JP6540024B2 - 接着構造体及び接着方法 - Google Patents

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本発明は、接着構造体及び接着方法に関する。
近年、自動車の車体軽量化のために強化基材に樹脂を含浸させた複合材料が自動車部品として用いられており、自動車部品は、複合材料同士を、接着剤を介して接合することによって形成される。
また、複合材料を構成する樹脂として、現在はその機械的特性の高さから、熱硬化性樹脂が主に用いられている。しかしながら、熱硬化性樹脂では、材料コストや硬化させるのに時間がかかるといった理由から、熱可塑性樹脂に置き換えられると予想されている。
ところが、この熱可塑性樹脂は、一般的に接着剤に対して接着性が低く、強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料も、表面に熱可塑性樹脂が形成されるため、同様に接着剤に対して接着性が低くなる。
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、誘電加熱性を有し加圧によって複合材料に食い込み可能な顆粒・繊維状の誘電加熱媒体が混合された接着剤を用いる接合方法が開示されている。
この方法によれば、誘電加熱媒体が混合された接着剤を一対の複合材料の間に配置して、誘導加熱で加熱しつつ加圧することによって、誘電加熱媒体が複合材料に食い込むため、複合材料及び接着剤間の接着が実現可能となる。
特開2013−166904号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接合方法では、接着剤に、複合材料に食い込み可能な顆粒・繊維状の誘電加熱媒体が混合されるため、コストの増加や製造工程の煩雑化が懸念される。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制しつつ、強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料の接着剤に対する接着性を向上させることのできる接着構造体及び接着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る接着構造体は、カーボン繊維からなる強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料及び被接着部材が、熱硬化性のエポキシ樹脂系の接着剤を介して接着されてなる接着構造体である。接着構造体は、前記接着剤側の表面における前記熱可塑性樹脂が溶融した前記複合材料の、前記表面における前記強化基材が、前記被接着部材から離間しつつ前記接着剤内に埋設された、接着構造体である。
また、上記目的を達成する本発明に係る接着方法は、カーボン繊維からなる強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料及び被接着部材を、熱硬化性のエポキシ樹脂系の接着剤を介して接着する接着方法である。接着方法は、前記接着剤側の表面における前記熱可塑性樹脂が溶融された前記複合材料の、前記表面における前記強化基材を、前記被接着部材から離間しつつ前記接着剤内に埋設する、接着方法である。
上記の接着構造体及び接着方法によれば、複合材料の強化基材が、接着剤内に埋設されるため、複合材料の接着剤に対する接着性を向上させることができる。また、接着剤には、先行技術文献の誘電加熱媒体のような別材料が混合されないため、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制することができる。したがって、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制しつつ、強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料の接着剤に対する接着性を向上させることのできる接着構造体及び接着方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る接着構造体を示す斜視図である。 本実施形態に係る接着構造体の内部の様子を示す概略図である。 第1実施形態に係る接着方法を用いる際の接合装置を示す図である。 第1実施形態に係る接着方法のフローチャートである。 複合材料の表面の熱可塑性樹脂を溶融する様子を示す図である。 複合材料の表面に接着剤を配置する様子を示す図である。 接着剤の複合材料が設けられる側と反対側の面に他の複合材料を配置する様子を示す図である。 第2実施形態に係る接着方法を用いる際の接合装置を示す図である。 第2実施形態に係る接着方法のフローチャートである。 複合材料、接着剤、及び他の複合材料の順に積層する様子を示す図である。 複合材料、接着剤、及び他の複合材料を加熱しつつ、複合材料及び他の複合材料を互いに向かう方向に押圧する様子を示す図である。 複合材料の強化基材が、接着剤内に埋設する様子を示す図である。 接着剤が離散的に配置される様子を示す図である。 比較例に係る接着構造体のせん断試験の結果を示す図である。 実施例に係る接着構造体のせん断試験の結果を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る接着構造体1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る接着構造体の内部の様子を示す概略図である。なお、図1において、複合材料10,30及び接着剤20は簡略化して示す。また、図2において、理解の容易のため、強化基材11は黒丸で示し規則正しく構成されているが、実際は不規則に構成されている。以下の図面においても同様に、理解の容易のため、強化基材11は黒丸で示し規則正しく構成されている。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る接着構造体1の構成について説明する。
