JP6541505B2 - ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6541505B2
JP6541505B2 JP2015162211A JP2015162211A JP6541505B2 JP 6541505 B2 JP6541505 B2 JP 6541505B2 JP 2015162211 A JP2015162211 A JP 2015162211A JP 2015162211 A JP2015162211 A JP 2015162211A JP 6541505 B2 JP6541505 B2 JP 6541505B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber composition
rubber
group
filler
hydrazide compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015162211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017039844A (ja
Inventor
彩 斉木
彩 斉木
俊宏 内山
俊宏 内山
正樹 阿部
正樹 阿部
真布夕 植野
真布夕 植野
紀彰 椎名
紀彰 椎名
真希 武田
真希 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Bridgestone Corp
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd, Bridgestone Corp filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP2015162211A priority Critical patent/JP6541505B2/ja
Publication of JP2017039844A publication Critical patent/JP2017039844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6541505B2 publication Critical patent/JP6541505B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法に関する。
昨今、自動車の低燃費化に対する要求が強くなりつつあり、転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。そのため、タイヤのトレッド等に使用するゴム組成物として、tanδが低く(以下、「低ロス性」という。)、低発熱性に優れたゴム組成物が求められている。また、トレッド用のゴム組成物においては、低ロス性に加え、耐摩耗性及び破壊特性に優れることが求められる。これに対して、ゴム組成物の低ロス性、耐摩耗性及び破壊特性を改良するには、ゴム組成物中のカーボンブラックやシリカ等の充填材とゴム成分との親和性を向上させることが有効である。
ゴム組成物中の充填材との親和性を向上させる技術として、例えば特許文献1には、ジエン系ゴムを有するゴム成分と、充填剤と、特定のアミジン構造を有する化合物とを含むゴム組成物により、ゴム成分と充填剤との化学的相互作用を高め、高弾性率やtanδの改善を図ることが開示されている。
ただし、特許文献1の技術では、高弾性率やtanδの点で一定の効果が得られているものの、さらなる低ロス化の要求や、充填剤の分散性向上が望まれていた。
そのため、製造コストの低減を図りつつ、充填材との親和性を向上させることを目的として、特許文献2には、天然ゴムを含むエラストマーに、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合したゴム組成物が開示されている。
国際公開第2014/052168号 特表2014−501827号公報
しかしながら、特許文献2に開示された技術についても、自動車の低燃費化に対する要求に応えるべく、さらなる低ロス性の改善が必要であった。また、低ロス性の改善に加えて、ゴム組成物中に充填材を配合した際の破断性や、充填材の分散性をさらに向上することも望まれていた。
そこで、本発明の目的は、低ロス性、破断特性及び充填材の分散性に優れたゴム組成物及びゴム組成物の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、低ロス性及び破断特性に優れたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、ジエン系ゴムを有するゴム成分と、極性基含有ヒドラジド化合物と、充填材とを配合したゴム組成物について、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った。
そして、かかる極性基含有ヒドラジド化合物について、含窒素複素環基を有し、該含窒素複素環基の特定位置にヒドラジド基(−CONHNH2)を有する含窒素複素環カルボン酸ヒドラジドを用いた結果、優れた低ロス性、破断特性 及び充填材の分散性を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム有するゴム成分と、式(1)で表されるヒドラジド化合物と、充填材とを配合することを特徴とする。
Figure 0006541505
[式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。]
また、前記ヒドラジド化合物の融点が、200℃以下であることが好ましい。より優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を実現できるためである。
また、前記ヒドラジド化合物の添加量が、ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。ゴム組成物の物性低下を招くことなく、優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を実現できるからである。
また、前記充填材が、カーボンブラック及びシリカのうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。より優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を実現できるためである。
本発明のタイヤは、上述のゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴム有するゴム成分と、式(1)で表されるヒドラジド化合物と、充填材とを配合することを特徴とする。
Figure 0006541505
[式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。]
本発明によれば、低ロス性、破断特性及び充填材の分散性に優れるゴム組成物及びゴム組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、低ロス性及び破断特性に優れたタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを有するゴム成分と、ヒドラジド化合物と、充填材とを配合したゴム組成物である。
・ゴム成分
