn、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、I等のn型ドーパントを含む。なお、Ga層3は酸化物からなるため、表面に自然酸化膜が形成されず、後述する酸化物絶縁膜14のパッシベーション膜としての機能が自然酸化膜により阻害されるおそれがない。
Ga層3は、Ga系MISFET10のチャネル層として機能する。また、Ga層3の厚さは、例えば、10〜1000nm程度である。
なお、Ga層3中のソース電極12及びドレイン電極13の下にそれぞれソース領域及びドレイン領域が形成されてもよい。ソース領域及びドレイン領域は、イオン注入法等によりn型ドーパントをGa層3中に導入することにより形成される。
ゲート電極11、ソース電極12、及びドレイン電極13は、例えば、Au、Al、Ti、Sn、Ge、In、Ni、Co、Pt、W、Mo、Cr、Cu、Pb等の金属、これらの金属のうちの2つ以上を含む合金、又はITO等の導電性化合物からなる。また、異なる2つの金属からなる2層構造、例えばTi/Al、Ti/Au、Ti/Pt、Al/Au、Ni/Au、Au/Niを有してもよい。
酸化物絶縁膜14は、(AlGa1−x(0<x≦1)、SiO、HfO、ZrO等の酸化物を主成分とする絶縁性の膜、又はこれらの酸化物のうちの異なる酸化物をそれぞれ主成分とする2以上の絶縁性の膜が積層された多層膜である。また、酸化物絶縁膜14は、主に非晶質であるが、一部もしくはその全体が結晶化していてもよい。酸化物絶縁膜14は、ソース電極12とドレイン電極13の間に形成される。酸化物絶縁膜14のゲート電極11の真下の部分はゲート絶縁膜として機能し、Ga層3の表面のソース電極12とゲート電極11との間の領域及びゲート電極11とドレイン電極13との間の領域を覆う部分はパッシベーション膜として機能する。すなわち、本実施の形態においては、ゲート絶縁膜とパッシベーション膜が同じ材料からなり、一体に形成される。
本願発明者らは、高抵抗のGa基板を有する素子にリークが発生する場合、リーク電流はチャネル層の表面を流れる傾向があることを見出した。そこで、本実施の形態では、チャネル層として機能するGa層3の表面を酸化物絶縁膜14で覆うことにより、リークを抑制している。
そして、本実施の形態におけるパッシベーション膜によるリーク電流の抑制効果は、Si基板を有するトランジスタ等の、リーク電流が基板内部を流れやすい素子におけるパッシベーション膜によるリーク電流の抑制効果よりも、格段に大きいことがわかった。
ゲート絶縁膜及びパッシベーション膜の材料は、絶縁破壊電界強度が高く、また、Ga層3との界面で界面準位を形成しにくい酸化物であることが好ましい。
絶縁破壊電界強度の大きな材料としては、酸化物の他に、SiN、AlN等の窒化物絶縁体が挙げられる。しかし、窒化物絶縁膜を酸化物絶縁膜14の代わりに用いて、酸化物からなるGa層3の表面を覆った場合、窒化物絶縁膜とGa層3が異種材料からなるため、これらの界面に多量の界面準位が形成され、それらがリーク源となるおそれがある。
一方、酸化物からなる酸化物絶縁膜14とGa層3は同種材料からなるため、これらの界面には界面準位が形成されにくいと予想される。特に、酸化物の中でも、AlはGaと相性が良く、(AlGa1−x混晶膜を形成することができ、Alのみならず、Gaを含む(AlGa1−xも酸化物絶縁膜14の材料として用いることができる。
(AlGa1−x(0<x≦1)を酸化物絶縁膜14の材料として用いることで、広い範囲で素子特性を制御することができる。具体的には、Alの割合が大きい(xが1に近い)ほど、酸化物絶縁膜14の絶縁破壊電界強度が高くなるため、Ga系MISFET10の耐電圧特性を向上させ、また、ゲートリーク電流を低減することができる。一方、Gaの割合が大きい(xが0に近い)ほど、酸化物絶縁膜14の結晶構造がGa層3の結晶構造に近づくため、Ga層3の表面のダングリングボンドをより低減することができる。このため、界面準位をより低減し、界面リーク電流を低減することができる。このように、界面リーク低減効果、素子特性制御性の点から、(AlGa1−x(0<x≦1)が酸化物絶縁膜14の材料として好ましい。
また、後述するように、Alは原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法によって高品質な膜を形成できることが確認されている。ALD法は他の製法に比べて被覆性に優れた成膜方法であり、高品質な界面を実現出来る。また、大面積での膜厚制御性に優れた製法のため、高い量産性が期待される。このため、(AlGa1−x(0<x≦1)の中でも、ALD法を用いることにより高い界面リーク低減効果と高い量産性を実現することのできるAl(x=1)が酸化物絶縁膜14の材料として特に好ましいといえる。
酸化物絶縁膜14の材料としてAlを用いる場合、結晶質層14aには、三方晶系のコランダム型のα−Al、立方晶系のスピネル型のγ−Al、又はβ−Gaと同様の単斜晶系のβ−ガリア型のAl等を用いることができる。特に、Ga層3を構成するβ−Gaと同一の結晶構造を有するβ−ガリア型のAlを用いることにより、Ga層3の表面のダングリングボンドをより低減することができ、より高い界面準位低減効果が得られる。
酸化物絶縁膜14は、Ga層3に接触する結晶質の酸化物絶縁体からなる結晶質層14aと、結晶質層14a上の非晶質の酸化物絶縁体からなる非晶質層14bとを含む。結晶質層14aは、Ga層3の結晶軸に配向している。
結晶質層14aは、Ga層3の結晶軸に配向しているため、リーク電流発生の原因となるGa層3の表面のダングリングボンドを低減し、それによって界面準位を低減し、界面リーク電流を抑制しているものと考えられる。一方、一般に、非晶質の酸化物は結晶質の酸化物よりも膜中のリーク電流が小さいため、酸化物絶縁膜14のGa層3との界面近傍の領域以外の領域は非晶質であることが好ましく、結晶質層14a上に非晶質層14bが形成される。また、結晶質層14aよりも非晶質層14bを厚くすることで、より大きな膜中リーク電流低減効果が得られる。
このように、酸化物絶縁膜14が結晶質層14aと非晶質層14bの2層を含むことにより、結晶質層のみから構成される場合、及び非晶質層のみで構成される場合よりも、効果的にリークを抑制することができる。また、本実施の形態においては、酸化物絶縁膜14がゲート電極11の真下にも設けられているため、同様の理由により、ゲートリークも効果的に抑制することができる。