本実施形態に係る接着構造体1は、概説すると、図1及び図2に示すように、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料(被接着部材)30が、接着剤20を介して接着されてなる。そして、接着剤20側の表面13,33における熱可塑性樹脂12,32が溶融した複合材料10,30の、表面13,33における強化基材11A,31Aが、接着剤20内に埋設されてなる。複合材料10及び複合材料30は同様の構成を備えるため、以下、複合材料10の説明を行い、複合材料30の説明は省略する。
複合材料10は、強化基材11及び熱可塑性樹脂12が組み合わされることによって、熱可塑性樹脂12単体に比べて高い強度及び剛性を備える。
強化基材11は、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維などの織物シートによって形成される。
熱可塑性樹脂12は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂などを用いることができる。
接着剤20は、熱硬化性接着剤であって、例えば、エポキシ樹脂系接着剤等を適宜用いることができる。
次に、図3〜図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る接合装置100及び接着方法について説明する。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態に係る接着方法を用いる際の接合装置100を示す図である。図4は、第1実施形態に係る接着方法のフローチャートである。図5は、複合材料10の表面13の熱可塑性樹脂12を溶融する様子を示す図である。図6は、複合材料10の表面13に接着剤20を配置する様子を示す図である。図7は、接着剤20の複合材料10が設けられる側と反対側の面に他の複合材料30を配置する様子を示す図である。なお、図5〜図7において、レーザーヘッド110、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30は簡略化して示す。
まず、図3を参照して、接合装置100の構成について説明する。図3において、理解の容易のため、レーザーL、スキャナミラー112、及びレンズ113は実線で示す。図3では、フロントシートである複合材料10に、リアシートである複合材料30を接合する場合を例に挙げて説明する。
接合装置100は、レーザーヘッド110と、第1ハンドロボット120と、第2ハンドロボット130と、接着剤塗布ガン140と、第3ハンドロボット150と、を有する。
レーザーヘッド110は、複合材料10の表面13にレーザーLを照射することによって、表面13における熱可塑性樹脂12を溶融させる。レーザーヘッド110は、レーザーLが出射される照射部111と、レーザーLを走査するスキャナミラー112と、レーザーLを集光するレンズ113と、を有する。スキャナミラー112は、複合材料10の表面13のうち接着剤20が塗布される位置にレーザーLが照射されるように、不図示の制御部によって制御される。レーザーLは、例えばCOレーザーであるが、これに限定されない。また、レーザーLは、高出力にしやすいという観点から、パルス波であることが好ましい。
第1ハンドロボット120は、レーザーヘッド110を把持する。第1ハンドロボット120は、不図示の制御部に制御されることによって、レーザーヘッド110を複合材料10上の所定の位置に移動する。
第2ハンドロボット130は、複合材料30を把持する。第2ハンドロボット130は、複合材料10の表面13における熱可塑性樹脂12が溶融した後に、不図示の制御部に制御されることによって、複合材料30を複合材料10上に移動する。
接着剤塗布ガン140は、複合材料10の表面13における熱可塑性樹脂12が溶融した複合材料10の表面13に、接着剤20を塗布する。
第3ハンドロボット150は、接着剤塗布ガン140を把持する。第3ハンドロボット150は、不図示の制御部に制御されることによって、接着剤塗布ガン140を複合材料10上の所定の位置に移動する。
次に、図4のフローチャートを参照して、第1実施形態に係る接着方法を説明する。
本発明の第1実施形態に係る接着方法は、概説すると、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料30を、接着剤20を介して接着する方法である。また、接着剤20側の表面13,33における熱可塑性樹脂12,32が溶融された複合材料10,30の、表面13,33における強化基材11A,31Aを、接着剤20内に埋設する接着方法である。以下、第1実施形態に係る接着方法について、詳述する。
