JP6543331B2 - 組合せオイルリング - Google Patents

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Description

本発明は、組合せオイルリングに関し、特に、上下一対のサイドレールと、それらの間に配置されるスペーサエキスパンダとを備えている3ピース構成の組合せオイルリングに関する。
従来より、内燃機関のシリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイルを掻き落とし、適度な油膜を形成して内燃機関の運転に伴うピストンの焼き付きを防止するオイルリングが知られている。このようなオイルリングは種々の形態が知られており、例えば、下記の特許文献に記載されているように、上下一対のサイドレールと、それらの間に配置されたスペーサエキスパンダとを備え、スペーサエキスパンダは軸方向及び周方向に離間して周方向に交互に多数配置された上片及び下片と、隣接する上片及び下片とを連結する連結片と、上片と下片の内周側端部に起立形成され、サイドレールを押圧するための耳部が形成された組合せオイルリングが知られている。
特開2011−185383号公報
また、組合せオイルリングは、上述したように内燃機関のシリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイルを掻き落とし、適度な油膜を形成してピストンの焼き付きを防止しているが、未燃焼カーボンや潤滑油燃焼生成物から生じたカーボンスラッジ等がスペーサエキスパンダとサイドレールとの間に堆積し、円滑なエンジンオイルの掻き落としを阻害するという問題を有していた。
この問題を解決するために、例えば特許文献1に記載された組合せオイルリングは、上片の上面と下片の下面の少なくとも一方の面に溝を形成し、該溝が連通する貫通孔が耳部に形成され、該溝及び貫通孔を通して掻き落としたエンジンオイルが流出すると共に、上辺又は下片の外周側端部に上辺の上面又は下片の下面よりも高さを有するサイドレール支持部を形成してサイドレールとスペーサエキスパンダの間に段差を設けて、スペーサエキスパンダとサイドレールとの間にカーボンスラッジが堆積することを防止している。
しかし、従来の組合せオイルリングは、上述したカーボンスラッジの堆積の防止をより効果的に行うために、サイドレール支持部の段差をより大きく形成したり、溝を深く形成するなどして対策を行っているが、特に、サイドレールとスペーサエキスパンダの間の隙間のうち最狭部や、サイドレールとスペーサエキスパンダが接する角部などに依然としてカーボンスラッジが堆積しやすく、長期間内燃機関を運転すると、次第にこれらの部位にカーボンスラッジが堆積してしまい、依然としてエンジンオイルの円滑な流出を阻害するという問題を有していた。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、長期間内燃機関を運転してもサイドレールとスペーサエキスパンダとの間にカーボンスラッジが堆積することのない組合せオイルリングを提供することを目的とする。
本発明に係る組合せオイルリングはピストンのオイルリング溝に装着され、平板で且つ環状の上下一対のサイドレールと、前記上下一対のサイドレールの間に配置されるスペーサエキスパンダと、を備え、前記スペーサエキスパンダは軸方向及び周方向に離間して周方向に交互に多数配置された上片及び下片と、互いに隣接する上片と下片とを連結する連結片と、前記上片及び前記下片の内周側端部に立設して形成され前記サイドレールを押圧するための耳部とを備えた組合せオイルリングにおいて、前記上片の上面及び前記下片の下面の少なくとも一方の面の外周側端部に前記サイドレールと当接するサイドレール支持部を備え、前記サイドレールと前記上辺の上面又は前記下片の下面の間に隙間を形成するように、前記上辺の上面又は前記下片の下面に前記サイドレール支持部から軸方向に離間して形成された隙間形成部を備え、前記隙間形成部と前記サイドレール支持部とは、連続部を介して径方向に連続しており、前記隙間形成部には、前記耳部に形成された貫通孔と連通する溝が径方向に沿って形成され、前記隙間形成部の外周側端部及び前記連続部は、外周側に開口せずに閉塞され、前記連続部の径方向の長さは、0.2mm以下であり、前記耳部は、外径方向から見た形状が台形形状であることを特徴とする。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記連続部は、前記サイドレール支持部又は前記隙間形成部と略平行に形成された段部を有すること好適である。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記連続部は、前記サイドレール支持部の内周側端部から前記隙間形成部に向かって軸方向断面で円弧状に延びると好適である。