JPH06210780A - 積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法 - Google Patents

積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法

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JPH06210780A
JPH06210780A JP5007538A JP753893A JPH06210780A JP H06210780 A JPH06210780 A JP H06210780A JP 5007538 A JP5007538 A JP 5007538A JP 753893 A JP753893 A JP 753893A JP H06210780 A JPH06210780 A JP H06210780A
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heat
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JP5007538A
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English (en)
Inventor
Akira Shibata
亮 柴田
Katsuhiko Yamaji
克彦 山路
Masato Hata
正人 畑
Rikizo Tanaka
利喜蔵 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層体の芯材に汚れが生じることなく、接着
剤の無駄もない成形用積層体及びその製造方法、又、表
面に均一な厚さのプライマー層もしくは接着剤層を有
し、表皮材との接着性のすぐれた積層体用芯材及びその
製造方法を提供する。 【構成】 ガラス繊維とポリエチレン繊維とが混合され
た不織布の繊維間にポリエチレン樹脂が含浸されてなる
積層体用芯材11の表面に、ポリウレタンフイルムが加
熱溶融された通気性の接着剤層12が形成されてなる。
13はポリウレタン発泡体14の片面にポリエステル繊
維からなる不織布15が、他面に独立気泡のポリエチレ
ン発泡体16が積層された非通気性の表皮材で、このポ
リエチレン発泡体16面にウレタン樹脂の溶剤溶液が塗
布乾燥されてプライマー層17が形成されている。成形
用積層体1は上記積層体用芯材11の接着剤層12面を
120℃に加熱溶融させ、該接着剤層面に表皮材13の
プライマー層17が積層されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で接着性にすぐ
れ、特に成形を伴う自動車用内装材、建築用内装材の基
材として好適に使用され、容易に、且つ能率よく製造で
きる積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内装材、建築用内装材の基材と
して軽量であり、吸音性にすぐれたものとして、例え
ば、特開平2−57333号公報に記載の吸音材があ
る。このものは、無機繊維が熱可塑性樹脂で相互に接着
され、空隙を有するマット状物に通気性を有するホット
メルト接着剤層を介してこれも通気性を有する表皮材が
接着されてなるものである。又、特開平2−53948
号公報には、無機繊維が熱可塑性樹脂で相互に接合さ
れ、空隙を有するマット状物の片面に、貫通孔を有しな
い熱接着性樹脂層が接着されてなる熱成形性複合材料が
記載されている。更に、特開昭64−77664号公報
には、ガラス繊維からなるマット状物の両面にポリエチ
レンシートを積層し、この両面にポリテトラフルオロエ
チレンシートをあてがい、ポリエチレンシートを溶融温
度以上に加熱、溶融した状態で加圧圧縮してマット状物
に含浸させる技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−573
33号公報に記載のものは自動車から発せられる低周波
領域での吸音性を改良したものであるが、自動車や建築
用の内装材に用いているうちに表皮材の通気用の孔から
微小な埃が侵入し、これが接着剤層の通気用の孔を通じ
てマット状物の空隙に入り、次第にマット状物の中に溜
まって、薄い表皮材及び接着剤層を透して外側からこの
汚れが見苦しい斑点となって見える。
【0004】又、特開平2−53948号公報に記載の
ものも、上記公報のものと同じく、低周波領域での吸音
性を改良したものであり、マット状物、熱接着樹脂層に
多数の開口を形成することにより吸音性を改良せんとす
るものであって、実質的に貫通孔を有しない熱接着性樹
脂層はホットメルト接着剤として使われているものであ
る。これを融点以上の温度に加熱することにより樹脂層
は溶融し、表面張力によって無機繊維の周囲に凝集し、
その結果該熱接着性樹脂層には多数の開口が形成され
る。その結果、上記公報記載のものと同様にこの開口か
ら埃が侵入し、マット状物の空隙に溜まって見苦しくな
る。
【0005】従来、例えば上記公報に記載のマット状物
のような芯材の表面に表皮材を積層するには、予め芯材
の表面に反応硬化型接着剤をスプレーノズルにより散布
したものを重ね、これを型に入れて成形する方法が行わ
れている。しかし、このように接着剤をスプレーノズル
で散布すると、所定量以上の接着剤が散布されて非常に
無駄となる。
【0006】又、特開昭64−77664号公報記載の
製造方法によると、得られた積層体用芯材表面にプライ
マーを塗布、乾燥したり、接着剤層を設ける工程が必要
である。一般に不織布を芯材とするものは表面が平滑で
なく、接着性向上のためにプライマーや接着剤を塗布し
ても不均一になり易く、薄くて厚みの均一な層を設ける
ことは困難で、そのため接着性が不均一となり易いとい
う問題もある。
【0007】本発明は、上記従来の成形性複合材料の問
題点を解消し、芯材に汚れが生じることがなく、接着剤
の無駄もない成形用積層体及びその製造方法、又、表面
に均一な厚さのプライマー層もしくは接着剤層を有し、
表皮材との接着性のすぐれた積層体用芯材及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】積層体用芯材とは、加熱
溶融された熱可塑性樹脂が不織布に含浸されたものをい
う。含浸される樹脂量により通気性のもの、あるいは非
通気性のものがあり、更に、樹脂が含浸された不織布面
に耐熱性樹脂層、接着剤層、プライマー層などの接着性
やバリヤ性のもの等が形成されたものも含まれる。成形
用積層体とは、上記積層体用芯材の片面もしくは両面に
表皮材、裏打ち材、補強材等の他の材料が積層され、成
形型で所望の形状に成形されるために供されるものであ
る。
【0009】以下に本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて不織布に用いられる無機質繊維としては、ガラス
繊維、炭素繊維、ロックウール繊維、セラミック繊維、
金属繊維等が挙げられる。これらの繊維の長さは不織布
の製造面において5〜200mmが好ましく、より好ま
しくは20〜100mmであり、50mm以上の繊維が
70%以上含まれているのが更に好ましい。無機質繊維
の直径は3〜50μm 、より好ましくは20〜40μm
である。無機質繊維の直径が3μm よりも小さいと機械
的強度が低下し、50μm を超えると不織布の嵩密度が
大きくなり、重くなる。不織布の密度は大きくなるほど
重くなり、小さくなると機械的強度が低下するので0.
