JP6540175B2 - シールの製造方法 - Google Patents

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本発明は、シールの製造方法に関する。詳しくは、使用時のシール部は実質的な基材を含まず粘着剤層と印刷インキ層のみからなるシールであって、被着体に対して繰り返し着脱できるようにしたシールの製造方法に関するものである。
特には、シールのオフセットによる絵柄印刷時の改良を図ったことを特徴とする。
従来から各種のシールが製造され使用されているが、紙やプラスチック等の基材に絵柄を印刷した構成からなるのが一般的である。基材の裏面に粘着剤層を設け、基材と絵柄からなるシールをこの粘着剤により被着体に貼着するのが従来のシールの形態である。
従って、シールとして使用する際に実質的な基材を含まないで粘着剤層と印刷インキ層のみからなるシールの例は、あまり見られない。
従来、比較的に厚みのあるシールを製造する方法として、所定の基材表面にシールの絵柄を印刷し、基材裏面に粘着剤を全面塗工したシートの粘着剤塗工面に対して剥離紙をラミネート加工し、定型の抜き刃で表面絵柄周囲の基材を型抜きしてから粕上げ(必要でない型抜き周囲の余分な基材を除去すること)し、シールを製造する方法が一般的である。
このような製造方法では、シールの形状が種々であって一定形状でない場合は、抜き刃をその形状に合わせて作製する必要があり、コスト高になる問題がある。そこで、抜き刃を使用しないシールの製造方法が検討されている。
特許文献1は、剥離シートの上にスクリーン印刷で粘着層、下地層を塗工し、印刷層をインクジェットで印刷する装飾用シールを記載している。印刷層上にオーバーコート層を塗工することも記載している。しかし、インクジェット印刷では、十分なシールの厚さが得られず、本発明シールの機能を備えられないと考えられる。
特許文献2に記載されているシールの製造方法は、打ち抜き刃によりシールを定型の形に打ち抜く製造方法である。この製造方法を用いると打ち抜き工程が必要になるとともに、打ち抜く形状ごとに打ち抜き刃を作製する必要があるという欠点がある。
特開2014− 50966号公報 特開2011−215335号公報
使用時のシール部が実質的な基材を含まないで粘着剤層と印刷インキ層のみからなるシールは、シール製造時の台紙である剥離性基材上に粘着剤層を形成し、該粘着剤層の上に絵柄を印刷している。
しかし、粘着剤層上に絵柄を直接オフセット印刷することは困難なので、絵柄印刷の下地となる透明なメジウム印刷層(透明シルクスクリーンインキ印刷層)を粘着剤層上に形成し、その上にオフセット印刷法により絵柄印刷を行うようにしている。
しかし、この絵柄印刷の際、下地に揮発乾燥型の粘着剤を使用し乾燥させてから、メジウム印刷層(透明シルクスクリーンインキ印刷層)の形成を行うと、粘着剤層の剥離性基材に対する粘着力(タック力)が低下しているため、剥離性を有する基材に予め形成しておいた粘着剤層とメジウム印刷層が重なった状態で、オフセット印刷機のブランケット胴に取られてしまう問題が生じる。そうなると、オフセット印刷による絵柄印刷が円滑にできなくなる。本発明は、このような問題を解消することを課題とするものである。
上記課題を解決する本発明の要旨の第は、剥離性を有する基材上に、粘着剤層、透明シルクスクリーンインキ印刷層、オフセット印刷による絵柄印刷層、透明シルクスクリーンオーバープリント層からなるシール部が、この順に積層されているシールの製造方法において、前記粘着剤層のシルクスクリーン印刷法による塗布に、揮発乾燥型の粘着剤に紫外線硬化型の粘着剤を、全粘着剤量に対する比率で30〜45%の質量比で添加して印刷した後、紫外線照射を行わず紫外線硬化型粘着剤が未硬化な状態で、透明シルクスクリーンインキ印刷層の形成と、オフセット印刷法による絵柄印刷層の形成、および透明シルクスクリーンオーバープリント層の形成を順に行い、その後に紫外線照射して前記粘着剤層の粘着性を低下させることを特徴とするシールの製造方法、にある。
上記の製造方法において、前記シール部の厚みを、150〜250μmに形成することができ、前記粘着剤層の厚みを20〜30μmに形成することもできる。また、前記透明シルクスクリーンインキ印刷層を前記粘着剤層の外形と略相似形になるように印刷し、前記透明シルクスクリーンインキ印刷層は粘着剤層の外縁よりも少なくとも0.3〜0.5mmの幅で拡張した大きさに形成することも好ましい。