結晶質層14aの厚さは、Ga層3の表面のダングリングボンドを塞ぐことができる厚さであれば十分であり、結晶質層14aの厚さは、例えば、0.1〜100nmである。非晶質層14bの厚さは、例えば、0.2〜2000nmである。
酸化物絶縁膜14のパッシベーション膜として機能する部分は、Ga層3の表面のなるべく広い領域を覆っていることが好ましく、ソース電極12とドレイン電極13に接触していることが好ましい。
Ga系MISFET10は、ゲート直下のGa層3のドナー濃度と厚さに依存して、ノーマリーオン型又はノーマリーオフ型になる。
Ga系MISFET10がノーマリーオン型である場合、ソース電極12とドレイン電極13は、Ga層3を介して電気的に接続されている。そのため、ゲート電極11に電圧を印加しない状態でソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加すると、ソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れる。一方、ゲート電極11に電圧を印加すると、Ga層3のゲート電極11下の領域に空乏層が形成され、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加してもソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れなくなる。
Ga系MISFET10がノーマリーオフ型である場合、ゲート電極11に電圧を印加しない状態では、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加しても電流は流れない。一方、ゲート電極11に電圧を印加すると、Ga層3のゲート電極11下の領域の空乏層が狭まり、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加するとソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れるようになる。
以下に、本実施の形態に係るGa系MISFET10の製造方法の一例について説明する。
(半導体素子の製造方法)
図2(a)〜(d)は、第1の実施の形態に係るGa系MISFET10の製造工程を表す垂直断面図である。
最初に、図2(a)に示されるように、高抵抗Ga基板2上にGa層3を形成する。高抵抗Ga基板2は、例えば、フローティングゾーン法で育成したFeドープ高抵抗β−Ga結晶を、所望の厚さにスライス、研磨加工することにより得られる。高抵抗Ga基板2の主面は、例えば、(010)面とする。
Ga層3は、例えば、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、又は分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法を用いてβ−Ga単結晶を成長させることにより形成される。
Ga層3にn型ドーパントを導入する方法としては、例えば、β−Ga単結晶膜を成長させた後でイオン注入法によりn型ドーパントを注入する方法や、n型ドーパントを含んだβ−Ga単結晶膜をエピタキシャル成長させる方法がある。
前者の方法を用いる場合は、例えば、分子線エピタキシー法を用いて、高抵抗Ga基板2上に厚さ300nmのβ−Ga単結晶膜をホモエピタキシャル成長させた後に、その全面にSiの多段イオン注入を施す。ここで、注入深さを300nm、注入Siの平均濃度を3×1017cm−3とすることで、ノーマリーオン型のGa系MISFET10が得られる。また、例えば注入深さを300nm、注入Siの平均濃度を1×1016cm−3とすることで、ノーマリーオフ型のGa系MISFET10が得られる。
後者の方法を用いる場合は、例えば、分子線エピタキシー法を用いて、高抵抗Ga基板2上にSnを含む厚さ300nmのβ−Ga単結晶膜をホモエピタキシャル成長させる。ここで、Snのドープ量は、例えば、7×1017cm−3とすることで、ノーマリーオン型のGa系MISFET10が得られる。また、例えばSnのドープ量を1×1016cm−3とすることで、ノーマリーオフ型のGa系MISFET10が得られる。
次に、図2(b)に示されるように、Ga層3上の全面にAl等の酸化物絶縁体を主成分とする材料を堆積させ、結晶質層14aと非晶質層14bを含む酸化物絶縁膜14を形成する。酸化物絶縁膜14を形成する方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。
第1の方法では、酸素プラズマを酸化剤に用いたプラズマALD(Atomic Layer Deposition)法を用いる。この第1の方法は、Alが酸化物絶縁膜14の材料である場合に用いることができる。例えば、まず、Alの有機金属を原子層レベルの厚さで一層堆積させた後、酸化剤によりAlを酸化し、Al膜を形成する。1サイクルで0.1nm程度の厚さになるので、これを所望の回数繰り返すことで必要な膜厚の酸化物絶縁膜14が得られる。
この酸化剤を用いたプラズマALD法により、例えば、厚さ20nmのAl膜をGa層3上の全面に形成することにより、結晶質のAlからなる結晶質層14aと、非晶質のAlからなる非晶質層14bが連続的に形成され、酸化物絶縁膜14が得られる。この第1の方法によれば、一定の条件でAlを堆積させれば、結晶質層14aと非晶質層14bが得られる。このように、自然に結晶質層14aが得られるのは、GaとAlの組み合わせによる特殊な現象であり、本発明者らによって初めて明らかにされたものである。このような現象は、GaとAlが同じIII族酸化物であり、類似の性質を持つために生じるものと考えられる。この第1の方法は、以下に示す他の2つの方法を含めた3つの方法の中で最も簡便であり、製造コストを低く抑えられる。
第2の方法では、酸化物絶縁体の種類や堆積方法は特に限定されず、堆積中に堆積温度を材料の結晶化温度よりも高い温度から低い温度へ切り換える。例えば、ALD法、CVD(chemical vapor deposition)法、又はPVD(Physical Vapor Deposition)法によりAlをGa層3上の全面に堆積させながら、Alの結晶化温度(例えば、900℃)よりも高い温度から低い温度へ切り換えることにより、結晶質のAlからなる結晶質層14aと、非晶質のAlからなる非晶質層14bが連続的に形成され、酸化物絶縁膜14が得られる。第2の方法では、酸化物絶縁体の種類が限定されず、結晶質層の厚さを任意に調整できるという利点がある。
