JP6540752B2 - ディーゼルエンジンのオイル交換報知方法及びオイル交換報知装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンのオイル交換報知方法及びオイル交換報知装置 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの潤滑等に用いられるオイルが劣化したときに、オイルの交換を促すように乗員に報知するための制御に関する。
ディーゼルエンジンには、潤滑、密封、冷却、洗浄、及び防錆等を果たすためのオイル(以下、「エンジンオイル」又は単に「オイル」という)が用いられる。エンジンオイルは、オイルポンプによってエンジン下部のオイルパンから吸い上げられて、シリンダライナとピストンとの摺動部を含むエンジン内の各部に供給される。
ところで、ディーゼルエンジンの燃焼行程では、燃料の一部の不完全燃焼によって煤が生じやすく、排気中に煤が含有され得る。排気中の煤は、排気通路に設けられたパティキュレートフィルタ(以下、「DPF」ともいう)で捕集されることで、大気への排出が抑制される。DPFは、煤の堆積量が増大すると、これを除去するための再生処理が行われ、これにより、DPFの目詰まりによるエンジンの背圧上昇が抑制される。
燃焼行程で発生した煤の一部は、燃焼室に残留してシリンダライナの内周面に付着し得る。シリンダライナの内周面に付着した煤の一部は、ピストンとの摺動部に入り込んでエンジンオイルに混入され得る。このような煤の混入は、エンジンオイルの劣化の主要な原因の一つである。
エンジンオイルの劣化の程度は、目視で判断し難いことから、エンジンオイルの適切な交換時期を知ることは難しい。また、エンジンオイルの劣化の進行度合いは、運転状態、使用環境、及び使用頻度等によって変わるため、車両走行距離又は使用期間の長さによってエンジンオイルの交換時期を決定することも最適とは言えない。
そこで、ディーゼルエンジンの燃焼状態に応じて、燃焼室での煤発生量、燃焼室からの煤排出量、又はエンジンオイルへの煤混入量、或いは、これらに関連する値を算出して、該算出値に基づいてオイルの劣化状態を判定することが検討ないし実用化されている。
その一例として、特許文献1には、アクセル開度及びエンジン回転数に基づき、且つ、運転状態に応じた補正に従って、排気中における煤含有量と相関するオイル劣化指標を逐次算出し、該オイル劣化指標の積算値が所定値に達すると、エンジンオイルの交換を促す報知を行う構成が開示されている。
また、DPFに堆積される煤の量に基づいて、エンジンオイルへの煤混入量を推定することも検討ないし実用化されている。
その一例として、特許文献2には、排気通路におけるDPFの上流側部分と下流側部分との間の圧力差(以下、「差圧」ともいう)に基づいて、DPFにおける煤堆積量を推定し、該煤堆積量の増加量に基づいて、燃焼室からの煤排出量、及び、エンジンオイルへの煤混入量を順に算出する構成が開示されている。
特開2016−118172号公報 特開2015−059447号公報
しかしながら、例えば特許文献1の技術のようにディーゼルエンジンの燃焼状態に応じて煤発生量を算出する場合、デポジットの付着等により燃料噴射弁の劣化が進むと、算出値よりも多量の煤が発生しやすくなる。そのため、エンジンオイルへの煤混入量の推定に関して、継続的に高い精度を得ることが難しい。
また、特許文献2の技術のようにDPFにおける煤堆積量の増加量に基づいて煤排出量及びエンジンオイルへの煤混入量を順に算出する場合、DPFの再生が行われた直後など、煤堆積量が比較的小さいときは差圧が微小であることから、差圧の検出に誤差が生じやすい。そのため、差圧に基づいた煤堆積量の算出を常に精度よく行うことは難しい。
さらに、DPFの再生直後は、煤がDPFをすり抜けやすいことから、煤堆積量の増加量が小さくなり、ある程度の量の煤がDPFに堆積されると、煤堆積量の増加量が安定する傾向がある。このように、煤堆積量の増加量と煤排出量との関係は一定でないため、煤堆積量の増加量に基づく煤排出量及びエンジンオイルへの煤混入量の推定も、常に精度よく行うことは困難である。
したがって、上記2つのいずれの方法を採用しても、エンジンオイルへの煤混入量の推定に関して常に高い精度を得ることが難しく、実際の混入量よりも低い値が算出されやすくなる。これらの算出値をそのまま用いてエンジンオイルの劣化判定を行うと、エンジンオイルの交換を促す報知が遅れてしまうため、実用上は、煤混入量の推定値としてより高い値が算出されるような補正を行ったり、閾値をより低い値に設定したりすることになる。
しかしながら、このような補正又は閾値の設定を精度よく行うことも困難であることから、現状は、エンジンオイルの交換が早めに促されているのが実情である。したがって、エンジンオイルの交換タイミングの適正化を図る上で改善の余地がある。
そこで、本発明は、ディーゼルエンジンのオイルの劣化判定の精度を高めて、より適切なタイミングでのオイル交換報知を可能にすることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知方法は、次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知方法は、
コントロールユニットに実施させる、ディーゼルエンジンのオイル交換報知方法であって、
ディーゼルエンジンの燃焼室での燃焼状態に関連する燃焼パラメータに基づいて、単位時間当たりに前記燃焼室で発生した煤量の推定値として、煤発生量を算出する煤発生量推定工程と、
前記ディーゼルエンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタの直近の再生開始時から継続的に前記煤発生量を積算することで、前記直近の再生開始時から現在までに前記燃焼室で発生した煤の総量の推定値としての第1積算値を得る第1積算工程と、
前記第1積算値とは異なる前記総量の推定値としての第2積算値を、前記パティキュレートフィルタにおける煤堆積量に基づいて算出する第2積算工程と、
前記第1積算値と前記第2積算値のうちいずれが大きいかを判定する積算値比較工程と、
前記第1積算値が前記第2積算値以上であるときは前記煤発生量推定工程で算出された煤発生量に基づいて、前記第2積算値が前記第1積算値よりも大きいときは前記煤堆積量の単位時間当たりの増加量に基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する煤混入量推定工程と、