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記溝は、軸方向の上方又は下方に凸となる略V字状に形成されていると好適である。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記貫通孔は、外径方向から見た形状が前記耳部の外形形状と概略相似形状に形成されると好適である。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記サイドレール支持部の上面又は下面から前記連続部までの軸方向に沿った長さは、前記スペーサエキスパンダの板厚よりも小さいと好適である。
また、本発明に係る組合せオイルリングにおいて、前記溝の深さは、0.10mm以上に形成されると好適である。
本発明に係る組合せオイルリングは、サイドレール支持部から軸方向に離間して形成された隙間形成部を有し、隙間形成部とサイドレール支持部とは連続部を介して連続し、隙間形成部には、耳部に形成された貫通孔と連通する溝が径方向に沿って形成され、隙間形成部の外周側端部及び連続部は外周側に開口せずに閉塞されているので、耳部,隙間形成部,連続部及びサイドレール支持部によって画成された空間を大きく確保することができるので、貫通孔から流出するエンジンオイルの量が増加することで、サイドレールとスペーサエキスパンダとの間にカーボンスラッジが堆積することを防止することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、連続部は段部を有しているので、容易に連続部を形成することができると共に、貫通孔から流出するエンジンオイルの量を増加させ、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、連続部が軸方向断面において、円弧状に形成されているので、エンジンオイルが該円弧状に倣って円滑に流出することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、溝が軸方向の上方又は下方に凸となる略V字状に形成されているので、サイドレールとスペーサエキスパンダの間の空間容積を大きく確保することができると共に、貫通孔から円滑にエンジンオイルを流出させ、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、耳部が外径方向から見た形状が台形形状に形成されているので、貫通孔を大きく形成することができ、貫通孔から流出するエンジンオイルの量を増加させ、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、貫通孔は外径方向から見た形状が耳部の外形形状と概略相似形状に形成されているので、貫通孔から流出するエンジンオイルの量を増加させて、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本発明に係る組合せオイルリングは、連続部までの距離がスペーサエキスパンダの板厚よりも小さく、連続部の径方向や溝の深さの寸法を所定の寸法に形成しているので、サイドレール支持部に貫通孔を形成することなく外周側に開口せずに閉塞させることができ、隙間形成部を大きく形成して貫通孔から流出するエンジンオイルの量を増加させて、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
本発明の実施形態に係る組合せオイルリングを組み付けた内燃機関のシリンダ軸方向に耳部の頂部にて切断して示した要部断面図。 (a)は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの一部分を示す斜視図、(b)は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの変形例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの変形例。 本発明の実施形態に係る組合せオイルリングのスラッジ堆積量の試験結果。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングを組み付けた内燃機関のシリンダ軸方向に耳部の頂部にて切断して示した要部断面図であり、図2は、(a)は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの一部分を示す斜視図、(b)は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの変形例を示す斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係る組合せオイルリングに用いられるスペーサエキスパンダの変形例である。