第3の方法では、酸化物絶縁体の種類や堆積方法は特に限定されず、非晶質の層を熱処理により結晶化した後、その上に非晶質の層を形成する。例えば、ALD法、CVD法、又はPVD法により非晶質のAlをGa層3上の全面に堆積させた後、熱処理によってこれを結晶化し、結晶質層14aを形成する。その後、結晶質層14a上に非晶質のAlを堆積させ、非晶質層14bを形成する。これにより、結晶質のAlからなる結晶質層14aと、非晶質のAlからなる非晶質層14bを含む酸化物絶縁膜14が得られる。第3の方法も、第2の方法と同様に酸化物絶縁体の種類が限定されず、結晶質層の厚さを任意に調整できるが、製造プロセスが煩雑であり、製造コストが高いという問題がある。
次に、図2(c)に示されるように、Ga層3上に、酸化物絶縁膜14を介してゲート電極11を形成する。
例えば、フォトリソグラフィによりマスクパターンを酸化物絶縁膜14上に形成した後、Ti/Pt等の金属膜を酸化物絶縁膜14上の全面に蒸着し、リフトオフによりマスクパターン及びその上の金属膜を除去することにより、ゲート電極11が形成される。
次に、図2(d)に示されるように、Ga層3上にソース電極12及びドレイン電極13を形成する。
例えば、まず、ソース電極12及びドレイン電極13の形成位置上の酸化物絶縁膜14をドライエッチング等により除去する。次に、フォトリソグラフィによりマスクパターンをGa層3上に形成した後、Ti/Au等の金属膜をGa層3上の全面に蒸着し、リフトオフによりマスクパターン及びその上の金属膜を除去することにより、ソース電極12及びドレイン電極13が形成される。
ソース電極12及びドレイン電極13を形成した後、例えば、窒素雰囲気下、450℃、1分の処理条件で電極アニール処理を施す。このアニール処理により、Ga層3とソース電極12、ドレイン電極13との間でオーミックコンタクトが得られる。なお、酸化物絶縁膜14を形成する前にソース電極12及びドレイン電極13を形成してもよい。
以下に、本実施の形態に係る酸化物絶縁膜14の評価結果の一例について説明する。
(TEM観察)
図3は、Ga系MISFETの一部の垂直断面のTEM(Transmission Electron Microscope)画像である。図3に係る酸化物絶縁膜14は、酸素プラズマを酸化剤として用いるプラズマALD法による第1の方法で形成されたAl膜である。このプラズマALD法による成膜時の基板温度は、250℃である。図3は、酸化物絶縁膜14が結晶質層14aと非晶質層14bを有することを示している。結晶質層14aと非晶質層14bの厚さは、それぞれ2.7nm程度、16nm程度である。なお、図3に係るGa層3の主面は(010)である。また、ゲート電極11は、Ti/Pt/Auの積層構造を有する。
(耐電圧試験)
図4は、酸化物絶縁膜14の耐電圧試験を実施したときの試料60の構成を模式的に表す垂直断面図である。酸化物絶縁膜14は、n型ドーパントを含むβ−Ga結晶からなるn型Ga基板61上に形成されており、絶縁層14の非晶質層14bとn型Ga基板61にAuからなるアノード電極62とTi/Auからなるカソード電極63がそれぞれ接続されている。n型Ga基板61の主面は(−201)とした。
また、比較例として、酸化物絶縁膜14の代わりに、比較例に係る酸化物絶縁膜が用いられた、試料60と同様の構成を有する試料も用意した。
図4に係る酸化物絶縁膜14は、酸素プラズマを酸化剤として用いるプラズマALD法による第1の方法で形成されたAl膜である。また、比較例に係る酸化物絶縁膜は、水蒸気を酸化剤として用いる熱ALD法により形成された非結晶層のみからなる単層のAl膜である。いずれの膜の厚さも20nmである。
試料60及び比較例に係る試料のアノード電極62とカソード電極63との間に電圧を印加し、酸化物絶縁膜14及び比較例に係る酸化物絶縁膜の耐電圧特性を調べた。
図5は、耐電圧試験により得られた酸化物絶縁膜14及び比較例に係る酸化物絶縁膜の耐電圧特性を表すグラフである。図5は、熱ALD法により形成された比較例に係る酸化物絶縁膜の絶縁破壊電圧は10V程度であるのに対し、プラズマALD法により形成された酸化物絶縁膜14の絶縁破壊電圧は25V程度であることを示している。このことは、プラズマALD法により形成された酸化物絶縁膜14の方が熱ALD法により形成された比較例に係る単層の酸化物絶縁膜よりも緻密であり、Ga系MISFET10において効果的にリークを抑制できることを表している。
(AFM観察)
図6(a)〜(c)は、それぞれGa基板、Ga基板上に形成された酸化物絶縁膜14、Ga基板上に形成された比較例に係る酸化物絶縁膜の表面のAFM(Atomic Force Microscope)画像である。いずれの画像も、2μm×2μmの範囲を写したものである。GaO基板の主面は(−201)とした。
図6(b)に示される酸化物絶縁膜14は、酸素プラズマを酸化剤とするプラズマALD法により形成された結晶質層14aと非晶質層14bを有するAl膜である。図6(c)に示される比較例に係る酸化物絶縁膜は、水蒸気を酸化剤として用いる熱ALD法により形成された非結晶層のみからなる単層のAl膜である。いずれの膜の厚さも20nmである。
図6(a)に示されるGa基板の表面に見える複数の平行な線は、原子ステップを表している。図6(b)によれば、Ga基板の表面の原子ステップが酸化物絶縁膜14の表面に明瞭に現れている。これは、酸化物絶縁膜14がGa基板の表面に原子レベルで密着していることを示しており、酸化物絶縁膜14とGa基板との間に非常に急峻で高品質な界面が形成されているものと考えられる。
一方、図6(c)によれば、比較例に係る酸化物絶縁膜の表面にはGa基板の表面の原子ステップはほとんど現れていない。このことは、プラズマALD法により形成された酸化物絶縁膜14の方が熱ALD法により形成された単層の酸化物絶縁膜よりも、Ga系MISFET10においてGa層3との間に品質の高い界面を形成し、より効果的にリークを抑制できることを表している。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、ゲート絶縁膜とパッシベーション膜が、それぞれ独立して形成される点で第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