本発明のゴム組成物に含まれるゴム成分については、ジエン系ゴムであれば特に限定はされない。ジエン系ゴムについては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。なお、これらジエン系ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、上述したように、前記ゴム成分に、極性基含有ヒドラジド化合物を配合する。
・ヒドラジド化合物
そして、本発明のゴム組成物に含まれるヒドラジド化合物については、式(1)で表されるヒドラジド化合物であることを特徴とする。
Figure 0006541505
[式中、Qは3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基である。]
ヒドラジド化合物において、3−ピリジル基又は3−キノリル基のような含窒素複素環を有することによって、カーボンブラックやシリカ等の充填材とともに配合された際、含窒素複素環の他の位置(例えば2位又は4位等)にヒドラジド基がある化合物を用いた場合に比べて、ゴム成分に満遍なく少量の極性基(好ましくは塩基性基)を導入することができるため、他の物性を低下させることなく、格段に優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を実現できる。
ここで、上述の3−ピリジン骨格又は3−キノリン骨格を有する基とは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基又は3−キノリル基が挙げられる。
なお、前記3−ピリジル基又は3−キノリル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、モノメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されることのあるアミノ基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アミノ基が好ましい。
これらの置換基は、3−ピリジル基又は3−キノリル基の置換可能な位置に任意の数を有することができるが、3−ピリジル基又は3−キノリル基のそれぞれ2位又は5位に置換基を有するのが好ましい。
式(1)で表されるヒドラジド化合物の具体例としては、ニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、5−ブロモニコチノヒドラジド、キノリン−3−カルボヒドラジドを挙げることができ、これらの中でもニコチノヒドラジド、2−アミノニコチノヒドラジド、キノリン−3−カルボヒドラジドが好ましく、ニコチノヒドラジドが特に好ましい。
また、前記ヒドラジド化合物の融点については、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の融点を低くすることで、変性天然ゴムを製造する際に天然ゴムの各分子に満遍なく極性基が導入できるため、より優れた低ロス性を得ることができ、ゴム組成物中の充填材の分散性についても高めることができるからである。
前記極性基含有ヒドラジド化合物の配合量は、カーボンブラックやシリカ等の充填材と配合し、加工性を低下させずに低ロス特性や耐摩耗性を向上させることを考慮した場合、ゴム成分に満遍なく少量の極性基、好ましくは塩基性基が導入されていることが重要である。具体的には、ヒドラジド化合物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。前記配合量を固形ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以上とすることで、所望の低ロス性、破断特性及び充填剤の分散性が得られ、前記配合量をゴム成分100質量部に対して0.1〜1.5質量部とすることで、他の物性を低下させることなく、より優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を得ることができる。
・充填材
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分及び極性基含有ヒドラジド化合物に加えて、充填材を配合することを特徴とする。
前記ゴム成分と、極性基含有ヒドラジド化合物とともに含まれることで、他の物性を低下させることなく、優れた低ロス性、破断特性及び充填剤の分散を実現できる。
ここで、前記充填材の配合量は、特に限定されるものではないが、前記ゴム成分100質量部に対して20〜120質量部の範囲が好ましく、30〜100質量部の範囲がより好ましい。充填材の量について適正化を図ることで、他の物性を低下させることなく、より優れた低ロス性、破断特性及び充填剤の分散を実現できるためである。
また、前記充填材として、カーボンブラック及びシリカのうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。前記ヒドラジド化合物の3−ピリジン骨格を有する基又は3−キノリン骨格を有する基との相互作用により、によって、より優れた低ロス性、破断特性及び充填剤の分散性が得られるからである。
ここで、前記カーボンブラックとしては、GPF、FEF、SRF、HAF、ISAF、IISAF、SAFグレード等のカーボンブラックが挙げられる。
前記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。
また、前記充填材として、シリカやカーボンブラックの他にも、下記式(I)で表される無機化合物を用いることも可能である。
nM・xSiOY・zH2O ・・・ (I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
上記式(I)の無機化合物としては、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO33]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を挙げることができる。
・その他成分
本発明のゴム組成物には、前記ゴム成分、前記ヒドラジド化合物及び前記充填材の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
(ゴム組成物の製造方法)
次に、本発明のゴム組成物の製造方法について説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴム有するゴム成分と、式(1)で表されるヒドラジド化合物と、充填材とを配合することを特徴とする。
融点が低く、3位にヒドラジド基を有する含窒素複素環カルボン酸ヒドラジドを配合することによって、得られたゴム組成物は、優れた低ロス性、破断特性及び充填材の分散性を有する。
なお、本発明のゴム組成物の製造方法のその他条件については、上述した「ゴム組成物」の条件と同様である。
(タイヤ)
本発明のゴム組成物は、タイヤ材料として用いることが可能である。本発明のゴム組成物を含むことで、他の物性を低下させることなく、優れた低ロス性及び破断特性を実現できる。
前記ゴム組成物については、タイヤの中でもトレッドに用いることが好ましい。前記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、低ロス性に優れる。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(ヒドラジド化合物)