01〜0.2g/cm3 が好ましく、より好ましくは
0.03〜0.07g/cm3 である。無機質繊維には
ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポリエステル等の
有機質繊維を適当量混合してもよい。不織布の機械的強
度を向上させるためにニードルパンチを施してもよく、
その密度は1cm2 あたり1〜100箇所行うのが好ま
しく、より好ましくは10〜50箇所である。
【0010】積層体用芯材を構成するために用いられる
熱可塑性樹脂は、多数の無機質繊維を相互に結合するも
のであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ナイロン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
ビニルブチラール、塩化ビニル、ポリブチレンテレフタ
レート等、比較的低融点のものが挙げられる。上記熱可
塑性樹脂はフイルム状、粉末状、または溶媒に分散され
たエマルジョン等の状態で使用される。熱可塑性樹脂フ
イルムの場合、厚さは不織布の厚みと同等もしくはやや
薄く、10〜300μm が好ましい。
【0011】無機質繊維からなる不織布に熱可塑性樹脂
を含浸させるには、該樹脂フイルムを不織布面に載置
し、これを加熱溶融させた状態で不織布に加圧すること
により、溶融樹脂を不織布の繊維間に含浸させることが
できる。熱可塑性樹脂粉末を用いる場合は、50〜10
0メッシュの粉末を不織布の繊維間に分散させ、熱可塑
性樹脂の融点以上に加熱することにより、不織布に含浸
されるが空隙を有する積層体用芯材とすることができ
る。熱可塑性樹脂をエマルジョンで用いるには、該エマ
ルジョンに不織布を浸漬し、これを乾燥後、熱可塑性樹
脂の融点以上に加熱することにより積層体用芯材を得る
ことができる。
【0012】積層体用芯材には成形性、吸音性、断熱性
等をよくするために嵩高さを付与させるのが好ましい。
この手段として、例えば、溶融樹脂を不織布に含浸させ
た後、該熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度で無加圧状
態で所定時間保持することにより、無機質繊維の弾性復
元力により不織布の厚みを元の状態に回復させる方法が
ある。また、テフロンシート等のように溶融した樹脂に
は接着するが、接着した樹脂が冷却すると容易に剥離す
る拡張部材を積層体用芯材の両面に配設し、加熱溶融し
た積層体用芯材の樹脂と拡張部材とを接着させた状態
で、真空吸着装置などにより積層体用芯材の厚み方向外
方へ移動させ、強制的に積層体用芯材の厚みを増加させ
ることにより内部に空隙を生じさせ、嵩高にすることが
できる。
【0013】請求項1に記載の成形用積層体は、上記積
層体用芯材の片面に熱融着型の接着剤層が形成される。
熱融着型接着剤としては、ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、ポリエステル、ポリアミド等、及びこれらの混合物
からなるフイルム、ポリウレタン系接着剤等が挙げられ
る。積層体用芯材面に上記熱融着型接着剤層を形成する
には、2本又は3本ロールコーター、リバースロールコ
ーター、グラビアロールコーター、ダイレクトロールコ
ーターを使用して直接塗布するか、押出しラミネート等
による従来の積層方法が採用される。又、フイルム状に
成形可能なものはTダイやインフレーションダイにより
一旦フイルム状に成形し、これを芯材面に熱融着または
接着剤等により積層してもよい。
【0014】不織布に樹脂を含浸し、これを前記拡張部
材と真空吸着装置を用いて積層体用芯材の厚みを増加さ
せて嵩高にしたものは表面が平滑になっているので、こ
の面に塗布される熱融着型の接着剤層は平面的には不連
続部分のないものとなる。
【0015】又、溶融含浸される熱可塑性樹脂フイルム
の片面に予め熱融着型の接着剤層を設けておき、接着剤
層を外側にして上記フイルムを不織布に重ね合わせ、該
フイルムを加熱溶融してフイルム樹脂を含浸させると、
フイルムを溶融する熱により接着剤層も溶融し、溶融樹
脂とともに接着剤の一部は不織布の空隙に入り込むが大
部分は不織布表面の繊維に付着して残り、また、表面張
力により収縮したりして空隙を生じ、不織布表面に平面
的には不連続部分を有する接着剤層を形成することがで
きる。このようにすれば樹脂含浸と同時に不織布面に接
着剤層を形成でき、その接着剤層は通気性を有するもの
となる。
【0016】樹脂含浸後の積層体用芯材面に塗布された
熱融着型接着剤層に通気性を付与するには、塗布された
接着剤をその融点以上に加熱して溶融すると、接着剤は
表面張力により収縮し、また、無機質繊維が接着剤層を
突き破ることにもより、微小な孔が多数形成されるので
通気性が付与される。
【0017】上記接着剤層に接着される表皮材は、接着
剤層が通気性を有する場合には非通気性のもの、又、接
着剤層が非通気性のものである場合には通気性を有する
ものが使用されてもよい。非通気性の表皮材としては、
例えば独立気泡を有する合成樹脂発泡シート、非発泡の
合成樹脂シート、また、これらと織布等が積層されたも
の等があり、通気性を有する表皮材としては、例えば連
続気泡のウレタン発泡シート、塩化ビニル発泡シート、
ポリプロピレン繊維やポリエステル繊維等で形成された
織布または不織布等が挙げられる。
【0018】非通気性の表皮材を選択し、これを通気性
を有する接着剤層面に貼り合わせるには、表皮材の貼り
合わせ面にプライマー層だけ設けてもよく、更にプライ
マー層面に積層体用芯材の接着剤層と同系の接着剤層を
形成しておけば一層接着の信頼性は高くなる。接着剤層
と芯材とが通気性を有する場合には、該層面に非通気性
の表皮材を貼り合わせる際に、この間に巻き込まれた気
泡は接着剤層の通気孔を通して積層体用芯材の連通した
空隙に入り、他面側から抜けるので、貼り合わせ面に気
泡が残ることがない。且つ、非通気性の表皮材から埃が
侵入することもない。
【0019】また、通気性を有する表皮材を非通気性の
接着剤層面に貼り合わせる際に、接着剤が溶融し、その
表面張力により収縮して空隙を生じることにより通気性
が生じないように、熱融着型接着剤を厚めに塗布してお
き、これを熱溶融させた状態で表皮材を重ねて加圧して
もよいが、表皮材の貼り合わせ面にプライマー層又は積
層体用芯材面の接着剤層と同系の接着剤層をプライマー
層を介して形成し、両方の接着剤層が熱溶融した状態で
接着するのが接着剤の通気性をなくすための信頼性が高
くなるので好ましい。
【0020】このように、積層体用芯材面に熱融着型の
接着剤層を形成しておくことにより、従来行われていた
ようなスプレーノズルによる反応硬化型接着剤の散布は
不要となる。
【0021】上記請求項1の成形用積層体は、積層体用
芯材面に形成される接着剤層、芯材、表皮材の少なくと
も一つが非通気性となされているので、埃が積層体用芯
材に入って蓄積されることによる汚れが発生することが
ない。又、貼り合わせ面に気泡が残ることなく、反応硬
化型接着剤をスプレーノズルで散布する必要もないの
で、少ない接着剤で信頼性の高い接着を得ることができ
る。
【0022】次に、請求項2に記載の成形用積層体は、
無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹脂で相互
に接合されてなる積層体用芯材の少なくとも片面に積層
されてなる耐熱性樹脂層と、該層に貼り合わされる表皮
材との少なくとも一方に形成された熱融着型の接着剤層
を介して上記積層体用芯材と表皮材とが積層されてなる
ものである。
【0023】この積層体用芯材は請求項1に記載のもの
と同じものが使用される。耐熱性樹脂層は積層体用芯材
の少なくとも片面に積層されて表皮材及び接着剤層を通
しての空気の流通を完全に遮断し、積層体用芯材内部に
埃が溜まって見苦しくなるのを防ぐものである。該層面
にプライマー層又は接着剤層を形成しておけば表皮材と
の接着性を一層高めることができる。
【0024】耐熱性樹脂層としては、ポリブチレンテレ