図7は、第2の実施の形態に係るGa系MISFET20の垂直断面図である。Ga系MISFET20は、高抵抗Ga基板2上に形成されたGa層3と、Ga層3上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、ソース電極12とドレイン電極13との間のGa層3上にゲート絶縁膜22を介して形成されたゲート電極11と、Ga層3の表面のソース電極12とゲート電極11との間の領域及びゲート電極11とドレイン電極13との間の領域を覆うパッシベーション膜21と、を含む。
パッシベーション膜21は、結晶質層21aと、その上の非晶質層21bを有し、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の構成を有する。パッシベーション膜21は、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の方法により形成される。また、パッシベーション膜21は、Ga層3の表面のなるべく広い領域を覆っていることが好ましく、ソース電極12とドレイン電極13に接触していることが好ましい。
ゲート絶縁膜22は、SiO、HfO、ZrO、(AlGa1−y(0<y≦1)等の酸化物を主成分とする絶縁性の膜、又はこれらの酸化物のうちの異なる酸化物をそれぞれ主成分とする2以上の絶縁性の膜が積層された多層膜である。ゲート絶縁膜22の材料は、パッシベーション膜21の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、ゲート絶縁膜22の材料としてパッシベーション膜21の材料よりも誘電率の高いものを用いることにより、ゲートリーク等を第1の実施の形態のGa系MISFET10よりも効果的に抑えることができる。
パッシベーション膜21及びゲート絶縁膜22は、例えば、フォトリソグラフィとエッチングによりパターニングされ、どちらが先に形成されてもよい。
パッシベーション膜21を有するGa系MISFET20においては、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14を有するGa系MISFET10と同様に、効果的にリークが抑制される。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、パッシベーション膜ではなくゲート絶縁膜が第1の実施の形態の酸化物絶縁膜と同様の構成を有する点で第2の実施の形態と異なる。なお、第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
図8は、第3の実施の形態に係るGa系MISFET30の垂直断面図である。Ga系MISFET30は、高抵抗Ga基板2上に形成されたGa層3と、Ga層3上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、ソース電極12とドレイン電極13との間のGa層3上にゲート絶縁膜32を介して形成されたゲート電極11と、Ga層3の表面のソース電極12とゲート電極11との間の領域及びゲート電極11とドレイン電極13との間の領域を覆うパッシベーション膜31と、を含む。
ゲート絶縁膜32は、結晶質層32aと、その上の非晶質層32bを有し、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の構成を有する。ゲート絶縁膜32は、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の方法により形成される。
パッシベーション膜31は、SiO、HfO、ZrO、(AlGa1−y(0<y≦1)等の酸化物を主成分とする絶縁性の膜、又はこれらの酸化物のうちの異なる酸化物をそれぞれ主成分とする2以上の絶縁性の膜が積層された多層膜である。パッシベーション膜31の材料は、ゲート絶縁膜32の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
結晶質層32aと非晶質層32bを含むゲート絶縁膜32は、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様に、Ga層3との界面における界面準位を低減することができるため、効果的にゲートリークを低減することができる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、Ga系半導体素子がゲート絶縁膜を含まないGa系MESFETである点で第2の実施の形態と異なる。なお、第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
図9は、第4の実施の形態に係るGa系MESFET40の垂直断面図である。Ga系MESFET40は、高抵抗Ga基板2上に形成されたGa層3と、Ga層3上に形成されたソース電極12及びドレイン電極13と、ソース電極12とドレイン電極13との間のGa層3上に直接形成されたゲート電極11と、Ga層3の表面のソース電極12とゲート電極11との間の領域及びゲート電極11とドレイン電極13との間の領域を覆うパッシベーション膜41と、を含む。
パッシベーション膜41は、結晶質層41aと、その上の非晶質層41bを有し、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の構成を有する。パッシベーション膜41は、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の方法により形成される。また、パッシベーション膜41は、Ga層3の表面のなるべく広い領域を覆っていることが好ましく、ソース電極12とドレイン電極13に接触していることが好ましい。
ゲート電極11とGa層3はショットキー接合し、Ga層3中のゲート電極11下に空乏層が形成される。
Ga系MESFET40は、ゲート直下のGa層3のドナー濃度と厚さに依存して、ノーマリーオン型又はノーマリーオフ型になる。