前記煤混入量を積算することで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を算出する積算混入量推定工程と、
前記積算混入量が所定値よりも大きくなったとき、エンジンオイルの交換を促す報知を行う報知工程と、を備えることを特徴とする。
なお、上記の「煤発生量推定工程」において、「燃焼室で発生した煤量」としては、「燃焼室から排出された煤量」を代用してもよい。また、上記の「第1積算工程」における「燃焼室で発生した煤の総量の推定値」及び「第2積算工程」における「前記総量の推定値」としては、「燃焼室から排出された煤の総量の推定値」が代用されてもよい。
請求項2に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知方法は、前記請求項1に記載の発明において、
前記パティキュレートフィルタの再生を制御する再生制御工程を備え、
前記再生制御工程は、
前記排気通路における前記パティキュレートフィルタの上流側部分と下流側部分との間の圧力差に基づいて、前記第2積算工程で用いられる前記煤堆積量を算出する煤堆積量推定工程と、
前記煤堆積量推定工程で算出された前記煤堆積量が所定値よりも大きくなったとき、前記パティキュレートフィルタの再生を実行する再生実行工程と、を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知方法は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記煤混入量推定工程では、前記パティキュレートフィルタの再生が実行されているとき、前記第1積算値と前記第2積算値との大小関係に関わりなく、前記煤発生量推定工程で算出された煤発生量に基づいて前記煤混入量を算出することを特徴とする。
本願の請求項4に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知装置は、
ディーゼルエンジンの燃焼室での燃焼状態に関連する燃焼パラメータに基づいて、単位時間当たりに前記燃焼室で発生した煤量の推定値として、煤発生量を算出する煤発生量推定手段と、
前記ディーゼルエンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタの直近の再生開始時から継続的に前記煤発生量を積算することで、前記直近の再生開始時から現在までに前記燃焼室で発生した煤の総量の推定値としての第1積算値を得る第1積算手段と、
前記第1積算値とは異なる前記総量の推定値としての第2積算値を、前記パティキュレートフィルタにおける煤堆積量に基づいて算出する第2積算手段と、
前記第1積算値と前記第2積算値のうちいずれが大きいかを判定する積算値比較手段と、
前記第1積算値が前記第2積算値以上であるときは前記煤発生量推定手段により算出された煤発生量に基づいて、前記第2積算値が前記第1積算値よりも大きいときは前記煤堆積量の単位時間当たりの増加量に基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する煤混入量推定手段と、
前記煤混入量を積算することで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を算出する積算混入量推定手段と、
前記積算混入量が所定値よりも大きくなったとき、エンジンオイルの交換を促す報知を行う報知制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知装置は、前記請求項4に記載の発明において、
前記パティキュレートフィルタの再生を制御する再生制御手段を備え、
前記再生制御手段は、前記排気通路における前記パティキュレートフィルタの上流側部分と下流側部分との間の圧力差に基づいて、前記第2積算手段において用いられる前記煤堆積量を算出し、該煤堆積量が所定値よりも大きくなったとき、前記パティキュレートフィルタの再生を実行することを特徴とする。
請求項6に記載の発明に係るディーゼルエンジンのオイル交換報知装置は、前記請求項4又は請求項5に記載の発明において、
前記煤混入量推定手段は、前記パティキュレートフィルタの再生が実行されているとき、前記第1積算値と前記第2積算値との大小関係に関わりなく、前記煤発生量推定手段によって算出された煤発生量に基づいて前記煤混入量を算出することを特徴とする。
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、燃料噴射弁が劣化しておらず燃焼が想定通りである間は、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量が燃焼パラメータに基づいて高精度に算出される。また、燃料噴射弁の劣化等により燃焼が想定通りでない状態では、パティキュレートフィルタにおける煤堆積量に応じて変化する第1積算値と第2積算値の大小関係に応じて、燃焼パラメータに基づく煤混入量の算出と、単位時間当たりの煤堆積量の増加量に基づく煤混入量の算出とのうち、より精度の高い算出が行われる。
このように常に精度よく算出された煤混入量が積算されることで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を精度よく算出できる。したがって、精度よく算出された積算混入量に基づいて、エンジンオイルの劣化の有無を精度よく判定できる。よって、高精度の劣化判定に基づいて、エンジンオイルの交換を促す報知を適切なタイミングで行うことができる。
請求項2及び請求項5に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタの再生制御において算出される煤堆積量の値を利用して、第2積算値を算出できる。
請求項3及び請求項6に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタの再生処理が実行されているときは、第1積算値と第2積算値の大小関係に関係なく、再生処理の影響を受けない煤発生量推定工程又は煤発生量推定手段によって得られた煤発生量の値が用いられることで、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を精度よく算出できる。
