JP2003260745A - 積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法 - Google Patents

積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法

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JP2003260745A
JP2003260745A JP2003006104A JP2003006104A JP2003260745A JP 2003260745 A JP2003260745 A JP 2003260745A JP 2003006104 A JP2003006104 A JP 2003006104A JP 2003006104 A JP2003006104 A JP 2003006104A JP 2003260745 A JP2003260745 A JP 2003260745A
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layer
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JP2003006104A
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English (en)
Inventor
Akira Shibata
亮 柴田
Katsuhiko Yamaji
克彦 山路
Masato Hata
正人 畑
Rikizo Tanaka
利喜蔵 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に均一な厚さのプライマー層もしくは接
着剤層を有し、表皮材との接着性のすぐれた積層体用芯
材及びその製造方法を提供する。 【構成】 片面にプライマー層が形成されてなる熱可塑
性樹脂フイルムが、該プライマー層面を外側にして無機
質繊維からなる不織布の一面に重ね合わされ、溶融され
て該不織布の一面にプライマー層を残して繊維間に上記
フイルム樹脂が含浸されることにより、繊維が相互に接
合され、且つ不織布の一面にプライマー層が形成されて
なる積層体用芯材のプライマー層と、該層に貼り合わさ
れる表皮材との少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層
が形成され、該接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材
とが貼り合わされてなる成形用積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で接着性にすぐ
れ、特に成形を伴う自動車用内装材、建築用内装材の基
材として好適に使用され、容易に、且つ能率よく製造で
きる積層体用芯材、成形用積層体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内装材、建築用内装材の基材と
して軽量であり、吸音性にすぐれたものとして、例え
ば、特開昭64−77664号公報には、ガラス繊維か
らなるマット状物の両面にポリエチレンシートを積層
し、この両面にポリテトラフルオロエチレンシートをあ
てがい、ポリエチレンシートを溶融温度以上に加熱、溶
融した状態で加圧圧縮してマット状物に含浸させる技術
が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、例えば上記公報
に記載のマット状物のような芯材の表面に表皮材を積層
するには、予め芯材の表面に反応硬化型接着剤をスプレ
ーノズルにより散布したものを重ね、これを型に入れて
成形する方法が行われている。しかし、このように接着
剤をスプレーノズルで散布すると、所定量以上の接着剤
が散布されて非常に無駄となる。
【0004】又、特開昭64−77664号公報記載の
製造方法によると、得られた積層体用芯材表面にプライ
マーを塗布、乾燥したり、接着剤層を設ける工程が必要
である。一般に不織布を芯材とするものは表面が平滑で
なく、接着性向上のためにプライマーや接着剤を塗布し
ても不均一になり易く、薄くて厚みの均一な層を設ける
ことは困難で、そのため接着性が不均一となり易いとい
う問題もある。
【0005】本発明は、上記従来の成形性複合材料の問
題点を解消し、表面に均一な厚さのプライマー層もしく
は接着剤層を有し、表皮材との接着性のすぐれた積層体
用芯材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】積層体用芯材とは、加熱
溶融された熱可塑性樹脂が不織布に含浸されたものをい
う。含浸される樹脂量により通気性のもの、あるいは非
通気性のものがあり、更に、樹脂が含浸された不織布面
に耐熱性樹脂層、接着剤層、プライマー層などの接着性
やバリヤ性のもの等が形成されたものも含まれる。成形
用積層体とは、上記積層体用芯材の片面もしくは両面に
表皮材、裏打ち材、補強材等の他の材料が積層され、成
形型で所望の形状に成形されるために供されるものであ
る。
【0007】以下に本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて不織布に用いられる無機質繊維としては、ガラス
繊維、炭素繊維、ロックウール繊維、セラミック繊維、
金属繊維等が挙げられる。これらの繊維の長さは不織布
の製造面において5〜200mmが好ましく、より好ま
しくは20〜100mmであり、50mm以上の繊維が
70%以上含まれているのが更に好ましい。無機質繊維
の直径は3〜50μm、より好ましくは20〜40μm
である。無機質繊維の直径が3μmよりも小さいと機械
的強度が低下し、50μmを超えると不織布の嵩密度が
大きくなり、重くなる。不織布の密度は大きくなるほど
重くなり、小さくなると機械的強度が低下するので0.