フタレート、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリウレタン、及びこれらの変成物で、接着
剤の溶融温度及び成形用積層体が所望の形状に成形され
る際に型内で受ける成形温度よりも溶融温度の高い比較
的高融点のものである。耐熱性樹脂が用いられるのは、
熱融着型の接着剤層が接着に際して受ける熱や、成形時
の熱により、該樹脂層が溶融、流動して細孔を形成し、
通気性となるのを防ぐためである。
【0025】耐熱性樹脂層は積層体用芯材面に、ポリエ
チレンなどのような接着性樹脂と共押出しされ、溶融状
態のポリエチレン樹脂を介して積層されるか、接着剤を
もちいる接着、熱融着による方法等で積層されたもので
もよい。又、耐熱性樹脂層は上記高融点樹脂と、これよ
りも融点が低い低融点樹脂とが積層された積層フイルム
を、低融点樹脂側を積層体用芯材面に重ね合わせ、該積
層フイルムを加熱し、低融点樹脂を溶融して積層体用芯
材表面に高融点樹脂を残して含浸させることにより形成
されたものでもよい。
【0026】この耐熱性樹脂層面に表皮材が接着剤層を
介して積層される。該表皮材は請求項1に記載のものと
同じもの、即ち通気性を有するもの、非通気性のもの、
いずれも使用可能である。接着剤層についても通気性を
有するもの、非通気性のものも使用できる。耐熱性樹脂
層面にはコロナ放電処理が施されたり、プライマー層が
形成されてあれば接着性が更によくなるので好ましい。
この成形用積層体は 耐熱性樹脂層面、又は表皮材面、
又はこれらの両面に接着剤層が設けられて積層体用芯材
と表皮材とが接着されたものである。
【0027】請求項3に記載の成形用積層体の製造方法
は、上記請求項2に記載の成形用積層体を製造する方法
であり、無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹
脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なくとも片
面に耐熱性樹脂層を積層し、該耐熱性樹脂層と、該層に
貼り合わせる表皮材との少なくとも一方に熱融着型の接
着剤層を形成し、該接着剤層を介して上記積層体用芯材
と表皮材とを貼り合わせることを特徴とするものであ
る。
【0028】耐熱性樹脂層には請求項2に記載の耐熱性
樹脂と同じものが用いられる。積層体用芯材面に耐熱性
樹脂層を積層するには、前記耐熱性樹脂を積層体用芯材
面に、ポリエチレンなどのような接着性樹脂と共押出し
て、溶融状態のポリエチレン樹脂を介して積層するか、
接着剤を用いる接着、熱融着による方法等により積層す
ればよい。該接着剤層は耐熱性樹脂層面に形成してもよ
く、表皮材の貼り合わせ面に形成してもよく、また、こ
れらの両面に形成してもよい。耐熱性樹脂層面にはコロ
ナ放電処理、プライマー塗布を施しておけば接着性が更
によくなるので好ましい。
【0029】耐熱性樹脂層面あるいは表皮材面に接着剤
層を形成するには、2本又は3本ロールコーター、リバ
ースロールコーター、グラビアロールコーター、ダイレ
クトロールコーター、押出しラミネート等による従来の
塗布方法が採用される。
【0030】積層体用芯材と表皮材とを積層するには、
これらのいずれか一方の面、又は両者の面に形成した熱
融着型の接着剤層を加熱溶融し、その状態で重ね合わせ
ながら、例えば圧着ロール等を通過させ、その後冷却す
ることにより、又は、接着剤層を内側にして重ね合わ
せ、これを熱ロール等に通過させながら接着剤層を加熱
溶融すると同時に圧着した後、冷却するなどして積層す
ることができる。この場合の加熱温度、圧着ロール等の
ロール間圧力等は使用する熱融着型接着剤の種類、積層
体用芯材の厚み等により適宜選択し得る。
【0031】また、積層体用芯材と表皮材とを重ね合わ
せ、これを所望の形状を有する型内に入れて接着剤層の
溶融温度で加熱しながらプレスすることにより、また
は、積層体用芯材と表皮材とを加熱し、これを重ね合わ
せて型内に入れてプレスすることにより、積層と同時に
所望の形状に賦形すれば製品を能率よく製造できる。
【0032】請求項4に記載の成形用積層体は、無機質
繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹脂で相互に接合
されてなる積層体用芯材の少なくとも片面に耐熱性樹脂
層が積層され、該層面に形成されてなる熱融着型の接着
剤層と、通気性を有する表皮材とが貼り合わされてなる
ものである。
【0033】この積層体用芯材、耐熱性樹脂層及び該層
面に形成される熱融着型の接着剤層は請求項2に記載の
ものと同じものが使用される。通気性を有する表皮材と
しては、連続気泡のウレタン発泡シート、塩化ビニル発
泡シート、ポリプロピレン繊維やポリエステル繊維で形
成された織布または不織布等が挙げられる。
【0034】上記表皮材面には接着剤層を設けなくて
も、芯材と貼り合わせるには耐熱性樹脂層面に形成され
ている熱融着型の接着剤層とともに、該表皮材の貼り合
わせ面を同時に加熱すれば接着可能である。しかし、表
皮材の材質やその表面状態によっては、その表面にも接
着剤層を設けてもよく、この場合は通気性を有する熱融
着型の接着剤層が好ましい。このような接着剤層として
は、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポ
リアミド等及びこれらの混合物からなるフイルム、ポリ
ウレタン系接着剤等が挙げられる。上記熱融着型の接着
剤層を積層体用芯材に形成するには、2本又は3本ロー
ルコーター、リバースロールコーター、グラビアロール
コーター、ダイレクトロールコーター、押出しラミネー
ト等による従来の方法が採用される。また、フイルム状
に成形されたものは熱融着や接着剤により芯材に貼り合
わせてもよい。
【0035】熱融着型接着剤層に通気性を付与するに
は、例えば塗布された接着剤をその融点以上に加熱して
溶融すると、溶融した接着剤は表面張力により収縮し、
また、無機質繊維が接着剤層を突き破ることにもより、
微小な孔が多数形成されるので通気性が付与される。
【0036】耐熱性樹脂層を用いる理由は、前記請求項
2の説明で述べた理由と同じであり、これにより通気性
を有する表皮材及び接着剤層を通ってきた埃は完全に遮
断され、積層体用芯材に埃が溜まることがないからであ
る。
【0037】請求項5に記載の成形用積層体の製造方法
は、上記請求項4に記載の成形用積層体を製造する方法
であり、無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹
脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なくとも片
面に耐熱性樹脂層を積層し、該層面に熱融着型の接着剤
層を形成し、該接着剤層と表皮材とを貼り合わせること
を特徴とするものである。
【0038】従って、ここで用いる積層体用芯材、耐熱
性樹脂層、熱融着型の接着剤層、表皮材はすべて請求項
4に記載の発明で使用されたものが使用される。積層体
用芯材と表皮材とを積層するには、積層体用芯材の耐熱
性樹脂層面の接着剤層と、表皮材面の接着剤層とを加熱
溶融して重ね合わせ、圧着ロールを通過させて後冷却す
るか、あるいは、両者の接着剤層面を重ね合わせ、これ
を熱ロールを通過させながら接着剤層を表皮材もしくは
積層体用芯材の外側から接着剤層の溶融温度で加熱溶融
させて圧着し、その後冷却するか、又は両者を重ね合わ
せて所望の形状を有する型内に入れ、接着剤層の溶融温
度で加熱しながらプレスすることにより積層と同時に賦
形するなどの方法が採用できる。
【0039】請求項6に記載の成形用積層体は、無機質
繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹脂で相互に接合
され、一面に通気性を有する熱融着型の接着剤層が形成
されてなる積層体用芯材の接着剤層と、一方、一面に耐
熱性樹脂層が積層された非通気性表皮材の該耐熱性樹脂