Ga系MESFET40がノーマリーオン型である場合、ソース電極12とドレイン電極13は、Ga層3を介して電気的に接続されている。そのため、ゲート電極11に電圧を印加しない状態でソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加すると、ソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れる。一方、ゲート電極11に電圧を印加すると、ゲート電極11下の空乏層の深さが増し、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加してもソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れなくなる。
Ga系MESFET40がノーマリーオフ型である場合、ゲート電極11に電圧を印加しない状態では、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加しても電流は流れない。一方、ゲート電極11に電圧を印加すると、Ga層3のゲート電極11下の領域の空乏層が狭まり、ソース電極12とドレイン電極13の間に電圧を印加するとソース電極12からドレイン電極13へ電流が流れるようになる。
パッシベーション膜41を有するGa系MESFET40においては、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14を有するGa系MISFET10と同様に、効果的にリークが抑制される。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態は、半導体素子としての縦型のGa系MISFETについての形態である。
図10は、第5の実施の形態に係るGa系MISFET70の垂直断面図である。Ga系MISFET70は、Ga基板71上に形成されたGa層72と、Ga層72上に形成されたソース電極75a、75bと、Ga層72上のソース電極75a、75bの間の領域に酸化物絶縁膜74を介して形成されたゲート電極73と、Ga層72中のソース電極75a、75bの下にそれぞれ形成されたn型のコンタクト領域76a、76bと、コンタクト領域76a、76bをそれぞれ囲むp型のボディ領域77a、77bと、Ga基板71のGa層72と反対側の面上に形成されたドレイン電極78と、を含む。
Ga系MISFET70は、ソース電極とドレイン電極がそれぞれ素子の上下に設置され、縦方向に電流が流れる縦型半導体素子である。ゲート電極73に閾値以上の電圧を印加すると、p型のボディ領域77a、77bのゲート電極73下の領域にチャネルが形成され、ソース電極75a、75bからドレイン電極78へ電流が流れるようになる。
Ga基板71は、β−Ga単結晶からなる基板であり、Si、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Ru、Rh、Ir、C、Sn、Ge、Pb、Mn、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はI等のn型ドーパントを含む。Ga基板71は、例えば、100〜600μmの厚さを有する。また、Ga基板71は、例えば、5×1018〜1×1020/cmの濃度のn型ドーパントを含む。
Ga基板71の主面の面方位は、第1の実施の形態の高抵抗Ga基板2の主面の面方位と同様である。
Ga層72は、β−Ga単結晶からなる基板であり、Sn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Ru、Rh、Ir、C、Si、Ge、Pb、Mn、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、I等のn型ドーパントを含む。Ga層72の厚さは、例えば、10〜500nmである。また、Ga層72は、例えば、1×1015〜1×1019/cmの濃度のn型ドーパントを含む。Ga層72は、第1の実施の形態のGa層3と同様の工程により形成される。
なお、Ga基板71とGa層72との間に、他の膜が形成されてもよい。この他の膜としては、例えば、n型ドーパントの濃度がGa層72よりも高く、場合によってはGa基板71よりも高いn型β−Ga単結晶膜が形成される。この場合、Ga基板71上に他の膜がホモエピタキシャル成長により形成され、他の膜上にGa層72がホモエピタキシャル成長により形成される。
ゲート電極73、ソース電極75a、75b、及びドレイン電極78は、例えば、Au、Al、Ti、Sn、Ge、In、Ni、Co、Pt、W、Mo、Cr、Cu、Pb等の金属、これらの金属のうちの2つ以上を含む合金、又はITO等の導電性化合物、導電性ポリマーからなる。導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン誘導体(PEDOT:ポリ(3,4)-エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸(PSS)をドーピングしたものや、ポリピロール誘導体にTCNAをドーピングしたもの等が用いられる。また、ゲート電極73は、異なる2つの金属からなる2層構造、例えばAl/Ti、Au/Ni、Au/Co、を有してもよい。
酸化物絶縁膜74は、結晶質層74aと、その上の非晶質層74bを有し、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の構成を有する。酸化物絶縁膜74は、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の方法により形成される。酸化物絶縁膜74のゲート電極73の真下の部分はゲート絶縁膜として機能し、Ga層72の表面のソース電極75a、75bに隣接する領域を覆う部分はパッシベーション膜として機能する。すなわち、本実施の形態においては、ゲート絶縁膜とパッシベーション膜が同じ材料からなり、一体に形成される。
酸化物絶縁膜74は、Ga層72の上面を流れるリーク電流を低減することができる。なお、酸化物絶縁膜74は、通常の単層のパッシベーション膜を用いた場合よりも、Ga層72の上面を流れるリーク電流を効果的に抑制することができる。