01〜0.2g/cm3が好ましく、より好ましくは
0.03〜0.07g/cm3である。無機質繊維には
ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポリエステル等の
有機質繊維を適当量混合してもよい。不織布の機械的強
度を向上させるためにニードルパンチを施してもよく、
その密度は1cm2あたり1〜100箇所行うのが好ま
しく、より好ましくは10〜50箇所である。
【0008】積層体用芯材を構成するために用いられる
熱可塑性樹脂は、多数の無機質繊維を相互に結合するも
のであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ナイロン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
ビニルブチラール、塩化ビニル、ポリブチレンテレフタ
レート等、比較的低融点のものが挙げられる。上記熱可
塑性樹脂はフイルム状、粉末状、または溶媒に分散され
たエマルジョン等の状態で使用される。熱可塑性樹脂フ
イルムの場合、厚さは不織布の厚みと同等もしくはやや
薄く、10〜300μmが好ましい。
【0009】無機質繊維からなる不織布に熱可塑性樹脂
を含浸させるには、該樹脂フイルムを不織布面に載置
し、これを加熱溶融させた状態で不織布に加圧すること
により、溶融樹脂を不織布の繊維間に含浸させることが
できる。熱可塑性樹脂粉末を用いる場合は、50〜10
0メッシュの粉末を不織布の繊維間に分散させ、熱可塑
性樹脂の融点以上に加熱することにより、不織布に含浸
させ、空隙を有する積層体用芯材とすることができる。
熱可塑性樹脂をエマルジョンで用いるには、該エマルジ
ョンに不織布を浸漬し、これを乾燥後、熱可塑性樹脂の
融点以上に加熱することにより積層体用芯材を得ること
ができる。
【0010】積層体用芯材には成形性、吸音性、断熱性
等をよくするために嵩高さを付与させるのが好ましい。
この手段として、例えば、溶融樹脂を不織布に含浸させ
た後、該熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度で無加圧状
態で所定時間保持することにより、無機質繊維の弾性復
元力により不織布の厚みを元の状態に回復させる方法が
ある。また、テフロン(登録商標)シート等のように溶融
した樹脂には接着するが、接着した樹脂が冷却すると容
易に剥離する拡張部材を積層体用芯材の両面に配設し、
加熱溶融した積層体用芯材の樹脂と拡張部材とを接着さ
せた状態で、真空吸着装置などにより積層体用芯材の厚
み方向外方へ移動させ、強制的に積層体用芯材の厚みを
増加させることにより内部に空隙を生じさせ、嵩高にす
ることができる。
【0011】請求項1に記載の成形用積層体は、片面に
プライマー層が形成されてなる熱可塑性樹脂フイルム
が、該プライマー層面を外側にして無機質繊維からなる
不織布の一面に重ね合わされ、溶融されて該不織布の一
面にプライマー層を残して繊維間に上記フイルム樹脂が
含浸されることにより、繊維が相互に接合され、且つ不
織布の一面にプライマー層が形成されてなる積層体用芯
材のプライマー層と、該層に貼り合わされる表皮材との
少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層が形成され、該
接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とが貼り合わさ
れてなるものである。
【0012】熱可塑性樹脂フイルムの樹脂としては、前
記積層体用芯材に含浸される熱可塑性樹脂が用いられ、
これがフイルム状に成形されたものである。その厚みは
10〜300μmが好ましく、プライマーが塗布される
表面はコロナ放電処理が施されてあれば更に好ましい。