本発明の一実施形態におけるエンジンシステムの概略図である。 図1に示すエンジンシステムの制御システム図である。 エンジンの燃焼制御の流れを示すフローチャートである。 DPFの再生制御の流れを示すフローチャートである。 排出ガス流量、DPFの差圧、及びDPFにおける煤堆積量の対応関係を示すマップである。 オイル劣化判定制御の流れを示すフローチャートである。 第1積算値算出制御の流れを示すフローチャートである。 空気過剰率と燃焼室内の空気における煤濃度との対応関係を示すマップである。 EGR率と補正係数との対応関係を示すマップである。 第2積算値算出制御の流れを示すフローチャートである。 第1混入量算出制御の流れを示すフローチャートである。 第2混入量算出制御の流れを示すフローチャートである。 第1積算値及び第2積算値の経時的変化を示すタイムチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[エンジンシステム]
図1は、車両に搭載されるエンジンシステム1を示す。エンジンシステム1は、ディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう)2、エンジン2に空気を供給する吸気系4、エンジン2に燃料を供給する燃料供給系6、及び、エンジン2からの排出ガスを車外に導く排気系8を備えている。
エンジン2は、吸気系4から供給された空気が燃焼室10内に導入されるときに開く吸気バルブ11、混合気の燃焼後に燃焼室10から排出ガスが排出されるときに開く排気バルブ12、燃焼室10内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁13、燃焼室10内での混合気の燃焼によって往復運動するピストン14、及び、ピストン14の往復運動によって回転されるクランクシャフト15を備えている。
吸気系4は、吸気バルブ11を介して燃焼室10に接続された吸気通路20を備えている。吸気通路20上には、その上流側から順に、外部から導入された空気を浄化するエアクリーナ21、吸気圧を上昇させる過給機9のコンプレッサ22、吸気流量を調整する吸気シャッタ弁23、例えば冷却水によって吸気を冷却するインタークーラ24、及び、吸気を一時的に蓄えるサージタンク25が設けられている。吸気通路20には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ71、及びその他のセンサ(図示せず)が設けられている。
燃料供給系6は、燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30とエンジン2の燃料噴射弁13とを接続する燃料供給通路32とを備えている。燃料供給通路32上には、その上流側から順に、低圧燃料ポンプ33、高圧燃料ポンプ34、及びコモンレール35が設けられている。コモンレール35には、燃料噴射圧を検出する燃圧センサ72が設けられている。
排気系8は、排気バルブ12を介して燃焼室10に接続された排気通路40を備えている。排気通路40上には、その上流側から順に、排出ガスの通過によって回転されることで上記のコンプレッサ22を駆動する過給機9のタービン42、酸化触媒43、パティキュレートフィルタ(以下、「DPF」という)44、及び、排気流量を調整する排気シャッタ弁45を備えている。
酸化触媒43は、排出ガスに含まれるHC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)を酸化反応によって浄化する機能を有する。DPF44は、排出ガスに含まれる煤等の微粒子を捕集する機能を有する。
また、排気通路40には、該排気通路40におけるDPF44の上流側と下流側との圧力差(以下、「DPF44の差圧」又は単に「差圧」という)を検出する差圧センサ73、及びその他のセンサ(図示せず)が設けられている。
エンジンシステム1は、高圧EGRシステム50及び低圧EGRシステム60を更に備えている。
高圧EGRシステム50は、排気通路40における過給機9のタービン42よりも上流側部分と、吸気通路20における過給機9のコンプレッサ22よりも下流側部分とを接続する高圧EGR通路51を備えている。高圧EGR通路51には、高圧EGR通路51を経由して吸気通路20に還流される排出ガスの流量を調整する高圧EGR弁52が設けられている。
低圧EGRシステム60は、排気通路40における過給機9のタービン42よりも下流側部分(より具体的には、DPF44よりも下流側部分)と、吸気通路20における過給機9のコンプレッサ22よりも上流側部分とを接続する低圧EGR通路61を備えている。低圧EGR通路61には、その排気側から順に、低圧EGR通路61を経由して吸気通路20に還流される排出ガスを冷却する低圧EGRクーラ62、及び、当該排出ガスの流量を調整する低圧EGR弁63が設けられている。
[制御システム]
エンジンシステム1の各種制御は、図2に示すコントロールユニット100によって行われる。コントロールユニット100は、例えばマイクロプロセッサを主要部として構成されている。コントロールユニット100は、中央演算処理装置(CPU)、例えばRAM及びROMを含むメモリ、並びに、入出力インターフェース回路を備えている。
コントロールユニット100は、エンジン2の燃焼を制御する燃焼制御部110、DPF44の再生処理を制御するDPF再生制御部120、及び、エンジン2の潤滑等に用いられるオイル(以下、「エンジンオイル」ともいう)の劣化を判定するオイル劣化判定部130を備えている。
コントロールユニット100には、種々の外部信号が入力される。コントロールユニット100への入力信号の具体例としては、上述したエアフローセンサ71、燃圧センサ72、及び差圧センサ73による検出信号に加えて、アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ74、及び、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ75による検出信号が挙げられる。
[燃焼制御]
図3のフローチャートを参照しながら、燃焼制御部110によって行われるエンジン2の燃焼制御の一例について簡単に説明する。
先ず、ステップS1では、各種センサから入力された情報が読み込まれる。読み込まれた情報は、以降のステップの処理で用いられる。
ステップS2では、例えばアクセル開度に基づいて、エンジン2の出力トルクの目標値(目標トルク)が設定される。
ステップS3では、ステップS2で設定された目標トルクと、エンジン2の回転数とに基づいて、燃料噴射弁13からの燃料噴射量に関する要求量(要求噴射量)が設定される。
