JP2005281574A - シリカ配合ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカ多量配合系ゴム組成物におけるシリカの加硫遅延を改善した、良好な引張物性を有するゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム100重量部に対し、シリカ10〜120重量部、スルホン酸型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)または/および硫酸塩型界面活性剤(アルキルスルフェートナトリウム塩、2−エチルヘキシルスルフェートナトリウム塩、アルキルエーテルスルフェートナトリウム塩)0.3〜20重量部を配合してなるゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム100重量部に対し、シリカ10〜120重量部、スルホン酸型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)または/および硫酸塩型界面活性剤(アルキルスルフェートナトリウム塩、2−エチルヘキシルスルフェートナトリウム塩、アルキルエーテルスルフェートナトリウム塩)0.3〜20重量部を配合してなるゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物へのシリカの多量配合に伴う加硫遅延を防止でき、その引張特性を向上させたゴム組成物に関する。
従来から、タイヤの低燃費化を目的として、ゴムに多量のシリカを配合する試みがなされてきている(特開平3−252431号公報)。しかしながら、シリカ配合系ゴム組成物において、シリカを多量に配合すると、加硫促進剤の吸着によると考えられる加硫遅延があり、工業上問題であった(特開平9−194641号公報)。また、加硫を早めるために、加硫促進剤のDPG(ジフェニルグアニジン)を増量する手段があるが、スコーチが早く、加硫ゴムの伸びが大幅に低下するという問題があった。
よって、本発明では、ゴムにシリカを多量配合した場合に生ずる加硫遅延の問題を、耐スコーチ性を変えることなく防止でき、ゴム組成物の引張特性をも改善できる配合剤として特定の界面活性剤を提供することを目的とする。
本発明によれば、ゴム100重量部に対し、シリカ10〜120重量部、スルホン酸型界面活性剤または/および硫酸塩型界面活性剤0.3〜20重量部を配合してなるゴム組成物が提供される。
本発明では、多量のシリカ配合ゴム組成物に対し、所定量の前記界面活性剤を配合することによって、シリカによる加硫遅延が改善でき、引張特性も向上した。これは、当該界面活性剤が、シリカ表面のシラノール基に作用し、シラノール基の活性をバリアしたために、加硫促進剤の吸着を防止でき、シリカ分散性を向上させたものと考えられる。
本発明のゴム組成物に使用されるゴム成分としては、従来から各種ゴム組成物に一般的に配合されている任意のゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などのジエン系ゴムや、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR、EPDM)などを単独または任意のブレンドとして用いることができる。
本発明のゴム組成物に配合される界面活性剤には、(1)スルホン酸型界面活性剤または/および(2)硫酸塩型界面活性剤が使用され、例えば、以下の式で表わされる界面活性剤が挙げられる。
(1)スルホン酸型界面活性剤
A.アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(式中、nは、12〜18である。)
このタイプの界面活性剤は、例えば、ニューレックスR、ニューレックスソフト30およびニューレックスソフト60−N等の商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
B.ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム
(式中、Rは、C12〜C18のアルキル基を表わす。)
このタイプの界面活性剤は、例えば、ラピゾールA−30、ラピゾールA−70およびラピゾールO−60等の商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
(1)スルホン酸型界面活性剤
A.アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
このタイプの界面活性剤は、例えば、ニューレックスR、ニューレックスソフト30およびニューレックスソフト60−N等の商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
B.ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム
このタイプの界面活性剤は、例えば、ラピゾールA−30、ラピゾールA−70およびラピゾールO−60等の商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
(2)硫酸塩型界面活性剤
A.アルキルスルフェート・ナトリウム塩
(式中、Rは、C12〜C18のアルキル基を表わす。)
このタイプの界面活性剤は、例えば、パーソフトSLの商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
B.2−エチルヘキシルスルフェート・ナトリウム塩
このタイプの界面活性剤は、例えば、シントレッキスEH−Rの商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
C.アルキルエーテルスルフェート・ナトリウム塩
(式中、Rは、C12〜C18のアルキル基を表わす。)
このタイプの界面活性剤は、例えば、パーソフトELの商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
A.アルキルスルフェート・ナトリウム塩
このタイプの界面活性剤は、例えば、パーソフトSLの商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
B.2−エチルヘキシルスルフェート・ナトリウム塩
C.アルキルエーテルスルフェート・ナトリウム塩
このタイプの界面活性剤は、例えば、パーソフトELの商品名で、日本油脂(株)から入手可能である。
上記各種の界面活性剤のうち、本発明では、下記式1で表わされる(2)Aタイプの界面活性剤の使用が、特に有効であり、好ましい。
(式中、R1は、ヘテロ原子を含んでもよい有機基を表わし、例えば、C12〜20のアルキル基が好ましい。)
当該界面活性剤は、ゴム100重量部に対し、0.3〜20重量部、好ましくは1〜5
重量部の量で配合して使用される。この配合量が0.3重量部未満では所期の効果が発揮されないので好ましくなく、20重量部を超えるとスコーチが起こりやすく、加硫ゴム物性が低下する傾向があるので好ましくない。