層面に形成されたプライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層とが貼り合わされてなるものである。
【0040】ここで用いられる積層体用芯材は請求項1
に記載のものと同じものであり、該積層体用芯材の一面
に請求項1記載の通気性を有する接着剤層が形成された
ものである。非通気性表皮材はポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリアミド、ポリウレタン等の合成樹脂繊維、
綿、麻等の天然繊維、あるいはこれらの2種以上の混合
物からなり、ニードルパンチが施されたもの織布または
不織布の一面に、非通気性の耐熱性樹脂層が積層される
ことにより非通気性となされたもの、更に、独立気泡を
有する合成樹脂発泡シート、非発泡の合成樹脂シート、
またこれらと織布等が積層されたもの等が挙げられる。
上記耐熱性樹脂層としてはポリブチレンテレフタレー
ト、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン及びこれらの変成物からなるフイルムが使用される。
【0041】上記耐熱性樹脂層面にはプライマー層もし
くは熱融着型の接着剤層が形成される。該プライマー層
はエポキシ系、フェノール系、ポリウレタン系等一般に
下塗剤として使用されているものが挙げられる。耐熱性
樹脂層面にはプライマー層だけ、又は接着剤層だけを形
成してもよく、プライマー層を形成し、その上に接着剤
層を形成してもよい。
【0042】積層体用芯材の接着剤層と表皮材のプライ
マー層もしくは接着剤層とが貼り合わされて成形用積層
体となされる。貼り合わせる方法は前記請求項4に記載
の方法が採用される。このようにしてなる成形用積層体
は、表皮材が非通気性となされているので、表皮材を透
して埃が積層体用芯材に入らないので汚れを生ずること
がない。
【0043】請求項7に記載の成形用積層体の製造方法
は、無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可塑性樹脂で
相互に接合されてなる積層体用芯材の一面に熱融着型の
通気性を有する接着剤層を形成し、一方、一面に耐熱性
樹脂層を積層し、該耐熱性樹脂層面にプライマー層もし
くは熱融着型の接着剤層を形成した非通気性表皮材のプ
ライマー層もしくは接着剤層と、上記通気性を有する接
着剤層とを貼り合わせることを特徴とするものである。
【0044】この方法は請求項6に記載の成形用積層体
を製造する方法であり、従って、積層体用芯材、表皮
材、耐熱性樹脂層、プライマー層、接着剤層のいずれも
請求項6に記載のものと同じものが使用される。貼り合
わせる方法も前記請求項6に記載の方法が採用される。
又、貼り合わせる際に積層体用芯材と表皮材との間に巻
き込まれた気泡は、通気性を有する接着剤層から積層体
用芯材内の空隙へ逃げることができるので、両者の間に
気泡が残ることがない。
【0045】請求項8に記載の成形用積層体は、片面に
プライマー層が形成されてなる熱可塑性樹脂フイルム
が、該プライマー層面を外側にして無機質繊維からなる
不織布の一面に重ね合わされ、溶融されて該不織布の一
面にプライマー層を残して繊維間に上記フイルム樹脂が
含浸されることにより、繊維が相互に接合され、且つ不
織布の一面にプライマー層が形成されてなる積層体用芯
材のプライマー層と、該層に貼り合わされる表皮材との
少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層が形成され、該
接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とが貼り合わさ
れてなるものである。
【0046】熱可塑性樹脂フイルムの樹脂としては、前
記積層体用芯材に含浸される熱可塑性樹脂が用いられ、
これがフイルム状に成形されたものである。その厚みは
10〜300μm が好ましく、プライマーが塗布される
表面はコロナ放電処理が施されてあれば更に好ましい。
プライマーとしては、エポキシ系、フェノール系、ポリ
ウレタン系等一般に下塗剤として使用されているものが
挙げられる。フイルム面に形成されるプライマー層の厚
みは約10〜50μm が好ましい。
【0047】ここで用いられる不織布は前記請求項1に
記載の不織布と同じものである。この成形用積層体は、
プライマー層が形成されてなる上記フイルムがプライマ
ー層を外側にして不織布の一面に重ね合わされてその溶
融温度以上に加熱され、フイルム樹脂が溶融されてプラ
イマー層を不織布表面に残して繊維間に含浸されること
により不織布繊維が樹脂により相互に接合されたもので
あり、不織布の表面にプライマー層を残して含浸される
ので不織布表面にプライマー層が形成された積層体用芯
材が用いられる。不織布面に形成されるプライマー層は
無数の細孔を有する通気性のものであってもよい。この
成形用積層体は、プライマー層又は表皮材、又はこれら
の両面に形成された反応硬化型接着剤層を介して積層体
用芯材と表皮材とが貼り合わされたものである。反応硬
化型接着剤層としては、エポキシ系、ポリウレタン系、
ポリブタジエン系、シリコン系、ホルムアルデヒド系等
のものが使用できる。
【0048】請求項9に記載の成形用積層体の製造方法
は、片面にプライマー層が形成されてなる熱可塑性樹脂
フイルムを該プライマー層を外側にして無機質繊維から
なる不織布の一面に重ね合わせ、該熱可塑性樹脂フイル
ムを加熱溶融してプライマー層を不織布表面に残して含
浸することにより、繊維を相互に接合し、且つ不織布の
一面に上記プライマー層を形成してなる積層体用芯材を
製し、上記プライマー層と該層に貼り合わせる表皮材と
の少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層を形成し、該
接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とを貼り合わせ
ることを特徴とするものである。
【0049】この成形用積層体の製造方法は上記請求項
8に記載の成形用積層体を製造する方法であり、従っ
て、ここで用いる材料はすべて請求項8で使用されるも
のと同じである。
【0050】この発明では、片面にプライマー層が形成
されてなる熱可塑性樹脂フイルムを該プライマー層を外
側、つまり不織布と反対側にして重ね合わせ、該フイル
ムを加熱溶融するとフイルム樹脂は不織布に含浸され
る。従って、一定面積のフイルムの樹脂体積が同面積の
不織布が有する空隙容積よりも大きければ不織布の空隙
は樹脂で満たされ、不織布表面には平面的に連続したプ
ライマー層が形成され、該樹脂体積が不織布の空隙容積
よりも小さければ、不織布表面に残されるにフイルム樹
脂は少なくなり、プライマーは不織布表面の繊維に残さ
れ、平面的には不連続な部分を多数形成した層となり、
不織布が通気性を有する状態となるが、これも本発明の
プライマー層に含むものとする。しかし、不織布繊維の
集合密度からみて表面の各繊維にプライマーが存在する
ことにより、接着性は非常によくなる。
【0051】フイルム樹脂を含浸させる際、該フイルム
よりも溶融温度の高いもの、例えばフッ素系樹脂シート
等のようなものを溶融フイルムの上から不織布に向けて
あてがい、加圧すれば、容易に含浸できる。又、積層体
用芯材に嵩高さを付与することにより、該プライマー層
にも多数の細孔が形成され、通気性のプライマー層とな
されてもよい。
【0052】従来、積層体用芯材表面にプライマーを塗
布しても、積層体用芯材表面は不織布繊維による凹凸の
ため厚みが不均一となり、接着性が不均一になり易かっ
たが、本発明の構成とすることにより、積層体用芯材は
不織布表面にたとえ不連続部分があっても厚みが均一な
プライマー層を形成できるので、表皮材との接着性が一
定してすぐれたものとなる。又、不織布に樹脂含浸する
のと同時に表面にプライマー層を形成できるので、従来
のように一旦積層体用芯材を製造し、この表面にプライ
マーを塗布乾燥する必要がなく、積層体用芯材の製造に
おいても非常に能率的である。
【0053】上記不織布の一面にプライマー層が形成さ