ステップS4では、ステップS3で設定された要求噴射量と、エンジン2の回転数とに基づいて、燃焼パターンに関する各種設定が行われる。具体的には、例えば、燃料の噴射パターン、燃料噴射圧、目標酸素濃度、目標吸気温度、EGR率、及び、過給機9による過給圧などが設定される。
ステップS5では、ステップS4の各種設定に基づいて、エンジンシステム1の各種アクチュエータが制御される。これにより、車両の運転状態に応じた燃焼パターンで、エンジン2の燃焼が行われる。
[DPF再生制御]
DPF44の再生処理は、目詰まりによるエンジン2の背圧上昇を防止するために、煤の堆積量が所定量を超えたときに、これを除去するための処理である。
図4のフローチャートを参照しながら、DPF再生制御部120によって行われるDPF44の再生処理の制御例について説明する。
先ず、ステップS11では、差圧センサ73によってDPF44の差圧P0が検出される。続くステップS12では、排気通路40においてDPF44を通過する排出ガスの流量Vが算出される。具体的には、例えば、エアフローセンサ71によって検出された吸入空気量、及び、EGR率に基づいて、排出ガス流量Vが算出される。
ステップS13では、ステップS11で検出された差圧と、ステップS12で算出された排出ガス流量Vと、コントロールユニット100に予め記憶された例えば図5に示すマップとに基づいて、DPF44における煤堆積量Mが算出される。
図5に示すマップは、差圧P0と煤堆積量Mとの関係を、排出ガス流量Vの大きさ(V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7)に応じて規定したものである。図5に示された7つの排出ガス流量Vの大きさは、V7、V6、V5、V4、V3、V2、V1の順に大きいものとする。特定の排出ガス流量Vにおいて、煤堆積量Mは、差圧P0が大きいほど大きな値となる。また、特定の差圧P0において、煤堆積量Mは、排出ガス流量Vが小さいほど大きな値となる。
図4のステップS13において、上記の演算によって推定された煤堆積量Mは、コントロールユニット100に記憶される。
ステップS14では、ステップS13で算出された煤堆積量Mが、所定の閾値Maよりも大きいか否かが判定される。ステップS14の判定の結果、煤堆積量Mが閾値Ma以下であれば、DPF44の再生処理は実行されず、煤堆積量Mが閾値Maを超えるまで、ステップS11〜ステップS14の処理が繰り返し実行される。
ステップS14の判定の結果、煤堆積量Mが閾値Maよりも大きくなると、ステップS15において、DPF44の再生処理が実行される。DPF44の再生処理では、例えばポスト噴射により、未燃燃料が排気通路40に排出され、この未燃燃料が酸化触媒43で酸化される。これによって酸化触媒43で生じた酸化熱によって、DPF44の温度が上昇し、DPF44に蓄積された煤が焼失する。この結果、DPF44が再生される。
[オイル劣化判定制御]
以下、オイル劣化判定部130によって行われるオイル劣化判定制御について説明する。
図2に示すように、オイル劣化判定部130は、煤発生量推定部131、第1積算部132、第2積算部133、積算値比較部134、煤混入量推定部135、積算混入量推定部136、及び報知制御部137を備えている。
煤発生量推定部131は、エンジン2の燃焼室10での燃焼状態に関連する燃焼パラメータに基づいて、単位時間当たりに燃焼室10で発生した煤量の推定値として、煤発生量を算出する。上記の燃焼パラメータとは、燃焼制御部110による燃焼制御において用いられたり算出されたりする各種パラメータを意味する。
本実施形態におけるオイル劣化判定制御では、燃焼室10における煤の発生量(煤発生量)は、燃焼室10からの煤の排出量(煤排出量)に近似していることから、「煤発生量」として「煤排出量ΔS1」が代用される。
よって、本実施形態において、煤発生量推定部131は、煤発生量の代用値としての煤排出量ΔS1を算出する。煤排出量ΔS1の具体的な算出方法については後に説明する。
第1積算部132は、DPF44の直近の再生開始時から現在までに燃焼室10で発生した煤の総量の推定値として、第1積算値S1を算出する。本実施形態では、「燃焼室10で発生した煤の総量の推定値としての第1積算値」の代用値として、「燃焼室10から排出された煤の総量の推定値としての第1積算値S1」が算出される。
第1積算値S1は、煤発生量推定部131により算出された煤排出量ΔS1をDPF44の直近の再生開始時から継続的に積算することで得られる。第1積算値S1の具体的な算出方法については後に説明する。
第2積算部133は、DPF44の直近の再生開始時から現在までに燃焼室10で発生した煤の総量の推定値としての第2積算値S2を、第1積算部132とは別の方法によって算出する。本実施形態では、「燃焼室10で発生した煤の総量の推定値としての第2積算値」の代用値として、「燃焼室10から排出された煤の総量の推定値としての第2積算値S2」が算出される。
第2積算値S2は、DPF44における上述の煤堆積量Mに基づいて算出される。第2積算値S2の具体的な算出方法については後に説明する。
積算値比較部134は、第1積算部132により算出された第1積算値S1と、第2積算部133により算出された第2積算値S2とを比較して、いずれの積算値が大きいかを判定する。
煤混入量推定部135は、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する。煤混入量推定部135は、積算値比較部134による判定結果に応じて、第1積算値S1が第2積算値S2以上であるときは煤発生量推定部131で算出された煤排出量ΔS1に基づいて、第2積算値S2が第1積算値S1よりも大きいときは煤堆積量Mの単位時間当たりの増加量ΔMに基づいて、煤混入量を算出する。煤混入量の具体的な算出方法については後に説明する。
積算混入量推定部136は、煤混入量推定部135で算出された煤混入量を積算することで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を算出する。積算混入量の具体的な算出方法については後に説明する。
報知制御部137は、積算混入量推定部136で算出された積算混入量が所定値よりも大きくなったとき、エンジンオイルが劣化したと判定し、エンジンオイルの交換を促す報知を行うように報知装置80を制御する。
報知装置80は、例えば、インストルメントパネル(図示せず)に設けられた表示部での表示によって、乗員への報知を行うように構成される。報知装置80による具体的な表示方法は特に限定されるものでなく、また、表示以外の方法(例えば音声)で報知するように構成されてもよい。