各ヒドラジド化合物A−1、B−1、C−1及びD−1について、製造方法及び化学式を以下に示す。また、比較試験に用いるための比較用ヒドラジド化合物E−1、F−1及びG−1についても同様に製造方法及び化学式を以下に示す。
ヒドラジド化合物及び比較用ヒドラジド化合物の種類、ヒドラジド基の位置、融点、1H-NMR測定(条件:300MHz、DMSO-D6、δppm)の結果については、表1に示す。
(A−1:ニコチノヒドラジド)
ニコチン酸メチル13.7gのイソプロピルアルコール26mL溶液に100%ヒドラジン一水和物5.50gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール20mLで解砕洗浄し、減圧乾燥してニコチノヒドラジド12.2g(収率88%)を得た。
Figure 0006541505
(B−1:キノリン−3−カルボヒドラジド)
100%ヒドラジン一水和物0.58gのメタノール8mL溶液に、キノリン−3−カルボン酸メチル1.00gを加え、20分間加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をメタノール5mLで洗浄し、減圧乾燥してキノリン−3−カルボヒドラジド0.68g(収率63%)を得た。
Figure 0006541505
(C−1:2−アミノニコチノヒドラジド)
2−アミノニコチン酸メチル4.00gのメタノール80mL溶液に、84%ヒドラジン一水和物12.5gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をメタノール80mLで洗浄し、減圧乾燥して2−アミノニコチノヒドラジド2.38g(収率60%)を得た。
Figure 0006541505
−1:5−ブロモニコチノヒドラジド)
5−ブロモニコチン酸エチル4.00gのメタノール80mL溶液に、84%ヒドラジン一水和物8.30gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をメタノール80mLで洗浄し、減圧乾燥して5−ブロモニコチノヒドラジド2.72g(収率75%)を得た。
Figure 0006541505
−1:イソニコチノヒドラジド)
イソニコチン酸メチル13.7gのイソプロピルアルコール26mL溶液に100%ヒドラジン一水和物5.50gを加え、一晩加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール20mLで解砕洗浄し、減圧乾燥してイソニコチノヒドラジド11.8g(収率86%)を得た。
Figure 0006541505
(F−1:キノリン−4−カルボヒドラジド)
100%ヒドラジン一水和物1.73gのメタノール10mL溶液に、キノリン−4−カルボン酸メチル3.00gを室温で加え、4時間加熱還流した。室温に冷却して反応液を濾過し、得られた固体をブタノール5mLで洗浄し、減圧乾燥してキノリン−4−カルボヒドラジド1.52g(収率47%)を得た。
Figure 0006541505
(G−1:2−アニリノアセトヒドラジド)
エチル=2−クロロアセタート10.0gとアニリン11.4gのメタノール200mL溶液に、室温でトリエチルアミン12.3gを加え、60℃に昇温して一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルムと1N塩酸で分液し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られたエチル=2−アニリノアセタートの粗生成物に、メタノール70mLを加えて溶解させ、室温でヒドラジン一水和物4.90gを加えて70℃に昇温し、5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、析出した固体をメタノールとジイソプロピルエーテルの混合液で洗浄し、目的とする2−アニリノアセトヒドラジド4.89g(収率36%)を得た。
Figure 0006541505
Figure 0006541505
<実施例1〜7、比較例1〜6>
次に、プラストミルで混練して表2に示す配合処方のゴム組成物を調製した。調製した各ゴム組成物に対して、下記の方法でtanδマクロ分散、破断時の引張応力及び伸びについて、測定し、評価を行った。
評価結果を表2に示す。
(1)tanδ(低ロス性)
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、粘弾性測定装置[レオメトリックス社製]を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を測定した。
なお、tanδは、比較例1の値を100としたときの指数で示し、小さい程、低ロス性に優れることを示す。
(2)マクロ分散(分散性)
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムに対し、ディスパグレーダー(米TECH PRO社製)を用い、RCBメソッドのX値を測定し、カーボンの分散性を評価した。
なお、X値は、比較例1の値を100としたときの指数で示し、大きい程、分散性に優れることを示す。
(3)破断時の引張応力及び伸び(破断特性)
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、JIS K 6301−1995(3号形試験片)に準拠して3号ダンベル型試験片を用いて25℃にて測定試験を行い、破断時の引張応力(Tb)と伸び(Eb)を測定した。
なお、Eb及びTbは、比較例1の測定値を100としたときの指数で示し、大きい程、破断特性に優れることを示す。
Figure 0006541505

*1)TSR20(天然ゴムの種類)
*2)旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*3)三共油化工業株式会社製、「A/O MIX」
*4)N−1,3−ジメチルブチル-N'-フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、「ノクラック6C」
*5)2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
*6)N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
*7)東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」、BET表面積:205m2/g
*8)ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド、エボニック社製、商品名「Si75」(登録商標)、平均硫黄鎖長:2.35
表2の結果から、各実施例のゴム組成物は、いずれも、良好な低ロス性、分散性及び恒粘度性を示すことがわかった。一方、比較例1〜7のゴム組成物については全ての評価項目について、実施例のゴム組成物に比べて劣るか同程度であることがわかった。
本発明によれば、低ロス性、破断特性及び充填材の分散性に優れたゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低ロス性及び破断特性に優れたタイヤを提供することができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム有するゴム成分と、式(1)で表され、融点が200℃以下であるヒドラジド化合物と、充填材とを配合することを特徴とするゴム組成物。