本発明のシールの製造方法によれば、粘着剤層の形成に揮発乾燥型の粘着剤に紫外線硬化型の粘着剤を添加して使用し、しかも該紫外線硬化型粘着剤を未硬化な状態で、以降の工程である透明シルクスクリーンメジウムインキ印刷と、オフセット印刷による絵柄印刷を行うので、粘着剤層と剥離性基材の粘着力が高く保たれ、オフセット印刷による絵柄印刷時に剥離性基材から粘着剤層から上の部分が剥離して、ブランケット胴に取られてしまうという現象を生じない。従って、オフセット印刷による絵柄印刷を円滑に行い得る。
本発明のシールの製造方法では、シール部を刃型で打ち抜きする必要がなく、厚みのある再剥離性のシール部が得られる。また、製造工程を円滑にできるとともに、製造コストを低減できる。
本発明の製造方法によるシールの製造工程を説明する図である。 完成したシールを示す断面図である。 シール部を被着体に貼着した状態の斜視図である。 シルクスクリーン版を説明する図である。 シールの絵柄印刷工程で生じ易いトラブルの状況を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法によるシールの製造工程を説明する図である。
図1(A)のように、シールの製造は、まず、剥離性を有する基材(シール台紙)10上に、透明な粘着剤をシルクスクリーン印刷法で所定形状に塗布して粘着剤層11を形成する。粘着剤層11は、シールが完成した際に、シール部を被着体に貼着するためであるが、貼着した後に再剥離可能なように弱粘着性の粘着剤が使用される。所定形状にとは、全面塗布ではなく、シールの個々の絵柄に合わせた形状に、という意味である。基材10面に形成するシール部の数に合わせて、1ないし複数箇所形成される。
本発明のシールの製造方法では、上記の粘着剤の塗布において、揮発乾燥型粘着剤に紫外線硬化型粘着剤(以下、UV硬化型粘着剤とも表記する)を添加した粘着剤を使用することを特徴とする。粘着剤の塗布直後、紫外線照射によるUV硬化型粘着剤の硬化を行わないことも特徴である。ただし、塗布後に熱風や赤外線ヒータによる通常の乾燥は行うので、揮発乾燥型粘着剤に対しては乾燥の効果は生じている。
図1(A)〜図1(D)において、粘着剤層11は揮発乾燥型の粘着剤11kとUV硬化型粘着剤11uが混合併用されていることを模式的に示すが、UV硬化型粘着剤11uが球状粒子として分散していることを意味するものではない。UV硬化型粘着剤11uが黒丸である部分は未硬化な状態にあり、白丸である部分は硬化している状態にあることを意味している。
この粘着剤層11上に透明なシルクスクリーンメジウムインキを印刷して、透明シルクスクリーンインキ印刷層12を形成する。透明シルクスクリーンインキ印刷層12は、粘着剤層11よりも広い面積で印刷することが、シール部を再剥離する際に便利となる。
なお、本発明で透明とは、前記粘着剤層11やシルクスクリーンインキ印刷層12、あるいは後述する透明シルクスクリーンオーバープリント層14を介して絵柄を見る場合に、絵柄が鮮明さを失わずに視認できる程度に透明であれば良いことを意味する。
また、メジウムインキとは、通常は透明なビヒクルと体質顔料からなるインキである。
次に、図1(B)のように、透明シルクスクリーンインキ印刷層12の上に、オフセット印刷法で、シールの絵柄である絵柄印刷層13を形成する。
透明シルクスクリーンインキ印刷層12を介して絵柄印刷層13を印刷するのは、粘着剤層11は粘着性が残るため、ブランケット胴に粘着し、直接オフセット印刷法で印刷できないからである。絵柄は通常複数色の刷色で印刷される。
続いて、図1(C)のように、絵柄印刷層13の上に、シルクスクリーン印刷法でシールの保護層である透明シルクスクリーンオーバープリント層14をメジウムインキにより印刷する。厚みを大きくするため、複数回のオーバープリント印刷をする場合もある。
このように、シールの製造にシルクスクリーン印刷法が多用されるのは、シールの厚みを大きくする目的からである。オフセット印刷では、1回の印刷で1μm未満の厚みしか得られないが、シルクスクリーン印刷では、1回の印刷で数μm以上の厚みが得られる。
最後に、粘着剤層11に紫外線を照射してUV硬化型粘着剤11uを硬化させる。
図1(D)において、UV硬化型粘着剤11uが白丸に変化しているのは、紫外線照射により硬化したことを意味する。