図6に示すフローチャートを参照しながら、オイル劣化判定制御の全体的な流れについて説明する。
先ず、ステップS21では、第1積算部132によって、上記の第1積算値S1を算出する第1積算値算出制御が実行される。第1積算値算出制御の具体的な処理の流れについては後に説明する(図7参照)。
続くステップS22では、上述したDPF44の再生処理(図4のステップS15)が実行中であるか否かが判定される。
ステップS22の判定の結果、DPF44の再生処理が実行されていない場合、ステップS25において、第2積算部133によって、上記の第2積算値S2を算出する第2積算値算出制御が実行される。第2積算値算出制御の具体的な処理の流れについては後に説明する(図10参照)。
続くステップS26では、積算値比較部134によって、ステップS21で算出された第1積算値S1と、ステップS25で算出された第2積算値S2とのうち、いずれが大きいかが判定される。
ステップS26の判定結果に応じて、煤混入量推定部135は、ステップS23又はステップS27のいずれかにおいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する。
具体的に、第2積算値S2が第1積算値S1よりも大きいときは、ステップS27における第2混入量算出制御によって、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量の推定値として第2混入量ΔZ2が算出され、第1積算値S1が第2積算値S2以上であるときは、ステップS23における第1混入量算出制御によって、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量の推定値として第1混入量ΔZ1が算出される。
ステップS23の第1混入量算出制御は、ステップS21の第1積算値算出制御において算出される単位時間当たりの煤排出量ΔS1に基づいて、第1混入量ΔZ1を算出するものである。第1混入量算出制御の具体的な処理の流れについては後に説明する(図11参照)。
ステップS27の第2混入量算出制御は、DPF44における煤堆積量M(図4のステップS13参照)の単位時間当たりの増加量ΔMに基づいて、第2混入量ΔZ2を算出するものである。第2混入量算出制御の具体的な処理の流れについては後に説明する(図12参照)。
また、DPF44の再生処理が実行されているときは、DPF44における煤堆積量Mが増加することはないため、煤堆積量Mの増加量ΔMに基づく第2混入量算出制御を利用できない。そのため、ステップS22の判定の結果、DPF44の再生処理が実行されている場合、第1積算値S1と第2積算値S2との大小関係の判定(ステップS26)を行うことなく、直ちにステップS23の第1混入量算出制御が実行される。
第1混入量算出制御(ステップS23)又は第2混入量算出制御(ステップS27)が実行されると、ステップS24又はステップS28において、積算混入量推定部136によって、エンジンオイルへの煤の積算混入量Z(i)が算出される。
具体的に、第1混入量算出制御(ステップS23)が実行された場合は、続くステップS24において、第1混入量算出制御(ステップS23)で算出された第1混入量ΔZ1を用いた積算が行われる。つまり、ステップS24では、直前の積算混入量Z(i−1)に第1混入量ΔZ1が加算されることで、現時点での積算混入量Z(i)が算出される。
一方、第2混入量算出制御(ステップS27)が実行された場合は、続くステップS28において、第2混入量算出制御(ステップS27)で算出された第2混入量ΔZ2を用いた積算が行われる。つまり、ステップS28では、直前の積算混入量Z(i−1)に第2混入量ΔZ2が加算されることで、現時点での積算混入量Z(i)が算出される。
ステップS24又はステップS28のいずれかによって、現時点での積算混入量Z(i)が算出されると、報知制御部137によって、ステップS29〜ステップS30の処理が実行される。
ステップS29では、積算混入量Z(i)が所定の閾値Zaよりも大きいか否かが判定される。ステップS29において、積算混入量Z(i)が閾値Za以下であれば、エンジンオイルが劣化していないと判定される。この場合、積算混入量Z(i)が閾値Zaを超えるまで、上述のステップS21〜ステップS28の処理が繰り返し実行される。
一方、ステップS29において、積算混入量Z(i)が閾値Zaよりも大きくなると、エンジンオイルが劣化していると判定されて、次のステップS30において、エンジンオイルの交換を促す報知が上記の報知装置80によって行われる。
[第1積算値算出制御]
図7に示すフローチャートを参照しながら、第1積算部132による第1積算値算出制御(図6のステップS21)の処理の流れについて説明する。
先ず、ステップS211では、燃焼制御部110による燃焼制御において用いられたり算出されたりする各種情報が読み込まれる。
ステップS212では、エンジン2の燃焼パターンの情報に基づいて、燃焼室10内における煤濃度Dが算出される。煤濃度Dは、例えば、排気行程開始時点の燃焼室10内における空気の質量に対する煤の質量の割合である。煤濃度Dの算出には、例えば図8に示すマップが用いられる。
図8は、特定の燃焼パターンにおける空気過剰率と煤濃度Dとの関係を規定したマップである。図8に示すマップは、空気過剰率が低いほど、すなわち、混合気がリッチであるほど、煤濃度Dが高くなるような関係を規定している。図8に示すマップは、混合気がリッチであるほど燃焼後に未燃燃料が残りやすく、煤が発生しやすくなることに基づいて設定されている。
図8に示すマップは、燃焼パターン毎に設定されており、それぞれ、コントロールユニット100に予め記憶されている。燃焼パターンは、燃焼室10への流入ガス流量、エンジン回転数、噴射パターンなどの複数のパラメータの組合せによって規定されるものである。噴射パターンは、噴射段数、噴射量、噴射時期、噴射期間などの組合せによって規定されるものである。
図7のステップS212では、燃焼パターン毎に用意されたマップ(図8参照)の中から現在の燃焼パターンに応じたマップが選択され、該マップと空気過剰率とに基づいて、煤濃度Dが算出される。
続くステップS213では、現在のEGR率に基づいて、煤排出量ΔS1の算出(後述のステップS215)に用いられる補正係数E1,E2が決定される。本実施形態では、エンジンシステム1に高圧EGRシステム50と低圧EGRシステム60が設けられているため、それぞれのEGRシステム50,60について、補正係数E1,E2が決定される。