プライマーとしては、エポキシ系、フェノール系、ポリ
ウレタン系等一般に下塗剤として使用されているものが
挙げられる。フイルム面に形成されるプライマー層の厚
みは約10〜50μmが好ましい。
【0013】ここで用いられる不織布は上記に記載のも
のである。この成形用積層体は、プライマー層が形成さ
れてなる上記フイルムがプライマー層を外側にして不織
布の一面に重ね合わされてその溶融温度以上に加熱さ
れ、フイルム樹脂が溶融されてプライマー層を不織布表
面に残して繊維間に含浸されることにより不織布繊維が
樹脂により相互に接合されたものであり、不織布の表面
にプライマー層を残して含浸されるので不織布表面にプ
ライマー層が形成された積層体用芯材が用いられる。不
織布面に形成されるプライマー層は無数の細孔を有する
通気性のものであってもよい。この成形用積層体は、プ
ライマー層又は表皮材、又はこれらの両面に形成された
反応硬化型接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とが
貼り合わされたものである。反応硬化型接着剤層として
は、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリブタジエン系、
シリコン系、ホルムアルデヒド系等のものが使用でき
る。
【0014】請求項2に記載の成形用積層体の製造方法
は、片面にプライマー層が形成されてなる熱可塑性樹脂
フイルムを該プライマー層を外側にして無機質繊維から
なる不織布の一面に重ね合わせ、該熱可塑性樹脂フイル
ムを加熱溶融してプライマー層を不織布表面に残して含
浸することにより、繊維を相互に接合し、且つ不織布の
一面に上記プライマー層を形成してなる積層体用芯材を
製し、上記プライマー層と該層に貼り合わせる表皮材と
の少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層を形成し、該
接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とを貼り合わせ
ることを特徴とするものである。
【0015】この成形用積層体の製造方法は上記請求項
1に記載の成形用積層体を製造する方法であり、従っ
て、ここで用いる材料はすべて請求項1で使用されるも
のと同じである。
【0016】この発明では、片面にプライマー層が形成
されてなる熱可塑性樹脂フイルムを該プライマー層を外
側、つまり不織布と反対側にして重ね合わせ、該フイル
ムを加熱溶融するとフイルム樹脂は不織布に含浸され
る。従って、一定面積のフイルムの樹脂体積が同面積の
不織布が有する空隙容積よりも大きければ不織布の空隙
は樹脂で満たされ、不織布表面には平面的に連続したプ
ライマー層が形成され、該樹脂体積が不織布の空隙容積
よりも小さければ、不織布表面に残されるにフイルム樹
脂は少なくなり、プライマーは不織布表面の繊維に残さ
れ、平面的には不連続な部分を多数形成した層となり、
不織布が通気性を有する状態となるが、これも本発明の
プライマー層に含むものとする。しかし、不織布繊維の
集合密度からみて表面の各繊維にプライマーが存在する
ことにより、接着性は非常によくなる。
【0017】フイルム樹脂を含浸させる際、該フイルム
よりも溶融温度の高いもの、例えばフッ素系樹脂シート
等のようなものを溶融フイルムの上から不織布に向けて
あてがい、加圧すれば、容易に含浸できる。又、積層体
用芯材に嵩高さを付与することにより、該プライマー層
にも多数の細孔が形成され、通気性のプライマー層とな
されてもよい。
【0018】従来、積層体用芯材表面にプライマーを塗
布しても、積層体用芯材表面は不織布繊維による凹凸の
ため厚みが不均一となり、接着性が不均一になり易かっ
たが、本発明の構成とすることにより、積層体用芯材は
不織布表面にたとえ不連続部分があっても厚みが均一な