重量部の量で配合して使用される。この配合量が0.3重量部未満では所期の効果が発揮されないので好ましくなく、20重量部を超えるとスコーチが起こりやすく、加硫ゴム物性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明に配合されるシリカとしては、特に制限されることはないが、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、および特開昭62−62838号公報の開示される沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが特に好ましい。これらのシリカは、10〜120重量部の配合量で、それぞれ単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらシリカの比表面積は、特に制限はされないが、窒素吸着比表面積(BET法)で通常50〜400m2/g、好ましくは100〜250m2/g、更に好ましくは120〜190m2/gの範囲であるときに、補強性、耐摩耗性および発熱性等の改善が十分に達成され好適である。ここで、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じ、BET法で測定される値である。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラック等の他の補強剤、シランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填材、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用の各種配合剤を配合することができ、かかる配合物は、公知のゴム用混練機、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練し、任意の条件で加硫してゴム組成物として使用することができる。これら配合剤の添加量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験サンプルの作製
以下の表1に示すゴム配合系における硫黄と加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達した時に放出したマスターバッチに、硫黄と加硫促進剤を加えて8インチのオープンロールで混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物の一部をスコーチ試験および加硫試験に供した。次いで、このゴム組成物の残部を15cm×15cm×0.2cmの金型中で、160℃、45分間プレス加硫して試験片(ゴムシート)を作製し、引張試験に供した。
以下の表1に示すゴム配合系における硫黄と加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達した時に放出したマスターバッチに、硫黄と加硫促進剤を加えて8インチのオープンロールで混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物の一部をスコーチ試験および加硫試験に供した。次いで、このゴム組成物の残部を15cm×15cm×0.2cmの金型中で、160℃、45分間プレス加硫して試験片(ゴムシート)を作製し、引張試験に供した。
試験法
1)スコーチ: JIS K 6300に準拠して測定した。ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、5.5mm厚)を用いて、予熱1分で、125℃、2rpmの条件下、ムーニー粘度最低値から5ムーニー粘度までの上昇時間(分)を測定した。
2)加硫速度: JIS K6300に準拠して測定した。振動式ディスク加硫試験機を用いて、振幅1度、160℃の条件下で、T30時間(分)を測定した。
3)引張強度: JIS K 6251に準拠して、上記試験サンプルからJIS3号形ダンベルにて2mmゴムシートを打抜き、500mm/分の引張速度の条件下で、M300、TBおよびEBを測定した。
1)スコーチ: JIS K 6300に準拠して測定した。ムーニー粘度計にてL型ローター(38.1mm径、5.5mm厚)を用いて、予熱1分で、125℃、2rpmの条件下、ムーニー粘度最低値から5ムーニー粘度までの上昇時間(分)を測定した。
2)加硫速度: JIS K6300に準拠して測定した。振動式ディスク加硫試験機を用いて、振幅1度、160℃の条件下で、T30時間(分)を測定した。
3)引張強度: JIS K 6251に準拠して、上記試験サンプルからJIS3号形ダンベルにて2mmゴムシートを打抜き、500mm/分の引張速度の条件下で、M300、TBおよびEBを測定した。
以上の結果によると、本発明のゴム組成物では、耐スコーチ性を変えることなく、加硫速度を上げることができ、また、引張強度の点でも遜色のないことが分かる。よって、本発明のゴム組成物は、例えば、空気入りタイヤのトレッド用途等に有用である。
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004099295A JP2005281574A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | シリカ配合ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004099295A JP2005281574A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | シリカ配合ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005281574A true JP2005281574A (ja) | 2005-10-13 |
Family
ID=35180316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004099295A Pending JP2005281574A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | シリカ配合ゴム組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005281574A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013224407A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-10-31 | Bridgestone Corp | タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ |
-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004099295A patent/JP2005281574A/ja active Pending
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