図9は、高圧EGRシステム50についての補正係数E1の決定に用いられるマップであり、コントロールユニット100に予め記憶されている。図9に示すマップは、高圧EGRシステム50のEGR率が高いほど、補正係数E1の値が大きくなるような関係を規定している。低圧EGRシステム60についても、そのEGR率と補正係数E2との関係を示すマップが、図9と同様に設定されており、コントロールユニット100に予め記憶されている。
図7のステップS213では、高圧EGRシステム50及び低圧EGRシステム60のそれぞれについて、図9に示すようなマップと現在のEGR率とに基づいて、補正係数E1,E2が決定される。
続くステップS214では、単位時間当たりの排出ガス量Fが算出される。排出ガス量Fは、例えば、エアフローセンサ71により検出された吸入空気量に基づいて算出される。
次のステップS215では、ステップS212で算出された煤濃度D、ステップS213で算出された補正係数E1,E2、及び、ステップS214で算出された排出ガス量Fに基づいて、単位時間当たりの煤排出量ΔS1が算出される。具体的に、煤排出量ΔS1は、下記の数式1の通り、煤濃度D、補正係数E1,E2、及び排出ガス量Fが乗算されることで得られる。
Figure 0006540752
これにより、空気過剰率が低いほど煤が発生しやすいこと、燃焼パターンによって煤の発生量が異なること、及び、EGR率が高いほど煤が発生しやすいことを考慮して、単位時間当たりの煤排出量ΔS1を精度よく算出できる。
なお、ステップS215で算出された煤排出量ΔS1の値は、後に詳述する第1混入量算出制御(図11参照)においても用いられる。
続くステップS216では、ステップS215で算出された煤排出量ΔS1に基づいて、第1積算値S1が算出される。つまり、直前の第1積算値S1(i−1)に単位時間当たりの煤排出量ΔS1が加算されることで、現時点での第1積算値S1(i)が算出される。
ステップS216で算出された第1積算値S1(i)は、コントロールユニット100に記憶され、上述した積算値比較部134による判定(図6のステップS26)に用いられる。
ステップS217では、DPF44の再生処理が開始されたか否かが判定される。再生処理が開始されていなければ、上述のステップS211〜ステップS216の処理が繰り返し実行される。これにより、DPF44の再生処理が開始されるまでの間、煤排出量ΔS1が逐次加算されることで、その都度、第1積算値S1が更新される。
ステップS217の判定の結果、DPF44の再生処理が開始されると、ステップS218において、第1積算値S1がゼロにリセットされる。これにより、煤排出量ΔS1の積算が新たに開始される。
[第2積算値算出制御]
図10に示すフローチャートを参照しながら、第2積算部133による第2積算値算出制御(図6のステップS25)の処理の流れについて説明する。
先ず、ステップS251では、DPF再生制御部120によるDPF44の再生制御において算出された煤堆積量M(図4のステップS13)が読み込まれる。
続くステップS252では、ステップS251で読み込まれた煤堆積量Mと、下記の数式2とに基づいて、第2積算値S2が算出される。なお、下記の数式2において、k10は係数、C10は定数である。
Figure 0006540752
このようにして算出される第2積算値S2は、DPF44の前回の再生処理が完了したときから現在に至るまでに燃焼室10から排出された煤の積算量を、DPF44における煤堆積量Mに基づいて推定した値である。
なお、ステップS252における第2積算値S2の算出においては、高圧EGRシステム50のEGR率を考慮した補正を更に行うようにしてもよい。
ステップS252で算出された第2積算値S2は、コントロールユニット100に記憶され、上述した積算値比較部134による判定(図6のステップS26)に用いられる。
DPF44の再生処理が実行されない限り、DPF44における煤堆積量Mは徐々に増加するため、これに応じて、第2積算値S2も徐々に増大する。DPF44の再生処理が実行されると、DPF44における煤堆積量Mがほぼゼロになるため、再生処理の実行中において、第2積算値S2の算出は行われない(図6のステップS22及びステップS25参照)。DPF44の再生処理が完了すると、第2積算値S2の算出が再開される。
[第1混入量算出制御]
図11に示すフローチャートを参照しながら、煤混入量推定部135による第1混入量算出制御(図6のステップS23)の処理の流れについて説明する。
先ず、ステップS231において、上述の第1積算値算出制御において算出された単位時間当たりの煤排出量ΔS1(図7のステップS215)が読み込まれる。
続くステップS232において、燃焼制御部110において決定されるEGR率R1,R2が読み込まれる。より具体的には、高圧EGRシステム50のEGR率R1と、低圧EGRシステム60のEGR率R2とが読み込まれる。
ステップS233では、エアフローセンサ71により検出された吸入空気量Tが読み込まれ、ステップS234では、燃圧センサ72により検出された燃料噴射圧Uが読み込まれる。
ステップS235では、上記のステップS231〜ステップS234で読み込まれた煤排出量ΔS1、EGR率R1,R2、吸入空気量T、及び燃料噴射圧Uと、下記の数式3とに基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量の推定値としての第1混入量ΔZ1が算出される。なお、下記の数式3において、k1,k2,k3,k4,k5は係数であり、C1は定数である。
Figure 0006540752
これにより、煤の発生量が多いほどエンジンオイルへの煤の混入量が増加しやすいこと、EGR率が高いほど煤が発生しやすいこと、燃焼室10内に流入する空気量が多いほど煤が発生しやすいこと、及び、燃料噴射圧が高いほど煤が発生しやすいことを考慮して、第1混入量ΔZ1を精度よく算出できる。
ただし、第1混入量ΔZ1の算出においては、上記のパラメータΔS1、R1,R2,T,U以外のパラメータを用いた補正を更に行うようにしてもよい。
ステップS235で算出された第1混入量ΔZ1は、コントロールユニット100に記憶され、上述した積算混入量推定部136による積算混入量Z(i)の算出(図6のステップS24)に用いられる。
[第2混入量算出制御]
図12に示すフローチャートを参照しながら、煤混入量推定部135による第2混入量算出制御(図6のステップS27)の処理の流れについて説明する。