コンタクト領域76a、76bは、Ga層72中に形成されたn型ドーパントの濃度が高い領域であり、それぞれソース電極75a、75bが接続される。コンタクト領域76a、76bに含まれるn型ドーパントとGa層72に主に含まれるn型ドーパントは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。コンタクト領域76a、76bは、Ga層72のボディ領域77a、77b内にSn等のn型ドーパントをイオン注入することにより形成される。
ボディ領域77a、77bは、Mg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Tl、Pb、N、P等のp型ドーパントを含む。ボディ領域77a、77bは、p型の領域、又は電荷補償によりi型のような性質を有する高抵抗領域である。ボディ領域77a、77bは、例えば、Ga層72にMg等のp型ドーパントをイオン注入することにより形成される。
酸化物絶縁膜74を有するGa系MISFET70においては、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14を有するGa系MISFET10と同様に、効果的にリークが抑制される。
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態は、半導体素子としてのトレンチゲート構造を有する縦型のGa系MISFETについての形態である。
図11は、第6の実施の形態に係るGa系MISFET80の垂直断面図である。Ga系MISFET80は、Ga基板81上に形成されたGa層82と、Ga層82上に形成されたGa層83と、ゲート絶縁膜88に覆われてGa層83中に埋め込まれたゲート電極84と、Ga層83中のゲート電極84の両側にそれぞれ形成されたコンタクト領域87a、87bと、Ga層83上に形成され、コンタクト領域87a、87bに接続されたソース電極86と、Ga層83上にソース電極86と隣接して形成されたパッシベーション膜85と、Ga基板81のGa層82と反対側の面上に形成されたドレイン電極89と、を含む。
Ga系MISFET80は、ソース電極とドレイン電極がそれぞれ素子の上下に設置され、縦方向に電流が流れる縦型半導体素子である。ゲート電極84に閾値以上の電圧を印加すると、Ga層83中のゲート電極84の両側の領域にチャネルが形成され、ソース電極86からドレイン電極89へ電流が流れるようになる。
ゲート電極84、ソース電極86、ドレイン電極89は、それぞれ第5の実施の形態のゲート電極73、ソース電極75(75a、75b)、ドレイン電極78と同様の材料からなる。
Ga層83は、ドーパントを含まない高抵抗のβ−Ga単結晶、又はMg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Tl、Pb、N、P等のp型ドーパントを含む高抵抗のβ−Ga単結晶からなる。Ga層83は、例えば、0.1〜100μmの厚さを有する。
コンタクト領域87(87a、87b)は、第5の実施の形態のコンタクト領域76(76a、76b)と同様のn型ドーパントを含む。コンタクト領域87(87a、87b)は、例えば、Ga層83内にSn等のn型ドーパントをイオン注入することにより形成される。
パッシベーション膜85は、結晶質層85aと、その上の非晶質層85bを有し、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14と同様の構成を有する。また、ゲート絶縁膜88は、ゲート電極84を覆う非晶質層88bと、その周りを覆う結晶質層88aとを有する。パッシベーション膜85の結晶質層85aとゲート絶縁膜88の結晶質層88aは、Ga層83にゲート電極84を埋め込むための溝をドライエッチング等により形成した後、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14の結晶質層14aと同様の方法により同時に形成される。
ゲート電極84は、Ga層83の溝中にゲート絶縁膜88の結晶質層88aを形成した後、非晶質層88bに覆われた状態で溝中に埋め込まれる。ここで、溝を形成することにより連続したコンタクト領域がコンタクト領域87a、87bに分離される。
パッシベーション膜85は、Ga層83の上面を流れるリーク電流を低減することができる。なお、パッシベーション膜85は、通常の単層のパッシベーション膜を用いた場合よりも、Ga層83の上面を流れるリーク電流を効果的に抑制することができる。
パッシベーション膜85を有するGa系MISFET80においては、第1の実施の形態の酸化物絶縁膜14を有するGa系MISFET10と同様に、効果的にリークが抑制される。
〔第7の実施の形態〕
第7の実施の形態は、半導体素子としてのショットキーバリアダイオードについての形態である。
図12は、第7の実施の形態に係るショットキーバリアダイオード50の垂直断面図である。ショットキーバリアダイオード50は、Ga層51と、Ga層51の上面上に形成され、Ga層51との間にショットキー接合を形成するショットキー電極53と、Ga層51の上面の露出した領域を覆うパッシベーション膜52と、Ga層51の下面上に直接又は他の層を介して形成されたGa基板55と、Ga基板55との間にオーミック接合を形成するオーミック電極56を含む。
アノード電極としてのショットキー電極53とカソード電極としてのオーミック電極56との間に順方向バイアスを印加することにより、ショットキー電極53とGa層51との界面のショットキー障壁が低下し、ショットキー電極53からオーミック電極56へ電流が流れる。一方、ショットキー電極53とオーミック電極56との間に順方向バイアスを印加したときは、ショットキー電極53とGa層51との界面のショットキー障壁が高くなるため、電流は流れない。
Ga層51は、Ga、ZnO等の酸化物からなる層であり、Sn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Ru、Rh、Ir、C、Si、Ge、Pb、Mn、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、I等のn型ドーパントを含む。Ga層51は、β−Ga単結晶層であることが好ましい。なお、Si等の、酸化物以外の材料を用いる場合は、表面に自然酸化膜が形成されやすく、後述するパッシベーション膜52の機能が阻害されるおそれがある。