れてなる積層体用芯材のプライマー層と表皮材との少な
くとも一方に形成した反応硬化型接着剤層により芯材と
表皮材とを接着する。また、積層体用芯材と表皮材とを
重ねて所望の形状を有する成形型内に置き、これをプレ
スして接着と同時に所望の形状に成形してもよい。
【0054】次に、請求項10に記載の積層体用芯材の
製造方法は、高融点樹脂層と低融点樹脂層とが積層され
てなる積層フイルムの低融点樹脂層を無機質繊維からな
る不織布に重ね合わせ、該積層フイルムを加熱し、低融
点樹脂層だけを溶融して不織布に含浸させることによ
り、不織布の一面に高融点樹脂層を形成し、該高融点樹
脂層面に熱融着型の接着剤層を形成することを特徴とす
るものである。
【0055】高融点樹脂とは前記請求項2の説明で述べ
た耐熱性樹脂層として用いられるものを指し、比較的高
融点のものである。低融点樹脂とは前記請求項1の説明
で述べた不織布に含浸される熱可塑性樹脂を指し、比較
的低融点のものである。上記高融点樹脂層と低融点樹脂
層とはいずれも溶融状態で金型から押出され、そのまま
溶融接着されたものでもよい。又、それぞれの樹脂を別
々にフイルム状に成形し、これを接着性の樹脂が溶融さ
れたもの、あるいは接着剤を介して積層されたものでも
よい。
【0056】請求項1の説明で述べたような不織布の片
面または両面に、上記積層フイルムの低融点樹脂層を重
ね合わせ、該積層フイルムを低融点樹脂層の溶融温度以
上に加熱して低融点樹脂層を溶融し、該樹脂層を不織布
に含浸させる。加熱温度は高融点樹脂層の溶融温度より
も低いほうが好ましい。低融点樹脂層が溶融した積層フ
イルムを不織布の厚み方向へ加圧圧縮すると含浸を速や
かに行うことができる。
【0057】低融点樹脂層だけを溶融して不織布に含浸
すると、不織布表面には溶融しない高融点樹脂層が残さ
れて積層体用芯材が得られる。不織布の両面に該積層フ
イルムを重ね合わせ、低融点樹脂層を溶融含浸すると、
両面に高融点樹脂層を有する積層体用芯材が得られる。
【0058】ここで使用する熱融着型の接着剤層は前記
請求項1で述べたものと同じものである。高融点樹脂層
面に該接着剤層を形成するには、前記請求項1で述べた
ものと同じ方法が採用できるが、予め、積層フイルムの
高融点樹脂層面にプライマーを塗布し、この上に熱融着
かた接着剤層を積層してもよい。
【0059】低融点樹脂を含浸した不織布の両面に、ガ
ラス繊維強化ポリテトラフルオロエチレンシートのよう
な剥離し易い拡張部材を接着し、加熱溶融した積層体用
芯材の樹脂と拡張部材とを接着させた状態で真空吸着装
置などにより積層体用芯材の厚み方向外方へ移動させる
ことにより、強制的に積層体用芯材の厚みを増加させ、
嵩高にすることができる。
【0060】この発明によると、一体に積層された積層
フイルムの低融点樹脂層を不織布に溶融含浸すると同時
に該不織布表面に高融点樹脂層を形成することができ、
積層体用芯材の製造を非常に能率的に行うことができ
る。しかも、高融点樹脂層の不織布面に対する接着強度
は非常にすぐれたものである。このようにして得られる
積層体用芯材は、そのまゝ高融点樹脂層面の接着剤層を
加熱溶融して表皮材等を貼り合わせて成形用積層体とな
される。
【0061】請求項11に記載の積層体用芯材は、無機
質繊維からなる不織布に低融点樹脂層が含浸されてな
り、少なくともその一面に高融点樹脂層が形成され、更
に高融点樹脂層面に熱融着型の接着剤層が積層されてな
るものである。ここで用いられる不織布は請求項1の説
明で述べたものが使用できる。低融点樹脂層及び高融点
樹脂層は前記請求項7で述べたものが採用される。
【0062】低融点樹脂層が含浸された不織布面に高融
点樹脂層を形成するには、上記請求項10の方法が好適
であるが、予め不織布に低融点樹脂が含浸されたものを
製した後、この表面に、例えば溶融ポリエチレン樹脂等
を介して高融点樹脂層をラミネートする方法、接着剤に
より貼り合わせたものとされてもよい。又、得られた積
層体用芯材の高融点樹脂層面にコロナ放電処理を施した
り、プライマー層を形成したりすると、接着性が一層よ
くなるので好ましく、高融点樹脂層に直接熱融着型の接
着剤層を形成するか、又は上記コロナ放電処理面やプラ
イマー層面に熱融着型の接着剤層を形成してもよい。
【0063】請求項12に記載の積層体用芯材の製造方
法は、熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライマー層もし
くは熱融着型の接着剤層を形成し、該プライマーもしく
は熱融着型の接着剤層を外側にして不織布に重ね合わ
せ、上記フイルムを加熱溶融してプライマー層もしくは
熱融着型接着剤層を不織布表面に残して含浸させること
により、不織布の表面にプライマー層もしくは熱融着型
の接着剤層を形成することを特徴とするものである。
【0064】熱可塑性樹脂フイルムは、前記請求項1の
説明で述べた不織布に含浸される熱可塑性樹脂からなる
フイルムを指し、比較的低融点のものである。不織布は
請求項1で述べたようなものが使用できる。プライマー
層としては、エポキシ系、フェノール系、ポリウレタン
系等一般に下塗剤として使用されているものが挙げられ
る。熱融着型の接着剤としては、ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、ポリエステル、ポリアミド等、及びこれらの
混合物からなるフイルム、ポリウレタン系接着剤等が挙
げられる。
【0065】熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライマー
層もしくは熱融着型の接着剤層を形成するには、プライ
マーならば各種のロールコーターにより直接塗布する。
熱融着型の接着剤層ならば押出しラミネート等による積
層、又は熱融着型接着剤をフイルム状に成形したものを
貼り合わせるなどの積層方法が採用される。上記熱可塑
性樹脂フイルムをプライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層を外側、即ち、不織布の反対側にして不織布に重ね
合わせ、該フイルムをその溶融温度以上に加熱して溶融
させることにより、プライマー層もしくは熱融着型の接
着剤層を不織布表面に残してフイルム樹脂を含浸する。
【0066】上記プライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層を有する熱可塑性樹脂フイルムを不織布の片面に重
ね合わせて溶融含浸してもよく、不織布の両面に重ね合
わせて両面から溶融含浸してもよい。
【0067】一定面積の熱可塑性樹脂フイルムの樹脂体
積が同面積の不織布の空隙容積よりも相当に少ないと、
溶融したフイルム樹脂は表面張力により不織布繊維の周
囲に凝集し、多数の空隙を生じて通気性を有するものと
なり、プライマー層もしくは接着剤層の一部は溶融樹脂
とともに不織布の空隙に入り込むが、大部分は不織布表
面の繊維に付着し、平面的には不連続ではあるが通気性
を有するプライマー層もしくは接着剤層を形成する。
【0068】一定面積の熱可塑性樹脂フイルムの樹脂体
積が同面積の不織布の空隙容積に近いと、不織布全体に
フイルム樹脂が含浸されて非通気性となり、プライマー
層もしくは接着剤層も平面的に連続した非通気性のもの
となる。
【0069】又、得られた積層体用芯材に断熱性、吸音
性、成形性等を向上させるために、例えば、不織布の両
面に積層フイルムを重ね合わせ、さらに該積層フイルム
面に、ガラス繊維強化ポリテトラフルオロエチレンシー
トのような剥離し易い拡張部材を接着し、加熱溶融した
積層体用芯材の樹脂と拡張部材とを接着させた状態で真
空吸着装置などにより積層体用芯材の厚み方向外方へ移
動させることにより、強制的に積層体用芯材の厚みを増
加させ、嵩高にすることができる。
【0070】この発明の方法によると、不織布に熱可塑
性樹脂を溶融含浸するのと同時に該不織布面にプライマ
ー層もしくは熱融着型の接着剤層を形成することがで
き、積層体用芯材の製造を能率よく行うことができる。
又、表面が平滑でない不織布面に、均一で薄いプライマ