まず、図5に示すように、複合材料10の接着剤20が配置される側の表面13に、レーザーヘッド110の照射部111によってレーザーLを照射して、表面13における熱可塑性樹脂12を溶融する(S01)。レーザーLを表面13に照射する際、スキャナミラー112によってレーザーLを走査して、表面13の適切な位置にレーザーLを照射する。このように、複合材料10の表面13にレーザーLが照射されることによって、表面13における熱可塑性樹脂12が溶融される。
次に、図6に示すように、表面13における熱可塑性樹脂12が溶融された複合材料10の表面13に接着剤20を塗布する(S02)。接着剤20は、接着剤塗布ガン140によって、塗布される。このように、表面13における熱可塑性樹脂12が溶融された複合材料10の表面13に接着剤20を塗布することによって、表面13における強化基材11Aが、接着剤20内に埋設される。したがって、複合材料10の接着剤20に対する接着性が向上する。
次に、図7に示すように、塗布された接着剤20の複合材料10が設けられる側と反対側の面に複合材料30を配置する(S03)。複合材料30は、第2ハンドロボット130によって配置される。複合材料30は、複合材料10と同様に、接着剤20側の表面33において、熱可塑性樹脂32が溶融されていることが好ましい。熱可塑性樹脂32が溶融された状態で、接着剤20上に配置することによって、接着剤20側の表面33における強化基材31Aが、接着剤20内に埋設される。したがって、複合材料30の接着剤20に対する接着性が向上する。なお、接着剤20の上面に配置される部材は、複合材料30に限定されず、金属材料等であってもよい。
以上の工程によって、複合材料10及び複合材料30は、接着剤20を介して接合され、図1に示す接着構造体1が製造される。
以上説明したように、本実施形態に係る接着構造体1は、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料30が、接着剤20を介して接着されてなる。接着構造体1は、接着剤20側の表面13における熱可塑性樹脂12が溶融した複合材料10の、表面13における強化基材11が、接着剤20内に埋設されてなる。この接着構造体1によれば、複合材料10の強化基材11が、接着剤20内に埋設されるため、複合材料10の接着剤20に対する接着性を向上させることができる。また、接着剤20には、先行技術文献の誘電加熱媒体のような別材料が混合されないため、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制することができる。したがって、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制しつつ、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10の接着剤20に対する接着性を向上させることのできる接着構造体1を提供することができる。
また、接着構造体1は、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料30が、接着剤20を介して接着されてなる。このため、複合材料10,30同士を接着することができ、複合材料同士を接合されてなる自動車部品にも適用できる。
また、以上説明したように、本実施形態に係る接着方法は、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料30を、接着剤20を介して接着する接着方法である。また、接着剤20側の表面13における熱可塑性樹脂12が溶融された複合材料10の、表面13における強化基材11を、接着剤20内に埋設する。この接着方法によれば、複合材料10の強化基材11が、接着剤20内に埋設されるため、複合材料10の接着剤20に対する接着性を向上させることができる。また、接着剤20には、先行技術文献の誘電加熱媒体のような別材料が混合されないため、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制することができる。したがって、コストの増加や製造工程の煩雑化を抑制しつつ、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10の接着剤20に対する接着性を向上させることのできる接着構造体1を提供することができる。
また、強化基材11に熱可塑性樹脂12を含浸させた複合材料10及び強化基材31に熱可塑性樹脂32を含浸させた複合材料30が、接着剤20を介して接着されてなる。このため、複合材料10,30同士を接着することができ、複合材料同士を接合されてなる自動車部品にも適用できる。
また、複合材料10の接着剤20側の表面13における熱可塑性樹脂12を溶融させ、熱可塑性樹脂12が溶融された表面13に、接着剤20を配置することによって、強化基材11を接着剤20内に埋設する。この方法によれば、熱可塑性樹脂12が溶融された表面13に、接着剤20を配置するだけで、強化基材11を接着剤20内に埋設することができるため、より容易に強化基材11を接着剤20内に埋設することができる。
<第2実施形態>