ここで、シルクスクリーン版について説明する。
図4は、シルクスクリーン版を説明する図である。シルクスクリーン版25のスクリーンは、強固な型枠23に組み込まれて平面な状態に保持されている。中央の絵柄となる部分21は、インキがスクリーンメッシュを通過できるように感光性樹脂膜が形成されてなく、絵柄となる部分以外の部分22は、感光性樹脂膜が形成されている。
この状態でシルクスクリーンインキをスクィージの摺動によって押し出せば、絵柄となる部分21のインキが被印刷体に付着するものである。スクリーンにはポリエステル製やステンレス製であって、60〜200メッシュ程度のものが使用される。
先に、絵柄印刷の際、揮発乾燥型の粘着剤を使用し完全に乾燥させてから、オフセットによる絵柄印刷を行うと、粘着剤層の剥離性基材に対する粘着力(タック力)が低下するため、剥離性を有する基材に予め形成しておいた粘着剤層と透明シルクスクリーンインキ印刷層が重なった状態で、オフセット印刷機のブランケット胴に取られてしまう問題が生じることを説明した。この現象について図面を参照して説明する。
図5は、シールの絵柄印刷工程で生じ易いトラブルの状況を説明する図である。
オフセット印刷では、インキ供給ロールから印刷版に転移したインキを、一旦ブランケット胴が受け取りし、そのインキを被印刷体に印刷する。なお、ブランケット胴とは、平滑なゴムブランケットを巻き付けした圧胴のことである。
図5(A)のように、ブランケット胴30に転移した絵柄インキ3が透明シルクスクリーンインキ印刷層12の上に転移して印刷されるのが正常である。
しかし、粘着剤層11の粘着力(タック力)が低下していると、図5(B)のように、ブランケット胴上の絵柄インキ3に透明シルクスクリーンインキ印刷層12と粘着剤層11が重なって付着した状態でブランケット胴30に取られてしまう。このような状態では円滑なオフセット絵柄印刷が不可能になる。
一般的には、粘着剤として揮発乾燥型の粘着剤を使用し、透明シルクスクリーンインキ印刷層12を形成する前に、熱風や赤外線ヒータで溶剤を揮発乾燥させる。粘着剤は溶剤をある程度揮発させても残留溶剤があって本来粘着力を有するが、基材10が剥離性であるため、基材10と粘着剤層11間の粘着力は、一般的な紙基材に対する場合に比較して著しく低下している。従って、ブランケット胴30とオフセットインキ3間、またはインキ3と透明シルクスクリーンインキ印刷層12間の粘着力が、剥離性基材(シール台紙)10と粘着剤層11との間の粘着力よりも大きくなると前記図5(B)のような現象が生じることになる。
他方、粘着剤にUV硬化型粘着剤を単独で使用する場合がある。UV硬化型粘着剤は、活性エネルギー線硬化型接着剤の一種であって、紫外線を照射することによって、連鎖的な光重合反応により液体から固相へ相変化する。揮発乾燥型の粘着剤と異なり、UV硬化型粘着剤では有機溶剤に代えてモノマーが使用される。グラビヤインキのように低粘度で使用する場合は、一般の有機溶剤を希釈溶剤として併用するが、シルクスクリーンインキのように比較的高い粘度で使用する場合は、モノマーのみでほぼ粘度調整が可能となる。増感剤として、光重合開始剤が添加される場合もある。
UV硬化型粘着剤は、未硬化では高い粘着力を有するので、透明シルクスクリーンインキ印刷層12を印刷する前に紫外線照射して硬化させる。紫外線照射により瞬間的に硬化するので、硬化前と硬化後の中間状態を再現するのは一般的には困難である。
そこで、本発明のシールの製造方法では、揮発乾燥型の粘着剤にUV硬化型粘着剤を適量添加した粘着剤を使用する。当該粘着剤を塗工した後、通常の熱風または赤外線ヒータによる乾燥を行い揮発乾燥型の粘着剤を乾燥させるが、紫外線照射は行わないで、UV硬化型粘着剤は未硬化な状態にして適度な粘着力状態を得ようとするものである。
もっとも、シールの完成後は、紫外線照射して硬化を促進させるが、出荷直前に紫外線照射するものでも構わない。
次に、本発明の製造方法で得られるシールについて説明する。
図2は、完成したシールを示す断面図である。
図2のように、剥離性基材(シール台紙)10の上にシール部2が形成されている。