ー層もしくは接着剤層を形成することができ、均一です
ぐれた接着性を有する積層体用芯材を得ることができ
る。
【0071】このようにして得られる積層体用芯材は、
高融点樹脂層面に接着剤層を介して表皮材等を貼り合わ
せて成形用積層体となされる。
【0072】請求項13に記載の積層体用芯材は、上記
請求項12の発明を実施して得られるものであって、一
面にプライマー層もしくは熱融着型の接着剤層が形成さ
れてなる熱可塑性樹脂フイルムがプライマー層もしくは
熱融着型の接着剤層を外側にして不織布に重ね合わさ
れ、上記フイルムが熱溶融されてプライマー層もしくは
熱融着型の接着剤層を不織布表面に残して含浸され、不
織布の表面にプライマー層もしくは熱融着型の接着剤層
が形成されてなるものである。
【0073】従って、使用される材料はすべて請求項1
2の説明で述べたものである。不織布の空隙量に比して
樹脂量の少ない熱可塑性樹脂フイルム、即ち厚みの薄い
フイルムが含浸された不織布は通気性のものとなり、表
面に形成されるプライマー層もしくは熱融着型の接着剤
層も通気性のものとなる。従って、通気性の程度は不織
布の繊維密度と厚み、及び熱可塑性樹脂フイルムとの厚
みを選択することにより種々のものとすることができ
る。
【0074】この発明による積層体用芯材は、表面に薄
くて厚みの均一なプライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層が形成されているので、表皮材等他の材料との接着
性が均一ですぐれており、通気性の選択も自在にできる
ものである。熱可塑性樹脂フイルムが不織布の片面に重
ね合わされて溶融含浸されたものでもよく、不織布の両
面に重ね合わされて溶融含浸されたものでもよい。両面
から樹脂が含浸されたものは、例えば、片面に表皮材
を、他面に裏打ち材等を積層した積層体とすることがで
きる。
【0075】
【作用】請求項1、2、4、6の成形用積層体による
と、いずれも表皮材及び接着剤層の通気孔から侵入した
埃が該成形用積層体の積層体用芯材の空隙に入らないの
で積層体用芯材が汚れることがない。又、予め積層体用
芯材と表皮材との少なくとも一方に接着剤層が形成され
ているので、接着面に対して散布される接着剤は不要で
あり、接着剤量が少なくて済み、接着強度の信頼性が高
いものとなる。
【0076】又、請求項8記載の成形用積層体では、不
織布表面に厚みの均一なプライマー層を形成できるので
接着性のすぐれたものとなり、表皮材との一定した接着
性が得られる。
【0077】請求項3、5、7に記載の成形用積層体の
製造方法によると、熱融着型の接着剤層が耐熱性樹脂層
面に貼り合わされるので、接着剤層が通気性となっても
外気は耐熱性樹脂層に遮断され、埃が積層体用芯材に入
ることがない成形用積層体を能率よく製造できる。又、
硬化型接着剤をスプレーノズル等で吹き付ける必要がな
く、少量の接着剤で製造できる。
【0078】更に、請求項9の成形用積層体の製造方法
によると、不織布表面に厚みが薄くて均一なプライマー
層を有する積層体を能率的に製造できる。そして従来の
ようにプライマーを塗布、乾燥する必要がない。
【0079】請求項11に記載の積層体用芯材は、低融
点樹脂層が含浸された不織布表面の高融点樹脂層面に熱
融着型接着剤層が積層されているので、該芯材をそのま
ゝ加熱して接着剤層を溶融することにより表皮材等と貼
り合わせ、成形用積層体とすることができる。
【0080】請求項13に記載の積層体用芯材は、樹脂
が含浸された不織布面に厚みが薄くて均一なプライマー
層もしくは接着剤層が形成されているので、他の材料と
の接着性が非常によい。
【0081】請求項10、12に記載の積層体用芯材の
製造方法によると、いずれも熱可塑性樹脂を溶融し、不
織布に含浸するのと同時に不織布表面に高融点樹脂層、
又はプライマー層もしくは接着剤層を均一な厚みで形成
できる。
【0082】
【実施例】以下に本発明成形用積層体の実施例を説明す
る。
【0083】(実施例1)長さ60mm、直径13μm
のガラス繊維からなるチョップストランドと、6デニー
ル、50mmカットのポリエチレン繊維とを、重量比で
2:1の割合で混繊してなる綿状物に20箇所/cm2
ニードルパンチを施し、厚さ9mm、密度500g/m
2 の不織布を得た。次に、この不織布の両側に厚み15
0μm のポリエチレンシートを積層し、更にこのポリエ
チレンシートの外側に厚さ600μm のガラス繊維強化
ポリテトラフルオロエチレンシートを積層し、この積層
体を200℃で3分間加熱し、ロール間隔1.3mm、
200℃のロールに5cm/秒の速度で通すことにより
加圧した。次に、200℃の状態でガラス繊維強化ポリ
テトラフルオロエチレンシートを両側から0.5mm/
秒の速度で真空吸引してシート間を8mmまで拡開さ
せ、その後3分間空冷し、該シートを剥離して不織布の
繊維間にポリエチレン樹脂が含浸されてなる厚さ8mm
の、空隙率88%の積層体用芯材を得た。
【0084】図1は請求項1に記載の成形用積層体の実
施例を示す断面図である。11は上記積層体用芯材であ
り、この表面に、孔径1mmの細孔が多数設けられた厚
み30μm のポリウレタンフイルム(融点110℃)を
重ねて表面温度170℃に加熱溶融し、0.3kg/c
2 の圧力で2分間加圧することにより、通気性のある
接着剤層12が形成されてなる。
【0085】13はポリウレタン発泡体14の片面にポ
リエステル繊維からなる不織布15が、他面に独立気泡
のポリエチレン発泡体16が積層された厚み3mmの非
通気性の表皮材であり、このポリエチレン発泡体16面
にウレタン樹脂を溶解した溶剤溶液が塗布乾燥されて厚
み30μm のプライマー層17が形成されている。この
成形用積層体1は上記積層体用芯材11の接着剤層12
面を120℃に加熱溶融させ、該接着剤層12面に上記
表皮材13のプライマー層17を重ねて1分間加圧する
ことにより積層されたものである。
【0086】(実施例2)図2は請求項1に記載の成形
用積層体の他の実施例を示す断面図である。21は実施
例1で用いられたものと同じ積層体用芯材11の片面に
形成された、厚さ50μm のナイロンフイルム(融点1
00℃)を積層体用芯材11面に重ね、140℃に加熱
溶融し、0.1kg/cm2 で1分間加圧することにより積
層されてなる非通気性の接着剤層である。
【0087】23はポリウレタン発泡体14の一面にポ
リエステル繊維からなる不織布15が積層されてなる厚
さ3mmの通気性のある表皮材であり、該表皮材23の
他面に通気性のある熱融着型接着剤層22としてナイロ
ンフイルムが溶融含浸されて積層されたものである。こ
の成形用積層体2は上記積層体用芯材11及び表皮材2
3の接着剤層22とを125℃で加熱溶融した状態で重
ね、2分間加圧することにより積層されてなる。
【0088】(実施例3)図3は請求項2に記載の成形
用積層体の実施例を示す断面図である。実施例1で用い
たものと同じ積層体用芯材11の片面に、耐熱性樹脂層
31として厚さ10μm の高融点ポリアミドフイルム
(融点200℃)が、更に該耐熱性樹脂層31面に低融
点ポリアミドフイルム32(融点110℃)が積層さ
れ、一方、ポリウレタン発泡体18とポリエステル繊維
からなる不織布15との積層体(厚さ3μm )のポリウ
レタン発泡体18面に低融点ポリアミドフイルム(融点
110℃)からなる通気性を有する接着剤層33(厚さ
10μm )が積層されてなる通気性を有する表皮材34
の接着剤層33面が上記低融点ポリアミドフイルム32
に接着されて成形用積層体3となされたものである。
【0089】(実施例4)図4は請求項4に記載の成形
用積層体の実施例を示す断面図である。実施例1で用い
たものと同じ積層体用芯材11の片面に、実施例3で用
いられたものと同じ耐熱性樹脂層31が積層され、該層
31面に低融点ポリアミドフイルムからなる熱融着型で
非通気性の接着剤層51が厚み50μm で形成されてな
る。53は連続気泡のポリウレタン発泡体からなり通気
性を有する表皮材で、その一面には厚み50μm の低融