プライマー層を形成できるので、表皮材との接着性が一
定してすぐれたものとなる。又、不織布に樹脂含浸する
のと同時に表面にプライマー層を形成できるので、従来
のように一旦積層体用芯材を製造し、この表面にプライ
マーを塗布乾燥する必要がなく、積層体用芯材の製造に
おいても非常に能率的である。
【0019】上記不織布の一面にプライマー層が形成さ
れてなる積層体用芯材のプライマー層と表皮材との少な
くとも一方に形成した反応硬化型接着剤層により芯材と
表皮材とを接着する。また、積層体用芯材と表皮材とを
重ねて所望の形状を有する成形型内に置き、これをプレ
スして接着と同時に所望の形状に成形してもよい。
【0020】請求項3に記載の積層体用芯材の製造方法
は、熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライマー層もしく
は熱融着型の接着剤層を形成し、該プライマーもしくは
熱融着型の接着剤層を外側にして不織布に重ね合わせ、
上記フイルムを加熱溶融してプライマー層もしくは熱融
着型接着剤層を不織布表面に残して含浸させることによ
り、不織布の表面にプライマー層もしくは熱融着型の接
着剤層を形成することを特徴とするものである。
【0021】熱可塑性樹脂フイルムは、上記で述べた不
織布に含浸される熱可塑性樹脂からなるフイルムを指
し、比較的低融点のものである。不織布は上記で述べた
ようなものが使用できる。プライマー層としては、エポ
キシ系、フェノール系、ポリウレタン系等一般に下塗剤
として使用されているものが挙げられる。熱融着型の接
着剤としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリエ
ステル、ポリアミド等、及びこれらの混合物からなるフ
イルム、ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
【0022】熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライマー
層もしくは熱融着型の接着剤層を形成するには、プライ
マーならば各種のロールコーターにより直接塗布する。
熱融着型の接着剤層ならば押出しラミネート等による積
層、又は熱融着型接着剤をフイルム状に成形したものを
貼り合わせるなどの積層方法が採用される。上記熱可塑
性樹脂フイルムをプライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層を外側、即ち、不織布の反対側にして不織布に重ね
合わせ、該フイルムをその溶融温度以上に加熱して溶融
させることにより、プライマー層もしくは熱融着型の接
着剤層を不織布表面に残してフイルム樹脂を含浸する。
【0023】上記プライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層を有する熱可塑性樹脂フイルムを不織布の片面に重
ね合わせて溶融含浸してもよく、不織布の両面に重ね合
わせて両面から溶融含浸してもよい。
【0024】一定面積の熱可塑性樹脂フイルムの樹脂体
積が同面積の不織布の空隙容積よりも相当に少ないと、
溶融したフイルム樹脂は表面張力により不織布繊維の周
囲に凝集し、多数の空隙を生じて通気性を有するものと
なり、プライマー層もしくは接着剤層の一部は溶融樹脂
とともに不織布の空隙に入り込むが、大部分は不織布表
面の繊維に付着し、平面的には不連続ではあるが通気性
を有するプライマー層もしくは接着剤層を形成する。
【0025】一定面積の熱可塑性樹脂フイルムの樹脂体
積が同面積の不織布の空隙容積に近いと、不織布全体に
フイルム樹脂が含浸されて非通気性となり、プライマー
層もしくは接着剤層も平面的に連続した非通気性のもの
となる。
【0026】又、得られた積層体用芯材に断熱性、吸音