剥離性を有する基材10を除く、粘着剤層11から透明シルクスクリーンオーバープリント層14の間がシール部2に相当する。基材10が剥離性であるため、シール部2の粘着剤層11は基材10から剥離可能である。シール部2のみが被着体に貼着するシールとして使用される。通常、剥離性を有する基材10を除くシール部2の厚みは180〜250μmになるようにされている。
前記シール部2の厚みは、上記の厚みに形成することが、シール部2の反復する貼着・剥離性を確保する上から好ましい。また、前記粘着剤層11の厚みは、20〜30μmに形成することがシール部2の保護観点から好ましい。絵柄印刷層13は、透明シルクスクリーンインキ印刷層12と透明シルクスクリーンオーバープリント層14の形状内に納まる大きさにされている。絵柄印刷層13を保護する目的からである。
透明シルクスクリーンインキ印刷層12は、シール部2の輪郭を区画する大きさに形成される。透明シルクスクリーンインキ印刷層12の外形と粘着剤層11の外形は略相似する形状にできるが、図1のように、透明シルクスクリーンインキ印刷層12は粘着剤層11の外縁よりも少なくとも幅H(0.3〜0.5mm程度)で拡張した大きさに形成するのが好ましい。
透明シルクスクリーンインキ印刷層12が粘着剤層11よりも広い面積である場合が、基材10から剥離し易く、一旦被着体に貼着したシール部2を再剥離する場合も剥離が容易になるからである。また、粘着剤層11の面積の方が大きいと、表面に粘着剤が出る部分があり他工程で問題が起きる場合もある。
図3は、シール部を被着体に貼着した状態の斜視図である。
図3のように、透明な被着体20の内面に粘着剤層11によりシール部2を貼着した場合は、内面側からは絵柄印刷層13が視認できる。絵柄印刷層13は透明シルクスクリーンオーバープリント層14を介して見るので、透明シルクスクリーンオーバープリント層14は透明性が高いことが必要になる。
絵柄印刷層13に不透明な層がない場合は、透明な被着体20の外面側からも絵柄印刷層13を視認できる。外面側からは内面側から見た場合とは対称形の絵柄となる場合が多いが、絵柄インキの重なり具合によっては、必ずしも対称形の絵柄にはならない。
絵柄印刷層13に白色等の隠蔽層が入る場合は透明な被着体に貼着しても、反対側からは隠蔽層に遮蔽されて絵柄印刷層13が見えないことは自明なことである。
シール部2の全体厚みは、一般の紙基材付きシールと同等の厚みとするため、150μm以上となるのが好ましい。絵柄印刷層13は、繊細な絵柄も多いことからオフセット印刷法が採用される。オフセット印刷には、紫外線硬化型インキを使用しても良い。
粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12とが積層する部分の透過濃度は、0.05以下であることが好ましい。また、粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12、および透明シルクスクリーンオーバープリント層14の三層が積層する(絵柄印刷層13は含まない)部分の透過濃度は、0.1未満であることが好ましい。絵柄を鮮明に見る目的と絵柄以外の部分は目立たない方が好ましいからである。
〈材質に関する実施形態〉
本発明で使用する各種材料について説明する。
(1)剥離紙用基材と剥離剤
剥離紙用基材10としては、十分な強度を有するものであれば使用でき、例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等が好適に使用できる。これらの基材の粘着剤層11と接する面に剥離剤を塗工して使用することができる。
剥離層を形成する剥離剤には、紫外線硬化型メジウムインキにシリコーンオイルを添加したものや、シリコーンアクリレートを添加したもの等を使用する。通常の熱硬化型剥離インキを使用することもできる。剥離剤の印刷方式は、オフセット、フレキソ、グラビア印刷などが挙げられる。
(2)揮発乾燥型粘着剤
粘着作用をする粘着剤であって弱粘着性のものを粘着剤層11の形成に広く使用できる。
弱粘着性粘着剤としては、NR、SBR、IR、CR等のゴム系と溶剤とからなるものが主流であるが、エマルジョン型のアクリル系粘着剤も使用できる。その他、シリコン系、ポリビニルエーテル系等があるが何れでも使用できる。溶剤には、一般に、有機系溶剤が使用される。
(3)紫外線硬化型粘着剤