点ポリアミドフイルムが溶融積層され通気性を有する接
着剤層52が形成されてなり、該接着剤層52と上記耐
熱性樹脂層31面の接着剤層51とが重ね合わされて予
備加熱された後、140℃の熱ロールで加熱加圧するこ
とにより接着剤層51、52が溶融され積層されたもの
である。
【0090】(実施例5)図5は請求項6に記載の成形
用積層体の実施例を示す断面図である。実施例1で用い
たものと同じ積層体用芯材11の片面に、請求項1で用
いたものと同じ通気性を有する熱融着型の接着剤層12
が形成されてなる。63はポリウレタン発泡体14の片
面にポリエステル繊維からなる不織布15が積層された
表皮材であり、該表皮材63のポリウレタン発泡体14
面に厚み10mmの高融点ポリアミドフイルム(融点2
00℃)からなる耐熱性樹脂層61が押出しラミネート
により積層されることにより非通気性となされ、さらに
該耐熱性樹脂層61面にウレタン樹脂を30μm の厚み
に塗布、乾燥してプライマー層62が形成されてなる。
上記積層体用芯材11面の接着剤層12と表皮材63面
のプライマー層62とを重ね合わせ、表皮材63面から
熱ロールで加熱加圧して接着剤層12を溶融し、接着積
層されたものである。
【0091】(実施例6)図6は請求項8に記載の成形
用積層体の実施例を示す断面図である。積層体用芯材4
1は、ウレタン樹脂をトルエンに溶解した溶剤溶液を一
面に塗布乾燥して形成された厚さ20μm のプライマー
層42を有する厚さ160μmのポリエチレン(融点1
30℃)からなる熱可塑性樹脂フイルム45をプライマ
ー層42を外側にしてガラス繊維からなる不織布19に
重ね合わせ、実施例1と同様にして該フイルム樹脂45
を加熱溶融し、不織布19に含浸した後、これを厚み方
向に拡開し厚さ8mm、空隙率90%となされた通気性
を有するものである。上記により、片面にプライマー層
42を有するポリエチレン樹脂フイルム45はプライマ
ー層42を不織布表面に残して含浸され、含浸されたフ
イルム樹脂45により繊維が相互に接合されて積層体用
芯材表面にプライマー層42が形成されたものである。
【0092】成形用積層体6は、実施例1で用いたもの
と同じ表皮材13の不織布面に形成された熱融着型接着
剤層43が熱溶融されて上記積層体用芯材41のプライ
マー層42に貼り合わされたものである。
【0093】(実施例7)図7は請求項11に記載の積
層体用芯材の実施例を示す断面図である。積層体用芯材
8は、厚み20μm の高融点ポリアミドフイルム(融点
210℃)からなる高融点樹脂層72面に厚み120μ
m のポリエチレン(融点130℃)からなる低融点樹脂
層71が押出しラミネートにより積層されてなる積層フ
イルム70が、実施例1で用いられたものと同じ不織布
10の一面に、上記積層フイルム70の低融点樹脂層7
1側が重ね合わせられ、190℃の熱ロールを通過して
低融点樹脂層71が加熱溶融、圧縮されることにより不
織布10に低融点樹脂層71が含浸されたものである。
【0094】図8は請求項13に記載の積層体用芯材の
実施例を示す断面図である。この積層体用芯材8は、実
施例7で用いられた積層フイルム70の高融点樹脂層7
2面にエポキシ樹脂のキシレン溶剤溶液が塗布乾燥され
てプライマー層81が形成された以外は実施例7と同様
に、低融点樹脂層71を不織布10に溶融含浸して得ら
れたものである。
【0095】次に比較例を示す。 (比較例1)実施例1で用いたものと同じ通気性を有す
る積層体用芯材面にウレタン系硬化型接着剤を350g
/m2 で吹き付け、これにポリウレタン発泡体からなる
通気性発泡体が120℃に加熱、接着されてなる成形用
積層体を用いた。
【0096】(比較例2)実施例1で用いたものと同じ
通気性を有する積層体用芯材面に実施例3で用いた耐熱
性樹脂層を積層して非通気性とし、該層面にウレタン系
硬化型接着剤を350g/m2 で吹き付け、これにポリ
エチレン発泡体からなり表面にプライマー層を有する非
通気性発泡体のプライマー層が120℃に加熱、接着さ
れてなる成形用積層体を用いた。
【0097】(比較例3)実施例1で用いたものと同じ
通気性を有する積層体用芯材面に形成されてなる通気性
を有する熱融着型接着剤層と、ポリエステル繊維とポリ
ウレタン発泡体との積層体からなり、片面に熱融着型接
着剤層が形成されてなる通気性を有する表皮材の接着剤
層とが120℃に加熱、接着されてなる成形用積層体を
用いた。
【0098】(比較例4)実施例1で用いたものと同じ
通気性を有する積層体用芯材面に実施例3で用いた耐熱
性樹脂層を積層して非通気性とし、該層面にウレタン系
硬化型接着剤を350g/m2 で吹き付け、この接着剤
面に比較例3で用いた通気性を有する表皮材が接着され
てなる成形用積層体を用いた。
【0099】(比較例5)積層体用芯材面に吹き付ける
ウレタン硬化型接着剤量を200g/m2 とした以外は
比較例5と同様の成形用積層体を用いた。
【0100】以上の実施例1乃至実施例6と、比較例1
乃至比較例6の成形用積層体につき、積層体用芯材と表
皮材との接着性、成形性、積層体用芯材の汚れの発生を
観察した結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】表1から明らかなように、実施例1〜6の
ものはいずれも積層体用芯材と表皮材との接着性がすぐ
れ、剥離することもなく、接着性がよいので成形性もよ
く、更に、積層体用芯材の汚れは全く発生しなかった。
これに対し、比較例1、3のものは積層体用芯材の汚れ
の発生が著しく、比較例2、4のものは積層体用芯材の
汚れはないが、接着剤量が実施例に比べて非常に多量で
ある。また、比較例5のものは表皮材にプライマー層が
設けられているが、積層体用芯材側に熱融着型の接着剤
層がないので、ウレタン系硬化型接着剤を吹き付けたに
もかかわらず接着力が不均一である。
【0103】
【発明の効果】本発明請求項1、2、4、6、10、1
1の成形用積層体は以上の構成となされているので、表
皮材及び接着剤層の細孔から侵入した埃は積層体用芯材
の空隙に入らず、芯材に汚れが生じることがない。請求
項3、5、7の成形用積層体の製造方法によると、不織
布に溶融樹脂を含浸させる工程と、不織布表面に耐熱性
樹脂層を形成する工程とを同時に行うことができ、これ
によって得られる成形用積層体は耐熱性樹脂層により積
層体用芯材の空隙に埃が入ることがなく、汚れを生じな
い。又、予め積層体用芯材と表皮材との少なくとも一方
に接着剤層が形成されているので、接着面に対して散布
される接着剤は不要であり、接着剤量が少なくて済み、
接着強度の信頼性が高いものとなる。請求項9に記載の
成形用積層体の製造方法によると、不織布に熱可塑性樹
脂を含浸すると同時に、表面に厚みが薄くて均一なプラ
イマー層を形成することができ、従来のようなプライマ
ーを塗布、乾燥する工程を省き、接着性にすぐれた成形
用積層体を能率的に製造することができる。請求項12
に記載の積層体用芯材の製造方法によると、不織布に溶
融樹脂を含浸させる工程と、不織布表面にプライマー層
を形成する工程とを同時に行うことができ、これによっ
て得られる請求項13に記載の積層体用芯材は表面に薄
くて均一な厚みのプライマー層が形成されているので、
表皮材等との接着性がすぐれたものである。請求項13
記載の積層体用芯材は、表面に薄くて均一な厚みのプラ
イマー層が形成されているので、接着性のすぐれたもの
であり、これを用いて得られる請求項8の成形用積層体
は積層体用芯材と表皮材との接着性が非常にすぐれたも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図2】本発明の請求項1記載の成形用積層体の他の実
施例を示す断面図。
【図3】本発明の請求項2記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図4】本発明の請求項4記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図5】本発明の請求項6記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図6】本発明の請求項8記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図7】本発明の請求項11記載の積層体用芯材の実施