先ず、ステップS271では、DPF44の再生制御(図4のステップS13)において算出された現在の煤堆積量M(i)と、所定時間(例えば1秒)前の煤堆積量M(i−1)が読み込まれる。
続くステップS272では、ステップS271で読み込まれた煤堆積量M(i),M(i−1)の情報に基づいて、単位時間(例えば1秒)当たりの煤堆積量Mの増加量ΔMが算出される。具体的には、現在の煤堆積量M(i)から所定時間前の煤堆積量M(i−1)が減算されることで、煤堆積量Mの増加量ΔMが得られる。
次のステップS273では、ステップS272で算出された煤堆積量Mの増加量ΔMと、下記の数式4とに基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量の推定値としての第2混入量ΔZ2が算出される。なお、下記の数式4において、k20は係数であり、C20は定数である。
Figure 0006540752
このようにして算出された第2混入量ΔZ2は、煤堆積量Mの増加量ΔMが多いほど、煤の排出量及び発生量が多く、エンジンオイルへの煤混入量も多くなりやすいことを考慮して得られる推定値となる。
なお、ステップS273における第2混入量ΔZ2の算出においては、高圧EGRシステム50のEGR率を考慮した補正を更に行うようにしてもよい。
ステップS273で算出された第2混入量ΔZ2は、コントロールユニット100に記憶され、上述した積算混入量推定部136による積算混入量Z(i)の算出(図6のステップS28)に用いられる。
[作用効果]
以上のように、本実施形態では、エンジンオイルへの単位時間当たりの煤混入量の推定に関して、エンジン2の燃焼状態に基づいた推定値である第1混入量ΔZ1と、DPF44における煤堆積量Mの増加量ΔMに基づいた推定値である第2混入量ΔZ2とのうち、いずれか一方の推定値が選択的に算出される(図6のステップS23,S27)。また、第1混入量ΔZ1又は第2混入量ΔZ2のうち、選択的に算出された煤混入量が加算されることで、エンジンオイルへの煤の積算混入量Z(i)が算出される(図6のステップS24,S28)。
上記の第1混入量ΔZ1又は第2混入量ΔZ2の選択は、DPF44の直近の再生開始時から現在までに燃焼室10から排出された煤の積算量の推定値である第1積算値S1及び第2積算値S2の大小関係によって行われる(図6のステップS26)。エンジン2の燃焼状態に基づいて算出される第1積算値S1が大きいときは第1混入量ΔZ1が選択され、DPF44における煤堆積量Mに基づいて算出される第2混入量ΔZ2が大きいときは第2混入量ΔZ2が選択される。
DPF44の再生処理の直後において煤堆積量Mが小さいとき、差圧センサ73の検出精度が低くなりやすく、また、煤がDPF44をすり抜けやすいことから、煤堆積量Mに基づいて算出される第2積算値S2は、実際の煤排出量の積算値よりも小さな値になり得る。
これに対して、燃焼パラメータに基づいて算出される第1積算値S1は、燃料噴射弁13が精度よく作動し、想定通りの燃焼が行われている限り、高精度の推定値になり得る。そのため、燃料噴射弁13が精度よく作動している間は、第2積算値S2よりも第1積算値S1が大きくなる傾向があり、この間、第1混入量ΔZ1を選択した積算混入量Z(i)の算出が行われることになる。
また、単位時間当たりの煤混入量の推定値に関しても、燃料噴射弁13が精度よく作動している限り、燃焼パラメータに基づいて算出される第1混入量ΔZ1は、高精度の推定値になり得る。
したがって、燃料噴射弁13が精度よく作動しているとき、積算混入量Z(i)は、高精度の推定値である第1混入量ΔZ1に基づいて、精度よく算出される。
一方で、デポジットの付着等により燃料噴射弁13の劣化が進むと、燃料噴射の態様が変化することで煤が発生しやすくなる。そのため、燃焼パラメータに基づいた煤排出量ΔS1及び第1積算値S1の算出精度が低下し得る。この場合、例えば図13のタイムチャートに示されるように、第1積算値S1が第2積算値S2よりも小さくなる状況になり得る。
図13に示す例において、時刻t1から時刻t2までの間、及び、その後の時刻t4から時刻t5までの間は、DPF44の再生処理が実行されている期間である。
時刻t1にDPF44の再生処理が開始されると、第1積算値S1はリセットされ、その後、次の再生処理が開始される時刻t4まで、第1積算値S1は比例的に増加する。ただし、燃料噴射弁13が劣化していることから、第1積算値S1は、比較的緩やかな傾きで上昇している。
一方、第2積算値S2は、DPF44の再生処理の実行中は算出されないことから(図6のステップS22,S25参照)、DPF44の再生処理が完了する時刻t2から、次の再生処理が開始される時刻t4にかけて増加する。
上述したように、DPF44の再生直後、第2積算値S2及びその増加速度は小さくなりやすい。そのため、時刻t2から時刻t3までの間は、第1積算値S1に比べて第2積算値S2が小さくなっている。この間は、燃焼パラメータに基づいて算出された第1混入量ΔZ1を用いて、積算混入量Z(i)の算出が行われる。
時刻t2から時刻t3までの期間は、差圧センサ73の検出精度が低い期間を含むため、DPF44における煤堆積量Mの増加量ΔMに基づく第2混入量ΔZ2の算出精度に比べて、燃焼パラメータに基づく第1混入量ΔZ1の算出精度が高い。したがって、この期間は、より高精度の第1混入量ΔZ1に基づいて積算混入量Z(i)を精度よく算出できる。
時刻t2と時刻t3との間において、DPF44における煤堆積量Mがある程度大きくなると、第2積算値S2の増加速度が上昇し、時刻t3において、第1積算値S1と第2積算値S2との大小関係が逆転する。
時刻t3から時刻t4にかけては、第1積算値S1に比べて第2積算値S2が大きくなり、DPF44における煤堆積量Mの増加量ΔMに基づいて算出される第2混入量ΔZ2を用いて、積算混入量Z(i)の算出が行われる。
時刻t3から時刻t4までの期間は、DPF44における煤堆積量Mが十分に大きくなっていることから、第1混入量ΔZ1の算出精度に比べて第2混入量ΔZ2の算出精度が高くなる。したがって、この期間においても、より高精度の第2混入量ΔZ2に基づいて積算混入量Z(i)を精度よく算出できる。
以上のように、本実施形態によれば、積算混入量Z(i)の算出において、燃料噴射弁13が精度よく作動している間は、燃焼パラメータに基づいて高精度に算出される第1混入量ΔZ1が用いられ、燃料噴射弁13が劣化した状態では、DPF44における煤堆積量Mに応じて、第1混入量ΔZ1と第2混入量ΔZ2とのうちより高精度の推定値が用いられることで、積算混入量Z(i)を常に精度よく算出できる。