紫外線硬化型粘着剤は、活性エネルギー線硬化型接着剤の一種であって、紫外線を照射することによって、連鎖的な光重合反応により、液体から固体へ相変化する。樹脂としては、二重結合を有するプレポリマーが使用され、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等の樹脂が使用される。
モノマーとしては、ビスフェノールA型エポキシ、脂環式エポキシなどのエポキシ基を有するモノマー等が希釈溶剤の役割をし、架橋剤の役割も兼ねている。
通常、光硬化後は粘着性を失うが、本シールに使用する場合は、完全には硬化しないで硬化後も粘着性を維持するように設計されている材料が使用される。
(4)シルクスクリーンインキ
溶剤型のものは、セルロース系、塩酢ビ系、アクリル系等の各種高分子樹脂(分子量1万〜数十万)が使用され、有機溶剤(沸点120〜220°C)が希釈剤として使用される。
紫外線硬化型のものは、二重結合を有するプレポリマー(分子量500〜5000)が使用される。希釈剤としては二重結合を有するモノマーが使用される。
消泡剤、ワックス、レベリング剤、滑剤等の補助剤が添加され、着色の場合は、顔料等の色材が添加される。
(実施例1)
剥離性を有する基材10として、上質紙にシリコン系の剥離剤を塗工した基材(厚み250μm)を使用し、シール1の製造を行った。
粘着剤として、溶剤可溶性の揮発乾燥型アクリル系粘着剤(ジプロピレングリコールジアクリレート、サートマー社製商品名SR508)を用い、これにUV硬化型粘着剤(十条ケミカル株式会社製レイキュア4700VX)を添加して使用し、シルクスクリーン印刷法で所定形状に塗布した。揮発乾燥型アクリル系粘着剤とUV硬化型粘着剤の割合は、インキの質量比で、100:82になるようにした。この粘着剤の塗布には、200メッシュのポリエステルスクリーンを使用した。
熱風および赤外線ヒータによる乾燥を行ったが紫外線照射による乾燥を行わないで、次の工程を行った。なお、乾燥後の粘着剤層11の厚みは、20〜25μmとなった。
粘着剤層11の面上に、アクリル酸エステル系のシルクスクリーンメジウムインキを用いて、透明シルクスクリーンインキ印刷層12の印刷を行った。この印刷層12の印刷には、60メッシュのステンレススクリーンを使用した。乾燥後の厚み(粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12を含む厚み)は、60〜80μmになった。
乾燥後の透明シルクスクリーンインキ印刷層12上に、オフセット印刷法により紫外線硬化型ではない通常のオフセットインキを用いて絵柄を印刷し、絵柄印刷層13を形成した。絵柄印刷層13の厚みは、1μm以下であった。
絵柄印刷層13上に、アクリル酸エステル系のシルクスクリーンメジウムインキを用いて、透明シルクスクリーンオーバープリント層14の印刷を2回行った。透明シルクスクリーンオーバープリント層14の合計厚みは、70〜90μm程度となるようにした。この透明シルクスクリーンオーバープリント層14の印刷には、60メッシュのポリエステルスクリーンを使用した。最後に、UVランプにより紫外線を照射し、UV硬化型粘着剤を硬化させて粘度を低下させた。シール部2の全体厚みは、130〜170μmとなった。
(実施例2)
実施例1と同一の剥離性基材10を使用し、同一の粘着剤と同一の印刷インキを使用し、同条件でシール1の製造を行った。
ただし、揮発乾燥型アクリル系粘着剤とUV硬化型粘着剤の割合は、インキの質量比で、100:60になるようにした。
熱風および赤外線ヒータによる乾燥を行ったが紫外線照射による乾燥を行わないで、次の工程を行った。なお、乾燥後の粘着剤層11の厚みは、20〜25μmとなった。
絵柄印刷層13と透明シルクスクリーンオーバープリント層14の形成も実施例1と同一の条件で行った。シール部2の全体厚みは、130〜170μmとなった。
(実施例3)
実施例1と同一の剥離性基材10を使用し、同一の粘着剤と同一の印刷インキを使用し、同条件でシール1の製造を行った。
ただし、揮発乾燥型アクリル系粘着剤とUV硬化型粘着剤の割合は、インキの質量比で、100:42になるようにした。
熱風および赤外線ヒータによる乾燥を行ったが紫外線照射による乾燥を行わないで、次の工程を行った。なお、乾燥後の粘着剤層11の厚みは、20〜25μmとなった。
絵柄印刷層13と透明シルクスクリーンオーバープリント層14の形成も実施例1と同一の条件で行った。シール部2の全体厚みは、130〜170μmとなった。
(比較例1)