次に、図8〜図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る接合装置200及び接着方法について説明する。
図8は、第2実施形態に係る接着方法を用いる際の接合装置200を示す図である。図9は、第2実施形態に係る接着方法のフローチャートである。図10は、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30の順に積層する様子を示す図である。図11は、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30を加熱しつつ、複合材料10及び複合材料30を互いに向かう方向に押圧する様子を示す図である。図12は、複合材料10,30の強化基材11A,31Aが、接着剤20内に埋設する様子を示す図である。
まず、図8を参照して、接合装置200の構成について説明する。図8において、複合材料10,30及び接着剤20は簡略化して示す。
接合装置200は、プレス加工成形型210と、恒温槽220と、第1ハンドロボット120と、第2ハンドロボット130と、接着剤塗布ガン140と、第3ハンドロボット150と、を有する。第1ハンドロボット120、第2ハンドロボット130、接着剤塗布ガン140、及び第3ハンドロボット150は、第1実施形態と同様の構成であるため説明は省略する。
プレス加工成形型210は、表面13における熱可塑性樹脂12が溶融した複合材料10及び表面33における熱可塑性樹脂32が溶融した複合材料30を、接着剤20を介して互いに向かう方向に押圧する。プレス加工成形型210は、図8に示すように、上型211と、下型212と、を有する。上型211及び下型212は互いに向かう方向に相対的に移動可能に構成される。なお、プレス成形加工型210が設けられず、第2ハンドロボット130が、複合材料30を複合材料10に対して押圧してもよい。
恒温槽220は、内部空間の温度を調整することができる。より具体的には、内部空間の温度を調整することによって、複合材料10の表面13における熱可塑性樹脂12及び複合材料30の表面33における熱可塑性樹脂32を溶融させる(図11参照)。
次に、図9のフローチャートを参照して、第2実施形態に係る接着方法を説明する。
まず、図10に示すように、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30の順に積層する(S11)。より具体的には、複合材料10の表面13に、接着剤塗布ガン140によって、接着剤20を塗布し、接着剤20の表面に第3ハンドロボット130によって複合材料30を配置する。
次に、図11に示すように、恒温槽220の温度を制御して、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30を加熱しつつ、プレス成型加工型210によって、複合材料10及び複合材料30を互いに向かう方向に押圧する(S12)。恒温槽220の内部空間における温度は、例えば、170度であるが、特に限定されない。このとき、接着剤20が増粘してきたタイミングで、熱可塑性樹脂12の融点まで加熱し、同時に押圧することが好ましい。この結果、複合材料10,30の表面13,33における熱可塑性樹脂12,32が溶融し、図12に示すように、表面13,33における強化基材11A,31Aが接着剤20内に埋設される。したがって、複合材料10,30の接着剤20に対する接着性が向上する。
以上、説明したように、第2実施形態に係る接着方法は、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30の順に積層し、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30を加熱しつつ、複合材料10及び複合材料30を互いに向かう方向に押圧する。これによって、強化基材11A,31Aを接着剤20内に埋設する。この接着方法によれば、複合材料10及び複合材料30を互いに向かう方向に押圧することによって、複合材料10の表面13における強化基材11A及び複合材料30の表面33における強化基材31Aを、一度に接着剤20内に埋設することができる。したがって、容易に複合材料10,30同士を接着することができる。
以下、上述した実施形態の改変例を例示する。
上述した第1実施形態では、複合材料10の表面13における熱可塑性樹脂12を溶融させる手段として、レーザーLを挙げたが、これに限定されず、赤外線ランプや誘導加熱などであってもよい。さらに上述の加熱による溶融に限定されず、複合材料10の表面13に有機溶剤を塗布することによって化学的に溶融してもよい。
有機溶剤としては、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素、グリセリン、エチレングリコール、ギ酸、氷酢酸、シュウ酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ピリジン、アニリン、デカリン、クロロホルム、エチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、石油ベンジン、石油エーテル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