図1に示すように、本実施形態に係る組合せオイルリング10は、内燃機関のピストン2の外周面に形成されたオイルリング溝3に組み付けられ、シリンダ1の内壁と摺接することで、シリンダ1の内壁に付着した余分なエンジンオイルを掻き落としてシリンダ1の内壁に適切な油膜を形成する部材である。
組合せオイルリング10は、上下一対のサイドレール11,11と、この上下一対のサイドレール11,11の間に配置されるスペーサエキスパンダ12とから構成されている。これらサイドレール11,11及びスペーサエキスパンダ12は鋼等からなっておりサイドレール11は、合口(図示せず)を備えた平板の環状リングとして構成されている。
図2(a)に示すように、スペーサエキスパンダ12は、鋼材を塑性加工して形成されており、軸方向に沿って凹凸形状(波形形状)となると共に、周方向に略円形状に構成されている。この軸方向の凹凸形状によって、軸方向の端部に上片13及び下片14が形成されている。即ち、スペーサエキスパンダ12は、軸方向及び周方向に離間して周方向に交互に多数配置された上片13及び下片14を備えており、互いに隣接する上片13と下片14とは連結片15によって連結されている。
また、図1に示すように、スペーサエキスパンダ12の上片13及び下片14の内周側端部には、サイドレール11,11を外周側に押圧する耳部16がアーチ状に立設して形成されている。なお、図2(b)に示すように、スペーサエキスパンダの変形例として、スペーサエキスパンダ12´は、耳部16´を外径方向から見た外形形状を台形形状に形成し、径方向に沿って外形形状と概略相似形状に形成された貫通孔18を形成しても構わない。
また、図1に示すように、スペーサエキスパンダ12の上片13及び下片14の外周側端部には、サイドレール11,11と当接するように、軸方向に突設するサイドレール支持部19が形成されている。
サイドレール11と上辺13の上面又は下片14の下面との間には、隙間を形成するようにサイドレール支持部19から軸方向に離間して形成された隙間形成部20が形成されている。また、隙間形成部20とサイドレール支持部19とは、サイドレール支持部19とサイドレール11の当接面又は隙間形成部20と略平行に形成された段部からなる連続部21を介して径方向に連続しており、サイドレール11,サイドレール支持部19,隙間形成部20,連続部21及び耳部16で画成された空間は、耳部16に形成された貫通孔18を介して内周側に開口しているが、外周側には開口せずに閉塞されている。
さらに、隙間形成部20には、それぞれ径方向に沿って溝17が形成されている。溝17は軸方向に沿った断面形状が、V形状に形成されている。なお、本明細書において、V形状とは、互いに隣接する斜面が鋭角に交差する形状の他、互いに隣接する斜面を円弧で連続させた形状も含む。
ここで、サイドレール支持部19の上面又は下面から連続部21までの軸方向に沿った長さ(図1における距離A)は、スペーサエキスパンダ12の板厚よりも小さく形成すると好適であり、例えばスペーサエキスパンダ12の板厚が0.17〜0.28mmに形成される場合、この板厚よりも小さく形成される。距離Aを板厚よりも大きく形成すると、連続部21において、サイドレール支持部19が外周側に開口してしまうからである。
さらに、連続部21の径方向の長さ(図1における距離B)は、0.2mm以下に形成され、溝17の軸方向に沿った深さ(図1における距離C)は、0.10〜0.23mmに形成されると好適である。このように形成すると、隙間形成部20の容積を大きく形成することができ、エンジンオイルの排出量を増やすことができる。なお、図1に示すサイドレール支持部19から、隙間形成部20の底(下端)迄の深さは、0.40mm以下とすることが好ましい。
なお、スペーサエキスパンダ12は、ピストン2のオイルリング溝3に組み付けられた状態で合口が付き合わされて周方向に縮められた状態で組み付けられている。したがって、スペーサエキスパンダ12の張力によって径方向外方へ拡張力を生じるように組み付けられているので、上下のサイドレール11,11を上片13,下片14のサイドレール支持部19,19で軸方向に沿って上下に保持すると共に、耳部16がサイドレール11の内周面をそれぞれ押圧することによって、上下のサイドレール11,11の外周面をシリンダ1の内壁面に密着させている。
