JP4576895B2 - 繊維強化複合材料用強化繊維基材および繊維強化複合材料 - Google Patents
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構成要素(B):層間強化材
構成要素(C):メタキシレン型ナイロン不織布からなる層間スペーサー
また、本発明の繊維強化複合材料は、上記強化繊維基材と、マトリックス樹脂組成物の硬化物とからなる。
また、可撓性のフィルムの材料としては、ナイロン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。剛体からなるクローズドモールドを用いる場合、加圧して型締めし、マトリックス樹脂組成物を加圧して注入することが、通常行われる。
このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプなどの手段により吸引することも可能である。吸引を行い、特別な加圧手段を用いずに、大気圧のみでマトリックス樹脂組成物を注入することも可能である。剛体のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、通常、吸引口を設け真空ポンプなどの手段により吸引し、大気圧による注入を用いるVaRTM(Vacuum−assisted RTM)法を用いる。ここで、国際公開第01/41993号に引用されるCAPRI法のごとく、大気圧より低い圧力に注入圧力を調整する方法も可能である。大気圧あるいはそれ以下の圧力による注入で、良好な含浸を実現するためには、米国特許第4902215号明細書に示されるような、樹脂拡散媒体を用いることも有効である。
この断面写真を用い、層間の厚みを求める。層間の厚みは写真上で、少なくとも5層以上の積層部分の厚みを、任意に選んだ5箇所で測定し、平均して求める。層間の厚みが10μmよりも小さいと、マトリックス樹脂が変形できる領域が狭いため、層間が高靭性化されていても、衝撃後の圧縮強度が不十分になることがある。また、層間の厚みが30μmよりも大きいと、強化繊維の繊維体積含有率が低下し、繊維強化複合材料の強度、弾性率が不足することがある。 本発明により得られた繊維強化複合材料の用途は特に限定されないが、例えば、航空機の胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドアなど、宇宙機のモーターケース、主翼など、人工衛星の構体等が挙げられる。さらに自動車のシャシー、鉄道車両の構体等も挙げられる。
<強化繊維(A)>
強化繊維には次のPAN系炭素繊維を用い、次のガラス繊維、ポリアミド66繊維とともに製織し、ノンクリンプ織物の形態にしたものを用いた。
・ガラス繊維:品番 ECE225 1/0 1Z、繊度 22.5tex、伸度 3%以上、バインダータイプ”DP”(日東紡績(株)製)
・ポリアミド66繊維:7フィラメント、繊度 1.7tex、融点 255℃、油分 0.6%。
<層間強化剤(B)>
層間強化材には次の材料から製造した粒子を用いた。
・”スミカエクセル”5003P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製)
エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)
・”エピコート”806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・NC−3000(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製)
・”TEPIC”−P(イソシアヌレート型エポキシ樹脂、日産化学工業(株)製)
本実施例における層間強化材の製造法を示す。”エピコート”806(23.5重量%)、NC−3000(12.5重量%)、”TEPIC”−P(4重量%)を100℃において均一になるまで混合し、エポキシ樹脂混合物を得た。次に、”スミカエクセル”5003P(60重量%)、エポキシ樹脂混合物(40重量%)を2軸押出機にて溶融混練して相溶させた樹脂組成物を、冷凍粉砕して粒子にした。得られた粒子の体積平均粒子径は90μmであった(レーザー回折・散乱法を用いた(株)セイシン企業製LMS−24にて測定)。
<層間スペーサー(C1)>
層間スペーサーには、メルトブロー法により製造したポリアミド12の不織布を用いた。なお、不織布の単位面積当たりの重さは2g/m2であった。また、ポリアミド12の23℃の温度での曲げ弾性率は1.4GPaであり、温度23℃での水中浸漬24時間後の吸水率は0.3%であった。
<層間スペーサー(C2)>
また、別の層間スペーサーとして、メルトブロー法により製造したメタキシレン型ナイロンの不織布を用いた。なお、不織布の単位面積当たりの重さは7g/m2であった。また、メタキシレン型ナイロンの23℃の温度での曲げ弾性率は4.5GPaであり、温度23℃での水中浸漬24時間後の吸水率は0.3%であった。
<マトリックス樹脂組成物>
マトリックス樹脂組成物には、次の材料から製造したものを用いた。