性、成形性等を向上させるために、例えば、不織布の両
面に積層フイルムを重ね合わせ、さらに該積層フイルム
面に、ガラス繊維強化ポリテトラフルオロエチレンシー
トのような剥離し易い拡張部材を接着し、加熱溶融した
積層体用芯材の樹脂と拡張部材とを接着させた状態で真
空吸着装置などにより積層体用芯材の厚み方向外方へ移
動させることにより、強制的に積層体用芯材の厚みを増
加させ、嵩高にすることができる。
【0027】この発明の方法によると、不織布に熱可塑
性樹脂を溶融含浸するのと同時に該不織布面にプライマ
ー層もしくは熱融着型の接着剤層を形成することがで
き、積層体用芯材の製造を能率よく行うことができる。
又、表面が平滑でない不織布面に、均一で薄いプライマ
ー層もしくは接着剤層を形成することができ、均一です
ぐれた接着性を有する積層体用芯材を得ることができ
る。
【0028】請求項4に記載の積層体用芯材は、上記請
求項3の発明を実施して得られるものであって、一面に
プライマー層もしくは熱融着型の接着剤層が形成されて
なる熱可塑性樹脂フイルムがプライマー層もしくは熱融
着型の接着剤層を外側にして不織布に重ね合わされ、上
記フイルムが熱溶融されてプライマー層もしくは熱融着
型の接着剤層を不織布表面に残して含浸され、不織布の
表面にプライマー層もしくは熱融着型の接着剤層が形成
されてなるものである。
【0029】従って、使用される材料はすべて請求項3
の説明で述べたものである。不織布の空隙量に比して樹
脂量の少ない熱可塑性樹脂フイルム、即ち厚みの薄いフ
イルムが含浸された不織布は通気性のものとなり、表面
に形成されるプライマー層もしくは熱融着型の接着剤層
も通気性のものとなる。従って、通気性の程度は不織布
の繊維密度と厚み、及び熱可塑性樹脂フイルムとの厚み
を選択することにより種々のものとすることができる。
【0030】この発明による積層体用芯材は、表面に薄
くて厚みの均一なプライマー層もしくは熱融着型の接着
剤層が形成されているので、表皮材等他の材料との接着
性が均一ですぐれており、通気性の選択も自在にできる
ものである。熱可塑性樹脂フイルムが不織布の片面に重
ね合わされて溶融含浸されたものでもよく、不織布の両
面に重ね合わされて溶融含浸されたものでもよい。両面
から樹脂が含浸されたものは、例えば、片面に表皮材
を、他面に裏打ち材等を積層した積層体とすることがで
きる。
【0031】
【作用】
【0032】請求項1記載の成形用積層体では、不織布
表面に厚みの均一なプライマー層を形成できるので接着
性のすぐれたものとなり、表皮材との一定した接着性が
得られる。
【0033】請求項2の成形用積層体の製造方法による
と、不織布表面に厚みが薄くて均一なプライマー層を有
する積層体を能率的に製造できる。そして従来のように
プライマーを塗布、乾燥する必要がない。
【0034】請求項3に記載の積層体用芯材の製造方法
によると、いずれも熱可塑性樹脂を溶融し、不織布に含
浸するのと同時に不織布表面に高融点樹脂層、又はプラ
イマー層もしくは接着剤層を均一な厚みで形成できる。
【0035】請求項4に記載の積層体用芯材は、樹脂が
含浸された不織布面に厚みが薄くて均一なプライマー層
もしくは接着剤層が形成されているので、他の材料との
接着性が非常によい。
【0036】
【実施例】以下に本発明成形用積層体の実施例を説明す
る。
【0037】(実施例1)図1は請求項1に記載の成形
用積層体の実施例を示す断面図である。積層体用芯材4
1は、ウレタン樹脂をトルエンに溶解した溶剤溶液を一
面に塗布乾燥して形成された厚さ20μmのプライマー
層42を有する厚さ160μmのポリエチレン(融点1
30℃)からなる熱可塑性樹脂フイルム45をプライマ
ー層42を外側にしてガラス繊維からなる不織布19に
重ね合わせ、200℃で3分間加熱し、ロール間隔1.