    Figure 0006541505
    [式中、Qは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基若しくは3−キノリル基である。]
  2. 前記ヒドラジド化合物の添加量が、ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上であることを特徴とする、請求項に記載のゴム組成物。
  3. 前記ヒドラジド化合物の配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜1.5質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。
  5. ジエン系ゴム有するゴム成分と、式(1)で表され、融点が200℃以下であるヒドラジド化合物と、充填材とを配合することを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0006541505
    [式中、Qは、3−ピリジル基若しくは3−キノリル基、又は、置換基を有する3−ピリジル基若しくは3−キノリル基である。]
JP2015162211A 2015-08-19 2015-08-19 ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法 Active JP6541505B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162211A JP6541505B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162211A JP6541505B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017039844A JP2017039844A (ja) 2017-02-23
JP6541505B2 true JP6541505B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=58206284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015162211A Active JP6541505B2 (ja) 2015-08-19 2015-08-19 ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6541505B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6840578B2 (ja) * 2017-03-10 2021-03-10 大塚化学株式会社 ゴム組成物及びタイヤ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0757828B2 (ja) * 1990-09-27 1995-06-21 株式会社ブリヂストン ゴム組成物
JPH0827315A (ja) * 1994-07-15 1996-01-30 Bridgestone Corp ゴム組成物の混練り方法
JP2009108204A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Bridgestone Corp 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ
JP2010254931A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP5607320B2 (ja) * 2009-07-22 2014-10-15 株式会社ブリヂストン タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017039844A (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7146636B2 (ja) ゴム組成物、タイヤ、添加剤及びヒドラジド化合物
JP5189296B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
EP3805306B1 (en) Rubber composition and tire
JP2009108204A (ja) 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ
US20140350173A1 (en) Rubber composition manufacturing method, rubber composition, and pneumatic tire using same
JP7123805B2 (ja) ゴム用添加剤、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP2011089031A (ja) ゴム組成物
EP2952541A1 (en) Rubber composition, and pneumatic tire using same
JP6619965B2 (ja) 変性ジエン系ゴム、ゴム組成物、タイヤ、変性ジエン系ゴムの製造方法及び添加剤
JP6541505B2 (ja) ゴム組成物、タイヤ及びゴム組成物の製造方法
JP2011052090A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2009062438A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2021185212A (ja) ゴム組成物、タイヤ、及びゴム用低発熱化剤
JP2009173698A (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP5129454B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2014214266A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP5001571B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ。
JP2017110068A (ja) タイヤのサイドゴム用ゴム組成物及びタイヤ
JP2019210408A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP2011074302A (ja) タイヤ用ゴム組成物
WO2018225372A1 (ja) ゴム組成物、架橋ゴム組成物、ゴム物品及びタイヤ
JP2019137719A (ja) コンベヤベルト用ゴム組成物及びコンベヤベルト
JP2009173739A (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2005281574A (ja) シリカ配合ゴム組成物
WO2016042748A1 (ja) ゴム組成物の製造方法及びゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6541505

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250