パッシベーション膜52は、結晶質層52aと、その上の非晶質層52bを有し、第2の実施の形態のパッシベーション膜21と同様の構成を有する。
ショットキー電極53は、Pt、Ni等の金属からなり、アノード電極として機能する。ショットキー電極53は、異なる金属膜を積層した多層構造、例えばPt/Au又はPt/Al、を有してもよい。
ショットキー電極53のパッシベーション膜52側の部分54は、パッシベーション膜52の一部を覆う。この部分54は、Ga層51上に絶縁性のパッシベーション膜52を介して位置し、フィールドプレート電極として機能する。
ショットキーバリアダイオード50がこのようなフィールドプレート構造を有するため、Ga層51とショットキー電極53の界面の端部(ショットキー電極53の底面の端部)への電界の集中を抑え、リーク電流を低減することができる。また、ショットキーバリアダイオード50のフィールドプレート構造は、結晶質層52a及び非晶質層52bを有するパッシベーション膜52を含むため、通常の単層のパッシベーション膜を用いたフィールドプレート構造よりも、効果的にリーク電流を低減することができる。
また、パッシベーション膜52は、Ga層51の上面を流れるリーク電流を低減することができる。なお、パッシベーション膜52は、通常の単層のパッシベーション膜を用いた場合よりも、Ga層51の上面を流れるリーク電流を効果的に抑制することができる。
Ga基板55は、Ga層51と同様の材料からなり、Ga層51よりも含有するn型ドーパントの濃度が高い。
オーミック電極56は、Ti等の金属からなり、カソード電極として機能する。オーミック電極56は、異なる金属膜を積層した多層構造、例えば、Ti/Au又はTi/Al、を有してもよい。
(実施の形態の効果)
上記第1〜7の実施の形態によれば、電界効果トランジスタやショットキーバリアダイオードにおいて、電流経路となるGa層の表面を結晶質層と非晶質層を有する酸化物絶縁体からなるパッシベーション膜で覆うことにより、リーク電流の発生を効果的に抑制することができる。また、上記第1〜7の実施の形態に係るトランジスタ及びショットキーバリアダイオードは、リーク電流の発生が抑えられるためにエネルギー効率が高く、省エネルギーを実現している。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態において、半導体素子をn型半導体素子として説明したが、p型半導体素子であってもよい。この場合、各部材の導電型(n型又はp型)が全て逆になる。
また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
2…高抵抗Ga基板、 55、71、81…Ga基板、 3、72、83…Ga層、 10、20、30、70、80…Ga系MISFET、 40…Ga系MESFET、 50…ショットキーバリアダイオード、 11、73、84…ゲート電極、 88…ゲート絶縁膜、 12、75a、75b、86…ソース電極、 13、78、89…ドレイン電極、 14、74…酸化物絶縁膜、 21、31、41、52、85…パッシベーション膜、 14a、21a、32a、41a、52a、74a、85a…結晶質層、 14b、21b、32b、41b、52b、74b、85b…非結晶質層、 22…ゲート絶縁膜、 51…第1の酸化物半導体層、 53…ショットキー電極、 55…第2の酸化物半導体層、 56…オーミック電極

Claims (15)

  1. 電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層と、
    前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、
    前記半導体層の前記表面上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記半導体層の前記表面上の前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されたゲート電極とを含む電極と、
    を有し、
    前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含
    前記酸化物絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成され、
    前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、
    半導体素子。
  2. 電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層と、
    前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、
    前記半導体層の前記表面と反対側の面上に直接又は他の層を介して設けられた結晶質のGa からなるGa 基板と、
    前記半導体層の前記表面上に形成されたソース電極と、前記半導体層にゲート絶縁膜を介して隣接するように形成されたゲート電極と、前記Ga 基板の前記半導体層と反対側の面上に形成されたドレイン電極とを含む電極と、
    を有し、
    前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含
    前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記表面上に前記酸化物絶縁膜を介して形成された前記ゲート電極の真下の前記酸化物絶縁膜の部分、又は前記半導体層中に埋め込まれた前記ゲート電極を覆う絶縁膜であり、
    前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、
    半導体素子。
  3. 電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層と、
    前記半導体層の表面の一部を覆う酸化物絶縁膜と、
    前記半導体層の前記表面と反対側の面上に直接又は他の層を介して設けられた結晶質のGa からなるGa 基板と、