このように本実施形態に係る組合せオイルリング10は、サイドレール支持部19から軸方向に離間して形成された隙間形成部20を有し、隙間形成部20とサイドレール支持部19とは連続部21を介して連続し、隙間形成部20には、耳部16に形成された貫通孔18と連通する溝17が径方向に沿って形成され、隙間形成部20の外周側端部及び連続部21は外周側に開口せずに閉塞されているので、耳部16,隙間形成部20,連続部21及びサイドレール支持部19によって画成された空間を大きく確保することができるので、貫通孔18から流出するエンジンオイルの量が増加することで、サイドレール11とスペーサエキスパンダ12との間にカーボンスラッジが堆積することを防止することができる。
また、本実施形態に係る組合せオイルリング10は、連続部21は段部を有しているので、容易に連続部21を形成することができると共に、貫通孔18から流出するエンジンオイルの量を増加させ、カーボンスラッジの堆積を効果的に防止することができる。
また、本実施形態に係る組合せオイルリング10は、溝17が軸方向の上方又は下方に凸となる略V字状に形成されているので、サイドレール11とスペーサエキスパンダ12の間の空間容積を大きく確保することができると共に、貫通孔18から円滑にエンジンオイルを流出させ、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本実施形態に係る組合せオイルリング10は、耳部16´を外径方向から見た形状が台形形状に形成されているので、貫通孔18を大きく形成することができ、貫通孔18から流出するエンジンオイルの量を増加させ、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
また、本実施形態に係る組合せオイルリング10は、貫通孔18を外径方向から見た形状が耳部16の外形形状と概略相似形状に形成されているので、貫通孔18から流出するエンジンオイルの量を増加させて、カーボンスラッジの堆積を防止することができる。
なお、連続部21は、図3に示すように、サイドレール支持部19の内周側端部から隙間形成部20に向かって軸方向断面で円弧状に延びる円弧部21aで形成することもできる。
この場合、サイドレール11とスペーサエキスパンダ12の間から流れ込んだエンジンオイルを該円弧部21aの円弧形状に倣って円滑に貫通孔18に流出させることができるので、カーボンスラッジの堆積をより効果的に防止することができる。
次に、実施例と比較例を参照して、本発明についてさらに詳しく説明を行う。
[実施例]
実施例としては、上述した隙間形成部が形成された組合せオイルリングであって、2本のサイドレールとスペーサエキスパンダからなる以下の寸法形状の組合せオイルリングを用いた。なお、サイドレールは全て同一の形状を用いた。
(実施例1)
スペーサエキスパンダの板厚:0.265mm,軸方向(図1における鉛直方向)の幅寸法:2.0mm,径方向(図1における水平方向)の厚さ:2.05mm,サイドレール支持部の上面(又は下面)から連続部までの軸方向に沿った距離(距離A):0.157mm,連続部の径方向の長さ(距離B):0.08mm,溝の深さ(距離C):0.19mm,溝の断面形状:V形状。
(実施例2)
スペーサエキスパンダの板厚:0.280mm,軸方向(図1における鉛直方向)の幅寸法:2.0mm,径方向(図1における水平方向)の厚さ:2.05mm,サイドレール支持部の上面(又は下面)から連続部までの軸方向に沿った距離(距離A):0.165mm,連続部の径方向の長さ(距離B):0.08mm,溝の深さ(距離C):0.20mm,溝の断面形状:V形状。
なお、比較例及び従来例としては以下の形状の組み合わせオイルリングを用いた。
(比較例)
スペーサエキスパンダの板厚:0.280mm,軸方向(図1における鉛直方向)の幅寸法:2.0mm,径方向(図1における水平方向)の厚さ:2.05mm,実施例1及び2における連続部を形成せず、距離Aの底(図1における軸方向下端)と距離Cの上端とを同じ位置として形成,サイドレール支持部からの隙間形成部の上端の軸方向に沿った段差:0.08mm,隙間形成部の上端からの溝の深さ:0.18mm,溝の断面形状:V形状,耳部に貫通孔を形成。
(従来例)
スペーサエキスパンダの板厚:0.280mm,軸方向の幅寸法:2.0mm,径方向の厚さ:2.05mm,サイドレール支持部からの隙間形成部の軸方向に沿った段差:0.07mm,耳部に貫通孔を形成(V字状の溝を形成せず)。
[スラッジ堆積量確認試験]
上述した実施例、比較例及び従来例を組み付けた自動車用ガソリンエンジン(排気量1.6リットル、直列4気筒型)による実機試験にて、ピストンリングに堆積するスラッジの堆積量確認試験を行った。運転条件は、自動車用ガソリンエンジンの回転数を4000rpmとし、300時間運転を行った。なお、本試験で使用したエンジンオイルは、劣化したオイルを使用し、スラッジによるオイル戻し孔の閉塞の発生を考慮した。また、スラッジ堆積量は、従来例のスラッジ堆積量を1とした場合の比率として示した。