3mm、200℃のロールに5cm/秒の速度で通すこ
とにより加圧して、該フイルム樹脂45を加熱溶融し、
不織布19に含浸した後、これを厚み方向に拡開し、厚
さ8mm、空隙率90%となされた通気性を有するもの
である。上記により、片面にプライマー層42を有する
ポリエチレン樹脂フイルム45はプライマー層42を不
織布表面に残して含浸され、含浸されたフイルム樹脂4
5により繊維が相互に接合されて積層体用芯材表面にプ
ライマー層42が形成されたものである。
【0038】成形用積層体6は、ポリウレタン発泡体1
4の片面にポリエステル繊維からなる不織布15が、他
面に独立気泡のポリエチレン発泡体16が積層された厚
み3mmの非通気性の表皮材13の不織布面に形成され
た熱融着型接着剤層43が熱溶融されて上記積層体用芯
材41のプライマー層42に貼り合わされたものであ
る。
【0039】図2は請求項4に記載の積層体用芯材の実
施例を示す断面図である。長さ60mm、直径13μm
のガラス繊維からなるチョップストランドと、6デニー
ル、50mmカットのポリエチレン繊維とを、重量比で
2:1の割合で混繊してなる綿状物に20箇所/cm2
でニードルパンチを施し、厚さ9mm、密度0.05g
/m3の不織布10を得た。図2の積層体用芯材8は、
厚み20μmの高融点ポリアミドフイルム(融点210
℃)からなる高融点樹脂層72面に厚み120μmのポ
リエチレン(融点130℃)からなる低融点樹脂層71
が押出しラミネートにより積層されてなる積層フイルム
70の高融点樹脂層72面に、エポキシ樹脂のキシレン
溶剤溶液が塗布乾燥されてプライマー層81が形成さ
れ、上記不織布10の一面に、上記積層フイルム70の
低融点樹脂層71側が重ね合わせられ、190℃の熱ロ
ールを通過して低融点樹脂層71が加熱溶融、圧縮され
ることにより、低融点樹脂層71を不織布10に溶融含
浸して得られたものである。
【0040】次に比較例を示す。 (比較例1)上記で用いたものと同じ不織布の両側に厚
み150μmのポリエチレンシートを積層し、更にこの
ポリエチレンシートの外側に厚さ600μmのガラス繊
維強化ポリテトラフルオロエチレンシートを積層し、こ
の積層体を200℃で3分間加熱し、ロール間隔1.3
mm、200℃のロールに5cm/秒の速度で通すこと
により加圧した。次に、200℃の状態でガラス繊維強
化ポリテトラフルオロエチレンシートを両側から0.5
mm/秒の速度で真空吸引してシート間を8mmまで拡
開させ、その後3分間空冷し、該シートを剥離して不織
布の繊維間にポリエチレン樹脂が含浸されてなる厚さ8
mmの、空隙率88%の積層体用芯材を得た。上記の通
気性を有する積層体用芯材面にウレタン系硬化型接着剤
を350g/m2で吹き付け、これにポリウレタン発泡
体からなる通気性発泡体が120℃に加熱、接着されて
なる成形用積層体を用いた。
【0041】(比較例2)比較例1で用いたものと同じ
通気性を有する積層体用芯材面に、耐熱性樹脂層として
厚さ10μmの高融点ポリアミドフイルム(融点200
℃)を積層して非通気性とし、該層面にウレタン系硬化
型接着剤を350g/m2で吹き付け、これにポリエチ
レン発泡体からなり表面にプライマー層を有する非通気
性発泡体のプライマー層が120℃に加熱、接着されて
なる成形用積層体を用いた。
【0042】(比較例3)比較例1で用いたものと同じ
通気性を有する積層体用芯材面に比較例2で用いた耐熱
性樹脂層を積層して非通気性とし、該層面にウレタン系
硬化型接着剤を350g/m2で吹き付け、この接着剤
面に、ポリエステル繊維とポリウレタン発泡体との積層
体からなり、片面に熱融着型接着剤層が形成されてなる
通気性を有する表皮材が接着されてなる成形用積層体を
用いた。
【0043】以上の実施例1と、比較例1乃至比較例3
の成形用積層体につき、積層体用芯材と表皮材との接着
性、成形性、積層体用芯材の汚れの発生を観察した結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、実施例1のもの
は積層体用芯材と表皮材との接着性がすぐれ、剥離する
こともなく、接着性がよいので成形性もよかった。これ
に対し、比較例1〜3のものは、接着剤量が実施例に比
べて非常に多量である。
【0046】
【発明の効果】請求項2に記載の成形用積層体の製造方
法によると、不織布に熱可塑性樹脂を含浸すると同時