    前記半導体層の前記表面上に形成され、前記半導体層との間にショットキー接合を形成するショットキー電極と、前記Ga 基板との間にオーミック接合を形成するオーミック電極とを含む電極と、
    を有し、
    前記酸化物絶縁膜は、前記半導体層に接触する結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層と、前記結晶質層上の非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層とを含
    前記ショットキー電極の前記酸化物絶縁膜側の一部が、前記酸化物絶縁膜の一部を覆うフィールドプレート電極であり、
    前記酸化物絶縁膜は、前記電極間のリーク電流を抑制する、
    半導体素子。
  4. 前記ゲート電極は、前記酸化物絶縁膜を介して前記半導体層の前記表面上に形成される、
    請求項に記載の半導体素子。
  5. 前記酸化物絶縁体は、(AlGa1−x(0<x≦1)である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体素子。
  6. 前記酸化物絶縁体は、Alである、
    請求項に記載の半導体素子。
  7. 電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、
    前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、
    前記半導体層の前記表面上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記半導体層の前記表面上の前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にゲート電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成
    前記酸化物絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成される、
    半導体素子の製造方法。
  8. 結晶質のGa からなるGa 基板上に直接又は他の層を介して形成された、電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、
    前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、
    前記半導体層の前記表面上にソース電極を形成する工程と、
    前記半導体層にゲート絶縁膜を介して隣接するようにゲート電極を形成する工程と、
    前記Ga 基板の前記半導体層と反対側の面上にドレイン電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成
    前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記表面上に前記酸化物絶縁膜を介して形成された前記ゲート電極の真下の前記酸化物絶縁膜の部分、又は前記半導体層中に埋め込まれた前記ゲート電極を覆う絶縁膜である、
    半導体素子の製造方法。
  9. 結晶質のGa からなるGa 基板上に直接又は他の層を介して形成された、電流経路となる、結晶質のGaからなる半導体層の表面上に、結晶質の酸化物絶縁体を主成分とする結晶質層を形成する工程と、
    前記結晶質層上に非晶質の前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質層を形成する工程と、
    前記半導体層の前記表面上に、前記半導体層との間にショットキー接合を形成するショットキー電極を形成する工程と、
    前記Ga 基板との間にオーミック接合を形成するオーミック電極を形成する工程と、
    を含み、
    前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記半導体層の前記表面の一部を覆う酸化物絶縁膜を構成
    前記ショットキー電極は、前記酸化物絶縁膜側の一部が前記酸化物絶縁膜の一部を覆い、フィールドプレート電極となるように形成される、
    半導体素子の製造方法。
  10. 前記酸化物絶縁体は、Alであり、
    前記結晶質層及び前記非晶質層は、酸素プラズマを酸化剤に用いたプラズマALD法を用いて前記酸化物絶縁体を主成分とする材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させることにより、連続的に形成される、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  11. 前記結晶質層及び前記非晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させながら、堆積温度を前記材料の結晶化温度よりも高い温度から低い温度へ切り換えることにより、連続的に形成される、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  12. 前記結晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質の材料を前記半導体層の前記表面上に堆積させた後、熱処理により前記材料を結晶化させることにより得られ、
    前記非晶質層は、前記酸化物絶縁体を主成分とする非晶質の材料を前記結晶質層上に堆積することにより得られる、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  13. 前記酸化物絶縁体は、(AlGa1−x(0<x≦1)である、
    請求項7〜9、11、12のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
  14. 前記酸化物絶縁体は、Alである、
    請求項13に記載の半導体素子の製造方法。
  15. 前記ゲート電極は、前記酸化物絶縁膜を介して前記半導体層の前記表面上に形成される、
    請求項に記載の半導体素子の製造方法。
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