・“エピコート”630(アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“エピコート”825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・GAN(ジグリシジルアニリン、日本化薬(株)製)
・“エピキュア”W(2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミンとの混合物、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン(株)製)
・“スミキュア”S(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、住友化学(株)製)
“アラルダイト”MY721(40重量%)、”エピコート”630(10重量%)、“エピコート”825(35重量%)、GAN(15重量%)を計り取り、70℃で均一になるまでよく撹拌し、マトリックス樹脂組成物の主剤を得た。“エピキュア”W(70重量%)、3,3’−DAS(20重量%)、“スミキュア”S(10重量%)を計り取り、90℃で均一になるまでよく撹拌し、マトリックス樹脂組成物の硬化剤を得た。次に、主剤100重量%に対して硬化剤38重量%を加え、均一になるまでよく撹拌し、マトリックス樹脂組成物を得た。
(比較例1)
層間強化材を、エンボスロールとドクターブレードにて単位面積当たりの重量が27g/m2になるように計量しながら落下させ、振動ネットを介してノンクリンプ織物上に均一に分散させた。続いて、ノンクリンプ織物の表面が185℃になるようにセットした遠赤外線ヒーターの下を0.3m/minで通過させ、層間強化材をノンクリンプ織物上に固着させた。次に、ポリアミド12の不織布をノンクリンプ織物の層間強化材を固着させた面にのせ、160℃にセットしたプレスローラーにてノンクリンプ織物上に固定させた。
(1)30℃から180℃まで、速度1.5℃/minで昇温する。
(2)180℃で2時間保持する。
(3)180℃から30℃まで、速度2.5℃/minで降温する。
(実施例1)
メタキシレン型ナイロンを用いた以外は、比較例1と同様にして、強化繊維基材を作製した。
次に、得られた繊維強化複合材料を用い、SACMA−SRM−2R−94に準拠し、衝撃後圧縮強度を評価した。その結果、衝撃後圧縮強度は280MPaであり、十分に高いものであった。また、層間の厚みは20μmであった。このことから、衝撃後圧縮強度が十分に高かったのは、層間強化材により層間が高靭性化されたのに加え、層間スペーサーにより層間の厚みが十分に確保されたためであると考えられる。
さらに、得られた繊維強化複合材料を用い、SACMA−SRM−1R−94に準拠して、吸水後高温環境下での0°圧縮強度を測定した。試験片を70℃の温度の温水中に14日間浸漬した後、82℃の温度での圧縮強度を測定した。その結果、吸水後高温環境下での0°圧縮強度は830MPaであり十分に高いものであった。
(比較例2)
ポリアミド12の不織布を用いなかった以外は、比較例1と同様にして、強化繊維基材を作製した。
(比較例3)
ノンクリンプ織物と層間スペーサーであるポリアミド12の不織布を用い、以下の方法で繊維強化複合材料を作成した。
(1)30℃から180℃まで、速度1.5℃/minで昇温する。
(2)180℃で2時間保持する。
(3)180℃から30℃まで、速度2.5℃/minで降温する。
2:ガラス繊維
3:ポリアミド66繊維
Claims (9)
- 少なくとも次の構成要素(A)、(B)、(C)からなる繊維強化複合材料用強化繊維基材。
構成要素(A):強化繊維
構成要素(B):層間強化材
構成要素(C):メタキシレン型ナイロン不織布からなる層間スペーサー - 構成要素(B)が熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材。
- 熱可塑性樹脂がポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2に記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材。
- 構成要素(B)がポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィドからなる群から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂との混合物である、請求項1に記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材。
- 構成要素(B)が粒子である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材。
- 構成要素(C)の不織布の目付が1〜10g/m2である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用強化繊維基材と、マトリックス樹脂組成物の硬化物からなる繊維強化複合材料。
- 強化繊維の繊維体積含有率(Vf)が45〜65%である、請求項7に記載の繊維強化複合材料。
- 層間の厚みが10〜30μmである、請求項7または8に記載の繊維強化複合材料。
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