に、表面に厚みが薄くて均一なプライマー層を形成する
ことができ、従来のようなプライマーを塗布、乾燥する
工程を省き、接着性にすぐれた成形用積層体を能率的に
製造することができる。請求項3に記載の積層体用芯材
の製造方法によると、不織布に溶融樹脂を含浸させる工
程と、不織布表面にプライマー層を形成する工程とを同
時に行うことができ、これによって得られる請求項12
に記載の積層体用芯材は表面に薄くて均一な厚みのプラ
イマー層が形成されているので、表皮材等との接着性が
すぐれたものである。請求項4記載の積層体用芯材は、
表面に薄くて均一な厚みのプライマー層が形成されてい
るので、接着性のすぐれたものであり、これを用いて得
られる請求項1の成形用積層体は積層体用芯材と表皮材
との接着性が非常にすぐれたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の成形用積層体の実施例
を示す断面図。
【図2】本発明の請求項4記載の積層体用芯材の実施例
を示す断面図。
【符号の説明】
6:成形用積層体 8:積層体用芯材 10、19:不織布 43:接着剤層 13:表皮材 42、81:プライマー層 45:熱可塑性樹脂フイルム 70:積層フイルム 71:低融点樹脂層 72:高融点樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA00A AB01A AC10A AD00A AD11A AG00A AK01A AK51B AK51G AR00B BA02 BA10A BA10B CB02 DG15A DH02A DJ01B EC051 EC182 EJ421 EJ651 EJ821 GB33 HB00B JB16A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面にプライマー層が形成されてなる熱
    可塑性樹脂フイルムが、該プライマー層面を外側にして
    無機質繊維からなる不織布の一面に重ね合わされ、溶融
    されて該不織布の一面にプライマー層を残して繊維間に
    上記フイルム樹脂が含浸されることにより、繊維が相互
    に接合され、且つ不織布の一面にプライマー層が形成さ
    れてなる積層体用芯材のプライマー層と、該層に貼り合
    わされる表皮材との少なくとも一方に反応硬化型の接着
    剤層が形成され、該接着剤層を介して積層体用芯材と表
    皮材とが貼り合わされてなる成形用積層体。
  2. 【請求項2】 片面にプライマー層が形成されてなる熱
    可塑性樹脂フイルムを該プライマー層を外側にして無機
    質繊維からなる不織布の一面に重ね合わせ、該熱可塑性
    樹脂フイルムを加熱溶融してプライマー層を不織布表面
    に残して含浸することにより、繊維を相互に接合し、且
    つ不織布の一面に上記プライマー層を形成してなる積層
    体用芯材を製し、上記プライマー層と該層に貼り合わせ
    る表皮材との少なくとも一方に反応硬化型の接着剤層を
    形成し、該接着剤層を介して積層体用芯材と表皮材とを
    貼り合わせることを特徴とする成形用積層体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フイルムの一面にプライマ
    ー層もしくは熱融着型の接着剤層を形成し、該プライマ
    ー層もしくは熱融着型の接着剤層を外側にして不織布に
    重ね合わせ、上記フイルムを加熱溶融してプライマー層
    もしくは熱融着型接着剤層を不織布表面に残して含浸さ
    せることにより、不織布の表面にプライマー層もしくは
    熱融着型の接着剤層を形成することを特徴とする積層体
    用芯材の製造方法。
  4. 【請求項4】 一面にプライマー層もしくは熱融着型の
    接着剤層が形成されてなる熱可塑性樹脂フイルムが、プ
    ライマー層もしくは熱融着型の接着剤層を外側にして不
    織布に重ね合わされ、上記フイルムが熱溶融されてプラ
    イマー層もしくは熱融着型接着剤層を不織布表面に残し
    て含浸され、不織布の表面にプライマー層もしくは熱融
    着型の接着剤層が形成されてなる積層体用芯材。
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