また、上述した第2実施形態では、恒温槽220によって、複合材料10、接着剤20、及び複合材料30を全体的に加熱した。しかしながら、プレス加工成形型210が熱プレス可能な構成からなり熱プレスによって加熱及び押圧を行ってもよい。この方法によれば、第2実施形態と比較して、複合材料10,30を全体的に加熱することを防止でき、部分的に加熱することができるため、複合材料10,30の変形を抑制できる。
また、上述した第2実施形態では、図11に示すように、複合材料10,30の表面13,33に、接着剤20が一様に配置された。しかしながら、図13に示すように、複合材料10,30の表面13,33に、接着剤20が離散的に配置されてもよい。この構成によれば、複合材料10及び複合材料30を互いに向かう方向に押圧する際に、接着剤20が一様に配置される場合と比較して接着剤20が配置される箇所が高圧となる。このため、強化繊維11,31が接着剤20に対してより深く埋設することとなり、複合材料10及び複合材料30の接着性がより向上する。
<実施例>
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般的に接着しにくいポリプロピレン(熱可塑性樹脂12)をマトリクスとするカーボン繊維強化プラスチック(強化基材11)において、汎用的なエポキシ系の接着剤(接着剤20)を使用して複合材料10,30同士を接着し、せん断試験を行った。その結果、接着強度は2MPaと低く、その破壊モードは、図14に示すように、接着剤20と複合材料10の界面剥離であった。
これに対して、上述した第2実施形態において、恒温槽220の温度を170度にして接着した接着構造体1に対して、同様にせん断試験を行った。その結果、接着強度は11.7MPaと高くなり、その破壊モードは、図15に示すように、接着剤20内における母材破断であった。
この結果、複合材料10,30の表面13,33における強化基材11A,31Aを接着剤20内に埋設することによって、複合材料10,30の接着剤20に対する接着性が向上した。さらに、複合材料10,30同士の接着強度が向上した。
1 接着構造体、
10 複合材料、
11,31 強化基材、
11A,31A 表面における強化基材、
12,32 熱可塑性樹脂、
13,33 表面、
20 接着剤、
30 複合材料(被接着部材)。

Claims (10)

  1. カーボン繊維からなる強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料及び被接着部材が、熱硬化性のエポキシ樹脂系の接着剤を介して接着されてなる接着構造体であって、
    前記接着剤側の表面における前記熱可塑性樹脂が溶融した前記複合材料の、前記表面における前記強化基材が、前記被接着部材から離間しつつ前記接着剤内に埋設された、接着構造体。
  2. 前記被接着部材は、強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料である請求項1に記載の接着構造体。
  3. 前記複合材料の最も面積の大きい面と前記被接着部材の最も面積の大きい面が前記接着剤を介して接着されており、
    前記複合材料および前記被接着部材の前記接着剤を介して接着される面と反対側の表面において、前記熱可塑性樹脂は前記強化基材を覆うように残存してなる、請求項2に記載の接着構造体。
  4. 前記強化基材が前記接着剤に対して埋設する深さが、第1の深さである箇所と前記第1の深さよりも浅い第2の深さである箇所とを備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着構造体。
  5. カーボン繊維からなる強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料及び被接着部材を、熱硬化性のエポキシ樹脂系の接着剤を介して接着する接着方法であって、
    前記接着剤側の表面における前記熱可塑性樹脂が溶融された前記複合材料の、前記表面における前記強化基材を、前記被接着部材から離間しつつ前記接着剤内に埋設する、接着方法。
  6. 前記被接着部材は、強化基材に熱可塑性樹脂を含浸させた複合材料である請求項に記載の接着方法。
  7. 前記複合材料の最も面積の大きい面と前記被接着部材の最も面積の大きい面を、前記接着剤を介して接着するとともに、
    前記接着剤側と反対側の表面において、前記熱可塑性樹脂は前記強化基材を覆うように残存させる、請求項6に記載の接着構造体。
  8. 前記複合材料の前記接着剤側の表面における前記熱可塑性樹脂を溶融させ、
    前記熱可塑性樹脂が溶融された前記表面に、前記接着剤を配置することによって、前記強化基材を前記接着剤内に埋設する請求項5〜7のいずれか1項に記載の接着方法。
  9. 前記複合材料、前記接着剤、及び前記被接着部材の順に積層し、
    少なくとも前記複合材料の前記接着剤側の表面を加熱しつつ、前記複合材料及び前記被接着部材を互いに向かう方向に押圧することによって、前記強化基材を前記接着剤内に埋設する請求項5〜7のいずれか1項に記載の接着方法。
  10. 前記接着剤を、前記複合材料の表面に離散的に配置する請求項に記載の接着方法。
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