実施例1と同一の剥離性基材10を使用し、同一の粘着剤と同一の印刷インキを使用し、同条件でシール1の製造を行った。
ただし、揮発乾燥型アクリル系粘着剤とUV硬化型粘着剤の割合は、インキの質量比で、100:100になるようにした。
熱風および赤外線ヒータによる乾燥を行ったが紫外線照射による乾燥を行わないで、次の工程を行った。なお、乾燥後の粘着剤層11の厚みは、20〜25μmとなった。
絵柄印刷層13と透明シルクスクリーンオーバープリント層14の形成も実施例1と同一の条件で行った。シール部2の全体厚みは、130〜170μmとなった。
(比較例2)
実施例1と同一の剥離性基材10を使用し、同一の粘着剤と同一の印刷インキを使用し、同条件でシール1の製造を行った。
ただし、揮発乾燥型アクリル系粘着剤とUV硬化型粘着剤の割合は、インキの質量比で、100:20になるようにした。
熱風および赤外線ヒータによる乾燥を行ったが紫外線照射による乾燥を行わないで、次の工程を行った。なお、乾燥後の粘着剤層11の厚みは、20〜25μmとなった。
絵柄印刷層13と透明シルクスクリーンオーバープリント層14の形成も実施例1と同一の条件で行った。シール部2の全体厚みは、130〜170μmとなった。
上記の実施例1〜実施例3では、オフセット印刷法による絵柄印刷において、粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12が重なった状態で、オフセット印刷機のブランケット胴に取られてしまう問題が生じなかったが、比較例2では、紫外線硬化型粘着剤の添加量が少ないため、揮発乾燥型粘着剤単独の場合と同様にこの問題が生じた。
また、比較例1では、紫外線硬化型粘着剤の添加量が多すぎるため、透明シルクスクリーンインキ印刷層12を印刷する際、粘着剤層11面にシルクスクリーンメッシュが粘着して円滑な透明シルクスクリーンインキ印刷層12の印刷ができない状態が確認された。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006540175
上記表1において、UV硬化型粘着剤の比率とは、揮発乾燥型の粘着剤の質量=A、UV硬化型粘着剤の質量=B、とした場合、〔B/(A+B)〕×100で算出される数値である。
また、結果において、「良好」とは、オフセットによる絵柄印刷時に剥離性基材10から粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12がブランケット胴に取られる現象と粘着剤層11面にシルクスクリーンメッシュが粘着する現象が生じなかったことを示す。
「メッシュに粘着する現象」とは、透明シルクスクリーンインキ印刷層12の印刷時に、粘着剤層11面にシルクスクリーンメッシュが粘着する現象が生じたことを示す。
「版胴に取られる現象」とは、オフセットによる絵柄印刷時に剥離性基材10から粘着剤層11と透明シルクスクリーンインキ印刷層12が重なった状態でブランケット胴に取られる現象が生じたことを示す。
以上の結果から、全粘着剤量中にけるUV硬化型粘着剤の添加比率(配合割合)は、30〜45%程度が好ましいことが認められる。

1 シール
2 シール部
3 絵柄インキ
10 基材(シール台紙)
11 粘着剤層
12 透明シルクスクリーンインキ印刷層
13 絵柄印刷層
14 透明シルクスクリーンオーバープリント層
20 被着体
25 シルクスクリーン版
30 ブランケット胴


Claims (1)

  1. 剥離性を有する基材上に、粘着剤層、透明シルクスクリーンインキ印刷層、オフセット印刷による絵柄印刷層、透明シルクスクリーンオーバープリント層からなるシール部が、この順に積層されているシールの製造方法において、前記粘着剤層のシルクスクリーン印刷法による塗布に、揮発乾燥型の粘着剤に紫外線硬化型の粘着剤を、全粘着剤量に対する比率で30〜45%の質量比で添加して印刷した後、紫外線照射を行わず紫外線硬化型粘着剤が未硬化な状態で、透明シルクスクリーンインキ印刷層の形成と、オフセット印刷法による絵柄印刷層の形成、および透明シルクスクリーンオーバープリント層の形成を順に行い、その後に紫外線照射して前記粘着剤層の粘着性を低下させることを特徴とするシールの製造方法。
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