したがって、精度よく算出された積算混入量Z(i)に基づいて、エンジンオイルの劣化の有無を精度よく判定できる。よって、高精度の劣化判定に基づいて、エンジンオイルの交換を促す報知を適切なタイミングで行うことができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
以上のように、本発明によれば、ディーゼルエンジンのオイルの劣化判定の精度を高めて、より適切なタイミングでのオイル交換報知を可能にすることが可能となるから、ディーゼルエンジンのメンテナンス技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 エンジンシステム
2 ディーゼルエンジン
4 吸気系
6 燃料供給系
8 排気系
10 燃焼室
13 燃料噴射弁
44 パティキュレートフィルタ(DPF)
50 高圧EGRシステム
60 低圧EGRシステム
73 差圧センサ
80 報知装置
100 コントロールユニット
110 燃焼制御部
120 DPF再生制御部
130 オイル劣化判定部
131 煤発生量推定部
132 第1積算部
133 第2積算部
134 積算値比較部
135 煤混入量推定部
136 積算混入量推定部
137 報知制御部

Claims (6)

  1. コントロールユニットに実施させる、ディーゼルエンジンのオイル交換報知方法であって、
    ディーゼルエンジンの燃焼室での燃焼状態に関連する燃焼パラメータに基づいて、単位時間当たりに前記燃焼室で発生した煤量の推定値として、煤発生量を算出する煤発生量推定工程と、
    前記ディーゼルエンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタの直近の再生開始時から継続的に前記煤発生量を積算することで、前記直近の再生開始時から現在までに前記燃焼室で発生した煤の総量の推定値としての第1積算値を得る第1積算工程と、
    前記第1積算値とは異なる前記総量の推定値としての第2積算値を、前記パティキュレートフィルタにおける煤堆積量に基づいて算出する第2積算工程と、
    前記第1積算値と前記第2積算値のうちいずれが大きいかを判定する積算値比較工程と、
    前記第1積算値が前記第2積算値以上であるときは前記煤発生量推定工程で算出された煤発生量に基づいて、前記第2積算値が前記第1積算値よりも大きいときは前記煤堆積量の単位時間当たりの増加量に基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する煤混入量推定工程と、
    前記煤混入量を積算することで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を算出する積算混入量推定工程と、
    前記積算混入量が所定値よりも大きくなったとき、エンジンオイルの交換を促す報知を行う報知工程と、を備えることを特徴とするディーゼルエンジンのオイル交換報知方法。
  2. 前記パティキュレートフィルタの再生を制御する再生制御工程を備え、
    前記再生制御工程は、
    前記排気通路における前記パティキュレートフィルタの上流側部分と下流側部分との間の圧力差に基づいて、前記第2積算工程で用いられる前記煤堆積量を算出する煤堆積量推定工程と、
    前記煤堆積量推定工程で算出された前記煤堆積量が所定値よりも大きくなったとき、前記パティキュレートフィルタの再生を実行する再生実行工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンのオイル交換報知方法。
  3. 前記煤混入量推定工程では、前記パティキュレートフィルタの再生が実行されているとき、前記第1積算値と前記第2積算値との大小関係に関わりなく、前記煤発生量推定工程で算出された煤発生量に基づいて前記煤混入量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンのオイル交換報知方法。
  4. ディーゼルエンジンの燃焼室での燃焼状態に関連する燃焼パラメータに基づいて、単位時間当たりに前記燃焼室で発生した煤量の推定値として、煤発生量を算出する煤発生量推定手段と、
    前記ディーゼルエンジンの排気通路に設けられたパティキュレートフィルタの直近の再生開始時から継続的に前記煤発生量を積算することで、前記直近の再生開始時から現在までに前記燃焼室で発生した煤の総量の推定値としての第1積算値を得る第1積算手段と、
    前記第1積算値とは異なる前記総量の推定値としての第2積算値を、前記パティキュレートフィルタにおける煤堆積量に基づいて算出する第2積算手段と、
    前記第1積算値と前記第2積算値のうちいずれが大きいかを判定する積算値比較手段と、
    前記第1積算値が前記第2積算値以上であるときは前記煤発生量推定手段により算出された煤発生量に基づいて、前記第2積算値が前記第1積算値よりも大きいときは前記煤堆積量の単位時間当たりの増加量に基づいて、単位時間当たりのエンジンオイルへの煤混入量を算出する煤混入量推定手段と、
    前記煤混入量を積算することで、エンジンオイルへの煤の積算混入量を算出する積算混入量推定手段と、
    前記積算混入量が所定値よりも大きくなったとき、エンジンオイルの交換を促す報知を行う報知制御手段と、を備えることを特徴とするディーゼルエンジンのオイル交換報知装置。
  5. 前記パティキュレートフィルタの再生を制御する再生制御手段を備え、
    前記再生制御手段は、前記排気通路における前記パティキュレートフィルタの上流側部分と下流側部分との間の圧力差に基づいて、前記第2積算手段において用いられる前記煤堆積量を算出し、該煤堆積量が所定値よりも大きくなったとき、前記パティキュレートフィルタの再生を実行することを特徴とする請求項4に記載のディーゼルエンジンのオイル交換報知装置。
  6. 前記煤混入量推定手段は、前記パティキュレートフィルタの再生が実行されているとき、前記第1積算値と前記第2積算値との大小関係に関わりなく、前記煤発生量推定手段によって算出された煤発生量に基づいて前記煤混入量を算出することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のディーゼルエンジンのオイル交換報知装置。
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