図4に記載された確認試験結果から明らかなように、実施例のスラッジ堆積量は、従来例に比べて約20%と大幅にスラッジの堆積量が減少している。また、比較例は、従来例に比べて60%とスラッジ堆積量が減少しているものの、実施例と比較すると、実施例は比較例に比べて、約40%のスラッジ堆積量が減少している。
このように、実施例に係る組合せオイルリングは、従来の組み合わせオイルリングと比較しても、長期間内燃機関を運転した場合でもサイドレールとスペーサエキスパンダとの間にスラッジ堆積量を大幅に減少させることができ、最適な寸法形状を備えていることがわかる。
また、上述した本実施形態に係る組合せオイルリング10は、溝17の断面形状をV形状に形成した場合について説明を行ったが、溝17の断面形状はこれに限られず例えば断面R形状に形成しても構わない。また、連続部21は、サイドレール支持部19から略水平に一段の段差を形成した場合について説明を行ったが、連続部21は、複数段に形成しても構わないし、サイドレール支持部に対して傾斜を有する段差に形成しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 シリンダ, 2 ピストン, 3 オイルリング溝, 10 組合せオイルリング, 11 サイドレール, 12,12´ スペーサエキスパンダ, 13
上片, 14 下片, 15 連続片, 16,16´ 耳部, 17 溝,
18 貫通孔, 19 サイドレール支持部, 20 隙間形成部, 21,21a 連続部。

Claims (7)

  1. ピストンのオイルリング溝に装着され、平板で且つ環状の上下一対のサイドレールと、
    前記上下一対のサイドレールの間に配置されるスペーサエキスパンダと、を備え、
    前記スペーサエキスパンダは軸方向及び周方向に離間して周方向に交互に多数配置された上片及び下片と、互いに隣接する上片と下片とを連結する連結片と、前記上片及び前記下片の内周側端部に立設して形成され前記サイドレールを押圧するための耳部とを備えた組合せオイルリングにおいて、
    前記上片の上面及び前記下片の下面の少なくとも一方の面の外周側端部に前記サイドレールと当接するサイドレール支持部を備え、
    前記サイドレールと前記上辺の上面又は前記下片の下面の間に隙間を形成するように、前記上辺の上面又は前記下片の下面に前記サイドレール支持部から軸方向に離間して形成された隙間形成部を備え、
    前記隙間形成部と前記サイドレール支持部とは、連続部を介して径方向に連続しており、
    前記隙間形成部には、前記耳部に形成された貫通孔と連通する溝が径方向に沿って形成され、
    前記隙間形成部の外周側端部及び前記連続部は、外周側に開口せずに閉塞され、
    前記連続部の径方向の長さは、0.2mm以下であり、
    前記耳部は、外径方向から見た形状が台形形状であることを特徴とする組合せオイルリング。
  2. 請求項1に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記連続部は、前記サイドレール支持部又は前記隙間形成部と略平行に形成された段部を有することを特徴とする組合せオイルリング。
  3. 請求項1に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記連続部は、前記サイドレール支持部の内周側端部から前記隙間形成部に向かって軸方向断面で円弧状に延びることを特徴とする組合せオイルリング。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記溝は、軸方向の上方又は下方に凸となる略V字状に形成されていることを特徴とする組合せオイルリング。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記貫通孔は、外径方向から見た形状が前記耳部の外形形状と概略相似形状に形成されることを特徴とする組合せオイルリング。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記サイドレール支持部の上面又は下面から前記連続部までの軸方向に沿った長さは、前記スペーサエキスパンダの板厚よりも小さいことを特徴とする組合せオイルリング。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の組合せオイルリングにおいて、
    前記溝の深さは、0.10mm以上に形成されることを特徴とする組合せオイルリング。
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