例を示す断面図。
【図8】本発明の請求項13記載の積層体用芯材の実施
例を示す断面図。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6:成形用積層体 7,8,11 :積層体用芯材 10,15 :不織布 12,21,22,32,43,51:接着剤層 13,23,34,53,63 :表皮材 17,42,62,81:プライマー層 31,61 :耐熱性樹脂層 45 :熱可塑性樹脂フイルム 70 :積層フイルム 33,71 :低融点樹脂層 72 :高融点樹脂層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の片面に
    熱融着型の接着剤層が形成され、更に該接着剤層面に表
    皮材が積層されてなる積層体において、該表皮材と接着
    剤層と積層体用芯材の少なくとも一つが非通気性となさ
    れてなる成形用積層体。
  2. 【請求項2】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なく
    とも片面に積層されてなる耐熱性樹脂層と、該層に貼り
    合わされる表皮材との少なくとも一方に形成された熱融
    着型の接着剤層を介して上記積層体用芯材と表皮材とが
    積層されてなる成形用積層体。
  3. 【請求項3】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なく
    とも片面に耐熱性樹脂層を積層し、該耐熱性樹脂層と、
    該層に貼り合わせる表皮材との少なくとも一方に熱融着
    型の接着剤層を形成し、該接着剤層を介して上記積層体
    用芯材と表皮材とを貼り合わせることを特徴とする成形
    用積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なく
    とも片面に耐熱性樹脂層が積層され、該層面に形成され
    てなる熱融着型の接着剤層と、通気性を有する表皮材と
    が貼り合わされてなる成形用積層体。
  5. 【請求項5】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の少なく
    とも片面に耐熱性樹脂層を積層し、該層面に熱融着型の
    接着剤層を形成し、該接着剤層と通気性を有する表皮材
    とを貼り合わせることを特徴とする成形用積層体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合され、一面に通気性を有する熱融
    着型の接着剤層が形成されてなる積層体用芯材の接着剤
    層と、一方、一面に耐熱性樹脂層が積層された非通気性
    表皮材の該耐熱性樹脂層面に形成されたプライマー層も
    しくは熱融着型の接着剤層とが貼り合わされてなる成形
    用積層体。
  7. 【請求項7】 無機質繊維からなる不織布の繊維が熱可
    塑性樹脂で相互に接合されてなる積層体用芯材の一面に
    熱融着型の通気性を有する接着剤層を形成し、一方、一
    面に耐熱性樹脂層を積層し、該耐熱性樹脂層面にプライ
    マー層もしくは熱融着型の接着剤層を形成した非通気性
    表皮材のプライマー層もしくは接着剤層と、上記通気性
    を有する接着剤層とを貼り合わせることを特徴とする成
    形用積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 片面にプライマー層が形成されてなる熱
    可塑性樹脂フイルムが、該プライマー層面を外側にして
    無機質繊維からなる不織布の一面に重ね合わされ、溶融
    されて該不織布の一面にプライマー層を残して繊維間に
    上記フイルム樹脂が含浸されることにより、繊維が相互
    に接合され、且つ不織布の一面にプライマー層が形成さ
    れてなる積層体用芯材のプライマー層と、該層に貼り合
    わされる表皮材との少なくとも一方に反応硬化型の接着
    剤層が形成され、該接着剤層を介して積層体用芯材と表
    皮材とが貼り合わされてなる成形用積層体。
  9. 【請求項9】 片面にプライマー層が形成されてなる熱
    可塑性樹脂フイルムを該プライマー層を外側にして無機
    質繊維からなる不織布の一面に重ね合わせ、該熱可塑性
    樹脂フイルムを加熱溶融してプライマー層を不織布表面
    に残して含浸することにより、繊維を相互に接合し、且
    つ不織布の一面に上記プライマー層を形成してなる積層
    体用芯材を製し、上記プライマー層と該層に貼り合わせ
    る表皮材との少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層を
    形成し、該接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とを
    貼り合わせることを特徴とする成形用積層体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 高融点樹脂層と低融点樹脂層とが積層
    されてなる積層フイルムの低融点樹脂層を無機質繊維か
    らなる不織布に重ね合わせ、該積層フイルムを加熱し、
    低融点樹脂層だけを溶融して不織布に含浸させることに
    より、不織布の一面に高融点樹脂層を形成し、該高融点
    樹脂層面に熱融着型の接着剤層を形成することを特徴と
    する積層体用芯材の製造方法。
  11. 【請求項11】 無機質繊維からなる不織布に低融点樹
    脂が含浸されてなり、少なくともその一面に高融点樹脂
    層が形成され、更に該高融点樹脂層面に熱融着型の接着
    剤層が形成されてなる積層体用芯材。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライ
    マー層もしくは熱融着型の接着剤層を形成し、該プライ
    マー層もしくは熱融着型の接着剤層を外側にして不織布
    に重ね合わせ、上記フイルムを加熱溶融してプライマー
    層もしくは熱融着型接着剤層を不織布表面に残して含浸
    させることにより、不織布の表面にプライマー層もしく
    は熱融着型の接着剤層を形成することを特徴とする積層
    体用芯材の製造方法。
  13. 【請求項13】 一面にプライマー層もしくは熱融着型
    の接着剤層が形成されてなる熱可塑性樹脂フイルムが、
    プライマー層もしくは熱融着型の接着剤層を外側にして
    不織布に重ね合わされ、上記フイルムが熱溶融されてプ
    ライマー層もしくは熱融着型接着剤層を不織布表面に残
    して含浸され、不織布の表面にプライマー層もしくは熱
    融着型の接着剤層が形成されてなる積層体用芯材。
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JP2007283758A (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Du Pont Toray Co Ltd 高機能コンポジット
JP2010208607A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Sanwa Kogyo Kk 自動車のサンルーフ用サンシェードパネル
JP2016124182A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日産自動車株式会社 接着構造体及び接着方法

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